JP5045144B2 - 多層膜反射鏡、露光装置、デバイス製造方法、及び多層膜反射鏡の製造方法 - Google Patents

多層膜反射鏡、露光装置、デバイス製造方法、及び多層膜反射鏡の製造方法 Download PDF

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本発明は、多層膜反射鏡、露光装置、デバイス製造方法、多層膜反射鏡の製造方法に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、例えば下記特許文献1に開示されているような、露光光として極端紫外(EUV:Extreme Ultra-Violet)光を用いるEUV露光装置が案出されている。EUV露光装置の光学系には多層膜反射鏡が用いられる。
米国公開第2005/157384号公報
多層膜反射鏡において、反射面の劣化を抑制するために、反射面を保護層で覆うことが考えられる。また、多層膜反射鏡の光学特性を調整するために、反射面を加工することが考えられる。加工された多層膜反射鏡の反射面を保護層で覆うと、その保護層によって多層膜反射鏡の光学特性が変化する可能性がある。そのため、多層膜反射鏡において、反射面の劣化を抑制しつつ、所望の光学特性が得られる技術の案出が望まれる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、反射面の劣化を抑制しつつ、所望の光学特性が得られる多層膜反射鏡、及び多層膜反射鏡の製造方法を提供することを目的とする。また、その多層膜反射鏡を用いて基板を良好に露光できる露光装置、及びその露光装置を用いるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は実施の形態に示す各図に対応付けした以下の構成を採用している。但し、各要素に付した括弧付き符号はその要素の例示に過ぎず、各要素を限定するものではない。
本発明の第1の態様に従えば、基材(5)と、基材(5)上に所定の周期長(d)で交互に積層された第1層(1)及び第2層(2)を含み、表面(4S)が凹凸状に形成され、極端紫外光を反射可能な多層膜(4)と、多層膜(4)の表面(4S)を覆うように配置され、極端紫外光に対する屈折率が真空の屈折率とほぼ等しい物質で形成された第3層(3)と、第3層(3)の表面(3S)を覆うように配置された保護層(6)と、を備えた多層膜反射鏡(10)が提供される。
本発明の第1の態様によれば、凹凸状に形成された多層膜の表面を第3層で覆い、その第3層を覆うように保護層を配置することによって、反射面の劣化を抑制しつつ、所望の光学特性を得ることができる。
本発明の第2の態様に従えば、露光光(EL)で基板(P)を露光する露光装置であって、上記態様の多層膜反射鏡(10)を備えた露光装置(EX)が提供される。
本発明の第2の態様によれば、反射面の劣化が抑制され、所望の光学特性が得られる多層膜反射鏡を備えているので、基板を良好に露光できる。
本発明の第3の態様に従えば、上記態様の露光装置(EX)を用いて基板(P)を露光することと、露光された基板(P)を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、基板を良好に露光できる露光装置を用いてデバイスを製造することができる。
本発明の第4の態様に従えば、基材(5)上に所定の周期長(d)で第1層(1)及び第2層(2)を交互に積層して極端紫外光を反射可能な多層膜(4)を形成することと、多層膜(4)の表面(4S)を凹凸状に加工することと、多層膜(4)の表面(4S)を覆うように、極端紫外光に対する屈折率が真空の屈折率とほぼ等しい物質で第3層(3)を形成することと、第3層(3)の表面(3S)を覆うように保護層(6)を形成することと、を含む多層膜反射鏡(10)の製造方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、表面を凹凸状に加工した後、その表面を覆うように第3層を形成し、その第3層を覆うように保護層を形成することによって、反射面の劣化が抑制され、所望の光学特性が得られる多層膜反射鏡を製造できる。
本発明によれば、多層膜反射鏡は、反射面の劣化を抑制しつつ、所望の光学特性を得ることができる。その多層膜反射鏡を備えた露光装置は、基板を良好に露光できる。また、その露光装置を用いて所望の性能を有するデバイスを製造できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る多層膜反射鏡10の一例を示す模式図である。図1において、多層膜反射鏡10は、基材5と、基材5上に所定の周期長dで交互に積層された第1層1及び第2層2を含み、表面4Sが凹凸状に形成され、極端紫外光を反射可能な多層膜4と、多層膜4の表面4Sを覆うように配置され、極端紫外光に対する屈折率が真空の屈折率とほぼ等しい物質で形成された第3層3と、第3層3の表面3Sを覆うように配置された保護層6とを備えている。
極端紫外光は、例えば波長11〜14nm程度の軟X線領域の電磁波であって、多層膜4で反射される。以下の説明において、極端紫外光を適宜、EUV光、と称する。
