JPH1026698A - 真空薄膜形成装置及び反射鏡の製造方法 - Google Patents

真空薄膜形成装置及び反射鏡の製造方法

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JPH1026698A
JPH1026698A JP8183099A JP18309996A JPH1026698A JP H1026698 A JPH1026698 A JP H1026698A JP 8183099 A JP8183099 A JP 8183099A JP 18309996 A JP18309996 A JP 18309996A JP H1026698 A JPH1026698 A JP H1026698A
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JP
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substrate
thin film
shape
reflection surface
film thickness
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JP8183099A
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Tetsuya Oshino
哲也 押野
Norihiro Katakura
則浩 片倉
Katsuhiko Murakami
勝彦 村上
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Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中心対称からずれた形状誤差を含む形状誤差
がないか、或いはその形状誤差が許容範囲にある、高精
度な反射面形状を有する反射鏡の製造方法と、該反射鏡
の製造に使用できる真空薄膜形成装置を提供すること。 【解決手段】 真空容器内に配置された基板4上に薄膜
を形成する真空薄膜形成装置であり、少なくとも、前記
基板4の保持機構5、前記薄膜の材料を蒸発させる蒸発
源1、及び該蒸発源1から発して前記基板4に向かう蒸
発粒子6aの一部を遮蔽する膜厚補正部材2を備えた真
空薄膜形成装置において、所望の膜厚分布と相関がある
速度分布を持たせて、前記膜厚補正部材2を少なくとも
二方向に直進移動させる機能を有する駆動機構3を設け
ることにより、前記所望の膜厚分布を有する薄膜を形成
できるようにしたことを特徴とする真空薄膜形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、高精度な反射面形
状を有する反射鏡の製造方法と、該反射鏡の製造に使用
できる真空薄膜形成装置に関するものである。また、本
発明は特に、フォトマスク(マスクまたはレチクル)上
の回路パターンをX線光学系を用いたミラープロジェク
ション方式により投影結像光学系を介してウエハ等の基
板上に転写するのに好適なX線投影露光装置に用いられ
る多層膜X線反射鏡を製造する際のX線反射多層膜を形
成する基板となる反射鏡の製造方法ならびに前記多層膜
X線反射鏡の製造方法と、前記反射鏡及びX線反射鏡の
製造に使用できる真空薄膜形成装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】可視光領域の光学素子には、主にレンズ
が用いられているが、X線波長領域では、物質の屈折率
が1に近いため、従来のレンズは使用できない。そこ
で、X線波長領域では、光学素子として反射鏡が用いら
れている。さらに、直入射に近い状態で入射するX線を
も比較的高い反射率にて反射できる多層膜X線反射鏡
(前記反射鏡の反射面にX線反射多層膜を設けたもの)
が用いられている。
【0003】この多層膜X線反射鏡の用途の一つとして
半導体製造用の露光装置がある。半導体製造用の露光装
置は、物体面としてのフォトマスク(以下、マスクと称
する)面上に形成された回路パターンを結像装置を介し
てウエハ等の基板上に投影転写するものである。基板に
はレジストが塗布されており、露光することによりレジ
ストが感光し、レジストパターンが得られる。
【0004】ところで、露光装置の解像力wは、主に露
光波長λと結像光学系の開口数NAで決まり、次式で表
される。 w=kλ/NA k:定数 従って、露光装置の解像力を向上させるためには、波長
を短くするか、或いは開口数を大きくすることが必要と
なる。現在、半導体の製造に用いられている露光装置で
は主に波長365nm のi線を使用しており、開口数約0.5
で0.4 μmの解像力が得られている。
【0005】開口数を大きくすることは光学設計上困難
であることから、解像力を向上させるためには、今後は
露光光の短波長化が必要となる。i線より短波長の露光
光としては、例えばエキシマレーザーが挙げられ、KrF
(波長248nm )では0.25μm、ArF (波長193nm )では
0.18μmの解像力が得られる。また、露光光としてさら
に波長の短いX線を用いると、例えば波長13nmで0.1 μ
m以下の解像力が得られる。
【0006】露光装置が所望の解像力を有するために
は、少なくとも結像光学系が無収差の或いは無収差に近
い光学系である必要がある。即ち、結像光学系に収差が
あるとレジストパターンが形成されないか、或いはレジ
ストパターンの断面形状が劣化して、露光後のプロセス
