JP2002131487A - 多層膜反射鏡およびeuv露光装置 - Google Patents

多層膜反射鏡およびeuv露光装置

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JP2002131487A JP2000321031A JP2000321031A JP2002131487A JP 2002131487 A JP2002131487 A JP 2002131487A JP 2000321031 A JP2000321031 A JP 2000321031A JP 2000321031 A JP2000321031 A JP 2000321031A JP 2002131487 A JP2002131487 A JP 2002131487A
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Katsuhiko Murakami
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  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層膜反射鏡の反射波面を所定の形状にする
ために多層膜の表面からおよそ一層づつ除去する方法が
あるが、除去した境界で表面が凹凸状態になり予期せぬ
回折現象が生じる。 【解決手段】 除去する際に境界部に段差が生じないよ
うな方法で除去する。具体的にはたとえが、スモールツ
ール法やイオンビーム加工法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイスな
どの製造に用いられる軟X線投影露光装置およびその他
の軟X線光学機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路素子の微細化の進
展に伴い、光の回折限界によって制限される光学系の解
像力を向上させるために、従来の紫外線に代わって、こ
れより波長の短い波長11〜14nm程度の軟X線を使用した
投影リソグラフィ技術が開発されている。(例えば、D.
Tichenor, et al., SPIE 2437 (1995) 292参照)この
技術は、最近ではEUV(Extreme UltraViolet: 極紫外
線)リソグラフィとも呼ばれているが、その内容は同一
である。(以下、EUVリソグラフィと呼ぶ。)EUVリソグ
ラフィは、従来の光リソグラフィ(波長190nm程度以
上)では実現不可能な、70nm以下の解像力を有する将来
のリソグラフィ技術として期待されている。
【0003】この波長域では物質の屈折率が1に非常に
近いので、屈折や反射を利用した従来の光学素子は使用
できない。屈折率が1よりも僅かに小さいことによる全
反射を利用した斜入射ミラーや、界面での微弱な反射光
を位相を合わせて多数重畳させて、全体として高い反射
率を得る多層膜ミラーなどが使用される。13.4nm付近の
波長域では、モリブデン(Mo)層とシリコン(Si)層を
交互に積層したMo/Si多層膜を用いると直入射で67.5%の
反射率を得ることが出来、波長11.3nm付近の波長域で
は、Mo層とベリリウム(Be)層を交互に積層したMo/Be
多層膜を用いると直入射で70.2%の反射率を得ることが
出来る。(例えば、C. Montcalm, Proc.SPIE, Vol. 333
1 (1998) P. 42参照。)
【0004】EUVリソグラフィ装置は、主として軟X線
光源、照明光学系、マスクステージ、結像光学系、ウェ
ハステージ等により構成される。軟X線光源には、レー
ザープラズマ光源、放電プラズマ光源や放射光などが使
用される。照明光学系は、反射面に斜め方向から入射し
た軟X線を反射させる斜入射ミラー、反射面が多層膜に
より形成される多層膜ミラー、および所定の波長の軟X
線のみを透過させるフィルター等により構成され、フォ
トマスク上を所望の波長の軟X線で照明する。なお、軟
X線の波長域では透明な物質は存在しないので、フォト
マスクには従来の透過型のマスクではなく反射型のマス
クが使用される。フォトマスク上に形成された回路パタ
ーンは、複数の多層膜ミラー等で構成された投影結像光
学系により、フォトレジストが塗布されたウェハ上に結
像して該フォトレジストに転写される。なお、軟X線は
