JP3969351B2 - 高張力冷延鋼板とその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス加工等により様々な形状に成形して利用される高張力冷延鋼板とその製造方法、特に、焼付硬化性、耐常温時効性ならびに成形性の良好な高張力冷延鋼板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業技術分野が高度に分業化した今日、各技術分野において用いられる材料には、特殊かつ高度な性能が要求されている。プレス成形して使用される冷延鋼板についても、高い強度が要求されるようになり、高張力冷延鋼板の適用が検討されている。特に、自動車用鋼板に関しては、地球環境への配慮等から、車体を軽量化して燃費を向上させるために、薄肉高張力冷延鋼板の需要が著しく高まってきている。
【0003】
例えば、自動車外板パネルでは、耐デント性、すなわち、指で押したり石が当たったときに永久変形を起こさない性質を備えていることが必要である。耐デント性は、プレス成形し塗装焼付けした後の降伏応力が高いほど、また、鋼板の板厚が厚いほど向上するため、降伏応力の高い鋼板を使用できれば薄肉化が可能となる。
【0004】
また、自動車部材には、高い衝撃吸収性能を備えていることが必要である。衝撃吸収性能は、メンバー類のような車体構造部材のみならず、外板パネルにおいても、部位によっては高いレベルで要求されるようになってきている。例えば、サイドパネルアウター等と呼ばれる、車体側面に使用される外板パネルでは、センターピラー部 (前席と後席の間に位置し車体の上下をつなぐ支柱部) や、センターピラー下部を支持するロッカー部の衝撃吸収性を高くすれば、パネルの内側に組み込まれる補強部材を小さくしたり、省略することが可能となり、その分、車体を軽量化することができる。
【0005】
鋼板の衝撃吸収性は、プレス成形し塗装焼付けした後の引張強度が高いほど、また、鋼板の板厚が厚いほど向上する。したがって、薄肉の鋼板を使用する場合は、高い引張強度が要求される。
【0006】
一方、プレス成形においては、使用される鋼板の厚さが薄いほど、割れやしわなどの成形不良が発生しやすくなるため、優れた深絞り性が必要となり、鋼板特性としては、高いランクフォード値 (r値) が要求される。また、プレス型に良くなじみ、かつ、成形品をプレス型から外したときにスプリングバックの発生が少ない、すなわち、形状凍結性が良好であることも必要であり、プレス成形前の降伏応力が低いことが要求される。また、引張強度が高いほど成形不良が発生しやすくなるため、プレス成形前の引張強度が低いことも要求される。
【0007】
したがって、プレス成形前の特性として高いr値および低い降伏応力および低い引張強度を有し、プレス成形して塗装焼付けした後においては高い降伏応力および高い引張強度を持つ鋼板が、自動車用鋼板として適することになる。
【0008】
従来にあっても、これらの特性を満足させるべく開発された鋼板として、焼付硬化性鋼板(BH 鋼板) がある。これは、固溶C、N原子が転位上へ偏析して転位を固着し降伏応力が上昇する、いわゆる歪時効硬化現象を取り入れた鋼板である。BH鋼板を利用する過程においては、プレス成形時に導入される転位が、塗装焼付時に固溶C、Nによって固着されて降伏応力が上昇する。
【0009】
BH鋼板に関してはこれまでに多くの提案がなされてきている。例えば、特許文献1、特許文献2には、極低炭素鋼にTiおよびNbを添加し、さらにSi、Mn、Pを添加して引張強度を高めた、深絞り性に優れたBH鋼板の製造方法が開示されている。しかし、この方法には以下のような問題点がある。
【0010】
(1) 引張強度を高めるために、Si、Mn、P等の固溶強化元素を添加すると、引張強度のみならず降伏応力も上昇する。この結果、形状凍結性が劣化し、また、面歪みも発生しやすくなる。さらに、深絞り性劣化の原因にもなり、これは特にMnを添加した場合において著しい。
