JP2004297457A - 容量内蔵型圧電共振子及び圧電発振装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧電基板10の両主面に対向する振動電極11、12を形成してなる圧電共振子1と、誘電体基板20の両主面に容量電極21〜23を形成してなるコンデンサ素子2とを対向配置するとともに、圧電共振子1とコンデンサ素子2とを、空隙41、51、61を有する熱硬化型接着剤層5を介して接合してなる。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容量内蔵型圧電共振子及び圧電発振装置に関し、特に、熱膨張係数が異なる圧電共振子とコンデンサ素子を熱硬化型接着剤層を介して接合してなる容量内蔵型圧電共振子及び圧電発振装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来から、多くの電子機器にはCPUが搭載され、一定の基準信号のもとに動作している。基準信号の発生には、一般的にコルピッツ型発振回路が用いられており、このコルピッツ型発振回路は、図5に示す等価回路のように、インバータIの両端に並列に帰還抵抗Rf及び圧電共振子Reが接続され、圧電共振子ReのGND端子間に容量成分C1及びC2が接続され、インバータIの出力側と圧電共振子Reの間に異常発振抑制のためダンピング抵抗Rdが接続されて構成されている。
【0003】
特に、圧電応用商品であるセラミックスレゾネータは、水晶やLiTaO3、LiNbO3等の単結晶を用いた発振子に比べ、コストメリットが高いことに加え、発振立ち上がり時間が数十μsec〜数百μsecであり、水晶や単結晶を用いた発振子に比べ2桁程度速く、高速立ち上がりが求められる携帯電話や携帯パソコンなどに広く利用されている。
【0004】
近年では、高密度実装の点から、回路基板への表面実装(SMD)が可能であることに加え、発振回路の簡略化のため、上述の2つの容量成分C1、C2と圧電共振子Reとを1つの電子部品としてなる容量内蔵型圧電共振子が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
上述の容量内蔵型圧電共振子は、圧電基板の両主面に互いに対向する振動電極を形成した圧電共振子と、誘電体基板の両主面に容量電極パターンを形成したコンデンサ素子とを対向配置すると共に、その圧電基板の振動電極と誘電体基板の容量電極パターンとを熱硬化型接着剤で接合して構成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−303686号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、圧電共振子とコンデンサ素子とを接合させた積層体において、圧電基板と誘電体基板の熱膨張係数が大きく異なる場合に、熱硬化型接着剤に熱をかけて樹脂を硬化すると、硬化後の貼り合わされた圧電基板と誘電体基板が水平面に対して反るという問題があった。
【0008】
これは、圧電共振子とコンデンサ素子を十分に接合するためには、熱硬化型接着剤との接着面積を大きくする必要があるが、板状の熱硬化型接着剤層で接合すると、接着面積を大きくすることができるものの、矩形板状であるため剛性が大きく、圧電基板と誘電体基板の熱膨張係数差により、その積層体が反るという問題があった。
【0009】
また、圧電共振子とコンデンサ素子の積層体を粘着シートに貼り付け、ダイシングマシン等でチップの大きさに切断するが、反りが大きいため、粘着シートに貼り付けにくく、無理に貼ろうとすると積層体が割れるといった問題を生じていた。
【0010】
さらに、圧電基板と誘電体基板の熱膨張係数が異なる場合には、圧電共振子とコンデンサ素子との接合部に残留応力が存在しているため、外部からの応力により接続不良が発生するという問題点を有していた。特に、容量内蔵型圧電共振子を基板等にリフロー半田付けする際に、上記接合部も高温に曝されるが、残留応力が存在しているため、接合部が解除される虞があった。
【0011】
本発明は上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、異なる熱膨張係数を有する2種類の圧電共振子及びコンデンサ素子を熱硬化型接着剤層を介して接合しても、その後の加工が問題無く、歩留まりを向上できる容量内蔵型圧電共振子及び圧電発振装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の容量内蔵型圧電共振子は、圧電基板の両主面に対向する振動電極を形成してなる圧電共振子と、誘電体基板の両主面に容量電極を形成してなるコンデンサ素子とを対向配置するとともに、前記圧電共振子と前記コンデンサ素子とを、空隙を有する熱硬化型接着剤層を介して接合してなることを特徴とする。
