JP5037412B2 - 鋼板 - Google Patents

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本発明は、打ち抜き加工性と耐腐食性に優れる鋼板に関するものであり、特に化学プラント用鋼板や自動車用鋼材として使用される鋼板に関するものである。
化学プラント用鋼板や自動車用鋼材においては、優れた耐腐食性を有すると同時に、加工性の良好な鋼板が要求されている。加工性に関しては、打ち抜き加工時の切断面にできるバリが小さくなり、バリ取りなどの後処理を必要としない優れた加工性が必要とされる。
特許文献1には、熱間圧延までの熱履歴を制御して鋼板のr値(ランクフォード値)の向上を図り、鋼板の表面に亜鉛・アルミニウム合金のメッキ層を有する、加工性が良好で耐食性の優れた熱延鋼板の製造方法が記載されている。
鋼板の加工性はαFe相やγFe相の集合組織に依存し、特に鋼板面に結晶の{222}面集積度を増加させることによって向上できるとされている。
特許文献2は、高強度冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板に関するものであり、鋼板に含有されるSi、Mn、Pの各量を、鋼板面に平行な{222}面と{200}面によるX線回折強度の比との間の一定式に基づいて制御することによって、鋼板の深絞り性が確保できることが示されている。しかしながら、表面に付与されるめっきが集合組織に与える影響については示されていない。
特許文献3は、ほうろう用高強度冷延鋼板およびその製造方法に関するものである。ここでは、含有するC量でNb添加量を規定し、さらに、熱間圧延と冷間圧延の条件を規定することによって(111)集合組織を制御している。
特許文献4は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関するものである。X線回折強度のうち、{200}面強度と{222}面強度の比、I(200)/I(222)が、0.17未満となると、めっき表面に筋模様欠陥の発生がなくなること、および熱間圧延の仕上圧延温度をAr3+30℃(冷却時のフェライト変態が始まる温度+30℃)以上とすることによりX線回折強度比、I(200)/I(222)が0.17未満となるという知見が示されている。しかしながら、めっきを付与することによって、鋼板の集合組織が制御されたことは示されていない。
以上に示したように、従来から鋼板の加工性を向上させるためにαFe相やγFe相の{222}面集積度を向上させる手法が考案され、鋼板成分、圧延条件や温度条件が最適化されてきた。
さらに特許文献5では、Al含有量が6.5質量%以上10質量%以下の高Al含有鋼板で、αFe結晶の{222}面集積度が60%以上95%以下、又は{200}面集積度が0.01%以上15%以下にすることで、高いAl含有量でも加工性を高くできることが開示されている。また高Al含有鋼板で、前記の特定面の面集積度を向上させる方法として、Al含有量が3.5質量%以上6.5質量%未満の母材鋼板の表面に溶融Alめっき法でAl合金を付着させ、冷間圧延し、更に拡散熱処理することが開示されている。
特許文献6には、鋼板の表面硬化によりせん断加工時のバリを極めて小さくし、内部は低い硬度分布を持たせることにより、プレス加工性を損なわない鋼板が開示されている。これにより、r値が1.7〜2であり、打ち抜き加工時のバリ高さが12〜40μmとなる鋼板が開示されている。
特許文献7には、極低炭素鋼に一定式を満足するようにS(イオウ)を0.003〜0.03質量%の範囲で添加することによって優れた深絞り性と打ち抜き加工性を有する冷延鋼板が提供できることを開示している。これにより、r値が2.2〜2.6であり、打ち抜き加工時のバリ高さが30〜80μmとなる鋼板が開示されている。
特開平6−15303号公報 特開平6−2069号公報 特開平8−13081号公報 特開平10−18011号公報 特開2006−144116号公報 特開平3−277739号公報 特開平8−188850号公報
上述のように、耐腐食性に優れる鋼板、打ち抜き加工性に優れる鋼板はそれぞれ存在するものの、打ち抜き加工性と耐腐食性の両方に優れる鋼板が従来は存在しなかった。また、打ち抜き加工性のみについて見ても、打ち抜き加工に伴うバリの発生をある程度まで低減することには成功しているが、バリを除去する後処理(面取り加工処理)を省略できる、優れた打ち抜き加工性が得られるレベルには達していない。
