JP5045813B2 - 圧電振動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電振動装置に関し、特に、粒子配向されたビスマス層状化合物を主結晶相とする圧電基板を用いた圧電振動装置に関する。
従来、圧電基板の両主面に厚み方向に対向するように電極が設けられた圧電振動子の両端を支持部材の上に固定した圧電振動装置が知られている。このような圧電振動装置において、圧電材料としては、PbTiOやPb(ZrTi)Oなどが一般的に用いられている。圧電材料としてPbTiOやPb(ZrTi)Oを用いることにより、大きな電気機械結合係数が得られ、かつ振動を効果的に閉じ込めることができる。
また、PbTiOやPb(ZrTi)O以外の圧電材料としては、例えば特許文献1などにおいて提案されているSrBiTi15などのビスマス層状化合物が知られている。SrBiTi15などのビスマス層状化合物は、圧電歪定数や電気機械結合係数などの圧電性はPbTiOやPb(ZrTi)Oなどと比べて低いものの、機械的品質係数が高く、比誘電率が小さい。このため、ビスマス層状化合物は、高周波用途に適している。また、ビスマス層状化合物は、キュリー温度が高いため、広い温度範囲で使用できるという利点を有している。
しかしながら、ビスマス層状化合物からなる圧電基板の両端部を固定した場合、圧電基板の発振特性が悪化する問題があることが特許文献1において指摘されている。このような問題に鑑み、特許文献1では、ビスマス層状化合物からなる圧電基板を用いた場合でも良好な発振特性が得られる圧電共振装置構造が提案されている。
図14に示すように、特許文献1に開示された圧電共振装置100は、ビスマス層状化合物を主結晶相とする圧電板101を有する圧電共振素子102と、基板103とを備えている。圧電共振素子102の一方の端部102aは、銀ペースト104により基板103に固定されている。圧電共振素子102の他方の端部102bは、基板103に設けられた支持体105の上面に当接している。これにより、圧電共振素子102の他方の端部102bが支持されている。このように、支持体105の上面を当接させることにより圧電共振素子102の端部102bを支持することにより、端部102bが自由端となるため、圧電共振素子102の発振特性を高めることができる旨が特許文献1には記載されている。
特開2001−68963号公報
しかしながら、圧電共振装置100では、圧電共振素子102の一方の端部102aが銀ペースト104によって固定されているため、十分に良好な発振特性が得難いという問題があった。
本発明の目的は、ビスマス層状化合物を主結晶相とする圧電基板を用いた圧電振動装置において、十分に良好な発振特性を得ることにある。
本発明に係る圧電振動装置は、対向する第1及び第2の主面を有しており、粒子配向されたビスマス層状化合物を主結晶相とする圧電基板と、圧電基板を介して厚み方向に対向するように第1及び第2の主面に形成された第1及び第2の電極とを有する圧電振動子と、基材と、基材と圧電振動子とを接合する接合部材とを備えている。圧電振動子は、第1及び第2の電極と圧電基板とが圧電基板の厚み方向に重なる部分により構成された励振部を有している。接合部材は、圧電振動子の励振部の振動変位方向とは振動変位方向が逆の部分に接合されている。
本発明に係る圧電振動装置のある特定の局面では、接合部材は、圧電振動子の励振部の振動変位方向とは振動変位方向が逆の部分のみに接合されている。これによれば、より良好な発振特性を得ることができる。
本発明に係る圧電振動装置の他の特定の局面では、圧電振動子は、圧電振動子は、厚みすべり振動を励振させるものである。圧電振動子の励振部の振動変位方向とは振動変位方向が逆の部分に接合部材を接合させる構成は、厚みすべり振動が励振される圧電振動子を用いる場合に特に効果的である。
本発明に係る圧電振動装置の別の特定の局面では、接合部材は、圧電振動子の振動方向の一方側の端部を支持する第1の接合部材と、圧電振動子の振動方向の他方側の端部を支持する第2の接合部材とを有している。これによれば、厚みすべり振動が励振される圧電振動子を用いる場合において、さらに良好な発振特性を得ることができる。
