JP5037759B2 - ポリイミドフィルムおよびそのポリイミドフィルムを用いたフレキシブルプリント基板 - Google Patents

ポリイミドフィルムおよびそのポリイミドフィルムを用いたフレキシブルプリント基板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い機械強度および高い接着強度を有するポリイミドフィルムおよびそのポリイミドフィルムを用いた接着不良の発生がないフレキシブルプリント基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミドフィルムは、耐熱性、絶縁性、耐溶剤性および耐低温性などを備えており、コンピュータならびにIC制御の電気・電子機器部品材料として広く用いられている。近年、携帯電話などの小型汎用機器にポリイミドフィルムが多く使用されるようになり、接着性をはじめとする特性での要求が厳しくなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記状況に鑑み、本発明者らは鋭意検討を行った結果、上記の問題点の発生しない、すなわちフィルム機械強度の低下がなく高い接着性を有するポリイミドフィルムの製造方法を開発し、本発明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリイミドフィルムを製造する場合に、引き裂き伝播抵抗のR値および抵抗値の保持率が、そのフィルムの焼成度と関係することを見出したことに基づく。
【0005】
より詳細には、本発明は、フィルムの引裂き伝播抵抗の測定のR値、および150℃で100%RHの環境下に12時間放置後の引裂き伝播抵抗の保持率が目標の範囲に入るポリイミドフィルムが、フィルム機械強度の低下がなく高い接着性を有するポリイミドフィルムであることを見出したことにある。
【0006】
従って、本発明は以下を提供する。
【0007】
1つの局面において、本発明は、ポリイミドフィルムを提供する。このポリイミドフィルムは、その任意の場所における引裂き伝播抵抗の測定のR値が4N/cm以下であり、かつ150℃で100%RHの環境下に12時間放置後の該ポリイミドフィルムの引裂き伝播抵抗の保持率が40%以上である。
【0008】
別の局面において、本発明は、ポリイミドフィルムを提供する。このポリイミドフィルムは、その任意の場所における引裂き伝播抵抗の測定のR値が2.5N/cm以下であり、かつ150℃で100%RHの環境下に12時間放置後の該ポリイミドフィルムの引裂き伝播抵抗の保持率が60%以上である。
【0009】
1つの実施形態において、本発明のポリイミドフィルムは、不純物量が1wt%以下であるテトラカルボン酸二無水物成分を原料として用いて製造される。
【0010】
別の実施形態において、本発明のポリイミドフィルムは、不純物量が0.5wt%以下であるテトラカルボン酸二無水物成分を原料として用いて製造される。
【0011】
本発明はまた、フレキシブルプリント基板を提供する。この基板は、本発明のポリイミドフィルムと金属箔とを含む。
【0012】
1つの実施形態において、上記ポリイミドフィルムと上記金属箔とは、接着剤を介して積層され得る。
【0013】
別の実施形態において、上記ポリイミドフィルムと上記金属箔とは、接着剤を介さずに積層され得る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるポリイミドフィルム、およびフレキシブルプリント基板の実施の形態を具体的に説明する。
【0015】
まず、本発明にかかるポリイミドフィルムおよびその製造方法について説明する。
【0016】
本発明にかかるポリイミドフィルムは、公知の各種原料から得られるものであり、特に限定されるものではなく、主として有機テトラカルボン酸二無水物と有機ジアミンとを原料として用い、各成分を実質的に等モル使用し、有機溶媒溶液中で重合して得られるポリアミド酸ワニスを経由して得られる。
【0017】
従って、本発明は、公知の方法を組み合わせて使用することで、製造することができる。本発明のポリイミドフィルムの引き裂き伝播抵抗のR値および抵抗値の保持率を所望の規定値内にするには、1)モノマー純度、2モノマーのモル比、3)化学キュア法の脱水剤および触媒の量、および4)焼成条件のうち1つ以上の条件、好ましくは、全ての条件を制御することが必要である。
【0018】
ポリアミック酸ワニスは、基本的に、ピロメリット酸二無水物を代表とする芳香族テトラカルボン酸二無水物、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、およびパラフェニレンジアミンを代表とする芳香族ジアミンを有機極性溶媒中で重合反応させたポリアミド酸組成物が有機極性溶媒中に均一に溶解しているものである。このポリアミック酸ワニスには、安定してポリイミドフィルムを形成する目的で、リン酸水素カルシウム、シリカ、マイカ、酸化チタン、アルミナ、ガラスビーズなどのフィラーなどを添加してもよい。