本発明は、打ち抜き加工性と耐腐食性の両方に優れ、バリを除去する面取り加工処理を省略できる、優れた打ち抜き加工性が得られるレベルに達する鋼板を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)αFe相から構成される鋼板であって、αFe相の、鋼板面に対する{222}面集積度Sが20%以上99%以下、または、鋼板面に対する{200}面集積度Pが0.01%以上20%以下の一方又は両方であり、鋼板面の表面から1/8厚さまでの間のAl濃度の最大値をA1/8t(質量%)とし、1/8厚さから1/2厚さまでの間のAl濃度の最小値をA1/2t(質量%)とし、A1/8tとA1/2tの濃度差をΔA=A1/8t−A1/2tとすると、A1/8tが0.5質量%以上10質量%以下であり、ΔAが0.3質量%超であることを特徴とする鋼板。
(2)前記{222}面集積度Sが下記(1)式を満足すること、または、前記{200}面集積度Pが下記(2)式を満足すること、のいずれか1方又は両方であることを特徴とする上記(1)に記載の鋼板。
S≧−4×ΔA+60 (1)
P≦1.999×ΔA+0.01 (2)
(3)前記A1/8tの範囲が5.0質量%以上10質量%以下であることを特徴とする上記(1)に記載の鋼板。
(4)前記鋼板の厚さが10μm以上3mm以下であることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の鋼板。
本発明は、鋼板面に対する{222}面集積度Sの調整及び鋼板面に対する{200}面集積度Pの調整を行うとともに、鋼板の表面と中心とでAl濃度に差を設けることにより、打ち抜き加工性の改善を実現した。また、鋼板表面のAl濃度を高めることにより、同時に耐腐食性を改善することができる。
特許文献5に記載の鋼板は、Al含有量が6.5質量%以上10質量%以下の高Al含有鋼板であって、αFe相の{222}面集積度が60%以上95%以下、または、{200}面集積度が0.01%以上15%以下の一方または両方の高Al含有鋼板である。この鋼板の製造はAlを3.5質量%以上6.5質量%以下含有する母材鋼板の少なくとも片面にAl合金を付着させ、冷間で加工歪みを付与させた後にAlを拡散させる熱処理を施すものであった。
本発明者らは、{222}面集積度をさらに向上させる技術開発に取り組み、各種実験を行ってきた。その結果、Alを主体とする金属からなる第二層を母材鋼板に付着させたまま冷間圧延を施し、その後に熱処理で再結晶させることによって{222}面集積度が向上できること、この現象が冷延の際に鋼中に形成される特別な転位組織によって発現できることを発見した。熱処理により該転位組織から{222}面集合組織を発達させるような再結晶核が発生するようになるのである。さらに、再結晶後の鋼板のAl含有量が6.5質量%未満となるような成分系であると上記再結晶核の発生頻度が高くなる傾向にあり、結果としてより高い{222}面集積度を有する鋼板が得られるようになった。第二層を付着させる母材鋼板のAl含有量を3.5質量%以下とすることにより、再結晶後の鋼板のAl含有量が6.5質量%未満であって、αFeの、鋼板面に対する{222}面集積度Sが20%以上99%以下または鋼板面に対する{200}面集積度Pが0.01%以上20%以下の一方又は両方である鋼板製造を可能とした。
特許文献5に記載の鋼板では、第二層として母材鋼板の表面に付着したAlは、上記再結晶熱処理において鋼板中に拡散し、鋼板厚さ方向のAl濃度分布は一様となる。それに対し、鋼板厚さ方向のAl濃度分布に不均一性を持たせ、鋼板面の表面付近のAl濃度が鋼板中心付近のAl濃度よりも高い濃度とすると、αFe相の{222}面集積度が高いことと相まって、切断加工時に表面が内部より先に切断されるようになり、切断端面にできるバリが著しく小さくなることが明らかとなった。
また、鋼板面の表面にAl濃化層を有すると、最表面に不動態皮膜が形成されるようになる。特に、鋼板面の表面付近のAl濃度が0.5質量%を超えると、不動態皮膜の緻密さが増し、酸性、アルカリ性腐食液に接しても不動態皮膜が破壊されにくくなることを見いだした。さらに、鋼板面の表面付近のAl濃度が5質量%以上となるとより一層の著しい効果が得られる。
本発明の鋼板は、主要相としてαFe相から構成されている。αFe相は構造が体心立方のFe結晶相であり、他原子がFeを一部置換したり、Fe原子間に侵入したりしたものを含んでいる。鋼板中には、αFe相とともにセメンタイト相、パーライト相を含有していてもよい。
