JP5232305B2 - 共振器および発振器 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電膜を用いた共振器および発振器に関する。
電子機器の基準周波数発生用として、水晶振動子を使用した発振器が広く利用されている。水晶振動子は水晶の結晶から特定の角度で切り出し、特定のモードで共振させることにより、共振周波数の温度依存性を非常に小さくすることが可能である。代表的な例として、ATカットのTSモード(厚みすべりモード)共振子や、Xカットの2脚音叉振動子などが広く利用されている。
水晶振動子はこのような優れた温度特性を持つ反面、水晶結晶の育成にはオートクレーブと呼ばれる高温高圧容器中で数ヶ月もかかりため高価であること、非常に高度で精密な加工が必要なこと、共振子を形成するには気密パッケージ内で機械的な実装工程を必要とすること、寸法の小型化にも機械加工のため限界があること、などの多くの欠点がある。
そこで、最近MEMS技術で作成したSi振動子が非常に多くの注目を集めている。Si共振子は半導体工程によりSi基板上に製作されるため、超小型化や低価格化が可能である。また共振子として単結晶Siや十分アニールされた多結晶Siを使用することにより、非常に安定な共振が可能であり、共振のQ値も高い。
しかしながら、水晶振動子と異なり、Si振動子は−30ppm/℃程度の共振周波数の温度依存性を持つ。主としてSiの弾性率の温度依存性に由来する。民生機器の使用温度範囲である−30℃から85℃では約0.3%程度の誤差となる。したがってほとんどの応用分野では何らかの温度補償を行わないと基準周波数発振器として使用することができない。
この問題に対して、Si共振回路の後段でデジタル処理により温度補償をする方法が提案されている(特許文献1)。すなわち、Si振動子を備える第1の共振回路とは別に、インダクタおよび可変キャパシタからなる第2の共振回路、温度センサ、およびPLL回路などを設けてある。Si振動子の共振周波数を基準にし、第2の共振回路の周波数を、温度によってあらかじめ設定された分周比にPLLで制御することによって温度補償を行っている。
この方法では比較的高い温度補償精度が得られるが、出力は第2の共振回路から得ており、第2の共振回路はインダクタと可変容量キャパシタからなるLCタンク回路で構成されているため、Q値が小さく、位相ノイズが多いという欠点がある。したがって、携帯電話などの発振の安定度が特に必要とされる分野には適用できないのが現状である。
米国特許6995622号明細書
従来の水晶発振器は小型化、低価格化が難しいという問題点がある。また、これに代わるべく開発されたSi発振器は位相ノイズが多く高度な発振特性の要求される分野には向かないという問題点がある。
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、製造プロセスが容易で、超小型化が可能で、温度補償精度が高く、Q値の大きい、圧電膜を使用した温度補償型の共振器および発振器を提供することを目的とする。
本発明の一態様の共振器は、基板と、前記基板上方に形成され、少なくとも下部電極、圧電膜、および上部電極で構成される平板状の積層体と、前記積層体を、前記基板上に固定するためのアンカー部と、前記積層体の内部の切り欠き部に形成され、両端を前記積層体に支持され、少なくとも下部電極、圧電膜、および上部電極で構成される音叉振動子と、前記積層体および前記音叉振動子を非接触に内包し、前記積層体および前記音叉振動子への外力の印加を抑制する外囲器と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、製造プロセスが容易で、超小型化が可能で、温度補償精度が高く、Q値の大きい、圧電膜を使用した温度補償型の共振器および発振器を提供することが可能となる。
第1の実施の形態の共振器の上面図である。 図1の共振器のA−A側断面図である。 図1の共振器のB−B側断面図である。 第1の実施の形態の振動脚の鳥瞰図である。 第1の実施の形態の共振器において、バイアス電圧を印加したときの周波数変化率を示す説明図である。 第1の実施の形態の共振器を用いた発振器のブロック図である。 第1の実施の形態の共振器を用いた別の発振器のブロック図である。 第1の実施の形態の共振器において、音叉振動子の電極被覆率の影響を示す説明図である。 第1の実施の形態の共振器の製造方法を示す工程順模式断面である。 第2の実施の形態の共振器の上面図である。 図9の共振器のB−B側断面図である。 第2の実施の形態の振動脚の鳥瞰図である。 第2の実施の形態の振動脚の鳥瞰図である。 第3の実施の形態の共振器の上面図である。 第3の実施の形態の振動脚の鳥瞰図である。 第3の実施の形態の振動脚の鳥瞰図である。 第3の実施の形態の共振器を用いた発振器のブロック図である。
