JP2010047821A - 光学的有効面の形成方法及び光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】フォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いずに光学素子上に光学薄膜を選択的に形成することができるうえ、簡単且つ高い同軸精度で光学的有効面を形成すること。
【解決手段】光学素子1上に光学的有効面を形成する方法であって、光学的有効面を形成する形成面1aを露出させた状態で光学素子を保持する工程と、マスク部材30を保持された光学素子の中心軸に自身の中心軸を一致させた状態で形成面に対向するように配置する工程と、マスク部材の片面に該マスク部材を形成面に貼り付けるための貼付部材31を付与する工程と、マスク部材を光学素子の中心軸に沿って移動させて形成面に密着状態で貼り付ける工程と、マスク部材が貼り付いた形成面の全体に薄膜材料を成膜して光学薄膜を形成する工程と、マスク部材及び貼付部材を剥離して形成面に光学的有効面を形成する工程と、を備えている光学的有効面の形成方法を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、光学素子上に光学薄膜を選択的に形成して光学的有効面を形成する光学的有効面の形成方法、及び、該光学的有効面が形成された光学素子に関するものである。
ガラス等の透明体からなる光学素子のうち、光学絞りや反射光学系等に用いられるものは、図7(a)及び図7(b)に示すように、光学素子50の表面に遮光膜や反射ミラー膜等の光学薄膜51が選択的に形成されている。そして、光学薄膜51が形成されていない領域が、光学的有効面52として利用されている。つまり、光学薄膜51の形成によって、光学的有効面52が作り出されている。
ところで、近年の光学製品の高精度化に伴って、光学素子の中心軸と光学的有効面の中心軸とを高い同軸精度で一致させることが求められている。なお、同軸度とは、光学素子の中心軸と、光学的有効面の中心軸とのずれ量の大きさを示すものである。このずれ量が大きくなってしまうと、光学素子を通過する光は、周辺画角が狭められてしまう。そのため、この光を利用して例えば画像を生成した場合には、ゴースト等が発生して画像周辺部の画質の低下を引き起こしてしまうものであった。従って、このような不都合をなくし、画像周辺部が高精細化した画像(明瞭となった画像)を得るためには、光学素子の中心軸と光学的有効面の中心軸とのずれ量を極力なくして、高い同軸精度を得ることが必要である。
ところで、光学素子上に光学的有効面を形成するには、一般的に次のような方法が採用されている。まず、真空蒸着法により、SiOや金属等の薄膜材料を光学素子上に蒸着により成膜して、光学素子の全面に光学薄膜を形成する。この後、光学薄膜上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて光学薄膜をパターニングする。これにより、光学薄膜を選択的に除去することができ、光学的有効面を形成することができる。
しかしながらこの方法では、フォトリソグラフィ法及びエッチング法で使用するエッチング液等によって、光学薄膜が溶解したり酸化したりしてしまう不都合があった。加えて、洗浄等の複数の工程が必要等の不都合もあった。そのため、好ましい方法ではなかった。
一方、フォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いない方法として、マスク蒸着法とう手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この方法は、基板に、レーザ加工やウェットエッチングによるマスク加工で微細なパターンが形成された単結晶Siからなるマスクを密着させ、該マスク側から蒸着を行うことで、基板上に選択的に薄膜を形成する方法である。
従って、この方法を光学素子の製造に利用することで、上述した不都合を生じさせることなく、光学素子上に選択的に光学薄膜を形成することができ、光学的有効面を形成することができる。しかも、微細なパターンが形成されたマスクを利用するので、光学的有効面を光学素子上に高精度に形成することができる。
