JP3861329B2 - 真空薄膜形成装置及び反射鏡の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、高精度な反射面形状を有する反射鏡の製造方法と、該反射鏡の製造に使用できる真空薄膜形成装置に関するものである。
また、本発明は特に、フォトマスク(マスクまたはレチクル)上の回路パターンをX線光学系を用いたミラープロジェクション方式により投影結像光学系を介してウエハ等の基板上に転写するのに好適なX線投影露光装置に用いられる多層膜X線反射鏡を製造する際のX線反射多層膜を形成する基板となる反射鏡の製造方法ならびに前記多層膜X線反射鏡の製造方法と、前記反射鏡及びX線反射鏡の製造に使用できる真空薄膜形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
可視光領域の光学素子には、主にレンズが用いられているが、X線波長領域では、物質の屈折率が1に近いため、従来のレンズは使用できない。
そこで、X線波長領域では、光学素子として反射鏡が用いられている。さらに、直入射に近い状態で入射するX線をも比較的高い反射率にて反射できる多層膜X線反射鏡(前記反射鏡の反射面にX線反射多層膜を設けたもの)が用いられている。
【0003】
この多層膜X線反射鏡の用途の一つとして半導体製造用の露光装置がある。半導体製造用の露光装置は、物体面としてのフォトマスク(以下、マスクと称する)面上に形成された回路パターンを結像装置を介してウエハ等の基板上に投影転写するものである。基板にはレジストが塗布されており、露光することによりレジストが感光し、レジストパターンが得られる。
【0004】
ところで、露光装置の解像力wは、主に露光波長λと結像光学系の開口数NAで決まり、次式で表される。
w=kλ/NA k:定数
従って、露光装置の解像力を向上させるためには、波長を短くするか、或いは開口数を大きくすることが必要となる。現在、半導体の製造に用いられている露光装置では主に波長365nm のi線を使用しており、開口数約0.5 で0.4 μmの解像力が得られている。
【0005】
開口数を大きくすることは光学設計上困難であることから、解像力を向上させるためには、今後は露光光の短波長化が必要となる。i線より短波長の露光光としては、例えばエキシマレーザーが挙げられ、KrF (波長248nm )では0.25μm、ArF (波長193nm )では0.18μmの解像力が得られる。
また、露光光としてさらに波長の短いX線を用いると、例えば波長13nmで0.1 μm以下の解像力が得られる。
【0006】
露光装置が所望の解像力を有するためには、少なくとも結像光学系が無収差の或いは無収差に近い光学系である必要がある。即ち、結像光学系に収差があるとレジストパターンが形成されないか、或いはレジストパターンの断面形状が劣化して、露光後のプロセスに悪影響を及ぼす他、像が歪んでしまうという問題点が発生する。
【0007】
無収差と同等の性能を得るための収差としては、波長の14分の1 程度以下の値(rms 値)が要求される。従って、波長が短くなる程、収差の値も小さくしなければならない。例えば、露光光がi線の場合、収差は約26nmrms 以下にする必要がある。
無収差の、或いは無収差と同等の性能を有する光学系を作製するためには、該光学系を構成する各光学素子の形状を設計値どおりに加工しなければならない。形状誤差の許容上限値は、収差と比較して少なくとも小さく、また、光学素子の数が多くなるほど、形状誤差の許容上限値は小さくなる。
【0008】
光学素子が全てレンズの場合は、屈折面の数をNとすると、形状誤差は収差の1/N1/2 程度以下の値にしなければならない。例えば露光光がi線の場合、屈折面の数を30とすると、形状誤差の許容上限値は約5nmrmsとなる。
以上のように、無収差の光学系を作製するためには、形状精度の高い光学素子が必要であるが、これまでは高精度な研削加工または研磨加工を行うことにより、無収差光学系を作製することができた。
【0009】
ところが、露光装置の解像度を向上させるため、露光光の波長を短くすると、それに伴って、収差の許容上限値も小さくなる。
例えば、露光光としてX線を使用するX線投影露光装置の場合に、X線波長を13nmとすると、収差の許容上限値は約1nmrmsとなる。この値は、i線における収差の許容上限値(約26nmrms )に比べて非常に小さい。従って、前記X線投影露光装置で使用する光学素子は、さらに形状精度の高いものが要求される。
【0010】
このX線投影露光装置の場合、結像光学系は全て反射鏡により構成される反射光学系であることが好ましい。また、無収差に近い性能を有し、かつ30mm程度の視野を有する結像光学系を得るためには、光学設計の観点から反射鏡は少なくとも4枚必要である。
さらに、縮小光学系の場合には、球面光学系では広視野で収差を小さくすることが困難であるため、非球面光学系が必要になる。非球面光学系としては、例えばオフナー型光学系を改良した光学系が挙げられ、長さ30mm以上の輪帯の視野で所望の収差を得ることができる。この場合、反射面形状は回転対称の非球面となる。
【0011】
ここで、反射鏡の反射面に形状誤差がある場合、反射鏡に入射する光は理想的な反射位置に対して形状誤差分だけ光軸方向にずれた位置で反射する。そのため、反射光の光路は、反射位置のずれ量の2倍だけ光路が長くなるか、或いは短くなる。
従って、X線投影露光装置の縮小結像光学系(反射光学系)における反射面の形状誤差の許容上限値は、各反射鏡で発生する収差の許容上限値の半分となる。従って、反射面の数をNとすると、必要な形状誤差は収差の1/N1/2 ×(1/2)となる。例えば、反射面の数を4とすると、波長13nmにおける形状誤差の許容上限値は0.23nmrms となる。
【0012】
なお、X線露光装置において、光学素子として多層膜X線反射鏡を用いる場合には、多層膜X線反射鏡を高精度に作製しなければならない。この高精度の多層膜X線反射鏡を作製するためには、先ず、高精度な表面形状を有する基板(または基板となる反射鏡)を作製する必要があり、その基板の表面(または基板となる反射鏡の反射面)にX線反射多層膜をコーティングすれば、高精度の多層膜X線反射鏡を作製できることになる。
【0013】
従来の反射鏡や基板(または基板となる反射鏡)は、研磨等の機械加工を高精度に施すことにより作製され、さらに具体的には、機械加工と形状測定を繰り返すことにより、反射面形状を徐々に所望形状に近づけていき、最終的に所望形状の反射面を得ようとしていた。
しかしながら、研磨等の機械加工方法では、前述したようなX線投影露光装置の光学系の反射鏡や基板(または基板となる反射鏡)に要求される高精度な反射面形状を作製することが非常に困難であった。特に、高精度な非球面の反射面形状を作製することができなかった。