【0013】
このような内蔵型圧電共振子では、圧電共振子とコンデンサ素子とを、空隙を有する熱硬化型接着剤層を介して接合するため、圧電共振子とコンデンサ素子を充分な接合面積で接合できるとともに、空隙の存在により熱硬化型接着剤層の剛性が低下し、圧電共振子とコンデンサ素子の熱膨張係数差による応力を、熱硬化型接着剤層によりある程度吸収することができ、圧電共振子とコンデンサ素子の積層体の反りや、残留応力を低減できる。
【0014】
このため、容量内蔵型圧電共振子を基板等にリフロー半田付けする際等に、容量内蔵型圧電共振子に印加される230〜260℃の高温においてもストレスの発生を減少させることができる。
【0015】
本発明の容量内蔵型圧電共振子は、40〜300℃における圧電共振子の熱膨張係数αpとコンデンサ素子の熱膨張係数αdが異なることを特徴とする。40〜300℃における圧電共振子の熱膨張係数αpとコンデンサ素子の熱膨張係数αdの差が10〜25×10−6/℃であることを特徴とする。このように圧電共振子の熱膨張係数αpとコンデンサ素子の熱膨張係数αdが異なる場合には、特に本発明を好適に用いることができる。
【0016】
また、本発明の容量内蔵型圧電共振子は、熱硬化型接着剤層の空隙は、所定間隔を置いて複数形成されていることを特徴とする。このような容量内蔵型圧電共振子では、圧電共振子とコンデンサ素子を十分に接合できるとともに、圧電共振子とコンデンサ素子の熱膨張係数差による応力を十分に吸収することができる。
【0017】
本発明の圧電発振装置は、インバータIと、帰還抵抗Rfと、上記した容量内蔵型圧電共振子と、ダンピング抵抗Rdからなることを特徴とする。上述した容量内蔵型圧電共振子は、大きな負荷容量を有する小型薄板形状の容量素子の内蔵が可能であり、圧電発振装置の位相量を大きくでき、発振安定性を向上できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の容量内蔵型圧電共振子を図面に基づいて簡単に説明する。図1は本発明の容量内蔵型圧電共振子を示すもので、図2は、図1の容量内蔵型圧電共振子の圧電共振子の記載を省略した平面図である。
【0019】
容量内蔵型圧電共振子は、図1に示すように圧電共振子1の下面に、コンデンサ素子2の上面を熱硬化型接着剤層5、6で接合して構成されており、圧電共振子1は、圧電基板10の両主面に、振動電極11、12を形成して構成されており、振動電極11は圧電基板10の上面に形成され圧電基板10の一方端部にまで延出され、振動電極12は圧電基板10の下面に形成され他方端部にまで延出されている。
【0020】
圧電基板10の材質としては、主成分がPbTiO3、Pb(Ti、Zr)O3、SrBi4Ti4O15等の圧電セラミック材料、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、四硼酸リチウムなどの単結晶材料などが用いられる。また、振動電極11、12は、例えばAg系材料を主成分とする薄膜の導体膜によって形成されている。
【0021】
一方、コンデンサ素子2は、誘電体基板20の上下両主面に2つの容量成分を形成するための複数の容量電極21、22、23を形成して構成されており、誘電体基板20の上面に形成された容量電極21、22は、誘電体基板20の中央部で所定間隔をおいて離間しており、容量電極21は誘電体基板20の一方側端部まで延出され、容量電極22は誘電体基板20の他方側端部まで延出されている。
【0022】
容量電極23は、誘電体基板20の上面に形成された容量電極21、22に対向するように、誘電体基板20の中央部下面に形成されている。
【0023】
誘電体基板20の材質としては、PT(チタン酸鉛)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、BaTiO3(チタン酸バリウム)等の誘電体セラミック材料が用いられる。
【0024】
誘電体基板20の平面形状は、上述の圧電基板10の平面形状と同一形状とされており、圧電共振子1とコンデンサ素子2の接合は、圧電共振子1の長さ方向両端部下面を、コンデンサ素子2の長さ方向両端部上面に、熱硬化型接着剤層5、6で接合されている。