本発明に係る圧電振動装置のさらに他の特定の局面では、第1の接合部材と圧電振動子との接合面の振動方向に沿った長さをDL1とし、圧電振動子の振動方向の一方側の端部から励振部までの振動方向に沿った距離をΔL1とし、第2の接合部材と圧電振動子との接合面の振動方向に沿った長さをDL2とし、圧電振動子の振動方向の他方側の端部から励振部までの振動方向に沿った距離をΔL2としたとき、以下の式(1)及び(2)が満たされる。
0<DL1/ΔL1<0.538 ………式(1)
0<DL2/ΔL2<0.538 ………式(2)
本発明に係る圧電振動装置のさらに別の特定の局面では、ビスマス層状化合物がSr−Bi−Nb系材料である。圧電振動子の励振部の振動変位方向とは振動変位方向が逆の部分に接合部材を接合させる構成は、ビスマス層状化合物がSr−Bi−Nb系層状化合物である場合に特に効果的である。
本発明に係る圧電振動装置のまた別の特定の局面では、基材には、第1の電極に電気的に接続された第1の実装用電極と、第2の電極に電気的に接続された第2の実装用電極と、第1及び第2の実装用電極に電気的に接続されていない第3の実装用電極とが形成されている。これによれば、圧電振動装置内に容量を内蔵させることも可能となる。従って、圧電振動装置が実装された装置の部品点数を少なくすることができる。
本発明に係る圧電振動装置の製造方法は、対向する第1及び第2の主面を有しており、粒子配向されたビスマス層状化合物を主結晶相とする圧電基板と、圧電基板を介して厚み方向に対向するように第1及び第2の主面に形成された第1及び第2の電極とを有する圧電振動子と、基材と、基材と圧電振動子とを接合する接合部材とを備え、圧電振動子は、第1及び第2の電極と圧電基板とが圧電基板の厚み方向に重なる部分により構成された励振部を有している圧電振動装置の製造方法に関する。本発明に係る圧電振動装置の製造方法は、圧電振動子の励振部の振動変位方向とは振動変位方向が逆の部分と基材とを接合部材により接合することを特徴としている。
本発明に係る圧電振動装置の製造方法のある特定の局面では、圧電振動子は、厚みすべり振動を励振させるものであり、接合部材による圧電振動子と基材との接合は、接合部材と圧電振動子との接合面の圧電振動子の振動方向に沿った長さが圧電基板の配向度に応じて選択された長さとなるように行われる。これによれば、圧電基板の材料の配向度を変化させずとも、接合部材と圧電振動子との接合面の圧電振動子の振動方向に沿った長さを調節することにより、圧電振動装置の温度特性を調節することができる。従って、例えば圧電基板の配向度にばらつきがある場合であっても、製造される圧電振動装置の温度特性がばらつくことを抑制することができる。
本発明に係る圧電振動装置では、圧電振動子の励振部の振動変位方向とは振動変位方向が逆の部分が接合部材によって基材に接合されているので、粒子配向されたビスマス層状化合物を主結晶相とする圧電基板を用いた圧電振動装置において、良好な発振特性を得ることができる。
図1は、圧電振動装置の略図的分解斜視図である。 図2は、図1におけるII−II矢視図である。 図3は、有限要素法により求めた圧電材料としてSr0.9Nd0.1BiNbを用いた場合の圧電振動子の振動変位分布を表す図である。 図4は、有限要素法により求めた圧電材料としてPZTを用いた場合の圧電振動子の振動変位分布を表す図である。 図5は、圧電振動子の長手方向に沿った位置と振動変位量との関係を表すグラフである。 図6(a)は、保持長さDL1、DL2が0.25mmである場合の圧電振動装置の位相周波数特性図である。図6(b)は、保持長さDL1、DL2が0.38mmである場合の圧電振動装置の位相周波数特性図である。 図7は、圧電振動装置における保持長さと最大位相値(°)との関係を表すグラフである。 図8は、圧電振動装置における保持長さとFosc変化率との関係を表すグラフである。 図9は、圧電振動装置を150℃から−40℃まで6℃/分で冷却したときに圧電振動子に生じる圧縮応力と、圧電振動装置における保持長さとの関係を表すグラフである。 図10は、保持長さが0.15mmである場合の圧電振動装置の応力分布図である。 図11は、保持長さが0.35mmである場合の圧電振動装置の応力分布図である。 図12は、第1の変形例に係る圧電振動装置の略図的分解斜視図である。 