JPH10235784A - ポリイミド系フレキシブル印刷回路用基板の製造方法及びカバーレイフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリイミド系フレキシブル印刷回路用基板の製造方法及びカバーレイフィルムの製造方法

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JPH10235784A
JPH10235784A JP4572497A JP4572497A JPH10235784A JP H10235784 A JPH10235784 A JP H10235784A JP 4572497 A JP4572497 A JP 4572497A JP 4572497 A JP4572497 A JP 4572497A JP H10235784 A JPH10235784 A JP H10235784A
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polyimide
metal foil
polyimide film
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Atsushi Sugitani
厚志 杉谷
Kichiji Eikuchi
吉次 栄口
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ポリイミドフィルムの吸湿による寸法変化
率、及びロット間の上記寸法変化率のばらつきを減少さ
せ、フレキシブルプリント印刷回路用基板またはカバー
レイフィルム作製時の寸法精度を向上させる。 【解決手段】 ポリイミドフィルムをライン中で赤外線
または遠赤外線ヒータにより連続的に加熱して乾燥し、
該フィルムの含水率を 0.1重量%以下とし、その片面ま
たは両面に熱硬化性接着剤を塗布し、その上に金属箔を
積層し、該フィルム−金属箔積層板の寸法変化率を、該
積層板の金属箔を除去した状態で 150℃×30分間熱処理
後の測定値で、長手方向及び幅方向共に±0.05%以内に
することを特徴とするポリイミド系フレキシブル印刷回
路用基板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント回路など
に使用される寸法安定性良好なポリイミド系フレキシブ
ル印刷回路用基板の製造方法、及びフレキシブル印刷基
板に使用されるカバーレイフィルムの製造方法に関する
ものであり、ファインパターンなフレキシブルプリント
基板に好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロニクス製品の軽量化、
小型化、薄肉化、高機能化に伴い、プリント基板の需要
が高まり、中でもフレキシブルプリント基板は、その使
用範囲が広がり、ますますその需要が伸びている。最近
ではプリント基板の高機能化、ファインパターン化が進
み、かつ大型の物も増加し、その寸法安定性がますます
要求されており、フレキシブルプリント回路の保護用カ
バーレイフィルムの寸法安定性も同様に高性能化が要求
されている。従来、ポリイミドフィルムは吸湿性が大き
く、吸湿により伸長するため、金属箔との積層板の寸法
安定性が悪くなり、印刷回路作製時の寸法精度が保持で
きず、ファインパターン化及び大型のプリント基板の製
造が困難であった。また、ポリイミドフィルムのロット
間に寸法変化率のばらつきもあり、かつ積層条件などに
より製造したフレキシブル基板の寸法変化率のロット間
のばらつきも大きくなりやすい。したがって回路設計段
階で予め基板の寸法変化率を見込んでおいても、基板の
歩留りが低下してしまうなど問題が多かった。同様にカ
バーレイフィルムにおいても、ポリイミドフィルムの吸
湿性劣化の為、カバーレイフィルムの寸法安定性が悪く
なり、プリント回路作製時の寸法精度が保持できなかっ
た。従来、寸法変化率の安定性を改善する手段として、
特開平2−134241号公報によれば、フィルムの乾
燥処理工程を前処理工程として設け、ポリイミドフィル
