JP5043755B2 - 樹脂材料検査装置およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、押出成形や射出成形等に用いるペレット状態の樹脂材料(樹脂ペレット)を加熱加圧成形することによって作製された(例えば10分の数mm厚の)検査用の樹脂シートに対し、樹脂シート上または樹脂シート内部にある黒色異物(例えば、ペレット作成時の熱等によって樹脂材料が炭化したもの;いわゆる「焼け」)、ピンホール、傷等の欠陥を検査することによって樹脂材料の欠陥を検査するための樹脂材料検査装置およびプログラムに関するものである。
押出成形や射出成形等の成形に用いる樹脂ペレットの製造方法においては、一般的に、ペレット成形(ペレタイジング)時に成形機内の局所的な温度上昇によって樹脂のごく一部が炭化し、この炭化した樹脂がある程度の割合で黒色異物として樹脂ペレットに混入することが多い。混入した黒色異物の量がある程度以上になると、樹脂ペレットを用いて成形した成形品が着色してしまい、不良品となる。
そこで、樹脂ペレットについては、製造後に黒色異物がある程度以上含まれていないかを検査し、黒色異物がある程度以上含まれている樹脂ペレットを不良品として取り除く必要がある。
樹脂ペレット中の黒色異物をそのままで検査することは、照明方法が非常に難しいなどの理由から、困難である。
そこで、従来より、樹脂ペレットの検査方法として、樹脂ペレットを加熱加圧成形することによって検査用の樹脂シートに加工し、その樹脂シートにおける黒色異物等の欠陥の数を人間が目視で数える(例えば所定面積当たりの数を数える)ことによって樹脂ペレットが良品であるか不良品であるかを検査する方法が知られている。
しかしながら、上記従来の目視で欠陥の数を数える方法は、検査に時間がかかる、検査に手間がかかる、小さい欠陥を見落とす可能性がある、などの問題がある。
そこで、本願発明者等は、これらの問題を解決するために、樹脂シートを撮影装置で撮影して樹脂シートの画像データ中の欠陥を検査する樹脂材料検査装置によって、検査を自動化することを検討した。
しかしながら、本願発明者等の検討の結果、単に樹脂材料検査装置を用いて検査を自動化するだけでは、以下の問題があることが判明した。
検査用の樹脂シートは、製品ではなくその後に成形品(製品)に成形されるため、寸法精度が低くともよい。そのため、検査用の樹脂シートの加熱加圧成形は、寸法精度を気にせずに行われることも多い。また、加熱加圧成形に用いる樹脂ペレット量(重量)が、品種あるいは規格によって異なる場合もある。そのため、加熱加圧成形における加圧の程度のばらつきなどに起因して、検査用の樹脂シートの厚さは樹脂シート間でのばらつきが大きい。そのため、樹脂シートの透過光像の平均的な明るさが樹脂シート間で大きく異なる。その結果、撮影装置による撮影を同じ撮影条件(露光時間や光源の明るさなど)で行っても、樹脂シート間で検査基準が異なることになる。そのため、樹脂シート間で検査基準を揃えることが求められる。
また、同じ種類の樹脂シートの検査を複数の樹脂材料検査装置で行う場合、例えば同一工場で複数の樹脂材料検査装置を用いて同じ種類の樹脂シートの検査を行う場合、樹脂材料検査装置間での撮影装置の特性の違い、例えば光源の明るさの違い等に起因して、樹脂材料検査装置間で検査基準の差が生じる可能性がある。そのため、樹脂材料検査装置間での検査基準の差をなくす、すなわち異なる樹脂材料検査装置で同じ樹脂シートを検査したときに同じ検査結果が得られるようにすることが求められる。
また、同一の樹脂材料検査装置で樹脂シートの検査を繰り返し行う場合にも、撮影装置の経時的な特性変化(光源の明るさの経時的な劣化など)に起因して、検査基準が変動する可能性がある。そのため、経時的な検査基準の変動をなくすことが求められる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ペレット状態の樹脂材料を加熱加圧成形することによって作製された検査用の樹脂シートの透過光像を撮影装置で撮影し、撮影によって得られた画像データに基づいて樹脂材料の欠陥(異物、傷、ピンホールなど)の検査を行う樹脂材料検査装置において、樹脂シート間での厚みのばらつき、樹脂材料検査装置間での撮影装置の特性(光源の明るさ等)のばらつき、撮影装置の特性の経時変化等によらず、一定の検査基準で検査を行うことができる樹脂材料検査装置およびそれに用いるプログラムを提供することにある。
本発明に係る樹脂材料検査装置は、上記課題を解決するために、ペレット状態の樹脂材料を加熱加圧成形することによって作製された検査用の樹脂シートの透過光像を撮影して上記樹脂シートの画像データを得る撮影装置と、上記樹脂シートの画像データを解析して上記樹脂シートの欠陥を検出することによって、上記樹脂材料の欠陥を検出する欠陥検出部とを備える樹脂材料検査装置であって、上記樹脂シートの画像データの少なくとも一部の領域内における画素の平均輝度値と、予め設定された基準輝度値とを比較する比較部と、上記比較部における比較の結果に基づいて、上記撮影装置の露光時間を変更する制御部とをさらに備え、上記欠陥検出部が、露光時間が変更された後の撮影装置によって得られた画像データを解析することを特徴としている。
上記の構成によれば、樹脂シートの画像データの少なくとも一部の領域内における画素の平均輝度値と、予め設定された基準輝度値とを比較し、その比較の結果に基づいて撮影装置の露光時間を変更する。そして、露光時間が変更された後の撮影装置によって得られた画像データに基づいて樹脂シートの欠陥を検出する。そのため、樹脂シート間での厚みのばらつき、樹脂材料検査装置間での撮影装置の特性のばらつき、撮影装置の特性の経時変化等によらず、欠陥の検査に用いられる樹脂シートの画像データの平均輝度をほぼ一定に保つことができる。例えば厚い樹脂シートを撮影した場合であっても薄い樹脂シートを撮影した場合であっても、ほぼ同じ平均輝度の画像データを用いて欠陥の検査を行うことができる。その結果、樹脂シート間での厚みのばらつき、樹脂材料検査装置間での特性のばらつき、樹脂材料検査装置の特性の経時変化等によらず、一定の検査基準で検査を行うことができる。
なお、本願発明における撮影装置の露光時間の調整は、単なる撮影装置の校正とは本質的に異なるものである。撮影装置の校正は、標準板を撮影して標準板が同じ明るさに写るように行われるものである。撮影装置の校正を行った場合、撮影装置間の特性差や撮影装置の特性の経時変化による撮影条件のばらつきはなくなるが、異なる厚みを持つ樹脂シートの透過光像を撮影したときには、必ず異なる明るさの画像データが得られ、同じ明るさの画像データを得ることはできない。
本発明に係る樹脂材料検査装置は、上記欠陥検出部による画像データの解析前に、上記画像データの高周波成分を抽出する高周波成分抽出部をさらに備えることが好ましい。
