JP2008121217A - 開閉装置用急閉鎖抑制装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 開閉体10の閉鎖方向側部位と開閉体開放方向側の不動部位との間にわたるように設けられる可撓性の線状部材30と、開閉体10の開閉動作に伴い線状部材30を巻き取ったり繰り出したりする巻取装置40と、線状部材30により可動部材52が引っ張られるようにした係合装置50とを備え、開閉体10の急閉鎖に伴い巻取装置40の回転を停止し、その停止による張力の上昇により線状部材30を分離し、線状部材30が分離された可動部材52の揺動により開閉体10を不動部位に係合させるようにした。
【選択図】 図1
Description
この開閉装置における開閉体は、スライドすることで空間を仕切ったり開放したりする部材であればよく、その具体例としては、複数のスラットやパネル、パイプを開閉方向へ連設してなる態様や、シート状物やネット状物からなる態様、あるいはスラット、パネル、パイプ、シート状物、ネット状物等を適宜に組み合わせてなる態様等が挙げられる。
この巻取装置の具体例としては、上記線状部材として帯状のベルトを巻き取ったり繰り出したりするようにした周知の自動車シートベルト用リトラクターが挙げられる。
この係合装置には、開閉体側に設けられる可動部材を不動部位に係合させるようにした態様や、不動部位側に設けられる可動部材を開閉体に係合させるようにした態様等を含む。
また、上記可動部材には、上記係合方向と上記反係合方向とへ揺動するようにした態様や、上記係合方向と上記反係合方向とへスライドするようにした態様等を含む。
また、上記可動部材を上記係合方向へ付勢する手段は、好ましくはスプリングや板バネ、ゴム等の弾性体を用いた態様とされるが、可動部材を自重によって係合方向へ付勢する態様とすることも可能である。
また、上記分離手段の具体例としては、二つの線状部材を連結する部材が所定の引張力により分割又は破断するようにした態様や、上記線状部材自体が所定の引張力により破断するようにした態様、上記線状部材の接続箇所が所定の引張力により分離または破断するようにした態様等が挙げられる。
この分離手段の配置は、上記線状部材を二つの線状部材から構成した場合においてこれら二つの線状部材の間や、上記線状部材の端部側の接続箇所、上記線状部材自体等とすることが可能である。
また、上記「開閉体と不動部位とを係合させて」における不動部位は、前記具体例を含むが、開閉体開放方向側の不動部位には限定されず、例えば開閉体閉鎖方向側の不動部位であってもよい。
ここで、この第二の発明における分離手段は、より具体的に説明すれば、複数の部材を、前記引張力の上昇により分離可能な状態で、一体化した構成を意味する。
この分離手段の好ましい具体例としては、上記線状部材の線上、又は上記線状部材の端部の接続箇所に凹状部材と凸状部材を介在し、これら凹状部材と凸状部材を繰り出し停止された際の前記線状部材に作用する引張力の上昇により離脱するように嵌め合わせた構成等が挙げられる。
また、この分離手段の他例としては、上記線状部材の線上、又は上記線状部材の端部の接続箇所に磁力により吸着し合う複数の磁石を介在し、これら複数の磁石を、繰り出し停止された際の前記線状部材に作用する引張力の上昇により離脱するようにした構成等が挙げられる。
更に、この分離手段の他例としては、上記線状部材の線上、又は上記線状部材の端部の接続箇所に接着により一体化された複数の部材を介在し、これら複数の部材の接着箇所を、繰り出し停止された際の前記線状部材に作用する引張力の上昇により剥離するようにした構成等が挙げられる。
第一の発明によれば、通常時は、開閉体と開閉体開放方向側の不動部位との間にわたる線状部材が、開閉体の開閉動作に伴って巻取装置により巻き取られたり繰り出されたりする。この開閉動作の際、係合装置の可動部材は、線状部材の引張力によって反係合方向側に維持される。
巻取装置から繰り出される線状部材の繰出速度が所定値以上となった場合には、巻取装置の巻取体が回転を停止するため、線状部材の引張力が上昇し、該線状部材が分離する。
そのため、係合装置の可動部材は、付勢力によって係合方向へ移動して、開閉体と不動部位とを係合させて、開閉体の閉鎖動作を抑制する。
よって、開閉体を巻き取ったり繰り出したりする巻取軸の異常や、開閉体を開閉動作させる駆動源の異常、該駆動源の動力を伝達する動力伝達機構の異常等、開閉体開放方向側の多様な異常に起因して、開閉体が急な閉鎖動作をしてしまうのを防ぐことができる。
ひいては、巻取装置の巻取体が回転を停止した際の線状部材の分離性を良好にすることができる。
本実施の形態の開閉装置用急閉鎖抑制装置は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の構築・構造物の開口部分や、構築・構造物の内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、構築・構造物内部の空間を仕切ったり開放したりする開閉装置に適用可能であり、特に好ましい態様として所謂シャッター装置に適用した一例を説明する。
