JP2893432B2 - フレキシブルプリント配線用基板の製造方法 - Google Patents

フレキシブルプリント配線用基板の製造方法

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JP2893432B2 JP35106791A JP35106791A JP2893432B2 JP 2893432 B2 JP2893432 B2 JP 2893432B2 JP 35106791 A JP35106791 A JP 35106791A JP 35106791 A JP35106791 A JP 35106791A JP 2893432 B2 JP2893432 B2 JP 2893432B2
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勝浩 菅野
博之 鎮守
雄次郎 中川
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリイミド樹脂を導体上
に直接塗布してなるフレキシブルプリント配線用基板の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】銅箔等の導体上にポリイミド前駆体樹脂
溶液を直接塗布し、乾燥及び硬化してフレキシブルプリ
ント配線用基板を製造することは特開昭61−2753
25号公報等で知られている。この方法は接着剤を使用
しないため、寸法安定性の向上、耐熱性の向上等の利点
を有するが、製造工程中熱処理の温度むらにより特性が
ばらついたり、また熱処理に長時間要するため生産性が
悪いといった問題があった。この生産性を上げるために
乾燥のみ行った基板をロール状に巻いて、ロールごと熱
処理を行い硬化させることが考えられるが、この方法だ
と特にロールの巻き芯と巻き外で極端に処理温度が異な
り特性のばらつきが非常に大きいといった問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は接着剤
を使用しない無接着剤型フレキシブルプリント配線用基
板の製造において熱処理温度むらによる特性のばらつき
を極度に低下させる製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明は導体上にポリイミド前
駆体樹脂溶液を直接塗布した後、乾燥し、加熱して硬化
することによりフレキシブルプリント配線板用基板を製
造する方法において加熱して硬化する工程で導体に通電
して加熱することを特徴とするフレキシブルプリント配
線用基板の製造方法である。
【0005】導体は金属箔であり、好ましくは銅、アル
ミ及びSUS箔であり、更に好ましくは厚さが5〜15
0μm の銅箔である。
【0006】ポリイミド前駆体樹脂とは、加熱硬化させ
ることによりイミド結合を生じるものであり、代表的に
はポリアミック酸である。好ましくは硬化後の熱膨張係
数が3×10-5以下の樹脂を与えるものであり、このよ
うな樹脂は、前記特開昭61−27532号公報及び特
開昭60−243120号公報等に記載されたようなジ
アミノベンズアニリド及びその誘導体を含むジアミン類
と無水ピロメリット酸の組み合わせ、又はパラフェニレ
ンジアミンとビフェニルテトラカルボン酸無水物との組
み合わせ等により得ることができる。
【0007】ポリイミド前駆体樹脂はジメチルアセトア
ミド、N−メチル−2−ピロリドン等の溶媒に溶解した
溶液として使用される。塗布は任意の塗工装置を用いて
行うことができるが、特性の向上等を目的として複数種
のポリイミド前駆体樹脂溶液を多層になるように塗布す
ることも可能である。
【0008】塗布後、溶剤の乾燥及び熱処理による硬化
を行うわけであるが、乾燥温度としては好ましくは10
0℃〜200℃の範囲であり、硬化温度としては250
℃以上、好ましくは300℃以上である。熱処理方法と
してはライン状で乾燥、硬化をおこなう方法、乾燥のみ
行った基板を真空炉等の装置内で巻き戻しながら加熱し
て硬化させる方法、乾燥のみ行った基板をロール状態で
熱処理する方法等種々の方法が可能である。
【0009】ロール状で熱処理する場合溶剤等の揮発成
分の抜けを良くするために不織布、金網等の表面凹凸が
大きい基材をスペーサーとして伴巻きすることも可能で
ある。
【0010】硬化反応はイミド化反応を主とした反応で
あり、水等の揮発成分が生成されるため減圧下で行うこ
とがより好ましく、また導体として銅箔を用いる場合に
は特に酸素雰囲気下では酸化が起きるため不活性雰囲気
下で行うことがより好ましい。
【0011】本発明においてはこの様な加熱方法におい
て加熱源として少なくとも導体に通電させて発生するジ
ュール熱により行うことを必須とするものである。用い
る電気としては直流、交流を問わず任意の電流値、電圧
値を設定可能であるが、目標とする加熱温度、加熱時間
に合わせて、導体が持つ固有の電気抵抗と基板の熱容
量、潜熱等により計算して設定することができる。
【0012】加熱源としてはこの通電によるジュール熱
以外に熱風による加熱、赤外線加熱、電磁誘導加熱、熱
板等による幅射加熱等種々の加熱方法との併用が可能で
ある。
【0013】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明を具体的に
説明する。フィルムの強度は導体を塩化第二鉄水溶液で
全面エッチングしてフィルムのみにした後JISC 2