基材5は、例えば超低膨張ガラスで形成される。基材5としては、例えばコーニング社製ULE、ショット社製Zerodur(登録商標)等を用いることができる。
多層膜4は、所定の周期長dで交互に積層された第1層1及び第2層2を含む。周期長dは、第1層1の厚みdと第2層2の厚みdとの和(d+d)である。光干渉理論に基づいて、第1層1と第2層2との各界面で反射した反射波の位相が一致するように、第1層1の厚みd及び第2層2の厚みdのそれぞれが設定されている。多層膜4は、例えば60%以上の高い反射率でEUV光を反射可能である。
一例として、本実施形態における第1層1の厚みdは、2.415nmであり、第2層2の厚みdは、4.485nmであり、周期長dは、6.9nmである。以下の説明において、1組の第1層1と第2層2とを適宜、層対7、と称する。本実施形態においては、1つの層対7に関して、第1層1が第2層2に対して基材5側(図中、−Z側)に配置される。
基材5上には、例えば数十〜数百組の層対7が積層される。一例として、本実施形態においては、基材5上に50組の層対7が積層されている。
第1層1は、EUV光に対する屈折率と真空の屈折率との差が大きい物質で形成されている。第2層2は、EUV光に対する屈折率と真空の屈折率との差が小さい物質で形成されている。本実施形態においては、第1層(重原子層)1は、モリブデン(Mo)で形成されており、第2層(軽原子層)2は、シリコン(Si)で形成されている。すなわち、本実施形態の多層膜4は、モリブデン層(Mo層)とシリコン層(Si層)とを交互に積層したMo/Si多層膜である。
真空の屈折率n=1である。また、例えば波長13.5nmのEUV光に対するモリブデンの屈折率nMo=0.92であり、シリコンの屈折率nSi=0.998である。このように、第2層2は、EUV光に対する屈折率が真空の屈折率とほぼ等しい物質で形成される。
多層膜4の表面4Sは、凹凸状に形成されている。本実施形態においては、波面収差を制御するために、多層膜4の表面4Sが凹凸状に形成されている。多層膜4の表面4Sは、第1層1及び第2層2の少なくとも一方で形成されている。本実施形態においては、多層膜4の表面4Sは、第1層1と第2層2との両方で形成されている。
第3層3は、多層膜4の表面4Sを覆うように配置されている。第3層3は、EUV光に対する屈折率が真空の屈折率とほぼ等しい物質で形成されている。第3層3は、EUV光に対する屈折率がEUV光に対する第2層2の屈折率とはほぼ等しい物質で形成されている。本実施形態においては、第3層3は、第2層2を形成する物質と同じ物質で形成されている。すなわち、本実施形態においては、第3層3は、シリコン(Si)で形成されている。
保護層6は、第3層3の表面3Sを覆うように配置されている。本実施形態においては、保護層6は、ルテニウム(Ru)で形成されている。一例として、本実施形態における保護層6の厚みは、2nmである。
本実施形態においては、第3層3と保護層との界面、すなわち第3層3の表面3Sは、複数の層対7のうち、所定の層対7の第1層1の基材5側(−Z側)の表面(下面)から、基材5から離れる方向(+Z方向)に対して、周期長dの整数倍の位置に配置されている。換言すれば、第3層3と保護層との界面は、所定の層対7の基材5側(−Z側)の面から、+Z方向に周期長dの整数倍の位置に配置されている。
本実施形態においては、基材5の表面は、XY平面とほぼ平行であり、+Z方向に複数の層対7が順次積層されている。以下の説明において、所定の層対7の第1層1の基材5側(−Z側)の表面(下面)のZ軸方向に関する位置を適宜、第1位置Z、と称する。
次に、上述の多層膜反射鏡10を製造する方法について、図2〜図4の模式図を参照しながら説明する。
図2(A)に示すように、基材5上に所定の周期長dで第1層1及び第2層2が交互に積層され、EUV光を反射可能な多層膜4が形成される。第1層1及び第2層2は、例えばスパッタリング法によって形成される。本実施形態においては、第1層1及び第2層2は、イオンビームスパッタリング法によって形成される。また、例えばマグネトロンスパッタ装置を用いて第1層1及び第2層2を形成することができる。これにより、図2(A)に示すように、基材5上に、第1層1及び第2層2を含む多層膜4が形成される。
図2(A)の状態において、多層膜4の表面4S(4Sa)は、XY平面とほぼ平行である。以下の説明において、図2(A)の状態の多層膜4の表面4SaのZ軸方向に関する位置を適宜、第2位置Z、と称する。図2(A)に示す状態においては、多層膜4の表面4Saは、第2層2で形成されている。第2位置Zは、第1位置Zから+Z方向に周期長dの整数倍の位置である。
次に、図2(B)に示すように、多層膜4の表面が凹凸状に加工される。本実施形態においては、波面収差を制御するために、多層膜4の表面が所定の形状に調整される。本実施形態においては、研磨装置20が多層膜4の表面の一部を研磨し、除去することによって、多層膜4の表面を所定の形状に加工する。なお、例えば多層膜4の表面に液体を噴射することによって、多層膜4の表面を所定の形状に加工してもよい。
