JP2000165181A - 圧電共振子、電子部品および通信機器 - Google Patents

圧電共振子、電子部品および通信機器

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JP2000165181A
JP2000165181A JP33379198A JP33379198A JP2000165181A JP 2000165181 A JP2000165181 A JP 2000165181A JP 33379198 A JP33379198 A JP 33379198A JP 33379198 A JP33379198 A JP 33379198A JP 2000165181 A JP2000165181 A JP 2000165181A
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piezoelectric
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piezoelectric resonator
pair
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Toshihiko Unami
俊彦 宇波
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Murata Manufacturing Co Ltd
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    • H03H9/00Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
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    • H03H9/1014Mounting in enclosures for bulk acoustic wave [BAW] devices the enclosure being defined by a frame built on a substrate and a cap, the frame having no mechanical contact with the BAW device
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    • H03H9/58Multiple crystal filters
    • H03H9/60Electric coupling means therefor
    • H03H9/605Electric coupling means therefor consisting of a ladder configuration

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプリアスが小さく、共振周波数と反共振周
波数との差ΔFが大きく、小型化が容易であり、外部電
極が断線しにくく、特性のばらつきが小さい圧電共振子
を提供する。 【解決手段】 圧電共振子10は直方体状の基体12を
含む。基体12は、積層される複数の圧電体層14を含
む。圧電体層14の主面には、第1および第2の電極1
6,18が形成される。外部電極20,22が、基体1
2の1つの側面に幅方向に間隔を隔てて形成され、第1
および第2の電極16,18にそれぞれ接続される。外
部電極20,22の主面に直交する方向において、全体
の寸法をWとし、第1および第2の電極16,18の対
向しないギャップの部分の寸法をgとしたときに、g/
W≧0.1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は圧電共振子、電子
部品および通信機器に関し、特にたとえば、圧電体の機
械的共振を利用した圧電共振子、それを用いた発振子,
ディスクリミネータ,フィルタなどの電子部品および通
信機器に関する。
【0002】
【従来の技術】図20は従来の圧電共振子の一例を示す
斜視図である。圧電共振子1は、たとえば平面視長方形
の板状の圧電体基板2を含む。圧電体基板2は、厚み方
向に分極される。圧電体基板2の両面には、電極3が形
成される。この電極3間に信号を入力することにより、
圧電体基板2の厚み方向に電界が印加され、圧電体基板
2は長さ方向に振動する。また、図21に示すように、
平面視正方形の板状の圧電体基板2の両面に電極3を形
成した圧電共振子1がある。この圧電共振子1において
も、圧電体基板2は厚み方向に分極されている。この圧
電共振子1では、電極3間に信号を入力することによ
り、圧電体基板2の厚み方向に電界が印加され、圧電体
基板2が拡がり振動する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの圧電共振子
は、電界方向および分極方向と振動方向とが異なる圧電
横効果を利用している。この圧電横効果を利用した圧電
共振子の電気機械結合係数は、電界方向および分極方向
と振動方向とが一致した圧電縦効果を利用した圧電共振
子に比べて小さい。そのため、圧電横効果を利用した圧
電共振子では、共振周波数と反共振周波数との差ΔFが
比較的小さい。このことは、圧電共振子を発振子やフィ
ルタとして使用したときに、帯域幅が小さいという欠点
につながる。そのため、圧電共振子やそれを用いた電子
部品において、特性の設計自由度が小さい。
【0004】また、図20に示す圧電共振子において
は、長さ振動の1次共振を利用しているが、構造的に、
3次,5次などの奇数倍の高次モードや、幅モードのス
プリアスも大きく発生してしまう。このスプリアスを抑
制するために、圧電共振子に研磨加工を施したり、質量
を付加したり、電極形状を変更するなどの対策が考えら
れるが、これらは製造コストの上昇につながる。
【0005】さらに、図20に示す圧電共振子の場合、
圧電体基板が平面視長方形の板状であるため、強度的な
制約からあまり厚みを薄くすることができない。そのた
め、電極間距離を小さくできず、端子間容量を大きくす
ることができない。これは、外部回路とのインピーダン
ス整合をとる場合に、極めて不都合である。また、複数
の圧電共振子を直列および並列に交互に接続し、ラダー
型フィルタを形成する場合、通過帯域幅以外での減衰量
