JP5039047B2 - 鍛造プレスのダイをブロー及び/又はスプレする方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鍛造プレス、特に落とし鍛造プレスの上側及び/又は下側に配置されたダイをブロー及び/又はスプレする方法であって、グリップ装置を備えた搬送リフティングビームによる自動的なワーク搬送を行い、機械式のブロー及び/又はスプレ装置を鍛造プレスの工具室に進入させ、かつ該工具室から再び進出させる形式の方法、並びに、鍛造プレス、特に落とし鍛造プレスの上側及び/又は下側に配置されたダイをブロー及び/又はスプレする装置であって、グリップ装置を備えた搬送リフティングビームによる自動式のワーク搬送装置と、機械式のブロー及び/又はスプレ装置とが設けられていて、該ブロー及び/又はスプレ装置が、鍛造プレスの工具室に進入させられ、かつ該工具室から再び進出させられる形式の装置に関する。
自動式のワーク搬送装置を備えた落とし鍛造プレスでは、ワークを1つの加工ステーションから次の加工ステーションに、リフティングビーム自動装置を用いて搬送することが一般的である。ワーク搬送のためには先行技術において種々様々な構造形式のリフティングビーム自動装置が公知であり、例えばDE3721694C4に基づいて公知のリフティングビーム自動装置には、それぞれグリッパを備えた互いに平行な2つのリフティングビームが設けられており、これによってワークをリフティングビームの間において把持し、ダイから持ち上げ、次の加工ステーションに搬送することができる。別の構造形式のリフティングビーム自動装置は、グリッピングトングを備えたただ1つのリフティングビームだけをもって作動する。
落とし鍛造プレスの工具室内において前記リフティングビーム自動装置を用いて自動的なワーク搬送を実施する場合、1つの鍛造品と他の鍛造品との間には時間的な空白域は存在せず、ワーク搬送は連続的に行われる。通常、それぞれ第2の鍛造オペレーションが確保されて鍛造が行われ、つまり自動的な実行中にはダイのそれぞれ第2の加工面(Gravur)だけがワークによって占領されている。
ワークを連続的に繰り返し製造する変形機械において不可欠な、ダイのブロー及び/又はスプレは、この場合常に、ダイが空いてちょうどプレス行程が実施されない時にしか、行うことができない。電気式、空気力式又は液圧式に制御されてスプレヘッドを備えた公知のスプレアームは、従って常に、プレスラムがその上死点において休止位置を占めている場合にしか、工具室に進入することもしくは工具室に位置することができない。つまり、いずれにせよ利用できる短いブロー及び/又はスプレ時間から、制御及び監視時間によってかなりの時間が失われてしまう。このようにして運転されるスプレアーム装置はDE3230095C2に基づいて公知である。
DE3844262A1に基づいて公知の移動可能なスプレノズル装置は、プレスラムの操作と時間的に合わせられて作動し、これによってスプレノズルは、上下のダイが互いに離反運動する時間に移動させられる。液圧式又は空気力式の調節駆動装置を用いて移動可能なキャリッジ又は、送り装置の駆動軸によって駆動されるカム機構を使用する、この公知の装置は、1つの作業サイクルを実施するために、つまりダイ部分の間にスプレノズル装置を導入するための前進行程と次いで行われるダイ部分から進出するための戻り行程とから成る一連の運動のために、平均的に1.5〜2秒の極めて長い操作時間を必要とする。
ゆえに本発明の課題は、冒頭に述べた形式の方法及び装置を改良して、特に、自動式のワーク搬送のサイクル時間に良好に合わせられた、ダイの迅速な冷却及び/又は潤滑を可能にすることである。
この課題を解決するために本発明の方法では、搬送リフティングビームが、先行する鍛造工程において製造されたワークを持ち上げて工具室から搬出する間に、スプレ装置を備えたリフティングビームを、搬送リフティングビームの上昇・搬出運動に対して同期的に、しかしながら該上昇・搬出運動とは無関係に独立して、工具室内に進入させ、該工具室の内部においてスプレ装置を作動させ、鍛造ダイをその輪郭近傍において冷却及び/又は潤滑する。