本発明の鋼板は、αFe相の、鋼板面に対する{222}面集積度Sが20%以上99%以下または鋼板面に対する{200}面集積度Pが0.01%以上20%以下の一方又は両方であることを第1の特徴としている。前記{222}面集積度が20%未満かつ前記{200}面集積度が20%超になると、十分な打ち抜き加工性が得られなくなるとともに、絞り、曲げ、圧延加工時に割れや破断が生じやすくなる。また、前記{222}面集積度が99%超かつ前記{200}面集積度が0.01%未満になると効果は飽和し、また、製造も難しくなる。
ここで面集積度の測定は、MoKα線によるX線回折で行うことができる。αFe相の{222}面集積度、および、{200}面集積度は以下のように求める。試料表面に対して平行なαFe結晶11面{110}、{200}、{211}、{310}、{222}、{321}、{411}、{420}、{332}、{521}、{442}の積分強度を測定し、その測定値それぞれをランダム方位である試料の理論積分強度で除した後、{200}あるいは{222}強度の比率を百分率で求めた。これは、例えば、{222}強度比率では、以下の式(3)で表される。
{222}面集積度
=[{i(222)/I(222)}/Σ{i(hkl)/I(hkl)}]×100 … (3)
ただし、記号は以下の通りである。
i(hkl):測定した試料における{hkl}面の実測積分強度
I(hkl):ランダム方位をもつ試料における{hkl}面の理論積分強度
Σ :α−Fe結晶11面についての和
本発明の鋼板は、鋼板面の表面から1/8厚さまでの間のAl濃度の最大値をA1/8t(質量%)とし、1/8厚さから1/2厚さまでの間のAl濃度の最小値をA1/2t(質量%)とし、A1/8tとA1/2tの濃度差をΔA=A1/8t−A1/2tとすると、ΔAが0.3質量%超であることを第2の特徴としている。前記ΔAは、鋼板厚さ方向のAl濃度分布の不均一性を好適に表わすものであり、鋼板面の表面付近のAl濃度が鋼板中心付近のAl濃度よりも高い濃度であることを定量的に表わすものである。鋼板面の表面付近のAl濃度を、最表面のAl濃度とするよりは、前記A1/8tとした方が安定した値となる。同様に、中心のAl濃度とするよりは、前記A1/2tとした方が安定した値となる。
鋼板のA1/8t、A1/2tの測定方法としては、鋼板のL断面を研磨等で露出させて、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)等の装置を用いて厚さ方向のAl濃度分布を測定して求めるものである。EPMAでの測定は、例えばスポット径が1μm程度の電子線を表面から照射してその領域のAl濃度を検量線から求め、さらに、この測定を1μm間隔で板厚さ方向に表面から1/2厚さまで線状に行って分布を求めるものである。鋼板面の表面から1/2厚さのAl濃度分布において、鋼板面の表面から1/8厚さ未満の領域と1/8厚さから1/2厚さまでの領域に分けた後、各領域における最大及び最小のAl濃度が求められる。鋼板面の表面から1/8t未満の領域の最大値がA1/8tであり、1/8厚さから1/2厚さまでの領域の最小値がA1/2tである。好ましくは、鋼板の表面と裏面において各2箇所以上で測定を行って、合計4箇所以上の測定値を平均して用いることが望ましい。鋼板表層のAl濃度を高める操作を鋼板の表面又は裏面の一方のみとした場合は、Al濃度を高めた側の表面から1/2tまでの部分のみについてAl濃度を測定する。ここで、表面から1/8厚さとしたのは、最表面では酸化物や酸化層が存在する場合があり、鋼中のAl濃度を正確に測定できないことがあるので、前記最表面の影響が及ばないところとした。
αFe相の、鋼板面に対する{222}面集積度Sが20%以上99%以下または鋼板面に対する{200}面集積度Pが0.01%以上20%以下の一方又は両方であり、同時にΔA=A1/8t−A1/2tを0.3質量%超とすることにより、打ち抜き加工時に表面が内部より先に切断されるようになり、切断端面にできるバリが著しく小さくなる。
本発明の鋼板は、A1/8tが0.5質量%以上10質量%以下であることを第3の特徴とする。A1/8tは表面から1/8厚さまでの間のAl濃度の最大値であり、鋼板表面付近のAl濃度を意味している。表面付近のAl濃度が0.5質量%以上となると、不動態皮膜の緻密さが増し、酸性、アルカリ性腐食液に接しても不動態皮膜が破壊されにくくなり、優れた耐腐食性を示す。一方、表面付近のAl濃度が10質量%を超えると、製造時に亀裂が生じやすくなり製品を容易に製造できなくなるので、上限を10質量%とした。さらに、A1/8tの範囲が5.0質量%以上10質量%以下であるとより好ましい。これにより、鋼板の耐腐食性がより一層改善される。尚、上記A1/8tの上限が10質量%であることから、前記ΔAの上限は10質量%未満となる。