次に、図3(A)に示すように、多層膜4の表面4Sを覆うように、EUV光に対する屈折率が真空の屈折率とほぼ等しい物質で第3層3が形成される。第3層3は、イオンビームスパッタリング法及びマグネトロンスパッタリング法を含むスパッタリング法等、所定の成膜方法を用いて形成することができる。図3(A)に示すように、第3層3の表面3Sは、加工後の多層膜4の表面4Sの形状に沿うように形成される。本実施形態においては、Z軸方向に関して基材5に最も近い第3層3の位置Z3Sが、第2位置Zよりも+Z側に配置されるように、第3層3が形成される。
次に、図3(B)に示すように、第3層3の表面3Sが第1位置Zから周期長dの整数倍の位置に配置されるように、その第3層3の表面3Sが加工される。本実施形態においては、図2(A)に示す加工前の多層膜4の表面4Saの位置(第2位置Z)と第3層3の表面3Sとが一致するように、第3層3の表面が加工される。本実施形態においては、研磨装置20が第3層3の表面の一部を研磨し、除去することによって、第2位置Zと第3層3の表面3Sの位置とが一致するように、第3層3の表面が加工される。
本実施形態においては、研磨装置20は、例えば位置センサ等、多層膜4を加工したときの多層膜4の加工量(多層膜4を除去した厚み)を検出可能な検出装置を備えており、多層膜4の表面の各位置における加工量、換言すれば除去した多層膜4の膜厚分布を記憶している。研磨装置20は、第3層3を加工するときに、上述の記憶情報に基づいて、第3層の表面の位置が第2位置Zと一致するように、第3層3の表面を加工(研磨)する。これにより、図4(A)に示すように、第3層3の表面3Sが第1位置Zから周期長dの整数倍の位置に配置される。
なお、多層膜4の表面形状及び第3層3の表面形状を計測可能な面形状計測装置、あるいは多層膜4の膜厚及び第3層3の膜厚を計測可能な膜厚計測装置を用いて、多層膜4及び第3層3を計測し、その計測結果に基づいて、第3層3の表面が加工前の多層膜4の表面4Saと一致するように、研磨装置20の動作が制御されてもよい。
なお、図2(B)に示す状態から、スパッタリング法に基づいて第3層3を形成する際、多層膜4の表面4Sと対向する位置に開口を有するマスク部材を配置し、第3層3の表面3Sの位置が第2位置Zと一致するように、マスク部材の開口を介して、多層膜4の表面4Sに、第3層3を形成するためのスパッタ粒子(成膜種)を供給するようにしてもよい。すなわち、第3層3の表面3Sが第2位置Zと一致するように、多層膜4の表面4Sとマスク部材の開口との位置関係を調整しつつ、多層膜4の表面4Sに第3層3を形成するためのスパッタ粒子をマスク部材の開口を介して供給する。これにより、第3層3は、所望の膜厚分布を有するように形成される。この場合、第3層3を研磨装置20で研磨する処理を省略可能である。
次に、図4(B)に示すように、第3層3の表面3Sを覆うように、保護層6が形成される。保護層6は、例えばイオンビームスパッタリング法及びマグネトロンスパッタリング法を含むスパッタリング法等の所定の成膜方法を用いて形成される。以上により、多層膜反射鏡10が形成される。
以上説明したように、本実施形態によれば、凹凸状に形成された多層膜4の表面4Sを第3層3で覆い、その第3層3を覆うように保護層6を配置するようにしたので、多層膜反射鏡10の反射面の劣化を抑制しつつ、所望の光学特性を得ることができる。
EUV光は、大気に吸収され、減衰するので、多層膜反射鏡をEUV露光装置の光学系として使用する場合、多層膜反射鏡が配置される所定空間は真空状態に設定される。しかしながら、所定空間を完全な真空状態にすることは困難であり、その所定空間に酸素(及び/又は水分)等が僅かに存在する可能性がある。保護層が無く、多層膜反射鏡の反射面が多層膜で形成されている場合、所定空間に酸素等が存在する状態でEUV光が多層膜反射鏡の反射面に照射されると、その反射面が酸化する可能性がある。多層膜(Mo/Si多層膜)は酸化し易く、この場合、多層膜反射鏡の光学性能が劣化する可能性がある。
また、多層膜反射鏡が配置される所定空間を完全な真空状態にできず、例えば露光対象の基板の感光材(フォトレジスト)、所定空間を真空状態にするための真空システムに用いられるオイル、及び各種可動機構に用いられる潤滑剤等から所定空間に有機ガスが放出される可能性がある。放出された有機ガスが多層膜反射鏡の反射面と接触し、その有機ガスと接触した状態の多層膜反射鏡の反射面にEUV光が照射されると、光化学反応により、炭素を主成分とする物質が多層膜反射鏡の反射面に付着する可能性がある。炭素を主成分とする物質の付着は、カーボンコンタミネーション(カーボンコンタミ)と呼ばれる。多層膜反射鏡の反射面にカーボンコンタミが形成されると、その多層膜反射鏡の光学性能が劣化する。カーボンコンタミを除去するために、そのカーボンコンタミを酸化させる処理(例えばオゾンアッシング処理)を実行することが考えられるが、保護層が無く、多層膜反射鏡の反射面が多層膜で形成されている場合、カーボンコンタミとともに、多層膜反射鏡の反射面も酸化してしまい、光学性能が劣化する可能性がある。