以下、本発明の実施の形態の共振器について、図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書中、共振器とは、音叉振動子と積層体を主要な構成とする部分をさし、発振器とは、共振器に電気回路等を接続することで実際に基準周波数等を発生する装置をさすものとする。
(第1の実施の形態)
本実施の形態の共振器は、基板と、基板上方に形成され、少なくとも下部電極、圧電膜、および上部電極で構成される積層構造を有する平板状の積層体と、この積層体を、基板上に固定するためのアンカー部と、積層体の内部の切り欠き部と、切り欠き部に形成され、両端を積層体に支持され、少なくとも下部電極、圧電膜、および上部電極で構成される積層構造を有する音叉振動子と、積層体および音叉振動子を非接触に内包し、積層体および音叉振動子への外力の印加を抑制する外囲器を備える。
本実施の形態の共振器は、上記構成を有する共振器である。そして、この共振器において、一端を基板に固定された積層体内部の切り欠き部に音叉振動子が形成されることにより、積層体や音叉振動子を構成する圧電膜に生ずる製造時のそりや残留応力の影響をキャンセルすることが可能になる。また外力によって生じる基板の変形の影響も回避することが可能になる。
また、積層体部分と、音叉振動子部分における圧電膜と電極の割合を変化させることにより、熱膨張歪が発生し、この熱膨張歪により音叉振動子に長手方向の軸歪を与え、共振周波数を変化させることができる。
また、積層体の電極間にバイアス電圧を印加して電歪を発生させ、この電歪により音叉振動子に長手方向の軸歪を与え、共振周波数を変化させることができる。これらの熱膨張歪や電歪による音叉振動子の周波数変化により、音叉振動子が本来持っている共振周波数の温度依存性をキャンセルすることができる。
図1は、本実施の形態の共振器の上面図である。図2は、図1の共振器のA−A側断面図である。図3は、図1の共振器のB−B側断面図である。
この共振器は、基板10、基板10の端部に固定されたアンカー部12、アンカー部12に一端が接続され、下部電極14a、圧電膜14b、上部電極14cからなる積層体14を有する。積層体14の内部の切り欠き部16には下部電極18a、圧電膜18b、上部電極18cからなる音叉振動子18が形成されている。また、音叉振動子18は2本の振動脚18Lおよび18Rを有している。音叉振動子18の両端は積層体14に接続されている。このように、積層体14および音叉振動子18は、基板10上方に形成され、それぞれが平板状を呈している。
さらに、積層体14および音叉振動子18を非接触に内包することで、積層体14および音叉振動子18への外力の印加を抑制する外囲器20または筐体を備える。
もし基板10に外力が加わって変形を生じた場合、積層体14は1箇所のアンカー部12でのみ基板10に支持されており、さらに音叉振動子18は積層体14にのみ接続されているので、基板10に生じた変形は積層体12や音叉振動子18には伝わらず、音叉振動子18の共振周波数に影響を及ぼさないという利点がある。
すなわち、基板10に印加される外力による変形をアンカー部12が吸収し、積層体12や音叉振動子18に伝えない構成となっている。
さらに、外囲器20により、積層体12や音叉振動子18に外力が直接加わらないよう構成されている。したがって、外力が、積層体12や音叉振動子18には伝わらず、音叉振動子18の共振周波数に影響を及ぼさないという利点がある。
また、圧電膜14b、18bや、電極14a、14c、18a、18cの成膜時には、残留応力が不可避である。しかし、各膜に残留応力が生じた場合、積層体14と音叉振動子18が一体となって変形し、トータルの軸応力が0になるように応力緩和が生じる。したがって、音叉振動子18に軸方向の応力は加わらず、残留応力が共振周波数に影響を及ぼさないという構造上の利点がある。
図4は、音叉振動子が有する振動脚のうちの1本である18Lの鳥瞰図である。振動脚18Lは、下面から、下部電極18a、圧電膜18b、および上部電極18cがこの順に積層されて構成される積層構造を備えている。圧電膜18bは膜厚方向に分極を持つ。ここで、例えば、電極18a、18cは厚さが100nmのAl、圧電膜18bは厚さが1μmのAlNで形成される。
また、振動脚18Lは、第1の部分18L’、第2の部分18L’’、および第3の部分18L’’’に分割されている。各部分では、電極18aおよび18cが左半面ないしは右半面のみに形成されている。
図4(a)に示すように、上部電極18cに正極、下部電極18aに負極の電圧が印加された場合、下部電極18aと上部電極18cに挟まれた圧電膜18bの部分は電歪により伸張する。したがって、図中1点鎖線で示すように、振動脚18Lの中央部18L’’は面内で右側に屈曲して張り出す。図4(b)に示すように、上部電極18cに負極、下部電極18aに正極の電圧が印加された場合、図中1点鎖線で示すように、振動脚18Lの中央部18L’’は面内で左側に屈曲して張り出す。