この開閉体10の上端側は、該開閉体10を巻き取ったり繰り出したりする巻取軸(図示せず)の外周面に止着されている。
この巻取装置40の一端側(図示例によれば上端側)は巻取装置40の巻取体41外周面に止着され、他端側(図示例によれば下端側)は、分離手段33に接続されている。
この分離手段33は、繰り出し停止された線状部材30に作用する引張力の上昇により、凹状部材33aから凸状部材33bを外すことで、線状部材30における第一線状部材31と第二線状部材32の間を分離する。
前記引張力の所定値は、開閉体10が通常の開閉動作を行う際に線状部材30に作用する引張力よりも大きな値とされる。
この凸状部材33bの上端側の前記突起は凹状部材33aの開口部内に嵌合され、同凸状部材33bの下端側には、第二線状部材32の上端側が止着される。
巻取体41を巻き取り方向へ付勢するゼンマイ機構等の付勢力は、開閉体10が通常の閉鎖動作をする際に作用する閉鎖方向の力よりも小さな力に設定されている。
また、前記繰出速度に係わる所定値は、開閉体10が通常の閉鎖動作をする場合の速度よりも速い速度に設定されている。
そして、この巻取装置40は、ガイドレール20の上端側、あるいは開放動作した際の開閉体10を収納する収納ケース(図示せず)、または開閉体10上方側のまぐさ部材(図示せず)等、不動部位に支持されている。
より詳細に説明すれば、この係合装置50は、図2に示すように、開閉体10側に固定される固定部材51(図2参照)と、ガイドレール20に対し接近して係合する方向(換言すれば係合方向)とガイドレール20から離間する方向(換言すれば反係合方向)との双方向へ自在に回動するように、固定部材51に支持された可動部材52と、該可動部材52を前記係合方向へ回動させるように付勢する付勢部材53と、可動部材52に対し回動自在に支持されたアーム54とを備え、該アーム54の自由端側に挿通した第二線状部材32の下端を、下方向きに突出する止着部52aを介して可動部材52に止着している。
そして、この係合装置50は、可動部材52が付勢部材53の付勢力に抗するようにして第二線状部材32により引っ張られることで、可動部材52を前記反係合方向側に維持するようにしている。
そして、可動部材52は、線状部材30の引張力により反係合方向側の所定位置に維持され(図3(a)参照)、線状部材30の引張力が消失した際には係合方向へ回動して、ブレード52bをガイドレール20に食い込ませる(図3(c)参照)。
この付勢部材53の付勢力は、巻取装置40において巻取体41を巻き取り方向へ付勢する付勢力よりも小さな力であって、且つ分離手段33の凹状部材33aと凸状部材33bを分離させる力よりも小さな力に設定されている。
このアーム54は、ガイドレール20の上端側が前方または後方へ湾曲している開閉装置(例えばオーバーヘッドドア等)である場合に、特に有効に作用するものである。
そのため、当該開閉装置1のようにシャッター装置である場合には、このアーム54を省き、第二線状部材32を可動部材52の下辺側部分によりガイドする構造としてもよい。
通常の開閉体10の開閉動作中は、線状部材30の引張力により、可動部材52が反係合方向側の所定位置に維持される(図3(a)参照)。
そのため、線状部材30には、通常の開閉動作の際に作用する引張力以上の引張力が作用し、その引張力により分離手段33における凹状部材33aと凸状部材33bとが分離する(図3(b)参照)。したがって、線状部材30における第二線状部材32が第一線状部材31から離脱した状態となる(図3(c)参照)。
また、係合装置60は、まぐさ部材等の不動部位60aに固定された固定部材61と、開閉体10に対し接近する係合方向と開閉体10から離間する反係合方向との双方向へ自在に回動するように、固定部材61に支持された可動部材62と、該可動部材62を前記係合方向へ回動させるように付勢する付勢部材(図示せず)とを備え、可動部材62の自由端側に、第二線状部材32の上端を止着している。
この分離手段は、開閉体10が通常の開閉動作をしている際に線状部材30に作用する引張力よりも大きな引張力により、第二線状部材32を第一線状部材31から分離する構成であればよく、上述した凹状部材33aおよび凸状部材33bからなる分離手段33としてもよいし、前記接続箇所の破壊により第二線状部材32が分離する構成としてもよい。
そのため、線状部材30には、通常の開閉動作の際に作用する引張力以上の引張力が作用し、その引張力により、線状部材30における第二線状部材32が第一線状部材31から離脱した状態となる(図3(c)参照)。
すると、係合装置60における可動部材62が係合方向へ回動してスラット11の凹部に嵌り合うため、開閉体10の閉鎖動作が停止することになる。
固定部材71は、開閉体10開放方向の不動部位(例えばまぐさ部材や、まぐさ部材に固定されたブラケット、ガイドレール等)に固定され、可動部材72を揺動可能に支持している。
可動部材72は、その自由端側に固定されたブレード52bを、開閉体10に接近する係合方向と開閉体10から離間する反係合方向へ揺動させるように、固定部材71によって支持されている。