大気に吸収されて減衰するため、その光路は全て所定の
真空度(例えば、1×10-5Torr以下)に維持されてい
る。
【0005】投影結像光学系は複数の多層膜ミラーによ
り構成される。多層膜ミラーの反射率は100%ではないの
で、光量の損失を抑えるためにミラーの枚数は出来るだ
け少なくすることが好ましい。これまでに、4枚の多層
膜ミラーからなる光学系(例えば、T. Jewell and K. T
hompson, USP 5,315,629、T. Jewell, USP 5,063,586参
照)や、6枚の多層膜ミラーからなる光学系(例えば、
D. Williamson, 特開平9-211332、USP 5,815,310参照)
などが報告されている。光束が一方向に進行する屈折光
学系と異なり、反射光学系では光学系の中で光束が往復
することになるので、ミラーによる光束のけられを避け
るという制限ために、NAを大きくすることが難しい。4
枚光学系では開口数(NA)を0.15程度までにしか出来な
いが、6枚光学系では更にNAの大きい光学系の設計が可
能になる。マスクステージとウェハステージが投影結像
光学系の両側に配置できるように、ミラーの枚数は通常
は偶数になっている。このような投影結像光学系は、限
られた面数で光学系の収差を補正しなければならないの
で、各ミラーには非球面形状が適用され、また、所定の
像高の近傍でのみ収差の補正されたリングフィールド光
学系になっている。フォトマスク上のパターン全体をウ
ェハ上に転写するためには、マスクステージとウェハス
テージとを、光学系の倍率分だけ異なる速度でスキャン
させながら露光を行う。
【0006】上記のような露光装置の投影結像光学系
は、いわゆる回折限界の光学系であり、波面収差を充分
に小さくしておかないと設計通りの性能を得ることは出
来ない。回折限界の光学系における波面収差の許容値の
目安としては、Marechalによる、二乗平均値(RMS)で
使用波長の1/14以内という基準がある。(M. Born and
E. Wolf, Principles of Optics, 4th edition, Pergam
on Press 1970, p. 469参照)これはStrehl強度(収差
のある光学系と無収差光学系との間の点像強度の最大値
の比)が80%以上になるための条件である。実際の露光
装置の投影結像光学系は、これよりも更に低い収差にな
るように製造されている。
【0007】現在盛んに研究開発が行われているEUVリ
ソグラフィ技術においては、露光波長は主として13nmあ
るいは11nm付近の波長が使われている。光学系の波面収
差(WFE)に対して、個々のミラーに許容される形状誤
差(FE)は次式で与えられる。 (数式1) FE=WFE/2/√n(RMS) nは光学系を構成するミラーの数であり、更に2で割るの
は、反射光学系では入射光と反射光の両方がそれぞれ形
状誤差の影響を受けるので、波面収差には形状誤差の2
倍の誤差が乗るからである。結局、回折限界の光学系に
おいて、個々のミラーに許容される形状誤差(FE)は
波長λとミラーの枚数nに対して次式で与えられる。 (数式2) FE=λ/28/√n(RMS) この値は、波長13nmでは4枚のミラーで構成された光学
系の場合0.23nmRMSとなり、6枚のミラーで構成された光
学系の場合0.19nmRMSとなる。
【0008】しかしながら、このような高精度の非球面
形状のミラーを製造することは非常に困難であり、EUV
リソグラフィがなかなか実用化できない第一の原因とな
っている。現在までに達成されている非球面の加工精度
は0.4〜0.5nmRMSの程度であり(C. Gwyn, Extreme Ultr
aviolet Lithography White Paper, EUV LLC, 1998,p17
参照)、EUVリソグラフィを実現するためには非球面の
加工技術および計測技術の大幅な向上が必要とされてい
る。
【0009】最近、山本によって多層膜ミラーの表面を
一層ずつ削り取ることによって、実質的にサブnmの形状
誤差を補正することのできる画期的な技術が報告され
た。(M. Yamamoto, 7th International Conference on
Synchrotron Radiation Instrumentation, Berlin Ger