したがって、音叉振動子18の共振周波数に一致する交番電圧が加わった場合、振動脚18Lは左右に屈曲して共振を生じる。
また、図1に示したように、音叉振動子18は線対称に構成された2本の振動脚18Lおよび18Rを有する。そして、2本の振動脚18Lと18Rは、上部電極18cと下部電極18aに共振周波数に相当する交番電圧が加わった場合、面内でお互いに逆位相で屈曲変形する。したがって、運動量が相殺され、また振動脚の接続部から少し離れたアンカー部では変形もほとんど0になるため、非常に高いQ値を持つ共振が得られる。
このような音叉振動子の共振周波数frは[1]式で表される。ただし電極の効果は省略している。
Figure 0005232305
ここで、h:振動脚の幅,l:振動脚の梁長,E:圧電膜の弾性率,r:圧電膜の比重,e:歪(後述する)、である。
もっとも、共振周波数は、振動脚の幅の1乗、長さの−2乗に比例する。[1]式中で圧電膜の弾性率Eは比較的大きな負の温度依存性を持つことから、圧電膜がAlNの場合、共振周波数frは約−25ppm/℃の温度依存性を持つ。動作温度を−20℃〜85℃とすると、約0.26%程度の温度ドリフトが生じる。
したがって、正確な発振周波数を要求される基準発振器にこの音叉振動子を用いる場合は、何らかの方法でこの温度依存性を補償する必要がある。そして、このような音叉共振子は、音叉共振子に加わる軸方向の歪εにより、共振周波数が変化するという性質を持つ。
次に、積層体14に直流のバイアス電圧を加えたときの挙動を説明する。積層体14の上部電極14cは、隔離部22aおよび22b(図1参照)により音叉振動子18の上部電極18cと絶縁されている。同様に、積層体14の下部電極14aは、隔離部22cおよび22dにより音叉振動子18の下部電極18aと絶縁されている。したがって、積層体14の電極にのみ独立してバイアス電圧を印加することができるよう構成されている。
積層体14の上部電極14cと下部電極14aの間にバイアス電圧を印加した場合、圧電膜14bは厚さ方向に圧電定数d33に比例する電歪が、面内方向には圧電定数d31に比例する電歪が生じる
したがって積層体14は、面内に均等に電歪が生じるが、音叉振動子18は幅方向には拘束されておらず、長さ方向にのみ積層体14に生じた電歪の影響を受ける。音叉振動子18の幅は積層体14の幅よりもかなり小さく設計されているので、積層体14に生じた電歪がほぼそのまま音叉振動子18の長さ方向に印加される。
長さ方向の歪εを受けたときの対向音叉型の音叉振動子18の共振周波数frは、既に[1]式に示している。振動脚の長さが長く、幅が狭いほど歪に関する感度が大きくなる。
図5は、圧電膜を窒化アルミニウム(AlN)とした場合の、積層体14にバイアス電圧を印加したときの音叉振動子18の共振周波数の変化率の計算結果を示す図である。圧電膜の厚さは1μmとした。例えば、積層体に3Vのバイアス電圧を印加し、振動脚の梁長200μm、幅2μmの場合は、共振周波数が約1%変化することになる。
前述したように、AlNを使用した音叉振動子の場合は、弾性率の温度依存性に由来して、共振周波数に約0.26%の温度ドリフトが生じる。しかし、何らかの温度測定手段を用い、上記の積層体14に温度補償用のバイアス電圧を印加すれば、1V程度の低電圧で共振周波数の温度ドリフト分をキャンセルすることが可能になる。
図6は、本実施の形態の共振器をもちいた発振器のブロック図である。この発振器は、上記共振器と、音叉振動子に接続される発振回路と、共振器の温度をモニタする温度センサと、温度センサによりモニタされた温度から音叉振動子に印加する直流バイアス電圧を算出する温度補償回路とを備える。
図に示すように、音叉振動子18には発振回路24が接続されている。発振回路24として、既知のコルピッツ回路などを使用することができる。温度センサ26の出力は、A/D変換器28を介してデジタル補償回路30に入力される。温度センサ26としては種々のものが使用できるが、例えばバイポーラトランジスタに一定電流を流したときのベース−エミッタ間の電圧VBEを測定することで得られる。
デジタル補償回路30において、あらかじめ記憶回路32に記憶された定数を使用して測定された温度から直流のバイアス電圧が算出される。そして、D/A変換器34を通して、この直流のバイアス電圧が積層体14の上部電極14cおよび下部電極14aに印加される。このようにして音叉振動子18の共振周波数が温度補償され、出力される。
積層体14に直流のバイアス電圧を印加することで、音叉振動子18の共振周波数の温度依存性を補償する方法について説明したが、音叉振動子18の下部電極18aと上部電極18cの間にバイアス電圧を印加する方法によっても、全く同じ効果を得ることが可能である。