を大きくするためには直列共振子と並列共振子の容量比
を大きくする必要がある。しかしながら、上述のように
形状的な限界があり、大きい減衰量を得ることができな
い場合がある。
【0006】また、図21に示す圧電共振子では、拡が
り振動の1次共振を利用しているが、構造的に、拡がり
の3倍波や厚みモードなどのスプリアスが大きく発生す
る可能性が高い。さらに、この圧電共振子では、長さ振
動を利用する圧電共振子に比べて、同じ共振周波数を得
るためにはサイズが大きくなり、小型化が困難である。
また、複数の圧電共振子を用いてラダー型フィルタを形
成する場合、直列共振子と並列共振子の容量比を大きく
するために、直列に接続される共振子の厚みを大きくす
るだけでなく、圧電体基板の一部にのみ電極を形成して
容量を小さくする手法が採用されている。この場合、部
分電極にすることによって、容量だけでなく共振周波数
と反共振周波数との差ΔFも低下してしまう。それに合
わせて、並列に接続される圧電共振子についても、ΔF
を小さくしなければならず、結果的に圧電体基板の圧電
性を有効に生かせず、フィルタの通過帯域幅を大きくで
きないという問題がある。
【0007】そこで、スプリアスが小さく、共振周波数
と反共振周波数との差ΔFが大きい圧電共振子として、
たとえば特願平8−110475号に示すような積層構
造の圧電共振子を出願人は提案した。図22はこのよう
な積層構造の圧電共振子の一例を示す図解図である。図
22に示す圧電共振子4は、長手方向を有する基体5を
構成する複数の圧電体層6と複数の電極7とが交互に積
層され、複数の圧電体層6が基体5の長手方向に分極さ
れた積層構造の圧電共振子で、長さ振動の基本振動を励
振するものである。積層構造の圧電共振子4では、圧電
体層6の分極方向と電界方向と振動方向とが一致し、圧
電縦効果を利用するため、振動方向が分極方向および電
界方向と異なる圧電横効果を利用した圧電共振子に比べ
て、電気機械結合係数が大きくなり、共振周波数と反共
振周波数との差ΔFが大きくなる。さらに、積層構造の
圧電共振子4では、圧電縦効果を利用することにより、
幅モードや厚みモードなどのような長さ振動の基本振動
と異なるモードの振動が発生しにくくなる。
【0008】この積層構造の圧電共振子4では、基体5
のすべての側面で電極7の端部が露出している。そのた
め、基体5の一方の側面において、1つおきの電極7の
端部が絶縁樹脂膜8aで被覆された上で、外部電極9a
が他の1つおきの電極7に接続されるように形成され
る。また、基体5の一方の側面に対向する他方の側面に
おいて、絶縁樹脂膜8aが形成された1つおきの電極7
に外部電極9bが接続されるように、他の1つおきの電
極7の端部が絶縁樹脂膜8bで被覆された上で、外部電
極9bが形成される。この積層構造の圧電共振子4で
は、基体5の長手方向と直交する断面の面積ないしは圧
電体層6の主面の面積をSとし、圧電体層6の厚みない
しは電極7間の距離をTとし、電極7で挟まれる圧電体
層の数をnとすると、外部電極9a,9b間の静電容量
Cは、C∝nS/Tで表される。そのため、この積層構
造の圧電共振子4では、面積Sを小さくして小型化しな
がら同一の静電容量Cを得るためには、Tを小さくする
かnを大きくすればよい。ところが、それらの絶縁樹脂
膜8a,8bは電極7の間隔がたとえば100μm以下
の小型の圧電共振子では、たとえば印刷などの方法によ
って位置精度よく形成することが難しいため、圧電振動
子そのものの小型化が困難である。
【0009】また、この積層構造の圧電共振子4では、
その後のプロセスなどにおけるヒートショックあるいは
ヒートサイクルなどの温度変化などによって、絶縁樹脂
膜8a,8bが膨張収縮し、絶縁樹脂膜8a,8b上に
形成された外部電極9a,9bが、図22に示すように
絶縁樹脂膜8a,8b上で断線するおそれがあった。
【0010】さらに、圧電共振子には、特性のばらつき
が小さいことが要請されている。
【0011】それゆえに、この発明の主たる目的は、ス
プリアスが小さく、共振周波数と反共振周波数との差Δ
Fが大きく、小型化が容易であり、外部電極が断線しに
くく、特性のばらつきが小さい圧電共振子、それを用い
た電子部品および通信機器を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる圧電共
振子は、長手方向を有する基体と、基体の長手方向に直
交しかつ基体の長手方向に間隔を隔てて配置される第1
および第2の電極と、基体の1つの側面において基体の
幅方向の中央より一端側および他端側に基体の長手方向
に沿って形成され、第1および第2の電極に接続される
一対の外部電極とを含み、基体は、積層される複数の圧
電体層を含み、複数の圧電体層は、基体の長手方向に分
極され、第1および第2の電極は、圧電体層において基
体の長手方向に直交する面に形成され、一対の外部電極
の一方に接続される第1の電極は、基体の1つの側面に
おいて一対の外部電極の他方が形成される部分には露出
しないように形成され、さらに一対の外部電極の他方に
接続される第2の電極は、基体の1つの側面において一
対の外部電極の一方が形成される部分には露出しないよ
うに形成され、一対の外部電極の主面に直交する方向に
おける全体の寸法をWとし、一対の外部電極の主面に直
交する方向における第1および第2の電極の対向しない
ギャップの部分の寸法をgとしたときに、g/W≧0.
1である、圧電共振子である。この発明にかかる圧電共
振子は、長手方向を有する基体と、基体の長手方向に直
交しかつ基体の長手方向に間隔を隔てて配置される第1
および第2の電極と、基体の対向する2つの側面に形成
され、第1および第2の電極に接続される一対の外部電
極とを含み、基体は、積層される複数の圧電体層を含
み、複数の圧電体層は、基体の長手方向に分極され、第
1および第2の電極は、圧電体層において基体の長手方
向に直交する面に形成され、一対の外部電極の一方に接
続される第1の電極は、基体の2つの側面において一対
の外部電極の他方が形成される部分には露出しないよう
に形成され、さらに一対の外部電極の他方に接続される
第2の電極は、基体の2つの側面の一対の外部電極の一
方が形成される部分には露出しないように形成され、一
対の外部電極の主面に直交する方向における全体の寸法
をWとし、一対の外部電極の主面に直交する方向におけ
る第1および第2の電極の対向しない各ギャップの部分