ムを金属箔と積層する前に予め乾燥器(オーブン)内で
数時間乾燥してから接着剤を塗工し、金属箔と積層する
方法が取られてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこうした乾燥処
理方法では、フィルムを巻きのままオーブン中で乾燥す
るため、ラインで連続して加熱処理できず、フィルムに
傷がついたり、ゴミが付着したり、しわが入ったりする
ことがあり、また長尺物のポリイミドフィルムを内側ま
で乾燥するには長時間を要するなどの問題点があった。
本発明は、このような諸欠陥のないポリイミドフィルム
を原反として金属箔を接着剤で積層し、寸法安定性、接
着性が良好で歩留の高いポリイミド系フレキシブル印刷
回路用基板の製造方法を提供し、また該ポリイミドフィ
ルムを原反として離型材を接着剤で積層し、寸法安定
性、接着性が良好で歩留の高いカバーレイフィルムの製
造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、原反フィルムの物性と前処理条件を
鋭意検討した結果、本発明を完成させた。すなわち本発
明は、請求項1に記載したように、ポリイミドフィルム
をライン中で赤外線または遠赤外線ヒータにより連続的
に加熱して乾燥し、該フィルムの含水率を 0.1重量%以
下とし、その片面または両面に熱硬化性接着剤を塗布
し、その上に金属箔を積層し、該フィルム−金属箔積層
板の寸法変化率を、該積層板の金属箔を除去した状態で
150℃×30分間熱処理後の測定値で、長手方向及び幅方
向共に±0.05%以内にすることを特徴とするポリイミド
系フレキシブル印刷回路用基板の製造方法である。また
本発明は、請求項2に記載したように、ポリイミドフィ
ルムをライン中で赤外線または遠赤外線ヒータにより連
続的に加熱して乾燥し、該フィルムの含水率を 0.1重量
%以下とし、その片面または両面に熱硬化性接着剤を塗
布し、その上に離型材を積層し、該フィルム−離型材積
層板の寸法変化率を、 150℃×30分間熱処理後の測定値
で、長手方向及び幅方向共に±0.05%以内にすることを
特徴とするカバーレイフィルムの製造方法である。そし
てこれらの方法は、前記ポリイミドフィルムを加熱して
乾燥する前に、予め無機ガスにより低温プラズマ処理を
施す製造方法である。以下に本発明をさらに詳述する。
【0005】
【発明の実施の形態】
(フレキシブル印刷回路用基板)本発明に使用するポリ
イミドフィルムは市販品でよく、厚さ12.5〜125 μm、
幅 500〜1016mmが一般的である。ポリイミドフィルム
は吸湿しやすく、また流延法などで加熱縮合反応により
製造されるので市販品は寸法変化率が大きく、フィルム
ロット毎にそのばらつきも大きい。ちなみに、表1に市
販品ポリイミドフィルムの、厚さ別の寸法変化率の平均
値を示しておく。ここにフィルムの寸法変化率は、IPCF
C 241 の方法に準じて原反フィルムを 150℃×30分間熱
処理後に測定し、長手方向及び幅方向の熱処理前の寸法
に対する寸法変化率である。
【0006】
【表1】
【0007】従って、そのまま金属箔と積層すると積層
板の寸法変化率とそのばらつきも大きくなりがちであ
る。そこで本発明では、積層直前にポリイミドフィルム
原反に吸湿された水分を赤外線または遠赤外線で乾燥す
ることにより前記課題を解決した。すなわち該フィルム
に熱硬化性接着剤を塗布する直前、ライン中で連続的に
赤外線または遠赤外線ヒータにより、該フィルムを加熱
乾燥してフィルムの含水率を0〜0.1 重量%、好ましく
は0〜0.08重量%に調整した後、熱硬化性接着剤を塗布
し、金属箔を積層して積層板の寸法変化率を低下・安定
させた。含水率が 0.1重量%を超える状態では、フィル
ムはまだ膨張しており、乾燥前後の寸法変化率が大きく
なり、好ましくない。ここに言う積層板の寸法変化率
は、IPCFC 241 の方法に準じて積層板の製品サンプルの
銅箔をエッチングにより除去したものについて、 150℃
×30分間熱処理後に寸法測定したもので、熱処理前の寸
法に対する寸法変化率を、長手方向及び幅方向共に±0.