本実施形態においては、多層膜反射鏡10の反射面に保護層6が配置されているので、反射面が酸化したり、カーボンコンタミが多層膜に付着したり、カーボンコンタミを除去するための処理に起因して反射面が酸化したりする等の不具合の発生を抑制できる。したがって、多層膜反射鏡10の反射面の劣化を抑制できる。
また、本実施形態の多層膜反射鏡10は、EUV露光装置の投影光学系に使用可能であり、波面収差を制御するために、多層膜4の表面4Sが凹凸状に形成されている。露光装置の投影光学系は、いわゆる回折限界の光学系であり、波面収差を十分に小さくしておかないと設計どおりの性能が得られない。回折限界の光学系における波面収差の許容値の目安としては、Marechalによる、二乗平均値(RMS)で、使用波長λの14分の1以内という基準がある。これは、Strehl比(収差のある光学系と無収差光学系との間の点像強度の最大値の比)が、80%以上になるための条件である。実際の露光装置の投影光学系は、これよりも更に低い収差になるように製造されている。
EUV露光装置の光学系は、全て反射鏡で構成され、光学系の波面収差(WFE)に対して、個々の反射鏡に許容される形状誤差(FE)は、
FE=WFE/2/√N(RMS) …(1)
で与えられる。ここで、Nは、光学系を構成する反射鏡の枚数であり、更に2で割るのは、反射光学系では入射光と反射光との両方がそれぞれ形状誤差の影響を受けるので、波面収差には形状誤差の2倍の誤差が乗るからである。
結局、回折限界の光学系において、個々の反射鏡に許容される形状誤差(FE)は、波長λと反射鏡の枚数Nに対して、
FE=λ/28/√N(RMS) …(2)
で与えられる。この値は、波長13.5nmでは6枚の反射鏡で構成された光学系の場合、0.2nmRMSとなる。
しかし、このような高精度の非球面形状の反射鏡を製造することは非常に困難であり、非球面の加工技術および計測技術の大幅な向上が必要とされている。
一方、山本によって多層膜反射鏡の表面を1層ずつ削り取ることによって、実質的にnm以下の形状誤差を補正できるという画期的な技術が報告されている(M. Yamamoto, 7th International Conference on Synchrotron Radiation Instrumentation, Berlin Germany, August 21-25, 2000, POS2-189)。図5を参照しながら、その原理を説明する。以下、簡単のために、基材及び多層膜は平面であると仮定する。
図5(A)に示すような、第1層1及び第2層2を一定の周期長dで交互に積層した多層膜4を形成した後、表面4Sに最も近い1つの層対7を除去して、図5(B)に示すような状態にする場合を考える。図5(A)において、多層膜4の表面4Sに対して垂直方向に進行する光線に対する、厚みdの多層膜4の1つの層対7の光路長をOP、第1層1の厚みをd、第2層2の厚みをd、第1層1の屈折率をn、第2層2の屈折率をnとしたとき、
OP=n+n …(3)
となる。なお、d=d+dである。
図5(A)に示す多層膜4から、表面4Sに最も近い1つの層対7を除去した部分(図5(B)中、符号7A参照)の光路長をOP’、真空の屈折率をn(=1)としたとき、
OP’=nd …(4)
となる。
(3)式、及び(4)式から分かるように、多層膜4の最も上層の層対7を除去することによって、そこを通過する光線が進む光学的距離が変化することになる。これは、実質的に、その変化分だけ面形状を補正(調整)したことと光学的に等価である。光路長の変化、すなわち面形状の変化をΔとしたとき、
Δ=OP’−OP …(5)
で与えられる。EUV光の波長領域では、物質の屈折率が1に近いので、Δは小さい値となる。したがって、本実施形態のように、多層膜の一部を除去することによって、実質的に精密な面形状の補正(調整)を実行できる。
一例として、EUV光の波長を13.5nmとし、多層膜4がMo/Si多層膜であって、d=6.9nm、d=2.415nm、d=4.485nmである場合について考える。このとき、1つの層対の厚みdに対するMo層の厚みdの比をΓとしたとき、Γ=0.35である。また、上述のように、波長13.5nmのEUV光に対するMoの屈折率nMo=0.92であり、Siの屈折率nSi=0.998である。これらの数値を用いて光路長の変化を計算すると、OP=6.698nm、OP’=6.9nm、Δ=0.202nmとなる。厚み6.9nmの層を除去する加工を実行することによって、0.2nm相当の面形状の補正(調整)を実行できる。なお、Mo/Si多層膜の場合、Si層の屈折率は1に近いので、光路長の変化は主としてMo層の有無によるものであり、Si層の有無にはほとんど依存しない。したがって、多層膜4の一部を除去する際に、Si層の厚みを正確に制御する必要は無い。この例では、Si層の厚みは、4.485nmであり、この層の途中で加工を停止すればよい。すなわち、数nmの精度の加工を施すことによって、面形状換算で0.2nm単位の面形状の補正を実行できる。
本実施形態においては、図6の模式図に示すように、多層膜4の表面4Sを凹凸状に形成しているので、実質的に精密な面形状の補正(調整)を実行できる。