【0014】
そこで、高精度な反射面形状を有する反射鏡の製造方法として、真空薄膜形成装置により、所望の反射面形状に対して形状誤差のある表面形状を有する基板の表面上に、薄膜をその膜厚分布を制御して形成することにより、所望の反射面形状を得る方法が実施されている。
図9は、かかる製造方法において用いられる従来の真空薄膜形成装置(一例)の構成(一部)を示すブロック図である。
【0015】
この真空薄膜形成装置は、少なくとも、薄膜の蒸発源11、基板14の保持機構15、蒸発源11から発して前記基板14に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する膜厚補正部材12、基板14を自転させる回転機構13を備えている。
蒸発源11からは蒸発粒子16aが射出し、該蒸発粒子16aは膜厚補正部材12を経て基板14に到達して、基板上に積層される。膜厚補正部材12は蒸発源11から基板14に移動する蒸発粒子の空間分布を制御するものである。
【0016】
膜厚補正部材12は図10に示すように、金属等の板の一部に開口を設けたものであり、基板14と蒸発源11の間に固定されている。つまり、膜厚補正部材12は、入射した蒸発粒子16aの一部を捕獲して、部材12を透過した後の蒸発粒子16bの分布を所望の分布に変換する機能を有する。
図9の真空薄膜形成装置を用いて成膜を行うと、蒸発粒子16aの一部は膜厚補正部材12により捕獲されて、基板14には到達しない。そのため、成膜時に基板14を自転させることにより、図11に示すような中心対称の膜厚分布を有する薄膜17が形成される。
【0017】
ここで、基板14に到達する蒸発粒子の分布は、図10に示すような膜厚補正部材12のエッジ12aの形状を調整することにより制御される。
この様にして、所望の反射面形状に対して形状誤差のある表面形状を有する基板の表面上に、薄膜をその膜厚分布を制御して形成することにより、形状誤差の小さな反射鏡が製造できる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
この方法では、膜厚補正部材が固定されているため、膜厚は膜厚補正部材の円周方向の開口率に応じた量となり、開口率を半径方向に変化させることで所望の膜厚分布を得る。
ところが、エッジ12aの形状に誤差があると、膜厚は所望の値よりも増加あるいは減少してしまい、膜厚の誤差量は円周方向の開口長さに対するエッジの形状誤差量の比に比例することになる。
【0019】
従って、基板の回転中心付近ではエッジの形状誤差が膜厚の誤差に大きく影響してしまう。その結果、基板または反射鏡の形状に誤差が生じてしまうという問題点があった。
さらに、従来の製造方法において所望の膜厚分布を得るためには、膜厚補正部材12の端部12aの形状を曲線にする必要があった。
【0020】
ところが、膜厚補正部材を機械加工等で加工すると、その形状に誤差が生じてしまい、特に曲線形状は高精度に加工することが困難であり、そのため、従来の製造方法では高精度な膜厚分布の制御ができず、形状誤差の大きな基板または反射鏡しか製造することができないという問題点があった。
さらに、従来の方法で製造した形状誤差の大きい基板上に多層膜を成膜して光学素子を作製しても、収差が大きくなってしまい、所望の解像度を得ることができないという問題点があった。
【0021】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、高精度な反射面形状を有する反射鏡の製造方法と、該反射鏡の製造に使用できる真空薄膜形成装置を提供することを目的とする。
また、本発明は特に、X線投影露光装置に用いられる多層膜X線反射鏡を製造する際のX線反射多層膜を形成する基板となる反射鏡の製造方法ならびに前記多層膜X線反射鏡の製造方法と、前記基板となる反射鏡の製造に使用できる真空薄膜形成装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は第一に「真空容器内に配置された基板上に薄膜を形成する真空薄膜形成装置であり、少なくとも、前記基板の回転・保持機構、前記薄膜の材料を蒸発させる蒸発源、及び該蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する膜厚補正部材を備えた真空薄膜形成装置において、
前記膜厚補正部材に所定形状の輪郭部分を設け、かつ、前記膜厚補正部材を
所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて所定方向に直進移動させる機能を有する駆動機構を設けることにより、前記所望の膜厚分布を有する薄膜を形成できるようにしたことを特徴とする真空薄膜形成装置(請求項1)」 を提供する。
【0023】
また、本発明は第二に「真空容器内に配置された基板上に薄膜を形成する真空薄膜形成装置であり、少なくとも、前記基板の回転・保持機構、前記薄膜の材料を蒸発させる蒸発源、及び該蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する膜厚補正部材を備えた真空薄膜形成装置において、
前記膜厚補正部材に所定形状の輪郭部分を設け、かつ、前記回転・保持機構
を所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて所定方向に直進移動させる機能を有する駆動機構を設けることにより、前記所望の膜厚分布を有する薄膜を形成できるようにしたことを特徴とする真空薄膜形成装置(請求項2)」を提供する。
【0024】
また、本発明は第三に「前記膜厚補正部材は、前記回転・保持機構に近接して配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の真空薄膜形成装置(請求項3)」を提供する。
また、本発明は第四に「前記膜厚補正部材は平板状の部材であり、かつ、前記輪郭部分が直線形状であることを特徴とする請求項1〜3記載の真空薄膜形成装置(請求項4)」を提供する。
【0025】
また、本発明は第五に「少なくとも、
所望の反射面形状に近似した反射面形状を有する基板を用意する工程と、
前記基板を回転・保持機構に設置する工程と、
前記所望の反射面形状と前記基板の反射面形状の形状差分布を求める工程と、
真空薄膜形成法により前記基板の反射面に膜厚分布を有する薄膜層を設けて、前記所望の反射面形状を形成する工程であり、