すなわち、積層体14に正のバイアス電圧を印加することで積層体14に正の電歪が生じる。そして、この電歪により音叉振動子18に引張り歪が印加され、音叉振動子18の共振周波数が上昇し、共振周波数の温度依存性をキャンセルすることができた。
同様に、音叉振動子18に負のバイアス電圧を印加することで音叉振動子18に負の電歪が生じる。そして、この電歪により音叉振動子18に引張り歪が印加され、音叉振動子18の共振周波数が上昇し、共振周波数の温度依存性をキャンセルすることができる。
図7は、音叉振動子18に直流のバイアス電圧を印加する場合の発振器のブロック図である。この発振器は、上述の共振器と、音叉振動子に接続される発振回路と、共振器の温度をモニタする温度センサと、温度センサによりモニタされた温度から音叉振動子に印加する直流バイアス電圧を算出する温度補償回路とを備える。
音叉振動子18には発振回路24およびバイアス電圧印加回路(図示せず)が接続されている。直流のバイアス電圧が発振回路24に加わらないようにするため、発振回路24と音叉振動子18の間に、共振周波数に対しては十分低いインピーダンスを持つコンデンサ35を挿入し、直流成分を遮断することができる。
次に、音叉振動子の電極被覆率が共振周波数に及ぼす影響について検討する。図1に示したように、積層体14はほぼ全面が下部電極14aおよび上部電極14cで覆われている。これに対して、音叉振動子18は、図4に示したように、部分的にしか下部電極18aおよび上部電極18cにより覆われていない。
すなわち、音叉振動子における圧電膜の面積に対する下部電極および上部電極の面積の比が、積層体における圧電膜の面積に対する下部電極および上部電極の面積の比よりも小さい。
圧電膜14bおよび18bと、電極14a、14c、18a、および18cとは熱膨張係数が異なる。このため、温度変動に伴い音叉振動子18と積層体14の間に熱膨張歪が発生する。熱膨張歪εtxは[2]式で計算される。
Figure 0005232305
ここで、cps:積層体の電極被覆率、crs:音叉振動子の電極被覆率、ΔT:温度変動、αel:電極の熱膨張係数、αpz:圧電膜の熱膨張係数、Eel:電極の縦弾性率、Epz:圧電膜の縦弾性率、tel:電極の厚さ、tpz:圧電膜の厚さである。
図8は、上下の電極としてそれぞれ0.1μmの厚さのAl、圧電膜として1μmの厚さのAlNを使用し、積層体14の電極被覆率を100%、音叉振動子18の電極被覆率を50%としたときの、音叉振動子の温度変化に対する周波数変化率を示す図である。例えば、振動脚の梁長100μmで梁幅4μmの場合、温度に対する周波数変化率は約25ppm/℃になる。前述したように、音叉振動子の弾性率の温度依存性に由来する共振周波数の温度変化率は約−25ppm/℃程度であるので、熱膨張率の差に由来する温度変化率によりほぼ相殺できる。したがって、温度補償されたほぼ一定の共振周波数を持つ音叉振動子が実現できる。
積層体14の電極被覆率を、音叉振動子18の電極被覆率より大きくすることで、音叉振動子18の共振周波数の温度依存性を補償する方法について説明した。もっとも、積層体14の電極厚さを、音叉振動子18の電極厚さより大きくすること、あるいは積層体14の圧電膜14bよりも熱膨張係数の大きな第3の膜で積層体14の一部を被覆するなどの方法でも、全く同じ効果を得ることが可能である。
すなわち、積層体14の電極被覆率を、音叉振動子18の電極被覆率より大きくすることで、積層体14の平均の熱膨張係数を音叉振動子18の平均の熱膨張係数よりも増大させ、温度上昇に伴い音叉振動子18に引張り歪が印加され、音叉振動子18の共振周波数が上昇する現象により温度依存性をキャンセルすることができた。
同様に、積層体14の電極厚さを音叉振動子18の電極厚さより大きくすることにより、音叉振動子の軸方向において、積層体14の平均の熱膨張係数を音叉振動子18の平均の熱膨張係数よりも増大させることができる。この構造により、温度上昇に伴い音叉振動子18に引張り歪が印加され、音叉振動子18の共振周波数が上昇し、音叉振動子18の共振周波数の温度依存性をキャンセルすることができる。
例えば、積層体14および音叉振動子18の電極を同時に形成後、既知のリソグラフィーおよびエッチングするプロセスにより、音叉振動子の電極のみをエッチバックして、積層体14の電極厚さを音叉振動子18の電極厚さより大きくすることが可能になる。
同様に、積層体14の圧電膜14bよりも熱膨張係数の大きな第3の膜で積層体14の一部を被覆することで、音叉振動子の軸方向において、積層体14の平均の熱膨張係数を音叉振動子18の平均の熱膨張係数よりも増大させることができる。この構造により、温度上昇に伴い音叉振動子18に引張り応力が印加され、音叉振動子18の共振周波数が上昇し、音叉振動子18の共振周波数の温度依存性をキャンセルすることができる。