耐腐食性と打ち抜き加工性(切断端面にバリ発生の抑制)の両方をより優れたものとするには、上記範囲内においてA1/8tが大きく、更にΔAが大きい方が好ましい。即ち、A1/8tが5質量%以上、かつΔAが5質量%以上であることがより好ましい。
本発明の鋼板における加工性の評価として、10.0mmφポンチと10.6mmφダイスを用いて打ち抜き加工を行った。打ち抜き加工後のバリ高さを測定し、バリ高さ5μm以下を○、5〜10μmを△、10μm以上を×と評価した。評価結果をもとに、Al濃度差ΔA、{222}面集積度Sと加工性との関係を図1に、Al濃度差、{200}面集積度Pと加工性との関係を図2に示した。図1から明らかなように、{222}面集積度Sが下記(1)式を満足するときに、バリ高さ5μm以下となって良好な結果を得ることができる。
S≧−4×ΔA+60 (1)
また、図2から明らかなように、{200}面集積度Pが下記(2)式を満足するときに、バリ高さ5μm以下となって良好な結果を得ることができる。
P≦1.999×ΔA+0.01 (2)
さらに、前記(1)式及び(2)式の両方の条件を満足するときには、バリ高さが3μm以下と更に小さくなり、極めて良好な結果を得ることができる。
本発明の鋼板は、鋼板の厚さが10μm以上3mm以下であると好ましい。積層鋼板の厚さが薄すぎると製造歩留まりが低下することがあるが、厚さが10μm以上であればこのような問題を発生させることなく製造することができる。また、板厚が3mm以下であると、本発明による打ち抜き加工における切断面に発生するバリの抑制効果が非常に顕著になる。
本発明の鋼板は、加工性及び耐腐食性に優れる鋼板として用いることができる。本発明の鋼板の好ましい用途は、化学プラント等に用いられる装置用や自動車ボディー用の外板等である。
次に、本発明の鋼板の製造方法について説明する。
板厚が10μm以上10mm以下、Al含有量が9.7質量%未満の母材鋼板を、該母材鋼板の少なくとも片面にAlを主成分とする金属からなる第二層を付着させ、該母材鋼板を圧延し、その後熱処理によって再結晶させることにより、本発明の鋼板を製造することができる。
高い{222}面集積度を得るためには、母材鋼板の鋼板面の少なくとも片面に、Alを主成分とする金属からなる第二層を付着した状態で圧延を施すことが必須である。母材鋼板の鋼板面の両面に第二層が形成されていると好ましい。これにより、得られる鋼板の鋼板面の両面とも高い耐腐食性を得ることができる。
その後の工程において熱処理を施して再結晶させる。母材鋼板の最表層にAlを主成分とする金属からなる第二層が付着し、その状態で圧延を行い、さらに熱処理によって再結晶させた結果として、得られる鋼板が高い{222}面集積度となる。その際には第二層に含まれているAlを鋼中に拡散する効果も含んでいる。第二層に含まれているAlが鋼中に拡散することによって、より高い{222}面集積度が得られる傾向もあり、かつ、耐腐食性や加工性も向上する。
本発明においては、圧延前の第二層の付着量を調整するとともに、熱処理の温度と時間を調整することにより、A1/8tを0.5質量%以上10質量%以下で、ΔAを0.3質量%超にすることができる。本発明では、冷延前の母材鋼板表面に第二層としてAlを含む金属を付着し、冷延ののちに熱処理を加えて第二層を鋼板内に拡散させる。そのため、母材鋼板の両表面に第二層を付着した場合には、熱処理終了後の鋼板厚さ方向のAl含有量分布は、一般に表面が最も高く、中心が最も低く、表面から中心に向けて単調減少の分布となる。従って、最表面のAl濃度がA1/8tとなり、1/2厚さのAl濃度がA1/2tとなる場合が多い。第二層を片面のみに付着した場合は、付着した側の表面から1/2厚さまでを測定するので、最表面のAl濃度がA1/8tとなり、1/2厚さのAl濃度がA1/2tとなる点は同様である。
圧延後の熱処理に関し、熱処理温度と熱処理時間には好適な組み合わせ範囲があり、この好適な組み合わせ範囲よりも熱処理温度が高すぎる、あるいは熱処理時間が長すぎると、第二層として付着したAlが鋼板内に十二分以上に拡散してしまい、ΔAが0.3質量%以下となってしまう。例えば、圧延後の鋼板の厚さが1.0mmの場合、熱処理温度が800℃であれば、熱処理時間は500時間以下とすることにより、本発明のΔA範囲を実現することができる。熱処理温度が1200℃であれば、熱処理時間は30分以下とする。圧延後の鋼板の厚さが大きくなると、限界の熱処理温度、熱処理時間は延長する方向で変化する。