前記蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する部材であり、所定形状の輪郭部分を有する膜厚補正部材を設けて、該膜厚補正部材を前記薄膜層の成膜中に、前記形状差分布と相関がある速度分布を持たせて所定方向に直進移動させることにより、回転している前記基板の反射面に前記形状差分布に相当する膜厚分布を有する薄膜層を形成して、所望形状の反射面を有する反射鏡を作製する工程と、
を備えた反射鏡の製造方法(請求項5)」を提供する。
【0026】
また、本発明は第六に「少なくとも、
所望の反射面形状に近似した反射面形状を有する基板を用意する工程と、
前記基板を回転・保持機構に設置する工程と、
前記所望の反射面形状と前記基板の反射面形状の形状差分布を求める工程と、
真空薄膜形成法により前記基板の反射面に膜厚分布を有する薄膜層を設けて、前記所望の反射面形状を形成する工程であり、
前記蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する部材であり所定形状の輪郭部分を有する膜厚補正部材を設けて、かつ、該基板を前記薄膜層の成膜中に、前記形状差分布と相関がある速度分布を持たせて所定方向に直進移動させることにより、回転している前記基板の反射面に前記形状差分布に相当する膜厚分布を有する薄膜層を形成して、所望形状の反射面を有する反射鏡を作製する工程と、
を備えた反射鏡の製造方法(請求項6)」を提供する。
【0027】
また、本発明は第七に「前記膜厚補正部材は、前記基板に近接して配置されていることを特徴とする請求項5または6記載の製造方法(請求項7)」を提供する。
また、本発明は第八に「前記膜厚補正部材は平板状の部材であり、かつ、前記輪郭部分が直線形状であることを特徴とする請求項5〜7記載の製造方法(請求項8)」を提供する。
【0028】
また、本発明は第九に「i、j、Nを整数とし、
前記蒸発源から見た前記膜厚補正部材の前記輪郭部分の前記基板上への投影ラインが前記基板の回転軸位置から長さRの位置まで移動するように該膜厚補正部材を走査する際の該移動距離RをN等分した各点における該膜厚補正部材の滞在時間を
ベクトルT=(ti ) =(t1 , t2 , ・・・,tN ) とし、
前記基板の半径がRである場合に、該基板表面上において前記回転軸を中心とする同心円であり、R/Nの整数倍の半径をする同心円の複数の輪帯上における前記薄膜層の膜厚をベクトルY=(yi ) =(y1 , y2 , ・・・、yN ) とし、該薄膜層の成膜速度をkとし、行列Aを
とし、行列Aの逆行列をA-1としたときに
前記滞在時間TがT=A-1Y を満たすように前記膜厚補正部材を移動させることを特徴とする請求項8記載の製造方法(請求項9)」を提供する。
【0029】
また、本発明は第十に「i、j、Nを整数とし、
前記蒸発源から見た前記膜厚補正部材の前記輪郭部分の前記基板上への投影ラインが前記基板の回転軸位置から長さRの位置まで移動するように該膜厚補正部材を走査する際の該移動距離RをN等分した各点における該膜厚補正部材の滞在時間を
ベクトルT=(ti ) =(t1 , t2 , ・・・,tN ) とし、
前記基板の半径がRである場合に、該基板表面上において前記回転軸を中心とする同心円であり、R/Nの整数倍の半径をする同心円の複数の輪帯上における前記薄膜層の膜厚をベクトルY=(yi ) =(y1 , y2 , ・・・、yN ) とし、該薄膜層の成膜速度をkとし、行列Bを
とし、行列Bの逆行列をB-1としたときに
前記滞在時間TがT=B-1Y を満たすように前記膜厚補正部材を移動させることを特徴とする請求項8記載の製造方法(請求項10)」を提供する。
【0030】
また、本発明は第十一に「前記所望形状が非球面であり、かつ、前記基板の反射面形状が該非球面に近似の球面または非球面であることを特徴とする請求項5〜10記載の製造方法(請求項11)」を提供する。
また、本発明は第十二に「請求項5〜11記載の製造方法により作製した反射鏡の反射面にさらにX線反射多層膜を設けることによりX線反射鏡とするX線反射鏡の製造方法(請求項12)」を提供する。
【0031】
【発明の実施の態様】
本発明にかかる、少なくとも、基板の回転・保持機構、薄膜の材料を蒸発させる蒸発源、及び該蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する膜厚補正部材を備えた真空薄膜形成装置によれば、前記膜厚補正部材に所定形状の輪郭部分を設け、かつ、前記膜厚補正部材を所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて所定方向に直進移動させる機能を有する駆動機構を設けることにより、前記所望の膜厚分布を有する薄膜を形成できる(請求項1)。
【0032】
また、本発明にかかる、少なくとも、基板の回転・保持機構、薄膜の材料を蒸発させる蒸発源、及び該蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する膜厚補正部材を備えた真空薄膜形成装置によれば、前記膜厚補正部材に所定形状の輪郭部分を設け、かつ、前記回転・保持機構を所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて所定方向に直進移動させる機能を有する駆動機構を設けることにより、前記所望の膜厚分布を有する薄膜を形成できる(請求項2)。
【0033】
そのため、本発明にかかる真空薄膜形成装置を用いて、所望の反射面形状に近似した反射面形状を有する基板に、前記所望の反射面形状と前記基板の反射面形状の形状差分布に相当する膜厚分布を有する薄膜層を設けると、高精度な反射面形状を有する反射鏡を製造することができる。
なお、製造可能な反射鏡には、X線投影露光装置に用いられる多層膜X線反射鏡を製造する際のX線反射多層膜を形成する基板となる反射鏡も含まれる。
【0034】
本発明にかかる膜厚補正部材は、膜厚分布の制御を容易とするために、前記回転・保持機構に近接して配置されていることが好ましい(請求項3、7)。
また、本発明にかかる膜厚補正部材は、平板状の部材であり、かつ、前記輪郭部分が直線形状であることが好ましい(請求項4、8)。かかる構成にすることにより、輪郭形状や部材の高精度な加工が容易となる。
【0035】
また、本発明にかかる、少なくとも、
所望の反射面形状に近似した反射面形状を有する基板を用意する工程と、
前記基板を回転・保持機構に設置する工程と、
前記所望の反射面形状と前記基板の反射面形状の形状差分布を求める工程と、
真空薄膜形成法により前記基板の反射面に膜厚分布を有する薄膜層を設けて、前記所望の反射面形状を形成する工程であり、
