JP5192141B2 - 開閉装置用急閉鎖抑制装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スクリーンシャッター装置やオーバーヘッドドアを含むシャッター装置、ロールスクリーン装置、ブラインド、オーニング装置等、開閉体をスライドさせて開閉動作するようにした開閉装置に具備されて、開閉体の急な閉鎖動作を抑制する開閉装置用急閉鎖抑制装置に関するものである。
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載されたもののように、開閉体(シャッターカーテン)を巻き取る巻取り軸(3)、該巻取り軸(4)と一体的に回転するカム板(10)及び爪車(11)、揺動自在であってカム板(10)に接触するように支持された爪具(16)等を備えたシャッターの急激落下防止装置がある。
この従来技術によれば、何らかの異常により開閉体(シャッターカーテン)が急激に落下しようとした際に、急激に回転するカム板(10)外周の凹凸面によって爪具(16)の基端側が弾き飛ばされて、揺動した爪具(16)先端側の爪16aが爪車(11)に噛み込むため、爪車(11)及び巻取り軸(3)の回転を停止させることができる。
しかしながら、上記従来技術では、異常のない通常状態においても、爪具(16)の基端側がカム板(10)外周の凹凸面に摺接するため、爪具(16)が小さく揺動して騒音や振動を発生し易い上、カム板(10)外周の凸部や爪具(16)が損傷してしまうおそれがある。
また、カム板(10)外周の凹凸面によって爪具(16)の基端側を弾き飛ばして爪具(16)を揺動させる構造であるため、開閉体(シャッターカーテン)を巻取り切った際の振動等に起因して、意図せずに爪具(16)が揺動し爪車(16)に噛み込んでしまうという誤動作のおそれもある。
また、爪車(11)の爪ピッチが比較的広いことに起因し、爪具(16)の噛み込みにより爪車(11)が停止するまでの爪車(11)の回転角が大きいため、異常時に反応が遅れるというおそれもある。
実開平2−123598号公報
本発明は上記従来事情に鑑みてなされたものであり、その課題とする処は、耐久性および動作性の良好な開閉装置用急閉鎖抑制装置を提供することにある。
上記課題を解決するための一手段は、第一回転体の回転に連動させて開閉体を開閉動作するようにした開閉装置に具備されて、開閉体の急な閉鎖動作を抑制する急閉鎖抑制装置であって、前記開閉体の閉鎖動作に伴う前記第一回転体の回転が所定の速度数以上となった際に、この第一回転体の回転に連動して第二回転体を回転させるガバナ装置と、前記第一回転体に係合不能な係合不能位置から同第一回転体に係合する係合位置へ揺動するように支持された係合部材とを備え、前記第二回転体の回転力により前記係合部材を揺動させ、この係合部材を前記第一回転体に係合させることで、前記第一回転体の回転を抑制するようにした開閉装置用急閉鎖抑制装置において、前記第二回転体が、紐状部材を巻き取るように該紐状部材の一端側を外周面に止着した巻取体であり、前記紐状部材の他端側を前記係合部材の揺動端側に止着し、通常時には、前記ガバナ装置の作用により第一回転体の回転力が前記巻取体に伝達されず、前記巻取体が前記紐状部材を巻き取ることがなく、前記開閉体の閉鎖動作に伴って前記第一回転体の回転が所定の速度数以上となった際には、前記ガバナ装置の作用により前記第一回転体の回転力が前記巻取体に伝達されて、前記巻取体が前記紐状部材を巻き取りながら回転し、前記巻取体に巻かれる前記紐状部材の牽引力により、前記係合部材を揺動して前記第一回転体に係合させ、前記第一回転体の回転を抑制するようにしたことを特徴とする。
第一の形態は、第一回転体の回転に連動させて開閉体を開閉動作するようにした開閉装置に具備されて、開閉体の急な閉鎖動作を抑制する急閉鎖抑制装置であって、前記開閉体の閉鎖動作に伴う前記第一回転体の回転が所定の速度数以上となった際に、この第一回転体の回転に連動して第二回転体を回転させるガバナ装置と、前記第一回転体に係合不能な係合不能位置から同第一回転体に係合する係合位置へ揺動するように支持された係合部材とを備え、前記第二回転体の回転力により前記係合部材を揺動させ、この係合部材を前記第一回転体に係合させることで、前記第一回転体の回転を抑制するようにした。