【0011】
(2) 溶融めっき鋼板を製造する場合、P添加による合金化処理性の劣化が生じる。
(3) 焼付硬化性と耐常温時効性の両立が困難であり、常温非時効性の確保の必要性から、実質、焼付硬化量の上限は50MPa 程度である。
【0012】
(4) プレス成形後の塗装焼付けによって、降伏応力は上昇するが、引張強度はほとんど上昇しない。
また、特許文献3、特許文献4、特許文献5には、フェライト中にマルテンサイトを分散させた複合組織を有する低炭素Alキルド鋼板の製造方法が開示されている。複合組織を持った鋼板は、引張強度が高く、降伏応力が低く、さらに、焼付硬化量が大きくても常温非時効性が確保できるという特徴を持つ。しかし、平均r値が高々1.0 程度であり、深絞り性に劣るために、自動車外板パネルへの適用が困難であるのが実情である。
【0013】
これに対し、特許文献6には、極低炭素鋼にNbとBを添加し、ミクロ組織をアシキュラーフェライトとフェライトの複合組織とした焼付硬化性と常温非時効性に優れた加工用冷延鋼板の製造方法が開示されている。極低炭素鋼をベースとすることで高r値が得られるのであるが、引張強度が高々380 MPa と低く、それ以上の高強度化は困難である。
【0014】
プレス成形後の塗装焼付によって引張強度が上昇する鋼板に関しては、特許文献7に、Nによる歪時効硬化現象を利用して、複合組織鋼板の引張強度を上昇させる技術が開示されている。Nと結合しやすいAlの含有量を低く限定し、鋼中に多量の固溶Nを存在させることを特徴とするのであるが、Nの含有量が多くなるため、連続鋳造時のスラブ割れやスポット溶接性の劣化が問題となるばかりか、固溶Nは深絞り性に好ましい再結晶集合組織の形成を阻害するために、r値の低下を招く。
【0015】
これに対し、特許文献8には、高r値と優れた歪時効硬化特性および常温非時効性を有する高張力冷延鋼板およびその製造方法が開示されている。鋼板を箱焼鈍した後、再度連続焼鈍することによって、高r値が得られるのであるが、箱焼鈍と連続焼鈍を併用することにより、生産性が著しく損なわれる。
【0016】
【特許文献1】
特開昭59−31827 号公報
【特許文献2】
特開昭59−38337 号公報
【特許文献3】
特開昭55−50455 号公報
【特許文献4】
特開昭56−90926 号公報
【特許文献5】
特開昭56−146826号公報
【特許文献6】
特開平2−232316号公報
【特許文献7】
特開2002−53935 号公報
【特許文献8】
特開2002−146478号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
これらの点に関して、本発明者の検討の結果によれば、C含有量が低いと、ミクロ組織を複合組織化しても十分な焼付硬化性が得られない場合があることが判明した。特に、Nbを含有する鋼においては、NbC が析出し、固溶C量が減るために、十分な焼付効果性が得られがたい。焼付硬化性の評価は、通常、2%の引張予ひずみを付与し、170 ℃程度で約20分間の塗装焼付け処理に相当する熱処理を施した後、引張試験を行い、熱処理後の降伏応力と2%変形応力の差を求めてこれを焼付硬化量とし、焼付硬化量が大きいほど焼付硬化性に優れるとされている。しかしながら、C含有量が約0.03%以下の鋼板では、予ひずみ量の低下に伴い焼付硬化量が低下し、予ひずみ量が約0.5 %以下の場合において、焼付硬化性がほとんど消失してしまうのである。
【0018】
ところで、近年、自動車のデザインが多様化し、プレス成形時に生じるひずみ量は部位により様々であり、ほぼ0 %から10%程度の範囲で分布するが、C含有量の低い鋼板では、ひずみ量の小さな箇所では焼付硬化量が低くなり、その結果、耐デント性が確保できないといった問題が生じる。
【0019】
