JP5012636B2 - 亜鉛系溶融めっき鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、プレス加工等により成形して利用される、亜鉛を含む溶融めっき鋼板とその製造方法に関し、特に、めっき密着性と塗装焼付硬化能に優れた、亜鉛を含む溶融めっき鋼板とその製造方法に関する。
産業分野が高度に分業化した現在、各分野において用いられる材料には、特殊かつ高度な性能が要求されている。プレス成形して使用される鋼板についても、高い強度が要求されるようになり、高張力鋼板の適用が検討されている。特に、自動車用鋼板に関しては、地球環境への配慮等から、車体を軽量化して燃費を向上させるために、高張力鋼板の需要が著しく高い。
例えば自動車外板パネルでは、耐デント性、すなわち、指で押したりしたときに永久変形を起こさない性質を備えていることが必要である。耐デント性は、プレス成形し塗装焼付けした後の降伏応力が高いほど、また、鋼板の板厚が厚いほど向上するため、降伏応力の高い鋼板を使用できれば薄肉化が可能となる。
一方、プレス成形においては、プレス型に良くなじみ、かつ、成形品をプレス型から外したときにスプリングバックの発生が少ない、すなわち、形状凍結性が良好であることが必要であり、プレス成形前の降伏応力が低いことが要求される。
したがって、機械特性値としては、プレス成形までは降伏応力が低く、プレス成形して塗装焼付けした後においては高い降伏応力を持つ鋼板が、自動車用鋼板として適することになる。
この要請に応える鋼板として、焼付硬化性鋼板(BH鋼板)がある。これは、固溶C、N原子が転位上へ偏析して転位を固着し降伏応力が上昇する、いわゆる歪時効硬化現象を取り入れた鋼板であり、プレス成形時に導入される転位が、塗装焼付時に固溶C、Nによって固着されて降伏応力が上昇する。
このBH鋼板に関してはこれまでに多くの提案がなされてきている。例えば、特許文献1、特許文献2には、極低炭素鋼にTiおよびNbを添加し、さらにSi、Mn、Pを添加して引張強度を高めた、深絞り性に優れたBH鋼板の製造方法が開示されている。
また、特許文献3、特許文献4、特許文献5には、フェライト中にマルテンサイトを分散させた複合組織を有する低炭素Alキルド鋼板の製造方法が開示されている。複合組織をもった鋼板は、引張強度が高く、降伏応力が低く、さらに、焼付硬化量が大きくても常温非時効性が確保できるという特徴を持つ。
しかしながら、これらの鋼板は、自動車の外装用途には必ずしも適した鋼板とはいえない。自動車の外装用途として用いられる鋼板は、上記の機械特性に加えて、めっき密着性が重要な要求特性となっているところ、これらの鋼板は十分なめっき密着性を有していないためである。
これは、高強度鋼板が強度を確保する為に種々の合金元素を含有させることに起因する。めっき密着性は、めっきの主要な元素である亜鉛とその含有させた合金元素との親和性に影響を受けることが多大であるが、おおむね、これらの高強度確保のために含有させた合金元素は亜鉛との親和性が低いため、高強度を図るほどめっき密着性が劣化してしまう傾向がある。
鋼板が良好なめっき密着性を有していない場合には、その塗装後の耐食性は著しく劣化する。極端にめっき密着性が悪い場合には、自動車走行中、タイヤなどではね上がった小石が塗装表面に衝突したことによって、めっきごと塗装が剥げ落ちることもある。めっきが剥げ落ちると、その部分から錆が発生し、腐食が進行し、見た目の美麗さを失うだけでなく、部品の耐久性、ひいては安全性まで損なってしまう。
この高強度鋼板のめっき密着性確保については、特許文献6には熱延条件とめっき密着性の関係が記載されている。また、特許文献7には粒界酸化相の深さと耐食性の関係が記載されている
特開昭59−31827号公報 特開昭59−38337号公報 特開昭55−50455号公報 特開昭56−90926号公報 特開昭56−146826号公報 特開平10−17936号公報 特開2003−171752号公報
しかしながら、これらの特許文献は現実の課題を解決しているとはいえない。例えば、特許文献6には表層の内部酸化物抑制がめっき密着性を向上させるとの記載があるが、実際には合金元素は酸化物のみでなく、非晶質等の形態でも存在しており、その影響も含めた検討が必要である。また、特許文献7についても、合金元素の表層濃度等の記載がなく、同様に実情に合わない。