【0025】
具体的に説明すると、圧電基板10の振動電極11が形成された部分の下面が、誘電体基板20の上面に形成された容量電極21に、熱硬化型接着剤層5で接合されており、圧電基板10の下面に形成された振動電極12と、誘電体基板20の上面に形成された容量電極22が熱硬化型接着剤層6で接合されている。
【0026】
圧電共振子1の振動電極11、12と、コンデンサ素子2の容量電極21、22は、圧電共振子1とコンデンサ素子2の積層体の側面に形成された接続電極31、32により、それぞれ電気的に接続されている。
【0027】
そして、本発明の容量内蔵型圧電共振子では、圧電共振子1とコンデンサ素子2を接合する熱硬化型接着剤層5、6が、長さ方向に所定幅Lで形成されており、その熱硬化型接着剤層5、6には空隙41が複数形成されている。
【0028】
即ち、熱硬化型接着剤層5、6は、容量内蔵型圧電共振子の長さ方向両端部に、対向するように形成されており、振動電極11、12が引き出される方向の両端部が、空隙41を有する熱硬化型接着剤層5、6を介して、容量電極21、22が引き出される方向の両端部に接合されている。熱硬化型接着剤層5、6は2液性のものが広く知られている。
【0029】
熱硬化型接着剤層5、6の幅Lは長い方が、圧電共振子1とコンデンサ素子2を強固に接合できるものの、剛性が高くなるため、本願発明では、図2に示すように、熱硬化型接着剤層5、6内部に空隙41を形成した。
【0030】
図2は、圧電共振子1とコンデンサ素子2を貼り合わせた後、圧電共振子1を取り除き、圧電共振子1側から見た平面図を示すもので、熱硬化型接着剤層5、6の空隙41は、圧電共振子1の幅方向Wに向けて所定間隔をおいて複数形成されており、空隙41は熱硬化型接着剤層5、6内に存在している。
【0031】
このような空隙41を熱硬化型接着剤層5、6内部に所定間隔をおいて形成することにより、熱硬化型接着剤層5、6による接合幅Lを広げたとしても、空隙41部分では接着していないため、熱硬化型接着剤層5、6は弾性を有しており、圧電共振子1とコンデンサ素子2の熱膨張係数差による応力発生を抑制できる。
【0032】
熱硬化型接着剤層5、6は、エポキシ樹脂を主成分とする接着剤等、圧電素子の圧電性がなくならない程度の温度で硬化可能であれば良い。また、熱硬化型接着剤層5、6に設けた空隙41の形状を楕円形状としたが、空隙41の形状は、図2に記載したものに限定されるものではなく、例えば、四角形状、三角形状等、種々の形状を採用できる。
【0033】
また、外部回路との電気的結合のため、液晶ポリマーなどの耐熱性に優れた樹脂材料のほか、アルミナ製基板、ガラスエポキシ樹脂など他の絶縁材料よりなる筐体状ケースに封入しても良い。
【0034】
本発明は、40〜300℃における圧電共振子1の熱膨張係数αpとコンデンサ素子2の熱膨張係数αdが異なる場合に好適に用いることができる。特に、40〜300℃における圧電共振子1の熱膨張係数αpとコンデンサ素子2の熱膨張係数αdの差が10〜25×10−6/℃であることが望ましい。
【0035】
次に本発明の容量内蔵型圧電共振子の製造について説明する。まず、圧電基板10上に蒸着・スパッタ等により振動電極11、12を形成して圧電共振子1を作製するとともに、誘電体基板20の上下面に容量電極21〜23を形成し、コンデンサ素子2を作製する。
【0036】
そして、コンデンサ素子2の上面に熱硬化型接着剤を所定パターンで付着させ、一方、圧電共振子1の上面に熱硬化型接着剤を所定パターンで付着させ、コンデンサ素子2の上面に圧電共振子1を載置して熱硬化させ、その積層体の側面に接続電極31、32を形成することにより得られる。
【0037】
熱硬化型接着剤層5、6中に空隙41を形成するには、コンデンサ素子2と圧電共振子1における熱硬化型接着剤の形成パターンを、空隙41を形成する部分に熱硬化型接着剤を付着させないようにすることにより可能である。
【0038】
一方、容量内蔵型圧電共振子を多数有するブロック体をチップ形状に切断することにより、容量内蔵型圧電共振子を形成する方法の場合も、上記とほぼ同様にして形成することができる。
【0039】