前記蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する部材であり、所定形状の輪郭部分を有する膜厚補正部材を設けて、該膜厚補正部材を前記薄膜層の成膜中に、前記形状差分布と相関がある速度分布を持たせて所定方向に直進移動させることにより、回転している前記基板の反射面に前記形状差分布に相当する膜厚分布を有する薄膜層を形成して、所望形状の反射面を有する反射鏡を作製する工程と、
を備えた反射鏡の製造方法によれば、
所望の反射面形状に近似した反射面形状を有する基板に、前記所望の反射面形状と前記基板の反射面形状の形状差分布に相当する膜厚分布を有する薄膜層を設けることが可能であり、その結果、高精度な反射面形状を有する反射鏡を製造することができる(請求項5)。
【0036】
また、本発明にかかる、少なくとも、
所望の反射面形状に近似した反射面形状を有する基板を用意する工程と、
前記基板を回転・保持機構に設置する工程と、
前記所望の反射面形状と前記基板の反射面形状の形状差分布を求める工程と、
真空薄膜形成法により前記基板の反射面に膜厚分布を有する薄膜層を設けて、前記所望の反射面形状を形成する工程であり、
前記蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する部材であり所定形状の輪郭部分を有する膜厚補正部材を設けて、かつ、該基板を前記薄膜層の成膜中に、前記形状差分布と相関がある速度分布を持たせて所定方向に直進移動させることにより、回転している前記基板の反射面に前記形状差分布に相当する膜厚分布を有する薄膜層を形成して、所望形状の反射面を有する反射鏡を作製する工程と、
を備えた反射鏡の製造方法によれば、
所望の反射面形状に近似した反射面形状を有する基板に、前記所望の反射面形状と前記基板の反射面形状の形状差分布に相当する膜厚分布を有する薄膜層を設けることが可能であり、その結果、高精度な反射面形状を有する反射鏡を製造することができる(請求項6)。
【0037】
なお、製造可能な反射鏡には、X線投影露光装置に用いられる多層膜X線反射鏡を製造する際のX線反射多層膜を形成する基板となる反射鏡も含まれる。
また、本発明にかかる製造方法においては、「i、j、Nを整数とし、
前記蒸発源から見た前記膜厚補正部材の前記輪郭部分の前記基板上への投影ラインが前記基板の回転軸位置から長さRの位置まで移動するように該膜厚補正部材を走査する際の該移動距離RをN等分した各点における該膜厚補正部材の滞在時間を
ベクトルT=(ti ) =(t1 , t2 , ・・・,tN ) とし、
前記基板の半径がRである場合に、該基板表面上において前記回転軸を中心とする同心円であり、R/Nの整数倍の半径をする同心円の複数の輪帯上における前記薄膜層の膜厚をベクトルY=(yi ) =(y1 , y2 , ・・・、yN ) とし、該薄膜層の成膜速度をkとし、行列Aを
とし、行列Aの逆行列をA-1としたときに
前記滞在時間TがT=A-1Y を満たすように前記膜厚補正部材を移動させる」ことにより、さらに高精度な反射面形状を有する反射鏡を製造することができるので好ましい(請求項9)。
【0038】
また、本発明にかかる製造方法においては、「i、j、Nを整数とし、
前記蒸発源から見た前記膜厚補正部材の前記輪郭部分の前記基板上への投影ラインが前記基板の回転軸位置から長さRの位置まで移動するように該膜厚補正部材を走査する際の該移動距離RをN等分した各点における該膜厚補正部材の滞在時間を
ベクトルT=(ti ) =(t1 , t2 , ・・・,tN ) とし、
前記基板の半径がRである場合に、該基板表面上において前記回転軸を中心とする同心円であり、R/Nの整数倍の半径をする同心円の複数の輪帯上における前記薄膜層の膜厚をベクトルY=(yi ) =(y1 , y2 , ・・・、yN ) とし、該薄膜層の成膜速度をkとし、行列Bを
とし、行列Bの逆行列をB-1としたときに
前記滞在時間TがT=B-1Y を満たすように前記膜厚補正部材を移動させる」ことにより、同様にさらに高精度な反射面形状を有する反射鏡を製造することができるので好ましい(請求項10)。
【0039】
また、本発明の反射鏡の製造方法は、前記所望形状が非球面であり、かつ、前記基板の反射面形状が該非球面に近似の球面または非球面である場合に用いて好適である(請求項11)。
特に反射面形状が球面の基板を用いると、球面基板は研磨等の機械加工により高精度に加工できるため、本発明にかかる製造方法により高精度に膜厚分布を制御して成膜を行えば、より高精度な非球面の反射面形状を有する反射鏡を製造することができる。
【0040】
また、請求項5〜11記載の製造方法により作製した反射鏡の反射面にさらにX線反射多層膜を設けることによりX線反射鏡を製造することができる(請求項12)。さらに、該X線反射鏡を複数組み合わせることにより、無収差の或いは無収差に近いX線光学系を形成することができる。
本発明にかかる蒸発源は、本発明にかかる高精度な膜厚分布制御を行う上で、高精度な成膜速度制御ができるものが好ましく、例えばイオンビーム等のスパッタ源やEB蒸発源等の蒸発源が好ましい。
【0041】
また、本発明にかかる駆動機構は、膜厚補正部材または基板の回転・保持機構を高精度に位置制御及び移動制御できるものが好ましい。
本発明においては、成膜中に基板の表面(反射面)形状を計測できる機構を設けてもよい(不図示)。
かかる機構を設けることにより、薄膜の形成途中における基板の反射面形状を実時間にてモニターすることにより、所望の反射面形状との形状誤差の変化を追跡して、その値がゼロとするように成膜及び駆動の制御を行うことにより、所望の反射面形状がより正確に形成できる。
【0042】
ここで、本発明にかかる真空薄膜形成装置(一例)と、該装置を用いて反射鏡(例えば、X線投影露光装置に用いられる多層膜X線反射鏡を製造する際のX線反射多層膜を形成する基板となる反射鏡)を製造する方法(一例)を示す(図1、図2参照)。
先ず、図1の真空薄膜形成装置は、少なくとも、基板4の回転・保持機構5、薄膜の材料を蒸発させる蒸発源1、該蒸発源から発して前記基板4に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する膜厚補正部材2、及び該膜厚補正部材2の位置を制御する駆動機構3を有する。
【0043】
ここで、膜厚補正部材2は蒸発源1と基板4の間に配置され、また駆動機構3は、所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて、前記膜厚補正部材を所定方向に直進移動させる機能を有する。
蒸発源1からは蒸発粒子6aが射出され、該蒸発粒子6aは膜厚補正部材2を経て基板4に到達し、積層(成膜)される。基板4は、所望の反射面形状に近似した反射面形状を有する。
【0044】