また、熱処理温度と熱処理時間を上記好適な範囲に保持した上で、第二層として付着するAl量を調整することにより、A1/8tを0.5質量%以上10%質量以下に調整することができる。例えば、鋼板の厚さが0.8mm、熱処理温度が1000℃、熱処理時間が5分の場合、第二層付着Al量を鋼板面の両面合計厚さで12μmとすれば、A1/8tを6質量%に調整することができる。第二層付着Al量が多くなるほど、A1/8tが高い値となる。
本発明の母材鋼板として、C:1質量ppm〜0.2質量%とすると好ましい。この範囲であると鋼板に必要とされる引っ張り強度が得られるからである。また、クロム系ステンレス鋼(Cr:10〜30質量%)とすると好ましい。Crを添加することによってより高い耐腐食性が付与され、本発明の効果が相乗的より高められるからである。
本発明では圧延前に母材鋼板に付着させる第二層の厚さの望ましい範囲は、鋼板面の両面合計厚さで0.1μm以上500μm以下である。母材鋼板と第二層が合金化している場合には、合金化している厚さは第二層の厚さに含める。また、鋼板面の両面に第二層が付着している場合には鋼板面の両面の厚さの合計である。第二層の厚さが0.1μm未満であると、{222}面集積度が低くなり、本発明の範囲に入らなくなる可能性が高まるため0.1μm以上が好ましい。500μm超の場合にも、{222}面集積度が低くなり、本発明の範囲に入らなくなる可能性が高まるため500μm以下が好ましい。
本発明において、第二層はAlを主成分とする金属である。Alを主成分とは、Al含有量が50質量%以上であることを意味する。Al以外の成分として、Fe、Co、Cu、Cr、Ga、Hf、Hg、In、Mn、Mo、Nb、Ni、Pb、Pd、Pt、Sb、Si、Sn、Ta、Ti、V、W、Zn、Zrのうち1つ以上の元素を含有してもよい。
ここで、母材鋼板の望ましいAl含有量は9.7質量%未満である。母材鋼板のAl濃度が9.7質量%以上では、得られる鋼板の靭性が著しく低く、実用に適さなくなる。したがって、母材鋼板のAl含有量は9.7質量%未満とした。
本発明の製造方法において、準備する母材鋼板の厚さは15μm以上10mm以下である。鋼板の厚さが15μm未満であると圧延以降の製造歩留まりが低下するため、実用に適さないことがある。10mm超であると、{222}面集積度が本発明の範囲に入らなくなる可能性が高まる。したがって、準備する母材鋼板の厚さは15μm以上10mm以下が好ましい。
さらに優れた本発明の効果を発現させるためには、第二層を付着させる前の母材鋼板に予備熱処理を施すと良い。この予備熱処理は、母材鋼板の製造過程で蓄積された転位構造を再配列させるもので、再結晶を起こさせることが望ましいが、必ずしも再結晶を起こさせる必要はない。
ここで、望ましい予備熱処理温度は700℃以上1100℃以下である。700℃未満であると、より優れた本発明の効果を得るための転位組織の変化が起こりにくい。1100℃超にすると、鋼板表面に好ましくない酸化皮膜が形成され、その後の第二層の付着および、圧延に悪影響を及ぼすため1100℃以下とした。この予備熱処理の雰囲気は、真空中、不活性ガス雰囲気中、水素雰囲気中、弱酸化性雰囲気中のどの条件においても、上述した効果を得ることができるが、予備熱処理後の第二層の付着および、その後の圧延に悪影響を及ぼすような鋼板表面の酸化膜を形成しない条件が求められる。予備熱処理の時間は特別限定する必要は無いが、鋼板の製造性等を考慮すると数秒(3〜5秒)から数時間(3〜5時間)以内が適当である。
第二層の鋼板への付着は溶融めっき法、電気めっき法、粉末塗布法、ドライプロセス法、クラッド法等によって実施でき、いずれの方法で付着を行っても本発明の効果を得ることができる。また、付着させる第二層に希望する合金元素を添加させ、同時に合金化させることも可能である。
圧延工程は第二層を付着させたままで実施し、本発明では圧下率は30%以上95%以下である。圧下率が30%未満であると、熱処理工程後に得られる鋼板の{222}面集積度は低く、本発明の範囲には到達できないことがある。圧下率が95%を超えると、{222}面集積度の増加は飽和し、製造コストは増加することからメリットは少ない。以上の理由から圧下率は30%以上95%以下するのが好ましい。