即ち、圧電母基板に、対向する振動電極を所定間隔をおいて複数形成し、一方、誘電体母基板に、対向する容量電極を所定間隔をおいて複数形成し、容量電極が形成された誘電体母基板に、熱硬化型接着剤を付着させ、この誘電体母基板に熱硬化型接着剤を介して圧電母基板を接合する。熱硬化型接着剤の硬化後に、この積層体の主面全面にダイシングテープを貼りつけ、これをチップ状にカットすることにより、本発明の容量内蔵型圧電共振子を得ることができる。
【0040】
尚、上記形態では、図2に示すように、熱硬化型接着剤層5、6中に空隙41を形成した例について説明したが、本発明は、図3に示すように、熱硬化型接着剤層5、6の対向する側に、即ち内側に向けて開口する空隙51を、容量内蔵型圧電共振子の幅方向に所定間隔をおいて複数形成しても良い。
【0041】
この場合には、圧電共振子1とコンデンサ素子2の積層体の側面に接続電極31、32を形成する場合であっても、空隙51により接続電極の形成を妨げることがない。
【0042】
また、図4に示すように、熱硬化型接着剤層を、長さ方向に所定間隔をおいて形成された2条の接着剤層60a、60bにより構成し、接着剤層60a、60bの間に空隙61を形成してもよい。この場合には、熱硬化型接着剤の形成パターンを簡単に形成できるため、製造が容易となる。
【0043】
【実施例】
実施例1
PTを主成分とする熱膨張係数α=−10.0×10−6/℃(40〜300℃)の圧電母基板の両主面に、対向する振動電極を所定間隔をおいて複数形成した。圧電母基板は幅30.7mm×長さ30.7mm×厚み0.15mmの形状で、長さ方向に260〜300℃で25kVの直流電圧を20分印加し分極したものを用いた。
【0044】
また、PZTを主成分とする熱膨張係数α=2.70×10−6/℃(40〜300℃)の誘電体母基板の両主面に、対向する容量電極を所定間隔をおいて複数形成した。誘電体母基板は幅30.7mm×長さ30.7mm×厚み0.20mmの形状のものを用いた。
【0045】
上記圧電母基板と誘電体母基板に、エポキシ樹脂を塗布して所定パターンを形成し、この圧電母基板と誘電体母基板を貼り合わせ、230℃で硬化させ、複数の容量内蔵型圧電共振子を有する積層体を作製した。
【0046】
この積層体をダイシングテープへ貼付して切断し、1.5mm×0.9mmのチップとし、両端面に接続電極を形成して、振動電極と容量電極を電気的に結合し、本発明の容量内蔵型圧電共振子を作製した。
【0047】
熱硬化型接着剤層は、圧電共振子の長さ方向Lの長さを50μmとし、図2に示すように、内部に楕円形状の空隙を、圧電共振子の幅方向Wに200μmの間隔をおいて4個形成した。空隙は、圧電共振子の幅方向Wの長さを30μmとした。
【0048】
得られた100個の容量内蔵型圧電共振子を、厚み滑り振動モードの基本波を用いて、リフロー耐熱性試験を行った。リフロー耐熱性試験は、ピーク温度230℃のリフロー炉を連続して3回投入することにより行い、試験後の電気特性をインピーダンスアナライザにて測定した。また、この容量内蔵型圧電共振子をインバータI:MC74HCU04,帰還抵抗Rf:1MΩ,ダンピング抵抗Rd200Ωで構成される発振回路に投入し、電源電圧5Vを入力して発振させた。
【0049】
また、比較例として、熱硬化型接着剤層に空隙を形成することなく、ベタパターンとする以外は、上記と同様にして容量内蔵型圧電共振子を作製し、上記と同様にしてリフロー耐熱性試験を行った。
【0050】
この結果、本発明の容量内蔵型圧電共振子は、試験投入数100個に対し、圧電共振子の割れによる電気特性の低下若しくは不発振の試料が3個であったのに対して、比較例の容量内蔵型圧電共振子では、試験投入数100個に対し、圧電共振子の割れによる電気特性の低下若しくは不発振の試料が17個見つかった。
【0051】
実施例2
表1に示す圧電母基板,誘電体母基板を用いる以外は、上記と同様にして、容量内蔵型圧電共振子を作製し、上記と同様の評価を行った。
【0052】
また、比較例として、熱硬化型接着剤層に空隙を形成することなく、ベタパターンとする以外は、上記と同様にして容量内蔵型圧電共振子を作製し、上記と同様にしてリフロー耐熱性試験を行った。これらの結果を表1に記載した。尚、表1において、PTはチタン酸鉛、PZTはチタン酸ジルコン酸鉛、BTはチタン酸バリウムを主成分とする磁器を意味し、熱膨張係数は、40〜300℃の範囲にける係数であり、単位は×10−6/℃である。
【0053】
【表1】
【0054】
この1から、本発明の容量内蔵型圧電共振子は、いずれの場合も比較例の容量内蔵型圧電共振子に対し、圧電共振子の割れによる電気特性の低下若しくは不発振の著しく少なかった。
【0055】