膜厚補正部材2及び駆動機構3は、蒸発源1から射出して基板4に移動する蒸発粒子の空間分布を制御するものであり、膜厚補正部材2に入射した蒸発粒子6aの一部を捕獲して、膜厚補正部材2を透過した後の蒸発粒子6bの分布を所望の分布にすることができる。
膜厚補正部材2は、蒸発粒子を遮蔽するような材料で構成され、その形状は例えば図3に示すような、少なくとも一つの端部(輪郭部分)2aを有する平板である。
【0045】
蒸着源1を射出した蒸発粒子6aのうち、膜厚補正部材2に遮蔽されなかった蒸発粒子6bは基板4に到達して積層(成膜)される。逆に、膜厚補正部材2に遮蔽された蒸発粒子は基板4には到達しない。
従って、基板表面のうち、部材2に近い遮蔽箇所には蒸発粒子が到達できない。つまり、基板4の一部にのみ薄膜を積層(成膜)させて、その部分の加工量(積層量)を大きくできる。
【0046】
そして、成膜中に基板4を回転・保持機構5により自転させながら、膜厚補正部材2の位置を駆動機構3により所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて移動させると、基板4に到達する蒸発粒子6bの空間分布を時間的に逐次変化させて、基板4の反射面に所望の膜厚分布を有する薄膜層を形成することができる。
【0047】
このとき、基板4の表面に対して概ね平行に膜厚補正部材2を走査すると、膜厚分布の制御が容易に行えるので好ましい。
このようにして行う薄膜層の形成例を図4(断面図)に示す。例えば、駆動機構3により膜厚補正部材2を、基板4の中心から端部へと図4(a)、(b)、(c)に示す順番で走査させることにより、基板全面に膜が形成される。
【0048】
このとき、薄膜層の膜厚分布は膜厚補正部材2の走査速度により制御することができるので、所望の表面形状を得ることができる。
即ち、所望の反射面形状に近似した反射面形状を有する前記基板の反射面に所望の膜厚分布(前記所望の反射面形状と前記基板の反射面形状の形状差分布に相当する膜厚分布)を有する薄膜層を形成して、所望形状の反射面(高精度な反射面)を有する反射鏡を作製することができる。
次に、図2の真空薄膜形成装置は、少なくとも、基板4の回転・保持機構5、薄膜の材料を蒸発させる蒸発源1、該蒸発源から発して前記基板4に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する膜厚補正部材2、及び基板4の位置を制御する駆動機構7を有する。
【0049】
ここで、膜厚補正部材2は蒸発源1と基板4の間に配置され、また駆動機構7は、所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて、基板4を所定方向に直進移動させる機能を有する。
蒸発源1からは蒸発粒子6aが射出され、該蒸発粒子6aは膜厚補正部材2を経て基板4に到達し、積層(成膜)される。基板4は、所望の反射面形状に近似した反射面形状を有する。
【0050】
膜厚補正部材2及び駆動機構7は、蒸発源1から射出して基板4に移動する蒸発粒子の空間分布を制御するものであり、膜厚補正部材2に入射した蒸発粒子6aの一部を捕獲して、膜厚補正部材2を透過した後の蒸発粒子6bの分布を所望の分布にすることができる。
膜厚補正部材2は、蒸発粒子を遮蔽するような材料で構成され、その形状は例えば図3に示すような、少なくとも一つの端部(輪郭部分)2aを有する平板である。
【0051】
蒸着源1を射出した蒸発粒子6aのうち、膜厚補正部材2に遮蔽されなかった蒸発粒子6bは基板4に到達して積層(成膜)される。逆に、膜厚補正部材2に遮蔽された蒸発粒子は基板4には到達しない。
従って、基板表面のうち、部材2に近い遮蔽箇所には蒸発粒子が到達できない。つまり、基板4の一部にのみ薄膜を積層(成膜)させて、その部分の加工量(積層量)を大きくできる。
【0052】
そして、成膜中に基板4を回転・保持機構5により自転させながら、基板4の位置を駆動機構7により所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて移動させると、蒸発粒子6bが到達する基板4上の位置を時間的に逐次変化させて、基板4の反射面に所望の膜厚分布を有する薄膜層を形成することができる。
このとき、膜厚補正部材2の表面に対して概ね平行に基板4を走査すると、膜厚分布の制御が容易に行えるので好ましい。
【0053】
このようにして行う薄膜層の形成例を図4(断面図)に示す。例えば、駆動機構7により基板4を、基板面の半分が膜厚補正部材2上にかかる位置から基板面の全部が膜厚補正部材2上にかかる位置へと図4(a)、(b)、(c)に示す順番で走査させることにより、基板全面に膜が形成される。
このとき、薄膜層の膜厚分布は基板4の走査速度により制御することができるので、所望の表面形状を得ることができる。
【0054】
即ち、所望の反射面形状に近似した反射面形状を有する前記基板の反射面に所望の膜厚分布(前記所望の反射面形状と前記基板の反射面形状の形状差分布に相当する膜厚分布)を有する薄膜層を形成して、所望形状の反射面(高精度な反射面)を有する反射鏡を作製することができる。
本発明にかかる膜厚補正部材2は機械加工等により作製すればよく、その輪郭部2aの形状が高精度に加工されることが好ましい。前述したように、膜厚補正部材が平板状の部材であり、かつ、その輪郭部分が直線形状であれば、輪郭形状や部材の高精度な加工が容易となる。
【0055】
直線状の輪郭部2aを加工する例を図5に示す。膜厚補正部材2を補助部材9により挟んで輪郭部2aを平面研磨すると、輪郭部2aは直線状に研磨される。平面研磨は曲面等の加工に比べて、高精度加工が容易に行えるため、輪郭部2aは高精度な直線形状となる。
次に、輪郭部が直線形状の膜厚補正部材を用いて、本発明により所望の膜厚分布を得る方法を以下に具体的に説明する。
【0056】
図6に示すように、半径Rの基板4面上において、半径Rの円を半径方向にN等分した複数の同心円状の輪帯を考え、円の中心から順に1番目、2番目・・・N番目の輪帯とする。基板4に近接して膜厚補正部材2を、その輪郭部2aの基板上への投影ラインが基板4の回転軸位置から長さRの位置(外周)まで等間隔にNステップ移動し、各ステップの滞在時間をtj (jはN以下の整数)とする。ここで、jは膜厚補正部材2のステップ数(投影ラインが基板4の回転軸位置にあるときが1ステップ目)である。
【0057】
基板4の中心から数えた輪帯の順序をi(iはN以下の整数)として、i番目の輪帯の外側の半径はi/N×Rなので、輪帯の中央部の半径をi番目の輪帯の半径ri とすると、ri =(i−1/2)R/N となる。膜厚補正部材2がjステップ目にあるとき(j番目の輪帯の内周に部材2の輪郭部が接するとき)の部材2の輪郭部2aの位置lj を、