鋼板の結晶組織を再結晶させる目的を担う、圧延後の熱処理工程は、真空雰囲気、Ar雰囲気、H2雰囲気といった非酸化性雰囲気で行うことができる。この際、熱処理温度は600℃以上1300℃以下であり、かつ、熱処理時間は1秒以上1000時間以下が望ましい。600℃以上であると{222}面集積度はより高くなり、容易に本発明の範囲には到達できる。1300℃超であると、Alの拡散速度がはやくなり、ΔAが0.3質量%以下になる場合がある。なお、熱処理温度が1000℃超であると30秒以下の熱処理時間であっても{222}面集積度は容易に増加させられる。
以上の温度範囲と時間範囲の中で、熱処理後のΔAが0.3質量%超となる条件を選択して熱処理を行う。
次に、熱処理時の好ましい昇温速度は1℃/分以上1000℃/分以下である。昇温速度を1000℃以下にすると、より高い{222}面集積度が容易に得られるようになる。また1℃/分以上にすると生産性が各段に向上できる。従って、昇温速度の好ましい範囲は1℃/分以上1000℃/分以下である。
最も一般的には、第二層を母材鋼板の両面に付着させ、圧延と熱処理を行う。この場合、鋼板厚さ方向のAl濃度分布は、両表面が最も高く、1/2厚さ部分が最も低い分布となる。そしてこの場合、鋼板のいずれの面も耐腐食性が良好に保持される。また、打ち抜き加工性についても、鋼板のいずれの面も同様にバリの発生を抑制することができる。
本発明において、第二層を鋼板の片面のみに付着させ、冷間圧延と熱処理を行うこととしてもよい。この場合、耐腐食性に優れるのは第二層を形成した面のみである。また、第二層を形成した面はバリ発生を抑制することができるが、第二層を形成していない面のバリ発生を抑制することはできない。従って、打ち抜き成形後に製品となる側の鋼板については、鋼板の第二層を形成した側の面を打ち抜き型と対面させるとよい。逆に、打ち抜き後に屑となる側の鋼板については、鋼板の第二層を形成していない側の面に打ち抜き型が接触することとなる。これにより、バリは屑となる側には形成されるが、製品となる側にはバリが形成されず、良好な打ち抜き加工性を確保することができる。
出発鋼板として、成分が、Al:0.001質量%、C:0.0004質量%、Si:0.10質量%、Mn:0.15質量%の熱延板を製造した。スケールを除去した後の厚さは3.2mmであった。この熱延板に冷間圧延を施して、厚さが0.80、1.14、1.33、1.60mmの冷延板を製造し、厚さの異なる母材鋼板を調製した。これらの冷延板と、厚さ3.2mmままの熱延板を母材鋼板として、各母材鋼板に溶融Alめっきを施して、第二層としてAl合金を表面に付着させた。ここで、冷延板に対しては、めっき前に780℃×10秒の熱処理を窒素ガス中で行った。熱延板に対しては、熱処理は行わなかった。
めっき合金成分は90質量%Al−10質量%Siであった。付着させためっきの両面の合計厚さは、冷延板厚さの小さい順に12.0、17.1、20.0、24.0μmになるように制御した。また、熱延板には両面の合計で48.0μmのめっきを付着させた。
めっき後に0.8mm以外の鋼板に対して、厚さが0.8mmとなるように冷間圧延を施した。全圧下率は圧延前の厚さで小さな順に、30、40、50、75%であった。0.8mmの鋼板に対しては、冷間圧延は行わなかった。
その後、各鋼板に表1に示した条件で非酸化雰囲気中で熱処理を施した。
熱処理後に、鋼板の板厚方向でAl濃度分布を測定し、A1/8t、A1/2t、ΔAを決定した。Al濃度分布測定は鋼板のL断面を研磨等で露出させて、EPMA装置を用いて厚さ方向のAl濃度分布を測定して求めた。EPMAでの測定は、スポット径が1μm程度の電子線を表面から照射してその領域のAl濃度を検量線から求め、さらに、この測定を1μm間隔で板厚方向に表面から1/2tまで線状に行って分布を求めた。A1/8tは表面から1/8t未満の領域の最大値とし、A1/2tは1/8tから1/2tまでの領域の最小値とした。鋼板の表面と裏面において各2箇所で測定を行って、合計4箇所の測定値を平均して用いた。
{222}面集積度、{200}面集積度の測定は、MoKα線によるX線回折で行った。詳細な測定方法は前述の通りである。
加工性の評価として、10.0mmφポンチと10.6mmφダイスを用いて打ち抜き加工を行った。打ち抜き加工後のバリ高さをマイクロメータで測定し、バリ高さ5μm以下を○、5〜10μmを△、10μm以上を×と評価した。
耐腐食性の評価として、対硫酸活性腐食評価を行った。条件として(a)硫酸濃度2.0質量%×80℃と(b)硫酸濃度0.5質量%×80℃の2種類で行い、(a)(b)ともに活性腐食なしの場合は○、(b)条件のみ活性腐食なしの場合は△、両方とも活性腐食有りの場合は×と評価した。