【0019】
重合反応は、任意の公知の方法を使用することができるが、特に制限されない。
【0020】
重合方法の1例を挙げると、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下において、1種あるいは2種のジアミンを有機溶剤に溶液、あるいはスラリー状に拡散させる。この溶液に少なくとも1種以上のテトラカルボン酸二無水物を固体の状態または有機溶剤溶液の状態あるいは、スラリー状態で添加し、ポリアミド酸ワニスを得る。このときの反応温度は、−20℃から50℃、望ましくは、20℃以下である。反応時間は、反応が進行するに充分な時間であれば特に限定されないが、1時間から6時間であるのが好ましい。
【0021】
また、この反応において、上記添加順序とは逆に、まずテトラカルボン酸二無水物を有機溶剤に溶解または拡散させ、この溶液中に前記ジアミンの固体または有機溶剤による溶液あるいは、スラリーを添加させてもよい。また、同時に反応させてもよく、テトラカルボン酸二無水物成分、ジアミン成分の添加順序は限定されない。
【0022】
また、ポリアミド酸の重合は、一般に2段階で行われ、1段階目にプレポリマーを呼ばれる低粘度のポリアミド酸を重合した後、有機溶媒にテトラカルボン酸二無水物またはジアミン化合物を溶解させた有機溶媒を添加しつつ高粘度のポリアミド酸を得る。この1段階目から2段階目に移行する際にフィルターなどにてプレポリマー中の不溶解原料または混入異物を取り除く工程を行って、フィルム中の異物および欠陥を減少させる。上記フィルターの目開きは、取得フィルム厚みの1/2、好ましくは1/5、さらに好ましくは1/10が良い。
【0023】
有機溶媒中のポリアミド酸の重量%は、有機溶媒中にポリアミド酸が5〜40wt%、好ましくは10〜30wt%、さらに好ましくは、13〜25wt%溶解されているのが取り扱い面から好ましい。尚、ポリアミド酸の平均分子量は、GPC測定によるポリエチレングリコール換算での分子量が、10000〜1000000の範囲であるのが好ましく、より好ましくは50000〜500000の範囲、最も好ましくは100000〜500000の範囲である。この範囲を外れる場合は、分子量が低い場合には引裂き伝播抵抗の測定のR値および150℃で100%RHの環境下に12時間放置後の引裂き伝播抵抗の保持率で所定の効果が発現せず、結果としてフィルム機械強度および接着性を満足しなくなる。また、分子量が高い場合には取り扱い性悪く生産性を大きく落としてしまう結果となる。
【0024】
ポリアミド酸の重合に使用される有機溶媒としては、任意のものが使用され、プロトン性溶媒であっても非プロトン性溶媒であってもよい。好適例としては、テトラメチル尿素、N,N−ジメチルエチルウレアのようなウレア類、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチルスルフォンのようなスルホキシドもしくはスルホン類、N,N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジエチルアN−メチル−2−ピロリドン、γ―ブチルラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類またはホスホリルアミド類、あるいはクロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化アルキル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、フェノール、クレゾールなどのフェノール類、またはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、p−クレゾールメチルエーテルなどのエーテル類が挙げられることができ、通常これらの溶媒を単独で用いるが必要に応じて2種以上を適宜組合わせて用いて良い。
【0025】
また、本発明で使用される溶媒は、市販されている特級または一級グレードのものをそのまま使用しても差し支えないが、これら溶媒を乾燥蒸留などの通常の操作により脱水精製処理を実施し使用しても良い。
【0026】
また、本発明に使用後、揮発した溶媒を回収精製処理した後使用しても良い。この際、ある種の混合溶媒が精製後得られる可能性があり得るが、具体的には回収溶媒中に溶媒分解物などが混入する可能性があるが、フィルム物性を鑑み適宜使用し得る。
【0027】