many, August 21-25, 2000, POS2-189)図2をもって、
その原理を説明する。図2(a)に示すようにA, B二種類の
物質を一定の周期長dで交互に積層した多層膜の表面か
ら、図2(b)に示すように一層対を除去する場合を考え
る。図2(a)で、多層膜表面に対して垂直方向に進行する
光線に対する、厚さdの多層膜一層対の光路長は、OP=nA
dA+nBdBで与えられる。ここでdA,dBは各層の厚さを表
し、dA+dB=dである。nA, nBは物質A, Bそれぞれの屈折
率である。図2(b)で、最表面の多層膜一層対を除去した
厚さdの部分の光路長は、OP'=ndで与えられる。nは真空
の屈折率を表し、n=1である。多層膜の最上層を除去す
ることによって、そこを通過する光線が進む光学的距離
が変化することになる。これは、実質的にその変化分だ
け面形状を修正したことと光学的に等価ある。光路長の
変化(即ち、面形状の変化)は、Δ=OP'-OPで与えられ
る。軟X線の波長域では、物質の屈折率が1に近いの
で、Δは小さな量となり、本方法により精密な面形状の
補正が可能になる。
【0010】具体例として、波長13.4nmでMo/Si多層膜
を用いた場合を示す。直入射で使用するために、d=6.8n
m, dMo=2.3nm, dSi=4.5nmとする。この波長での屈折率
は、nMo=0.92, nSi=0.998である。これらの数値を用い
て光路長の変化を計算すると、OP=6.6nm, OP'=6.8nm,
Δ=0.2nmとなる。厚さ6.8nmの層を除去する加工によっ
て、0.2nm相当の面形状の補正を行うことが出来る。な
お、Mo/Si多層膜の場合、Si層の屈折率は1に近いので、
光路長の変化は主としてMo層の有無によるものであり、
Si層の有無には殆ど依存しない。従って、多層膜の層を
除去する際に、Si層の厚さを正確に制御する必要は無
い。この例ではSi層の厚さは4.5nmあり、この層の途中
で加工が停止すれば良い。即ち、数nmの精度の加工を施
すことによって0.2nm単位の面形状補正を行うことが出
来る。なお、多層膜の反射率は積層数とともに増加して
一定の層数を越えると飽和して一定になる。予め反射率
が飽和するのに充分な層数を積層しておけば、表面から
多層膜の一部を除去しても反射率の変化は生じない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この方法は非常に有効
であるが、面形状の補正は多層膜の一層対を剥がす毎に
不連続に行われる。例えば、図3(a)に示すような断面形
状の反射波面の形状を、多層膜を一層対ずつ部分的に除
去することによって図3(b)のような反射波面に修正し、
形状誤差のrms値を低減することが出来る。多層膜を部
分的の除去する具体的方法としては、例えば図4(a)に示
すように、多層膜2を除去した部分のみが露出するよう
に、フォトレジスト等からなるマスク3を形成し、その
表面を、イオンビーム等4を用いてスパッタエッチング
により除去する方法がある。イオンビーム加工後にフォ
トレジストを除去すれば、図4(b)のように部分的に多層
膜を除去した構造が得られる。なお、図中で多層膜の層
数は実際よりも少なく描いてある。
【0012】このような方法で反射波面の修正加工を行
うと、図3(b)に示したように、多層膜を除去した部分の
境界では反射波の位相は面内で不連続になり、反射波面
の断面形状はギザギザになる。このような不連続な波面
になると、回折等の予期せぬ現象が生じて、光学系の特
性を劣化させる恐れがある。この結果、高い分解能を有
する露光装置の実現が困難となる。本発明はこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、多層膜の表面層を
除去して多層膜ミラーの面形状を補正する技術におい
て、修正後の反射波面の面内における不連続性に起因す
る光学特性の劣化を防ぐことを目標とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点に鑑みてなされたものであり、そのために本発明は第
一に「屈折率の異なる二種類の物質が交互に所定の周期
長で積層されてなる多層膜の一部を表面からおよそ一層
対ずつ除去することによって、反射波面の位相を均一に
補正してなる多層膜反射鏡において、多層膜を除去した