樹脂ペレットを熱でプレスすることによって作製された樹脂シート(ワーク)は、一般に、最終製品ではなく、後の工程で再度成形されるため、無造作に(寸法精度などを気にすることなく)プレスされている。そのため、樹脂シートは、一般に、1枚の樹脂シート内で厚みのむらがある。その結果として、上記樹脂シートの画像データには、一般に、図10に示すように、樹脂シート上または樹脂シート中に存在する欠陥(異物など)の画像に加えて、樹脂シートの地模様(1枚の樹脂シート内における、厚みムラに起因する濃淡ムラ)が含まれている。欠陥は検出対象であるが、地模様は検出対象外である。1枚の樹脂シート内における地模様の輝度差は、一般に、欠陥の部分での輝度差(欠陥部とその周囲部分との輝度差)と同レベル以上である。そのため、上記樹脂シートの画像データをそのまま解析すると、欠陥の画像がノイズである地模様に埋もれて、欠陥を正確に検出できない恐れがある。
そこで、上記構成では、上記画像データの解析前に、上記画像データから画像データの高周波成分を抽出する。地模様は大きなうねりのような輝度変化を示すために低周波成分として画像データに含まれ、欠陥の画像(欠陥部とその周囲部分との輝度差)は高周波成分として画像データに含まれるので、高周波成分を抽出することで、樹脂シートの地模様が除去され(引き算され)、欠陥の画像のみを取り出すことができる。その結果、欠陥の画像のみを含む画像データに基づいて、樹脂材料の欠陥を正確に検査することができる。
なお、画像データの高周波成分を抽出する方法としては、公知の種々の方法を用いることができるが、フーリエ変換や低次の多項式フィッティングなどが好適である。
本発明に係る樹脂材料検査装置は、上記欠陥検出部で検出された欠陥の大きさおよび濃度を検出欠陥データとして求め、求められた検出欠陥データを、面積および濃度をそれぞれ座標軸とする座標平面にマッピングする濃度・面積計測部と、上記マッピングされた座標平面を複数の領域に分割し、各領域に属する欠陥の数を計数する領域別欠陥計数部と、上記領域別欠陥計数部で計数された各領域の欠陥の数と予め設定された各領域の上限欠陥数とを比較し、この比較の結果に基づいて樹脂材料が良品か不良品かを判定する良否判定部とをさらに備えることが好ましい。
一般に、樹脂シートの1個の欠陥が直ちに樹脂材料の品質不良になるわけではなく、樹脂シート全体での欠陥の総量で評価すべきである。そのため、樹脂シートを成形して成形品としたときに成形品に悪影響を及ぼす程度(危険度)に基づいて樹脂材料が良品か不良品かを判定することが求められる。成形品に悪影響を及ぼす程度に基づいて樹脂材料が良品か不良品かを判定するには、単に欠陥個数を計数するのではなく、面積別の欠陥数の分布および濃度別の欠陥数の分布を考慮すべきである。面積が大きく濃度が高い欠陥は、1つの欠陥が成形品に与える悪影響が大きいので、非常に少ない数であっても許容できない悪影響を成形品に与える。また、面積が小さく濃度が低い欠陥は、1つの欠陥が成形品に与える悪影響が比較的小さいので、比較的多い数であっても許容できない悪影響を成形品に与えない。また、面積が大きく濃度が低い欠陥や、面積が小さく濃度が高い欠陥は、1つの欠陥が成形品に与える悪影響が中程度である。
そこで、上記構成では、上記欠陥検出部で検出された欠陥の大きさ(面積や画素数等)および濃度(輝度の低さ)を検出欠陥データとして求める。そして、求められた検出欠陥データを、面積および濃度をそれぞれ座標軸とする座標平面(例えば、横軸を面積とし、縦軸を濃度とする座標平面)にマッピングする。これにより、面積別および濃度別における欠陥数の分布を示す座標平面(マップ)が得られる。さらに、上記座標平面(マップ)を複数の領域に分割し、各領域に属する欠陥の数を計数する。そして、計数された各領域の欠陥の数と予め設定された各領域の上限欠陥数とを比較し、この比較の結果に基づいて樹脂材料が良品か不良品かを判定する。
これにより、欠陥の面積および濃度に応じて異なる判定基準で樹脂材料が良品か不良品かを判定できる。例えば、面積が大きく濃度が高い欠陥については欠陥数が比較的少なくとも樹脂材料を不良品と判定し、面積が小さく濃度が低い欠陥については欠陥数が比較的多くとも樹脂材料を良品と判定し、面積が大きく濃度が低い欠陥や面積が小さく濃度が高い欠陥については、良品/不良品の判定基準を前2種の欠陥の判定基準の中間とする。その結果、樹脂シートを成形して成形品としたときに成形品に悪影響を及ぼす程度をより正確に反映した判定基準(欠陥の総量に相当する基準)で樹脂材料が良品か不良品かを判定できる。すなわち、良品/不良品の判定をより正確に行うことができる。
なお、上記座標平面(マップ)を複数の領域に分割する方法としては、面積および濃度の両方に閾値を設定してマトリクス状に領域分割を行う方法、面積および濃度の加重平均に閾値を設定して領域分割を行う方法などが考えられる。また、計数された各領域の欠陥の数と予め設定された各領域の上限欠陥数との比較の結果に基づいて樹脂材料が良品か不良品かを判定する方法としては、1つの領域でも計数された欠陥数が上限欠陥数を超えていれば樹脂材料が不良品であると判定する方法が好ましい。
本発明に係る樹脂材料検査装置は、上記撮影装置が、樹脂シートを照明する光源を含み、上記光源を用いて行われた最初の検査に用いられた画像データの露光時間と、上記光源を用いて行われた最近の1回または複数回の検査に用いられた画像データの露光時間との比に基づき、光源の劣化を診断する光源劣化診断部がさらに備えられている構成であることが好ましい。
本発明の樹脂材料検査装置では、樹脂シートの画像データの少なくとも一部の領域内における画素の平均輝度値と、予め設定された基準輝度値との比較の結果に基づいて、露光時間を変更するので、光源が劣化すると、露光時間がその劣化の程度に応じて変化することになる。
上記構成では、これを利用して光源の劣化を診断する。すなわち、上記構成によれば、上記光源を用いて行われた最初の検査に用いられた画像データの露光時間と、上記光源を用いて行われた最近の1回または複数回の検査に用いられた画像データの露光時間との比に基づき、光源の劣化を診断する。これにより、オペレータが光源の交換時期を知ることができ、ひいては光源の劣化による画像データの輝度の低下を抑制することができる。
本発明に係る樹脂材料検査装置は、上記欠陥検出部で検出された欠陥の数を計数する欠陥計数部と、上記欠陥計数部による欠陥数の計数前に、上記画像データ内で予め設定された基準個数以上の複数の欠陥候補が予め設定された基準密度以上で密集している場合に、それらの欠陥候補を統合して1つの欠陥とする密集欠陥統合部とをさらに備えることが好ましい。
上記欠陥検出部による検出の際には、本来1個の欠陥が多数の微小欠陥の密集として検出されることがある。そのため、上記欠陥検出部における欠陥検出結果をそのまま用いて欠陥の数を計数した場合、計数された欠陥の数に誤りが生じる(本来よりも多く計数されてしまう)ことがある。
上記構成によれば、欠陥数の計数前に、上記画像データ内で予め設定された基準個数以上の複数の欠陥候補が予め設定された基準密度以上で密集している場合に、それらの欠陥候補を統合して1つの欠陥とするので、本来1個の欠陥が多数の微小欠陥の密集として計数されることを避けることができ、欠陥数の計数精度を向上できる。
本発明によれば、以上のように、樹脂シート間での厚みのばらつき、樹脂材料検査装置間での撮影装置の特性(光源の明るさ等)のばらつき、撮影装置の特性の経時変化等によらず、一定の検査基準で検査を行うことができる樹脂材料検査装置およびそれに用いるプログラムを提供できる。
本発明の一実施形態について図1ないし図13に基づいて説明すると以下の通りである。すなわち、