また、ポリアミド酸の重合は、一般に2段階で行われ、1段階目にプレポリマーを呼ばれる低粘度のポリアミド酸を重合しその後、有機溶媒にテトラカルボン酸二無水物またはジアミン化合物を溶解させた有機溶媒を添加しつつ高粘度のポリアミド酸を得る。この1段階目から2段階目に移行する際にフィルターなどにてプレポリマー中の不溶解原料または混入異物を取り除く工程設けてフィルム中の異物・欠陥を減少させる。上記フィルターの目開きは、取得フィルム厚みの1/2、好ましくは1/5、さらに好ましくは1/10が良い。
【0028】
ポリイミドはポリアミド酸をイミド化して得られるが、イミド化には、熱キュア法および化学キュア法のいずれかを用いる。熱キュア法は、脱水閉環剤などを作用させずに加熱だけでイミド化反応を進行させる方法である。また、化学キュア法は、ポリアミド酸有機溶媒溶液に、無水酢酸などの酸無水物に代表される化学的転化剤と、イソキノリン、β−ピコリン、ピリジンなどの第三級アミン類などに代表される触媒とを作用させる方法である。化学キュア法に熱キュア法を併用してもよい。イミド化の反応条件は、ポリアミド酸の種類、フィルムの厚さ、熱キュア法および/または化学キュア法の選択などにより、変動し得る。好ましくは化学的に硬化することが、フィルムの強靭性、破断強度、および生産性の観点から好ましい。
【0029】
次に、本発明にかかるポリイミド前駆体であるポリアミド酸組成物に用いられる材料について説明する。
【0030】
本ポリイミドにおける使用のための適当なテトラカルボン酸無水物は、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物 )、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)およびそれらの類似物を含み、これらを単独または、任意の割合の混合物が好ましく用い得る。
【0031】
これらのうち、本発明において用いられるポリイミド前駆体ポリアミド酸組成物において最も適当なテトラカルボン酸二無水物はピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)であり、これらを単独または、任意の割合の混合物が好ましく用い得る。
【0032】
一般にテトラカルボン酸二無水物は水分による開環物であるテトラカルボン酸およびテトラカルボン酸モノ無水物を不純物として含むが、本発明において用いられるテトラカルボン酸二無水物は、得られるポリイミドフィルムの機械的強度および接着性の観点から高純度であることが好ましく、その純度は不純物量が1.5wt%以下であることが好ましく、さらに好ましくは不純物量が1wt%以下、最も好ましくは不純物量が0.5wt%以下である。
【0033】
本発明にかかるポリイミド前駆体ポリアミド酸組成物において使用し得る適当なジアミンは、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルシラン、4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン、4,4’−ジアミノジフェニル N−フェニルアミン、1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン)、1,3−ジアミノベンゼン、1,2−ジアミノベンゼン、およびそれらの類似物を含み、これらを単独または、任意の割合の混合物が好ましく用い得る。
【0034】
これらジアミンにおいて、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよびp−フェニレンジアミンが特に好ましく、また、これらをモル比で100:0から0:100、好ましくは100:0から10:90の割合で混合した混合物が好ましく用い得る。
【0035】
また、イミド化を化学キュア法により行なう場合、本発明にかかるポリアミド酸組成物に添加する化学的転化剤は、例えば脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、N,N ’−ジアルキルカルボジイミド、低級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪族ハロゲン化物、ハロゲン化低級脂肪酸無水物、アリールホスホン酸ジハロゲン化物、チオニルハロゲン化物またはそれら2種以上の混合物が挙げられ、そのうち有機カルボン酸無水物が好ましい。ここで、有機カルボン酸無水物としては、無水酢酸、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、吉草酸無水物、これらが互いに混合された無水物、芳香族モノカルボン酸(例えば、安息香酸、ナフトエ酸などの無水物との混合物)、炭酸および蟻酸と脂肪族ケテン類(ケテン、ジメチルケテンなど)の無水物との混合物、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などの脂肪族無水物またはそれらの2種以上の混合物が挙げられ、なかでも無水酢酸が好ましく用い得る。化学的転化剤の量としては、ポリアミド酸溶液100部に対して1〜80部、好ましくは5〜70部、さらに好ましくは10〜50部の割合で用い得る。