この方法では搬送リフティングビーム及びスプレリフティングビームのサイクル開始は、ダイの外におけるそれぞれの準備位置から同時に行われ、これに対して両方のリフティングビームの後続の長手方向及び横方向運動並びに上昇及び下降運動は、確かにその実行をコーディネートもしくは調整されるが、しかしながら完全に互いに無関係に独立して実施することができる。
これによって、既に搬送リフティングビームが上昇運動によって把持されたワークをダイから持ち上げている間に、スプレリフティングビームは同時に工具室に向かって、開放されたダイの間に移動することができる。そして搬送リフティングビームがワークと共に長手方向運動又は横方向運動して工具室から進出するや否や、スプレリフティングビームの、該スプレリフティングビームに配置されたスプレ装置は、完全に工具室内に進入し、直ぐに冷却及び/又は潤滑工程を開始することができる。これによって次の加工ステーションへのワークの搬送過程を最初から、ダイを冷却及び/又は潤滑するための運動経過と重畳させることができる。
本発明の有利な方法では、スプレリフティングビームが工具室の内部において下降運動及び/又は上昇運動を実行する。このようにすると、スプレ装置を特に近傍に、ワーク面もしくはダイの加工面に対して最適な間隔をおいて位置決めすることができる。
本発明の別の有利な方法では、搬送リフティングビームとスプレリフティングビームとを互いに逆方向に運動させる。このようにすると、邪魔にならない運動実施を行うことができる。搬送リフティングビームの進出と共に、工具室においては、同時に進入するスプレリフティングビームのための自由空間が逓増するからである。
本発明の別の有利な方法では、搬送リフティングビームが、受容された鍛造済みワークを冷却及び/又は潤滑過程中に、次の加工ステーションに搬送し、そこで下ろし、次いでワーク素材を受容して工具室に搬入し、この際に該搬送リフティングビームの搬入動作に同期して、スプレ装置をスイッチオフして、スプレリフティングビームを工具室から進出させる。次の加工ステーションへのワーク搬出と、工具を冷却及び/又は潤滑するためのこの搬送段階の利用と、加工ステーションへの新たなワーク素材の搬入及び同時に行われる該加工ステーションの工具室からのスプレ装置の引戻しとの間における交互動作は、運動経過を互いに合わせられた両リフティングビームの連続的に循環する自動装置の、鍛造プレスの所望の生産出力に応じて所定されたクロック周波数で、常に繰り返される。
本発明の方法を実施するための本発明の装置では、搬送リフティングビームに、一時的に作動可能なスプレ装置を備えて形成された別体のスプレリフティングビームが対応配置されており、搬送リフティングビームとスプレリフティングビームとが、リフティングビーム自動装置を介して、互いに逆方向の運動経過で駆動されるように同期化されていて、両リフティングビームがその制御のために、1つの共通の制御兼調整装置に接続されている。
このようにサーボ電気式の共通の制御兼調整装置を介して駆動を同期させることによって、自動的なワーク搬送のために設けられたリフティングビーム自動装置に組み込まれている両方のリフティングビームを、リフティングビーム自動装置によって所定された運動経過で、正確かつ確実に開始することができる。
同時に行われるワークの搬送と工具の冷却及び/又は潤滑とのために必要な、搬送リフティングビーム及びスプレリフティングビームの運動経過は、この場合互いに異なっている。搬送リフティングビームが持ち上げられたワークと共に、工具室から外に長手方向運動又は横方向運動を実施するや否や、スプレリフティングビームはそのスプレ装置と共に、自由になった工具室内に徐々に進入する。
リフティングビーム自動装置はこの場合有利には電気液圧式の駆動装置によって作動させられ、この駆動装置によって、運動値における変化、個々の運動軸線相互の運動の対応関係における変化、並びに個々の運動軸線における運動速度の変化を、正確に制御することができる。択一的に電気空気力式の駆動装置を設けることも可能である。
リフティングビームもしくはリフティングビーム自動装置の制御は、サーボ電気式の制御兼調整装置によって行われ、この制御兼調整装置においては常に、リフティングビームの運動軸線及びプレス行程全体の目標値と実際値とが検出されて処理される。