に悪影響を及ぼす他、像が歪んでしまうという問題点が
発生する。
【0007】無収差と同等の性能を得るための収差とし
ては、波長の14分の1 程度以下の値(rms 値)が要求さ
れる。従って、波長が短くなる程、収差の値も小さくし
なければならない。例えば、露光光がi線の場合、収差
は約26nmrms 以下にする必要がある。無収差の、或いは
無収差と同等の性能を有する光学系を作製するために
は、該光学系を構成する各光学素子の形状をできる限り
設計形状に近くなるように加工しなければならない。形
状誤差の許容上限値は、収差と比較して少なくとも小さ
く、また、光学素子の数が多くなるほど、形状誤差の許
容上限値は小さくなる。
【0008】光学素子が全てレンズの場合は、屈折面の
数をNとすると、形状誤差は収差の1/N1/2 程度以下
の値にしなければならない。例えば露光光がi線の場
合、屈折面の数を30とすると、形状誤差の許容上限値は
約5nmrmsとなる。以上のように、無収差の光学系を作製
するためには、形状精度の高い光学素子が必要である
が、これまでは高精度な研削加工または研磨加工を行う
ことにより、無収差光学系を作製することができた。
【0009】ところが、露光装置の解像度を向上させる
ため、露光光の波長を短くすると、それに伴って、収差
の許容上限値も小さくなる。例えば、露光光としてX線
を使用するX線投影露光装置の場合に、X線波長を13nm
とすると、収差の許容上限値は約1nmrmsとなる。この値
は、i線における収差の許容上限値(約26nmrms )に比
べて非常に小さい。従って、前記X線投影露光装置で使
用する光学素子は、さらに形状精度の高いものが要求さ
れる。
【0010】このX線投影露光装置の場合、結像光学系
は全て反射鏡により構成される反射光学系であることが
好ましい。また、無収差に近い性能を有し、かつ30m
m程度の視野を有する結像光学系を得るためには、光学
設計の観点から反射鏡は少なくとも4枚必要である。さ
らに、縮小光学系の場合には、球面光学系では広視野で
収差を小さくすることが困難であるため、非球面光学系
が必要になる。非球面光学系としては、例えばオフナー
型光学系を改良した光学系が挙げられ、長さ30mm以
上の輪帯の視野で所望の収差を得ることができる。この
場合、反射面形状は回転対称の非球面となる。
【0011】ここで、反射鏡の反射面に形状誤差がある
場合、反射鏡に入射する光は理想的な反射位置に対して
形状誤差分だけ光軸方向にずれた位置で反射する。その
ため、反射光の光路は、反射位置のずれ量の2倍だけ光
路が長くなるか、或いは短くなる。従って、X線投影露
光装置の縮小結像光学系(反射光学系)における反射面
の形状誤差の許容上限値は、各反射鏡で発生する収差の
許容上限値の半分となる。従って、反射面の数をNとす
ると、必要な形状誤差は収差の1/N1/2 ×(1/2)
となる。例えば、反射面の数を4とすると、波長13nmに
おける形状誤差の許容上限値は0.23nmrms となる。
【0012】なお、X線露光装置において、光学素子と
して多層膜X線反射鏡を用いる場合には、多層膜X線反
射鏡を高精度に作製しなければならない。この高精度の
多層膜X線反射鏡を作製するためには、先ず、高精度な
表面形状を有する基板(または基板となる反射鏡)を作
製する必要があり、その基板の表面(または基板となる
反射鏡の反射面)にX線反射多層膜をコーティングすれ
ば、高精度の多層膜X線反射鏡を作製できることにな
る。
【0013】従来の反射鏡や基板(または基板となる反
射鏡)は、研磨等の機械加工を高精度に施すことにより
作製され、さらに具体的には、機械加工と形状測定を繰
り返すことにより、反射面形状を徐々に所望形状に近づ
けていき、最終的に所望形状の反射面を得ようとしてい
た。しかしながら、研磨等の機械加工方法では、前述し
たようなX線投影露光装置の光学系の反射鏡や基板(ま
たは基板となる反射鏡)に要求される高精度な反射面形
状を作製することが非常に困難であった。特に、高精度
な非球面の反射面形状を作製することができなかった。
【0014】そこで、高精度な反射面形状を有する反射
鏡の製造方法として、真空薄膜形成装置により、所望の
反射面形状に対して形状誤差のある表面形状を有する基
板の表面上に、薄膜をその膜厚分布を制御して形成する
ことにより、所望の反射面形状を得る方法が実施されて
いる。図5は、かかる製造方法において用いられる従来
の真空薄膜形成装置(一例)の構成(一部)を示すブロ
ック図である。
【0015】この真空薄膜形成装置は、少なくとも、薄
膜の蒸発源11、基板14の保持機構15、蒸発源11
から発して前記基板14に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽
する膜厚補正部材12、基板14を自転させる回転機構
13を備えている。蒸発源11からは蒸発粒子16aが
射出し、該蒸発粒子16aは膜厚補正部材12を経て基
板14に到達して、基板上に積層される。膜厚補正部材
12は蒸発源11から基板14に移動する蒸発粒子の空
間分布を制御するものである。
【0016】膜厚補正部材12は図6に示すように、金
属等の板の一部に開口を設けたものであり、基板14と
蒸発源11の間に固定されている。つまり、膜厚補正部
材12は、入射した蒸発粒子16aの一部を捕獲して、
部材12を透過した後の蒸発粒子16bの分布を所望の
分布に変換する機能を有する。図5の真空薄膜形成装置
を用いて成膜を行うと、蒸発粒子16aの一部は膜厚補
正部材12により捕獲されて、基板14には到達しな