05%以内にすることが必要である。更には、寸法変化率
を熱処理前に対し±0.03%以内にすることが好ましい。
この寸法変化率が両方向共に±0.05%を超えると、カバ
ーレイフィルムを該積層板に積層する際に、フィルムの
寸法のばらつきにより、穴位置がずれたり、カールして
作業性が悪くなり、フレキシブル印刷回路基板の打ち抜
き時に、回路部に損傷を与えるなどの不都合が生じ、好
ましくない。
【0008】赤外線ヒータによるフィルム原反の乾燥方
法として一例を挙げると、ロールから巻き出したポリイ
ミドフィルムに上下方向に設置した赤外線ヒータから赤
外線を照射し、加熱乾燥する方法がある。赤外線は、物
質に吸収されて熱に変換される性質を持ち、特に高分子
フィルムは赤外の広い領域で吸収を持ち、効率よく加熱
することができる。赤外線または遠赤外線ヒータは市販
の如何なるタイプのものであっても構わないが、波長領
域としては、好ましくは1×104 〜1×107 Åの赤外線
を用いるとよい。例えば石英管型赤外線ヒータ、R型
(アルミニウム反射面を内蔵した反射電球)またはS型
(電球を金属反射笠に取りつけたもの)ユニット赤外線
電球、ステンレス管内にニクロム線及びマグネシア粉末
その他を封入したシーズヒータ、あるいはセラミックス
などの埋め込みヒータ、真鍮にニクロム線を埋め込んだ
真鍮鋳込みヒータなどが挙げられる。
【0009】次にヒータ電力、照射距離、照射時間、赤
外線波長などの条件をフィルム材質、金属箔材料に対応
して最適に設定する必要がある。ヒータの電力はフィル
ムの厚み、幅及びライン速度に依存するが、フィルム厚
み12.5〜 125μmで幅 508〜620mmの場合、ライン速度
0.5〜20m/min、 500〜20kW、好ましくは1000〜10k
Wの電力(フィルムの体積による)で十分である。また
照射距離は30〜500 mm、好ましくは50〜300 mm、照射時
間は5〜120 秒が適当である。ヒータ表面温度は300 〜
2500℃、好ましくは500 〜1500℃の範囲内で十分な赤外
線を照射することができ、ポリイミドフィルムの含水率
を 0.1重量%以下にすることができる。この際ポリイミ
ドフィルムの表面温度を 150〜350 ℃にすることが好ま
しい。遠赤外線ヒータとしては、波長領域が2.5 ×105
〜1×107 Åのものを用いるが、その他の条件は赤外線
ヒータに準ずる。
【0010】また、ポリイミドフィルムを赤外線乾燥す
る前に、低温プラズマ処理してフィルム表面を改質し、
熱硬化性接着剤との接着力を高めることが好ましい。低
温プラズマ処理は、減圧可能な低温プラズマ処理装置に
ポリイミドフィルムを入れ、装置内を無機ガスの雰囲気
として圧力を0.001 〜10Torr、好ましくは0.01〜1Torr
に保持した状態で電極間に 0.1〜10kVの直流あるいは
交流を印加してグロー放電させることにより無機ガスの
低温プラズマを発生させ、該フィルムを順次移動させな
がら表面を連続的にプラズマ処理するが、プラズマ処理
時間はおおむね0.1 〜100 秒とするのが良い。無機ガス
としては、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどの不活性ガ
ス、または酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニ
ア、空気などが使用されるが、これらは一種に限らず二
種以上混合してもよい。
【0011】この赤外線または遠赤外線ヒータで乾燥し
たポリイミドフィルムの片面または両面に、熱硬化性接
着剤をロールコータなどにより塗布し、ドライヤーで50
〜150 ℃で溶剤を蒸発除去し、接着剤を半硬化の状態に
した後、加熱した熱ロールにより金属箔と60〜 120℃、
1〜10kg/cmで熱圧着することにより、連続的に積層フ
ィルムを製造する。この積層フィルムを80〜 200℃で1
〜数十時間かけて乾燥器中でキュアーし接着剤を硬化さ
せてフレキシブル印刷用基板製品とする。
【0012】ポリイミドフィルムと金属箔とを貼り合わ
せる熱硬化型耐熱接着剤としては、接着強度が高く、か
つ半田などの使用に堪える耐熱性が要求され、これには