本実施形態に係る樹脂材料検査装置は、押出成形や射出成形等に用いるペレット状態の樹脂材料を加熱加圧成形することによって作製された検査用の樹脂シートの欠陥を検査することによって、上記樹脂材料の欠陥を間接的に検査するものである。検査対象の樹脂材料は、加熱加圧成形が可能な樹脂材料であれば特に限定されるものではなく、種々の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
図2に示すように、樹脂材料検査装置20は、撮影装置12と、画像解析・制御装置(制御部および画像解析部)13とを備えている。
撮影装置12は、撮影ボックス1と、ライトボックス6と、エリアカメラ14とを備えている。
撮影ボックス1は、検査対象である検査用の樹脂シート(ワーク)がその内部に配置され、撮影空間への外光の侵入を遮断し撮影空間を暗空間とするためのものである。
ライトボックス6は、その内部に交換可能に取り付けられた図示しないランプ(光源)によって、ランプ樹脂シートにおけるエリアカメラ14に対向する面の裏面側から樹脂シートを照明するためのである。ライトボックス6は、その観察面寸法が樹脂シートの寸法より大きいことが好ましい。なお、光源としては、ライトボックス6以外の面光源を用いてもよく、1つまたは複数の線光源や点光源を用いてもよいが、樹脂シートを均一に照明できることから面光源を用いることが好ましい。
エリアカメラ14は、エリアカメラ本体2と、カメラ電源ケーブル3と、カメラ電源4と、樹脂シートからの光をエリアカメラ本体2内の撮像素子上へ集光するために、エリアカメラ本体2における採光側に取り付けられたレンズ5とを備えている。
エリアカメラ本体2は、可変の露光時間(シャッタースピード)で、樹脂シートの透過光像(樹脂シートにおけるエリアカメラ14に対向する面の裏面から樹脂シートにおけるエリアカメラ14に対向する面へと樹脂シート中を透過する光の像)を撮影して樹脂シートの2次元画像データを得るためのものである。エリアカメラ14は、コンピュータ10上で実行されるソフトウェアから露光時間を変更できるものであれば、特に限定されるものではない。本実施形態では、画像データの明暗(輝度)に基づいて欠陥を検査するので、エリアカメラ14は、白黒の画像データを取得するカメラ(白黒カメラ)でよいが、カラー画像を取得するカメラであってもかまわない。また、エリアカメラ14の解像度(有効画素数)は、検出したい欠陥のサイズと、適切な撮影領域(カメラ視野)とから適宜決定すればよい。本実施形態では、検出したい欠陥のサイズが100μm程度であることから、エリアカメラ14の分解能を50μm/画素としている。また、エリアカメラ14の撮影領域は、広ければ広いほど望ましいが、広いほどコストが高くなり、数10mm四方あれば実用に耐えうると考えられる。そこで、本実施形態では、50μm/画素の分解能で80mm×63mmの領域を撮影できるエリアカメラ14(撮影画像サイズ:1600×1263画素)を使用している。また、エリアカメラ14は、露光時間の最適化処理が短時間で完了するように、また、複数の樹脂シートの検査を短時間で行うことができるように、1秒間での連続撮影枚数が10枚以上(例えば15枚)であることが好ましい。また、エリアカメラ本体2は、画像処理に適した正方格子画素配列CCDを撮像素子として用いたものであることが好ましい。なお、エリアカメラ本体2で取得される画像データのビット数は、欠陥の濃度を十分正確に表すことができる程度のビット数であれば特に限定されるものではなく、8ビットであってもよく、8ビットを超えるビット数(例えば10ビットや12ビット)であってもよい。また、欠陥の濃度を測定しないのであれば、画像データのビット数は、8ビット未満であってもよい。
エリアカメラ本体2は、カメラ信号ケーブル7を介して後述する画像入力ボード8と接続されている。エリアカメラ本体2は、特に限定されるものではないが、転送速度の速い接続規格(例えばカメラリンク)の仕様であり、その転送速度の速い接続規格(例えばカメラリンク)で画像入力ボード8と接続されていることが好ましい。取得した樹脂シートの画像データをカメラ信号ケーブル7を介して画像入力ボード8へと出力すると共に、後述する解析・制御用パーソナル・コンピュータ10から出力された制御信号(トリガ信号)を受け取り、制御信号を受け取った時に制御信号に従った露光時間で撮影動作を行う。
カメラ電源4は、コンセントから供給される交流電源電圧(例えば日本の家庭用コンセントから供給される100V、50/60Hzの交流電圧)をエリアカメラ本体2に応じた直流電源電圧(例えば12V)に変換してカメラ電源ケーブル3を介してエリアカメラ本体2へ供給するためのものである。
レンズ5は、メガピクセル対応である超高解像力のレンズであることが好ましい。レンズ5の焦点距離が長すぎると、検査用の樹脂シート(ワーク)とレンズ5先端との距離(作業距離;working distance)が長くなり、樹脂材料検査装置20のサイズが大きくなり、樹脂材料検査装置20を卓上装置とすることができなくなる。逆に、レンズ5の焦点距離が短すぎると、画角が大きくなりすぎ、画像の周辺に歪が生じる。そのため、レンズ5の焦点距離は、これらの点を考慮した適度な距離、例えば25mmとすることが好ましい。レンズ5の焦点距離が25mmの場合、作業距離が400mm程度となり、樹脂材料検査装置20を卓上装置とすることができる。レンズ5は、単焦点レンズであってもよく、ズームレンズであってもよい。レンズ5がズームレンズである場合、例えば一時的に焦点距離を長くして、高倍率(狭視野)で撮影することも可能になる。
画像解析・制御装置(制御部および画像解析部)13は、解析・制御用パーソナル・コンピュータ10、画像入力ボード(キャプチャボード)8、およびシリアルケーブル9を備えている。
画像入力ボード8は、エリアカメラ本体2から出力された画像データをカメラ信号ケーブル7経由で取り込み、解析・制御用パーソナル・コンピュータ10内部のバスを介して解析・制御用パーソナル・コンピュータ10の画像取得部(後述)へと送るものである。画像入力ボード8は、100万画素以上(例えば200万画素)の解像度の画像データを10フレーム/秒以上(例えば30フレーム/秒)の速度で取り込むことが可能であることが好ましい。画像入力ボード8は、解析・制御用パーソナル・コンピュータ10の拡張スロット(例えばPCIスロット)に取り付けられている。
シリアルケーブル9は、画像入力ボード8と解析・制御用パーソナル・コンピュータ10のシリアルポートとをシリアル接続(RS−232接続)するものである。シリアルケーブル9は、エリアカメラ本体2のパラメータ設定(本実施形態では露光時間変更)を行うための制御信号を解析・制御用パーソナル・コンピュータ10から画像入力ボード8へ出力するためのものである。
解析・制御用パーソナル・コンピュータ10は、ハードウェア構成としては、画像処理ライブラリおよび樹脂材料評価・制御ソフトウェア(プログラム)が格納された記憶装置と、画像処理ライブラリおよび樹脂材料評価・制御ソフトウェアを一時的に読み込むメモリと、メモリに読み込まれた画像処理ライブラリを利用しながらメモリに読み込まれた樹脂材料評価・制御ソフトウェアを実行するプロセッサ(CPU)と、入力装置と、表示装置とを備えている。解析・制御用パーソナル・コンピュータ10としては、例えばWindows(登録商標)NT/2000/XPがインストールされた市販のパーソナル・コンピュータを用いることができる。