の寸法をそれぞれgとしたときに、g/W≧0.05で
ある、圧電共振子である。この発明にかかる圧電共振子
において、第1および第2の電極は、それぞれ、複数形
成される。さらに、この発明にかかる圧電共振子におい
て、基体の長手方向のほぼ中央部に配置される取付部材
が含まれてもよい。また、この発明にかかる電子部品
は、上述の圧電共振子を用いた電子部品であって、表面
に電極の形成された基板上に取付部材を介して基体を取
り付けるとともに、基板上に基体を覆うようにキャップ
を配置したことを特徴とする、電子部品である。さら
に、この発明にかかる電子部品は、この発明にかかる圧
電共振子をラダー型フィルタの並列共振子として用い
た、電子部品である。また、この発明にかかる電子部品
は、たとえばラダー型フィルタである。この発明にかか
る通信機器は、検波器を有する通信機器であって、この
発明にかかる圧電共振子が検波器に用いられた、通信機
器である。また、この発明にかかる通信機器は、検波器
を有する通信機器であって、この発明にかかる電子部品
が検波器に用いられた、通信機器である。さらに、この
発明にかかる通信機器は、バンドパスフィルタを有する
通信機器であって、この発明にかかる電子部品がバンド
パスフィルタに用いられた、通信機器である。
【0013】この発明にかかる圧電共振子では、圧電体
層の分極方向および電界方向と振動方向とが一致し、圧
電縦効果を利用している。そのため、振動方向が分極方
向および電界方向と異なる圧電横効果を利用した圧電共
振子に比べて、電気機械結合係数が大きくなり、共振周
波数と反共振周波数との差ΔFが大きくなる。また、圧
電縦効果を利用することにより、幅モードや厚みモード
などのような長さ振動の基本振動と異なるモードの振動
が発生しにくくなる。また、この発明にかかる圧電共振
子では、一対の外部電極の一方に接続される第1の電極
が、基体の1つの側面の一対の外部電極の他方が形成さ
れる部分には露出しないように形成され、さらに一対の
外部電極の他方に接続される第2の電極が、基体の1つ
の側面の一対の外部電極の一方が形成される部分には露
出しないように形成されるので、基体の側面には、第1
または第2の電極の端部を絶縁するための絶縁樹脂膜を
形成する必要がない。そのため、第1および第2の電極
の間隔を狭くすることができ、小型化が容易となる。さ
らに、この発明にかかる圧電共振子では、絶縁樹脂膜が
形成されないので、ヒートショックあるいはヒートサイ
クルなどの温度変化などによって、外部電極が断線しに
くくなる。また、この発明にかかる圧電共振子では、一
対の外部電極の主面に直交する方向における全体の寸法
をWとし、一対の外部電極の主面に直交する方向におけ
る第1および第2の電極の対向しないギャップの部分の
寸法をgとしたときに、g/W≧0.1であり、また
は、一対の外部電極の主面に直交する方向における全体
の寸法をWとし、一対の外部電極の主面に直交する方向
における第1および第2の電極の対向しない各ギャップ
の部分の寸法をそれぞれgとしたときに、g/W≧0.
05であるため、ギャップの部分の寸法の変動によっ
て、共振周波数および反共振周波数の差ΔFと共振周波
数Frとの比である比帯域幅ΔF/Frの変動が小さ
く、特性のばらつきが小さい。この発明にかかる圧電共
振子を用いて、発振子,ディスクリミネータ,フィルタ
などの電子部品および通信機器を作製する場合、基体の
長手方向のほぼ中央部に配置した取付部材を介して、電
極を形成した基板上などに圧電共振子を取り付けること
ができ、ノード部で確実に圧電共振子を保持することが
できる。また、この基板上をキャップで覆うことによっ
て、チップ型の電子部品とすることができる。
【0014】この発明の上述の目的、その他の目的、特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施
の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0015】
【発明の実施の形態】図1はこの発明にかかる圧電共振
子の一例を示す図解図である。図1に示す圧電共振子1
0は直方体状の基体12を含む。基体12は、たとえば
圧電セラミックからなり積層される多数の圧電体層14
を含む。これらの圧電体層14は、それぞれ、同じ寸法
に形成される。また、これらの圧電体層14のうち中間
の圧電体層14は、図1の矢印で示すように、隣合う圧
電体層14の分極方向が互いに逆向きになるように基体
12の長手方向に分極される。
【0016】分極される中間の圧電体層14において基
体12の長手方向に直交する主面には、第1の電極16
および第2の電極18が交互に形成される。したがっ
て、これらの第1の電極16および第2の電極18は、
基体12の長手方向に直交しかつ基体12の長手方向に
間隔を隔てて配置される。また、第1の電極16は、図
2(a)に示すように、圧電体層14の主面において上
辺の中間部分から一端側部分を除く部分に形成され、第
2の電極18は、図2(b)に示すように、圧電体層1
4の主面において上辺の中間部分から他端側部分を除く
部分に形成される。したがって、第1の電極16は、基
体12の上側の1つの側面において、幅方向における中
間部分から一端側部分で露出しないが他端側部分で露出
するように形成される。また、第2の電極18は、基体
12の上側の1つの側面において、幅方向における一端
側部分で露出するが中間部分から他端側部分で露出しな
いように形成される。
【0017】基体12の上側の1つの側面には、基体1
2の幅方向の中央より一端側および他端側に、基体12
の長手方向に沿って、外部電極20および22が2列に
形成される。この場合、一方の外部電極20は第1の電
極16に接続され、他方の外部電極22は第2の電極1
8に接続される。
【0018】図1に示す圧電共振子10では、長手方向
における全体の寸法が4.5mmに形成され、外部電極
20および22の主面に直交する方向における全体の寸
法Wが0.5mmに形成され、外部電極20および22
の並び方向における全体の寸法が0.7mmに形成さ
れ、第1および第2の電極16,18間の距離すなわち
層間距離dが0.11mmに形成され、外部電極20お
よび22の主面に直交する方向における第1の電極16
および第2の電極18の対向しない部分すなわちギャッ
プの部分の寸法gが0.1mmに形成される。なお、図
1には、圧電体層14、第1の電極16および第2の電