実施例3
圧電母基板と誘電体母基板に、図3、図4に示すような空隙を形成するように、エポキシ樹脂を塗布して所定パターンを形成する以外は、上記実施例1と同様にして容量内蔵型圧電共振子を作製し、評価した。
【0056】
尚、図3では、熱硬化型接着剤層は、圧電共振子の長さ方向Lの長さを50μmとし、内部に砲弾形状の空隙51を、圧電共振子の幅方向Wに200μmの間隔をおいて4個形成した。空隙51は、圧電共振子の幅方向Wの長さを30μmとした。また、図4では、接着剤層60a、60bは、圧電共振子の長さ方向Lの長さをそれぞれ20μmとし、その間に長さ方向Lの長さ20μmの空隙61を形成した。
【0057】
この結果、図3、図4に示す容量内蔵型圧電共振子は、試験投入数100個に対し、圧電共振子の割れによる電気特性の低下若しくは不発振の試料が、共に4個であった。
【0058】
【発明の効果】
以上により、本発明の構成によれば、熱硬化型接着剤層に空隙を設けることにより、熱膨張係数の差によるストレスを軽減することができ、これにより、熱膨張係数の違いによる反りが発生することはなく、また、チップの大きさに切断するのに、その積層体全面をダイシングテープへ貼付して切断するが、両基板が反ることがないため、全面をテープに貼り付けても切断で両基板割れることもなく、また、リフロー等高温に晒されても圧電共振子が割れたりしないため、製品の歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容量内蔵型圧電共振子を示すもので、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図2】図1の圧電共振子の記載を省略した状態の平面図である。
【図3】本発明の他の容量内蔵型圧電共振子を示すもので、圧電共振子の記載を省略した状態の平面図である。
【図4】本発明のさらに他の容量内蔵型圧電共振子を示すもので、圧電共振子の記載を省略した状態の平面図である。
【図5】コルピッツ型発振装置の等価回路図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・圧電共振子
2・・・・・・・コンデンサ素子
5、6、60a、60b・・・熱硬化型接着剤層
10・・・・・・圧電基板
20・・・・・・誘電体基板
11、12・・・振動電極
21〜23・・・容量電極
41、51、61・・・・・空隙部
Claims (5)
- 圧電基板の両主面に対向する振動電極を形成してなる圧電共振子と、誘電体基板の両主面に容量電極を形成してなるコンデンサ素子とを対向配置するとともに、前記圧電共振子と前記コンデンサ素子とを、空隙を有する熱硬化型接着剤層を介して接合してなることを特徴とする容量内蔵型圧電共振子。
- 40〜300℃における圧電共振子の熱膨張係数αpとコンデンサ素子の熱膨張係数αdが異なることを特徴とする請求項1記載の容量内蔵型圧電共振子。
- 40〜300℃における圧電共振子の熱膨張係数αpとコンデンサ素子の熱膨張係数αdの差が10〜25×10−6/℃であることを特徴とする請求項1又は2記載の容量内蔵型圧電共振子。
- 熱硬化型接着剤層の空隙は、所定間隔を置いて複数形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の容量内蔵型圧電共振子。
- インバータIと、帰還抵抗Rfと、請求項1乃至4のうちいずれかに記載の容量内蔵型圧電共振子と、ダンピング抵抗Rdからなることを特徴とする圧電発振装置。
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JPWO2016157684A1 (ja) * | 2015-03-30 | 2017-11-02 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 太陽電池モジュール |
JP2020065314A (ja) * | 2018-10-15 | 2020-04-23 | 北陸電気工業株式会社 | 振動型発電機 |
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2003
- 2003-03-27 JP JP2003087260A patent/JP2004297457A/ja active Pending
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