本実施形態の樹脂材料検査装置20は、上記構成を備えているため、コンパクトで使い勝手の良い検査装置である。
次に、解析・制御用パーソナル・コンピュータ10の内部構成について、図1のブロック図に基づいて説明する。なお、図1における表示装置と入力装置とを除く各ブロックは、樹脂材料評価・制御ソフトウェアに含まれる種々のルーチンをプロセッサが実行することによって実現される機能ブロックであり、ハードウェアとして互いに分離されているものではない。
解析・制御用パーソナル・コンピュータ10は、図1に示すように、画像取得部31と、平均輝度算出部32と、比較部33と、撮影装置制御部(制御部)34と、露光時間比較部(光源劣化診断部)35と、ランプ劣化警告発生部36と、高周波成分抽出部37と、輝度補正部38と、濃度・面積計測部(欠陥検出部、濃度・面積計測部)39と、密集欠陥統合部40と、虚報除去部41と、欠陥個数計数部(領域別欠陥計数部、欠陥計数部)42と、合否判定部(良否判定部)43と、保存処理部44と、ハードディスクや半導体メモリ等の記憶装置45と、マウスやキーボード等の入力装置46と、表示装置47とを備えている。
次に、樹脂材料検査装置20を用いた樹脂材料検査方法について説明する。
この樹脂材料検査方法では、撮影装置12で検査用の樹脂シートを撮影することによって樹脂シートの画像データを取得し、画像解析・制御装置13で、樹脂シートの欠陥を検出し、検出された全ての欠陥について面積(大きさ)および濃度(濃さ)を計測し、面積別および濃度別に欠陥個数を計数する。そして、画像解析・制御装置13で、それらの欠陥個数に基づいて樹脂材料が不良品であるか否かの判定(合否判定)を行う。なお、以下の説明では、樹脂シート上または樹脂シート内部に存在する黒色異物(黒点)を欠陥として検出するものとする。
次に、上記樹脂材料検査方法を、図1〜図7および図13に基づいて説明する。なお、以下の説明では、画像データは、8ビット(256階調)グレースケールのモノクロ画像データであり、各画素の輝度値(光強度値)は0〜255の値をとるものとする。
まず、オペレータが、ライトボックス6のスイッチを操作してライトボックス6を点灯させ、入力装置46を操作して検査を開始する指示を解析・制御用パーソナル・コンピュータ10に入力すると、撮影装置制御部34が、入力装置46からこの指示を受け取り、予め設定された標準の露光時間で撮影を行うよう指示する制御信号(トリガ信号)を画像入力ボード8経由でエリアカメラ14へと送る。この制御信号に応答して、エリアカメラ14は、標準の露光時間で樹脂シートの透過光像を撮影して、樹脂シートの画像データを取得して画像入力ボード8へと出力する。このとき、エリアカメラ14は、画像データに露光時間の情報を含めて画像入力ボード8へと出力する。画像取得部31は、エリアカメラ14から出力された画像データを画像入力ボード8経由で取得し(S1)、平均輝度算出部32へ送る。
次に、平均輝度算出部32は、上記画像データの少なくとも一部の領域(全域、所定位置の一部領域など)内における画素の輝度値の平均(平均輝度値)を算出し(S2)、平均輝度値を比較部33へ送る。平均輝度値が基準輝度値(後述)よりも低い画像データの例を1次元に変換して図4に波形bとして示す。なお、図示のために検出欠陥データを1次元に変換した結果を示したが、検出欠陥データを1次元に変換する処理は必要ではない。
比較部33は、上記平均輝度を予め設定された基準輝度値と比較し、上記平均輝度値が基準輝度値とほぼ等しいかを判定する(S3)。より詳細には、比較部33は、上記平均輝度値と基準輝度値との誤差が予め設定された値(許容誤差)以下であるかを判定する。
比較部33による判定の結果、上記平均輝度値と基準輝度値との誤差が予め設定された値(許容誤差)を超えていれば(S3のNO)、比較部33が上記平均輝度値と基準輝度値との比較結果を撮影装置制御部34へと出力し、S4へ進む。比較部33は、比較結果として、例えば基準輝度値に対する平均輝度値の比(平均輝度値/基準輝度値)、平均輝度値から基準輝度値を減算した値などを出力することができる。
撮影装置制御部34は、比較部33から比較結果を受け取ると、比較結果に基づいて、平均輝度値が基準輝度値より低い場合には露光時間が長くなるように、平均輝度値が基準輝度値より高い場合には露光時間が短くなるようにエリアカメラ14の露光時間を変更する。例えば、比較部33が比較結果として基準輝度値に対する平均輝度値の比を出力する場合、撮影装置制御部34は、その比に基づいて、その比の逆数の割合でエリアカメラ14の露光時間を変更する。すなわち、基準輝度値に対する平均輝度値の比をnとすれば、エリアカメラ14の露光時間を(1/n)倍とする。また、比較部33が平均輝度値から基準輝度値を減算した値を比較結果として出力する場合、撮影装置制御部34は、この減算値に基づいてエリアカメラ14の露光時間を変更してもよい。撮影装置制御部34は、変更後の露光時間で撮影を行うよう指示する制御信号(トリガ信号)を画像入力ボード8経由でエリアカメラ14へと送る。この制御信号に応答して、エリアカメラ14が、変更後の露光時間で樹脂シートの透過光像を撮影し、画像データを画像入力ボード8経由で画像取得部31へ出力し、S1〜S3の処理が再度行われる。
その後、S3で上記平均輝度値と基準輝度値との誤差が予め設定された値を超えていれば(S3のNO)、その誤差が予め設定された値以下となるまで、エリアカメラ14による撮影およびS1、S2、S4の処理が繰り返される。
比較部33による判定の結果、上記平均輝度値と基準輝度値との誤差が予め設定された値以下であれば(S3のYES)、比較部33が画像データを露光時間比較部35へと送り、S5へ進む。
以上のようにして、必要に応じて上記平均輝度値と基準輝度値との誤差が予め設定された値以下となるようにエリアカメラ14の露光時間が変更された後、露光時間が変更された後のエリアカメラ14によって得られた画像データが、解析対象の画像データとして露光時間比較部35へと送られる。それゆえ、樹脂シート間での厚みのばらつき、樹脂材料検査装置間での特性のばらつき、樹脂材料検査装置20の特性の経時変化等によらず、一定の検査基準で検査を行うことができる。
図4の波形bに相当する画像データが得られた後、S4の処理によって露光時間が延長された結果として平均輝度値が基準輝度値(後述)とほぼ等しくなった画像データの例を1次元に変換して図4に波形aとして示す。
S1〜S4の処理による効果について、具体例を挙げてさらに詳細に説明する。一例として、標準厚さの樹脂シートS1と、標準厚さの約2倍の厚みを有する樹脂シートS2とを検査するものとする。そして、樹脂シートS1に2種類の欠陥AおよびBがあり、樹脂シートS2に、欠陥Aと同程度の欠陥A’、および欠陥Bと同程度の欠陥B’があるものとする。
ライトボックス6の照明強度を1とし、樹脂シートS1の透過率を0.6とすれば、樹脂シートS2の透過率は、樹脂シートS1の透過率の2乗、すなわち0.36となる。また、欠陥AおよびA’の透過率をr1(0<r1<1)、欠陥BおよびB’の透過率をr2(0<r2<1、r2<<1)とする。欠陥AおよびA’は、ある程度の光透過がある欠陥(薄い焼けに相当)である。欠陥BおよびB’は、濃い焼けであり、光をほとんど遮光するものである。ただし、画像データにおいては、欠陥BおよびB’の輝度は、撮像素子(例えばCCD素子)の暗電流に起因して完全にゼロにはならない。