lj =(j−1)R/N
とすると、このときi番目の輪帯において、膜が付着する領域の円弧の張る角θi,j (以下開口角と称する)は
θi,j =2cos-1(lj /ri )
=2cos-1{(j−1)/(i−1/2)} (i≧j)
θi,j =0 (i<j) となる。
【0058】
成膜速度をkとすると、i番目の輪帯に堆積する膜の厚さyo i,j は
yo i,j =0 (i<j)
yo i,j =k(θi,j )tj /2π
=(k/π)cos-1{(j−1)/(i−1/2)}t j (i≧j)
となる。
【0059】
iがjより小さい場合は、輪帯は全てが膜厚補正部材2で遮蔽されるため開口角は0となり、膜は堆積されない。従って、部材2を基板の中心からN番目の輪帯位置まで動かした際の、i番目の輪帯に堆積する膜の厚さyi は
yi =Σ yo i,j =(k/π)Σcos -1{(j-1)/(i-1/2)}tj
(j=1〜N) (j=1〜i)
となる。ここで、二つのベクトルYとTをY=yi = (y1 , y2 , ・・・yN ) 、T=t j =(t1 , t2 , ・・・,tN ) とし、行列Aを
A=(ai,j )
ai,j = 0 (i<j)
ai,j = (k/π)cos-1{(j−1)/(i−1/2)} (i≧j)
とすると、Y=AT となる。
【0060】
この式は、膜厚補正部材の動かし方と薄膜の膜厚分布の関係を与える。従って、行列Aの逆行列をA-1とすると、 T=A-1Y を満たすような膜厚補正部材の滞在時間Tで部材を移動させると、所望の膜厚分布Yが得られ、その結果所望の形状の反射鏡および基板を作製することができる。
そして、これらの式から所望の膜厚分布Yを得るための膜厚補正部材の走査速度を計算することができる。
【0061】
以上、膜厚補正部材を基板の中心から外側へ基板が覆われる方向に走査した場合について説明したが、この場合膜厚は基板の中心から外側に向かって単調増加する。一方、膜厚補正部材を基板の外側から中心に向かって基板が覆われる方向に走査すると、膜厚は基板の中心から外側に向かって単調減少する。以下に、この場合の膜厚補正部材の動かし方について説明する。
【0062】
図7に示すように、半径Rの基板4面上において、半径Rの円を半径方向にN等分した複数の同心円状の輪帯を考え、円の中心から順に1番目、2番目・・・N番目の輪帯とする。基板4に近接して膜厚補正部材2を、輪郭部2aの基板上への投影ラインが基板4の外周から回転軸の位置まで、等間隔でNステップ移動し、各ステップの滞在時間をtj (jはN以下の整数)とする。ここで、jは膜厚補正部材2のステップ数(投影ラインが基板4の回転軸位置にあるときがNステップ目)である。
【0063】
基板4の中心から数えた輪帯の順序をi(iはN以下の整数)として、i番目の輪帯の外側の半径はi/N×Rなので、輪帯の中央部の半径をi番目の輪帯の半径ri とすると、ri =(i−1/2)R/N となる。膜厚補正部材2がjステップ目にあるとき(N−j+1番目の輪帯の内周に部材2の輪郭部が接するとき)の部材2の輪郭部2aの位置lj を、
lj =(N−j)R/N
とすると、このときi番目の輪帯において、膜が付着する領域の円弧の張る角θi,j は
θi,j =2cos-1(−lj /ri )
=2cos-1{(j−N)/(i−1/2)} (i>N−j)
θi,j =2π (i≦N−j) となる。
【0064】
成膜速度をkとすると、i番目の輪帯に堆積する膜の厚さyo i,j は
yo i,j =ktj (i≦N−j)
yo i,j =k(θi,j )tj /2π
=(k/π)cos-1{(j−N)/(i−1/2)}t j (i>N−j)
となる。
【0065】
iがN−j以下の時は、i番目の輪帯は膜厚補正部材2に遮蔽されないため開口角は2πとなり成膜速度はkとなる。従って、部材2をN番目の輪帯位置から基板の中心まで動かした際の、i番目の輪帯に堆積する膜の厚さyi は
yi =Σ yi,j
(j=1〜N)
=k Σtj + (k/π) Σcos -1{(j-N)/(i-1/2)}tj
(j=1〜N-i) (j=N-i+1〜N)
となる。ここで、二つのベクトルYとTをY=yi = (y1 , y2 , ・・・yN ) 、T=t j =(t1 , t2 , ・・・,tN ) とし、行列Bを
B=(bi,j )
bi,j = k (i≦N−j)
bi,j = ( k /π)cos-1{(j−N)/(i−1/2)} (i>N−j)
とすると、Y=BT となる。
【0066】
この式は、膜厚補正部材の動かし方と薄膜の膜厚分布の関係を与える。従って、行列Bの逆行列をB-1とすると、 T=B-1Yを満たすような部材の滞在時間Tで部材を動かすと、所望の膜厚分布Yが得られ、その結果所望の形状の反射鏡および基板を作製することができる。
そして、これらの式から所望の膜厚分布Yを得るための膜厚補正部材の動かし方を計算することができる。
【0067】
これまで述べたように、本発明によれば、膜厚補正部材を基板の中心から外側へ基板が覆われる方向に動かせば膜厚は基板の中心から外側に向かって単調増加し、部材を基板の外側から中心に向かって基板が覆われる方向に動かすと、膜厚は基板の中心から外側に向かって単調減少する。さらに、これらの動きを組み合わせることによって任意の膜厚分布を実現することもできる。
【0068】
膜厚補正部材をステップ状に移動させると、各輪帯における開口角は例えば図8の曲線1に示すようにステップ状に変化する。そこで、開口角を図8の曲線2に概等しく変化させるためには、膜厚補正部材をステップ状ではなく連続的に走査させればよい。
例えば、j番目のステップ位置に部材を滞在させる代わりに、j番目のステップ位置からj+1番目のステップ位置へ移動時間が滞在時間と等しくなるような速度で定速移動させてもよいし、開口角の変化が曲線2を描くように、移動速度を連続的に変化させて膜厚補正部材を走査してもよい。
【0069】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0070】
【実施例1】
図1は本実施例の真空薄膜形成装置の一部構成を示す概略構成図である。
図1の真空薄膜形成装置は、少なくとも、基板4の回転・保持機構5、薄膜の材料を蒸発させる蒸発源1、該蒸発源から発して前記基板4に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する膜厚補正部材2、及び該膜厚補正部材2の位置を制御する駆動機構3を有する。
【0071】
蒸発源には高精度な膜厚制御(成膜速度制御)が可能なイオンビームスパッタ源を用いた。基板4は表面形状が球面であり、研磨加工で作製した直径30mmの石英基板を用いた。