例えば、圧電膜14bとしてAlNを使用した場合、AlNよりも熱膨張係数が大きな物質、例えばTi,Ni,Cr,Znなどの金属材料を第3の膜として使用することができる。
要するに、音叉振動子18の軸方向でみて、何らかの手段により積層体14の平均の熱膨張係数を音叉振動子18の平均の熱膨張係数よりも増大させることにより、音叉振動子18に引張り歪を印加し、音叉振動子18の共振周波数が上昇する現象が生じる。このため、音叉振動子18の共振周波数の温度依存性をキャンセルすることができる。
なお厳密に言うと、電極や圧電膜の熱膨張率は線型ではなく、また圧電膜の弾性率の温度依存性も線型ではない。したがって、上述した熱膨張歪による温度補償効果には限界がある。さらに厳密な温度補償を行う場合は、上述した熱膨張歪による温度補償と、積層体にバイアス電圧を加えることによる温度補償作用を重畳することが可能であることは、いうまでもない。
本実施の形態の共振器は既存のプロセスを用いて製造可能である。図9は、本実施の形態の共振器の製造方法を示す工程順模式断面である。ここでは、図1のA−A断面を示している。
まず、図9(a)に示すように、基板10の表面にアンカー部12を形成する。アンカー部12としてSiプロセスで多用されるシリコン酸化膜やシリコン窒化膜などを使用することができる。
次に、図9(b)に示すように、犠牲層36を形成する。犠牲層36としては、他の膜材料に対して選択エッチングが可能な、無機材料、金属材料、有機材料を使用することが可能であるが、ここでは非晶質シリコンを使用する場合を例に説明する。犠牲層36を形成した後、CMP(化学的機械的研磨)法などを使用してアンカー部12の表面を露出させる。
次に、図9(c)に示すように、アンカー部12および犠牲層36の上に、下部電極を形成する。下部電極として、例えば厚さ100nmのAlを使用し、スパッタにより作製する。公知のリソグラフィーおよびエッチング法を使用してパターニングを行い、音叉振動子の下部電極18aおよび積層体の下部電極14aを形成する。
次に、図9(d)に示すように、圧電膜を形成する。圧電膜として、例えば厚さ1μmのAlNを使用し、スパッタにより作製する。公知のリソグラフィーおよびエッチング法を使用してパターニングを行い、積層体の圧電膜14bおよび音叉振動子の圧電膜18bを形成する。
次に、図9(e)に示すように、上部電極を形成する。上部電極として、例えば厚さ100nmのAlを使用し、スパッタにより作製する。公知のリソグラフィーおよびエッチング法を使用してパターニングを行い、音叉振動子の上部電極18cおよび積層体の上部電極14cを形成する。
次に、図9(f)に示すように、犠牲層36を、例えば、XeFをエッチングガスとして使用した選択エッチングにより除去する。その後、例えば、樹脂または金属の外囲器20を形成する。以上の、プロセスにより本実施の形態の共振器は製造可能である。
なお、本実施の形態では、圧電膜としてc軸に配向したAlNを使用したが、それ以外の圧電膜、例えばc軸に配向したZnO、あるいは強誘電体であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、BTO(チタン酸バリウム)などを使用しても良い。
なお、本実施例では、電極としてAlを使用したが、それ以外のW、Mo、Ta、Nb、Au、Pt、Ruなどの金属や、TiN、RuOなどの導電性の化合物を使用しても良い。
(第2の実施の形態)
本実施の形態の共振器は、第1の実施の形態では積層体および音叉振動子が下部電極、圧電膜、上部電極の3層構造であるのに対し、下部電極、下部圧電膜、中間電極、上部圧電膜、上部電極の5層構造を持つこと、第1の実施の形態では音叉振動子が面内方向に屈曲する2脚音叉振動子であるのに対し、面と垂直方向に屈曲する3脚音叉振動子であること、さらに積層体の支持方法として、第1の実施の形態では積層体の一端にアンカー部を形成しているのに対し、積層体の両側に屈曲した支持部を設けていることに違いがある。もっとも、基本的な構造や役割は、第1の実施の形態とほぼ同様であるため、第1の実施の形態と重複する内容については記載を省略する。
図10は、本実施の形態の共振器の上面図である。図11は、図1の共振器のB−B側断面図である。この共振器は、基板10、基板10の両端部に固定された複数、ここでは4個のアンカー部12および12’、アンカー部12および12’に一端が接続され、他端が積層体14に接続された4本の屈曲した支持部である接続梁42および42’、および積層体14を有する。すなわち、アンカー部12および12’と積層体14が接続梁42および42’で接続されている。積層体14の内部の切り欠き部16には音叉振動子18が形成され、音叉振動子18の両端は積層体14に接続されている。