次に図面を参照しながら本発明の実施例を説明する。
図1は、落とし鍛造プレスの工具室における両方のダイが閉鎖されている状態を、工具室の外に位置する搬送リフティングビーム及びスプレリフティングビームと共に示す図であり、
図2は、搬送リフティングビームがワークを把持して若干持ち上げた状態を、工具室内に進入したスプレリフティングビームと共に示す図であり、
図3は、搬送リフティングビームがワークをダイから完全に持ち上げた状態を、工具室内に進入したスプレリフティングビームと共に示す図であり、
図4は、搬送リフティングビームがワークを工具室から搬出した状態と、工具室内に進入したスプレリフティングビームの作業形態とを示す図であり、
図5は、搬送リフティングビームの運動経過を示す概略図であり、
図5aは、搬送リフティングビームの別の運動経過を示す概略図である。
図1〜図4に略示された落とし鍛造プレス(Gesenkschmiedepresse)は、工具室1に、上側ダイ3を備えた上側工具を受容するための上側の工具ホルダ2と、下側ダイ5を備えた下側工具を受容するための下側の工具ホルダ4とを有しており、上側の工具ホルダ2は例えばプレスポンチもしくはプレスラムによって昇降運動させられる。
1つの加工ステーションから次の加工ステーションへの鍛造されるワーク6の自動搬送、もしくはダイ5から後続のダイ7(図5,図5a参照)への鍛造されるワーク6の自動搬送は、図示されていない駆動装置によって操作される搬送リフティングビーム8によって行われる。この搬送リフティングビーム8はワーク6の確実な把持、保持及び搬送のためにグリッピングトング9を備えている。
工具室1の、搬送リフティングビーム8とは反対の側には、スプレノズル10を備えたスプレリフティングビーム11が、上側ダイ3及び下側ダイ5に対する冷却及び/又は潤滑及び/又はブローのために配置されている。スプレリフティングビーム11もまた駆動装置によって操作され、この駆動装置は、搬送リフティングビーム8の運動経過をコーディネートもしくは調整するリフティングビーム自動装置に組み込まれていて、独立してプログラミング可能である。リフティングビーム自動装置は制御兼調整装置12によって制御され、この制御兼調整装置12は常に、搬送リフティングビーム8及びスプレリフティングビーム11の運動軸線の目標値及び実際値と、プレス工程もしくは鍛造工程の開始及び終了と、プレスラムの位置とを、検知し、比較して、これによって形成された出発信号によって、スムーズな自動的なワーク搬送と、これに対して並列的に行われる上側ダイ3及び下側ダイ5の冷却及び/又は潤滑工程を制御する。
搬送リフティングビーム8及びスプレリフティングビーム11は、鍛造工程時に工具室1の外側において準備位置にある(図1参照)。鍛造工程が終了して、上側の工具ホルダ2が上側ダイ3と共にその休止位置に達した後で、搬送リフティングビーム8は工具室1内に進入し、そのトング9を用いて既に鍛造されたワーク6を把持し、これを持ち上げ、そして直線的に再び工具室1から進出する(図2、図3及び図4参照)。搬送リフティングビーム8の運動の経過、つまり進入13、上昇14及び進出15は、矢印を用いて図5に示されている。
工具室1からの搬送リフティングビーム8の戻り運動に同期して同時に、スプレリフティングビーム11は、上下にスプレ開口16,17を有するスプレノズル10で、工具室1内に進入して、上昇運動18及び下降運動19を実行し、この上下動の際に上側ダイ3及び下側ダイ5は、その外輪郭のそばをブロー及びスプレされる(図4参照)。