ここに、本発明は、従来技術における上述のような問題点を解決するためになされたものであり、その課題は、亜鉛を含む溶融めっき層を有する鋼板(めっき層中の亜鉛含有量が50質量%未満の場合も含む。以下、亜鉛を含む溶融めっき層を「亜鉛系溶融めっき層」、亜鉛系溶融めっき層とその母材である鋼板とを合わせて「亜鉛系溶融めっき鋼板」ともいう。)であって、めっき密着性と塗装焼付硬化能に優れたものを提供することである。
本発明者は、上述の課題を解決すべく、複合組織鋼板の引張特性、焼付硬化性およびめっき密着性に及ぼす含有元素の影響について詳細な調査を行った。その結果、以下の知見が得られた。
(a)フェライト相が主相であって、第二相として低温変態生成相が1〜10体積%の範囲で分散した複合組織とすることで、良好な焼付硬化性を有する鋼板が得られる。
ここで、「主相」とは、複合組織において、体積率が最大の相または組織をいい、「第二相」とは、主相以外の相および組織をいう。
また、「低温変態生成相」とは、マルテンサイト相やベイナイト組織のように低温変態により生成される相および組織をいう。
(b)上記の複合組織を得るために好適な元素としてMnおよびCrが挙げられる。このうち、Crは機械特性向上の観点では積極的に含有させるべき元素であるが、めっき構成元素である亜鉛との親和性が低いため、何らかの対策が必要である。
(c)鋼板の表面から深さ0.1μmの位置までの領域(以下、「表層領域」ともいう。)におけるCr含有量とFe含有量との質量比の最大値(以下、「表層Cr/Fe比」という。)を0.10以下とすることで、めっき密着性に優れた鋼板を得ることが可能である。
(d)表層Cr/Fe比の制御は、溶融めっき処理前の鋼板の表面を機械的および/または化学的に除去することでも実現されるが、熱間圧延後の巻取温度を制御することでも達成される。
上記の知見に基づき次の発明を完成するに至った。
(1)鋼板の表層に亜鉛系溶融めっき層を備える亜鉛系溶融めっき鋼板であって、前記鋼板は、質量%で、C:0.01〜0.04%、Si:0.5%以下、Mn:1.0〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:0.01〜1.0%、N:0.008%以下およびCr:0.01〜1.5%を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、主相がフェライトであり、第二相として低温変態生成相を1〜10体積%以下含む鋼組織を有し、かつ、表面から深さ0.1μmの位置までの表層領域におけるCr含有量とFe含有量との質量比の最大値である表層Cr/Fe比が0.10以下であることを特徴とする引張強度が390MPa以上の亜鉛系溶融めっき鋼板。
(2)前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Mo:0.5%以下およびB:0.0025%以下から選ばれる1種または2種を含有する、上記(1)に記載の亜鉛系溶融めっき鋼板。
(3)前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.15%以下、Nb:0.15%以下およびV:0.15%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する、上記(1)または(2)に記載の亜鉛系溶融めっき鋼板。
(4)前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.01%以下を含有する、上記(1)から(3)のいずれかに記載の亜鉛系溶融めっき鋼板。
上記の発明に加えて、次のような製造方法の発明も得られた。
(5)上記(1)から(4)のいずれかに記載の亜鉛系溶融めっき鋼板の製造方法であって、熱間圧延後の巻取温度CT(℃)と該鋼板のCrの含有量(質量%)とが、550+50×[Cr]≦CT≦680 ([Cr]:鋼板のCrの含有量(質量%))を満足することを特徴とする亜鉛系溶融めっき鋼板の製造方法。
本発明によれば、焼付硬化性の向上に好適な複合組織を効率的に形成するCrを含有しつつ、優れためっき密着性を実現する鋼板が提供される。したがって、かかる鋼板を用いる自動車外板パネルは、プレス成形加工時において良好な形状凍結性を有しつつ、プレス成形加工後に塗装焼付処理が施された後において良好な耐デント性を有し、しかも、塗装後の耐食性に優れ、長期にわたる安全性を実現しうる。