図13は、第2の変形例に係る圧電振動装置の略図的分解斜視図である。 図14は、特許文献1に開示された圧電共振装置の側面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本実施形態の圧電振動装置の略図的分解斜視図であり、図2は、本実施形態の圧電振動装置の略図的正面断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の圧電振動装置1は、圧電振動子20を備えている。圧電振動子20は、圧電基板21と、第1及び第2の電極22,23とにより構成されている。
圧電基板21は、粒子配向されたビスマス層状化合物を主結晶相とする圧電セラミックスにより構成されている。ビスマス層状化合物としては、例えば、Sr−Bi−Nb系層状化合物、Sr−Bi−Ti系層状化合物、Ca−Bi−Ti系層状化合物などが挙げられる。Sr−Bi−Nb系層状化合物の具体例としては、例えば、SrBiNb、(Sr(1−x))BiNb(ただし、Mは2価の金属元素、0<x<0.3)、(Sr(1−x)2x/3)BiNb(ただし、Mは主成分を構成する元素Bi以外の3価の金属元素、0<x<0.45)、SrBi(Nb(1−y)Si(ただし、0<y<0.3)、SrBi(Nb(1−y)(ただし、0<y<0.3)などが挙げられる。Sr−Bi−Ti系層状化合物の具体例としては、例えば、SrBiTi15、SrBiTi18などが挙げられる。Ca−Bi−Ti系層状化合物の具体例としては、例えば、CaBiTi15、CaBiTi18などが挙げられる。その他のビスマス層状化合物としては、例えば、BiWO、CaBiNb、BaBiNb、PbBiNb、CaBiTa、SrBiTa、BaBiTa、PbBiTa、BiTiNbO、BiTiTaO、BiTi12、BaBiTiNbO12、PbBiTiNbO12、BaBiTi15、PbBiTi15、Na0.5Bi4.5Ti15、K0.5Bi4.5Ti15、BaBiTi18、PbBiTi18、BiTiWO18、BiTiNbO21、Bi10Ti30、SrBiTiNbO12などが挙げられる。
圧電基板21の配向度は、電圧の印加により圧電基板21が振動する程度である限り特に限定されないが、70%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましい。なお、本発明において、圧電基板の配向度とは、詳細には、結晶c軸方向の配向度である。圧電基板の配向度は、以下に詳述するロットゲーリング法により測定される。
(ロットゲーリング法による配向度測定方法)
無配向試料の各結晶面(hkl)からの反射強度をI(hkl)とし、それらの合計をΣI(hkl)とする。そのうち、(001)面からの反射強度I(001)の合計をΣI(001)として、それらの比P0を次式により求める。
P0={ΣI(001)/ΣI(hkl)
同様にして、配向試料に対しても、反射強度について、ΣI(hkl)およびΣI(001)を求めて、それらの比をPとして次式により求める。
P={ΣI(001)/ΣI(hkl)
そして、P0およびPを用いて、配向度(F)は次式により求められる。
F={(P−P0)/(1−P0)}×100[%]
図2に示すように、圧電基板21は、対向する第1及び第2の主面21a、21bと、圧電基板21の長手方向Dの両端に位置する第1及び第2の端面21c、21dとを有している。圧電基板21の第1の主面21aには、第1の電極22が形成されている。第1の電極22は、第1の主面21aの長手方向Dの中央部から第1の端面21cを経由して第2の主面21b側にまで延ばされている。一方、圧電基板21の第2の主面21bには、第2の電極23が形成されている。第2の電極23は、第2の主面21bの長手方向Dの中央部から第2の端面21dを経由して第1の主面21a側にまで延ばされている。圧電基板21の長手方向Dの中央部において、第1の電極22と第2の電極23とは、厚み方向Tに対向している。この第1及び第2の電極22,23と圧電基板21とが厚み方向Tに重なる部分により圧電振動子20の励振部20aが構成されている。
本実施形態では、圧電基板21は、圧電基板21の長手方向Dに沿って分極されており、第1の電極22と第2の電極23との間に電圧が印加されることにより、長手方向Dを振動方向とする厚みすべり振動が励振される。