い。そのため、成膜時に基板14を自転させることによ
り、図7に示すような中心対称の膜厚分布を有する薄膜
17が形成される。
【0017】ここで、基板14に到達する蒸発粒子の分
布は、図6に示すような膜厚補正部材12のエッジ12
aの形状を調整することにより制御される。この様にし
て、所望の反射面形状に対して形状誤差のある表面形状
を有する基板の表面上に、薄膜をその膜厚分布を制御し
て形成することにより、形状誤差の小さな反射鏡が製造
できる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、基板形状に中心対称からずれた形状誤差がある
場合に、その形状誤差を薄膜形成により低減できないた
めに、所望の反射面形状を有する反射鏡が得られないと
いう問題点があった。また、かかる場合に、中心対称か
らずれた形状誤差を有する前記基板上にX線反射多層膜
を成膜して多層膜X線反射鏡を作製しても収差が大きく
なって、所望の解像度を得ることができないという問題
点があった。
【0019】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、中心対称からずれた形状誤差を含む形状誤
差がないか、或いはその形状誤差が許容範囲にある、高
精度な反射面形状を有する反射鏡の製造方法と、該反射
鏡の製造に使用できる真空薄膜形成装置を提供すること
を目的とする。また、本発明は特に、X線投影露光装置
に用いられる多層膜X線反射鏡を製造する際のX線反射
多層膜を形成する基板となる反射鏡の製造方法ならびに
前記多層膜X線反射鏡の製造方法と、前記基板となる反
射鏡の製造に使用できる真空薄膜形成装置を提供するこ
とを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は第一
に「真空容器内に配置された基板上に薄膜を形成する真
空薄膜形成装置であり、少なくとも、前記基板の保持機
構、前記薄膜の材料を蒸発させる蒸発源、及び該蒸発源
から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する
膜厚補正部材を備えた真空薄膜形成装置において、所望
の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて、前記膜厚
補正部材を少なくとも二方向に直進移動させる機能を有
する駆動機構を設けることにより、前記所望の膜厚分布
を有する薄膜を形成できるようにしたことを特徴とする
真空薄膜形成装置(請求項1)」を提供する。
【0021】また、本発明は第二に「真空容器内に配置
された基板上に薄膜を形成する真空薄膜形成装置であ
り、少なくとも、前記基板の保持機構、前記薄膜の材料
を蒸発させる蒸発源、及び該蒸発源から発して前記基板
に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する膜厚補正部材を備え
た真空薄膜形成装置において、所望の膜厚分布と相関が
ある速度分布を持たせて、前記基板の保持機構を少なく
とも二方向に直進移動させる機能を有する駆動機構を設
けることにより、前記所望の膜厚分布を有する薄膜を形
成できるようにしたことを特徴とする真空薄膜形成装置
(請求項2)」を提供する。
【0022】また、本発明は第三に「前記膜厚補正部材
は、前記所望の膜厚分布と相関がある輪郭形状部分また
は開口部を有する平板状の部材であることを特徴とする
請求項1または2記載の真空薄膜形成装置(請求項
3)」を提供する。また、本発明は第四に「少なくと
も、所望の反射面形状に近似した反射面形状を有する基
板を用意する工程と、前記所望の反射面形状と前記基板
の反射面形状の形状差分布を求める工程と、真空薄膜形
成法により前記基板の反射面に膜厚分布を有する薄膜層
を設けて、前記所望の反射面形状を形成する工程であ
り、前記蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の
一部を遮蔽する膜厚補正部材を設けて、該膜厚補正部材
を前記薄膜層の成膜中に、前記形状差分布と相関がある
速度分布を持たせて、少なくとも二方向に直進移動させ
ることにより、前記基板の反射面に前記形状差分布に相
当する膜厚分布を有する薄膜層を形成して、所望形状の
反射面を有する反射鏡を作製する工程と、を備えた反射
鏡の製造方法(請求項4)」を提供する。
【0023】また、本発明は第五に「少なくとも、所望
の反射面形状に近似した反射面形状を有する基板を用意
する工程と、前記所望の反射面形状と前記基板の反射面
形状の形状差分布を求める工程と、真空薄膜形成法によ
り前記基板の反射面に膜厚分布を有する薄膜層を設け
て、前記所望の反射面形状を形成する工程であり、前記
蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮
蔽する膜厚補正部材を設けて、かつ、該基板を前記薄膜
層の成膜中に、前記形状差分布と相関がある速度分布を
持たせて、少なくとも二方向に直進移動させることによ
り、前記基板の反射面に前記形状差分布に相当する膜厚
分布を有する薄膜層を形成して、所望形状の反射面を有
する反射鏡を作製する工程と、を備えた反射鏡の製造方
法(請求項5)」を提供する。
【0024】また、本発明は第六に「前記膜厚補正部材
は、前記所望の膜厚分布と相関がある輪郭形状部分また
は開口部を有する平板状の部材であることを特徴とする
請求項4または5記載の製造方法(請求項6)」を提供