露光時間を調整しない状態の画像データでは、樹脂シートS1の地模様(欠陥以外の部分)の光強度(輝度)が0.6となるのに対して、樹脂シートS1の欠陥Aの光強度は0.6×r1となる。樹脂シートS1を撮影したときの画像データを1次元に変換して得られる波形(プロファイル)を図13(a)に示す。また、露光時間を調整しない状態の画像データでは、樹脂シートS2の地模様(欠陥以外の部分)の光強度レベル(輝度)が0.36となるのに対して、樹脂シートS2の欠陥A’の光強度レベルは0.36×r1、樹脂シートS2の欠陥B’の光強度レベルは0.36×r2となる。調整前の露光時間で樹脂シートS2を撮影したときの画像データを1次元に変換して得られる波形(プロファイル)を図13(b)に実線で示す。図13(a)および(b)から分かるように、露光時間調整前の樹脂シートS2の画像データは、樹脂シートS1の画像データを縦軸方向に40%圧縮されたようになる。したがって、露光時間を調整しなければ、同一欠陥であっても、樹脂シートが厚いほど、地模様との輝度差が小さくなる。
ここで、樹脂シートS1の画像データの平均輝度値が基準輝度値に等しいものとすれば、樹脂シートS2の画像データの平均輝度値は、露光時間を調整しない状態では基準輝度値の約60%となる。そこで、樹脂シートS1の検査時には露光時間を標準の露光時間のまま変更しないのに対し、樹脂シートS2の検査時には、S1〜S4で露光時間を標準の露光時間(樹脂シートS1の露光時間)の1/0.6倍に調整する。この調整により、エリアカメラ14が受ける光量は一律に、調整前の1/0.6倍になる。その結果、露光時間を調整した後の画像データでは、樹脂シートS2の地模様の光強度レベルが0.36×(1/0.6)=0.6となり、樹脂シートS2の欠陥の光強度レベルは0.36×(1/0.6)×r=0.6×rとなる。調整後の露光時間で樹脂シートS2を撮影したときの画像データを1次元に変換して得られる波形(プロファイル)を図13(b)に破線で示す。図13(b)から分かるように、露光時間調整後の樹脂シートS2の画像データは、露光時間調整前の樹脂シートS2の画像データを縦軸方向(光強度方向)に一律に1/0.6倍に引き伸ばしたようになる。従って、樹脂シートS2の画像データにおける地模様および欠陥A,Bの各光強度レベルは、樹脂シートS1の画像データにおける地模様および欠陥A’,B’の各光強度レベルとほぼ同程度となる。すなわち、欠陥Aと欠陥A’とはほぼ同程度の濃度差(輝度差)で観測され、欠陥B,B’のように十分に濃い欠陥(r2<<1)では上記のような効果は無視できる。
露光時間比較部35は、現在の検査がライトボックス6内の現在使用中のランプ(光源)を用いて行う最初の検査であれば、画像データに含まれる露光時間の情報を、ランプ導入当初の露光時間(標準露光時間)として記憶装置45に記憶させる。なお、現在の検査がライトボックス6内の現在使用中のランプを用いて行う最初の検査であるか否かは、ライトボックス6内のランプが交換されたことをセンサで検知する方法で判定してもよいし、入力装置46からのオペレータの指示によって判定してもよい。
露光時間比較部35は、現在の検査がライトボックス6内の現在使用中のランプを用いて行う最初の検査でなければ、記憶装置45に記憶されたランプ導入当初の露光時間の情報を読み出し、現在の検査に用いる画像データの露光時間が導入当初の露光時間のk倍(k>1)より短いかを判定する(S5)。
なお、ここでは、露光時間比較部35は、現在の検査に用いる画像データの露光時間が露光導入当初の露光時間のk倍より短いかを判定していたが、最近の複数回の検査に用いられる画像データの露光時間の平均が露光導入当初の露光時間のk倍より短いかを判定するようにしてもよい。その場合、露光時間比較部35が、毎回の検査時に画像データに含まれる露光時間の情報を、ランプ導入当初の露光時間として記憶装置45に記憶させるようにすればよい。
露光時間比較部35は、現在の検査に用いる画像データの露光時間が導入当初の露光時間のk倍以上であると判定した場合(S5のNO)、ライトボックス6内のランプが許容範囲を超えて劣化したものと診断し、ランプ劣化警告発生部36へトリガ信号を送ると共に、画像データを高周波成分抽出部37へ送る。ランプ劣化警告発生部36は、トリガ信号を受けると、ライトボックス6内のランプが交換を要するレベルまで劣化していることを示す警告(アラーム)メッセージを表示装置47に表示させ(S6)、ランプの交換をオペレータに促す。これにより、オペレータがランプの交換時期を知ることができ、ひいてはランプの劣化による画像データの輝度の低下を抑制することができる。なお、ランプの交換をオペレータに促す警告は、音声メッセージなどのような他の形態でユーザに提示されてもよい。
露光時間比較部35は、現在の検査に用いる画像データの露光時間がランプ導入当初の露光時間のk倍より短いと判定した場合(S5のYES)、ライトボックス6内のランプの劣化が許容範囲内であると判定し、ランプ劣化警告発生部36へトリガ信号を送ることなく、画像データを高周波成分抽出部37へ送る。
次に、高周波成分抽出部37が、上記画像データの輝度プロファイルの高周波成分をフーリエ変換や低次の多項式フィッティングなどの処理によって抽出し(S7)、抽出した高周波成分を解析対象の画像データとして輝度補正部38へ送る。このようにして画像データの高周波成分を抽出することで、樹脂シートの地模様が除去され欠陥の画像のみを取り出すことができる。その結果、欠陥の画像のみを含む画像データに基づいて、樹脂材料の欠陥を正確に検査することができる。
図5は、高周波成分抽出部37に入力された画像データを1次元に変換して示したものである。図5に示すように、1次元の画像データでは、高周波成分は谷として現れる。
次に、輝度補正部38が、一画像内の輝度分布を均一化するために、高周波成分抽出部37で得られた画像データ(高周波成分)に対して除算方式の輝度補正を行い(S8)、補正後の画像データを濃度・面積計測部39へ送る。除算方式の輝度補正を行うのは、以下の理由からである。樹脂シートは無造作に成形されているため、1つの樹脂シート内でも厚みにムラがある(ある部分は厚く、ある部分は薄い)ことがある。その結果、画像データには、図5に示すような大きな波の輝度変化(地模様に相当する)がある。そこで、この大きな波を平らにするために、除算方式の輝度補正を行うのである。除算方式の輝度補正は、上記の大きな波の輝度変化(低周波成分)だけを含む補正用の画像データを生成しておき、その補正用画像データで補正対象の画像データを除算するものである。なお、除算方式の輝度補正の方法としては、公知の種々の除算シェーディング補正方法を用いることができる。除算方式の輝度補正が施された後の画像データを1次元に変換して図6に示す。図6に示すように、輝度補正後の画像データは、欠陥に対応する谷以外の部分は略均一な輝度を持つ。