図1及び図2に示すように、圧電振動子20は、基材10に搭載されている。基材10の上には、キャップ30が設けられており、このキャップ30と基材10とにより圧電振動子20が封止されている。なお、キャップ30の材質は特に限定されず、キャップ30は、例えば金属、セラミック、樹脂などにより構成することができる。
基材10は、例えばアルミナなどの絶縁性セラミックスにより構成することができる。基材10には、第1及び第2の実装用電極11,12が形成されている。第1及び第2の実装用電極11,12は、基材10の長手方向両側に配置されている。
基材10と圧電振動子20とは、第1及び第2の接合部材13,14により接合されている。具体的には、第1の接合部材13は、第1の電極22と第1の実装用電極11とを接合している。第2の接合部材14は、第2の電極23と第2の実装用電極12とを接合している。第1及び第2の接合部材13,14は、例えば導電性接着剤、導電性シートまたは半田などの導体により構成されており、これにより、第1及び第2の電極22,23と第1及び第2の実装用電極11,12とが電気的に接続されている。
ところで、本実施形態のように、粒子配向されたビスマス層状化合物を主結晶相とする圧電セラミックスにより圧電基板21を構成する場合、厚みすべり振動は閉じ込められず、圧電振動子20の両端部も振動する。後述する実験例によっても裏付けられるように、圧電振動子20の両端部と、圧電基板21の励振部20aとでは、振動変位方向が逆となる。本実施形態では、この励振部20aとは振動変位方向が逆である圧電振動子20の両端部に第1及び第2の接合部材13,14が接合されている。すなわち、圧電振動子20は、励振部20aとは振動変位方向が逆である圧電振動子20の両端部において支持されている。
具体的には、励振部20aとは振動変位方向が逆である圧電振動子20の端部は、圧電振動子20の端面から、励振部20aと端部との間の長手方向Dに沿った長さ(ΔL)の0.538倍の長さまでの部分となる。このため、本実施形態においては、第1及び第2の接合部材13,14は、下記の式(1)及び(2)を満たすように基材10と圧電振動子20とを接合している。
0<DL1/ΔL1<0.538 ………式(1)
0<DL2/ΔL2<0.538 ………式(2)
但し、
第1の接合部材13と圧電振動子20との接合面の振動方向Dに沿った長さ:DL1、
圧電振動子20の長手方向Dの一方側D1の端部から励振部20aまでの振動方向Dに沿った距離:ΔL1、
第2の接合部材14と圧電振動子20との接合面の振動方向Dに沿った長さ:DL2、
圧電振動子20の長手方向Dの他方側D2の端部から励振部20aまでの振動方向Dに沿った距離:ΔL2、
である。
従って、後述する実験例においても裏付けられるように、良好な発振特性を実現することができる。より良好な発振特性を得る観点からは、第1及び第2の接合部材13,14は、励振部20aとは振動変位方向が逆である圧電振動子20の両端部のみに接合されていることが好ましい。すなわち、圧電振動子20は、励振部20aとは振動変位方向が逆である圧電振動子20の両端部においてのみ支持されていることが好ましい。
また、後述する実験例において実証されるように、粒子配向されたビスマス層状化合物を主結晶相とする圧電セラミックスにより圧電基板21を構成する場合、圧電基板21の配向度を変化させずとも、第1及び第2の接合部材13,14と圧電振動子20との接合面の長さDL1,DL2を調整することによって、圧電振動子20の周波数温度特性を容易に調節することができる。従って、例えば圧電基板21の配向度にばらつきがある場合であっても、製造される圧電振動装置1の温度特性がばらつくことを容易に抑制することができる。
具体的には、圧電振動装置1の製造に先立って、圧電基板21の配向度と長さDLとの関係を実験的に、またはシミュレーションにより求めておく。この圧電基板21の配向度と長さDLとの関係に基づいて、圧電基板21の配向度の測定結果から、好ましい周波数温度特性となる長さDLを選択する。そして、接合部材13,14と圧電振動子20との接合面の振動方向Dに沿った長さが上記選択された長さDLとなるように、圧電振動子20と第1及び第2の実装用電極11,12とを接合部材13,14により接合する。このようにすることにより、例えば圧電基板21の配向度にばらつきがある場合であっても、所望する周波数温度特性の圧電振動装置1を安定して製造することができる。