極18は一部が省略して示されている。
【0019】この圧電共振子10では、外部電極20,
22が入出力電極として使用される。このとき、外部電
極20,22に信号を与えることにより、隣合う第1お
よび第2の電極16,18間に電界が印加されるため、
基体12の両端の圧電体層14を除く中間の圧電体層1
4は圧電的に活性となる。この場合、基体12の互いに
逆向きに分極した圧電体層14に、互いに逆向きの電圧
が印加されるため、圧電体層14は全体として同じ向き
に伸縮しようとする。つまり、外部電極20,22に接
続された第1および第2の電極16,18によって、個
々の圧電体層14に、基体12の長手方向の交流電界を
印加し、個々の圧電体層14に伸縮の駆動力を発生させ
ることによって、圧電共振子10全体としては、基体1
2の長手方向の中心部をノードとした長さ振動の基本振
動が励振される。
【0020】この圧電共振子10では、圧電体層14の
分極方向,入力信号による電界方向および圧電体層14
の振動方向が一致する。つまり、この圧電共振子10
は、圧電縦効果を利用した共振子となる。この圧電共振
子10は、分極方向および電界方向と振動方向とが異な
る圧電横効果を利用した圧電共振子に比べて、電気機械
結合係数が大きい。そのため、この圧電共振子10で
は、従来の圧電横効果を利用した圧電共振子に比べて、
共振周波数と反共振周波数との差ΔFが大きい。したが
って、この圧電共振子10では、従来の圧電横効果を利
用した圧電共振子に比べて、帯域幅の大きい特性を得る
ことができる。
【0021】また、図1に示す圧電共振子10では、図
22に示す積層構造の圧電共振子4と比べて、一方の外
部電極20に接続される第1の電極16が、他方の外部
電極22が形成される基体12の1つの側面の幅方向に
おける一端側部分には露出しないように形成され、さら
に他方の外部電極22に接続される第2の電極18が、
一方の外部電極20が形成される基体12の1つの側面
の幅方向における他端側部分には露出しないように形成
されるので、基体12の側面には、第1または第2の電
極16,18の端部を絶縁するための絶縁樹脂膜を形成
する必要がない。そのため、第1および第2の電極1
6,18の間隔を狭くすることができ、小型化が容易と
なる。
【0022】さらに、この圧電共振子10では、図22
に示す積層構造の圧電共振子4と比べて、外部電極2
0,22と基体12との間に絶縁樹脂膜が形成されない
ので、ヒートショックあるいはヒートサイクルなどの温
度変化などによって、外部電極20,22が断線しにく
くなる。
【0023】なお、図22に示す積層構造の圧電共振子
4において、絶縁樹脂膜8a,8b上の外部電極9a,
9bが断線しにくくなるようにするために、図23に示
すように、外部電極9a,9bの表面に導電性樹脂層9
c,9dを形成することが考えられる。しかしながら、
そのように基体5の側面に絶縁樹脂膜8a,8bや導電
性樹脂層9c,9dを形成すると、基体5の側面に大き
な負荷質量が形成されることになり、機械的品質係数Q
mが劣化したり、共振周波数の電圧依存性が大きくなっ
たりしてしまう。それに対して、この圧電共振子10で
は、基体12の側面に絶縁樹脂膜や導電性樹脂層などの
負荷質量が形成されないので、機械的品質係数Qmが劣
化せず、共振周波数の電圧依存性も大きくならない。
【0024】また、この圧電共振子10では、g/Wが
0.2であって0.1以上であるため、ギャップの部分
の寸法gの変動によって、共振周波数および反共振周波
数の差ΔFと共振周波数Frとの比である比帯域幅ΔF
/Frの変動が小さく、特性のばらつきが小さい。すな
わち、図1に示す圧電共振子10において、g/Wとd
/WとΔF/Frとの間には、図3のグラフに示すよう
な関係があることがわかった。つまり、それぞれのd/
Wの値に対して、g/W≧0.1の領域では、g/Wが
大きくなるに従って、ΔF/Frは緩やかに低下してい
る。これは、ギャップの部分が圧電性による駆動力を発
生せず長さ振動を機械的に妨げるように働き、ギャップ
の部分が大きくなると圧電励振の効率が低下するためで
ある。一方、g/W<0.1の領域では、曲線の傾きが
急で、g/Wが小さくなると急激にΔF/Frが低下し
ている。これは、ギャップの部分の寸法gが小さくなる
と第1および第2の電極16,18と外部電極20,2
2との間の容量が急激に増大し、圧電励振に寄与しない
容量が圧電共振子10に並列に付加されるためである。
この圧電共振子10を製作する上では、ギャップの部分
の寸法gがある程度変動するが、この曲線の傾きが急な
領域では、ギャップの部分の寸法gの変動によって、Δ
F/Frが大きく変動し、特性のばらつきが大きくなっ
てしまう。それに対して、g/W<0.1の領域を避
け、g/W=0.2≧0.1にすることで、ギャップの
部分の寸法gの変動によって生じるΔF/Frの変動を
比較的小さくすることができ、特性のばらつきも比較的
小さくすることができる。また、図3に示すグラフのg
/W≧0.1の領域では、d/Wが小さいほど、ΔF/
Frは大きくなっている。これは、d/Wが小さく第1
および第2の電極16,18間が小さくなるとその間の
容量が大きくなり、第1および第2の電極16,18と
外部電極20,22との間の容量の影響が相対的に小さ
くなるためである。
【0025】さらに、この圧電共振子10では、第1お
よび第2の電極16,18の端部の絶縁性を維持するた
めに圧電体層14の主面において第1および第2の電極
16,18が形成されない部分の幅を一定にしたまま
で、共振子の幅方向の寸法を縮小して形成しても、圧電
体層14の主面の面積に対する第1および第2の電極1
6,18の対向する面積の割合が変わらないので、圧電
体層14に発生する駆動力の効率を落とすことなく幅方
向において縮小することができる。
【0026】また、この圧電共振子10では、第1およ
び第2の電極16,18が圧電体層14の主面に部分的
に形成されるので、第1および第2の電極16,18の
対向する面積を調整することによって、ΔFを調整する
ことができ、特性の設計自由度が大きい。
【0027】さらに、この圧電共振子10では、たとえ
ば第1および第2の電極16,18の対向する面積、圧
電体層14および第1および第2の電極16,18の
数、圧電体層14において基体12の長手方向における
寸法を調整することによって、共振子の静電容量を調整