ここで、S8の輝度補正を行うのは、S3における平均輝度値と基準輝度値との許容誤差を比較的大きい値(例えば1.5%)に設定した場合に、S1〜S4のループで補償しきれなかった平均輝度値と基準輝度値との誤差を補償するためである。S3における平均輝度値と基準輝度値との許容誤差を比較的大きい値(例えば±1.5%)に設定すると、S1〜S4のループをごく短時間で収束させることができ、本方法の全体を実行するのにかかる時間を短縮することができる。例えば、S3における平均輝度値と基準輝度値との許容誤差を1.5%、基準輝度値を200とすれば、取得画像データの平均輝度値が200±3階調の範囲内であれば、S1〜S4のループを抜けることになる。S8の輝度補正を行うのは、この±3階調分の誤差を補償するためである。なお、S3における平均輝度値と基準輝度値との許容誤差が十分小さい値(例えば0.5%)である場合には、S8の輝度補正は不要である。
次に、S1〜S8の処理で得られた画像データに基づいて樹脂シートの欠陥を検査する。すなわち、樹脂シートの画像データを解析して樹脂シートの欠陥に関する情報を得る(S9〜S13)。
画像データの解析処理では、まず、濃度・面積計測部39が、画像処理により樹脂シートの欠陥を検出し、検出した欠陥の各々について、位置、濃度(=最大輝度値−輝度値)、および面積(画素数)を検出欠陥データとして求める(S9)。2次元の画像データを1次元に変換した結果を図6に示す。図6に示す画像データは、1次元のため、各欠陥の大きさは、2次元の画像データおける面積に相当する欠陥幅として表されている。また、欠陥の濃度は、1次元の画像データでは、図6に示すように画像データにおける欠陥部の谷の深さに相当する。
さらに、濃度・面積計測部39は、求められた検出欠陥データを、データ上で面積および濃度をそれぞれ座標軸とする座標平面にマッピングし、マッピングされた座標平面を表示装置47の画面に描画(プロット)する。マッピングされた座標平面の描画結果を図7に示す。最後に、濃度・面積計測部39は、画像データ、検出欠陥データ、および欠陥数の濃度・面積別分布を密集欠陥統合部40へと送る。なお、描画処理を省略してもよい。
密集欠陥統合部40は、画像データに基づいて、検出欠陥データおよび欠陥数の濃度・面積別分布を修正して、画像データと共に虚報除去部41へ送る。密集欠陥統合部40は、上記修正として、上記画像データ内で予め設定された基準個数以上の複数の欠陥候補が予め設定された基準密度以上で密集している場合に、それらの欠陥候補を統合して1つの欠陥とする統合処理を行う(S10)。この統合処理の詳細は、後段で説明する。
本実施形態の検査方法では、樹脂シートを用いて成形した成形品を不良品とするような欠陥、例えば樹脂シート上または樹脂シート内部の異物を検査対象としており、樹脂シートを用いて成形した成形品に影響しないような僅かな欠陥、例えば樹脂シート表面に付着した埃などは、検査対象としていない。そのため、S9のステップで検出される欠陥には、検査対象の欠陥だけでなく、樹脂シート表面に付着した埃などのような検査対象外の欠陥も含まれる。そのため、本実施形態の検査方法では、S9で得られた検出欠陥データから検査対象外の欠陥を虚報として除去することが必要である。虚報除去部41は、オペレータが欠陥検出データから虚報を除去する操作を可能にする機能を備えている。例えば、虚報除去部41は、(1)検出欠陥データを欠陥リスト(どの座標位置にどのくらいの面積・どのくらいの濃度の欠陥を見つけたというテキストの表)として表示装置47に表示する機能、(2)S8の処理後の画像データを画像として表示装置47に表示するだけでなく、オペレータが欠陥を見つけ易いように画像中の欠陥部を囲むように円形のマークを表示装置47に表示する機能、(3)オペレータが入力装置46を用いてマークを選択すると、表示装置47に表示された欠陥リスト上で、選択されたマークに対応する欠陥を示す文字を反転表示する(白背景黒文字から黒背景白文字に変更するか、その逆の変更を行う)機能、を備えている。オペレータは、表示装置47に表示された欠陥リスト上における欠陥を示す文字またはマークをマウス等の入力装置46を用いて選択する。この選択に応答して、虚報除去部41は、ほこりなどのような虚報と思われる欠陥を欠陥検出データ(計数対象)および欠陥数濃度・面積別分布から除外する(S11:虚報除去)。オペレータは、虚報と思われる欠陥を全て選択し終わると、入力装置46を用いた操作(例えば、表示装置47の画面に表示された選択完了ボタンをマウスでクリックする操作)によって選択が完了したことを虚報除去部41に通知する。この通知に応答して、虚報除去部41は、虚報を除去した欠陥数濃度・面積別分布を欠陥個数計数部42へ送ると共に、虚報を除去した欠陥検出データおよび画像データを保存処理部44へ送り、S12の処理に進む。
なお、埃などのような欠陥を撮影直前に除去する場合(撮影直前にクリーニングローラで樹脂表面をクリーニングする場合、撮影ボックス1を含む部屋全体を埃のないクリーンルームにしておく場合や、埃などのような欠陥も検査対象とする場合などには、S11の処理を省略することも可能である。S11の処理を省略した場合、樹脂材料検査装置20が全ての処理をオペレータの操作なしに自動で行うことができる。また、S11を省いた方法を樹脂材料検査装置20が自動で行った後、不良品と判定された樹脂材料の樹脂シートについてオペレータがS11の処理を実施してもよい。
欠陥個数計数部42は、欠陥数の濃度・面積別分布を複数の領域に分割し、各領域に属する欠陥の数、および全域の欠陥数(全欠陥数)を計数し、計数結果を合否判定部43へ送る(S12)
合否判定部43は、欠陥個数計数部42で計数された各領域の欠陥の数と予め設定された各領域の上限欠陥数とを比較すると共に、欠陥個数計数部42で計数された全欠陥数と予め設定された上限全欠陥数とを比較し、この比較の結果に基づいて樹脂材料が良品か不良品かを判定し(S13)、判定結果を表示装置47に表示させる。
最後に、保存処理部44が、画像データおよび検査データ(各領域に属する欠陥の数、、全域の欠陥数、および欠陥検出データ)を記憶装置45に保存させる(S14)。その後、不良品と判定された樹脂材料からなる樹脂シートは廃棄され、良品と判定された樹脂材料からなる樹脂シートは、次の工程で、樹脂フィルム等の成形品に成形される。
次に、上記樹脂材料検査方法における、S12の領域別欠陥個数カウント、およびS13の合否判定について、具体例を挙げて詳細に説明する。
図8は、良品と判定される樹脂シートの画像の例を示す図である。図9は、図8の画像の検査結果(面積−濃度プロットおよび検出個数)である。図10は、不良品と判定される樹脂シートの画像の例を示す図である。図11は、図10の画像の検査結果(面積−濃度プロットおよび検出個数)である。なお、図8および図10では、欠陥が容易に読み取れるように、欠陥を実際の寸法よりずっと大きく描き、かつ欠陥を完全な黒点として描いている。実際の欠陥は、これら図面に示したサイズよりもずっと小さく、濃度も薄いものである。また、図8および図10では各欠陥を同一のサイズで描いているが、実際の欠陥はサイズがまちまちである。