膜厚補正部材2は蒸発源1と基板4の間に基板4に近接して配置され、また駆動機構3は、所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて、前記膜厚補正部材を所定方向に直進移動させる機能を有する。
【0072】
膜厚補正部材2は、厚さ1mm、50×100mm(長方形)のステンレス製の平板であり、その端部(輪郭部)2aは直線形状となっている。
膜厚補正部材2の位置を制御する駆動機構3はスキャンステージであり、部材2を所望の一方向に走査することができる。
本装置を用いて基板4上にSiO2 の薄膜を形成した。成膜の際は、まず膜厚補正部材2の端部2aの基板上への投影ラインが基板4の中心付近となるように配置し、その後、図4に示すように、基板4を自転させながら端部2aが基板4の周辺部に近づく方向に走査した。
【0073】
膜厚補正部材2の走査速度を制御することにより膜厚分布を制御し、所望の膜厚分布を得た。また、成膜の前に表面形状誤差を所望の値以下まで小さくできるような膜厚分布と、そのような膜厚分布を得るための部材2の走査速度をあらかじめ計算しておいた。
この様にして加工した基板の表面形状を干渉計で測定したところ、所望の非球面形状となっており、その表面形状誤差は0.2 nmrms以下となった。
【0074】
また、この基板に多層膜を形成して多層膜反射鏡とし、同様に作製した多層膜反射鏡4枚で結像光学系を構成したところ、その波面収差は1nmrms以下であった。
さらに、この光学系を用いてX線投影露光装置を作製し、レジストを露光したところ、パターンサイズ0.1 μmのレジストパターンが得られた。
【0075】
一方、従来の真空薄膜形成装置で作製した反射鏡で軟X線投影露光装置を作製し、レジストを露光したところ、パターンサイズ0.1 μm のレジストパターンを得ることはできなかった。
【0076】
【実施例2】
図2は本実施例の真空薄膜形成装置の一部構成を示す概略構成図である。
図2の真空薄膜形成装置は、少なくとも、基板4の回転・保持機構5、薄膜の材料を蒸発させる蒸発源1、該蒸発源から発して前記基板4に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する膜厚補正部材2、及び基板4の位置を制御する駆動機構7を有する。
【0077】
蒸発源には高精度な膜厚制御(成膜速度制御)が可能なイオンビームスパッタ源を用いた。基板4は表面形状が球面であり、研磨加工で作製した直径30mmの石英基板を用いた。
膜厚補正部材2は蒸発源1と基板4の間に基板4に近接して配置され、また駆動機構7は、所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて、前記基板の回転・保持機構5を所定方向に直進移動させる機能を有する。
【0078】
膜厚補正部材2は、厚さ1mm、50×100mm(長方形)のステンレス製の平板であり、その端部(輪郭部)2aは直線形状となっている。
基板4の位置を制御する駆動機構7はスキャンステージであり、基板4を所望の一方向に走査することができる。
本装置を用いて基板4上にSiO2 の薄膜を形成した。成膜の際は、まず基板4を遮蔽部材の端部2aの基板上への投影ラインが基板4の中心付近となるように配置し、その後、図4に示すように基板4を自転させながら端部2aが基板4の周辺部に近づくような方向に走査した。
【0079】
基板4の走査速度を制御することにより膜厚分布を制御し、所望の膜厚分布を得た。また、成膜の前に表面形状誤差を所望の値以下まで小さくできるような膜厚分布と、そのような膜厚分布を得るための基板4の走査速度をあらかじめ計算しておいた。
この様にして加工した基板の表面形状を干渉計で測定したところ、所望の非球面形状となっており、その表面形状誤差は0.2 nmrms以下となった。
【0080】
また、この基板に多層膜を形成して多層膜反射鏡とし、同様に作製した多層膜反射鏡4枚で結像光学系を構成したところ、その波面収差は1nmrms以下であった。
さらに、この光学系を用いてX線投影露光装置を作製し、レジストを露光したところ、パターンサイズ0.1 μmのレジストパターンが得られた。
【0081】
一方、従来の真空薄膜形成装置で作製した反射鏡で軟X線投影露光装置を作製し、レジストを露光したところ、パターンサイズ0.1 μm のレジストパターンを得ることはできなかった。
以上の実施例では、非常に高精度な形状が要求される多層膜反射鏡用の基板が成膜対象であったが、この他の基板にも適用可能であり、例えば、形状誤差を有するX線用の全反射鏡やエキシマレーザーステッパー用の反射鏡を基板として用い、同様に所望形状の反射面を形成することができることは言うまでもない。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の真空薄膜形成装置によれば、所望の膜厚分布を有する薄膜を形成することができる。
また、本発明にかかる真空薄膜形成装置を用いて、所望の反射面形状に近似した反射面形状を有する基板に、前記所望の反射面形状と前記基板の反射面形状の形状差分布に相当する膜厚分布を有する薄膜層を設けると、高精度な反射面形状を有する反射鏡を製造することができる。
【0083】
また、本発明の反射鏡の製造方法によれば、高精度な反射面形状を有する反射鏡(例えば、多層膜X線反射鏡を製造する際のX線反射多層膜を形成する基板となる反射鏡)及び該多層膜X線反射鏡を製造できる。
また、本発明により製造した多層膜X線反射鏡を具備したX線投影露光装置は高い解像力を有し、その結果、高いスループットで、マスクのパターンを忠実に基板上に転写することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例1の真空薄膜形成装置の一部構成を示す概略構成図である。
【図2】は、実施例2の真空薄膜形成装置の一部構成を示す概略構成図である。
【図3】は、本発明にかかる膜厚補正部材の一例を示す平面図である。
【図4】は、本発明にかかる成膜の一例を示す概念図であり、図4(a)(b)(c)は、膜厚補正部材または基板を走査することにより基板の一端から他端へ所望の膜厚分布を有する膜が形成される様子を示している。
【図5】は、本発明にかかる膜厚補正部材の端部(輪郭部分)を直線形状に加工する加工例を示す斜視図である。
【図6】は、膜厚補正部材を基板の回転中心から外周へ移動させたときの基板と膜厚補正部材の位置関係を示す説明図である。
【図7】は、膜厚補正部材を基板の外周から回転中心へ移動させたときの基板と膜厚補正部材の位置関係を示す説明図である。
【図8】は、各輪帯における開口角の変化を示すデータ図である。