することができる。つまり、第1および第2の電極1
6,18の対向する面積を広くしたり圧電体層14およ
び第1および第2の電極16,18の数を増やしたり圧
電体層14において基体12の長手方向における寸法を
短くしたりすれば、共振子の静電容量を大きくすること
ができ、逆に、第1および第2の電極16,18の対向
する面積を狭くしたり圧電体層14および第1および第
2の電極16,18の数を減らしたり圧電体層14にお
いて基体12の長手方向における寸法を長くしたりすれ
ば、共振子の静電容量を小さくすることができる。した
がって、圧電共振子10の第1および第2の電極16,
18の対向する面積、圧電体層14および第1および第
2の電極16,18の数、圧電体層14において基体1
2の長手方向における寸法を調整することにより、静電
容量を調整することができ、静電容量の設計自由度が大
きい。そのため、圧電共振子10を回路基板などに実装
するとき、外部回路とのインピーダンス整合をとること
が容易である。
【0028】図4はこの発明にかかる圧電共振子の他の
例を示す図解図である。図4に示す圧電共振子10は、
図1に示す圧電共振子10と比べて、第1および第2の
電極16,18と外部電極20,22とにおいて異な
る。すなわち、図4に示す圧電共振子10では、第1の
電極16は、図5(a)に示すように、圧電体層14の
主面において上端部分を除く部分に形成される。また、
第2の電極18は、図5(b)に示すように、圧電体層
14の主面において下端部分を除く部分に形成される。
さらに、外部電極20は、基体12の下面に形成され、
第1の電極16に接続される。また、外部電極22は、
基体12の上面に形成され、第2の電極18に接続され
る。さらに、図4に示す圧電共振子10は、図1に示す
圧電共振子10と比べて、外部電極20および22の主
面に直交する方向における全体の寸法Wが0.7mmに
形成され、外部電極20および22の主面に直交する方
向における第1の電極16および第2の電極18の対向
しない各部分すなわち各ギャップの部分の寸法gがそれ
ぞれ0.1mmに形成される。なお、図4でも、圧電体
層14、第1の電極16および第2の電極18は一部が
省略して示されている。
【0029】図4に示す圧電共振子10では、図1に示
す圧電共振子10と比べて、特に、第1および第2の電
極16,18の重ね合わせた形状の中心線あるいは中心
点が基体12の長手方向に垂直な面における中心線ある
いは中心点と一致するように形成されているので、圧電
体層14に発生する駆動力が基体12の中心軸からずれ
なく、基体12がほとんど撓まないのでスプリアスが発
生しないという別の効果も奏する。
【0030】また、図4に示す圧電共振子10では、g
/Wが約0.14であって0.05以上であるため、ギ
ャップの部分の寸法gの変動によって、比帯域幅ΔF/
Frの変動が小さく、特性のばらつきが小さい。すなわ
ち、図4に示す圧電共振子10では、g/Wとd/Wと
ΔF/Frとの関係を図6のグラフに示すように、g/
Wが0.05以上である場合に、ギャップの部分の寸法
gが変動しても、比帯域幅ΔF/Frの変動が小さく、
特性のばらつきが小さい。
【0031】上述の各圧電共振子10では、基体12の
長手方向における中間部分が圧電的に活性となり振動す
るように構成され、基体12の長手方向における両端部
分が圧電的に活性とならない不活性部で形成されてい
る。圧電体層が分極され、かつ電界が印加されたときに
のみ、圧電的に活性になるのであり、それ以外は圧電的
に不活性となるため、不活性部は、このようなものであ
ればよい。
【0032】上述の各圧電共振子10を用いて、発振子
やディスクリミネータなどの電子部品が作製される。図
7は図1に示す圧電共振子10を用いた電子部品60の
一例を示す図解図である。図7に示す電子部品60は、
支持部材としての絶縁体基板62を含む。絶縁体基板6
2の対向する端部には、それぞれ2つずつ凹部64が形
成される。絶縁体基板62の一方面上には、2つのパタ
ーン電極66,68が形成される。一方のパターン電極
66は、対向する凹部64間に形成され、その一端側か
ら絶縁体基板62の中央部に向かって、L字状に延びる
部分を有する。また、他方のパターン電極68は、別の
対向する凹部64間に形成され、その他端側から絶縁体
基板62の中央部に向かって、L字状に延びる部分を有
する。これらのパターン電極66,68は、絶縁体基板
62の凹部64から他方主面に向かって、回り込むよう
に形成される。なお、絶縁体基板62としては、ガラス
エポキシ基板、アルミナ基板など周知の基板を用いるこ
とができる。また、基板としては、多層基板、誘電体基
板などを用いてもよい。
【0033】圧電共振子10の長手方向の中央部となる
基体12の長手方向中央部には、導電性接着剤などの導
電材料からなる取付部材としての突起70,70がそれ
ぞれ形成される。そして、図8に示すように、圧電共振
子10を、突起70,70を介して、絶縁体基板62の
パターン電極66,68上に取り付ける。このとき、圧
電共振子10の外部電極20,22が、突起70,70
を介してパターン電極66,68にそれぞれ接続され
る。なお、突起70、70を接着する接着剤が、絶縁体
基板62のパターン電極66,68上に塗布されていて
もよい。
【0034】さらに、絶縁体基板62上には、図7に示
すように、金属キャップ74がかぶせられる。このと
き、金属キャップ74とパターン電極66,68とが導
通しないように、絶縁体基板62およびパターン電極6
6,68上に絶縁性樹脂が塗布される。そして、金属キ
ャップ74がかぶせられることによって、電子部品60
が作製される。この電子部品60では、絶縁体基板62
の凹部64から裏面に回り込むように形成されたパター
ン電極66,68が、外部回路と接続するための入出力
端子として用いられる。
【0035】この電子部品60では、圧電共振子10の
中央部に突起70が形成されているため、圧電共振子1
0のノード点である中央部を確実に支持することがで
き、励振される長さ振動が阻害されることがない。
【0036】また、この電子部品60は、ICなどとと
もに回路基板などに取り付けて用いられ、たとえば発振
子やディスクリミネータとして用いられる。このような
構造の電子部品60では、金属キャップ74で密封・保
護されているため、リフロー半田などによる取り付けが
可能なチップ部品として使用することができる。