なお、励振部20aとは振動変位方向が逆である圧電振動子20の両端部に第1及び第2の接合部材13,14を接合させることにより発振特性が改善されるという効果は、圧電振動子の励振モードに関わらず得られるものであるが、圧電振動子が厚みすべり振動を励振させる場合に特に大きな効果が得られる。従って、励振部20aとは振動変位方向が逆である圧電振動子20の両端部に第1及び第2の接合部材13,14を接合させる本実施形態の構成は、圧電振動子が厚みすべり振動を励振させる場合に特に効果的である。
また、上記効果は、ビスマス層状化合物がSr−Bi−Nb系層状化合物である場合に特に大きい。従って、励振部20aとは振動変位方向が逆である圧電振動子20の両端部に第1及び第2の接合部材13,14を接合させる本実施形態の構成は、ビスマス層状化合物がSr−Bi−Nb系層状化合物である場合に特に効果的である。
(第1の実験例)
非固定状態の圧電振動子20の厚みすべり振動の振動変位分布を有限要素法(FEM)を用いて求めた。なお、ここでは、圧電材料をSr0.9Nd0.1BiNbとし、長手方向Dに4kV/mmの電圧を印加して分極処理を行った圧電基板21を用い、第1の電極22の電位を1V、第2の電極23の電位を0Vとして行った。その他の詳細な設定パラメータは以下の通りである。この結果、この圧電振動子20の共振周波数は8MHzであった。
圧電振動子20の長手方向に沿った長さ(L):2.2mm
第1及び第2の電極22,23が厚み方向Tに重なっている励振部20aの長さ(l):0.90mm
圧電振動子20の厚み:190μm
配向度:80%
また、比較として、圧電材料としてPZTを用いたこと以外は同様の設定パラメータを有する圧電振動子の厚みすべり振動の振動変位分布を有限要素法(FEM)により求めた。
図3が圧電材料としてSr0.9Nd0.1BiNbを用いた場合の圧電振動子20の振動変位分布を表す図であり、図4が圧電材料としてPZTを用いた場合の圧電振動子20の振動変位分布を表す図である。図5は、圧電振動子20の長手方向Dに沿った位置と振動変位量との関係を表すグラフである。なお、図5において実線で示すグラフは、圧電材料としてSr0.9Nd0.1BiNbを用いた場合を表すグラフであり、破線で示すグラフは、圧電材料としてPZTを用いた場合を表すグラフである。
図4及び図5に示すように、圧電材料としてPZTを用いた場合は、励振部から離れるに従って振動変位量が小さくなっており、振動が閉じ込められていることがわかる。それに対して、圧電材料としてSr0.9Nd0.1BiNbを用いた場合は、図3及び図5に示すように、圧電振動子の端部においても振動変位量が大きく、振動が閉じ込められていないことがわかる。この結果から、ビスマス層状化合物を圧電材料として用いた場合は、圧電振動子の端部を保持した場合であっても発振特性が大きく悪化するおそれがあることがわかる。
また、ビスマス層状化合物を圧電材料として用いた場合は、図5に示すように、圧電振動子の両端部における振動変位方向が励振部における振動変位方向に対して逆になっていることがわかる。具体的には、圧電振動子の端面から0.35mm以内の部分の振動変位方向が励振部における振動変位方向に対して逆となっていることがわかる。すなわち、本実験例では、L=2.2mm、l=0.9mmであり、ΔL1=ΔL2=0.65mmであるから、圧電振動子の端面からΔL1(ΔL2)の0.538(=0.35/0.65)倍の長さ以内の部分の振動変位方向が励振部における振動変位方向に対して逆となっていることがわかる。
次に、上記条件と同様の条件で圧電振動子を実際に作製し、その圧電振動子を用いて種々の保持長さDL1、DL2の圧電振動装置を作製した。なお、基材としては、厚みが0.4mmのアルミナ基板を用いた。そして、作製した種々の保持長さDL1、DL2の圧電振動装置の位相周波数特性を測定した。