する。また、本発明は第七に「前記所望形状が非球面で
あり、かつ、前記基板の反射面形状が該非球面に近似の
球面または非球面であることを特徴とする請求項4〜6
記載の製造方法(請求項7)」を提供する。
【0025】また、本発明は第八に「請求項4〜7記載
の製造方法により作製した反射鏡の反射面にさらにX線
反射多層膜を設けることによりX線反射鏡とするX線反
射鏡の製造方法(請求項8)」を提供する。
【0026】
【発明の実施の態様】本発明にかかる、少なくとも、基
板の保持機構、薄膜の材料を蒸発させる蒸発源、及び該
蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮
蔽する膜厚補正部材を備えた真空薄膜形成装置によれ
ば、所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて、
前記膜厚補正部材を少なくとも二方向に直進移動させる
機能を有する駆動機構を設けることにより、前記所望の
膜厚分布を有する薄膜を形成できる(請求項1)。
【0027】また、本発明にかかる、少なくとも、基板
の保持機構、薄膜の材料を蒸発させる蒸発源、及び該蒸
発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽
する膜厚補正部材を備えた真空薄膜形成装置によれば、
所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて、前記
基板の保持機構を少なくとも二方向に直進移動させる機
能を有する駆動機構を設けることにより、前記所望の膜
厚分布を有する薄膜を形成できる(請求項2)。
【0028】そのため、本発明にかかる真空薄膜形成装
置を用いて、所望の反射面形状に近似した反射面形状を
有する基板に、前記所望の反射面形状と前記基板の反射
面形状の形状差分布に相当する膜厚分布を有する薄膜層
を設けると、中心対称からずれた形状誤差を含む形状誤
差がないか、或いはその形状誤差が許容範囲にある、高
精度な反射面形状を有する反射鏡を製造することができ
る。
【0029】なお、製造可能な反射鏡には、X線投影露
光装置に用いられる多層膜X線反射鏡を製造する際のX
線反射多層膜を形成する基板となる反射鏡も含まれる。
また、本発明にかかる膜厚補正部材は、前記所望の膜厚
分布と相関がある輪郭形状部分または開口部を有する平
板状の部材であることが好ましい(請求項3、6)。
【0030】かかる構成にすることにより、中心対称か
らずれた形状誤差を含む形状誤差をより低減させること
が可能となり、その結果、さらに高精度な反射面形状を
有する反射鏡を製造することができる。また、本発明に
かかる膜厚補正部材は、その形状が平板であれば輪郭形
状や開口の加工が容易となるので好ましい。
【0031】また、本発明にかかる、少なくとも、所望
の反射面形状に近似した反射面形状を有する基板を用意
する工程と、前記所望の反射面形状と前記基板の反射面
形状の形状差分布を求める工程と、真空薄膜形成法によ
り前記基板の反射面に膜厚分布を有する薄膜層を設け
て、前記所望の反射面形状を形成する工程であり、前記
蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮
蔽する膜厚補正部材を設けて、該膜厚補正部材を前記薄
膜層の成膜中に、前記形状差分布と相関がある速度分布
を持たせて、少なくとも二方向に直進移動させることに
より、前記基板の反射面に前記形状差分布に相当する膜
厚分布を有する薄膜層を形成して、所望形状の反射面を
有する反射鏡を作製する工程と、を備えた反射鏡の製造
方法によれば、所望の反射面形状に近似した反射面形状
を有する基板に、前記所望の反射面形状と前記基板の反
射面形状の形状差分布に相当する膜厚分布を有する薄膜
層を設けることが可能であり、その結果、中心対称から
ずれた形状誤差を含む形状誤差がないか、或いはその形
状誤差が許容範囲にある、高精度な反射面形状を有する
反射鏡を製造することができる(請求項4)。
【0032】また、本発明にかかる、少なくとも、所望
の反射面形状に近似した反射面形状を有する基板を用意
する工程と、前記所望の反射面形状と前記基板の反射面
形状の形状差分布を求める工程と、真空薄膜形成法によ
り前記基板の反射面に膜厚分布を有する薄膜層を設け
て、前記所望の反射面形状を形成する工程であり、前記
蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮
蔽する膜厚補正部材を設けて、かつ、該基板を前記薄膜
層の成膜中に、前記形状差分布と相関がある速度分布を
持たせて、少なくとも二方向に直進移動させることによ
り、前記基板の反射面に前記形状差分布に相当する膜厚
分布を有する薄膜層を形成して、所望形状の反射面を有
する反射鏡を作製する工程と、を備えた反射鏡の製造方
法によれば、所望の反射面形状に近似した反射面形状を
有する基板に、前記所望の反射面形状と前記基板の反射
面形状の形状差分布に相当する膜厚分布を有する薄膜層
を設けることが可能であり、その結果、中心対称からず
れた形状誤差を含む形状誤差がないか、或いはその形状
誤差が許容範囲にある、高精度な反射面形状を有する反
射鏡を製造することができる(請求項5)。
【0033】なお、製造可能な反射鏡には、X線投影露
光装置に用いられる多層膜X線反射鏡を製造する際のX
線反射多層膜を形成する基板となる反射鏡も含まれる。
また、本発明の反射鏡の製造方法は、前記所望形状が非