318に準じて測定した。
【0014】尚、各例における略語は以下の通りであ
る。 BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸無水物(宇部興産社製) PDA :パラフェニレンジアミン(Du pont社
製) DDE :4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(和
歌山精化社製) NMP :N−メチル−2−ピロリドン(三菱化成社
製)
【0015】合成例1 PDA8.0モル及びDDE2.0モルをNMP24k
gに溶解した後、系を10℃に冷却し、BPDA9.9
モルを徐々に加えて反応させ、粘稠なポリイミド前駆体
樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液は25℃で3万セン
チポイズを示した。
【0016】実施例1 厚さ35μm の市販電解銅箔(日本鉱業社製JTC箔)
上に合成例1で得られた樹脂溶液を硬化後の厚みが25
μm になるように塗工した後、130℃で5分間乾燥し
た。塗工乾燥にはドライヤー長20mの熱風式乾燥炉を
有する連続式のナイフ塗工装置を使用した。
【0017】得られた幅50cm、長さ100mの基板
1を図1に示すように、アルミコア3上に200メッシ
ュのSUS製金網2と伴に巻いた。この際内部の温度を
監視できるように熱電対を必要に応じ数カ所巻きの中に
差し込んだ。アルミコア3及び基板1外側端部に銅製の
電極4、4を取り付けた後、このロールを直流高電流導
入端子を有する真空硬化炉5内に装填した。
【0018】真空硬化炉5には炉内壁にヒーターが設置
してあり、真空度はオイル拡散ポンプにより10-2to
rrまで到達可能である。次に、図2に示すように電極
4、4を接続した後炉内を1torrまで真空引きして
からロールを350℃まで24時間かけて昇温した。こ
の時ロールには4.04V、31.3Aの電流を流し、
炉内壁のヒーターは炉内壁がロール中心部と同一になる
ようにコントロールした。昇温工程中ロール内の温度む
らは10℃以内に収まっていた。
【0019】ロール最外部が350℃に到達してから加
熱を止め18時間かけて自然冷却した。得られた基板は
場所を問わず樹脂の色合いが均一であり、銅箔の酸化は
認められなかった。20m間隔に6か所サンプリングし
てフィルム強度を調べたところ表1に示した結果のよう
に非常に安定していた。
【0020】比較例1 実施例において銅箔に電流を流さずに炉内壁のヒーター
のみでロール最外部が350℃になるように同じ昇温ス
ケジュールで加熱冷却した。ロール形状等のその他の条
件は同一とした。
【0021】熱処理中巻きの長手方向で温度むらが非常
に大きく、熱処理終了時には巻きの中心部で300℃に
しか到達していなかった。得られた基板は熱処理の温度
むらが原因と思われる樹脂の色むらが大きく、表1に示
した結果のように巻きの長手方向でフィルムの強度のば
らつきが大きかった。
【0022】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、極めて品質
のばらつきのないフレキシブルプリント配線用基板を製
造することができる。
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ロールの伴巻き状態を示す斜視図である。
【図2】 ロールを真空硬化炉内に装填した状態を示す
概念図である。
【符号の説明】
1 基板 2 SUS製金網 3 アルミコア 4 電極 5 真空硬化炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05K 3/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上にポリイミド前駆体樹脂溶液を直
    接塗布した後、乾燥し、加熱して硬化することによりフ
    レキシブルプリント配線板用基板を製造する方法におい
    て、加熱して硬化する工程で導体に通電して加熱するこ
    とを特徴とするフレキシブルプリント配線用基板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 基板をロール状態で加熱することを特徴
    とする請求項1記載のフレキシブルプリント配線用基板
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 不活性雰囲気下で加熱することを特徴と
    する請求項1記載のフレキシブルプリント配線用基板の
    製造方法。
JP35106791A 1991-12-11 1991-12-11 フレキシブルプリント配線用基板の製造方法 Expired - Lifetime JP2893432B2 (ja)

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JP2005152792A (ja) * 2003-11-26 2005-06-16 Yasui Seiki:Kk 複合材料シートの製造方法
JP4360956B2 (ja) * 2004-03-24 2009-11-11 新日鐵化学株式会社 フレキシブルプリント配線板用基板の製造方法
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