エポキシ樹脂、NBR−フェノール系樹脂、フェノール
−ブチラール系樹脂、エポキシ−NBR系樹脂、エポキ
シ−ポリエステル系樹脂、エポキシ−ナイロン系樹脂、
エポキシ−アクリル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミ
ド−エポキシ−フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、
シリコーン系樹脂などが例示される。接着剤層の厚さ
は、乾燥時5〜30μmが好ましい。次に金属箔として
は、銅箔、アルミニウム箔、鉄箔、ニッケル箔などを挙
げることができる。一般に印刷回路用としては、銅箔が
主で圧延及び電解銅箔の厚みは18〜70μmのものが使用
される。
【0013】(カバーレイフィルム)カバーレイフィル
ムに用いるポリイミドフィルムもフレキシブル印刷回路
基板に用いるポリイミドフィルムと同様に吸湿しやす
く、寸法変化率が大きいので、熱硬化性接着剤をコーテ
ィングしたカバーレイフィルムの寸法変化率とそのばら
つきも大きくなりがちである。本発明では、積層直前に
ポリイミドフィルム原反に吸湿された水分を赤外線また
は遠赤外線で乾燥することにより前記課題を解決した。
すなわち該フィルムに熱硬化性接着剤を塗布する直前、
ライン中で連続的に赤外線または遠赤外線ヒータによ
り、該フィルムを加熱乾燥してフィルムの含水率を0〜
0.1 重量%、好ましくは0〜0.08重量%に調整すること
により、カバーレイフィルムの寸法変化率の安定性を向
上した。ここに言うカバーレイフィルムの寸法変化率と
は、前述IPCFC 241 の方法に準じて 150℃×30分間熱処
理後測定し、長手方向及び幅方向の熱処理前の寸法に対
する寸法変化率を共に±0.05%以内にすることが必要で
ある。好ましくは寸法変化率を熱処理前に対し±0.03%
以内にすることがよい。含水率が 0.1重量%を超える状
態では、フィルムはまだ膨張しており、乾燥前後の寸法
変化率が大きくなり、好ましくない。この寸法変化率が
両方向共に±0.05%を超えると、フィルムがカールして
作業性が悪くなり、フレキシブル印刷回路用基板と貼り
合わせる際、位置ずれが生じる。
【0014】赤外線ヒータによる乾燥方法は、フレキシ
ブル印刷回路用基板の製造におけるポリイミドフィルム
の乾燥方法と同様である。この赤外線または遠赤外線ヒ
ータで乾燥したポリイミドフィルムの片面または両面
に、熱硬化性接着剤をロールコータなどにより塗布し、
ドライヤーで50〜150 ℃で溶剤を蒸発除去し、接着剤を
半硬化の状態にした後、加熱した熱ロールにより離型材
と60〜 120℃、1〜10kg/cmで熱圧着することにより、
連続的にカバーレイフィルムを製造する。
【0015】ポリイミドフィルムにコーティングする熱
硬化型耐熱接着剤としては、フレキシブル印刷回路用基
板の製造におけるポリイミドフィルムと金属箔とを貼り
合わせる熱硬化型耐熱接着剤と同様のものが挙げられ
る。接着剤層の厚さは、乾燥時5〜30μmが好ましい。
【0016】次に離型材としては、ポリエチレンフィル
ム、PPフィルム、TPXフィルム、シリコーン系離型
材付きポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどのポリオレフィンのフィルムコート紙などの
離型紙あるいは離型性フィルムなどが挙げられる。
【0017】更にカバーレイフィルムの場合も、ポリイ
ミドフィルムの接着性を改良するために無機ガスによる
低温プラズマ処理、コロナ放電処理などの表面処理を行
ってもよい。特に低温プラズマ処理が好ましい。この場
合、低温プラズマ処理は、赤外線加熱乾燥処理前にイン
ライン中で連続して行う。低温プラズマ処理は、フレキ
シブル印刷回路用基板の低温プラズマ処理と同様な条件
で行えばよい。
【0018】本発明の作用は、含水率の高いポリイミド
フィルム原反と金属箔の積層直前、またはポリイミドフ
ィルムと離型材の積層直前、即ち、該フィルムに熱硬化
性接着剤を塗布する直前に、赤外線または遠赤外線ヒー
タにより該フィルムを連続的に加熱乾燥して含水率を0.