本発明例1〜16、比較例1〜3について、個別の製造条件と評価結果を表1に示す。本発明範囲から外れる数値にアンダーラインを付している。
Figure 0005037412
本発明例1〜16は、加工性と耐腐食性のいずれも良好な結果であった。ΔAと{222}面集積度S、{200}面集積度Pの関係が(1)式(2)式を満足する本発明例3、4、6〜16は、特に加工性が良好であった。また、A1/8tが5質量%以上となる本発明例5〜16は、特に耐食性が良好であった。
比較例1は、冷間圧延を行わなかったため、{222}面集積度と{200}面集積度が好適範囲から外れ、加工性が不良であった。
一方、比較例2はA1/8tが低いので耐腐食性が不良であり、ΔAが低いので加工性が不良であった。
比較例3はA1/8tが高すぎ、加工性が不良であった。
出発鋼板として、成分が、Al:0.05質量%、C:0.008質量%、Si:0.16質量%、Mn:0.08質量%の熱延板を用いた。スケールを除去した後の厚さは3.8mmであった。この熱延板に冷間圧延を施して、厚さが2.0mmの母材鋼板を製造した。これらの冷延板に680℃×10秒の熱処理を窒素ガス中で施した後に,第二層としてAl合金を表面に付着させた。ここで,Al合金の成分は95質量%Al−5質量%Siであった。
No.20,21の母材鋼板へのAl合金の付着は蒸着法で行い,それぞれ付着させた第二層の両面の合計厚さは、0.09、0.10μmになるように制御した。
No.22,23の母材鋼板へのAl合金の付着は圧延クラッド法で行い,それぞれ付着させた第二層の両面の合計厚さは、500、550μmになるように制御した。
Al合金を付着させた後に各鋼板に対して、厚さが1.2mmとなるように冷間圧延を施した。全圧下率は43〜53%であった。
その後、各鋼板に表2に示した条件で非酸化雰囲気中で熱処理を施した。
熱処理後に、鋼板の板厚方向でAl濃度分布を測定し、実施例1と同じ方法でA1/8t、A1/2t、ΔAを決定した。
{222}面集積度、{200}面集積度の測定は、MoKα線によるX線回折で行った。詳細な測定方法は前述の通りである。
加工性の評価として、20.0mmφポンチと20.8mmφダイスを用いて打ち抜き加工を行った。打ち抜き加工後のバリ高さをマイクロメータで測定し、バリ高さ5μm以下を○、5〜10μmを△、10μm以上を×と評価した。
耐腐食性の評価として、対硫酸活性腐食評価を行った。条件として(a)硫酸濃度2.0質量%×80℃と(b)硫酸濃度0.5質量%×80℃の2種類で行い、(a)(b)ともに活性腐食なしの場合は○、(b)条件のみ活性腐食なしの場合は△、両方とも活性腐食有りの場合は×と評価した。
本発明例17〜20の製造条件と評価結果を表2に示した。
Figure 0005037412
本発明例17,18と20は,加工性と耐腐食性の評価において優れた特性を有することがわかった.また,本発明例19は加工性と耐腐食性がいずれも優れており,極めて優れた総合評価が得られた.本発明例19はΔAと{222}面集積度S、{200}面集積度Pの関係が(1)式(2)式を満足していた。
出発鋼板として、成分が、Al:0.1質量%、C:0.05質量%、Si:0.01質量%、Mn:0.04質量%の熱延板を用いた。スケールを除去した後の厚さは11.0mmであった。この熱延板に冷間圧延を施して、厚さが10.0,6.12,3.06,0.015,0.012mmの母材鋼板を製造した。これらの冷延板に750℃×15秒の熱処理を窒素ガス中で施した後に,第二層として純Alを表面に付着させた。ここで,Alの純度は3Nであった。厚さ11.0mmの熱延板には熱処理は行わなかった。
No.24〜27の鋼板へのAl合金の付着は圧延クラッド法で行い,それぞれ付着させた第二層の両面の合計厚さは、表3に示した数値になるように制御した。
No.28,29の鋼板へのAl合金の付着は蒸着法で行い,それぞれ付着させた第二層の両面の合計厚さは、表3に示した数値になるように制御した。
Al合金を付着させた後に各鋼板に対して、No.24〜27では圧下率を70%,No.28,29では圧下率を34%にして,厚さが表3に示した数値となるように冷間圧延を施した。
その後、各鋼板に表3に示した条件で非酸化雰囲気中で熱処理を施した。
熱処理後に、鋼板の板厚方向でAl濃度分布を測定し、実施例1と同じ方法でA1/8t、A1/2t、ΔAを決定した。
{222}面集積度、{200}面集積度の測定は、MoKα線によるX線回折で行った。詳細な測定方法は前述の通りである。