【0036】
また、イミド化を効果的に行うためには、化学的転化剤に触媒を同時に用いることが好ましい。触媒としては脂肪族第三級アミン、芳香族第三級アミン、複素環式第三級アミンなどが用いられる。それらのうち複素環式第三級アミンから選択されるものが特に好ましく用い得る。具体的にはキノリン、イソキノリン、β−ピコリン、ピリジンなどが好ましく用いられる。触媒の量としてはポリアミド酸溶液100部に対して0.1〜30部、好ましくは0.5〜20部、さらに好ましくは1〜15部の割合で用い得る。少なすぎるとイミド化率が好適な範囲よりも小さくなる傾向があり、多すぎると硬化が速くなり、支持体上に流延するのが困難となる。また、物性に影響を及ぼさない程度であればアセチルアセトンなどのイミド化遅延剤を併用しても良い。
【0037】
なお、ポリアミド酸有機溶媒溶液またはこれに添加する化学イミド化剤溶液には必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、あるいは、無機のフィラー類、あるいは各種の強化剤を添加してもよい。
【0038】
ポリイミドフィルムは、上記の方法で得られたポリアミック酸ワニスと化学イミド化剤を混合した後、スリットダイから平滑な薄膜状のカーテンとして連続的に押出されエンドレスベルト上にキャストされ、乾燥冷却により自己支持性を有するゲルフィルムを形成する。このゲルフィルムをさらに加熱処理することにより目的の機械物性を有するポリイミドフィルムとする。
【0039】
また、上記方法において、ポリアミック酸ワニスと化学イミド化剤を混合した樹脂溶液組成物のダイ中での粘度は、450ポイズ以下が好ましく、さらに300ポイズ以下が好ましく、特に好ましくは50〜300ポイズである。この範囲以上の粘度であると膜厚のばらつきが顕著に高くなり、また泡の巻き込み現象が起こりやすくなり好ましくない。また、50ポイズ以下であると、ダイを用いた流延方法を用いる本発明においては、安定的に製膜することが困難になる。なお、この粘度は、B型粘度計で測定した値である。
【0040】
次に、本発明にかかるポリイミドフィルムの製造工程について説明する。
【0041】
ポリイミド前駆体であるポリアミド酸をイミド化し、最終的にポリイミドフィルムの製品とするための製造方法は、エンドレスベルトあるいはキャスティングドラム上に流延塗布しゲルフィルムを得るベルト室あるいはドラム室と後加熱キュアを行うテンター室とに分けられる。
【0042】
本発明にかかるポリイミドフィルムの製造工程の1例を示す。まずベルト室での工程で、ミキサーで混合したポリイミド前駆体をTダイによりフィルム状に押し出す工程を行い、反応硬化室においてはTダイより押し出されたフィルム状のポリイミド前駆体をエンドレスベルトあるいはキャスティングドラム上にフィルム状に形成する。フィルム状に形成された前駆体は、ベルトあるいはドラムの回転により移動させられながら、加熱手段により加熱されてイミド化される。このベルト室内においては反応に伴って生成した生成物、主として水、有機溶媒などが蒸発する。
【0043】
加熱手段は、樹脂から蒸散した可燃性の揮発成分に引火する危険を防止するため、あるいは樹脂自体が発火することを防止するために、雰囲気温度、およびベルトあるいはドラムの回転速度を調整しつつ加熱し、たとえば温風・ 熱風・放射熱による加熱、ベルト加熱などを用い得る。
【0044】
これらの工程により、ポリイミド前駆体のフィルムをイミド化しながら、フィルムが自己支持性を有する程度まで加熱・乾燥を行った後、エンドレスベルトまたはキャスティングドラムから引き剥がして、本発明にいうゲルフィルムを得る。
【0045】
ところで、通常フィルムを上記工程を通して搬送しつつイミド化を行う場合において、ゲルフィルムの形状および表面状態を最良に保持しフィルムの剥がれ、しわなどの表面上の難点を防止し、自己支持性を有するフィルムを搬送上または加工上の問題なく製造する指標として、残揮発物量の測定が行われている。
【0046】
ゲルフィルムの残揮発物量は、式1
(A−B)×100/B・・・・式1
式1中
AおよびBは、以下のものを表す。
A:ゲルフィルムの重量
B:ゲルフィルムを450℃で20分間加熱した後の重量