1 重量%以下に調整して該フィルムの寸法安定性を確保
した後、熱硬化性接着剤を塗布し、金属箔または離型材
を積層して積層板またはカバーレイフィルムの寸法変化
率を低下、安定させるというものである。このように寸
法安定性の良いフレキシブル印刷回路用基板に回路印刷
し、エッチングして回路を作製し、該回路面に上記寸法
安定性の良いカバーレイフィルムを貼り付けることによ
り、両者の特質である寸法安定性の良い、また作業性の
良いフレキシブル印刷回路基板を製造することができ
る。
【0019】
【実施例】以下に本発明を実施例、比較例を挙げて説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 (実施例1)厚さ25μm、幅508 mmのアピカル(商品
名、鐘淵化学工業社製ポリイミドフィルム)を連続プラ
ズマ処理装置により、低温プラズマ処理を行った。処理
条件は、真空度 0.1Torr、酸素流量を 1.0リットル/mi
n で供給し、印加電圧2kV、周波数 110kHzで30kW
の電力を入力した。プラズマ発生装置は電極4本を円筒
状に配置し、フィルムを電極の外側40mmの距離で、電極
の外周に沿って50m/min の速度で移動させ、処理し
た。
【0020】次にフィルムの乾燥は、赤外線ヒータとし
てパイプヒータ(八光商事社製、容量1kW、パイプ長
715mm×12mmφ、ステンレス製シースに特殊金属酸化物
をコートしてあり、10〜80μmに渡る波長の赤外線がバ
ランスよく得られる。)を上下各3本、250mm 間隔でフ
ィルムから 100mmの距離の乾燥ラインに並べ、ヒータ表
面温度を600 ℃とし、ライン速度5m/min でフィルムを
連続して流して赤外線を照射した。この時、照射時間は
12秒とした。
【0021】ヒータの間を通して乾燥させたフィルム
に、エポキシ−フェノール系接着剤を乾燥後の厚みが18
μmになるようにロールコーターで塗布し、インライン
ドライヤーに通して130 ℃で溶剤を除去し、接着剤を半
硬化状態とした。次いで、35μmの電解銅箔JTC-35(ジ
ャパンエナジー社製商品名)とラミネートロール(ロー
ル温度 100℃、圧力 2.0 kg/cm)で、熱圧着、積層しロ
ール状に巻き取った。次に巻き取った中間品を熱風循環
式キュアーオーブン中で80℃×3時間及び 160℃×5時
間で加熱硬化した後、冷却した。この製品基板の寸法変
化率その他の物性を測定した。試料数5個の平均値を表
2に示した。
【0022】
【表2】
【0023】基板フィルム及び製品積層板(フレキシブ
ル印刷回路用基板、カバーレイフィルム)の物性は下記
方法で測定した。 ・フィルム含水率[重量%] 乾燥器(KATO社製オーブン、ROYAL RO 24 )で150 ℃×
5時間乾燥したときのフィルムの含水率を0重量%とし
て、試料フィルムの重量と、このフィルムを150 ℃×5
時間上記乾燥器で乾燥した後の重量とを比較し、次式か
ら含水率を求めた。(IPCFC 241 準拠) 含水率={(乾燥前の重量−乾燥後の重量)/乾燥前の
重量}×100[重量%] ・積層板の寸法変化率[±%] IPCFC 241 に準じ、積層板の銅箔をエッチングにより除
去して、フィルムと接着剤層の状態で150 ℃×30分の熱
処理を施し、熱処理前後の寸法から寸法変化率を求め
た。 寸法変化率={(熱処理後−熱処理前)/熱処理前}×
100 [±%] (−%:収縮、+%:伸び) ・カバーレイフィルムの寸法変化率[±%] IPCFC 241 に準じ、カバーレイフィルムの長手方向・幅
方向の寸法変化をそれぞれ測定し、150 ℃×30分の熱処
理を施し、熱処理前後の各寸法から求めた。 ・外観検査 ○:シワの発生なし、カールなし。 ×:シワの発生あり、カールあり。 △:シワ、カール共に若干あり。 ・引き剥し強さ JIS C-6481 に準ず。 ・半田耐熱性 JIS C−6481に準ず。
【0024】実施例2〜実施例8 表2の実施例2〜実施例8記載の各条件とした以外は、
実施例1と同様にフィルムを赤外線乾燥し、接着剤を塗
布、乾燥し、銅箔と積層して基板を作製した。物性測定
結果を表2に併記する。
【0025】比較例1 比較のために、プラズマ処理したポリイミドフィルムを
赤外線乾燥させなかった以外は、実施例1と全く同様に
処理して積層板を製作し、製品物性を測定してた。結果
を表2に併記する。
【0026】比較例2 ポリイミドフィルムの厚さが50μmのものを用いた以外
は、比較例1と同じ条件で行った。結果を表2に併記す
る。
【0027】比較例3 フィルム乾燥の赤外線照射において、パイプヒータを上
下2本だけ使用し、照射時間を 2.5秒(ライン速度6m/
min )とした以外は、実施例1と同じ条件で行った。結
果を表2に併記する。
【0028】比較例4 プラズマ処理を行わない以外は、比較例1と同じ条件で
行った。結果を表2に併記する。
【0029】比較例5 ポリイミドフィルムの厚さ12.5μmのものを用い、プラ
ズマ処理することなく、かつフィルム乾燥を、500m巻き
のまま、乾燥器(前出KATO社製オーブン、ROYAL OVEAN