特開2001−59155号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法を光学素子の製造に適用したとしても、光学素子の中心軸と光学的有効面の中心軸とを高い同軸精度で一致させることができるものではなかった。つまり、いくら高精度なマスクを利用したとしても、光学的有効面の中心軸と光学素子の中心軸とを高い同軸精度で一致させるには、マスクを光学素子の狙った位置に正確に位置合わせする必要がある。この点、特許文献1には、マスクの位置合わせに関して何ら記載がなく、高精度な位置合わせを行うことができない。従って、光学素子の中心軸と光学的有効面の中心軸とのずれ量を極力なくして高い同軸精度を確保するというニーズに応えることができるものではなかった。
この発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、フォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いずに光学素子上に光学薄膜を選択的に形成することができるうえ、簡単且つ高い同軸精度で光学的有効面を形成することができる光学的有効面の形成方法、及び、該方法で形成された光学的有効面を有する光学素子を提供することである。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
請求項1に係る発明は、平面視円形状の光学素子上に光学的有効面を形成する方法であって、前記光学的有効面を形成する形成面を露出させた状態で、前記光学素子を保持する保持工程と、平面視円形状のマスク部材を用意した後、該マスク部材を、保持された前記光学素子の中心軸に自身の中心軸を一致させた状態で前記形成面に対向するように配置する配置工程と、前記形成面に対向している前記マスク部材の片面に、該マスク部材を形成面に貼り付けるための貼付部材を付与する付与工程と、前記マスク部材を前記光学素子の中心軸に沿って移動させた後に前記貼付部材を間に介在させた状態で前記形成面に押し付け、形成面にマスク部材を密着状態で貼り付ける貼付工程と、前記マスク部材が貼り付いた前記形成面の全体に薄膜材料を成膜して光学薄膜を形成する成膜工程と、前記マスク部材及び前記貼付部材を剥離して、前記形成面に前記光学的有効面を形成する剥離工程と、を備えている光学的有効面の形成方法を提供する。
この発明に係る光学的有効面の形成方法においては、まず、保持工程を行って光学素子を保持する。この際、光学的有効面を形成する形成面を露出させた状態にしておく。また、この保持工程と同時或いは保持工程後に配置工程を行って、光学素子の形成面に対向するようにマスク部材を配置させる。この際、保持されている光学素子の外径の中心軸に対して、マスク部材の外径の中心軸を一致させた状態で該マスク部材を配置する。そして、マスク部材を配置した後、形成面に対向している側の片面に貼付部材を付与する付与工程を行う。
続いて、光学素子の形成面にマスク部材を貼り付ける貼付工程を行う。即ち、マスク部材を光学素子の中心軸に沿って移動させ、貼付部材を間に介在させた状態で形成面に押し付ける。これにより、貼付部材を介してマスク部材を形成面に密着した状態で貼り付けることができる。続いて、マスク部材が貼り付いた形成面の全体に薄膜材料を成膜して、光学薄膜を形成する成膜工程を行う。この際、形成面にマスク部材が貼り付いているので、実際にはマスク部材が貼り付いていない領域だけに光学薄膜を形成したことになる。つまり、光学素子の形成面に光学薄膜を選択的に形成することができる。
そして、最後にマスク部材と貼付部材とを形成面から剥離する剥離工程を行う。これにより、光学的有効面を形成面に形成することができる。その結果、光学的有効面が形成された光学素子を作製することができる。
特に、マスク部材を形成面に貼り付けるだけの簡単な方法であるので、フォトリソグラフィ法やエッチング法を採用する場合とは異なり、短時間で簡便に光学的有効面を形成することができる。しかも、エッチング液等の液体を何ら使用しないので、光学薄膜が溶解したり酸化したりする等の不具合が生じることがない。