さらに、積層体14および音叉振動子18を非接触に内包し、積層体14および音叉振動子18への外力の印加を抑制する外囲器20を備える。
このように、積層体14および音叉振動子18は、基板10上方に形成され、それぞれが平板状を呈している。積層体14は下部電極14a、下部圧電膜14b、中間電極14d、上部圧電膜14e、および上部電極14cからなり、同様に音叉振動子18は、下部電極18a、下部圧電膜18b、中間電極18d、上部圧電膜18e、および上部電18cからなる。音叉振動子18は3本の振動脚18L、18C、および18Rを持つ。
音叉振動子18の各電極18a、18d、18eは、2本の接続梁42によってアンカー部12に電気的に接続されている。一方、積層体の各電極14a、14d、14eは2本の接続梁42’によってアンカー部12’に電気的に接続されている。
もし基板10に外力が加わって変形を生じた場合、積層体14は4本の屈曲した支持部42ないし42’で基板10に接続されており、さらに音叉振動子18は積層体14にのみ接続されているので、基板10に生じた変形は、屈曲した支持部42ないし42’の変形により吸収され、積層体14や音叉振動子18には伝わらず、音叉振動子の共振周波数に影響を及ぼさないという利点がある。
さらに、外囲器20により、積層体12や音叉振動子18に外力が加わらないよう構成されている。したがって、外力が、積層体12や音叉振動子18には伝わらず、音叉振動子18の共振周波数に影響を及ぼさないという利点がある。
また、圧電膜14b、18bや、電極14a、14c、18a、18cの成膜時には残留応力が不可避であるが、各膜に残留応力が生じた場合、積層体14と音叉振動子18が一体となって変形し、トータルの軸応力が0になるように応力緩和が生じるので、音叉振動子18に軸応力は加わらず、残留応力が共振周波数に影響を及ぼさないという利点がある。
図12は、音叉振動子18が有する振動脚の1本の4Lの鳥瞰図である。振動脚4Lは、下面から、下部電極18a、下部圧電膜18b、中間電極18d、上部圧電膜18e、および上部電極18cがこの順に積層されて構成される、いわゆる圧電バイモルフ構造を有している。上下の圧電膜18bないし18eは膜厚方向に分極を持つ。ここで、例えば、電極18a、18d、18cは厚さが100nmのAl、上下の圧電膜18b、18eは厚さが1μmのAlNで形成される。
また、振動脚18Lは、第1の部分18L’、第2の部分18L’’、および第3の部分18L’’’に分割されている。第1および第3の部分18L’および18L’’’では、電極18a、18d、18cと圧電膜18b、18cをすべて備えているが、第2の部分18L’’では、電極18dと圧電膜18b、18eのみ備えている。
図12に示すように、上部電極18cおよび下部電極18aに正極、中間電極18dに負極の電圧が印加された場合、上部電極18cと中間電極18dに挟まれた上部圧電膜18eは電歪により伸張し、下部電極18aと中間電極18dに挟まれた下部圧電膜18bは電歪により収縮する。したがって、図中1点鎖線で示すように、バイモルフ圧電18Lの中央部18L’’は膜面の垂直下方に屈曲する。
各電極に逆極性の電圧が印加された場合は、圧電梁18Lの中央部18L’’’は膜面の垂直上方に屈曲する。したがって、振動脚18Lの共振周波数に一致する交番電圧が加わった場合、上下に屈曲して共振を生じる。
図13は、音叉振動子18が有する中央の振動脚18Cの鳥瞰図である。振動脚18Cは、下面から、下部電極18a、下部圧電膜18b、中間電極18d、上部圧電膜18e、および上部電極18cがこの順に積層されて構成される、いわゆる圧電バイモルフ構造を有している。上下の圧電膜18bないし18eは膜厚方向に分極を持つ。
また、振動脚18Cは、第1の部分18C’、第2の部分18C’’、および第3の部分18C’’’に分割されている。第2の部分18C’’では、電極18a、18d、18cと圧電膜18b、18cをすべて備えているが、第1および第3の部分18C’ないし18C’’’では、中間電極18dと圧電膜18b、18cは全面に形成されているが、上下の電極18a、18cでは中央の一部のみに形成されている。
図13に示すように、上部電極18cおよび下部電極18aに正極、中間電極18dに負極の電圧が印加された場合、上部電極18cと中間電極18dに挟まれた上部圧電膜18eは電歪により伸張し、下部電極18aと中間電極18dに挟まれた下部圧電膜18bは電歪により収縮する。したがって、図中1点鎖線で示すように、バイモルフ圧電梁18Cの中央部18C’’は膜面の垂直上方に屈曲する。各電極に逆極性の電圧が印加された場合は、圧電梁18Cの中央部18C’’は膜面の垂直下方に屈曲する。