【0037】この電子部品60を発振子として使用する
場合、上述の圧電共振子10が用いられているので、ス
プリアスが小さく抑えられ、スプリアスによる異常発振
を防止することができる。また、圧電共振子10の容量
値を自由に設定できるため、外部回路とのインピーダン
ス整合をとることが容易である。特に、電圧制御発振器
用の発振子として使用する場合、共振子のΔFが大きい
ので、従来にはない広い周波数可変範囲を得ることがで
きる。
【0038】また、この電子部品60をディスクリミネ
ータとして用いる場合、共振子のΔFが大きいという特
徴は、ピークセパレーションが広いという特徴につなが
る。さらに、共振子の容量設計範囲が広いため、外部回
路とのインピーダンス整合をとることが容易である。
【0039】図9は図4に示す圧電共振子10を用いた
電子部品60の一例を示す図解図であり、図10は図9
に示す電子部品60において圧電共振子10の取り付け
構造を示す側面図解図である。図9に示す電子部品60
は、図7に示す電子部品60と比べて、図1に示す圧電
共振子10の代わりに図4に示す圧電共振子10が用い
られる。
【0040】図9に示す電子部品60でも、図7に示す
電子部品60と同様の効果を奏する。
【0041】図11は図1に示す圧電共振子10を用い
た電子部品60としてのラダー型フィルタの一例を示す
要部平面図であり、図12はその要部分解斜視図であ
る。図11および図12に示す電子部品60では、支持
部材としての絶縁体基板62上に、4つのパターン電極
90,92,94,96が形成される。これらのパター
ン電極90〜96には、間隔を隔てて一列に配置される
5つのランドが形成される。この場合、絶縁体基板62
の一端から1番目のランドはパターン電極90に形成さ
れ、2番目のランドおよび5番目のランドはパターン電
極92に形成され、3番目のランドはパターン電極94
に形成され、4番目のランドはパターン電極96に形成
される。
【0042】これらのパターン電極90〜96上には、
4つの圧電共振子10,10,11,11の外部電極2
0,21,22,23が、それぞれ取り付けられる。圧
電共振子10としては、たとえば図1に示すように基体
12の1つの側面に外部電極20,22が形成された圧
電共振子10が用いられる。また、圧電共振子11とし
ては、図13に示すように基体13の1つの側面に外部
電極21,23が形成された圧電共振子11が用いられ
る。
【0043】図13に示す圧電共振子11は、長手方向
を有する基体13を構成する複数の圧電体層15と複数
の電極17とが交互に積層され、隣合う圧電体層15の
分極方向が互いに逆向きになるように複数の圧電体層1
5が基体13の長手方向に分極された圧電共振子であっ
て、基体13の上面において、幅方向における一端側で
1つおきの電極17の端部が絶縁樹脂膜19で被覆され
た上で他の1つおきの電極17に外部電極21が接続さ
れ、幅方向における他端側で1つおきの電極17に外部
電極23が接続されるように、他の1つおきの電極17
の端部が絶縁樹脂膜19で被覆された上で外部電極23
が形成される。
【0044】なお、圧電共振子10,10,11,11
のパターン電極90〜96上への取付けに際しては、圧
電共振子10,11の各外部電極20,21,22,2
3が、取付部材としての突起70を介して、絶縁体基板
62の各パターン電極90〜96上に取り付けられる。
そして、絶縁体基板62上に、金属キャップ(図示せ
ず)がかぶせられる。
【0045】図11および図12に示す電子部品60
は、図14に示すような梯子型の回路を有するラダー型
フィルタとして用いられる。このとき、2つの圧電共振
子10,10は並列共振子として用いられ、別の2つの
圧電共振子11,11は直列共振子として用いられる。
このようなラダー型フィルタでは、阻止域の減衰量は、
並列共振子の容量と直列共振子の容量との比によって決
定され、並列共振子としての圧電共振子10の容量が、
直列共振子としての圧電共振子11の容量よりも大きく
なるように設計されている。この場合、層間距離を小さ
くして圧電体層などの積層数の多くしたものが並列共振
子に用いられ、層間距離を大きくして圧電体層などの積
層数の少なくしたものが直列共振子に用いられる。さら
に、ラダー型フィルタの通過帯域幅は各共振子のΔFに
よって決まり、並列共振子のΔFと直列共振子のΔFと
がほぼ同じ値に設定される。なお、直列共振子として、
図1に示すギャップを有する圧電共振子10を用いる
と、図3に示すように層間距離が大きくなることによっ
て、ΔFが小さくなってしまうので、図13に示すギャ
ップのない圧電共振子11が用いられている。なお、直
列共振子では、層間距離が大きいため、前述のような絶
縁膜の形成上の問題はない。
【0046】ラダー型フィルタの減衰量は、直列共振子
と並列共振子の容量比に左右される。図11および図1
2に示す電子部品60では、圧電共振子10,11の圧
電体層などの積層数を変えることによって、容量を調整
することができる。したがって、圧電共振子10,11
の容量を調整することにより、従来の圧電横効果を利用
した圧電共振子を用いた場合に比べて、少ない共振子数
でより大きい減衰量をもったラダー型フィルタを実現す
ることができる。また、圧電共振子10,11のΔFが
従来の圧電共振子より大きいため、通過帯域幅も従来の
圧電共振子を用いたものより広いものを実現することが
できる。
【0047】さらに、図11および図12に示す電子部
品60では、隣接する圧電共振子の2つの電極を同じラ
ンドにそれぞれ取り付けるため、隣接する圧電共振子の
2つの電極間で絶縁する必要がなく、隣接する圧電共振
子を接近することができ、小型化が可能である。
【0048】図15は図4に示す圧電共振子10を用い
た電子部品60としてのラダー型フィルタの一例を示す
要部平面図であり、図16はその要部分解斜視図であ
る。図15および図16に示す電子部品60は、図11
および図12に示す電子部品60と比べて、特に、並列
共振子として図4に示す圧電共振子10が用いられ、直
列共振子として図17に示す圧電共振子11が用いられ
る。なお、直列共振子では、層間距離が大きいため、前
述のような絶縁膜の形成上の問題はない。
【0049】図17に示す圧電共振子11は、長手方向
を有する基体13を構成する複数の圧電体層15と複数
の電極17とが交互に積層され、隣合う圧電体層15の