図7は、図6の模式図に示したような、第3層及び保護層が無い場合において、多層膜4の表面の一部を除去する加工を実行したときの、加工量と反射率変化及び位相変化との関係をシミュレーションした結果を示す図である。図7において、加工量は、例えば図2(A)、図5(A)等に示した状態から多層膜4を除去した量(除去した厚み)である。反射率は、それぞれの加工量で加工された多層膜反射鏡の反射面にEUV光を入射したときの入射光の光量と、反射面で反射した反射光の光量との比である。位相変化は、それぞれの加工量で加工された多層膜反射鏡の反射面にEUV光を入射したときの入射光の位相と、反射面で反射した反射光の位相と差である。
加工量が0nmである状態から、加工量が4.485nmとなる状態までにおいては、Si層のみが除去されることとなり、反射率の変化及び位相変化はほぼ生じない。加工量が4.485nm以上となり、Mo層の除去が開始されると、反射率の変化及び位相変化が発生する。図7に示すように、1つの層対7(厚み6.9nm)の全てが除去された場合における位相変化は約8度である。これは、0.30nm(=8度÷360度×13.5nm(波長))の波面の変化に相当する。
このように、本実施形態によれば、多層膜4の一部を除去することによって、波面を精密に変化させることができ、波面収差を良好に制御できる。
そして、本実施形態においては、波面収差を制御できる多層膜4の表面4Sと、保護層6との間に、第3層3を配置しているので、所望の反射率、位相変化を維持でき、所望の光学特性を得ることができる。
図8は、本実施形態に係る図1の模式図に示したような、第3層3と保護層6とが配置される場合において、多層膜4の表面の一部を除去する加工を実行したときの、加工量と反射率変化及び位相変化との関係をシミュレーションした結果を示す図である。第3層3のEUV光に対する屈折率は、真空の屈折率とほぼ等しく、第3層3での光路長と、真空中での光路長とはほぼ等しい。また、第3層3と保護層6との界面は、第1位置Zから周期長dの整数倍の位置に配置されている。したがって、図8に示すように、本実施形態によれば、保護層6を設けた場合であっても、所定の第3層3を配置することによって、図6及び図7を参照して説明した形態と同様、所望の反射率、及び所望の位相変化を維持できる。また、第3層3は、EUV光に対する吸収率が低いシリコンで形成されているので、EUV光の減衰を抑制できる。
図8において、加工量が0nmである状態から、加工量が4.485nmとなる状態までにおいては、Si層のみが加工されることとなり、反射率の変化及び位相変化はほぼ生じない。加工量が4.485nm以上となり、Mo層の除去が開始されると、除去されずに残留しているMo層の厚みに応じた反射率の変化及び位相変化が発生する。1つの層対7(厚み6.9nm)の全てが除去された場合における位相変化は約6.66度である。これは、0.25nm(=6.66度÷360度×13.5nm(波長))の波面の変化に相当する。このように、本実施形態によれば、大きな位相変化をもたらすことなく、波面を精密に変化させることができ、波面収差を良好に制御できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図9は、第2実施形態に係る多層膜反射鏡10Aを示す模式図である。上述の第1実施形態においては、第3層3と保護層6との界面(第3層3の表面3S)が、第1位置Zから周期長dの整数倍の位置に配置される場合(第2位置Zに一致する場合)を例にして説明したが、図9に示すように、第3層3の表面3Sの位置が、第1位置Zから周期長dの整数倍の位置(ここでは第2位置Z)に対して僅かにずれていてもよい。第2位置Zに対する第3層3の表面3Sの位置の誤差G1が許容範囲内であれば、多層膜反射鏡10Aは、所望の光学性能を維持できる。
図10(A)は、図9の模式図に示したような多層膜反射鏡10Aにおいて、多層膜4の表面の一部を除去する加工を実行したときの、加工量と位相変化との関係をシミュレーションした結果を示す図、図10(B)は、加工量と反射率率変化との関係をシミュレーションした結果を示す図である。図10には、誤差G1が、0nm、+0.1nm、+0.2nm、+0.3nm、−0.1nm、−0.2nm、及び−0.3nmのそれぞれである場合のシミュレーション結果が示されている。
図10に示すように、誤差G1が±0.3nmの範囲で存在すると、誤差G1が無い場合に対して、位相変化及び反射率変化のそれぞれは若干変化するが、その変化量は非常に小さい。誤差G1が±0.3nmであるときの位相変化は、±2.5度程度である。これは、波面に換算すると、±0.09nmに相当する。このように、誤差G1が生じた場合であっても、波面の変化は、0.09nm程度と微小であり、多層膜反射鏡10Aの光学性能は維持される。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図11は、第3実施形態に係る多層膜反射鏡10Bを示す模式図である。図11に示すように、第3層3と保護層6との界面(第3層3の表面3S)を、第1位置Z1から周期長dの整数倍の位置(ここでは第2位置Z2)に対して基材5側(−Z側)に0.8nmの位置に配置することができる。本実施形態において、多層膜4の周期長dは、上述の各実施形態と同様、6.9nmである。本発明者は、第3層3の表面3Sが、図11に示す位置に配置される場合においても、多層膜反射鏡10Bは、所望の光学性能を維持できることを見出した。