したがって、音叉振動子18の共振周波数に一致する交番電圧が加わった場合、両側の振動脚18Lおよび18Rと、中央の振動脚18Cは、お互いに逆位相で上下に屈曲して共振を生じる。このような音叉では、中央の振動脚18Cの振幅が両側の振動脚18L、18Rの振幅の2倍になり、したがって運動量が相殺され、また振動脚の接続部から少し離れた支持部分では変形もほとんど0になり、ねじり成分等も発生しないため、非常に高いQ値を持つ共振が得られる。
本実施の形態においても、積層体14の上下電極14a、14c間に適当なバイアス電圧を加えることで、音叉振動子18に軸歪を与えることができ、共振周波数の温度依存性を補償することが可能なのは、第1の実施の形態と同様である。
また、本実施の形態においても、積層体14における電極被覆率と、音叉振動子18における電極被覆率の差による熱膨張歪を利用して、音叉振動子18の共振周波数の温度依存性を補償することが可能なのは、第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態においては、4本の接続梁42、42’’使用して積層体14を両側から基板10に固定しているので、圧電膜14b、14eに成膜残留応力が存在して反りが生じた場合などでも、基板10上に変形量が少なく固定できるという利点がある。
本実施の形態においては、音叉振動子として面外方向に屈曲する対向型3脚音叉を使用しているので、より高いQ値の共振が得られるという利点がある。
(第3の実施の形態)
本実施の形態の共振器は、主音叉振動子に加え、温度測定用の副音叉振動子を持つ。主音叉振動子と副音叉振動子の共振周波数の温度特性が異なるように設計することで、主音叉振動子と副音叉振動子の共振周波数の差から温度を求めることができる。主音叉振動子と副音叉振動子を同じような環境に設置することで、主音叉振動子の温度を正確に計測することが可能となる。もっとも、基本的な構造や役割は、第1の実施の形態とほぼ同様であるため、第1の実施の形態と重複する内容については記載を省略する。
図14は、本実施の形態の共振器の上面図である。この共振器は、基板10、基板10の端部に固定されたアンカー部12、アンカー部12に一端が接続され、下部電極14a、圧電膜14b、上部電極14cからなる積層体14を有する。積層体14の内部の切り欠き部16には下部電極18a、圧電膜18b、上部電極18cからなる主音叉振動子18が形成され、主音叉振動子18の両端は積層体14に接続されている。さらに、下部電極48a、圧電膜48b、上部電極48cからなる副音叉振動子48が形成され、副音叉振動子48の両端は積層体14に接続されている。
さらに、積層体14および音叉振動子18を非接触に内包し、積層体14および音叉振動子18への外力の印加を抑制する外囲器(図示せず)を備える。
このように、積層体14、主音叉振動子18、および副音叉振動子48は、基板10上方に形成され、それぞれが平板状を呈している。主音叉振動子18は2本の振動脚18Lおよび18Rを持ち、副音叉振動子18も2本の振動脚48Lおよび48Rを持つ。
図15は、主音叉振動子18が有する振動脚の1本の18Lの鳥瞰図である。振動脚18Lは、下面から、下部電極18a、圧電膜18b、および上部電極18cがこの順に積層されて構成される積層構造を備えている。圧電膜18bは膜厚方向に分極を持つ。ここで、例えば、電極18a、18cは厚さが100nmのAl、圧電膜18bは厚さが1μmのAlNで形成される。
また、振動脚18Lは、第1の部分18L’、第2の部分18L’’、および第3の部分18L’’’に分割されている。各部分では、上下電極18aおよび18cが左半面ないしは右半面のみに形成されている。
図16は、副音叉振動子48が有する振動脚の1本48Lの鳥瞰図である。振動脚48Lは、主共振子18の振動脚18Lと同様の、下部電極48a、圧電膜48b、および上部電極48cがこの順に積層されて構成される積層構造に加え、圧電膜48bの上面および下面の露出部に、ダミー電極48fが形成されている。ダミー電極48fは、下部電極48aないし上部電極48cとは電気的に接触しないように形成されている。
主音叉振動子18および副音叉振動子48は上述した構造の若干の違いから共振周波数がわずかに異なる。また主音叉振動子18と副音叉振動子48の電極被覆率の違いから、共振周波数の温度依存性が異なる。したがって、主音叉振動子と副音叉振動子の共振周波数の差を測定することで、主音叉振動子の温度を測定することができる。
この測定された温度情報を使用して、積層体14の上下電極14a、14c間に適当なバイアス電圧を加えることで、主音叉振動子18の共振周波数の温度依存性を補償することが可能なのは、第1の実施の形態と同様である。
図17は、本実施の形態の共振器をもちいた発振器のブロック図である。主音叉振動子18には主発振回路50が接続されている。副音叉振動子48には副発振回路52が接続されている。主発振回路50、副発振回路52として、既知のコルピッツ回路などを使用することができる。ここで、副音叉振動子48が温度モニタとして機能する。