から算出され、その揮発分含量は5〜300%の範囲であるのが好ましく、より好ましくは5〜100%の範囲、より好ましくは10〜80%の範囲、最も好ましくは15〜50%の範囲にある。この範囲のゲルフィルムを用いることが好適であり、外れると所定の効果が発現しにくい。
【0047】
また、赤外線吸光分析法を用いて式2
(C/D)×100/(E/F)・・・・式2
式2中
C、D、E、Fは以下のものを表す。
C:ゲルフィルムの1370cm-1の吸収ピーク高さ
D:ゲルフィルムの1500cm-1の吸収ピーク高さ
E:ポリイミドフィルムの1370cm-1の吸収ピーク高さ
F:ポリイミドフィルムの1500cm-1の吸収ピーク高さ
から算出されるゲルフィルムのイミド化率は50%以上の範囲、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、最も好ましくは90%以上の範囲にある。この範囲のフィルムを用いることが好適であり、外れると所定の効果が発現しにくい。
【0048】
このようにして得られたゲルフィルムは、熱処理工程を行うテンター室に供給され、端部を固定されテンター室にて加熱処理される。例えば、テンター室は、加熱炉および徐冷炉で構成され、ピンでフィルムを固定したピンシートをピンコンベアの回転駆動により可動させることにより、フィルムがテンター室内を移動する。熱キュアを行う加熱炉内において徐々に加熱することによりゲルフィルムをさらにイミド化する。加熱炉内では、通常200℃程度の温度から徐々に昇温して、ポリイミドへのイミド化を完了させる。
【0049】
残留揮発分を完全に除去しかつポリアミド酸を完全にポリイミドに転化しするためには、常法に従い、段階的、連続的に加熱し、最終的に短時間の高温を用いるのが好ましい。具体的には、最終的に400〜650℃の温度で、より好ましくは450〜620℃の温度で10〜400秒加熱するのが好ましい。この温度より高いおよび/または時間が長いと、フィルムの熱劣化が起こり、結果として引裂き伝播抵抗の測定のR値が目標の範囲からはずれ、接着性およびフィルム機械特性で問題が生じる。逆にこの温度より低いおよび/または時間が短いと引裂き伝播抵抗の測定のR値および150℃で100%RHの環境下に12時間放置後の引裂き伝播抵抗の保持率が目標の範囲からはずれ、結果として接着性およびフィルム機械特性で問題が生じる。
【0050】
上記熱キュアの工程において、完全にイミド化されたポリイミドフィルムは徐冷炉において徐々に冷却される。
【0051】
また、テンター室にゲルフィルムを供給する前に、ゲルフィルムに表面処理液を塗布したり、ゲルフィルムを表面処理液に浸漬したりしても良く、処理する表面処理液もフィルムの機械的物性および外観を著しく悪化させない程度のものであれば特に限定されない。
【0052】
また、上記で得られたポリイミドフィルムは、コロナ放電処理もしくはプラズマ放電処理などの公知の物理的表面処理、またはプライマー処理などの化学的表面処理を施し、さらに良好な特性を付与し得る。
【0053】
本発明にかかるポリイミドフィルムの膜厚は特に限定されないが、用途に応じて適切な厚さを選択し得る。フレキシブルプリント配線板の用途には、具体的には5〜300μm、好ましくは5〜125μm、より好ましくは、5〜50μmである。
【0054】
次に、本発明にかかるフレキシブルプリント配線板について説明する。フレキシブルプリント配線板は、上記のポリイミドフィルムと金属を積層したポリイミド/金属積層体の金属部分を湿式あるいは乾式の方法でエッチングし所定の回路をパターニングすることで得られる。
【0055】
パターニングの後所定の素子を実装し、必要に応じて保護フィルムを金属層の上に積層する。あるいは保護樹脂を塗布する。
【0056】
次に、本発明に係るポリイミド/金属積層体について説明する。本発明に係るポリイミド/金属積層体は、ポリイミドフィルムの両面または片面に金属層を積層したものである。このポリイミド/金属積層体の製造方法は、当業者が周知のあらゆる方法により可能であるが、たとえば、この積層体は、通常フィルム状のポリイミドに、金属を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法などの方法で直接積層したものである。この際、2種類以上の金属を順次積層する、あるいは2種類以上の金属を混合して合金として積層することも可能である。2種類以上の金属を順次積層する場合、ポリイミドフィルムに直接積層する下地層の金属類は特に限定されないが、ニッケル、クロム、コバルト、パラジウム、モリブテン、タングステン、チタン、ジルコニウム、それらの合金、およびそれらの化合物が好ましく、さらに好ましくはニッケル、ニッケル合金およびニッケル化合物、クロム、クロム合金、クロム化合物である。これらの群から選択した1種以上の金属を下地層として形成し、さらに該下地層上に銅層を積層したものが好ましい。