以下の説明において、第1位置Z1から、基材5から離れる方向(+Z方向)に対して、周期長dの整数倍の位置(第2位置Z2)に対して基材5側(−Z側)に0.8nmの位置を適宜、第3位置Z3、と称する。
図12(A)は、図11の模式図に示したような多層膜反射鏡10Bにおいて、多層膜4の表面の一部を除去する加工を実行したときの、加工量と位相変化との関係をシミュレーションした結果を示す図、図12(B)は、加工量と反射率率変化との関係をシミュレーションした結果を示す図である。図12には、誤差G2が、0nm、+0.1nm、+0.2nm、+0.3nm、−0.1nm、−0.2nm、及び−0.3nmのそれぞれである場合のシミュレーション結果が示されている。誤差G2は、第3位置Zに対する第3層3と保護層6との界面の位置である。
図12に示すように、誤差G2が±0.3nmの範囲で存在すると、誤差G2が無い場合に対して、位相変化及び反射率変化のそれぞれは若干変化するが、その変化量は非常に小さく、図10に示した変化量よりも小さい。このように、本実施形態の多層膜反射鏡10Bの光学性能は、誤差G2に対して高い堅牢性を有する。誤差G2が±0.3nmであるときの位相変化は、−0.8度〜+1.4度程度である。これは、波面に換算すると、±0.045nmに相当する。このように、誤差G2が生じた場合であっても、波面の変化は、0.045nm程度と微小であり、多層膜反射鏡10Bの光学性能は維持される。
なお、第3実施形態においては、周期長dが6.9nmである場合を例にして説明したが、周期長dが例えば7.2nmであっても、第3層3と保護層6との界面(第3層3の表面3S)が、第3位置Zに配置されることによって、多層膜反射鏡10Bは、所望の光学性能を得ることができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
上述の各実施形態においては、基材5の表面、加工前の多層膜4の表面が、XY平面とほぼ平行な平面である場合を例にして説明したが、図13に示す多層膜反射鏡10Cのように、基材5Rの表面、及び加工前の多層膜4の表面が、多層膜4側(+Z側)に対して突出する凸面であってもよい。この場合においても、上述の第1、第2実施形態で説明したように、第3層3の表面3Sが、第1位置Zから周期長dの整数倍の位置に配置されたり、上述の第3実施形態で説明したように、第3層3の表面3Sが、第3位置Zの位置に配置されたりすることによって、多層膜反射鏡10Cは、所望の光学性能を維持できる。
また、本実施形態において、基材5Rの表面、及び加工前の多層膜4の表面は、多層膜4側(+Z側)に対して凹む凹面であってもよい。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図14は、第5実施形態に係る露光装置EXである。本実施形態の露光装置EXは、露光光ELとしてEUV光を用いるEUV露光装置である。上述の第1〜第4実施形態で説明した多層膜反射鏡10(10A〜10C)が、本実施形態に係るEUV露光装置EXの光学系として用いられる。
図14において、露光装置EXは、マスクMを保持しながら移動可能なマスクステージ11と、露光光ELが照射される基板Pを保持しながら移動可能な基板ステージ12と、マスクステージ11に保持されたマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、少なくとも露光光ELが通過する所定空間を形成し、その所定空間を真空状態(例えば、1.3×10−3Pa以下)にする真空システムを有するチャンバ装置VCとを備えている。
照明光学系ILは、複数の光学素子IR〜IRを含み、光源13からの露光光ELで、マスクMを照明する。本実施形態の光源13は、レーザ励起型プラズマ光源であって、ハウジング14と、レーザ光を射出するレーザ装置15と、キセノンガス等のターゲット材料をハウジング14内に供給する供給部材16とを含む。レーザ装置15から射出され、集光光学系17で集光されたレーザ光は、供給部材16の先端から射出されるターゲット材料に照射される。レーザ光が照射されたターゲット材料は、プラズマ化してEUV光を発生する。供給部材16の先端で発生したEUV光は、コンデンサ18によって集光される。コンデンサ18を介したEUV光は、ハウジング14の外側に配置されているコリメータミラー19に入射する。なお、光源13は、放電型プラズマ光源でもよい。
照明光学系ILは、複数の光学素子IR〜IRを有し、マスクM上の照明領域を均一に照明する。照明光学系ILにより照明され、マスクMで反射した露光光(EUV光)は、投影光学系PLに入射する。
投影光学系PLは、複数の光学素子PR〜PRを有する。露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像は、投影光学系PLを介して、感光材(レジスト)の膜が形成された基板Pに投影される。