図6(a)に保持長さDL1、DL2が0.25mmである場合の圧電振動装置の位相周波数特性図を示す。図6(b)に保持長さDL1、DL2が0.38mmである場合の圧電振動装置の位相周波数特性図を示す。また、図7に、圧電振動装置における保持長さDL1、DL2と最大位相値(°)との関係を表すグラフを示す。図7に示すように、保持長さDL1,DL2が0.35mm未満である場合には大きい最大位相値が得られるものの、保持長さDL1,DL2が0.35mm以上であると最大位相値が急激に低下することがわかる。従って、保持長さDL1,DL2が0.35mm未満である場合には良好な発振特性が得られることがわかる。この結果から、圧電振動子の端面から0.35mm以内の振動変位方向が励振部における振動変位方向に対して逆である部分において圧電振動子を保持することにより、良好な発振特性が得られることがわかる。すなわち、DL1/ΔL1及びDL2/ΔL2を0.538(=0.35/0.65)未満とすることにより良好な発振特性が得られることがわかる。
(第2の実験例)
本実験例では、圧電基板の配向率以外は上記第1の実験例と同様の条件で圧電振動子を実際に作製し、その圧電振動子を用いて種々の保持長さDL1、DL2の圧電振動装置を作製した。そして、得られた圧電振動装置の共振周波数の温度変化率(Fosc変化率(ppm/℃))を測定した。Fosc変化率の測定結果を図8に示す。なお、図8において実線で示すグラフは、圧電基板の配向度が80.6%である圧電振動装置のFosc変化率を示し、破線で示すグラフは、圧電基板の配向度が77.5%である圧電振動装置のFosc変化率を示す。
図8に示すように、圧電基板の配向度が80.6%である圧電振動装置のFosc変化率の傾きは、−19.3〔ppm/℃/mm〕であり、圧電基板の配向度が77.5%である圧電振動装置のFosc変化率の傾きは、−19.5〔ppm/℃/mm〕であった。この結果から、圧電基板の配向度が変わると、圧電振動子の周波数温度特性が変化することがわかる。よって、圧電基板の配向度にばらつきが生じると、圧電振動子の周波数温度特性にもばらつきが生じることがわかる。従って、保持長さDL1,DL2が一定である場合は、良好な周波数温度特性を実現するために、圧電基板の配向度を高い水準で安定させる必要がある。
図8に示す結果からわかるように、保持長さDL1,DL2を変化させると、Fosc変化率が変化する。このため、たとえ圧電基板の配向度にばらつきがある場合であっても、保持長さDL1,DL2を調節することによって圧電振動子の周波数温度特性を安定化することが可能となる。具体的には、例えば、配向度が80.6%の場合は、保持長さDL1,DL2を0.30mmにすることによりFosc変化率をゼロにすることができ、一方、配向度が77.5%の場合は、保持長さDL1,DL2を0.07mmにすることによりFosc変化率をゼロにすることができる。
なお、本実験例におけるFosc変化率は、下記式(3)により定義される。
(Fosc変化率)=−19.3×(保持長さ(DL))+α …… 式(3)
但し、上記式において、αは、圧電基板の配向度により決定される定数である。
(第3の実験例)
次に、上記第1の実験例と同様の条件で、圧電振動装置を150℃から−40℃まで6℃/分で冷却したときに圧電振動子に生じる圧縮応力と、圧電振動装置における保持長さDL1,DL2との関係を、有限要素法(FEM)を用いて求めた。その結果を図9に示す。また、保持長さDL1,DL2が0.15mmである場合の圧電振動装置の応力分布図を図10に示し、保持長さDL1,DL2が0.35mmである場合の圧電振動装置の応力分布図を図11に示す。なお、図10及び図11において、格子状のハッチングで示す領域が最も圧力の高い領域で、間隔の大きな斜線ハッチングで示す領域が最も圧力の低い領域である。
図9〜図11からわかるように、保持長さDL1,DL2が短くなるに従って、冷却によって圧電振動子に生じる応力が小さくなることがわかる。この結果から、保持長さDL1,DL2を変化させることにより圧電振動子に加わる応力を制御することができることがわかる。
(変形例)
図12に示すように、第1及び第2の実装用電極11,12は、基材10の端面に至るように形成されていてもよい。