RO 24 )中 110℃×5時間静置とした以外は、比較例1
と同じ条件で行った。結果を表2に併記する。なお、乾
燥したポリイミドフィルムは、巻き芯側から約50mに渡
って横しわが発生していた。
【0030】比較例6 プラズマ処理することなく、かつフィルム乾燥を、1500
m 巻きの原反のまま、遠赤外線オーブン(日本電熱計装
社製品、赤外線炉セラミックヒータ、450W×4)中 110
℃×5時間静置とした以外は、比較例1と同じ条件で行
った。結果を表2に併記する。なお、乾燥したポリイミ
ドフィルムは、巻き芯側から約30mに渡って横しわが発
生していた。
【0031】実施例9 実施例1と同様にプラズマ処理し、赤外線ヒータの間を
通して乾燥させたフィルムの片面に、エポキシ−NBR
系接着剤を乾燥後の厚みが30μmになるようにロールコ
ーターで塗布し、インラインドライヤーに通して130 ℃
で溶剤を除去し、接着剤を半硬化状態とした。次いで、
ラミネートロール(ロール温度 100℃、圧力 2.0 kg/c
m)で、シリコーン離型剤付き離型紙を該フィルムの半
硬化接着剤面に熱圧着させ、ロール状に巻き取り、カバ
ーレイフィルムを作製した。このカバーレイフィルムの
寸法変化率、その他の物性を測定した。測定試料数5個
の平均値を表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】実施例10〜実施例16 表3の実施例10〜実施例16記載の各条件とした以外
は、実施例9と同様に行った。結果を表3に併記する。
【0034】比較例7 比較のために、プラズマ処理後にポリイミドフィルムの
乾燥を行わなかった以外は、実施例9と同じ条件で行っ
た。結果を表3に併記する。
【0035】比較例8 ポリイミドフィルムの厚さが50μmのものを用いた以外
は、比較例7と同じ条件で行った。結果を表3に併記す
る。
【0036】比較例9 フィルム乾燥の赤外線照射において、パイプヒータを上
下2本だけ使用することにより、照射時間を 2.5秒(ラ
イン速度6m/min )とした以外は、実施例9と同じ条件
で行った。結果を表3に併記する。
【0037】比較例10 プラズマ処理を行わない以外は、比較例7と同じ条件で
行った。結果を表3に併記する。
【0038】比較例11 ポリイミドフィルムの厚さが12.5μmのものを用い、プ
ラズマ処理を行わず、かつポリイミドフィルム乾燥を、
500m巻きのまま、乾燥器(前出KATO社製オーブン)中11
0 ℃×5時間静置とした以外は、実施例9と同じ条件で
行った。結果を表3に併記する。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、寸法安定性の良好な、
すなわち寸法変化率が小さくそのばらつきの小さく、接
着性の良好なフレキシブル印刷回路用基板及びカバーレ
イフィルムを製造することができ、プリント回路作製時
のエッチング、カバーレイフィルム積層及び半田処理各
工程における寸法精度が維持され、またインラインでフ
ィルムを乾燥することから生産性・歩留りも向上し、産
業上極めて高い利用価値を有する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミドフィルムをライン中で赤外線
    または遠赤外線ヒータにより連続的に加熱して乾燥し、
    該フィルムの含水率を 0.1重量%以下とし、その片面ま
    たは両面に熱硬化性接着剤を塗布し、その上に金属箔を
    積層し、該フィルム−金属箔積層板の寸法変化率を、該
    積層板の金属箔を除去した状態で 150℃×30分間熱処理
    後の測定値で、長手方向及び幅方向共に±0.05%以内に
    することを特徴とするポリイミド系フレキシブル印刷回
    路用基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ポリイミドフィルムを加熱して乾燥
    する前に、予め無機ガスにより低温プラズマ処理を施す
    請求項1に記載のポリイミド系フレキシブル印刷回路用
    基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリイミドフィルムをライン中で赤外線
    または遠赤外線ヒータにより連続的に加熱して乾燥し、
    該フィルムの含水率を 0.1重量%以下とし、その片面ま
    たは両面に熱硬化性接着剤を塗布し、その上に離型材を
    積層し、該フィルム−離型材積層板の寸法変化率を、 1
    50℃×30分間熱処理後の測定値で、長手方向及び幅方向
    共に±0.05%以内にすることを特徴とするカバーレイフ
    ィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ポリイミドフィルムを加熱して乾燥
    する前に、予め無機ガスにより低温プラズマ処理を施す
    請求項3に記載のカバーレイフィルムの製造方法。
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