分極方向が互いに逆向きになるように複数の圧電体層1
5が基体13の長手方向に分極された圧電共振子であっ
て、基体13の下面において1つおきの電極17の端部
が絶縁樹脂膜19で被覆された上で他の1つおきの電極
17に外部電極21が接続され、基体13の上面におい
て1つおきの電極17に外部電極23が接続されるよう
に、他の1つおきの電極17の端部が絶縁樹脂膜19で
被覆された上で外部電極23が形成される。
【0050】図15および図16に示す電子部品60で
は、図18に示す梯子型の回路を有するラダー型フィル
タとして用いられ、図11および図12に示す電子部品
60と同様の効果を奏する。
【0051】上述の各電子部品はチップ状に形成されて
いるが、この発明では電子部品はチップ状以外の形状と
することもできる。
【0052】なお、上述の各圧電共振子10では、複数
の圧電体層14が交互に逆方向に分極されているが、複
数の圧電体層14の分極方向はこれに限らない。
【0053】また、上述の各圧電共振子10では、基体
12の長手方向における圧電体層14の各寸法ないしは
隣接する第1および第2の電極16,18間の各間隔が
同一に形成されているが、それらは同一に形成されなく
てもよい。
【0054】さらに、上述の各圧電共振子10では、隣
接する第1および第2の電極16,18間において、1
枚の圧電体層14が設けられているが、複数枚の圧電体
層が設けられてもよい。
【0055】また、上述の各圧電共振子10では、外部
電極20,22に接続される第1および第2の電極1
6,18が交互に形成されているが、第1および第2の
電極16,18は交互に形成されなくてもよい。また、
第1および第2の電極16,18は、必ずしも複数ずつ
形成される必要はなく、1つずつ形成されてもよい。
【0056】図19はこの発明にかかるダブルスーパー
ヘテロダイン受信機の一例を示すブロック図である。図
19に示すダブルスーパーヘテロダイン受信機100は
アンテナ102を含む。アンテナ102は入力回路10
4の入力端に接続される。入力回路104は、アンテナ
102と後述の高周波増幅器106とのインピーダンス
整合を行い、希望波を選択する同調回路あるいはバンド
パスフィルタが用いられる。入力回路104の出力端
は、高周波増幅器106の入力端に接続される。高周波
増幅器106は、微弱な電波を低雑音増幅し感度を向上
させ、また、イメージ周波数選択度を改善するためのも
のである。高周波増幅器106の出力端は、第1の周波
数混合器108の入力端に接続される。第1の周波数混
合器108は、希望波と第1の局部発振波とを混合して
和または差の第1の中間周波をつくるためのものであ
る。第1の周波数混合器108の別の入力端には、第1
の局部発振器110の出力端が接続される。第1の局部
発振器110は、第1の中間周波をつくるための第1の
局部発振波を発振するためのものである。第1の周波数
混合器108の出力端は、第1のバンドパスフィルタ1
12の入力端に接続される。第1のバンドパスフィルタ
112は、第1の中間周波を通過するためのものであ
る。第1のバンドパスフィルタ112の出力端は、第2
の周波数混合器114の入力端に接続される。第2の周
波数混合器114は、第1の中間周波と第2の局部発振
波とを混合して和または差の第2の中間周波をつくるた
めのものである。第2の周波数混合器114の別の入力
端には、第2の局部発振器116の出力端が接続され
る。第2の局部発振器116は、第2の中間周波をつく
るための第2の局部発振波を発振するためのものであ
る。第2の周波数混合器114の出力端は、第2のバン
ドパスフィルタ118の入力端に接続される。第2のバ
ンドパスフィルタ118は、第2の中間周波を通過する
ためのものである。第2のバンドパスフィルタ118の
出力端は、中間周波増幅器120の入力端に接続され
る。中間周波増幅器120は、第2の中間周波を増幅す
るためのものである。中間周波増幅器120の出力端
は、検波器122の入力端に接続される。検波器122
は、第2の中間周波から信号波を得るためのものであ
る。検波器122の出力端は、低周波増幅器124の入
力端に接続される。低周波増幅器124は、スピーカを
駆動できるレベルまで信号波を増幅するためのものであ
る。低周波増幅器124の出力端は、スピーカ126に
接続される。
【0057】そして、この発明では、そのダブルスーパ
ーヘテロダイン受信機100において、検波器122に
上述の圧電共振子が用いられてもよく、また、第1のバ
ンドパスフィルタ112および第2のバンドパスフィル
タ118にそれぞれ上述のラダー型フィルタが用いられ
てもよい。このような受信機は、小型で、受信特性に優
れたものとなる。
【0058】また、この発明では、シングルスーパーヘ
テロダイン受信機において、検波器に上述の圧電共振子
が用いられてもよく、また、バンドパスフィルタに上述
のラダー型フィルタが用いられてもよい。このようなシ
ングルスーパーヘテロダイン受信機も、上述したダブル
スーパーヘテロダイン受信機同様、小型で、受信特性に
優れたものとなる。
【0059】
【発明の効果】この発明によれば、スプリアスが小さ
く、共振周波数と反共振周波数との差ΔFが大きく、小
型化が容易であり、外部電極が断線しにくく、特性のば
らつきが小さい圧電共振子が得られる。また、この発明
にかかる圧電共振子を用いて電子部品を作製する場合、
チップ型の電子部品とすることができるので、回路基板
などに実装することが簡単である。さらに、この発明に
よれば、スプリアスが小さく、共振周波数と反共振周波
数との差ΔFが大きく、小型化が容易であり、外部電極
が断線しにくく、特性のばらつきの小さい圧電共振子を
用いた電子部品および通信機器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる圧電共振子の一例を示す図解
図である。
【図2】図1に示す圧電共振子に用いられる第1および
第2の電極を示す平面図である。
【図3】図1に示す圧電共振子においてg/Wとd/W
とΔF/Frとの関係を示すグラフである。
【図4】この発明にかかる圧電共振子の他の例を示す図
解図である。
【図5】図4に示す圧電共振子に用いられる第1および
第2の電極を示す平面図である。
【図6】図4に示す圧電共振子においてg/Wとd/W
とΔF/Frとの関係を示すグラフである。
【図7】図1に示す圧電共振子を用いた電子部品の一例