また、マスク部材を配置する際に、自身の中心軸が光学素子の中心軸に一致するように配置させている。そして、このマスク部材を形成面に貼り付ける際にも、光学素子の中心軸に沿ってマスク部材を移動させている。そのため、マスク部材は、高い同軸精度で光学素子の形成面に対して貼り付けられた状態となっている。従って、マスク部材と貼付部材とを剥離することで形成される光学的有効面は、自身の中心軸が光学素子の中心軸に対してほぼ一致しており、ずれ量が僅かな高い同軸精度とすることができる。
更に、マスク部材は貼付部材によって形成面に密着した状態で貼り付けられているので、成膜工程時に薄膜材料がマスク部材でマスクされている領域に入り込むことがない。そのため、光学的有効面の品質を高めることができる。また、単に貼り付けているだけであるので、マスク部材と貼付部材とを形成面から簡単に剥離することができる。よって、光学的有効面に傷等を付けたり、周囲の光学薄膜を剥がしてしまったりすることがない。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の光学的有効面の形成方法において、前記配置工程の際に、前記光学素子の中心軸に一致した軸線に沿って移動可能な軸体の端面上に、前記マスク部材を載置し、前記貼付工程の際に、前記軸体を前記光学素子に向けて移動させることで、前記マスク部材を前記形成面に貼り付ける光学的有効面の形成方法を提供する。
この発明に係る光学的有効面の形成方法においては、配置工程の際に、光学素子の中心軸に一致した軸線に沿って移動可能な軸体の端面上にマスク部材を載置する。これにより、マスク部材の姿勢をより安定させた状態で、形成面に対して対向配置させることができる。そして、貼付工程を行う際には、軸体を軸線に沿って光学素子に向けて移動させる。これにより、端面上に載置されたマスク部材を形成面に対してしっかりと押し付けることができ、貼付部材を介して貼り付けることができる。
このように、軸体を利用することで、マスク部材の姿勢をより安定した状態で確実に形成面に貼り付けることができる。従って、光学素子の中心軸と光学的有効面の中心軸との同軸精度をより高めることができる。これにより、光学素子の中心軸と光学的有効面の中心軸とのずれ量を、例えば10μm以内に収めることも可能である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の光学的有効面の形成方法において、前記成膜工程の際に、薄膜材料として金属材料或いは誘電体材料のうち少なくともいずれか一方を用いる光学的有効面の形成方法を提供する。
この発明に係る光学的有効面の形成方法においては、成膜工程の際に、薄膜材料として金属材料或いは誘電体材料のうち少なくともいずれか一方を用いる。そのため、光学薄膜を、金属膜或いは誘電体膜或いは金属膜と誘電体膜とからなる積層膜にすることができ、
遮光膜や光学反射ミラーとして機能させることができる。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の光学的有効面の形成方法で形成された光学的有効面を有する光学素子を提供する。
この発明に係る光学素子においては、高い同軸精度で形成された光学的有効面を有しているので、高品質化を図ることができる。特に、この光学素子を利用して画像を生成した場合には、画像周辺部まで画質が明瞭(高精細)となった画像を得ることができる。
本発明に係る光学的有効面の形成方法によれば、フォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いずに光学素子上に光学薄膜を選択的に成膜することができるうえ、簡単且つ高い同軸精度で光学的有効面を形成することができる。
本発明に係る光学素子においては、高い同軸精度で形成された光学的有効面を有しているので、高品質化を図ることができる。
以下、本発明に係る光学的有効面の形成方法の一実施形態について、図1から図6を参照して説明する。
本実施形態の光学的有効面の形成方法は、図1(a)及び図1(b)に示すように、平面視円形状の光学素子1の表面に光学薄膜2を選択的に形成することで、光学的有効面3を形成する方法である。