ここに、本発明は、従来技術における上述のような問題点を知り、その問題点を解決するためになされたものであり、その課題は、プレス成形性が良好で、優れた焼付硬化性と耐常温時効性を有する高張力冷延鋼板、およびその製造方法を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述の課題を解決すべく、複合組織鋼板の引張特性、焼付硬化性および耐常温時効性に及ぼす添加元素の影響について詳細な調査を行った。
【0021】
供試鋼は、質量%で、C:0.03%未満、Si:0.01〜1.5 %、Mn:2.5 %以下、P:0.005 %、S:0.005 %、sol.Al:0.005 〜0.1 %、N:0.003 %、Mo:0.3 %以下、B:0.002 %以下、残部Feおよび不可避不純物からなる化学組成を有するものであった。
【0022】
このような化学組成を有する鋼片を、1240℃に加熱した後、900 ℃以上の温度範囲で熱間圧延し、500 〜650 ℃で巻き取り、得られた熱延鋼板を酸洗し、80%の圧延率で冷間圧延を行い、次いで連続焼鈍を行った。
【0023】
なお、鋼片と鋼板とで化学組成の事実上の差異は認められなかった。
得られた焼鈍板の引張特性、焼付硬化性、耐常温時効性を調査した。ここに、引張予ひずみを付与することなく170 ℃で20分間の熱処理を施した焼鈍板の降伏応力と、そのような熱処理を施さず、製造ままの焼鈍板の降伏強度との差をBH0 と定義した。また、8%の引張予ひずみを付与した後、170 ℃で20分間の熱処理を施した焼鈍板の引張強度と、同様の予ひずみ付与および熱処理を施さなかった、製造ままの焼鈍板の引張強度の差をΔTSと定義した。
【0024】
このような予備試験の結果、次の(A) ないし(F) のようなことが分かった。
(A)BH0 を30MPa 以上とするためには、鋼のミクロ組織をフェライト相と低温変態生成相の複合組織とする必要がある。これは、フェライト相とマルテンサイト相等の低温変態生成相が混在すると、フェライト内部に転位が導入され、熱処理により、その転位に鋼中の固溶Cが偏析して転位が固着されるため、予ひずみを付与しなくとも、降伏応力が増加するためと考えられる。
【0025】
(B)C含有量が0.03%未満である鋼板においてフェライト相と低温変態生成相の複合組織を安定して得るためには、BおよびMnを含有させる必要がある。
(C)図1は、BH0 と、B含有量とMn含有量の関係を示すグラフである。図面中の○印はBH0 が30MPa 以上、●印はBH0 が30MPa 未満であることを示す。
【0026】
同図に示されているように、BH0 は、B含有量およびMn含有量と相関関係を有し、BH0 を高くするためには、Mn含有量が多い場合ほどB含有量を増加させる必要があり、下記式を満たす範囲であれば30MPa 以上のBH0 が得られることが分かる。
【0027】
B≧1.5 ×10-4×(Mn2+1)
この理由は明らかではないが、(a) BH0 は焼鈍板中に存在する転位へのC原子の偏析量が多いほど増加すること、(b) C原子とMn原子の間には引力相互作用が働き、Mn含有量が増加するにつれて、Cの活量が低下して転位への偏折量が低下し、BH0 が低下すること、(c) BはC原子とMn原子間の相互作用を弱めるため、B含有量が増加するにつれて、Cの転位偏析量が増加し、BH0 が増加することによると推定される。
【0028】
(D) BH0が大きくなるに伴い常温時効劣化が起こりやすくなるが、Moを含有させることにより、BH0 が30MPa を超える場合においても常温非時効性が確保される。なお、ここで言う常温非時効性とは、常温で3ケ月間放置した焼鈍板の降伏点伸びが0.2 %以下であることを意味する。
【0029】
(E)図2は、平均r値とsol.Al含有量/N含有量の関係を示すグラフである。r値は、sol.Al含有量がN含有量に対して多くなるに伴い上昇することが分かる。このr値の上昇は、熱間圧延後の巻取温度が高い場合ほど顕著である。この原因は、sol.Al含有量が多いほど、また、熱間圧延後の巻取温度が高いほど、熱延板中でAlN が析出しやすく、固溶N量が減少するため、焼鈍時に、深絞り性に好ましい再結晶集合組織が形成されるためと考えられる。