本実施形態においては、照明光学系ILの複数の光学素子IR〜IR、及び投影光学系PLの複数の光学素子PR〜PRの少なくとも1つに、上述の第1〜第4実施形態で説明した多層膜反射鏡が用いられている。これにより、照明光学系IL及び投影光学系PLの光学性能が維持されるので、基板Pを良好に露光できる。
なお、上述の第1〜第4実施形態においては、多層膜4の表面を研磨して、多層膜4の少なくとも一部を除去することによって、多層膜4の表面が凹凸状に形成されているが、例えば平坦な多層膜4の表面の一部に第1層1及び第2層2の少なくとも一方を付加することによって、その多層膜4の表面を凹凸状にすることもできる。例えば、スパッタリング等の成膜時に、開口を有するマスク部材を多層膜4の表面と対向する位置に配置し、マスク部材の開口を介して、多層膜4の表面の一部に、第1層1及び第2層2の少なくとも一方を形成するためのスパッタ粒子(成膜種)を供給することで、多層膜4の表面を凹凸状にすることができる。
なお、上述の各実施形態においては、多層膜4がMo/Si多層膜である場合を例にして説明したが、例えばEUV光の波長帯域に応じて、多層膜4を形成する材料を変更することができる。例えば、11.3nm付近の波長帯域のEUV光を用いる場合には、モリブデン層(Mo層)とベリリウム層(Be層)とを交互に積層したMo/Be多層膜を用いることで、高い反射率を得ることができる。
また、上述の各実施形態において、多層膜4の第1層1を形成するための物質として、ルテニウム(Ru)、炭化モリブデン(MoC)、酸化モリブデン(MoO)、珪化モリブデン(MoSi)等を用いてもよい。また、多層膜4の第2層2を形成する物質として、炭化シリコン(SiC)を用いることができる。
なお、上述の各実施形態においては、第3層3がシリコン(Si)で形成されている場合を例にして説明したが、第3層3を形成するための物質として、シリコン(Si)、ベリリウム(Be)、炭化シリコン(SiC)、二酸化シリコン(SiO)またはこれらの組合せからなるグループから選ばれる材料を用いることができる。
なお、上述の各実施形態においては、保護層6がルテニウム(Ru)で形成されている場合を例にして説明したが、例えば、ルテニウム(Ru)、ルテニウム合金、ロジウム(Rh)、ロジウム合金、ニオブ(Nb)、ニオブ合金、白金(Pt)、白金合金、モリブデン(Mo)、モリブデン合金、二酸化チタン(TiO)、二酸化シリコン(SiO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、二珪化モリブデン(MoSi)、炭化シリコン(SiC)、酸化ニオブ等の無機酸化物又はこれらの組合せからなるグループから選ばれる材料を用いることもできる。
なお、上述の各実施形態においては、第1層1、第2層2、第3層3、及び保護層6を形成するために、スパッタリング法を用いているが、それら各層を形成する物質に応じて、スパッタリング法のみならず、真空蒸着法、CVD法等、他の成膜方法を用いて、各層を形成することができる。
なお、上述の各実施形態において、例えば、基材と多層膜との間に銀合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の熱伝達率が大きい金属層が設けられてもよいし、基材と多層膜との間に、フッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化バリウム(BaF)、フッ化アルミニウム(AlF)、フッ化マンガン(MnF)、フッ化亜鉛(ZnF)等の水溶性の下地層や、共晶合金、Bi、Pb、In、Sn、及びCdからなる群から選ばれる2種類以上の組合せからなる2元系から5元系の共晶合金、Au−Na共晶合金、Na−Tl共晶合金、K−Pb共晶合金等の低融点の合金を含む下地層が設けられてもよい。
なお、上述の実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスク又はレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第6,611,316号に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、米国特許6,341,007号、米国特許6,400,441号、米国特許6,549,269号、及び米国特許6,590,634号、米国特許6,208,407号、米国特許6,262,796号などに開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、例えば米国特許第6,897,963号等に開示されているように、基板を保持する基板ステージと基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置等に関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図15に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態に従って、マスクのパターンの像で基板に露光し、露光した基板を現像する基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