部分の境界に段差が生ぜず、滑らかになっていることを
特徴とする多層膜反射鏡(請求項1)」を提供する。こ
れにより、多層膜の一部を除去したことにより生じる解
説現象等の予期せぬ現象を防止できる。
【0014】また本発明は第二に「多層膜反射鏡の製造
方法であって、基板上に屈折率の異なる二種類の物質を
交互に所定の周期長で積層して多層膜反射鏡を形成する
行程、反射波面の位相を均一に改善するために該反射鏡
の一部を表面からおよそ一層対ずつ除去する加工行程を
有する多層膜反射鏡の製造方法であって、該加工行程で
は多層膜を除去した部分の境界に段差を生じないよう
に、滑らかに加工することを特徴とする多層膜反射鏡の
製造方法(請求項2)」を提供する。このことにより、
請求項1に記載された多層膜反射鏡が得られる。
【0015】また本発明は第三に「請求項2に記載の多
層膜反射鏡の製造方法であって、スモールツール修正研
磨法、イオンビーム加工法、CVM(Chemical Vapor Mach
ining)加工法のいずれかにより多層膜を除去すること
を特徴とする多層膜反射鏡の製造方法(請求項3)」を
提供する。これにより、容易になめらかな加工面を有す
る多層膜反射鏡が得られる。
【0016】また本発明は第四に「前記多層膜は、モリ
ブデンを含む層とシリコンを含む層からなることを特徴
とする請求項1に記載の多層膜反射鏡(請求項4)」を提
供する。これにより、容易に、安価に、また耐久性に優
れ反射波面の位相が整った多層膜反射鏡が得られる。
【0017】また本発明は第五に「前記周期長が6〜1
2nmの範囲であることを特徴とする請求項1又は4に記
載の多層膜反射鏡(請求項5)」を提供する。これによ
り、軟X線の波長領域において、斜入射条件下でも高い
反射率を有する多層膜反射鏡が得られる。
【0018】また本発明は第六に「前記多層膜は、モリ
ブデンを含む層とシリコンを含む層からなることを特徴
とする請求項2又は3に記載の多層膜反射鏡の製造方法
(請求項6)」を提供する。
【0019】また本発明は第七に「前記周期長が6〜1
2nmの範囲であることを特徴とする請求項2又は3又は
6に記載の多層膜反射鏡の製造方法(請求項7)」を提
供する。
【0020】また本発明は第八に「請求項1、4、5の
いずれにか記載の多層膜反射鏡、又は請求項2、3、
6、7のいずれにか記載の方法により製造された多層膜
反射鏡を用いて構成されたことを特徴とする軟X線光学
系(請求項8)」を提供する。これによって反射鏡の反
射面の一部を加工除去することにより生じる回折現象等
の影響がない、反射面の位相が揃った軟X線光学系が得
られる。
【0021】また本発明は第九に「請求項8に記載の投
影光学系を備えたことを特徴とする軟X線露光装置(請
求項9)」を提供する。これによって最小線幅が70n
m以下の転写露光が出来る軟X線露光装置が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明では、多層膜を部分的に除
去する際に、図1(a)に示すように、段差のない滑らかな
断面形状に加工するようにした。従来は、図1(b)に示す
ように、部分的に除去加工した箇所の境界に段差が生
じ、そのために、修正後の反射波面の断面は図3(b)のよ
うにギザギザになってしまっていた。本発明を用いるこ
とにより、修正後の波面は図3(c) に示すように滑らか
な形状となり、回折等の悪影響が生じることが無い。ま
た、図3(b)と(c)とを比較して明らかなように、修正加
工後の波面誤差のrms値も小さくすることが出来る。こ
のような滑らかな断面形状に加工する方法としては、ス
モールツールによる修正研磨法、イオンビーム加工法、
CVM(Chemical Vapor Machining)法などを用いること
が出来る。
【0023】図5(a)にスモールツール修正研磨法の概念
図を示す。比較的径の小さい(例えば10mm程度)ポリッ
シャ6を、回転させながら多層膜2表面に押しつける。不
図示の研磨砥粒がポリッシャ6により多層膜2の表面に供
給されて、研磨加工が進行する。加工速度は、ポリッシ
ャ6に与えられる加重、ポリッシャ6と被検物(この場合
は多層膜2の表面)の相対速度、およびポリッシャ6の滞
留時間の積によって決まる。このような加工方法では、
ポリッシャ6の周辺部では加重が中心部よりも小さくな
るので、自然に図5(b)のような滑らかな断面形状の加工