【0030】
(F)図3は、ΔTSとSi含有量の関係を示すグラフである。ΔTSは、Si含有量の増加に伴い上昇することが分かる。この理由は明らかではないが、(a) ΔTSは、フェライト相中に存在する固溶Cが、熱処理によって転位上に析出することによって発現し、固溶C量が多いほど増加すること、(b) 連続焼鈍の冷却過程において、フェライト相中の固溶Cの一部は炭化物として析出し、冷却が進むにつれて固溶C量が低下するが、Siは炭化物の析出を抑制することによると推定される。
【0031】
以上の結果から、Mn含有量に応じて一定量以上のBを含有させ、さらにMoを添加することにより、常温非時効性を確保しつつ、BH0 を高めることが可能となる。また、N含有量に応じて一定量以上のsol.Alを含有させ、熱間圧延後、高温で巻取ることにより、高強度化に伴うr値の低下を補償することが可能である。さらに、Siを多量に含有させることにより、ΔTSを高めることが可能である。
【0032】
ここに、本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、その趣旨は、次の通りである。
(1)質量%で、C:0.001 %以上0.030 %未満、Si:0.50%超1.5 %以下、Mn:0.5 〜2.5 %、P:0.05%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.005 〜0.50%、N:0.008 %未満、B:0.0025%以下、Mo:0.02〜1.5 %を含有し、かつ下記式(1) (2) で与えられる関係を満足し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、主相がフェライト相であり第二相に低温変態生成相を含む組織を有することを特徴とする高張力冷延鋼板。
【0033】
sol.Al≧19.3×N ・・・・・(1)
B≧1.5 ×10−4×(Mn+1) ・・・・・(2)
ここで、式中の元素記号は、鋼中での各元素の含有量を質量%にて表したものである。
【0034】
(2)前記化学組成が、質量%で、さらに、Ti:0.003 〜0.15%を含有することを特徴とする上記(1) 記載の高張力冷延鋼板。
(3)前記化学組成が、質量%で、さらに、Cr:0.01〜1.5 %を含有することを特徴とする上記(1) または(2) 記載の高張力冷延鋼板。
【0035】
(4)上記(1) ないし(3) のいずれかに記載の化学組成を有する鋼に、熱間圧延を行い、550 〜750 ℃でコイル状に巻き取り、酸洗し冷間圧延した後、Ac1 変態点以上Ac3 変態点未満の温度で焼鈍をすることを特徴とする高張力冷延鋼板の製造方法。
【0036】
かくして、本発明によれば、予ひずみを付与しなくとも、170 ℃で20分間の熱処理により降伏応力が30MPa 以上、好ましくは50MPa 以上上昇し、かつ、8%の予ひずみ付与後170 ℃で20分間の熱処理を施すことにより引張強度が40MPa 以上、好ましくは50MPa 以上上昇する、引張強度が340 〜490MPa級の高張力冷延鋼板、およびその製造方法が提供される。
【0037】
【発明の実施の形態】
次に、本発明にかかる高張力冷延鋼板のミクロ組織、鋼成分の化学組成および圧延、焼鈍条件等の限定理由について詳述する。なお、本明細書において鋼成分の含有量はすべて質量%で表示する。
【0038】
(a)鋼のミクロ組織
本発明にかかる高張力鋼板は、フェライト相中に低温変態生成相が分散した複合組織を備えることとする。これは、鋼板に予ひずみを付与しなくとも、良好な焼付硬化性を得ることができるためである。このときの低温変態生成相の種類は特に限定しないが、鋼板の降伏応力をできるだけ低下させるためには、マルテンサイト相とすることが望ましい。