第1実施形態に係る多層膜反射鏡の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る多層膜反射鏡の製造方法を説明するための模式図である。 第1実施形態に係る多層膜反射鏡の製造方法を説明するための模式図である。 第1実施形態に係る多層膜反射鏡の製造方法を説明するための模式図である。 多層膜反射鏡を加工することの作用を説明するための模式図である。 表面が加工された多層膜反射鏡の一例を示す模式図である。 図6に示す形態の多層膜反射鏡における加工量と反射率及び位相変化との関係を示す図である。 図1に示す形態の多層膜反射鏡における加工量と反射率及び位相変化との関係を示す図である。 第2実施形態に係る多層膜反射鏡の一例を示す模式図である。 図9に示す形態の多層膜反射鏡における加工量と反射率及び位相変化との関係を示す図である。 第3実施形態に係る多層膜反射鏡の一例を示す模式図である。 図11に示す形態の多層膜反射鏡における加工量と反射率及び位相変化との関係を示す図である。 第4実施形態に係る多層膜反射鏡の一例を示す模式図である。 第5実施形態に係る露光装置の一例を示す模式図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
符号の説明
1…第1層、2…第2層、3…第3層、3S…表面、4…多層膜、4S…表面、5…基材、6…保護層、10…多層膜反射鏡、EX…露光装置

Claims (13)

  1. 基材と、
    前記基材上に所定の周期長で交互に積層された第1層及び第2層を含み、表面が凹凸状に形成され、極端紫外光を反射可能な多層膜と、
    前記多層膜の表面を覆うように配置され、極端紫外光に対する屈折率が真空の屈折率とほぼ等しい物質で形成された第3層と、
    前記第3層の表面を覆うように配置された保護層と、を備え、
    前記第3層と前記保護層との界面は、前記第1層の前記基材側の表面から前記周期長の整数倍の位置に配置されている多層膜反射鏡。
  2. 基材と、
    前記基材上に所定の周期長で交互に積層された第1層及び第2層を含み、表面が凹凸状に形成され、極端紫外光を反射可能な多層膜と、
    前記多層膜の表面を覆うように配置され、極端紫外光に対する屈折率が真空の屈折率とほぼ等しい物質で形成された第3層と、
    前記第3層の表面を覆うように配置された保護層と、を備え、
    前記第3層と前記保護層との界面は、前記第1層の前記基材側の表面から前記周期長の整数倍の位置に対して前記基材側に0.8nmの位置に配置されている多層膜反射鏡。
  3. 波面収差を制御するために、前記多層膜の表面が凹凸状に形成されている請求項1又は2記載の多層膜反射鏡。
  4. 前記多層膜の表面は、前記第1層及び前記第2層の少なくとも一方で形成されている請求項1から3のいずれか一項記載の多層膜反射鏡。
  5. 前記第1層は、極端紫外光に対する屈折率と真空の屈折率との差が大きい物質で形成され、前記第2層は、前記差が小さい物質で形成されている請求項1〜4のいずれか一項記載の多層膜反射鏡。
  6. 前記第3層は、前記第2層を形成する物質と同じ物質で形成されている請求項1〜5のいずれか一項記載の多層膜反射鏡。
  7. 前記第1層は、モリブデンを含む請求項1〜6のいずれか一項記載の多層膜反射鏡。
  8. 前記第2層は、シリコンを含む請求項1〜7のいずれか一項記載の多層膜反射鏡。
  9. 前記第3層は、シリコン、ベリリウム、炭化シリコン、二酸化シリコンまたはこれらの組合せからなるグループから選ばれる材料を含む請求項1〜8のいずれか一項記載の多層膜反射鏡。
  10. 前記保護層は、ルテニウム、ルテニウム合金、ロジウム、ロジウム合金、ニオブ、ニオブ合金、白金、白金合金、モリブデン、モリブデン合金、二酸化チタン、二酸化シリコン、二酸化ジルコニウム、二珪化モリブデン、炭化シリコン又はこれらの組合せからなるグループから選ばれる材料を含む請求項1〜9のいずれか一項記載の多層膜反射鏡。
  11. 露光光で基板を露光する露光装置であって、
    請求項1〜請求項10のいずれか一項記載の多層膜反射鏡を備えた露光装置。
  12. 請求項11記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
    前記露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
  13. 基材上に所定の周期長で第1層及び第2層を交互に積層して極端紫外光を反射可能な多層膜を形成することと、
    前記多層膜の表面を凹凸状に加工することと、
    前記多層膜の表面を覆うように、極端紫外光に対する屈折率が真空の屈折率とほぼ等しい物質で第3層を形成することと、
    前記第3層の表面を覆うように保護層を形成することと、を含み、
    前記第3層は、前記第3層と前記保護層との界面が前記第1層の前記基材側の表面から前記周期長の整数倍の位置に配置されるように形成される多層膜反射鏡の製造方法。
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