この例では、S12の領域別欠陥個数計数において、欠陥個数計数部42は、欠陥数濃度・面積別分布の全領域を、欠陥サイズが小で欠陥の濃さが強である第1の領域、欠陥サイズが中で欠陥の濃さが強である第2の領域、欠陥サイズが大で欠陥の濃さが強である第3の領域、欠陥サイズが小で欠陥の濃さが弱である第4の領域、欠陥サイズが中で欠陥の濃さが弱である第5の領域、欠陥サイズが大で欠陥の濃さが弱である第6の領域、の6つの領域に分割する。欠陥の面積の「小」,「中」,「大」については、12画素以下の面積を持つ欠陥を面積「小」とし、13画素以上50画素以下の面積を持つ欠陥を面積「中」とし、51画素以上の面積を持つ欠陥を面積「大」とする。また、欠陥の濃度の「弱」,「強」については、欠陥部の周囲の輝度値と欠陥部の平均輝度値との差が20(20階調)以下である欠陥を濃度「弱」とし、欠陥部の周囲の輝度値と欠陥部の平均輝度値との差が21(21階調)以上である欠陥を濃度「強」とする。
欠陥個数計数部42は、上記各領域別に欠陥個数を計数すると共に、全領域で検出された欠陥の個数(検出総数)を計数する。
図8に示すその樹脂シートを構成する樹脂材料が良品と判定される樹脂シートの画像について、領域別の欠陥個数、および全領域で検出された欠陥の個数(検出総数)を求めた結果を、表1に示す。
Figure 0005043755
また、図10に示す不良品と判定される樹脂シートの画像について、領域別の欠陥個数、および全領域で検出された欠陥の個数(検出総数)を求めた結果を、表2に示す。他の不良品と判定される樹脂シートの画像について、領域別の欠陥個数、および全領域で検出された欠陥の個数(検出総数)を求めた結果を、表3に示す。
Figure 0005043755
Figure 0005043755
次に、S13の合否判定では、合否判定部43が、S12の領域別欠陥個数カウントで求められた各領域別の欠陥個数および全領域の欠陥個数(検出総数)を、各領域別の判定基準(基準欠陥個数)および全領域の判定基準(基準欠陥個数)と比較する。各領域別の判定基準(基準欠陥個数)および全領域の判定基準(基準欠陥個数)を表4に示す。
Figure 0005043755
そして、合否判定部43は、各領域別の欠陥個数および全領域の欠陥個数(検出総数)のうち何れか1つでも予め設定された判定基準である上限欠陥数(許容最大欠陥数)を超えていれば、その画像に対応する樹脂材料を不良品と判定する。この例では、図8に示す樹脂シートの場合、各領域別の欠陥個数および全領域の欠陥個数(検出総数)が全て判定基準以下であるので、その樹脂シートを構成する樹脂材料が良品である(樹脂シートが材料の点で良品である)と判定される。一方,図10に示す樹脂シートの場合、全領域の欠陥個数、欠陥サイズが中で欠陥の濃さが強である領域(第2の領域)の欠陥個数、および欠陥サイズが大で欠陥の濃さが強である領域(第3の領域)の欠陥個数が判定基準を超えているため、その樹脂シートを構成する樹脂材料が不良品である(樹脂シートが材料の点で不良品である)と判定される。以上のようにして、欠陥の面積および濃度に応じて異なる判定基準で良品か不良品かを判定することにより、欠陥の総量に応じた正確な良品/不良品の判定を行うことができる。
次に、上記樹脂材料検査方法におけるS10の密集欠陥の統合処理について、具体例を挙げて詳細に説明する。
S10の密集欠陥の統合処理では、S9で画像処理により抽出された欠陥のうち、予め設定された半径の円内に基準個数(複数個)以上の欠陥が存在する場合には、それらを統合して1つの欠陥として取り扱う。この例では、予め設定された半径を0.5mmとし、基準個数を2個とする。
このとき、統合後の欠陥の位置(画像上の座標)は、統合前の各欠陥を構成する全画素の重心で代表させる。統合後の欠陥の面積は、統合前の各欠陥の面積の合計値で代表させる。統合後の欠陥の濃度は、統合前の各欠陥を構成する全画素の輝度値の平均で代表させる。
密集欠陥統合のための具体的な計算手順を以下に示す。
1.検出されたN個(N:自然数)の欠陥のうち1つに注目する。
2.注目欠陥(注目した欠陥)の重心と他の全ての欠陥の重心との距離を求める。
3.注目欠陥の重心から指定距離(予め設定された半径)以内(以後、「近傍領域」と称する)にある欠陥の数をカウントする。
4.上記1.〜3.の操作を、検出されたN個の欠陥全てについて行う(Nが2以上の場合)。
5.近傍領域に、指定個数以上の他の欠陥が存在するような欠陥を選出する。以後、便宜上、この選出された欠陥を候補欠陥と呼び、候補欠陥の近傍領域に存在する欠陥を、その候補欠陥の配下の従属欠陥と呼ぶ。
6.候補欠陥がない場合には、密集欠陥判定処理を終了する。候補欠陥が存在する場合には、手順7へ進み、候補欠陥を取捨選択する。
7.ある1つの候補欠陥に注目し、その候補欠陥の配下の従属欠陥の中から、「それ自身が候補欠陥でもある従属欠陥」を抽出し、それらが自身の配下に何個の従属欠陥を有するか(手順3.で既知)を参照する。
8.注目した候補欠陥が持つ従属欠陥の数と、それ自身が候補欠陥でもある従属欠陥が持つ従属欠陥の数とを比較し、最も従属欠陥数が多い候補欠陥の1つを、これらを代表する新しい候補欠陥とし、新しい候補欠陥以外を候補から除外する。
9.手順7,8を,全ての候補欠陥について行う。ただし、過程で除外された候補欠陥に対しては行う必要がない。
10.このようにして残った候補欠陥について、その候補欠陥自身および全従属欠陥の面積の合計を新しい欠陥の面積とし、その候補欠陥自身および全従属欠陥の重心を新しい欠陥の重心として採用する。同様に、欠陥の濃度は、候補欠陥自身および全従属欠陥を形成する全ての画素の輝度値の平均により求める。
次に、図12の例に基づいて上記手順を説明する。図12において、全体に描いているメッシュは画素を表すものとする。また、図12において、画像処理により検出された欠陥を灰色塗りつぶしで表現している。ここで、近傍領域を半径0.5mm(10画素)の円領域とする。
この例では、手順1.〜5.の処理が終了した時点で、図12の状態となる。これにより、候補欠陥とその配下の従属欠陥とが抽出されている。
ここで、手順7.に従い、候補欠陥Aに注目すると、近傍領域は破線で示した円領域であり、1個の従属欠陥が存在する。この従属欠陥は、それ自身が候補欠陥Bである。候補欠陥Bは、実線で示した近傍領域内(配下)に3個の従属欠陥をもつ。
ここで、手順8.に従うと、候補欠陥A、およびその配下のそれ自身が候補欠陥でもある従属欠陥のうち、最も多く従属欠陥を持つ候補欠陥は、候補欠陥Bである。そこで、候補欠陥Bを、代表する新たな候補欠陥とみなし、候補欠陥Aを除外する。
続いて、同様のことを候補欠陥Bに着目して行う。この時点で、Aは候補欠陥ではなくなっている。候補欠陥C,Dはそれぞれ、(近傍領域楕円は図示しないが)2個ずつの従属欠陥(候補欠陥Cの従属欠陥は候補欠陥B,Dであり、候補欠陥Dの従属欠陥は候補欠陥B,Cである)を持つ。この従属欠陥数は、Bの従属欠陥数3よりも小さいため、最終的に候補欠陥Bのみがこの図の例では取捨選択されて残ることとなる。
統合された新しい欠陥の面積は、候補欠陥A〜Dの面積の合計(=13画素、0.0325mm)であり、代表する重心位置は、図12中に示す通りである。
以上のように、欠陥数の計数前のS10で、画像データ内で予め設定された基準個数以上の複数の欠陥候補が予め設定された基準密度以上で密集している場合に、それらの欠陥候補を統合して1つの欠陥とする。それゆえ、本来1個の欠陥が多数の微小欠陥の密集として計数されることを避けることができ、欠陥数の計数精度を向上できる。