また、図13に示すように、第1及び第2の実装用電極11,12に加えて、第1及び第2の実装用電極11,12に電気的に接続されていない第3の実装用電極15を基材10に設けてもよい。第3の実装用電極15を設けることにより、圧電振動装置内に容量を内蔵することが可能となる。従って、圧電振動装置が実装された装置の部品点数を少なくすることができる。
1…圧電振動装置
10…基材
11…第1の実装用電極
12…第2の実装用電極
13…第1の接合部材
14…第2の接合部材
15…第3の実装用電極
20…圧電振動子
20a…励振部
21…圧電基板
21a…第1の主面
21b…第2の主面
21c…第1の端面
21d…第2の端面
22…第1の電極
23…第2の電極
30…キャップ

Claims (9)

  1. 対向する第1及び第2の主面を有しており、粒子配向されたビスマス層状化合物を主結晶相とする圧電基板と、前記圧電基板を介して厚み方向に対向するように前記第1及び第2の主面に形成された第1及び第2の電極とを有する圧電振動子と、
    基材と、
    前記基材と前記圧電振動子とを接合する接合部材とを備え、
    前記圧電振動子は、前記第1及び第2の電極と前記圧電基板とが前記圧電基板の厚み方向に重なる部分により構成された励振部を有しており、
    前記接合部材は、前記圧電振動子の前記励振部の振動変位方向とは振動変位方向が逆の部分に接合されている、圧電振動装置。
  2. 前記接合部材は、前記圧電振動子の前記励振部の振動変位方向とは振動変位方向が逆の部分のみに接合されている、請求項1に記載の圧電振動装置。
  3. 前記圧電振動子は、厚みすべり振動を励振させる、請求項1または2に記載の圧電振動装置。
  4. 前記接合部材は、前記圧電振動子の振動方向の一方側の端部を支持する第1の接合部材と、前記圧電振動子の振動方向の他方側の端部を支持する第2の接合部材とを有している、請求項3に記載の圧電振動装置。
  5. 前記第1の接合部材と前記圧電振動子との接合面の前記振動方向に沿った長さをDL1とし、前記圧電振動子の振動方向の一方側の端部から前記励振部までの前記振動方向に沿った距離をΔL1とし、前記第2の接合部材と前記圧電振動子との接合面の前記振動方向に沿った長さをDL2とし、前記圧電振動子の振動方向の他方側の端部から前記励振部までの前記振動方向に沿った距離をΔL2としたとき、以下の式(1)及び(2)を満たす、請求項4に記載の圧電振動装置。
    0<DL1/ΔL1<0.538 ………式(1)
    0<DL2/ΔL2<0.538 ………式(2)
  6. 前記ビスマス層状化合物がSr−Bi−Nb系層状化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧電振動装置。
  7. 前記基材には、前記第1の電極に電気的に接続された第1の実装用電極と、前記第2の電極に電気的に接続された第2の実装用電極と、前記第1及び第2の実装用電極に電気的に接続されていない第3の実装用電極とが形成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の圧電振動装置。
  8. 対向する第1及び第2の主面を有しており、粒子配向されたビスマス層状化合物を主結晶相とする圧電基板と、前記圧電基板を介して厚み方向に対向するように前記第1及び第2の主面に形成された第1及び第2の電極とを有する圧電振動子と、基材と、前記基材と前記圧電振動子とを接合する接合部材とを備え、前記圧電振動子は、前記第1及び第2の電極と前記圧電基板とが前記圧電基板の厚み方向に重なる部分により構成された励振部を有している圧電振動装置の製造方法であって、
    前記圧電振動子の前記励振部の振動変位方向とは振動変位方向が逆の部分と前記基材とを前記接合部材により接合することを特徴とする、圧電振動装置の製造方法。
  9. 前記圧電振動子は、厚みすべり振動を励振させるものであり、
    前記接合部材による前記圧電振動子と前記基材との接合は、前記接合部材と前記圧電振動子との接合面の前記圧電振動子の振動方向に沿った長さが前記圧電基板の配向度に応じて選択された長さとなるように行われる、請求項8に記載の圧電振動装置の製造方法。
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