【0039】
なお、低温変態生成相として2種以上の相、例えば、マルテンサイト相とベイナイト相を含んでいてもよい。
低温変態生成相が主相となると、深絞り性が著しく劣化するため、主相がフェライト相であり、第二相が低温変態生成相であることとする。第二相の体積率は10%未満とすることが好ましく、7%未満とすればさらに好ましい。
【0040】
また、フェライト相と低温変態生成相のほかに残留オーステナイト相を含んでいてもよいが、耐常温時効性を良好に保つためには、残留オーステナイト相の体積率を、低温変態相の体積率よりも小さくし、かつ、3%未満とすることが好ましい。
【0041】
ここに、「低温変態生成相」とは、マルテンサイト相あるいはベイナイト相等、低温変態により生成される組織をいう。その他、アシキュラーフェライト相等を挙げることができる。
【0042】
(b)鋼の化学組成
C:
C含有量が0.030 %以上であると、鋼板の深絞り性が著しく損なわれる。一方、0.001 %を下回ると低温変態生成相が得られなくなる。したがって、含有量の範囲を0.001 %以上0.030 %未満と定めた。望ましくは、0.009 %超0.02%未満である。さらに好ましくは0.01%超0.02%未満である。
【0043】
Si:
Siは、先述のΔTSを上昇させる作用があるため、本発明では0.50%超含有させる。ただし、1.5 %を超えて含有させると延性が劣化する。したがって、含有量の上限を1.5 %とする。好ましくは1.0 %未満である。
【0044】
Mn:
Mnは、鋼の焼入性を向上させる作用があり、フェライト相中に低温変態生成相を分散させるために0.5 %以上含有させる。一方、過度に含有させると深絞り性が劣化するので、含有量の上限を2.5 %とする。また、Mnは、焼付硬化性を劣化させるので、B含有量との上記式(2) を満たす範囲に限定する。好ましくは、0.7 %以上2.1 %未満、さらに好ましくは0.7 %以上1.7 %未満である。
【0045】
P:
Pは、鋼中に不可避的に含有される元素であるが、粒界に偏析して二次加工脆性および溶接性を劣化させる。また、めっき鋼板を製造する場合、めっき密着性を低下させる。したがって、その含有量は少ないほど好ましい。ただし、Pは安価に鋼を強化することができ、また、深絞り性をさほど劣化させることなく鋼を強化できるため、所望の強度を得るために0.05%以下の範囲で含有させてもよい。好ましくは、下限は0.01%、上限は0.035 %である。
【0046】
S:
Sは鋼中に不可避的に含有される不純物であり、粒界に偏析して鋼を脆化させるため、その含有量は少ないほど好ましく、0.01%以下と定めた。
【0047】
sol.Al:
Alは溶鋼を脱酸するために用いられるだけでなく、複合組織鋼板の深絞り性を向上させる働きがあり、本発明では十分に含有させる。このためには、前記(1) 式を満足するsol.Alを含有させる。この式は、鋼中の全てのNをAlN とするのに必要なAlの化学当量に対し、19.3倍以上のsol.Alを含有させることを意味する。
下記(3)式は、鋼中の全てのNをAlN とするのに必要なAlの化学当量に対し、5倍以上のsol.Alを含有させることを意味する。
ましいのは、0.02%超でかつ19.3倍以上含有させ、下記(4) 式を満足させることである。
【0048】
sol.Al ≧9.7×N ・・・(3)
sol.Al ≧19.3×N ・・・(4)
また、脱酸処理により鋼中に残存するsol.Al含有量が0.005 %未満の場合には脱酸が不十分となるので含有量の下限を0.005 %とする。0.50%を超えて含有させると溶接性が劣化する。このため、sol.Alの含有量を0.005 〜0.50%で、かつ、前記(1) 式を満たす範囲と定めた。好ましい上限は、0.10%である
【0049】
N:
Nは、鋼中に不可避的に含有される元素であり、含有量の増加は深絞り性および耐常温時効性を劣化させる。したがって、0.008 %未満と定めた。好ましい範囲は0.005 %未満、さらに好ましい範囲は0.004 %未満である。
【0050】
B:
Bは焼入性を向上させるばかりでなく、焼付硬化性を向上させる働きがあり、本発明における重要な構成成分である。Mn添加による焼付硬化性の劣化を補償し、前述のBH0 を30MPa 以上とするために、上記(2) 式を満たす範囲に限定する。ただし、深絞り性を劣化させるので、上限を0.0025%とする。好ましい範囲は0.0020%以下である。下限は特に規定されないが、好ましくは0.0002%である。
【0051】
Mo:
Moは、耐常温時効性を向上させるために0.02%以上含有させる。しかし、1.5 %を超えて含有させると効果が飽和して不経済となるばかりか、鋼板の化成処理性が劣化する。したがって、含有量の範囲を0.02〜1.5 %と定めた。しかし、Moは高価な元素であり、その経済性を考えたとき、上限は0.5 %とするのがよい。好ましい範囲は0.05〜0.25%、さらに好ましい範囲は0.05%〜0.15%である。
【0052】
Ti:
Tiは、特に含有させなくてもよいが、耐常温時効性をさらに向上させるために必要に応じ0.003 〜0.15%の範囲で含有させてもよい。Tiは鋼中のNをTiN として析出固定するため、Nによる時効劣化が抑制される。この効果を得るためには、0.003 %以上含有させることが好ましい。一方、0.15%を超えて含有させると効果が飽和して不経済となる。したがって、Tiを添加する場合、その含有量の範囲を0.003 〜0.15%と定めた。
【0053】
Cr:
Crも、特に含有させる必要はないが、焼入性を向上させる作用があるため、含有させることが好ましい。ただし、Crは鋼板の化成処理性を劣化させるため、上限を1.5 %とする。一方、含有量が0.01%未満であると、焼入性向上効果が得られない。したがって、0.01〜1.5 %の範囲に限定した。好ましい範囲は、0.05〜1.0 %である。
【0054】
上記以外の元素は、成形性を劣化させるので添加しないことが望ましいが、特性が劣化しない範囲で含有させてもよい。例えば、Cu、Niなどは0.1 %以下、V、Ca、Sn、Sbなどは、0.01%以下である。ただし、Nbは焼付硬化性を劣化させるので、含有させないことが望ましい。
【0055】
かくして、本発明にかかる鋼板の化学組成は、残部Feおよび不純物である。
(c)焼鈍条件等の限定理由
前記の化学組成を有する鋼は、適宜手段で溶製後、連続鋳造法、または、鋼塊とした後、分塊圧延する方法などにより鋼片とされる。この鋼片は再加熱するか、連続鋳造または分解圧延後の高温の鋼片の場合は、そのまま、または、補助加熱を施して熱間圧延が行われる。
【0056】
熱間圧延の条件は特に規定しないが、オーステナイト低温域で仕上げ圧延を行って、熱延板の結晶粒を微細化し、焼鈍時に深絞り性に好ましい再結晶集合組織を発達させる観点から、Ar3 変態点〜Ar3 変態点+100 ℃の範囲で最終圧下を行うことが望ましい。なお、最終圧下をこの温度範囲で行うために、粗圧延と仕上げ圧延の間で、粗圧延材を加熱しても良い。この際に、粗圧延材の後端が先端よりも高温となるように加熱し、仕上げ圧延開始時の粗圧延材全長にわたる温度の変動が140 ℃以下となるようにすることが望ましい。これにより、製品特性のコイル内均一性が向上する。
【0057】
粗圧延材の加熱は、例えば粗圧延機と仕上げ圧延機の間にソレノイド式誘導加熱装置を設け、誘導加熱装置前の長手方向温度分布などに基づいて加熱昇温量を制御することにより可能である。
【0058】
熱間圧延後は、鋼板を冷却し、550 ℃以上でコイル状に巻取る。これは、550 ℃未満で巻取ると、巻取り後に、AlN の析出が不十分となり、Alの深絞り性向上効果が不十分となるためである。望ましいのは、600 ℃以上で巻取ることである。一方、巻取り温度が750 ℃を上回ると、スケール生成による歩留まりの低下を招くために、巻取り温度の上限を750 ℃と定めた。