球面であり、かつ、前記基板の反射面形状が該非球面に
近似の球面または非球面である場合に用いて好適であ
り、中心対称からずれた形状誤差を含む形状誤差がない
か、或いはその形状誤差が許容範囲にある、高精度な非
球面の反射面形状を有する反射鏡を製造することができ
る(請求項7)。
【0034】特に反射面形状が球面の基板を用いると、
球面基板は研磨等の機械加工により高精度に加工できる
ため、本発明にかかる製造方法により高精度に膜厚分布
を制御して成膜を行えば、中心対称からずれた形状誤差
を含む形状誤差がないか、或いはその形状誤差が許容範
囲にあるさらに高精度な非球面の反射面形状を有する反
射鏡を製造することができる。
【0035】また、請求項4〜7記載の製造方法により
作製した反射鏡の反射面にさらにX線反射多層膜を設け
ることによりX線反射鏡を製造することができる(請求
項8)。さらに、該X線反射鏡を複数組み合わせること
により、無収差の或いは無収差に近いX線光学系を形成
することができる。本発明にかかる蒸発源は、本発明に
かかる高精度な膜厚分布制御を行う上で、高精度な成膜
速度制御ができるものが好ましく、例えばイオンビーム
等のスパッタ源やEB蒸発源等の蒸発源が好ましい。
【0036】また、本発明にかかる駆動機構は、膜厚補
正部材または基板の保持機構を高精度に位置制御及び移
動制御できるものが好ましい。本発明においては、成膜
中に基板の表面(反射面)形状を計測できる機構を設け
てもよい(不図示)。かかる機構を設けることにより、
薄膜の形成途中における基板の反射面形状を実時間にて
モニターすることにより、所望の反射面形状との形状誤
差の変化を追跡して、その値がゼロとなるように成膜及
び駆動の制御を行うことにより、所望の反射面形状がよ
り正確に形成できる。
【0037】ここで、本発明にかかる真空薄膜形成装置
(一例)と、該装置を用いて反射鏡(例えば、X線投影
露光装置に用いられる多層膜X線反射鏡を製造する際の
X線反射多層膜を形成する基板となる反射鏡)を製造す
る方法(一例)を示す(図1参照)。図1の真空薄膜形
成装置は、少なくとも、基板4の保持機構5、薄膜の材
料を蒸発させる蒸発源1、及び該蒸発源1から発して前
記基板4に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する膜厚補正部
材2、及び該膜厚補正部材の位置を制御する駆動機構3
を有する。
【0038】ここで、膜厚補正部材2は薄膜の蒸発源1
と基板4の間に配置され、また駆動機構3は、所望の膜
厚分布と相関がある速度分布を持たせて、前記膜厚補正
部材2を少なくとも二方向に直進移動させる機能を有す
る。蒸発源1からは蒸発粒子6aが射出され、該蒸発粒
子6aは膜厚補正部材2を経て基板4に到達し、積層
(成膜)される。基板4は、所望の反射面形状に近似し
た反射面形状を有する。
【0039】膜厚補正部材2及び駆動機構3は、蒸発源
1から射出して基板4に移動する蒸発粒子の空間分布を
制御するものであり、膜厚補正部材2に入射した蒸発粒
子6aの一部を捕獲して、膜厚補正部材2を透過した後
の蒸発粒子6bの分布を所望の分布にすることができ
る。膜厚補正部材2は、例えば図3に示すような、一部
に開口部2aを設けた平板により構成することができ
る。この膜厚補正部材2に入射した蒸発粒子のうち、開
口部2aに入射した蒸発粒子は、開口部を通過して基板
4に到達して積層(成膜)される。逆に、他の蒸発粒子
は膜厚補正部材2に捕獲されて、基板4には到達しな
い。
【0040】従って、基板表面のうち、膜厚補正部材2
の開口部2aに近い箇所には、多くの蒸発粒子が到達す
る。つまり、基板4の一部にのみ薄膜を積層(成膜)さ
せて、その部分の加工量(積層量)を大きくすることが
できる。そして、成膜中に膜厚補正部材2の位置を駆動
機構3により所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持
たせて移動させると、膜厚補正部材2を通過した蒸発粒
子の空間分布を時間的に逐次変化させて、前記基板の反
射面に所望の膜厚分布を有する薄膜層を形成することが
できる。
【0041】例えば、駆動機構3により膜厚補正部材2
の開口部2aを、基板4の一端に対向する位置から基板
4の別端に対向する位置へと、図4(a)、(b)、
(c)に示すような順番で走査させることにより、基板
全面に膜が形成される(図4参照)。このとき、加工量
(積層量)が大きい箇所では、膜厚補正部材2の走査速
度を小さくし、加工量が小さい箇所では、膜厚補正部材
2の走査速度を大きくするとそれぞれ、厚い膜および薄
い膜が形成され、膜厚分布を有する薄膜層を形成するこ
とができる。
【0042】図4には、膜厚補正部材2を一方向に走査
する様子を示したが、さらに図中で奥行き方向にも走査
することにより、二次元的に制御された膜厚分布を得る
ことができる。即ち、所望の反射面形状に近似した反射
面形状を有する前記基板の反射面に所望の膜厚分布(前
記所望の反射面形状と前記基板の反射面形状の形状差分
布に相当する膜厚分布)を有する薄膜層を形成して、所
望形状の反射面を有する反射鏡を作製することができ
る。
【0043】そのため、本発明にかかる図1の真空薄膜
形成装置を用いて、所望の反射面形状に近似した反射面
形状を有する基板に、前記所望の反射面形状と前記基板
の反射面形状の形状差分布に相当する膜厚分布を有する
薄膜層を設けると、中心対称からずれた形状誤差を含む
形状誤差がないか、或いはその形状誤差が許容範囲にあ