以下に、本発明の最良の形態や製造条件の範囲およびこれらの設定理由について説明する。なお、本明細書において、化学組成を表す「%」は、特にことわりが無い限り「質量%」である。
1.鋼のミクロ組織
本実施形態に係る亜鉛系溶融めっき鋼板の金属組織構成は、主相であるフェライト相に第二相である低温変態生成相が分散した複合組織とする。第二相を低温変態生成相とすることで、フェライト相中に転位が高い密度で導入され、その結果、プレス成形加工時においては、降伏応力が低く良好な形状凍結性を示すとともに良好な加工硬化能を示し、プレス成形加工後の塗装焼付処理においては、鋼板に加工を付与しなくとも良好な焼付硬化性を示す鋼板が得られる。
ここで、低温変態生成相としては、マルテンサイト相やベイナイト等が挙げられ、いずれの場合であってもフェライト相内への転位導入が実現される。プレス成形加工時の鋼板の降伏応力をできるだけ低下させるという観点からは、マルテンサイト相であることが望ましい。また、低温変態生成相として2種以上の相、例えば、マルテンサイト相とベイナイトとを含んでいてもよい。
また、第二相の体積率は1%以上10%以下とする。第二相の体積率が1%未満では、フェライト相中に導入される転位の密度が低くなり、良好な形状凍結性(YS≦300MPa)、良好な加工硬化性(2%の引張予歪を与えた時の加工硬化量:WH≧35MPa)、良好な焼付硬化性(BH≧35MPa)を得ることが困難となる。一方、第二相の体積率が10%超では、鋼板の引張強度自体が高くなり、良好な形状凍結性(YS≦300MPa)を得ることが困難となる。なお、「BH量」とは、JIS5号引張試験片に2%の引張予歪を与えた時の応力と、上記引張予歪を加えた後に170℃×20分間の熱処理を施した後の降伏応力との差を意味する。
なお、フェライト相と低温変態生成相のほかに、残留オーステナイト相を含んでいてもよい。この場合には、耐常温時効性を良好に保つために、残留オーステナイト相の体積率を、低温変態生成相の体積率よりも小さくし、かつ、3%未満とすることが好ましい。
また、低温変態生成相を主相とすることは、成形性が著しく劣化するため、避けるべきである。
2.表層Cr/Fe比とめっき密着性との関係
次に表層Cr/Fe比とめっき密着性との関係についての知見について詳述する。
鋼板の表層領域は、めっき工程にて亜鉛等のめっきを構成する物質が拡散する領域である。したがって、この表層領域に濃縮される元素とめっきを構成する元素(亜鉛等)の親和性は重要である。
この親和性が極端に悪い場合には、鋼板表面でのめっきのぬれ性が低いため、表面に付着しためっきは拡散することができず、結果として不めっき領域が生まれる。この不めっき領域は防食機能が著しく低く、点錆の起点になる。
一方、親和性が中程度に悪い場合には、めっきを構成する物質は鋼板の表面に拡散するものの、合金化処理を行うにあたって、親和性が低いために合金化の速度が遅くなり、生産性の低下を招く。
したがって、めっき元素と親和性の悪い元素は鋼中に含有させないことが理想的ではあるものの、機械特性の調整などにより含有させる必要に迫られることがあり、その場合には、含有させた元素ごとにめっき性の観点で含有量に上限が設定される。
本実施の形態に係る亜鉛系溶融めっき鋼板は、上記のように、主相がフェライトであり第二相が低温変態生成相であって、第二相は体積%として1〜10%である。かかる鋼板を得るために含有すべき元素としてMnおよびCrが好ましい。
このうち、Mnは亜鉛等のめっき元素と親和性もよく、不めっきの原因になる元素ではない。これに対し、Crは亜鉛等のめっき元素と親和性が低い。このため、めっき密着性確保の観点からは、Crの含有量を減じてMnを多量に含有させることが好ましい。しかしながら、Mnを多量に含有させると、初期YSを増加させて成形性を劣化させることが判明した。そこで、本発明者は、Mnに加えてCrを積極的に含有させることとし、この場合に問題となるCrによるめっき密着性を克服した鋼板を得るべく、鋭意研究した。