が出来る。ポリッシャ6は弾性のある材質で形成され
る。ポリッシャ6の形状は、図中では球形の場合を示し
たが、これに限定されることはない。例えば、円盤状で
も良い。円盤状にしても周辺部の加重は中心部よりも小
さくなるので、図5(b)のような滑らかな断面形状が実現
される。
【0024】図6(a)にイオンビーム加工法の概念図を示
す。図4に示した方法とは異なり、多層膜2の表面から高
さhだけ離れた位置にマスク3を設置した。マスク3はエ
ッチング加工等により開口を設けたステンレス板等を用
いることが出来る。加工に用いるイオン種にはアルゴン
(Ar)等の不活性ガスを用いることが出来る。或いは、
フッ素イオンや塩素イオン等の反応性のあるイオン種を
用いても構わない。使用するイオン源の特性にもよる
が、イオンビームは完全に平行ではなく発散角を持って
いる。従って、多層膜2の表面に照射されるイオンビー
ムの空間分布は、裾野を引いた形状となり、その結果、
加工された断面形状は図6(b)に示すような滑らかな形状
になる。裾野の引き方は、マスクの高さhにより調整す
ることが出来る。高さhが大きいほど裾野が広くなる。
【0025】図7(a)にCVM法の概念図を示す。被加工物
を接地し、100MHz程度の高周波電圧をかけた電極7を多
層膜2の表面に近づける。ここへノズル10からヘリウム
(He)と六フッ化硫黄(SF6)の混合ガスを供給して、
電極7と多層膜2表面の間にプラズマ9を発生させる。プ
ラズマ中に生成されるフッ素イオンが多層膜2の表面と
反応し、蒸気圧の高い反応生成物を形成して、多層膜2
表面が除去される。加工速度はプラズマの密度に依存す
るので、電極7の直下では速度が速く、電極7の周辺部で
は加工速度が遅い。その結果、図7(b)に示すような滑ら
かな断面形状に加工される。
【0026】実施例1 本発明をEUV露光装置の投影光学系に適用した実施例に
ついて説明する。投影光学系は6枚の非球面ミラーから
構成されており、開口数(NA)が0.25、倍率が1/4でリ
ングフィールド状の露光領域を有している。まず、従来
の研磨加工技術により各非球面ミラーを製作した。各ミ
ラーの形状精度は0.5nmRMSであった。これらを組み立て
て得られる波面収差は2.4nmRMSである。波長13.4nmで使
用するためには、波面収差は1nmRMS程度以下に抑える必
要があるので、このままではミラーの形状精度が不足で
ある。次に、各非球面ミラーの反射面に、使用波長13.4
nmに最適化されたMo/Si多層膜を形成した。多層膜の周
期長は6.8nm、積層数は50層積とし、イオンビームスパ
ッタリングにより成膜した。
【0027】この多層膜の表面を、図5(a)に示すよう
な、スモールツール修正研磨法により一層ずつ除去して
反射波面の補正を行った。多層膜を一層対除去すると光
路長が0.2nm変化する。ポリッシャ6には、直径10mmのポ
リウレタン球を使用し、研磨剤には、酸化ジルコニウム
の微粒子を水中に分散させた液体を用いた。ポリッシャ
7に与える加重、ポリッシャ7の回転数、およびポリッシ
ャ7の滞留時間によって加工量を制御した。以上のよう
な方法により各ミラーの補正を行ったところ、形状精度
を0.15nmRMSに低減することが出来た。これらのミラー
を鏡筒機構内に組み込んで波面収差が最小になるよう調
整を行ったところ、波面収差を0.8nmRMSにすることが出
来た。これは回折限界の結像性能を得るために充分な値
である。このようにして製作した投影光学系をEUV露光
装置に組み込んで露光テストを行った。30nmL&Sの微細
なパターンまで解像することが出来た。
【0028】実施例2 本発明をEUV露光装置の投影光学系に適用した実施例に
ついて説明する。投影光学系は6枚の非球面ミラーから
構成されており、開口数(NA)が0.25、倍率が1/4でリ
ングフィールド状の露光領域を有している。まず、従来
の研磨加工技術により各非球面ミラーを製作した。各ミ
ラーの形状精度は0.5nmRMSであった。これらを組み立て
て得られる波面収差は2.4nmRMSである。波長13.4nmで使
用するためには、波面収差は1nmRMS程度以下に抑える必
要があるので、このままではミラーの形状精度が不足で
ある。次に、各非球面ミラーの反射面に、使用波長13.4
nmに最適化されたMo/Si多層膜を形成した。多層膜の周