る、高精度な反射面形状を有する反射鏡を製造すること
ができる。
【0044】なお、製造可能な反射鏡には、X線投影露
光装置に用いられる多層膜X線反射鏡を製造する際のX
線反射多層膜を形成する基板となる反射鏡も含まれる。
また、本発明にかかる真空薄膜形成装置(別の一例)
と、該装置を用いて反射鏡(例えば、X線投影露光装置
に用いられる多層膜X線反射鏡を製造する際のX線反射
多層膜を形成する基板となる反射鏡)を製造する方法
(別の一例)を示す(図2参照)。
【0045】図2の真空薄膜形成装置は、少なくとも、
基板4の保持機構5、薄膜の材料を蒸発させる蒸発源
1、及び該蒸発源1から発して前記基板4に向かう蒸発
粒子の一部を遮蔽する膜厚補正部材2、及び前記保持機
構5の位置を制御する駆動機構7を有する。ここで、膜
厚補正部材2は薄膜の蒸発源1と基板4の間に配置さ
れ、また駆動機構7は、所望の膜厚分布と相関がある速
度分布を持たせて、前記保持機構5を少なくとも二方向
に直進移動させる機能を有する。
【0046】蒸発源1からは蒸発粒子6aが射出され、
該蒸発粒子6aは膜厚補正部材2を経て基板4に到達
し、積層(成膜)される。基板4は、所望の反射面形状
に近似した反射面形状を有する。膜厚補正部材2及び駆
動機構7は、蒸発源1から射出して基板4に移動する蒸
発粒子の空間分布を制御するものである。膜厚補正部材
2に入射した蒸発粒子6aの一部を捕獲して、膜厚補正
部材2を透過した後の蒸発粒子6bの分布を所望の分布
にすることができる。
【0047】そして、成膜中に保持機構5の位置を駆動
機構7により所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持
たせて、少なくとも二方向に移動させると、基板4上に
到達する蒸発粒子の空間分布を時間的に逐次変化させ
て、前記基板の反射面に所望の膜厚分布を有する薄膜層
を形成することができる。即ち、所望の反射面形状に近
似した反射面形状を有する前記基板の反射面に所望の膜
厚分布(前記所望の反射面形状と前記基板の反射面形状
の形状差分布に相当する膜厚分布)を有する薄膜層を形
成して、所望形状の反射面を有する反射鏡を作製すると
ができる。
【0048】そのため、本発明にかかる図2の真空薄膜
形成装置を用いて、所望の反射面形状に近似した反射面
形状を有する基板に、前記所望の反射面形状と前記基板
の反射面形状の形状差分布に相当する膜厚分布を有する
薄膜層を設けると、中心対称からずれた形状誤差を含む
形状誤差がないか、或いはその形状誤差が許容範囲にあ
る、高精度な反射面形状を有する反射鏡を製造すること
ができる。
【0049】なお、製造可能な反射鏡には、X線投影露
光装置に用いられる多層膜X線反射鏡を製造する際のX
線反射多層膜を形成する基板となる反射鏡も含まれる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0050】
【実施例】
<第1実施例>図1は本実施例の真空薄膜形成装置の一
部構成を示す概略構成図である。図1の真空薄膜形成装
置は、少なくとも、基板4の保持機構5、薄膜の材料を
蒸発させる蒸発源1、及び該蒸発源1から発して前記基
板4に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する膜厚補正部材
2、及び該膜厚補正部材の位置を制御する駆動機構3を
有する。
【0051】蒸発源1には、高精度な成膜速度制御が可
能なイオンビームスパッタ源を用いた。また、膜厚補正
部材2は薄膜の蒸発源1と基板4の間において、基板4
に近接する位置に配置されている。膜厚補正部材2は厚
さ1mm、直径100mmのステンレス製円板であり、その
中心に直径5mmの開口を有する。また、駆動機構3は、
所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて、前記
膜厚補正部材2を二方向に直進移動させる機能を有する
X−Yステージである。
【0052】基板4は直径30mmの石英基板であり、回
転対称な高次非球面の表面(反射面)を有する。なお、
基板4の前記回転対称な高次非球面の表面(反射面)は
研磨加工により作製した。また、その形状を干渉計で測
定したところ、回転非対称の形状誤差分布があることが
判り、所望(設計)形状との平均誤差は1nmrmsほ
どであった。
【0053】そこで、本実施例の真空薄膜形成装置を用
いて基板4上に、所定の膜厚分布(前記形状誤差分布に
相当する膜厚分布)を有するSiO2 薄膜層を成膜する
ことにより、形状誤差が低減されて許容誤差範囲となっ
た反射面を形成した。ここで、SiO2 薄膜層を成膜す
る際に、駆動機構3を用いて膜厚補正部材2を前記所定
の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて二次元的に
走査させることにより、膜厚補正部材2を通過した蒸発
粒子の空間分布を時間的に逐次変化させ、その結果、基
板4の反射面に所定の膜厚分布を有するSiO2 薄膜層
を形成することができた。
【0054】なお、SiO2 薄膜層を成膜する前に、前
記所定の膜厚分布と、そのような膜厚分布を得るために
必要な膜厚補正部材2の走査速度分布とを予め計算によ
り求めておいた。この様にしてSiO2 薄膜層を成膜し
た基板の表面(反射面)形状を干渉計により測定したと
ころ、その表面形状誤差は0.2 nmrms以下(許容誤
差範囲)となった。
【0055】さらに、この基板にX線反射多層膜を形成
して多層膜X線反射鏡を作製し、同様に作製した多層膜
