JP5041738B2 - 建築用シャッター装置における落下防止装置 - Google Patents
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Description
前記落下防止装置の一例として、巻き取りドラム側の従動スプロケットが嵌着する回転軸に、ラチェットギアを一体的に外嵌せしめる一方、巻き取りドラムが回転自在に支持される支持ブラケットに回転体を枢支し、該回転体に、先端に前記ラチェットギアに噛合可能なラチェット歯(規制部)を形成するとともに、前記回転体に開閉機側の駆動スプロケットと巻き取りドラム側の従動スプロケットとのいあだに張設されるチエンに当接するアイドラー(検知部)を備えたものが提唱されている。そしてこのものでは、チエンの緊張状態では、回転体と支持ブラケットとのあいだに介装された付勢弾機の付勢力を受けて、アイドラーがチエンに弾圧する一方、ラチェット歯がラチェットギアに噛合しない非作用姿勢となっており、チエンが切断する等してチエンに弛みが発生すると、アイドラーが付勢弾機の付勢力を受けて揺動することにより、ラチェット歯がラチェットに噛合する作用姿勢となって、巻き取りドラムを回転規制するように構成されている。
請求項2の発明は、検知部は、付勢弾機の付勢力によって、駆動スプロケットと従動スプロケットとのあいだにリング状に懸回するチエンの内側から外側に向けて弾圧状に当接しするように構成され、規制部は、検知部の弛み検知に伴う作用姿勢への変姿に基づいて従動スプロケットに噛合するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の建築用シャッター装置における落下防止装置である。
請求項3の発明は、検知部と規制部とは、駆動、従動スプロケットが軸承される支持ブラケットに回転自在に設けられる回転体に設けられるものとし、検知部は、回転体に対して揺動自在に連結されている請求項1または2に記載の建築用シャッター装置における落下防止装置である。
請求項2の発明とすることにより、チエンが切断したときに、チエンが検知部に絡みつくような不具合を回避できる。
請求項3の発明とすることにより、切断されたチエンが仮に検知部に絡みついたとしても、規制部の作用姿勢への変姿を損なわないようにできる。
図面において、1は開口部に建て付けられた建築用シャッター装置のシャッターカーテンであって、該シャッターカーテン1は、複数枚のスラット1aの長手方向縁部をインターロック連結等により揺動自在に連結して構成されており、上端に位置するスラット1aに連結された複数の吊り金具1bを介して、巻き取りドラム2に連結されている。一方、開口部上方には、屋外側に突出する状態でシャッターケース3が設けられており、該シャッターケース3の左右には左右一対の支持ブラケット4、5が一体的に配されており、これら左右一対の支持ブラケット4、5に配された軸受け4a、5aにより、前記巻き取りドラム2の左右から延出する一対の回転軸2aが回転自在に軸承されている。そして、巻き取りドラム2は、後述するように、右側支持ブラケット5に支持された開閉機6に連動連結されており、開閉機6の駆動力に伴い正逆回転するように構成され、これによって、シャッターカーテン1は、巻き取りドラム2から巻き出されて開口部を閉鎖する全閉姿勢と、巻き取りドラム2に巻き取られて開口部を開放する全閉姿勢とのあいだを変姿するように構成されるが、このとき、シャッターカーテン1の左右両縁部は、開口部両側に配されたガイドレール7の移動案内を受けながら開閉移動するように構成されており、これらの基本構成は何れも従来通りとなっている。
尚、本実施の形態では、図3において巻き取りドラム2が時計回り方向に回転することにより、シャッターカーテン1が巻き取りドラム2から巻き出される閉鎖作動を行い、反時計回り方向に回転することにより、シャッターカーテン1が巻き取りドラム2に巻き戻される開放作動を行うように設定されている。この場合に、チエン8にはシャッターカーテン1の自重が作用して巻き取りドラム2を常時時計回り方向に回転させようとする負荷が作用しており、これによって、シャッター装置において何ら異常のない通常の懸回状態において、チエン8は、駆動、従動スプロケット6e、2cの上部のあいだに配される上側の部位が常時張り(緊張)状態となる張り側チエン8aとなっている。そして、張り側チエン8aは、チエン8が切断した場合、あるいは、シャッターカーテン1が大きく持ち上げられたような場合等、何らかの事故が生じた場合以外は、弛みが生じることがないよう構成されている。
尚、ボス10bの配設位置は、必ずしも中心線L上に位置する必要はなく、レイアウトし易い箇所に設けることができる。