ここで、本形態の開閉装置用急閉鎖抑制装置が適用される開閉装置には、開閉体が開動作のみを行うように用いられる態様や、開閉体が閉動作のみを行うように用いられる態様、開閉体が開動作と閉動作との双方を行うように用いられる態様等を含む。
また、上記開閉体は、上記第一回転体に連動して空間を仕切ったり開放したりする部材であればよい。この開閉体の具体例としては、複数のスラットやパネル、パイプを開閉方向へ連設してなる態様や、シート状物やネット状物からなる態様、あるいはスラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物等を適宜に組み合わせてなる態様等が挙げられる。
また、上記第一回転体とは、上記開閉体の開閉動作と連動して回転する部材であればよく、この第一回転体には、例えば、上記開閉体を巻き取ったり繰り出したりする巻取軸や、該巻取軸と一体的に回転するように設けられた回転体等を含む。
この第一回転体は、従動回転体と駆動回転体との間に無端輪状動力伝達部材(例えばチェーンやベルト等)を掛けわたしてなる動力伝達機構により上記開閉体を開閉動作させるようにした構造において、前記従動回転体と前記駆動回転体の内の何れとしてもよいが、無端輪状動力伝達部材の切断による開閉体の急閉鎖を防ぐ観点からは、前記従動回転体とするのが好ましい。
また、上記第一回転体の他の具体例としては、開閉体の開閉方向にわたって該開閉体と一体的に設けられたラック状部材と、該ラック状部材と係合して回転するピニオン状部材とを備えた開閉装置において、該ピニオン状部材に対し略同軸状に固定された回転体が挙げられる。この場合、前記ラック状部材は、開閉体に別途に設けられた部材としてもよいし、例えば複数のスラットからなる開閉体の裏面等のように、開閉体の面に有する凹凸部を利用したものであってもよい。
更に、上記第一回転体の他の具体例としては、開閉体を開放方向や閉鎖方向に牽引する紐状部材と、該紐状部材を巻取ったり繰出したりする巻取回転体とを備えた開閉装置において、該巻取回転体に対して一体的に回転するように固定された回転体とすることも可能である。
また、上記ガバナ装置は、上記開閉体の閉鎖動作に伴う上記第一回転体の回転が所定速度異常となった際に、この第一回転体の回転力を上記第二回転体に伝達するようにした機構であればよく、例えば、軸心側回転体が所定の回転速度以上の遠心力によって拡径するように動作して上記第二回転体である周囲側回転体に係合して回転力を伝達する構造等、周知の構造のものとすればよい。
また、上記係合部材には、支軸部を中心にした回転運動により揺動するようにした構造や、弾性的な撓みにより揺動するようにした構造等を含むが、特に耐久性等の面から前者の構造が好ましい。
また、この係合部材は、上記第一回転体に係合不能な係合不能位置から同第一回転体に係合する係合位置へ揺動するように支持されていれば、例えば、上記第一回転体の下側や上側等、その配置は限定されない。
また、「前記第二回転体の回転力により前記係合部材を揺動させ」という構成には、上記第二回転体に巻かれる紐状部材の牽引力により上記係合部材を揺動させるようにした態様や、上記係合部材の軸心周りに係合部材と一体的な係合部材側回転体を設け、この係合部材側回転体と上記第二回転体とに無端輪状動力伝達部材(例えば、チェーンやベルト等)を掛け巻き、上記第二回転体の回転力が前記無端輪状動力伝達部材を介して前記係合部材側回転体に伝達され、上記係合部材が揺動するようにした態様等が挙げられる。
更に、この構成の他例としては、上記係合部材の軸心周りに係合部材と一体的な係合部材側回転体を設け、この係合部材側回転体の外周を歯車状に形成するとともに、上記第二回転体の外周を歯車状に形成し、これら歯車状の両回転体を噛み合わせて、第二回転体の回転力が係合部材側回転体の揺動力に変換されるようにしてもよい。なお、この態様の場合、更に、第二回転体と前記係合部材側回転体との間に、単数もしくは複数の中間歯車を介在させるようにしてもよい。
また、「この係合部材を前記第一回転体に係合させることで、前記第一回転体の回転を抑制する」という構成には、上記係合部材を上記第一回転体に噛み合わせることで該第一回転体を制止するようにした態様や、上記係合部材を上記第一回転体に摺接させることで該第一回転体を減速または制止するようにした態様等を含む。
また、第二の形態では、一端側が前記第二回転体の外周面に止着されるとともに他端側が前記係合部材の揺動端側に止着された紐状部材を備え、前記第二回転体に巻かれる前記紐状部材の牽引力により、前記係合部材を揺動させて前記第一回転体に係合させるようにした。