アーム72aは、補助線状部材32’による下方向きの引張力により可動部材72を反係合方向へ回動させるように、その基端側が可動部材72に支持されている。
なお、図示例のアーム72aは、上述した開閉装置1における係合装置50のアーム54と共通部品化するために、可動部材72に対し揺動自在に支持されるが、このアーム72aは、揺動不能な構成とすることも可能である。
そのため、線状部材30’及び補助線状部材32’には、通常の開閉動作の際に作用する引張力以上の引張力が作用し、その引張力により、補助線状部材32’よりも引張強度の弱い線状部材30’が断線する(図5(b)参照)。
すると、係合装置70における可動部材72が係合方向へ回動して開閉体10におけるスラットの凹部に嵌り合うため、開閉体10の閉鎖動作が停止することになる。
また、他例としては、異常時の引張力により補助線状部材32’とアーム72aの接続箇所や、補助線状部材32’と巻取装置40の接続箇所、あるいは線状部材30’と座板部材12の接続箇所等が外れる構成としてもよい。
更に、他例としては、線状部材30’および補助線状部材32’の線上に、上述した分離手段33を具備するようにしてもよい。
20:ガイドレール
30:線状部材
31:第一線状部材
32:第二線状部材
33:分離手段
33a:凹状部材
33b:凸状部材
40:巻取装置
41:巻取体
50:係合装置
52:可動部材
53:付勢部材
Claims (7)
- 開閉体の閉鎖方向側部位と開閉体開放方向側の不動部位との間にわたるように設けられる可撓性の線状部材と、開閉体の開閉動作に伴い前記線状部材を巻き取ったり繰り出したりする巻取装置と、可動部材の移動により開閉体と不動部位とを係合させて開閉体の閉鎖動作を抑制する係合装置とを備えた開閉装置用急閉鎖抑制装置であって、
前記巻取装置は、前記線状部材を巻き取るように付勢された巻取体と、この付勢力に抗して前記線状部材が繰り出されてその繰出速度が所定値以上となった場合に、前記巻取体の繰り出し方向の回転を停止する手段とを備え、
前記係合装置は、前記線状部材の引張力により前記可動部材が反係合方向側に維持されるとともに、該引張力よりも小さい付勢力により同可動部材が係合方向へ付勢されるように構成され、
前記線状部材の線上には、繰り出し停止された際の前記線状部材に作用する引張力の上昇により前記線状部材を分離する分離手段を備えていることを特徴とする開閉装置用急閉鎖抑制装置。 - 上記分離手段は、上記線状部材の線上、又は上記線状部材の端部の接続箇所に配設され、繰り出し停止された際の前記線状部材に作用する引張力の上昇により離脱するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置用急閉鎖抑制装置。
- 上記分離手段は、上記線状部材を、繰り出し停止された際の引張力の上昇により破断するように構成してあることを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置用急閉鎖抑制装置。
- 上記巻取装置は、上記線状部材の一端側を巻き取ったり繰り出したりするようにして、開閉体と不動部位との内の一方に支持され、
上記係合装置は、上記可動部材が上記線状部材の他端側により引っ張られるようにして、開閉体と不動部位との内の他方に支持されていることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の開閉装置用急閉鎖抑制装置。 - 上記巻取装置は、開閉体開放方向側の不動部位に支持され、
上記係合装置は、移動した際の可動部材を開閉体開閉方向に沿う不動部位に係合させるように、開閉体に支持され、
上記線状部材は、その一端側を巻取装置の巻取体に止着するとともに、その他端側を上記係合装置の可動部材に止着していることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の開閉装置用急閉鎖抑制装置。 - 上記巻取装置は、開閉体の閉鎖方向側に支持され、
上記係合装置は、移動した際の可動部材を開閉体に係合させるように、開閉体開放方向側の不動部位に支持され、
上記線状部材は、その一端側を巻取装置の巻取体に止着するとともに、その他端側を上記係合装置の可動部材に止着していることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の開閉装置用急閉鎖抑制装置。 - 上記係合装置は、移動した際の可動部材を開閉体に係合させるように、開閉体開放方向側の不動部位に支持され、
上記巻取装置は、上記係合装置の可動部材を反係合方向へ引っ張るようにして吊下げ状に支持され、
上記線状部材は、その一端側を巻取装置の巻取体に止着するとともに、その他端側を開閉体に止着していることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載の開閉装置用急閉鎖抑制装置。
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