なお、上述の樹脂材料検査装置は、樹脂シートの欠陥を検出し、検出された欠陥の数を計数し、計数結果に基づいて樹脂材料が良品か不良品かを判定する構成であった。しかしながら、本発明の樹脂材料検査装置は、樹脂シートの欠陥を検出し、検出したことをユーザに通知する構成であってもよく、樹脂シートの欠陥を検出し、検出された欠陥の数を計数し、計数結果をユーザに通知する構成であってもよい。
また、上述の説明では、欠陥として黒色異物を検査する場合について説明したが、画像の明暗(輝度)を用いて検出が可能な欠陥を検出する方法であれば、これに限るものではなく、設定の変更によって、欠陥として傷やピンホールなどを検査する場合にも適用可能である。また、上述の説明では、画像の明暗(画像データの輝度値)に基づいて欠陥を検出する方法について説明したが、検査しようとする欠陥が有彩色の欠陥である場合には、画像の明暗(画像データの輝度値)と画像の色(画像データの色情報)との両方に基づいて欠陥を検出してもよい。
最後に、解析・制御用パーソナル・コンピュータ10の各部は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、解析・制御用パーソナル・コンピュータ10は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである解析・制御用パーソナル・コンピュータ10の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、解析・制御用パーソナル・コンピュータ10に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、解析・制御用パーソナル・コンピュータ10を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
本発明の一実施形態に係る樹脂材料検査装置の要部構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る樹脂材料検査装置の構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る樹脂材料検査方法の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る樹脂材料検査方法における露光時間変更前後の画像データの一例を1次元に変換して示したグラフである。 本発明の一実施形態に係る樹脂材料検査方法における高周波成分抽出前の画像データの一例を1次元に変換して示したグラフである。 本発明の一実施形態に係る樹脂材料検査方法における輝度補正後の画像データの一例を1次元に変換して示したグラフである。 本発明の一実施形態に係る樹脂材料検査方法において得られた欠陥の面積−濃度プロットを示すグラフである。 許容できる量の欠陥を含む樹脂シートの透過光像の一例を示す図である。 図8の画像について得られた欠陥の面積−濃度プロットを示すグラフである。 許容できない量の欠陥を含む樹脂シートの透過光像の一例を示す図である。 図10の画像について得られた欠陥の面積−濃度プロットを示すグラフである。 密集欠陥の統合処理を説明するための説明図である。 露光時間調整処理の効果を説明するための説明図である。
符号の説明
6 ライトボックス(光源)
10 解析・制御用パーソナル・コンピュータ
12 撮影装置
20 樹脂材料検査装置
32 平均輝度算出部
33 比較部
34 撮影装置制御部(制御部)
35 露光時間比較部(光源劣化診断部)
36 ランプ劣化警告発生部
37 高周波成分抽出部
39 濃度・面積計測部(欠陥検出部、濃度・面積計測部)
40 密集欠陥統合部
42 欠陥個数計数部(領域別欠陥計数部、欠陥計数部)
43 合否判定部(良否判定部)

Claims (5)

  1. ペレット状態の樹脂材料を加熱加圧成形することによって作製された検査用の樹脂シートの透過光像を撮影して上記樹脂シートの画像データを得る撮影装置と、
    上記樹脂シートの画像データを解析して上記樹脂シートの欠陥を検出することによって、上記樹脂材料の欠陥を検出する欠陥検出部とを備える樹脂材料検査装置であって、
    上記樹脂シートの画像データの少なくとも一部の領域内における画素の平均輝度値と、予め設定された基準輝度値とを比較する比較部と、
    上記比較部における比較の結果に基づいて、上記撮影装置の露光時間を変更する制御部とをさらに備え、
    上記欠陥検出部が、露光時間が変更された後の撮影装置によって得られた画像データを解析し、
    上記欠陥検出部で検出された欠陥の大きさおよび濃度を検出欠陥データとして求め、求められた検出欠陥データを、面積および濃度をそれぞれ座標軸とする座標平面にマッピングする濃度・面積計測部と、
    上記マッピングされた座標平面を複数の領域に分割し、各領域に属する欠陥の数を計数する領域別欠陥計数部と、
    上記領域別欠陥計数部で計数された各領域の欠陥の数と予め設定された各領域の上限欠陥数とを比較し、この比較の結果に基づいて樹脂材料が良品か不良品かを判定する良否判定部とをさらに備えることを特徴とする樹脂材料検査装置。
  2. ペレット状態の樹脂材料を加熱加圧成形することによって作製された検査用の樹脂シートの透過光像を撮影して上記樹脂シートの画像データを得る撮影装置と、
    上記樹脂シートの画像データを解析して上記樹脂シートの欠陥を検出することによって、上記樹脂材料の欠陥を検出する欠陥検出部とを備える樹脂材料検査装置であって、
    上記樹脂シートの画像データの少なくとも一部の領域内における画素の平均輝度値と、予め設定された基準輝度値とを比較する比較部と、
    上記比較部における比較の結果に基づいて、上記撮影装置の露光時間を変更する制御部とをさらに備え、
    上記欠陥検出部が、露光時間が変更された後の撮影装置によって得られた画像データを解析し、
    上記撮影装置が、樹脂シートを照明する光源を含み、
    上記光源を用いて行われた最初の検査に用いられた画像データの露光時間と、上記光源を用いて行われた最近の1回または複数回の検査に用いられた画像データの露光時間との比に基づき、光源の劣化を診断する光源劣化診断部がさらに備えられていることを特徴とする樹脂材料検査装置。
  3. 上記欠陥検出部による画像データの解析前に、上記画像データの高周波成分を抽出する高周波成分抽出部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂材料検査装置。
  4. 上記欠陥検出部で検出された欠陥の数を計数する欠陥計数部と、
    上記欠陥計数部による欠陥数の計数前に、上記画像データ内で予め設定された基準個数以上の複数の欠陥候補が予め設定された基準密度以上で密集している場合に、それらの欠陥候補を統合して1つの欠陥とする密集欠陥統合部とをさらに備えることを特徴とする請求項1ないしの何れか1項に記載の樹脂材料検査装置。
  5. 請求項1ないしの何れか1項に記載の樹脂材料検査装置の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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