なお、本実施形態では、光学素子1として、凹メニスカスレンズ(外径φ6.5mm、凸面R=16.34mm、凹面R=7.379mm、ガラス材質S−BSL7)(株式会社オハラ製)を用いた場合を例にして説明する。また、光学素子1の凹面1aに光学的有効面3を形成する場合を例にする。更に、本実施形態では、図2に示すマスク貼付治具10及び図3に示す薄膜形成装置20を利用して、光学的有効面3を形成する場合を例にして説明する。
初めに、マスク貼付治具10の構成について説明する。
マスク貼付治具10は、図2に示すように、例えば真鍮によって製作されたものであり、治具本体11及び上下可動軸(軸体)12で主に構成されている。
治具本体11は、内側に空間を確保するように断面コ形状に形成されており、略中心に上下可動軸孔11aが形成されている。上下可動軸12は、直径1.6mmのロッドであり、図示しない駆動源によって、上下可動軸孔11a内に挿通された状態で上下に移動可能とされている。また、上下可動軸12の端面12aは、上下可動軸孔11aの中心軸L1に対して直交する平坦な面とされており、後述するマスク部材30を載置することができるようになっている。
上下可動軸孔11aは、上下可動軸12の直径よりも若干大きく形成されており、上下可動軸12の外周面に接触した状態で該上下可動軸12を支持している。これにより、上下可動軸12は、中心軸L1に沿って安定且つ滑らかに上下移動するようになっている。
また、治具本体11の上部には、保持プレート13が固定されている。この保持プレート13には、図2及び図4に示すように、上下可動軸孔11aの真上にあたる位置に、該保持プレート13を貫通する貫通孔13aが形成されている。この貫通孔13aは、上下可動軸12よりも大きな径で形成されており、後述するマスク部材30及び貼付部材31を収容できるようになっている。また、保持プレート13の上面側において、貫通孔13aはさらに径が大きくなるように形成されており、段部が作られている。そして、この段部となった部分は、光学素子1を保持する光学素子保持部14として機能する。
より詳細には、この光学素子保持部14は、光学素子1の外径寸法に対して+0.002mm〜0.005mmだけ大きくなるように形成されている。これにより、光学素子1の凹面1aを露出させた状態で、該光学素子1の周囲を保持することが可能とされている。また、光学素子保持部14は、自身の中心軸が上下可動軸孔11aの中心軸L1に対してずれ量が±5μm以下に収まるように形成されている。
上記マスク部材30は、図5に示すように、例えば材質がSUS303で、厚みtが0.03mm、直径φが1.6±0.01mmに形成された極薄のシートである。このマスク部材30は、図2及び図4に示すように、上記貫通孔13a内に収容することができると共に、上下可動軸12の端面12a上に載置することができるようになっている。
また、上記貼付部材31は、光学素子1の凹面1aにマスク部材30を貼り付けるために用いられる部材であって、マスク部材30と光学素子1との間に配置される。なお、本実施形態では、貼付部材31として、光学薄膜2形成時の加熱温度である270℃に耐えうる耐性を有し、マスク部材30を後に剥離する時に容易に取り外し可能な剥離性と、適度な密着力とを兼ね備えたシリコン系粘着剤を用いる。
次に、薄膜形成装置20の構成について説明する。
図3に示すように、薄膜形成装置20は、保持治具32によって保持された光学素子1の凹面1aに光学薄膜2を形成する装置であって、球面ドーム21と、蒸着源(薄膜材料)22と、シャッター23と、ヒータ24と、これら各構成品を内部に収容する薄膜形成槽25と、を主に備えている。
球面ドーム21は、薄膜形成槽25の上部の中心部から内部に貫通された回転軸26にぶら下がるように連結されており、回転軸26を中心に薄膜形成槽25内で回転するようになっている。これにより、球面ドーム21は、蒸着源22上を通過する形で回転移動するようになっている。また、この球面ドーム21には、光学素子1を保持している保持治具32を取り付けるための複数の取付孔21aが形成されている。
蒸着源22は、球面ドーム21に取り付けられた保持治具32に対向するように薄膜形成槽25の底面に配設されている。この際、球面ドーム21の回転軸26の軸線の真下ではなく横にずれた偏った位置に配設されている。なお、本実施形態では、蒸着源22として、Al材料を用いた場合を例に挙げて説明する。