このスプレ過程の間に、搬送リフティングビーム8はその搬送過程を工具室1の外において続行し、ワーク6と共に長手方向運動して次の加工ステーションもしくは次のダイ7へと移動する(図5参照)。搬送リフティングビーム8はそこでダイ中心の上方に達するまで横方向運動を行い、下降運動によってワーク6をダイ7に下ろし、後退横方向運動によってダイ7から離れ、次いで工具室1における下側ダイ5へと戻る長手方向運動を実施する。搬送リフティングビーム8のこれらの運動の経過、つまり長手方向搬送20、ダイの上方への進入21、下降22、進出23及び戻り長手方向搬送24は、矢印を用いて図5に示されている。図5からさらに分かるように、搬送リフティングビーム8による下側ダイ7への長手方向運動及び下側ダイ5への戻り長手方向運動は、下側ダイ5,7の工具室1の外において行われる。図5aに示されているように、下側ダイ5から下側ダイ7への長手方向搬送運動は、ロックポイント(Rastpunkt)25によって運動区分20a,20bに分割される。このロックポイント25は、リフティングビーム自動装置のプログラミングされた保持ポイントであり、この保持ポンプにおいて搬送の自動的な実行が中断される。
下側ダイ7へのワーク6の搬送及び工具室1への搬送リフティングビーム8の戻りと同時に、スプレリフティングビーム11は工具室1から進出運動し、この運動は、スプレリフティングビーム11が再び、工具室1の外に位置している準備位置を占めるまで続く。このポジションには、搬送リフティングビーム8も、該搬送リフティングビーム8がワークをダイ5,7に下ろした後で、戻されるので、新たなワーク素材を鍛造することができ、次の加工ステーションへの搬送過程と、これに同期して行われるダイ3,5の冷却及び/又は潤滑のためのスプレリフティングビーム11の運動過程との間における交互動作を繰り返すことができる。
落とし鍛造プレスの工具室における両方のダイが閉鎖されている状態を、工具室の外に位置する搬送リフティングビーム及びスプレリフティングビームと共に示す図である。 搬送リフティングビームがワークを把持して若干持ち上げた状態を、工具室内に進入したスプレリフティングビームと共に示す図である。 搬送リフティングビームがワークをダイから完全に持ち上げた状態を、工具室内に進入したスプレリフティングビームと共に示す図である。 搬送リフティングビームがワークを工具室から搬出した状態と、工具室内に進入したスプレリフティングビームの作業形態とを示す図である。 搬送リフティングビームの運動経過を示す概略図である。 搬送リフティングビームの別の運動経過を示す概略図である。

Claims (4)

  1. とし鍛造プレスの上側及び/又は下側に配置されたダイ(3,5)をブロー及び/又はスプレする方法であって、グリップ装置(9)を備えた搬送リフティングビーム(8)によって自動的なワーク搬送を行い、ダイ(3,5)をブロー及び/又はスプレする機械式のスプレ装置(10)を落とし鍛造プレスの工具室(1)に進入させ、かつ該工具室(1)から再び進出させる形式の方法において、
    プレ装置(10)を備えたリフティングビーム(11)を、搬送リフティングビーム(8)の上昇・搬出運動に対して同期的に、工具室(1)内に進入させ、該工具室(1)の内部においてスプレ装置(10)を作動させ、鍛造ダイ(3,5)をその輪郭近傍において冷却及び/又は潤滑し、しかも搬送リフティングビーム(8)が、先行する鍛造工程において製造されたワーク(6)を持ち上げて工具室(1)から搬出する間に、スプレ装置(10)を備えたリフティングビーム(11)を工具室(1)内に進入させることを特徴とする、落とし鍛造プレスのダイをブロー及び/又はスプレする方法。
  2. スプレリフティングビーム(11)が工具室(1)の内部において下降運動及び/又は上昇運動(18)を実行する、請求項1記載の方法。
  3. 搬送リフティングビーム(8)とスプレリフティングビーム(11)とを互いに逆方向に運動させる、請求項1又は2記載の方法。
  4. 搬送リフティングビーム(8)が、受容された鍛造済みワーク(6)を冷却及び/又は潤滑過程中に、次の加工ステーション(7)に搬送し、そこで下ろし、次いでワーク素材を受容して工具室(1)に搬入し、この際に該搬送リフティングビーム(8)の搬入動作に同期して、スプレ装置(10)をスイッチオフして、スプレリフティングビーム(11)を工具室(1)から進出させる、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
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