尚、主アーム11の板厚に相当し、爪部11dにおける左右方向幅Tは、従動スプロケット2cのギア歯2dの左右方向幅TGよりも広くなるように形成されている。さらに、貫通孔11bの孔中心M(ボス10bの軸芯)から爪部11d先端までの爪長さT1は、貫通孔11bの孔中心Mと従動スプロケット2cのギア歯2dの歯底部位までのギア歯最短距離T2よりも長くなるように設定されている。
そして、図3において左右方向に並んだ状態で図示される駆動スプロケット6eと従動スプロケット2cは、シャッター装置を正面視した場合(図1参照)、前後方向に並んだ状態で配置されており、図3から明らかなように、前記検知部13、付勢弾機14および規制部11dは、前後が駆動スプロケット6e、従動スプロケット2cに挟まれ、上下がチエン8の上下側部位に挟まれるスペースに配置されている。
シャッター装置の通常の使用状態において、検知部13は張り側チエン8aを弾圧して移動規制を受けており、爪部11dは、中心線Lよりも下方位置であって、従動スプロケット2cに干渉しない非作用姿勢となっている。この状態で、チエン8が切断する等の不測の事態が生じると、検知部13は、張り側チエン8aによる移動規制を解除され、付勢弾機14の付勢力を受けて上方揺動して、検知部13がチエン8の弛みを検知する弛み検知状態となる。一方、巻き取りドラム2側では、従動スプロケット2cがシャッターカーテン1の自重を受けて時計回り方向の回転を開始しようとする。このとき、検知部13の上方揺動とともに主、補助アーム11、12が上方揺動しており、一点鎖線で示すように、爪部11dの先端が従動スプロケット2cのギア歯2dに当接すると、爪部11dとギア歯2dとが一体に上動し、二点鎖線で示すように、爪部11dがギア歯2dに噛合する作用姿勢となるように設定されている。この作用姿勢となると、爪部11dの爪長さT1は、前述したように、ギア歯最短距離T2よりも長く形成されているので、爪部11dの上方揺動が従動スプロケット2cによりこれ以上の上動を規制される状態となり、これによって、爪部11d(主、補助アーム11、12)が従動スプロケット2cの時計回り方向の回転を規制して、シャッターカーテン1の自重落下を防止するように設定されている。
尚、落下防止装置9は、爪長さT1、主アーム貫通孔11bの孔中心M位置に基づくギア歯最短距離T2、駆動、従動スプロケット6e、2cの配設位置に対する主アーム貫通孔11bの孔中心Mを基準とする爪部11d先端と検知部13の枢支部とのあいだの角度θ、さらには、付勢弾機14の付勢力の大きさに基づいて、落下防止装置9の検知精度、および、爪部11dが非作用姿勢からギア歯2dに噛合する作用姿勢に変姿する変姿速度、即ち、落下防止装置9が弛み検知してから巻き取りドラム2の回転規制をするまでの時間が決定される。そして、これらの要素を使用条件に応じて適宜設定することにより、最適化された落下防止装置9を構成することができる。
2 巻き取りドラム
2c 従動スプロケット
5 右側支持ブラケット
6 開閉機
6e 駆動スプロケット
8a 張り側チエン
9 落下防止装置
10 ベース部材
10b ボス
11 主アーム
11d 爪部
12 補助アーム
13 検知部
14 付勢弾機
Claims (3)
- 躯体の開口部を開閉するシャッターカーテンと、該シャッターカーテンを巻装し、開口部上方に回転自在に支持される巻き取りドラムと、該巻き取りドラムに設けられる従動スプロケットと、駆動スプロケットが設けられる開閉機と、駆動スプロケットと従動スプロケットのあいだに懸回される無端のチエンとを備え、前記開閉機の駆動に伴う巻き取りドラムの正逆回転でシャッターカーテンの開閉を行うように構成した建築用シャッター装置において、前記チエンに付勢弾機の付勢力を介して弾圧状に当接し、チエンの弛み検知をすることに伴い変姿する検知部と、該検知部の変姿に基づいて巻き取りドラムの回転規制をする規制部とを備えた落下防止装置を設けるにあたり、前記検知部、付勢弾機および規制部を、前後が駆動スプロケットおよび従動スプロケットに挟まれ、上下がチエンの上下側部位に挟まれるようにして配したことを特徴とする建築用シャッター装置における落下防止装置。
- 検知部は、付勢弾機の付勢力によって、駆動スプロケットと従動スプロケットとのあいだにリング状に懸回するチエンの内側から外側に向けて弾圧状に当接しするように構成され、規制部は、検知部の弛み検知に伴う作用姿勢への変姿に基づいて従動スプロケットに噛合するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の建築用シャッター装置における落下防止装置。
- 検知部と規制部とは、駆動、従動スプロケットが軸承される支持ブラケットに回転自在に設けられる回転体に設けられるものとし、検知部は、回転体に対して揺動自在に連結されている請求項1又は2に記載の建築用シャッター装置における落下防止装置。
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