【図9】は、従来の反射鏡および基板の作製に用いられる真空薄膜形成装置の一部構成を示す概略構成図である。
【図10】は、従来の膜厚補正部材の一例を示す平面図である。
【図11】は、従来の真空薄膜形成装置を用いて作製した反射鏡(基板)の断面図である。
【主要部分の符号の説明】
1・・・蒸発源
2・・・膜厚補正部材
2a・・・膜厚補正部材の端部(輪郭部分)
3・・・膜厚補正部材の駆動機構
4・・・基板
5・・・基板の回転・保持機構
6a、6b・・・蒸発粒子
7・・・基板の駆動機構
8・・・薄膜
9・・・補助部材
11・・・蒸発源
12・・・膜厚補正部材
12a・・・開口部の端部(エッジ)
13・・・基板の回転機構
14・・・基板
15・・・保持機構
16a、16b・・・蒸発粒子
17・・・薄膜
以上
Claims (11)
- 真空容器内に配置された基板上に薄膜を形成する真空薄膜形成装置であり、少なくとも、前記基板の回転・保持機構、前記薄膜の材料を蒸発させる蒸発源、及び該蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する膜厚補正部材を備えた真空薄膜形成装置において、
前記膜厚補正部材に所定形状の輪郭部分を設け、かつ、前記膜厚補正部材を所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて所定方向に直進移動させる機能を有する駆動機構を設けることにより、前記所望の膜厚分布を有する薄膜を形成できるようにしたことを特徴とする真空薄膜形成装置。 - 真空容器内に配置された基板上に薄膜を形成する真空薄膜形成装置であり、少なくとも、前記基板の回転・保持機構、前記薄膜の材料を蒸発させる蒸発源、及び該蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する膜厚補正部材を備えた真空薄膜形成装置において、
前記膜厚補正部材に所定形状の輪郭部分を設け、かつ、前記回転・保持機構を所望の膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて所定方向に直進移動させる機能を有する駆動機構を設けることにより、前記所望の膜厚分布を有する薄膜を形成できるようにしたことを特徴とする真空薄膜形成装置。 - 前記膜厚補正部材は、前記回転・保持機構に近接して配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の真空薄膜形成装置。
- 前記膜厚補正部材は平板状の部材であり、かつ、前記輪郭部分が直線形状であることを特徴とする請求項1〜3記載の真空薄膜形成装置。
- 基板上に所望の膜厚分布を有する薄膜層を設けた光学素子の製造方法であり、
蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する部材であり、所定形状の輪郭部分を有する膜厚補正部材を設けて、該膜厚補正部材を前記薄膜層の成膜中に、前記膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて所定方向に直進移動させることにより、回転している前記基板に前記膜厚分布を有する薄膜層を形成する工程を備えたことを特徴とする光学素子の製造方法。 - 基板上に所望の膜厚分布を有する薄膜層を設けた光学素子の製造方法であり、
蒸発源から発して前記基板に向かう蒸発粒子の一部を遮蔽する部材であり所定形状の輪郭部分を有する膜厚補正部材を設けて、かつ、該基板を前記薄膜層の成膜中に、前記膜厚分布と相関がある速度分布を持たせて所定方向に直進移動させることにより、回転している前記基板に前記膜厚分布を有する薄膜層を形成する工程を備えたことを特徴とする光学素子の製造方法。 - 前記膜厚補正部材は、前記基板に近接して配置されていることを特徴とする請求項5または6記載の製造方法。
- 前記膜厚補正部材は平板状の部材であり、かつ、前記輪郭部分が直線形状であることを特徴とする請求項5〜7記載の製造方法。
- 前記基板上において該基板の回転軸を中心として半径方向の長さRをN等分した同心円状の複数の輪帯を考え、前記蒸発源から見た前記膜厚補正部材の前記輪郭部分の前記基板上への投影ラインが該基板の回転軸位置から順に半径方向にR/Nずつ等間隔でステップ状に移動して前記輪帯の内周に接するように、前記膜厚補正部材を前記基板が覆われる方向に走査する際、
前記膜厚補正部材のステップ数をj(jはN以下の整数)として、前記膜厚補正部材がjステップ目(前記投影ラインが前記基板の回転軸位置にあるときを1ステップ目とする)にあるときの滞在時間をベクトルT=(tj )=(t1 , t2 , ・・・,tN )とし、
前記基板の回転軸位置から数えた前記輪帯の順序をi(iはN以下の整数)として、i番目の輪帯における前記薄膜層の膜厚をベクトルY=(yi )=(y1 , y2 , ・・・、yN )とし、該薄膜層の成膜速度をkとし、行列Aを
A=(ai,j )
ai,j = 0 (i<j)
ai,j = ( k /π)cos-1{(j−1)/(i−1/2)} (i≧j)
とし、行列Aの逆行列をA-1としたときに
前記滞在時間TがT=A-1Yを満たすように前記膜厚補正部材を移動させることを特徴とする請求項8記載の製造方法。 - 前記基板上において該基板の回転軸を中心として半径方向の長さRをN等分した同心円状の複数の輪帯を考え、前記蒸発源から見た前記膜厚補正部材の前記輪郭部分の前記基板上への投影ラインが該基板の回転軸位置から半径方向にRの位置から順に半径方向にR/Nずつ等間隔でステップ状に移動して前記輪帯の内周に接するように、前記膜厚補正部材を前記基板が覆われる方向に走査する際、
前記膜厚補正部材のステップ数をj(jはN以下の整数)として、前記膜厚補正部材がjステップ目(前記投影ラインが前記基板の回転軸位置にあるときをNステップ目とする)にあるときの滞在時間をベクトルT=(tj )=(t1 , t2 , ・・・,tN )とし、
前記基板の回転軸位置から数えた前記輪帯の順序をi(iはN以下の整数)として、i番目の輪帯における前記薄膜層の膜厚をベクトルY=(yi )=(y1 , y2 , ・・・、yN )とし、該薄膜層の成膜速度をkとし、行列Bを
B=(bi,j )
bi,j = k (i≦N−j)
bi,j = ( k /π)cos-1{(j−N)/(i−1/2)} (i>N−j)
とし、行列Bの逆行列をB-1としたときに
前記滞在時間TがT=B-1Yを満たすように前記膜厚補正部材を移動させることを特徴とする請求項8記載の製造方法。 - 前記光学素子がX線反射鏡であることを特徴とする請求項5〜10記載の製造方法。
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