その結果、表層Cr/Fe比が0.10以下であれば良好なめっき密着性を得ることが可能であるとの知見を得た。ここで、表層Cr/Fe比として、鋼板の表面から深さ0.1μmの位置までの表層領域におけるCrとFeとの分布状態を規定するのは、めっき密着性に影響を及ぼすのは鋼板の表面近傍の領域におけるCrとFeとの分布状態であり、鋼板の表面からの深さが0.1μmを超える領域におけるCrとFeとの分布状態はめっき密着性に影響を及ぼさないことと、鋼板の最表面はCrとFeとの分布状態が不安定であり、鋼板の最表面におけるCrとFeとの分布状態ではめっき密着性の影響を精度よく評価することが困難となることによる。鋼板全体の化学組成におけるCrとFeとの質量比が0.10超であったとしても、後述するような各種方法により表層Cr/Fe比を0.10以下とすれば、鋼板とめっき層との間の密着性を確保することができる。このため、めっき密着性の確保という観点からのCr含有量の制限を緩和することが可能となる。
この表層Cr/Fe比に係るCrは、その化学状態に無関係であり、酸化物であってもよいし、鉄内に固溶しているものであってもよい。また、この表層Cr/Fe比は、ESCA(XPS、X線光電子分析)やAES(オージェ電子分光分析)のような極表面の分析機器を用いて計測してもよいし、GDS(グロー放電発光分析)を用いてもよい。
なお、表層Cr/Fe比を0.10以下にするためには、後述するように熱間圧延工程における巻取温度を制御したり、Crが濃縮された表層を機械的・化学的に除去したりすればよい。
3.化学組成
続いて、本実施形態に係る亜鉛系溶融めっき鋼板の化学組成について説明する。
C:C含有量が0.04%超であると、鋼板の深絞り性が著しく損なわれ成形性が劣化する。一方、0.01%未満であると所望の引張強度が得られなくなる。したがって、C含有量は0.01%以上0.04%以下とする。
Si:Siは、不純物として含有され、鋼板の化成処理性を著しく劣化させるだけでなく、めっき密着性を著しく低下させる。したがって、その含有量は少ないほど好ましい。一方、Siは鋼板を固溶強化する作用も有するので、鋼を強化する目的で、最高0.5%まで積極的に含有させることができる。好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.02%以下である。
Mn:Mnは、鋼の焼入れ性を向上させて、フェライト相中に低温変態生成相を分散させる作用を有する。したがって、1.0%以上含有させる。一方、過度に含有させると成形性が劣化するので、含有量の上限を3.0%以下とする。好ましい範囲は1.3%以上2.5%以下である。
P:Pは、一般に不純物として含有され、粒界に偏析して二次加工脆性を劣化させたり溶接性を劣化させたりする。また、めっき鋼板を製造する場合には、めっき密着性を低下させる。したがって、その含有量は少ないほど好ましい。一方、Pは、深絞り性をさほど劣化させることなく鋼を強化できる安価な固溶強化元素でもあるので、所望の強度を得るために0.05%以下の範囲で積極的に含有させてもよい。好ましい含有量は、0.01%以上0.035%以下である。
S:Sは、不純物として含有され、粒界に偏析して鋼を脆化させる。このため、その含有量は少ないほど好ましく、0.01%以下とする。
Al:Alは溶鋼を脱酸するために用いられる。しかしながら、過剰に含有させても脱酸能力は飽和し、むしろ硬質の酸化物の生成が鋼の特性を劣化させる。したがって、その含有量は0.01%以上1.0%以下とする。
Cr:Crは焼入性を向上させる作用があるため積極的に含有させるべき元素である。しかしながら、Crは鋼板の化成処理性を劣化させるため、上限を1.5%以下とする。一方、含有量が0.01%未満であると、焼入性向上効果が十分に得ることが困難となる。したがって、その含有量は0.01〜1.5%とする。好ましくは、0.05%以上1.0%以下、さらに好ましい含有量は、0.10%超0.8%以下である。
N:Nは、不純物として含有され、含有量が増加すると耐常温時効性を劣化させる。したがって、その含有量を0.008%以下とする。
本実施の形態に係る鋼板は、次の元素を任意成分として含有してもよい。
Mo:Moは、焼入れ性を向上させる作用を有する。したがって、本実施の形態に係る鋼板の焼入れ性をさらに向上させるために含有させてもよい。上記作用による硬化をより確実に得るにはMo含有量を0.001%以上とすることが好ましい。一方、0.5%を超えて含有させると、上記効果が飽和して不経済となるばかりか、鋼板の化成処理性が劣化する。したがって、Mo含有量は0.5%以下とする。