ここで、上記紐状部材は、上記第二回転体によって巻取り可能な長尺状の部材とすればよく、この紐状部材の具体例としては、金属製やその他の材質のワイヤー、紐、ベルト、鎖等が挙げられる。
また、第三の形態では、上記第二回転体の回転力よりも付勢力の小さい付勢手段によって、上記係合部材を上記係合不能位置側へ付勢するようにした。
ここで、上記付勢手段は、好ましくはバネや弾性体によって付勢力を得る構造とすればよいが、他例としては、上記係合部材自体や錘体の重量により付勢力を得るようにした構造、磁力により付勢力を得る構造等としてもよい。
また、第四の形態では、上記係合部材は、上記第一回転体と係合する揺動端側を回動させるように、その基端側が不動部位に対し枢支されている。
なお、本明細書中において「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、閉鎖状態の開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体開閉方向」とは、開閉体が空間を仕切ったり開放したりするために上下方向や斜め方向等にスライドする方向を意味する
上記形態は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような作用効果を奏する。
第一の形態によれば、異常のない通常時には、係合部材は、揺動することなく、第一回転体と係合することのない係合不能位置に維持される。
異常等の発生により、開閉体の閉鎖動作に伴う第一回転体の回転速度が所定以上になった場合には、第二回転体が回転を始め、その回転する第二回転体の回転力により、係合部材が揺動して第一回転体に係合し、第一回転体の回転が抑制される。そのため、第一回転体と連動して開閉体の閉鎖動作も抑制される。
したがって、従来技術のような通常時の揺動や摺接がなく、ひいては、耐久性および動作性の良好な開閉装置用急閉鎖抑制装置を提供することができる。
第二の形態によれば、第二回転体の回転力により係合部材を揺動させる構造を、生産性の良好な具体的態様によって実現することができる。
更に、第三の形態によれば、通常時には係合部材が付勢部材によって係合不能位置側へ付勢されるため、開閉装置全体の振動に起因して係合部材が通常時に振動してしまうようなことを防ぎ、動作性を一層向上することができる。
更に、第四の形態によれば、係合部材を、動作性の良好な具体的構造とすることができる
次に、上記形態の好ましい具体例を、図面に基づいて説明する。
以下の開閉装置用急閉鎖抑制装置は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の構築・構造物の開口部分や、構築・構造物の内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、構築・構造物内部の空間を仕切ったり開放したりする所謂シャッター装置に適用した一例として説明する。
シャッター装置である開閉装置1は、空間を仕切ったり開放したりするようにスライドする開閉体10と、該開閉体10を開閉方向(図示例によれば上下方向)へ案内するガイドレール(図示せず)と、該開閉体10を繰出したり巻取ったりする巻取軸20と、該巻取軸20の回転により開閉体10を開閉動作させる従動回転体30(第一回転体)および駆動回転体40と、駆動回転体40を回転させる駆動源50と、前記駆動回転体40の回転力を従動回転体30に伝達するように掛けわたされた無端輪状動力伝達部材60とを備え、前記無端輪状動力伝達部材60の切断等に起因して、開閉体10が自重により急に閉鎖動作してしまうようなことを、急閉鎖抑制装置Aによって阻むようにしている。
開閉体10は、横長略矩形状の金属板を曲げ加工してなる所謂スラット(図示せず)を、隣接する該スラット間で折曲げられるように複数連接してなり、幅方向の両端側を左右のガイドレール(図示せず)によって囲まれて開閉方向(図示例では上下方向)へ案内される。この開閉体10における閉鎖方向側の端部には、躯体開口部の下端側内面や床面、地面等に当接させるための座板部材11が接続されている。
そして、この開閉体10の上端側は巻取軸20の外周面に止着されている。