また、薄膜形成槽25の底面には、蒸着源22に近接して電子銃27が配設されている。この電子銃27は、蒸着源22であるAl材料に向けて電子ビームBを照射して、Al材料を加熱により蒸発させることができるようになっている。
シャッター23は、シャッター回転軸28によって揺動可能に支持された状態で、蒸着源22と球面ドーム21との間に配置されている。そして、シャッター23は、シャッター回転軸28によって揺動されることで、蒸着源22の直上とそこから外れた位置との間を往復移動するようになっている。つまり、蒸着源22と球面ドーム21との間を、適宜遮蔽できるようになっている。
ヒータ24は、薄膜形成槽25の上部側の壁面と球面ドーム21との間に配設されている。そして、このヒータ24は、光学素子1を加熱して、凹面1aに成膜される光学薄膜2の屈折率を上げたり、光学薄膜2と光学素子1との密着性を向上させたりすることができるようになっている。
次に、このように構成されたマスク貼付治具10及び薄膜形成装置20を用いて、光学素子1の凹面1aに光学的有効面3を形成する方法について説明する。
まず、光学的有効面3を形成する凹面1aを露出させた状態で光学素子1を保持する保持工程を行う。具体的には、図2及び図4に示すように、マスク貼付治具10の光学素子保持部14に凹面1aを下に向けた状態で嵌合させる。この際、光学素子保持部14の中心軸は、上下可動軸孔11aの中心軸L1に一致しているので、保持された光学素子1の中心軸L2が同様に上下可動軸孔11aの中心軸L1に一致した状態となる。
また、この保持工程と同時或いは保持工程後に、マスク部材30を、保持された光学素子1の中心軸L2に自身の中心軸を一致させた状態で凹面1aに対向するように配置する配置工程を行う。具体的には、光学素子1の中心軸L2に一致した軸線(上下可動軸孔11aの中心軸L1)に沿って上下に移動可能な上下可動軸12の端面12a上にマスク部材30を載置する。これにより、マスク部材30の姿勢を安定させた状態で、光学素子1の凹面1aに対して対向配置させることができる。
続いて、マスク部材30を配置した後、凹面1aに対向している側の片面に貼付部材31を付与する付与工程を行う。
続いて、光学素子1の凹面1aにマスク部材30を貼り付ける貼付工程を行う。具体的には、上下可動軸12を上下可動軸孔11aの中心軸L1に沿って光学素子1に向けて移動させる。これにより、端面12a上に載置されたマスク部材30を凹面1aに対してしっかりと押し付けることができ、図6に示すように貼付部材31を介して密着させた状態で貼り付けることができる。特に、上下可動軸12を利用しているので、マスク部材30の姿勢を安定した状態で確実に凹面1aに貼り付けることができる。従って、光学素子1の中心軸L2とマスク部材30の中心軸とを高い精度で一致させた状態で、貼り付けを行うことができる。
続いて、マスク部材30が貼り付いた凹面1aの全体に薄膜材料であるAl材料を成膜して、光学薄膜2を形成する成膜工程を行う。
具体的に説明すると、まず、マスク部材30が貼り付いた光学素子1をマスク貼付治具10の光学素子保持部14から取り外す。そして、取り外した光学素子1を保持治具32で保持した後、図3に示すように薄膜形成装置20の球面ドーム21の取付孔21aにセットする。この際、光学素子1の凹面1aが蒸着源22側に向くようにセットする。なお、図3では、光学素子1の形状を簡略化して図示している。光学素子1をセットした後、図示しない排気手段を駆動して薄膜形成槽25内を高真空状態にする。そして、回転軸26を中心に球面ドーム21を回転させると共に、ヒータ24を駆動させて光学素子1を270℃まで加熱する。続いて、電子銃27から蒸着源22であるAl材料に向けて電子ビームBを照射して、Al材料を加熱して蒸発させる。
また、電子ビームBの照射と同時にシャッター回転軸28を中心にシャッター23を揺動させる。これにより、シャッター23が蒸着源22の上部から外れた瞬間に、蒸発したAl材料が薄膜形成槽25内を直進して、球面ドーム21に保持治具32を介して固定された光学素子1の凹面1aに到達する。これにより、光学素子1の凹面1aの全体にAl材料を成膜して、光学薄膜2を形成することができる。