X線反射鏡4枚により結像光学系を構成したところ、そ
の波面収差は1nmrms以下であった。そして、この
結像光学系をX線投影露光装置に用いてレジストを露光
したところ、パターンサイズ0.1 μmのレジストパター
ンが得られた 一方、同一基板に従来の真空薄膜形成装置(図5参照)
により膜厚分布を有するSiO2 薄膜層を成膜し、この
基板にX線反射多層膜を形成して作製した多層膜X線反
射鏡を軟X線投影露光装置に用いてレジストを露光した
ところ、パターンサイズ0.1 μm のレジストパターンを
得ることはできなかった。 <実施例2>図2は本実施例の真空薄膜形成装置の一部
構成を示す概略構成図である。
【0056】図2の真空薄膜形成装置は、少なくとも、
基板4の保持機構5、薄膜の材料を蒸発させる蒸発源
1、及び該蒸発源1から発して前記基板4に向かう蒸発
粒子の一部を遮蔽する膜厚補正部材2、及び前記保持機
構5の位置を制御する駆動機構7を有する。蒸発源1に
は、高精度な成膜速度制御が可能なイオンビームスパッ
タ源を用いた。また、膜厚補正部材2は薄膜の蒸発源1
と基板4の間において、基板4に近接する位置に配置さ
れている。
【0057】膜厚補正部材2は厚さ1mm、直径100mm
のステンレス製円板であり、その中心に直径5mmの開口
を有する。また、駆動機構7は、所望の膜厚分布と相関
がある速度分布を持たせて、前記保持機構5を二方向に
直進移動させる機能を有するX−Yステージである。基
板4は直径30mmの石英基板であり、回転対称な高次非
球面の表面(反射面)を有する。
【0058】なお、基板4の前記回転対称な高次非球面
の表面(反射面)は研磨加工により作製した。また、そ
の形状を干渉計で測定したところ、回転非対称の形状誤
差分布があることが判り、所望(設計)形状との平均誤
差は1nmrmsほどであった。そこで、本実施例の真
空薄膜形成装置を用いて基板4上に、所定の膜厚分布
(前記形状誤差分布に相当する膜厚分布)を有するSi
2 薄膜層を成膜することにより、形状誤差が低減され
て許容誤差範囲となった反射面を形成した。
【0059】ここで、SiO2 薄膜層を成膜する際に、
駆動機構7を用いて保持機構5を前記所定の膜厚分布と
相関がある速度分布を持たせて二次元的に走査させるこ
とにより、基板4上に到達する蒸発粒子の空間分布を時
間的に逐次変化させ、その結果、基板4の反射面に所定
の膜厚分布を有するSiO2 薄膜層を形成することがで
きた。
【0060】なお、SiO2 薄膜層を成膜する前に、前
記所定の膜厚分布と、そのような膜厚分布を得るために
必要な保持機構5の走査速度分布とを予め計算により求
めておいた。この様にしてSiO2 薄膜層を成膜した基
板の表面(反射面)形状を干渉計により測定したとこ
ろ、その表面形状誤差は0.2 nmrms以下(許容誤差
範囲)となった。
【0061】さらに、この基板にX線反射多層膜を形成
して多層膜X線反射鏡を作製し、同様に作製した多層膜
X線反射鏡4枚により結像光学系構成したところ、その
波面収差は1nmrms以下であった。そして、この結
像光学系をX線投影露光装置に用いてレジストを露光し
たところ、パターンサイズ0.1 μmのレジストパターン
が得られた 以上の実施例では、非常に高精度な形状が要求される多
層膜反射鏡用の基板が成膜対象であったが、この他の基
板にも適用可能であり、例えば、形状誤差を有するX線
用の全反射鏡やエキシマレーザーステッパー用の反射鏡
を基板として用い、同様に所望形状の反射面を形成する
ことができることは言うまでもない。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の真空薄膜
形成装置によれば、所望の膜厚分布を有する薄膜を形成
することができる。また、本発明にかかる真空薄膜形成
装置を用いて、所望の反射面形状に近似した反射面形状
を有する基板に、前記所望の反射面形状と前記基板の反
射面形状の形状差分布に相当する膜厚分布を有する薄膜
層を設けると、中心対称からずれた形状誤差を含む形状
誤差がないか、或いはその形状誤差が許容範囲にある、
高精度な反射面形状を有する反射鏡を製造することがで
きる。
【0063】また、本発明の反射鏡の製造方法によれ
ば、中心対称からずれた形状誤差を含む形状誤差がない
か、或いはその形状誤差が許容範囲にある、高精度な反
射面形状を有する反射鏡(例えば、多層膜X線反射鏡を
製造する際のX線反射多層膜を形成する基板となる反射
鏡)及び該多層膜X線反射鏡を製造できる。また、本発
明により製造した多層膜X線反射鏡を具備したX線投影
露光装置は高い解像力を有し、その結果、高いスループ
ットで、マスクのパターンを忠実に基板上に転写するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例1の真空薄膜形成装置の一部構成を
示す概略構成図である。
【図2】は、実施例2の真空薄膜形成装置の一部構成を
示す概略構成図である。
【図3】は、本発明にかかる膜厚補正部材の一例を示す
平面図である。
【図4】は、本発明にかかる成膜の一例を示す概念図で
あり、図(a)(b)(c)は、膜厚補正部材を走査す
ることにより基板の一端から他端へ所望の膜厚分布を有
する膜が形成される様子を示している。
【図5】は、従来の真空薄膜形成装置の一部構成を示す
概略構成図である。
【図6】は、従来の膜厚補正部材の一例を示す平面図で
ある。
【図7】は、形状誤差を有する反射面(基板面)上に、
従来の真空薄膜形成装置を用いて膜厚分布を有するSi