B:Bは、焼入性を向上させる作用を有する。また、焼付硬化性を向上させる作用をも有するので、Mn添加による焼付硬化性の劣化を補償することができる。したがって、本実施の形態に係る鋼板の焼入れ性や焼付硬化性をさらに向上させるために含有させてもよい。上記作用による効果をより確実に得るには、B含有量を0.0002%以上とすることが好ましい。一方、0.0025%を超えて含有させると鋼板の成形性が劣化する。したがって、B含有量は0.0025%以下とする。好ましくは0.0020%以下である。
Ti、Nb、V:これらの元素は、鋼中に微細炭窒化物を形成して析出強化により鋼板の強度を向上させる作用を有する。したがって、本実施の形態に係る鋼板の強度をさらに向上させるためにこれらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。上記作用による効果をより確実に得るには、それぞれ0.003%以上含有させることが好ましい。一方、0.15%を超えて含有させると効果が飽和して不経済となる。したがって、それぞれの元素の含有量は0.15%以下とする。
Ca:Caは、介在物の形態を制御することにより成形性を向上させる作用を有する。したがって、本実施の形態に係る鋼板の成形性をさらに向上させるために含有させてもよい。上記作用による効果をより確実に得るには0.0001%以上含有させることが好ましい。一方、0.01%を超えて含有させると上記効果が飽和して不経済となる。したがって、Ca含有量は0.01%以下とする。
本実施の形態に係る鋼板の化学組成の残部は、Feおよび不純物である。
4.製造方法
本実施形態に係る鋼板は、上記のような化学組成を有し、かつ、特定の機械特性、または表層Cr/Fe比を有するのであれば、製造方法には特に限定されない。ただし、次のような製造方法を採用すれば、本実施形態に係る鋼板を効率的に、かつ安定的に得ることが実現される。
(1)熱間圧延処理
ア)粗圧延まで
上記の化学組成を有する鋼を常法によりスラブとなし、得られたスラブを粗圧延する。スラブは、連続鋳造により得られる鋼塊であってもよく、任意の鋳造法により鋳造された鋼塊を分塊圧延することにより得られる鋼片であってもよい。スラブは通常常法により加熱して粗圧延されたのち、仕上圧延に供されるが、鋼塊を連続鋳造から直送した場合や鋼片を分塊圧延後直送した場合のように、スラブ温度が高く、十分な仕上圧延の温度が確保できる場合には、スラブ加熱を省略して粗圧延しても構わない。また、薄鋳片連続鋳造装置など公知の方法により薄い鋳片が得られる場合には、粗圧延を省略しても構わない。
イ)仕上圧延
仕上圧延については、オーステナイト低温域で圧延を行って、熱延板の結晶粒を微細化し、冷間圧延後の焼鈍時に深絞り性に好ましい再結晶集合組織を発達させる観点から、Ar点〜(Ar点+100℃)の範囲で最終圧下を完了させることが望ましい。
なお、最終圧下をこの温度範囲で安定的に完了させるために、粗圧延と仕上圧延の間で、粗圧延材を加熱しても良い。この粗圧延材の加熱は、例えば粗圧延機と仕上げ圧延機の間にソレノイド式誘導加熱装置を設け、誘導加熱装置前の長手方向温度分布などに基づいて加熱昇温量を制御することにより可能である。
ウ)巻取温度
巻取温度で決定される金属組織は、その後の冷間圧延工程、焼鈍工程、めっき工程を経て得られる亜鉛系溶融めっき鋼板の金属組織、即ち特性に大きく影響する。このため、巻取温度の制御は重要である。
特に、前述のように、巻取温度は本発明において注目する表層Cr/Fe比に深く関連し、巻取温度を制御することによって表層Cr/Fe比を調整することが可能である。
具体的には、巻取温度CTは、[Cr](鋼板のCr含有量(質量%))との関係で、
550+50×[Cr]≦CT≦680
を満たすことが好ましい。
ここで、巻取温度の上限は700℃以下が好ましいが、巻取温度を過度に高くすると、鋼板の表面が脱炭し酸洗性が劣化してしまう。このため、鋼板の表面品質が劣化するので、これを防止するために巻取温度は680℃以下とするのが望ましい。
上記のように巻取温度により表層Cr/Fe比を制御しうる理由については必ずしも定かではないが、次のように推測される。
Crなどの易酸化元素は、鋼中に含有させると、鋼板表面に濃縮する。ところが、仕上圧延後、巻取りを行い常温まで冷却する工程において、この表面に濃縮したCr成分は、この過程で生じる結晶粒界での酸化スケール中に容易に取り込まれる。このため、高温で巻き取るほど、鋼中Cr成分のスケール側への移動が発生しやすく、結果的に鋼板の表層でのCr濃度が低下する。なお、このようにスケール中に取り込まれたCrは、続いて行われる酸洗工程でスケールとともに除去される。