ところで、凹面1aにはマスク部材30が貼り付けられているので、実際にはマスク部材30が貼り付いていない領域だけに光学薄膜2が形成されたことになる。つまり、光学薄膜2の凹面1aに光学薄膜2を選択的に形成することができる。
最後に、光学素子1の凹面1aに貼り付けられたマスク部材30を貼付部材31と共に凹面1aから剥離する剥離工程を行う。具体的には、真空吸着ペンを利用して、マスク部材30を吸引保持しながら剥離する。これにより、図1に示すように、凹面1aに、光学薄膜2が形成されていない直径1.6mmの光学的有効面3を形成することができる。その結果、光学的有効面3が形成された光学素子1を作製することができる。
特に、マスク部材30を凹面1aに貼り付けるだけの簡単な方法であるので、フォトリソグラフィ法やエッチング法を採用する場合とは異なり、短時間で簡便に光学的有効面3を形成することができる。しかも、エッチング液等の液体を何ら使用しないので、光学薄膜2が溶解したり酸化したりする等の不具合が生じることがない。
また、マスク部材30を配置する際に、自身の中心軸が光学素子1の中心軸L2に一致するように配置している。そして、このマスク部材30を凹面1aに貼り付ける際にも、光学素子1の中心軸L2に沿ってマスク部材30を移動させている。そのため、マスク部材30は、高い同軸精度で光学素子1の凹面1aに貼り付けられた状態となっている。従って、マスク部材30と貼付部材31とを剥離することで形成される光学的有効面3は、自身の中心軸が光学素子1の中心軸L2に対してほぼ一致しており、ずれ量が僅かな高い同軸精度とすることができる。しかも、本実施形態では、上下可動軸12を利用しているので、マスク部材30の姿勢を安定した状態で確実に凹面1aに貼り付けることができる。従って、光学素子1の中心軸L2と光学的有効面3の中心軸との同軸精度をより高めることができ、両者のずれ量を8μmにすることができる。
また、マスク部材30は貼付部材31によって凹面1aに密着した状態で貼り付けられているので、成膜工程時に薄膜材料がマスク部材30でマスクされている領域に入り込むことがない。そのため、光学的有効面3の品質を高めることができる。また、単に貼り付けられているだけであるので、マスク部材30と貼付部材31とを凹面1aから簡単に剥離することができる。よって、光学的有効面3に傷を付けたり、周囲の光学薄膜2を剥がしてしまったりすることがない。
上述したように、高い同軸精度で形成された光学的有効面3を有しているので、高品質な光学素子1とすることができる。従って、この光学素子1を利用して画像を生成した場合には、画像周辺部まで画質が明瞭(高精細)となった画像を得ることができる。また、蒸着源22として金属材料であるAl材料を用いているので、光学薄膜2を光学反射ミラーとして機能させることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、マスク貼付治具10及び薄膜形成装置20を用いて光学的有効面3を形成した例を示したが、これら各装置を用いなくても構わない。特に、光学薄膜2を形成する際に、薄膜形成装置20による真空蒸着法によって行ったが、この方法に限定されるものではなく、例えばイオンプレーティング法、イオンアシスト法やスパッタリング法等で光学薄膜2を形成しても構わない。いずれにしても、光学素子1の凹面1aに薄膜材料を成膜できれば、その方法は何でも構わない。
また、上下可動軸12及び治具本体11から構成されるマスク貼付治具10は、真鍮製としたがこれに限られず、例えば、ガラス、アクリル、ポリカーボネート、PET、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の各種樹脂で製作しても構わないし、アルミニウムや銅等の金属或いは合金或いはこれらの混合物で製作しても構わない。但し、真鍮を用いることで、高い加工精度を得ることができるので好ましい。
また、貼付部材31をシリコン系接着剤としたが、材質はこれに限定されるものではない。例えば、各種の接着剤、ワックスや樹脂シート等でも構わない。なお、貼付部材31を付与するとは、マスク部材30の片面に直接塗布したり、マスク部材30の片面上に単に載せたりすることも含むものである。