【0057】
金属層の厚みは特に規定されないが、金属層の厚みが3〜50μmの範囲の厚みが好ましく、さらに好ましくは3〜35μm範囲である。金属層の形成方法も特に規定されないが、真空蒸着法、イオンプレーティング法またはスパッタリング法により形成された10〜100000Åの厚みの、好ましくは50〜100000Åの厚みの、さらに好ましくは100〜50000Åの厚みの金属層上に、メッキ法にて目的の厚みに金属層を形成するのが好ましい。
【0058】
また、下地層を形成する前に、ポリイミドフィルム表面をクリーニング、物理的改質、化学的改質などの目的で、洗浄処理、加熱処理、電気処理などの前処理を行ってもよく、やらない方が好ましい場合もある。
【0059】
あるいはポリイミドフィルムと金属層を、エポキシ系、ナイロン系、アクリル系、イミド系などの接着剤を介して積層することで作製することができる。この際金属層の接着面にカップリング剤塗布などの表面処理を施しても良い。また、2種類以上の接着剤を混合して用いても良い。
【0060】
接着剤を介してポリイミドフィルムと金属層を積層する方法は、熱ラミネート、熱プレスなど公知の方法が使用できる。また、必要に応じて加熱によって接着剤を完全に硬化させる。
【0061】
本発明にかかるポリイミドフィルムを用いることにより、高い接着信頼性を有するフレキシブルプリント配線板を得ることができる。
【0062】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明の効果を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行い得る。
【0063】
なお、実施例中の引裂き伝播抵抗は、ASTM D−1938の方法に従い測定した。引裂き伝播抵抗測定のR値は、測定チャートの近傍での引裂き伝播抵抗の最大値と最小値の差を測定し、その差の最大値をR値とする。本明細書において、R値は、g単位で測定されるが、gfをNに換算し、フィルム厚み(単位mm)で除したN/mmで表す。また、非暴露フィルムの引裂き伝播抵抗に対する、150℃で100%RHの環境に12時間暴露後の引裂き伝播抵抗の比率を保持率とする。
また、実施例中の引張強度はJIS C 2318−6.3.3の方法に従い測定した。
また、実施例中のフレキシブルプリント配線板の接着強度はJIS、C−6481に従って銅パターン幅3mmで90度ピールで評価した。
【0064】
(比較例1)
不純物を2.0wt%含むピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとp−フェニレンジアミンとをモル比で4/3/1の割合で合成したポリアミド酸の18重量%のDMF溶液90gに無水酢酸17gとイソキノリン4gからなる転化剤を混合、攪拌し、遠心分離による脱泡の後、アルミ箔上に厚さ350μmで流延塗布した。攪拌から脱泡までは0℃に冷却しながら行った。このアルミ箔とポリアミド酸溶液の積層体を110℃4分間加熱し、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムの残揮発分含量は40重量%であり、イミド化率は85%であった。このゲルフィルムをアルミ箔から剥がし、フレームに固定した。このゲルフィルムを250℃、400℃および550℃で、各30秒間加熱して厚さ25μmのポリイミドフィルムを製造した。得られたポリイミドフィルムの引裂き伝播抵抗測定のR値は9.2N/cmであり、150℃で100%RHの環境下に12時間放置後の引裂き伝播抵抗の保持率は20%であった。また、得られたポリイミドフィルムの引張強度は270MPaであった。
【0065】
このポリイミドフィルムにコロナ密度150W・min/m2のコロナ処理を施した後、ナイロン・エポキシ系接着剤を用いて電解銅箔(三井金属鉱業社製、商品名3ECVLP、厚み35μm)と張り合わせ3層銅張積層板を作製し、JIS C−6481に従って銅パターン幅3mmで90度ピールで測定した。その結果、接着強度は5.2N/cmであり、ポリイミドフィルムの凝集破壊も観測された。
【0066】
(比較例2)