2 薄膜層を成膜することにより作製した反射鏡(基
板)の概略断面図である。
【主要部分の符号の説明】
1・・・蒸発源 2・・・膜厚補正部材 2a・・・膜厚補正部材の開口部 3・・・膜厚補正部材の駆動機構 4・・・基板 5・・・基板の保持機構 6a、6b・・・蒸発粒子 7・・・保持機構の駆動機構 8・・・薄膜 11・・・蒸発源 12・・・従来の膜厚補正部材 12a・・・開口部のエッジ 13・・・基板の回転機構 14・・・基板 15・・・基板の保持機構 16a、16b・・・蒸発粒子 17・・・薄膜 以上

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内に配置された基板上に薄膜を
    形成する真空薄膜形成装置であり、少なくとも、前記基
    板の保持機構、前記薄膜の材料を蒸発させる蒸発源、及
    び該蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部
    を遮蔽する膜厚補正部材を備えた真空薄膜形成装置にお
    いて、 所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて、前記
    膜厚補正部材を少なくとも二方向に直進移動させる機能
    を有する駆動機構を設けることにより、前記所望の膜厚
    分布を有する薄膜を形成できるようにしたことを特徴と
    する真空薄膜形成装置。
  2. 【請求項2】 真空容器内に配置された基板上に薄膜を
    形成する真空薄膜形成装置であり、少なくとも、前記基
    板の保持機構、前記薄膜の材料を蒸発させる蒸発源、及
    び該蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部
    を遮蔽する膜厚補正部材を備えた真空薄膜形成装置にお
    いて、 所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて、前記
    基板の保持機構を少なくとも二方向に直進移動させる機
    能を有する駆動機構を設けることにより、前記所望の膜
    厚分布を有する薄膜を形成できるようにしたことを特徴
    とする真空薄膜形成装置。
  3. 【請求項3】 前記膜厚補正部材は、前記所望の膜厚分
    布と相関がある輪郭形状部分または開口部を有する平板
    状の部材であることを特徴とする請求項1または2記載
    の真空薄膜形成装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも、 所望の反射面形状に近似した反射面形状を有する基板を
    用意する工程と、 前記所望の反射面形状と前記基板の反射面形状の形状差
    分布を求める工程と、 真空薄膜形成法により前記基板の反射面に膜厚分布を有
    する薄膜層を設けて、前記所望の反射面形状を形成する
    工程であり、 前記蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部
    を遮蔽する膜厚補正部材を設けて、該膜厚補正部材を前
    記薄膜層の成膜中に、前記形状差分布と相関がある速度
    分布を持たせて、少なくとも二方向に直進移動させるこ
    とにより、前記基板の反射面に前記形状差分布に相当す
    る膜厚分布を有する薄膜層を形成して、所望形状の反射
    面を有する反射鏡を作製する工程と、を備えた反射鏡の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも、 所望の反射面形状に近似した反射面形状を有する基板を
    用意する工程と、 前記所望の反射面形状と前記基板の反射面形状の形状差
    分布を求める工程と、 真空薄膜形成法により前記基板の反射面に膜厚分布を有
    する薄膜層を設けて、前記所望の反射面形状を形成する
    工程であり、 前記蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部
    を遮蔽する膜厚補正部材を設けて、かつ、該基板を前記
    薄膜層の成膜中に、前記形状差分布と相関がある速度分
    布を持たせて、少なくとも二方向に直進移動させること
    により、前記基板の反射面に前記形状差分布に相当する
    膜厚分布を有する薄膜層を形成して、所望形状の反射面
    を有する反射鏡を作製する工程と、を備えた反射鏡の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記膜厚補正部材は、前記所望の膜厚分
    布と相関がある輪郭形状部分または開口部を有する平板
    状の部材であることを特徴とする請求項4または5記載
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記所望形状が非球面であり、かつ、前
    記基板の反射面形状が該非球面に近似の球面または非球
    面であることを特徴とする請求項4〜6記載の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7記載の製造方法により作製
    した反射鏡の反射面にさらにX線反射多層膜を設けるこ
    とによりX線反射鏡とするX線反射鏡の製造方法。
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