また、マスク部材30は、ステンレス以外の金属や、ガラス、樹脂或いはこれらの混合物から作製して良く、その形状は両凸や両凹等でも構わない。また、本実施形態では、上下可動軸12の端面12a上にマスク部材30を載置した場合を例に挙げたが、上下可動軸12を用いなくても構わない。少なくとも、光学素子1の凹面1aにマスク部材30を対向するように配置した後、該マスク部材30を光学素子1の中心軸L2に沿って移動させて凹面1aに貼り付けることができれば構わない。
また、蒸着源22としてAl材料を用い、光学薄膜2を光学反射ミラーとして機能させたが、薄膜材料として、Al以外の金属材料或いは誘電体材料のうち少なくともいずれか一方を用いても構わない。こうすることで、光学薄膜2を、Cr等の金属膜やフィルタ、反射防止膜等として機能させることができる。
また、光学素子1として凹メニスカスレンズを用い、凹面1aに光学的有効面3を形成した場合を例に挙げたが、凸面や平面以外の球面或いは非球面の面に光学的有効面3を形成しても構わない。この場合であっても、光学素子1の中心軸L2に対して高い同軸精度で形成された光学的有効面3を有する光学素子1を得ることができる。
本発明に係る光学的有効面の形成方法により凹面に光学的有効面が形成された光学素子を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は(a)の断面矢視A−A図である。 光学的有効面を形成する際に使用するマスク貼付装置の構成図である。 光学的有効面を形成する際に使用する薄膜形成装置の構成図である。 図2に示すマスク貼付装置の一部拡大図である。 図2に示すマスク貼付装置により光学素子に貼り付けるマスク部材の側面図である。 凹面にマスク部材が貼り付けられた光学素子を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は(a)の断面矢視B−B図である。 光学的有効面が形成された光学素子を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は(a)の断面矢視C−C図である。
符号の説明
L2…光学素子の中心軸
1…光学素子
1a…光学素子の凹面(形成面)
2…光学薄膜
3…光学的有効面
12…上下可動軸(軸体)
30…マスク部材
31…貼付部材

Claims (4)

  1. 平面視円形状の光学素子上に光学的有効面を形成する方法であって、
    前記光学的有効面を形成する形成面を露出させた状態で、前記光学素子を保持する保持工程と、
    平面視円形状のマスク部材を用意した後、該マスク部材を、保持された前記光学素子の中心軸に自身の中心軸を一致させた状態で前記形成面に対向するように配置する配置工程と、
    前記形成面に対向している前記マスク部材の片面に、該マスク部材を形成面に貼り付けるための貼付部材を付与する付与工程と、
    前記マスク部材を前記光学素子の中心軸に沿って移動させた後に前記貼付部材を間に介在させた状態で前記形成面に押し付け、形成面にマスク部材を密着状態で貼り付ける貼付工程と、
    前記マスク部材が貼り付いた前記形成面の全体に薄膜材料を成膜して光学薄膜を形成する成膜工程と、
    前記マスク部材及び前記貼付部材を剥離して、前記形成面に前記光学的有効面を形成する剥離工程と、を備えていることを特徴とする光学的有効面の形成方法。
  2. 請求項1に記載の光学的有効面の形成方法において、
    前記配置工程の際に、前記光学素子の中心軸に一致した軸線に沿って移動可能な軸体の端面上に、前記マスク部材を載置し、
    前記貼付工程の際に、前記軸体を前記光学素子に向けて移動させることで、前記マスク部材を前記形成面に貼り付けることを特徴とする光学的有効面の形成方法。
  3. 請求項1又は2に記載の光学的有効面の形成方法において、
    前記成膜工程の際に、薄膜材料として金属材料或いは誘電体材料のうち少なくともいずれか一方を用いることを特徴とする光学的有効面の形成方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の光学的有効面の形成方法で形成された光学的有効面を有することを特徴とする光学素子。
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