不純物を0.3wt%含むピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとp−フェニレンジアミンとをモル比で4/3/1の割合で合成したポリアミド酸の18重量%のDMF溶液90gに無水酢酸17gとイソキノリン4gからなる転化剤を混合、攪拌し、遠心分離による脱泡の後、アルミ箔上に厚さ350μmで流延塗布した。攪拌から脱泡までは0℃に冷却しながら行った。このアルミ箔とポリアミド酸溶液の積層体を110℃4分間加熱し、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムの残揮発分含量は40重量%であり、イミド化率は85%であった。このゲルフィルムをアルミ箔から剥がし、フレームに固定した。このゲルフィルムを250℃、400℃、500℃で各30秒間加熱して厚さ25μmのポリイミドフィルムを製造した。得られたポリイミドフィルムの引裂き伝播抵抗測定のR値は7.8N/cmであり、150℃で100%RHの環境下に12時間放置後の引裂き伝播抵抗の保持率は25%であった。また、得られたポリイミドフィルムの引張強度は265MPaであった。
【0067】
このポリイミドフィルムを用いて、比較例1と同様の方法で銅張積層板を作製し、接着強度を測定した。その結果、接着強度は4.3N/cmであり、ポリイミドフィルムの凝集破壊も観測された。
【0068】
(実施例1)
不純物を0.3wt%含むピロメリット酸二無水物を用いる以外は比較例1と同様の方法でポリイミドフィルムを作製した。得られたポリイミドフィルムの引裂き伝播抵抗測定のR値は1.2N/cmであり、150℃で100%RHの環境下に12時間放置後の引裂き伝播抵抗の保持率は80%であった。また、得られたポリイミドフィルムの引張強度は305MPaであった。
【0069】
このポリイミドフィルムを用いて、比較例1と同様の方法で銅張積層板を作製し、接着強度を測定した。その結果、接着強度は11.5N/cmであり、ポリイミドフィルムの凝集破壊も観測されなかった。
【0070】
(比較例3)
不純物を2.0wt%含むピロメリット酸二無水物および4,4’−ジアミノジフェニルエーテルをモル比で1/1の割合で合成したポリアミド酸の18重量%のDMF溶液90gに無水酢酸15gとイソキノリン7gからなる転化剤を混合、攪拌し、遠心分離による脱泡の後、アルミ箔上に厚さ350μmで流延塗布した。攪拌から脱泡までは0℃に冷却しながら行った。このアルミ箔とポリアミド酸溶液の積層体を110℃4分間加熱し、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムの残揮発分含量は30重量%であり、イミド化率は85%であった。このゲルフィルムをアルミ箔から剥がし、フレームに固定した。このゲルフィルムを300℃、450℃、530℃で各30秒間加熱して厚さ25μmのポリイミドフィルムを製造した。得られたポリイミドフィルムの引裂き伝播抵抗測定のR値は8.8N/cmであり、150℃で100%RHの環境下に12時間放置後の引裂き伝播抵抗の保持率は25%であった。また、得られたポリイミドフィルムの引張強度は220MPaであった。
【0071】
この得られたポリイミドフィルムを用いて、比較例1と同様の方法で銅張積層板を作製し、接着強度を測定した。その結果、接着強度は4.9N/cmであり、ポリイミドフィルムの凝集破壊も観測された。
【0072】
(実施例2)
不純物を0.2wt%含むピロメリット酸二無水物を用いる以外は比較例3と同様の方法でポリイミドフィルムを作製した。得られたポリイミドフィルムの引裂き伝播抵抗測定のR値は0.8N/cmであり、150℃で100%RHの環境下に12時間放置後の引裂き伝播抵抗の保持率は75%であった。また、得られたポリイミドフィルムの引張強度は265MPaであった。
【0073】
このポリイミドフィルムを用いて、比較例1と同様の方法で銅張積層板を作製し、接着強度を測定した。その結果、接着強度は11.5N/cmであり、ポリイミドフィルムの凝集破壊も観測されなかった。
【0074】
(比較例4)
不純物を1.5wt%含むピロメリット酸二無水物、不純物を1.5wt%含むp−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−フェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルをモル比で5/5/4/6の割合で合成したポリアミド酸の17重量%のDMF溶液90gに無水酢酸15gとイソキノリン10gからなる転化剤を混合、攪拌し、遠心分離による脱泡の後、アルミ箔上に厚さ400μmで流延塗布した。このアルミ箔とポリアミド酸溶液の積層体を110℃10分間加熱し、自己支持性を有するゲルフィルムを得た。このゲルフィルムの残揮発分含量は70重量%であり、イミド化率は60%であった。このゲルフィルムをアルミ箔から剥がし、フレームに固定した。このゲルフィルムを300℃、450℃、550℃で各30秒間加熱して厚さ25μmのポリイミドフィルムを製造した。得られたポリイミドフィルムの引裂き伝播抵抗測定のR値は6.5N/cmであり、150℃で100%RHの環境下に12時間放置後の引裂き伝播抵抗の保持率は15%であった。また、得られたポリイミドフィルムの引張強度は305MPaであった。