を示す図解図である。
【図8】図7に示す電子部品において圧電共振子の取り
付け構造を示す側面図解図である。
【図9】図4に示す圧電共振子を用いた電子部品の一例
を示す図解図である。
【図10】図9に示す電子部品において圧電共振子の取
り付け構造を示す側面図解図である。
【図11】図1に示す圧電共振子を用いた電子部品とし
てのラダー型フィルタの一例を示す要部平面図である。
【図12】図11に示すラダー型フィルタの要部分解斜
視図である。
【図13】図11に示すラダー型フィルタに用いられる
他の圧電共振子を示す図解図である。
【図14】図11に示すラダー型フィルタの回路図であ
る。
【図15】図4に示す圧電共振子を用いた電子部品とし
てのラダー型フィルタの一例を示す要部平面図である。
【図16】図15に示すラダー型フィルタの要部分解斜
視図である。
【図17】図15に示すラダー型フィルタに用いられる
他の圧電共振子を示す図解図である。
【図18】図15に示すラダー型フィルタの回路図であ
る。
【図19】この発明にかかるダブルスーパーヘテロダイ
ン受信機の一例を示すブロック図である。
【図20】従来の圧電共振子の一例を示す斜視図であ
る。
【図21】従来の圧電共振子の他の例を示す斜視図であ
る。
【図22】この発明の背景となる積層構造の圧電共振子
の一例を示す図解図である。
【図23】図22に示す圧電共振子の外部電極の表面に
導電性樹脂層を形成した状態を示す図解図である。
【符号の説明】
10 圧電共振子 12 基体 14 圧電体層 16 第1の電極 18 第2の電極 20,22 外部電極 60 電子部品 62 絶縁体基板 64 凹部 66,68 パターン電極 70 突起 74 金属キャップ 90,92,94,96 パターン電極 100 ダブルスーパーヘテロダイン受信機 112 第1のバンドパスフィルタ 118 第2のバンドパスフィルタ 122 検波器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向を有する基体、 前記基体の長手方向に直交しかつ前記基体の長手方向に
    間隔を隔てて配置される第1および第2の電極、および
    前記基体の1つの側面において前記基体の幅方向の中央
    より一端側および他端側に前記基体の長手方向に沿って
    形成され、前記第1および第2の電極に接続される一対
    の外部電極を含み、 前記基体は、積層される複数の圧電体層を含み、 前記複数の圧電体層は、前記基体の長手方向に分極さ
    れ、 前記第1および第2の電極は、前記圧電体層において前
    記基体の長手方向に直交する面に形成され、 前記一対の外部電極の一方に接続される前記第1の電極
    は、前記基体の1つの側面において前記一対の外部電極
    の他方が形成される部分には露出しないように形成さ
    れ、さらに前記一対の外部電極の他方に接続される前記
    第2の電極は、前記基体の1つの側面において前記一対
    の外部電極の一方が形成される部分には露出しないよう
    に形成され、 前記一対の外部電極の主面に直交する方向における全体
    の寸法をWとし、前記一対の外部電極の主面に直交する
    方向における前記第1および第2の電極の対向しないギ
    ャップの部分の寸法をgとしたときに、g/W≧0.1
    である、圧電共振子。
  2. 【請求項2】 長手方向を有する基体、 前記基体の長手方向に直交しかつ前記基体の長手方向に
    間隔を隔てて配置される第1および第2の電極、および
    前記基体の対向する2つの側面に形成され、前記第1お
    よび第2の電極に接続される一対の外部電極を含み、 前記基体は、積層される複数の圧電体層を含み、 前記複数の圧電体層は、前記基体の長手方向に分極さ
    れ、 前記第1および第2の電極は、前記圧電体層において前
    記基体の長手方向に直交する面に形成され、 前記一対の外部電極の一方に接続される前記第1の電極
    は、前記基体の2つの側面において前記一対の外部電極
    の他方が形成される部分には露出しないように形成さ
    れ、さらに前記一対の外部電極の他方に接続される前記
    第2の電極は、前記基体の2つの側面の前記一対の外部
    電極の一方が形成される部分には露出しないように形成
    され、 前記一対の外部電極の主面に直交する方向における全体
    の寸法をWとし、前記一対の外部電極の主面に直交する
    方向における前記第1および第2の電極の対向しない各
    ギャップの部分の寸法をそれぞれgとしたときに、g/
    W≧0.05である、圧電共振子。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2の電極は、それぞ
    れ、複数形成される、請求項1または請求項2に記載の
    圧電共振子。
  4. 【請求項4】 さらに、前記基体の長手方向のほぼ中央
    部に配置される取付部材を含む、請求項1ないし請求項
    3のいずれかに記載の圧電共振子。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の圧電共振子を用いた電
    子部品であって、 表面に電極の形成された基板上に前記取付部材を介して
    前記基体を取り付けるとともに、 前記基板上に前記基体を覆うようにキャップを配置した
    ことを特徴とする、電子部品。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の圧電共振子をラダー型フィルタの並列共振子として
    用いた、電子部品。
  7. 【請求項7】 ラダー型フィルタである、請求項5に記
    載の電子部品。
  8. 【請求項8】 検波器を有する通信機器であって、請求
    項1ないし請求項4のいずれかに記載の圧電共振子が前
    記検波器に用いられた、通信機器。
  9. 【請求項9】 検波器を有する通信機器であって、請求
    項5に記載の電子部品が前記検波器に用いられた、通信
    機器。
  10. 【請求項10】 バンドパスフィルタを有する通信機器
    であって、請求項6または請求項7に記載の電子部品が
    前記バンドパスフィルタに用いられた、通信機器。
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