【0059】
冷間圧延は、酸洗等により脱スケールした後に、常法に従って行われる。冷間圧延後に行われる再結晶焼鈍によって深絞り性に好ましい再結晶集合組織を発達させるために、圧下率を70%以上とすることが好ましい。
【0060】
焼鈍:
冷間圧延された鋼板は、必要に応じて公知の方法に従って脱脂などの処理が施され、再結晶焼鈍される。この際の焼鈍温度は、鋼のミクロ組織を主相がフェライト相であり第二相が低温変態生成相である複合組織とするために、Ac1 変態点以上、Ac3 変態点未満の温度範囲とする。これは、焼鈍温度がAc1 変態点未満であると、低温変態生成相が得られず、一方、Ac3 変態点以上であると、低温変態生成相のみからなる単相組織となり、焼付硬化性および深絞り性が著しく低下するためである。
【0061】
ここに、Ac1 変態点とはα→γ変態開始温度、Ac3 変態点とはα→γ変態完了温度である。なお、低温変態生成相を得るために焼鈍後550 ℃までの平均冷却速度は5℃/s以上とすることが好ましい。
【0062】
焼鈍後は、常法にしたがって、調質圧延を施してもよいが、伸びの低下を招くので、調質圧延の伸び率を1.0 %以下とすることが好ましい。さらに好ましいのは伸び率を0.4 %以下とすることである。
【0063】
本発明の方法に従って製造される冷延鋼板は、これを母材として電気めっきしたり、塗装鋼板にして用いることもできる。また、冷間圧延後の鋼板を、公知の溶融めっき装置に装備されている加熱炉で焼鈍して、溶融めっきを行い、めっき鋼板や合金化溶融めっき鋼板にしてもかまわない。もちろん、連続焼鈍炉で焼鈍を施した後、溶融めっきを行い、めっき鋼板や合金化溶融めっき鋼板にしても良い。ただし、Cr含有量が0.1 %を超える場合は、めっきの合金化ムラが生じやすくなるため、合金化溶融めっき鋼板以外の鋼板とすることが好ましい。
【0064】
【実施例】
本発明の実施例について以下に説明する。
実験用真空溶解炉を用いて、表1に示される化学組成の鋼を溶解し、鋳造した。これらの鋼塊を熱間鍛造により厚さ30mmの鋼片とし、電気加熱炉を用いて1240℃に加熱し、1時間保持した。鋼片を炉から抽出した後、実験用熱間圧延機を用いて、900 ℃以上の温度範囲で熱間圧延を開始し、厚さ5mmの熱延鋼板を得た。
【0065】
熱間圧延後直ちに強制空冷あるいは水スプレー冷却により500 〜650 ℃まで冷却してこれを巻取り温度とし、同温度に保持された電気加熱炉中に装入して1時間保持した後、20℃/hの冷却速度で炉冷却して巻取り後の徐冷処理とした。
【0066】
得られた鋼板の両表面を研削して厚さ4mm厚の冷間圧延母材とし、圧延率80%で冷間圧延を行い、次いで、表2に示す750 〜900 ℃の均熱温度で40秒間保持する連続焼鈍相当の再結晶焼鈍を施した。その後、これらの焼鈍板に、伸び率0.3 %の調質圧延を施し、その性能を評価した。
【0067】
r値は、圧延方向 (0度方向) 、45度方向、および幅方向 (90度方向) から採取したJIS 5号引張試験片を引張試験に供して測定し、平均r値は、 (r0 +2×r45+r90) /4から計算することにより求めた。降伏応力(YS)、引張強度(TS)、降伏点伸び(YPE) および全伸びは、幅方向から採取したJIS 5号引張試験片に引張試験を行って求めた。
【0068】
焼付硬化性は、以下の方法により評価した。冷延鋼板の幅方向からJIS 5号引張試験片を採取し、170 ℃で20分間の熱処理を施した後、引張試験に供した。このとき得られたYSと、熱処理を施さずに引張試験に供して得られたYSの差をBH0 と定義した。また、幅方向から採取したJIS 5号引張試験片に2%の引張予ひずみを付与し、170 ℃で20分間の熱処理を施した後、引張試験に供した。このとき得られたYSと2%変形応力の差をBH2 と定義し、これらを焼付硬化性の指標とした。