主発振回路50と副発振回路52の出力は、温度検出回路54に入力され、共振周波数の差が求められ、記憶回路32の情報に基づいて温度に換算される。副音叉振動子48と温度検出回路54が温度モニタとして機能する。共振周波数の差を求める方法として、ミキサ、低域通過フィルタおよび周波数カウンタからなる回路などを使用することができる。
温度検出回路54の出力はデジタル温度補償回路30に入力される。デジタル補償回路30において、あらかじめ記憶回路32に記憶された定数を使用して測定された温度から直流のバイアス電圧が算出され、D/A変換器34を通して積層体14に印加される。このようにして主音叉振動子18の共振周波数が温度補償され、出力される。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。上記、実施の形態はあくまで、例として挙げられているだけであり、本発明を限定するものではない。また、実施の形態の説明においては、共振器、発振器、共振器の製造方法等で、本発明の説明に直接必要としない部分等については記載を省略したが、必要とされる共振器、発振器、共振器の製造方法等に関わる要素を適宜選択して用いることができる。
また、各実施の形態に記載された複数の要素からいくつかを選択し、実施の形態とは別の組み合わせで共振器または発振器を構成しても構わない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての共振器および発振器波は、本発明の範囲に包含される。本発明の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物の範囲によって定義されるものである。
10 基板
12 アンカー部
14、14a〜14e 積層体
16 切り欠き部
18、18a〜18e 音叉振動子
20 外囲器
22a〜22e 隔離部
24 発振回路
26 温度センサ
28 A/D変換器
30 デジタル温度補償回路
32 記憶回路
34 D/A変換器
36 犠牲層
42、42’ 支持部
48 副音叉振動子
50 主発振回路
52 副発振回路
54 温度検出回路

Claims (9)

  1. 基板と、
    前記基板上方に形成され、少なくとも下部電極、圧電膜、および上部電極で構成される平板状の積層体と、
    前記積層体を、前記基板上に固定するためのアンカー部と、
    前記積層体の内部の切り欠き部と、
    前記切り欠き部に形成され、両端を前記積層体に支持され、少なくとも下部電極、圧電膜、および上部電極で構成される音叉振動子と、
    前記積層体および前記音叉振動子を非接触に内包し、前記積層体および前記音叉振動子への外力の印加を抑制する外囲器と、
    を備えることを特徴とする共振器。
  2. 前記アンカー部が、前記積層体の一端に形成されることを特徴とする請求項1記載の共振器。
  3. 屈曲した支持部を備え、前記アンカー部が前記基板の複数の端部に形成され、前記アンカー部と前記積層体が前記支持部で接続されることを特徴とする請求項1記載の共振器。
  4. 前記積層体および前記音叉振動子が、下部電極、第1の圧電膜、中間電極、第2の圧電膜、および上部電極で構成されることを特徴とする請求項1記載の共振器。
  5. 前記圧電膜が、膜面に対し垂直方向に配向したAlNまたはZnOであることを特徴とする請求項1記載の共振器。
  6. 前記音叉振動子の軸方向において、前記積層体の平均の熱膨張係数が、前記音叉振動子の平均の熱膨張係数よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の共振器。
  7. 前記切り欠き部に形成され、両端を前記積層体に支持され、少なくとも下部電極、圧電膜、および上部電極で構成される第1の音叉振動子と、両端を前記積層体に支持され、少なくとも下部電極、圧電膜、および上部電極で構成される第2の音叉振動子とを備え、前記第1と第2の音叉振動子の共振周波数の温度特性が異なることを特徴とする請求項1記載の共振器。
  8. 請求項1記載の共振器と、
    前記音叉振動子に接続される発振回路と、
    前記共振器の温度をモニタする温度センサと、
    前記温度センサによりモニタされた温度から前記積層体に印加する直流バイアス電圧を算出する温度補償回路と、
    を備えることを特徴とする発振器。
  9. 請求項1記載の共振器と、
    前記音叉振動子に接続される発振回路と、
    前記共振器の温度をモニタする温度センサと、
    前記温度センサによりモニタされた温度から前記音叉振動子に印加する直流バイアス電圧を算出する温度補償回路と、
    を備えることを特徴とする発振器。
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