期長は6.8nm、積層数は50層積とし、イオンビームスパ
ッタリングにより成膜した。
【0029】この多層膜の表面を、図6(a)に示すよう
な、イオンビーム加工法により一層ずつ除去して反射波
面の補正を行った。多層膜を一層対除去すると光路長が
0.2nm変化する。真空容器中で、カウフマン型イオン源
によりアルゴン(Ar)イオン4を発生させて加工を行っ
た。加工量は時間に比例するので、予め多層膜の加工速
度を測定しておいて、加工時間により加工量を制御し
た。マスク3には、エッチング加工により開口部を設け
たステンレス板を用いた。マスク3の多層膜2表面からの
高さhは、滑らかな加工断面形状が得られるように、予
め実験を行って最適値に設定した。以上のような方法に
より各ミラーの補正を行ったところ、形状精度を0.15nm
RMSに低減することが出来た。これらのミラーを鏡筒機
構内に組み込んで波面収差が最小になるよう調整を行っ
たところ、波面収差を0.8nmRMSにすることが出来た。こ
れは回折限界の結像性能を得るために充分な値である。
このようにして製作した投影光学系をEUV露光装置に組
み込んで露光テストを行った。30nmL&Sの微細なパター
ンまで解像することが出来た。
【0030】実施例3 本発明をEUV露光装置の投影光学系に適用した実施例に
ついて説明する。投影光学系は6枚の非球面ミラーから
構成されており、開口数(NA)が0.25、倍率が1/4でリ
ングフィールド状の露光領域を有している。まず、従来
の研磨加工技術により各非球面ミラーを製作した。各ミ
ラーの形状精度は0.5nmRMSであった。これらを組み立て
て得られる波面収差は2.4nmRMSである。波長13.4nmで使
用するためには、波面収差は1nmRMS程度以下に抑える必
要があるので、このままではミラーの形状精度が不足で
ある。次に、各非球面ミラーの反射面に、使用波長13.4
nmに最適化されたMo/Si多層膜を形成した。多層膜の周
期長は6.8nm、積層数は50層積とし、イオンビームスパ
ッタリングにより成膜した。
【0031】この多層膜の表面を、図7(a)に示すよう
な、CVM法により一層ずつ除去して反射波面の補正を行
った。多層膜を一層対除去すると光路長が0.2nm変化す
る。真空容器中で、直径5mmのタングステン(W)製の電
極7を用い、電極7には100MHzの高周波電圧を印可した。
電極7の近傍にノズル10からヘリウム(He)と六フッ化
硫黄(SF6)の混合ガスを供給した。このガスは電極7と
多層膜2の間の高周波電圧によりイオン化されプラズマ
を生成する。プラズマ中ではフッ素イオンおよびフッ素
ラジカルが生成されて、これらは多層膜材料のシリコン
(Si)およびモリブデン(Mo)と反応して、常温で気体
の反応生成物を形成する。これらは真空ポンプにより排
気、除去される。加工量は時間に比例するので、予め多
層膜の加工速度を測定しておいて、加工時間により加工
量を制御した。以上のような方法により各ミラーの補正
を行ったところ、形状精度を0.15nmRMSに低減すること
が出来た。これらのミラーを鏡筒機構内に組み込んで波
面収差が最小になるよう調整を行ったところ、波面収差
を0.8nmRMSにすることが出来た。これは回折限界の結像
性能を得るために充分な値である。このようにして製作
した投影光学系をEUV露光装置に組み込んで露光テスト
を行った。30nmL&Sの微細なパターンまで解像すること
が出来た。
【0032】なお、以上の実施例ではEUVリソグラフィ
ーに使用される波長13.4nmのMo/Si多層膜について説明
したが、本発明はそれに限定されるものではなく、他の
波長域、他の多層膜材料に対しても有効に適用できるこ
とは言うまでもない。尚、本発明の軟X線光学系及びそ
れを用いた露光装置の概念図を図8に記した。図中、I
R1〜IR4は照明系の反射鏡であり、PR1〜PR4
は投影系の反射鏡である。Wはウェハ、Mはマスクであ
る。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、多層膜の
表面を一層ずつ除去して反射波面形状を補正する方法に
おいて、補正後の反射波面形状に不連続な段差が生じる
ことを抑制することが出来るので、回折等の影響により
光学系の特性が劣化することを防止することが出来る。
また、従来の方法よりも修正加工後の反射波面の誤差を