【0075】
このポリイミドフィルムの片面に電子線加熱方式の真空蒸着装置(日本真空社製、EBH−6)を用いて厚み50オングストロームのクロムを蒸着し、クロム層の上に厚み1000オングストロームの銅を蒸着し、さらに硫酸電気銅メッキ(陰極電流密度2A/dm2、メッキ時間40分)により、接着剤を使うことなくポリイミドフィルム上に直接銅を形成して2層銅張積層板を作製した。この2層銅張積層板の接着強度をJIS C−6481に従って銅パターン幅3mmで90度ピールで評価した。その結果、接着強度は3.9N/cmであり、ポリイミドフィルムの凝集破壊も観測された。
【0076】
(実施例3)
不純物を0.1wt%含むピロメリット酸二無水物および不純物を0.8wt%含むp−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)を使用する以外は比較例3と同様の方法でポリイミドフィルムを作製した。得られたポリイミドフィルムの引裂き伝播抵抗測定のR値は0.4N/cmであり、150℃で100%RHの環境下に12時間放置後の引裂き伝播抵抗の保持率は70%であった。また、得られたポリイミドフィルムの引張強度は350MPaであった。
【0077】
このポリイミドフィルムを用いて、比較例1と同様の方法で銅張積層板を作製し、接着強度を測定した。その結果、接着強度は8.5N/cmであり、ポリイミドフィルムの凝集破壊も観測されなかった。
【0078】
【発明の効果】
本発明により、高い機械的特性と高い接着性を有するポリイミドフィルムが得られ、高い接着信頼性を有するフレキシブルプリント配線板を提供することができるという有利性が与えられる。

Claims (8)

  1. フレキシブルプリント基板であって、ポリイミドフィルムと金属箔とを含み、該ポリイミドフィルムの任意の場所における引裂き伝播抵抗の測定のR値が4N/cm以下であり、かつ150℃で100%RHの環境下に12時間放置後の該ポリイミドフィルムの引裂き伝播抵抗の保持率が40%以上であり、該ポリイミドフィルムが、有機テトラカルボン酸二無水物と有機ジアミンとを原料として用い、有機溶媒溶液中で重合して得られるポリアミド酸ワニスを経由して得られ、該ポリイミドフィルムは、イミド化工程において、400〜650℃の温度で加熱されていることを含む、フレキシブルプリント基板。
  2. フレキシブルプリント基板であって、ポリイミドフィルムと金属箔とを含み、該ポリイミドフィルムの任意の場所における引裂き伝播抵抗の測定のR値が2.5N/cm以下であり、かつ150℃で100%RHの環境下に12時間放置後の該ポリイミドフィルムの引裂き伝播抵抗の保持率が60%以上であり、該ポリイミドフィルムが、有機テトラカルボン酸二無水物と有機ジアミンとを原料として用い、有機溶媒溶液中で重合して得られるポリアミド酸ワニスを経由して得られ、該ポリイミドフィルムは、イミド化工程において、400〜650℃の温度で加熱されていることを含むことを特徴とする、フレキシブルプリント基板。
  3. 前記ポリイミドフィルムが、不純物量が1wt%以下であるテトラカルボン酸二無水物成分を原料として用いて製造されることを特徴とする、請求項1または2に記載のフレキシブルプリント基板。
  4. 前記ポリイミドフィルムが、不純物量が0.5wt%以下であるテトラカルボン酸二無水物成分を原料として用いて製造されることを特徴とする、請求項1または2に記載のフレキシブルプリント基板。
  5. 前記ポリイミドフィルムは、イミド化工程において、400〜650℃の温度で10〜400秒加熱されていることを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント基板。
  6. 前記ポリアミド酸を化学キュア法によりイミド化する場合に触媒が用いられ、該触媒が、ポリアミド酸溶液100部に対して0.1〜30部の割合で用いられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント基板。
  7. 前記ポリイミドフィルムと前記金属箔とが接着剤を介して積層される、請求項1〜のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント基板。
  8. 前記ポリイミドフィルムと前記金属箔とが接着剤を介さずに積層される、請求項1〜のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント基板。
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