加工性の評価として、No.24,25では50.0mmφポンチと50.8mmφダイスを用いて打ち抜き加工を行った。No.26,27では25.0mmφポンチと25.6mmφダイスを用いて打ち抜き加工を行った。No.28,29では5.0mmφポンチと5.2mmφダイスを用いて打ち抜き加工を行った。打ち抜き加工後のバリ高さをマイクロメータで測定し、バリ高さ5μm以下を○、5〜10μmを△、10μm以上を×と評価した。
耐腐食性の評価として、対硫酸活性腐食評価を行った。条件として(a)硫酸濃度2.0質量%×80℃と(b)硫酸濃度0.5質量%×80℃の2種類で行い、(a)(b)ともに活性腐食なしの場合は○、(b)条件のみ活性腐食なしの場合は△、両方とも活性腐食有りの場合は×と評価した。
本発明例21〜26の製造条件と評価結果を表3に示した。
Figure 0005037412
本発明例21と26は,加工性と耐腐食性の評価において優れた特性を有することがわかった.また,本発明例22〜25は加工性と耐腐食性がいずれも優れており,極めて優れた総合評価が得られた.本発明例22〜25はΔAと{222}面集積度S、{200}面集積度Pの関係が(1)式(2)式を満足していた。
母材鋼板として、成分が、Al:9.5,2.0,1.0,0.5質量%、C:0.0008質量%、Si:0.14質量%、Mn:0.10質量%の熱延板を製造した。スケールを除去した後の厚さは1.6mmであった。この熱延板に冷間圧延を施して、厚さが1.6mmの母材鋼板を製造した。これらの冷延板に700℃×5秒の熱処理を窒素ガス中で施した後に,第二層として98%Al−2%Geを蒸着法で表面に付着させた。それぞれ付着させた第二層の両面の合計厚さは、5.2μmであった。
Al合金を付着させた後に各鋼板に対して、圧下率を63%にして,厚さが表4に示した数値となるように冷間圧延を施した。
その後、各鋼板に表4に示した条件で非酸化雰囲気中で熱処理を施した。
熱処理後に、鋼板の板厚方向でAl濃度分布を測定し、実施例1と同じ方法でA1/8t、A1/2t、ΔAを決定した。
{222}面集積度、{200}面集積度の測定は、MoKα線によるX線回折で行った。詳細な測定方法は前述の通りである。
加工性の評価として、20.0mmφポンチと20.6mmφダイスを用いて打ち抜き加工を行った。打ち抜き加工後のバリ高さをマイクロメータで測定し、バリ高さ5μm以下を○、5〜10μmを△、10μm以上を×と評価した。
耐腐食性の評価として、対硫酸活性腐食評価を行った。条件として(a)硫酸濃度2.0質量%×80℃と(b)硫酸濃度0.5質量%×80℃の2種類で行い、(a)(b)ともに活性腐食なしの場合は○、(b)条件のみ活性腐食なしの場合は△、両方とも活性腐食有りの場合は×と評価した。
本発明例30〜33の製造条件と評価結果を表4に示した。
Figure 0005037412
本発明例27〜30は加工性と耐腐食性がいずれも優れており,極めて優れた総合評価が得られた.本発明例27〜30はΔAと{222}面集積度S、{200}面集積度Pの関係が(1)式(2)式を満足していた。
ΔA、{222}面集積度Sと加工性との関係を示す図である。 ΔA、{200}面集積度Pと加工性との関係を示す図である。

Claims (4)

  1. αFe相から構成される鋼板であって、αFe相の、鋼板面に対する{222}面集積度Sが20%以上99%以下、または、鋼板面に対する{200}面集積度Pが0.01%以上20%以下の一方又は両方であり、鋼板面の表面から1/8厚さまでの間のAl濃度の最大値をA1/8t(質量%)とし、1/8厚さから1/2厚さまでの間のAl濃度の最小値をA1/2t(質量%)とし、A1/8tとA1/2tの濃度差をΔA=A1/8t−A1/2tとすると、A1/8tが0.5質量%以上10質量%以下であり、ΔAが0.3質量%超であることを特徴とする鋼板。
  2. 前記{222}面集積度Sが下記(1)式を満足すること、または、前記{200}面集積度Pが下記(2)式を満足すること、のいずれかの1方又は両方であることを特徴とする請求項1に記載の鋼板。
    S≧−4×ΔA+60 (1)
    P≦1.999×ΔA+0.01 (2)
  3. 前記A1/8tの範囲が5.0質量%以上10質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の鋼板。
  4. 前記鋼板の厚さが10μm以上3mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の鋼板。
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