【0069】
さらに、幅方向から採取したJIS 5号引張試験片に8%の引張予ひずみを付与し、170 ℃で20分間の熱処理を施した後、引張試験に供した。このとき得られたTSと予ひずみ付与および熱処理を施さずに引張試験に供して得られたTSとの差をΔTSと定義した。
【0070】
耐常温時効性は、幅方向から採取したJIS 5号引張試験片を、40℃に設定した電気炉中で3ケ月間保持した後引張試験に供し、降伏点伸び(YPE) を測定することにより評価した。
【0071】
表3に上述のような性能評価の結果をまとめて示した。本発明の範囲内の条件で製造された冷延鋼板についての試験結果 (試番2、6、7、10、14、18、19) は、いずれも、平均r値が1.3 以上であり、かつ、YSが240MPa以下であり、良好なプレス成形性を示した。また、BH0 は30MPa 以上、BH2 は50MPa 以上、ΔTSは50MPa 以上であり、優れた焼付硬化性を示した。さらに、40℃で3ケ月間の時効処理後のYPE は0.2 %以下であり、良好な耐常温時効性を示した。
【0072】
【表1】
Figure 0003969351
【0073】
【表2】
Figure 0003969351
【0074】
【表3】
Figure 0003969351
【0075】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明によれば、プレス成形などの加工に適用できる十分な成形性を有し、かつ、極めて優れた焼付硬化性を示し、さらに、耐常温時効性に優れた、高張力鋼板が製造可能である。本発明は自動車の車体軽量化を通じて地球環境問題の解決に寄与できるなど産業の発展に寄与するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 BH0 とB含有量とMn含有量の関係を示すグラフである。
【図2】r値sol.Al含有量/N含有量の関係を示すグラフである。
【図3】ΔTSとSi含有量の関係を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.001 %以上0.030 %未満、Si:0.50%超1.5 %以下、Mn:0.5 〜2.5 %、P:0.05%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.005 〜0.50%、N:0.008 %未満、B:0.0025%以下、Mo:0.02〜1.5 %を含有し、かつ下記式(1) (2) で与えられる関係を満足し、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、主相がフェライト相であり第二相に低温変態生成相を含む組織を有することを特徴とする高張力冷延鋼板。
    sol.Al≧19.3 ×N ・・・・・(1)
    B≧1.5 ×10−4×(Mn+1) ・・・・・(2)
    ここで、式中の元素記号は、鋼中での各元素の含有量を質量%にて表したものである。
  2. 前記化学組成が、質量%で、さらに、Ti:0.003 〜0.15%を含有することを特徴とする請求項1記載の高張力冷延鋼板。
  3. 前記化学組成が、質量%で、さらに、Cr:0.01〜1.5 %を含有することを特徴とする請求項1または2記載の高張力冷延鋼板。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化学組成を有する鋼に、熱間圧延を行い、550 〜750 ℃でコイル状に巻き取り、酸洗し冷間圧延した後、Ac 変態点以上Ac 変態点未満の温度で焼鈍をすることを特徴とする高張力冷延鋼板の製造方法。
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