低減することが出来るので、光学系の波面収差を低減し
て結像特性を向上することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多層膜反射鏡の波面修正加工と従
来の方法を比較する図。
【図2】多層膜の表面除去による反射波面位相補正の原
理を説明する図。
【図3】多層膜除去加工による波面補正前後の反射波面
の一例を示す図。
【図4】従来のイオンビーム加工による多層膜表面加工
法を示す図。
【図5】スモールツール修正研磨法による多層膜表面加
工法を示す図。
【図6】イオンビーム加工法による多層膜表面加工法を
示す図。
【図7】CVM法による多層膜表面加工法を示す図。
【図8】本発明を適用する好適な軟X線光学系及び露光
装置。
【符号の説明】
1・・・基板 2・・・多層膜 3・・・マスク 4・・・イオンビーム 5・・・多層膜を除去加工した箇所 6・・・ポリッシャ 7・・・電極 8・・・高周波電源 9・・・プラズマ 10・・・ノズル L...プラズマ励起光源 S ...発光源 C ...コンデンサ ミラー IR1〜IR4 ...照明系の反射鏡 PR1〜PR4 ...投影系の反射鏡 M ...マスク W ...ウェハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/20 503 G03F 7/20 503 G21K 5/02 G21K 5/02 X H01L 21/027 H01L 21/30 531A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率の異なる二種類の物質が交互に所
    定の周期長で積層されてなる多層膜の一部を表面からお
    よそ一層対ずつ除去することによって、反射波面の位相
    を均一に補正してなる多層膜反射鏡において、多層膜を
    除去した部分の境界に段差が生ぜず、滑らかになってい
    ることを特徴とする多層膜反射鏡。
  2. 【請求項2】 多層膜反射鏡の製造方法であって、基板
    上に屈折率の異なる二種類の物質を交互に所定の周期長
    で積層して多層膜反射鏡を形成する行程、反射波面の位
    相を均一に改善するために該反射鏡の一部を表面からお
    よそ一層対ずつ除去する加工行程を有する多層膜反射鏡
    の製造方法であって、該加工行程では多層膜を除去した
    部分の境界に段差を生じないように、滑らかに加工する
    ことを特徴とする多層膜反射鏡の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の多層膜反射鏡の製造方
    法であって、スモールツール修正研磨法、イオンビーム
    加工法、CVM(Chemical Vapor Machining)加工法のい
    ずれかにより多層膜を除去することを特徴とする多層膜
    反射鏡の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記多層膜は、モリブデンを含む層とシ
    リコンを含む層からなることを特徴とする請求項1に記
    載の多層膜反射鏡。
  5. 【請求項5】 前記周期長が6〜12nmの範囲であるこ
    とを特徴とする請求項1又は4に記載の多層膜反射鏡。
  6. 【請求項6】 前記多層膜は、モリブデンを含む層とシ
    リコンを含む層からなることを特徴とする請求項2又は
    3に記載の多層膜反射鏡の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記周期長が6〜12nmの範囲であるこ
    とを特徴とする請求項2又は3又は6に記載の多層膜反
    射鏡の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1、4、5のいずれにか記載の多
    層膜反射鏡、又は請求項2、3、6、7のいずれにか記
    載の方法により製造された多層膜反射鏡を用いて構成さ
    れたことを特徴とする軟X線光学系。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の投影光学系を備えたこ
    とを特徴とする軟X線露光装置。
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