巻取軸20は、開閉体10の幅方向へわたる略円筒状の部分であり、その軸心部に配置された軸本体21と、該軸本体21の周囲に配置された巻取ホイール22とから一体的に構成され、軸本体21の両端部側を、それぞれ支持ブラケット70に貫通させた状態で、該支持ブラケット70によって回動自在に支持されている。
そして、この巻取軸20の軸方向の一端側における支持ブラケット70よりも外側には、従動回転体30が略同軸状に固定されている。
従動回転体30(第一回転体)は、無端輪状動力伝達部材60を掛けるための略円盤状のスプロケット部31と、後述する急閉鎖抑制装置Aにより係合可能な爪車部32とから一体回転可能に構成されている。
スプロケット部31は、本実施の形態の一例によれば、チェーンである無端輪状動力伝達部材60を掛け巻くように、その外周面が凹凸状に形成されている。
また、爪車部32は、その外周面を、前記スプロケット部31外周面の凹凸よりも大きい凹凸状に形成している。この爪車部32外周面に形成される凹凸部における凸部は、図1に示すように、その先端側が回転体繰り出し回転方向(図1の反時計方向)へ傾斜した形状を呈する。
また、駆動回転体40は、従動回転体30のスプロケット部31よりも径の小さいスプロケットであり、従動回転体30と略平行に配置される。
そして、この駆動回転体40は、駆動源50の出力軸51に固定されている。
駆動源50は、交流モータや直流モータ等の電動モータであり、支持ブラケット70に固定支持され、出力軸51を正逆方向へ回転させるように制御されている。この駆動源50には、出力軸51を回転不能にロックする周知のブレーキ機構が具備されている。
そして、従動回転体30のスプロケット部31と駆動回転体40とには、無端輪状動力伝達部材60が掛けわたされている。
無端輪状動力伝達部材60は、所謂チェーンであり、適度な張力を維持した状態で、スプロケット部31および駆動回転体40に巻かれている。
また、支持ブラケット70は、巻取軸20の軸本体21の端部側に対し略直交するようにして配置された略板状の部材であり、当該開閉装置1の設置対象物である躯体等に対し固定されている。
この支持ブラケット70には、後述する係合部材90を支持する軸部材71や、係合不能位置にある係合部材90によって当接される被当接部72等が突設されている。
なお、本実施の形態の好ましい一例によれば、前述したように従動回転体30、駆動回転体40、無端輪状動力伝達部材60をチェーンと二つのスプロケットによる構成としているが、これらをベルトと二つのプーリーによる構成に置換することも可能である。
また、急閉鎖抑制装置Aは、開閉体10の閉鎖動作に伴う従動回転体30の回転が所定の速度数以上となった際に、この従動回転体30の回転に連動して巻取体81(第二回転体)を回転させるガバナ装置80と、従動回転体30の爪車部32に対し係合不能な係合不能位置から同爪車部32に対し係合する係合位置へ揺動するように支持された係合部材90と、一端側が前記巻取体81(第二回転体)の外周面に止着されるとともに他端側が前記係合部材90の揺動端側に止着された紐状部材100とからなり、巻取体81に巻かれる紐状部材100の牽引力により係合部材90を揺動させ、この係合部材90を従動回転体30の爪車部32に係合させることで、従動回転体30の回転を抑制するように構成されている。
ガバナ装置80は、軸心側回転体の回転が所定速度以上になった際に、その軸心側回転体の回転力を周囲側回転体に伝達する周知の機構であり、本実施の形態によれば、前記軸心側回転体を巻取軸20の軸本体21に固定するとともに、前記周囲側回転体を後述する紐状部材100を巻き取るための巻取体81として用いるようにして、支持ブラケット70に装着されている。
このガバナ装置80は、前記作用を奏するものであれば周知の何れの態様のものを用いても構わないが、例えば、前記軸心側回転体が所定回転速度以上の遠心力によって拡径するように動作して前記周囲側回転体に係合する構造のものが用いられる。
また、巻取体81は、前記ガバナ装置80の周囲側回転体としてもよいし、該周囲側回転体と一体的に回転するように設けられた回転体としてもよい。
この巻取体81は、開閉体10の閉鎖動作に伴う回転(図1によれば反時計方向の回転)により後述する紐状部材100を巻き取るように、外周面に紐状部材100の一端側を止着している。