したがって、鋼中のCr濃度が高いほど、巻取温度を高めて、鋼中のCr成分が移動を促進し、このCr成分が酸化スケール中に取り込まれる可能性を高めることが好ましい。その結果、表層からCr成分が効率的に消滅し、鋼中のCr濃度が高い場合であっても表層Cr/Fe比が低くなりやすい。
(3)冷間圧延処理
冷間圧延は、酸洗等により脱スケールした後に、常法に従って行われる。
本実施の形態に係る鋼板は、表層Cr/Fe比を所定の範囲にすることで良好なめっき密着性を得るため、酸洗前または酸洗後に表面研削を施して、Cr成分が濃縮された表層領域を除去してもよい。
なお、冷間圧延では、冷間圧延後に行われる再結晶焼鈍によって深絞り性に好ましい再結晶集合組織を発達させるために、圧下率を70%以上85%以下とすることが好ましい。
(4)焼鈍処理
冷間圧延された鋼板は、必要に応じて公知の方法に従って脱脂などの処理が施され、再結晶焼鈍される。この際の焼鈍温度は、鋼の金属組織を主相がフェライト相であり第二相が低温変態生成相である複合組織とするために、Ac点以上、Ac点未満の温度範囲とする。これは、焼鈍温度がAc点未満であると、低温変態生成相が得られず、一方、Ac変態点以上であると、低温変態生成相のみからなる単相組織となり、焼付硬化性および深絞り性が著しく低下するためである。
但し、一旦Ac点以上の温度域まで焼鈍し、その後10℃/秒以下の冷却速度で冷却し、Ac点以上Ac点未満の温度に10秒以上保持するようにしてもかまわない
なお、低温変態生成相を得るために、焼鈍温度(一旦Ac点以上の温度域とする場合にはその後の保持温度)から550℃までの平均冷却速度を5℃/秒以上とすることが好ましい。
(5)めっき処理
こうして得られた鋼板を母材として、亜鉛を含む金属による溶融めっきを行うことによって亜鉛系溶融めっき鋼板が得られる。めっきを構成する物質は、亜鉛の他に、Alなどが含まれていてもよい。また、溶融めっきに引き続いて合金化処理を行ってもよい。
ここで、本実施の形態に係る亜鉛系溶融めっき鋼板は、めっきの母材である鋼板の表層Cr/Fe比を所定の範囲にすることで良好なめっき密着性を得るものであるから、めっき処理を施す前のいずれか工程において、表面研削を施して、Crが濃縮された表層領域を除去してもよい。例えば、上記焼鈍処理とめっき処理とを連続溶融めっき設備を用いて行う場合であれば、連続溶融めっき設備に供する前に表面研削を施してもよく、上記焼鈍処理とめっき処理とを別の設備を用いて行う場合には、焼鈍処理後めっき処理前に表面研削を施してもよい。
(6)その他の処理
上記以外の製造工程については公知の方法によって製造すればよい。例えばめっき処理後に、表面粗度調整、平坦強制、降伏点伸びの低減を目的にして、公知の方法により調質圧延を施しても構わない。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
1.合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造
表1に示す成分を転炉で溶製した後、連続鋳造によりスラブ(厚さ:250mm)とした。
Figure 0005012636
そのスラブを一旦常温とし、加熱炉に装入して、スラブ温度を1250℃まで加熱し、その後、2時間その温度に保持した。加熱炉から抽出したあと、仕上温度850℃で板厚3.2mmまで熱間圧延を行い、各実施例について、表1に示される巻取温度(CT)で巻き取って鋼帯とした。得られた鋼帯を室温まで冷却した後酸洗し、板厚1.0mmまで冷間圧延を施し、溶融亜鉛めっき用冷延鋼板を作製した。
次いで,露点−30℃、水素濃度10%、残部が窒素となるように連続炉の雰囲気を調整し、表1に示される温度で焼鈍した。続いて、溶融めっき設備を用いてめっき付着量40g/mになるように溶融亜鉛めっきを施し、その後、合金化処理温度を540℃に設定し、Fe濃度10%となるように合金化処理を施し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を作成した。
2.評価