また、係合部材90は、従動回転体30の爪車部32と係合する揺動端側を回動させるように、その基端側が不動部位である支持ブラケット70に対し軸部材71を介して支持された係合爪部材91と、該係合爪部材91に対し一体的に固定されるとともに同軸部材71に支持された筒部92とからなる。
係合爪部材91は、その揺動端部に、爪車部32に対し噛み込み可能な爪部91aを有する。
また、筒部92は、後述する紐状部材100により牽引された際に係合爪部材91を係合方向へ揺動させるように、その外周部に紐状部材100の他端側を止着している。
そして、上記構成の係合部材90は、その重量バランスにより爪車部32と係合することのない係合不能位置に維持される。
より詳細に説明すれば、係合部材90における係合爪部材91の爪部91a側は、軸部材71を支点に反係合側(図1における左側)へ傾いた状態で、支持ブラケット70と一体的な被当接部72に当接している。この当接状態は、係合部材90における爪部91a側の自重により維持される。
なお、他の好ましい一例としては、図1に二点鎖線で示すように、係合部材90の揺動端側を反係合方向へ付勢して係合不能位置に維持する付勢手段93(例えば、引張りバネ等)を設けるようにしてもよい。
また、他例としては、軸部材71にコイルバネを環装し、該コイルバネの捩り力により係合部材90の揺動端側を反係合方向へ付勢するようにしてもよい。
更に、他例としては、係合部材90を支持ブラケット70との摩擦により係合不能位置に維持するようにしてもよい。
なお、図示例によれば、係合部材90を回転体30の左下側に配置する構成としているが、この係合部材90は、回転体30に対し係脱可能であれば、回転体30の周囲における任意の位置に配置することが可能である。
また、紐状部材100は、本実施の形態の好ましい一例によれば金属製ワイヤーが用いられる。
次に、上記構成の開閉装置1および急閉鎖抑制装置Aについて、その作用効果を詳細に説明する。
異常のない通常時には、巻取軸20および従動回転体30の回転力は、ガバナ装置80の巻取体81に伝達されないため、巻取体81が紐状部材100を巻き取ることがない。したがって、図1(a)に示すように、係合部材90は、左側へ傾いた係合不能位置に維持される。
また、無端輪状動力伝達部材60の切断等、異常の発生により、開閉体10が巻取軸20から急速に繰り出されそうになった場合には、巻取軸20と一体的な従動回転体30の開閉体閉鎖方向の回転が所定速度以上になるため、ガバナ装置80の作動により巻取体81が巻取り方向へ回転し、その巻取体81によって紐状部材100が巻き取られる。
そのため、係合部材90は、紐状部材100に牽引されて係合方向(図示の右方向)へ揺動し、爪部91aを従動回転体30の爪車部32に噛み合わせる(図1(b)参照)。
よって、従動回転体30の回転が停止するとともに、巻取軸20の繰り出し方向の回転も停止し、開閉体10が急閉鎖してしまうのを防ぐことができる。
次に、本発明に係わる開閉装置用急閉鎖抑制装置の他例について説明する。なお、以下に示す急閉鎖抑制装置において上記急閉鎖抑制装置Aと略同様に構成される部位については、上記急閉鎖抑制装置Aと同一の符号を付けることで重複する詳細説明を省略する。
図3に示す急閉鎖抑制装置Bは、上記係合部材90を上下逆さまにした態様の係合部材90’と、上記急閉鎖抑制装置Aにおいて巻取体として用いられていた第二回転体81と、該第二回転体81と該係合部材90’の筒部92とにわたって掛けまわされた無端輪状動力伝達部材94と、係合部材90’を係合不能位置側へ付勢する付勢部材93とを具備してなる。
係合部材90’は、爪部91a’を下方向きにした係合爪部材91’と、該係合爪部材91’と一体的な筒部92とからなり、その揺動中心部が、従動回転体30の中心部よりも上方側に配置されて枢支されている。
無端輪状動力伝達部材94は、第二回転体81の回転力を筒部92に伝達するように巻かれたベルトである。なお、第二回転体81と筒部92との各々をスプロケット状に構成することで、無端輪状動力伝達部材94をチェーンとすることも可能である。
よって、図3に示す急閉鎖抑制装置Bによれば、異常等の発生により、開閉体10の閉鎖動作に伴う従動回転体30(第一回転体)の回転速度が所定以上になった場合には、第二回転体81が回転を始め、その回転する第二回転体の回転力が無端輪状動力伝達部材94を介して筒部92に伝達され、該筒部92と一体的な係合爪部材91’が揺動して従動回転体30に係合し、従動回転体30の回転が抑制される。そのため、従動回転体30と連動して開閉体10の閉鎖動作も抑制される。