得られた種々の合金化溶融亜鉛めっき鋼板に関し、母材の表面元素分析には走査型ESCA(Scanning Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)を用い、各元素の強度によって定量分析を行った。ビーム出力を40kVとして5秒おき(すなわち0.004μmおき)に深さ方向の測定を実施して、得られた各点のデータの中から(Crの質量%)/(Feの質量%)が最大となる値を抽出し、その数値とめっき密着性の結果との比較を行った。表1にその結果を示す。
めっき密着性については以下の方法で調査した。種々の調査結果を表1に示す。
[めっき密着性]
ハット型成形試験を行い、サンプルのダイ肩部外側についてテープ剥離試験を行い、めっき密着性を調査した。なお、粘着テープの選定、引き剥がし方法などはJIS H8504に準拠して行い、めっき密着性は、剥離したテープをルーペにより目視観察し、下記判定基準で評価した。
○:めっき剥離が認められず、密着性良好。
×:多量の剥離が認められる(不良)
また、ハット型成形試験の試験条件は次のとおりである。
サンプルサイズ:幅50mm×長さ250mm
パンチ肩部半径:10mm
ダイス肩部半径:10mm
パンチ幅:50mm
成形高さ:60mm
成形速度:60mm/min
[機械特性]
降伏応力(YS)および引張強度(TS)は、幅方向から採取したJIS 5号引張試験片に引張試験を行って求めた。
焼付硬化性は、以下の方法により評価した。鋼板の幅方向から採取したJIS5号引張試験片に2%の引張り予歪みを付与し、170℃で20分間の熱処理を施した後、引張試験に供した。引張り予歪みを付与する際に得られたYSと2%引張り予歪み付与時の変形応力との差をWH、2%引張り予歪み付与時の変形応力と熱処理前後のYSの差をBHと定義し、これらを加工硬化性と焼付硬化性の指標とした。
表1に性能評価の結果をまとめて示す。本発明の範囲内の条件で製造されためっき鋼板についての試験結果は、いずれも、YSが300MPa以下であり、良好なプレス成形性を示すことが示唆される。また、WH量が35MPa以上かつBH量が35MPa以上であり優れた加工硬化性と焼付硬化性とを示した。さらに表層Cr/Fe比の最大値が0.10以下の場合に良好なめっき密着性を示した。
以上詳述したとおり、本発明によれば、プレス成形などの加工に適用できる十分な成形性を有し、かつ、極めて優れた焼付硬化性を示し、さらに、めっき密着性の良好な、亜鉛を含む溶融めっき鋼板が製造可能である。したがって、本発明は自動車の車体軽量化を通じて地球環境問題の解決に寄与できるなど産業の発展に寄与するところ大であり、その意義は大きい。

Claims (4)

  1. 鋼板の表層に亜鉛系溶融めっき層を備える亜鉛系溶融めっき鋼板であって、
    前記鋼板は、
    質量%で、C:0.01〜0.04%、Si:0.5%以下、Mn:1.0〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、Al:0.01〜1.0%、N:0.008%以下およびCr:0.01〜1.5%を含有し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、
    主相がフェライトであり、第二相として低温変態生成相を1〜10体積%以下含む鋼組織を有し、かつ、
    表面から深さ0.1μmの位置までの表層領域におけるCr含有量とFe含有量との質量比の最大値である表層Cr/Fe比が0.10以下である
    ことを特徴とする引張強度が390MPa以上の亜鉛系溶融めっき鋼板。
  2. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Mo:0.5%以下およびB:0.0025%以下から選ばれる1種または2種を含有する、請求項1に記載の亜鉛系溶融めっき鋼板。
  3. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.15%以下、Nb:0.15%以下およびV:0.15%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有する、請求項1または2に記載の亜鉛系溶融めっき鋼板。
  4. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.01%以下を含有する、請求項1から3のいずれかに記載の亜鉛系溶融めっき鋼板。
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