また、図4に示す急閉鎖抑制装置Cは、第二回転体81と同軸で一体的な歯車82の回転力によって係合部材90”を揺動させるようにしている。
係合部材90”は、係合爪部材91と、該係合爪部材91と一体的に回動するとともに前記歯車82と噛み合う歯車95とからなる。
この急閉鎖抑制装置Cによれば、異常等の発生により、開閉体10の閉鎖動作に伴う従動回転体30(第一回転体)の回転速度が所定以上になった場合には、第二回転体81が回転を始め、その回転する第二回転体81の回転力が、歯車82および歯車95を介して係合爪部材91に伝達され、係合爪部材91が揺動して従動回転体30に係合し、従動回転体30の回転が抑制される。
なお、上記急閉鎖抑制装置Cでは、従動回転体30の回転力を、二つの歯車82,95により係合部材90”へ伝達する態様としたが、他例としては、図に示す急閉鎖抑制装置Dのように、ガバナ装置80側の歯車82と係合部材90”側の歯車95との間に、二つの中間歯車96,96を設けるようにしてもよい。更に、前記中間歯車96を三つ以上とすることも可能である。
本発明に係わる開閉装置用急閉鎖抑制装置の一例を示す側面図であり、(a)は係合部材が係合不能位置に維持された状態を示し、(b)は同係合部材が係合位置となった状態を示す。 同開閉装置用急閉鎖抑制装置を示す要部分解斜視図である。 本発明に係わる開閉装置用急閉鎖抑制装置の他例を示す側面図である。 本発明に係わる開閉装置用急閉鎖抑制装置の他例を示す側面図であり、要部を切欠して示している。 本発明に係わる開閉装置用急閉鎖抑制装置の他例を示す側面図であり、要部を切欠して示している。
1:開閉装置
10:開閉体
20:巻取軸
30:従動回転体(第一回転体)
31:スプロケット部
32:爪車部
80:ガバナ装置
81:巻取体(第二回転体)
90:係合部材
93:付勢部材
100:紐状部材
A:急閉鎖抑制装置

Claims (3)

  1. 第一回転体の回転に連動させて開閉体を開閉動作するようにした開閉装置に具備されて、開閉体の急な閉鎖動作を抑制する急閉鎖抑制装置であって、
    前記開閉体の閉鎖動作に伴う前記第一回転体の回転が所定の速度数以上となった際に、この第一回転体の回転に連動して第二回転体を回転させるガバナ装置と、
    前記第一回転体に係合不能な係合不能位置から同第一回転体に係合する係合位置へ揺動するように支持された係合部材とを備え、
    前記第二回転体の回転力により前記係合部材を揺動させ、この係合部材を前記第一回転体に係合させることで、前記第一回転体の回転を抑制するようにした開閉装置用急閉鎖抑制装置において、
    前記第二回転体が、紐状部材を巻き取るように該紐状部材の一端側を外周面に止着した巻取体であり、前記紐状部材の他端側を前記係合部材の揺動端側に止着し、
    通常時には、前記ガバナ装置の作用により第一回転体の回転力が前記巻取体に伝達されず、前記巻取体が前記紐状部材を巻き取ることがなく、
    前記開閉体の閉鎖動作に伴って前記第一回転体の回転が所定の速度数以上となった際には、前記ガバナ装置の作用により前記第一回転体の回転力が前記巻取体に伝達されて、前記巻取体が前記紐状部材を巻き取りながら回転し、前記巻取体に巻かれる前記紐状部材の牽引力により、前記係合部材を揺動して前記第一回転体に係合させ、前記第一回転体の回転を抑制するようにしたことを特徴とする開閉装置用急閉鎖抑制装置。
  2. 前記開閉体を繰出したり巻取ったりする巻取軸を備え、この巻取軸の軸方向の一端側には前記第一回転体が固定され、
    前記第一回転体は、駆動源の回転力が伝達されるスプロケット部と、前記係合部材により係合可能な爪車部とから一体回転可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置用急閉鎖抑制装置。
  3. 前記ガバナ装置は、軸心側回転体の回転が所定速度以上になった際に、その軸心側回転体の回転力を周囲側回転体に伝達するように構成され、前記軸心側回転体を前記巻取軸に固定するとともに、前記周囲側回転体又は前記周囲側回転体と一体的に回転するように設けられた回転体を前記巻取体として用いることを特徴とする請求項2記載の開閉装置用急閉鎖抑制装置。
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