JP3829621B2 - 高張力冷延鋼板とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プレス加工等により様々な形状に成形して利用される高張力冷延鋼板、特に、深絞り性、延性および耐二次加工脆性の良好な高張力冷延鋼板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業技術分野が高度に分業化した今日、各技術分野において用いられる材料には、特殊かつ高度な性能が要求されている。例えば、プレス成形して使用される冷延鋼板についても、高い強度が要求されるようになり、高張力冷延鋼板の適用が検討されている。特に、自動車用鋼板に関しては、地球環境への配慮等から、車体を軽量化して燃費を向上させるために、薄肉高張力冷延鋼板の需要が著しく高まっている。
【0003】
プレス成形においては、使用される鋼板の厚さが薄いほど、割れやしわが発生しやすくなるため、より深絞り性や延性に優れた鋼板が必要とされる。しかし、これらのプレス成形性と、鋼板の高強度化とは背反する特性であり、耐二次加工脆性も含めて、これらの特性を同時に満足させることは困難である。
【0004】
従来より、TiあるいはNbを添加して固溶状態のCおよび固溶状態のNを固定した、いわゆるIF(interstitial free)鋼板をベースにP、Si、Mn、Cr等を添加して強度を高めた深絞り用高強度冷延鋼板については多くの提案がなされている。
【0005】
例えば、特公昭57−57945号公報には、Ti添加極低炭素鋼にPとCrを添加し、鋼組成の条件をTi(%)/C(%)≧4.0、P(%)×Ti(%)≦0.010に調整した高強度鋼板が開示されている。しかし、粒界を脆化させるPを多量に含むにもかかわらず二次加工脆性に関する考慮がなされていない。
【0006】
特公昭59−42742号公報には、Ti/(C+N)=4〜20なる鋼組成の条件を有するTi添加極低炭素鋼にP、Si、Mn、Mo、Crを添加し、さらに二次加工脆性を改善するためにBを添加した高強度冷延鋼板が開示されている。しかし、製造方法に対する考慮が十分とはいえず、得られる平均ランクフォード値(平均r値)は1.6〜2.0程度であり、必ずしも深絞り性に優れるとは言い難い。
【0007】
また、特開平1−191748号公報には、熱延板中の析出物を粗大化させ、深絞り性を向上させるために、熱間圧延後650〜750℃の範囲で高温巻取りするコイル内材質均一性に優れたプレス成型用冷延鋼板の製造方法が開示されている。しかし、Pを添加して高強度化したIF鋼板では、巻取り温度が高い場合にはTiP系化合物が析出するため、かえって深絞り性が低下する。
【0008】
特公平7−103422号公報には、TiP系化合物の析出を防止するためにTi添加量を低く制限し、熱間圧延後650℃以上で巻取る技術が開示されている。しかし、高温巻取りを行う場合には、鋼帯の先端および後端部と、鋼帯の中央部とでは巻取り後の冷却速度の差が大きくなり、炭化物の分散の度合いが相違して製品特性の均一性を欠くという問題が生じる。Ti添加量が少ない場合には、TiCの析出が困難となるため、鋼帯の先端および後端部の特性が劣化し、製品特性の均一性が著しく低下する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その課題は、深絞り性と延性が良好で、優れた耐二次加工脆性を有する高張力冷延鋼板とその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、Ti−Nb−B添加極低炭素鋼をベースとした高張力鋼板の引張特性に及ぼす添加元素の影響について詳細な調査を行った。なお、以降の説明においては、鋼成分の含有量はすべて質量%で表示する。
【0011】
供試鋼は、C:0.004%、Si:0.02%、Mn:0.1〜0.4%、P:0.05%、S:0.005%、sol.Al:0.04%、N:0.002%、Ti:0.016〜0.046%、Nb:0.03%、B:0.0003〜0.0015%を含有するものである。
【0012】
この化学組成を有する鋼片を、1160〜1240℃に加熱した後、930℃以上の温度範囲で熱間圧延して550℃で巻き取り、熱延鋼板とし、この熱延鋼板を酸洗し、次いで80%の圧延率で冷間圧延した後、連続焼鈍して焼鈍板とした。なお、鋼片と鋼板とで化学組成の事実上の差異は認められなかった。
【0013】
熱延鋼板中の析出物を電子顕微鏡で観察するとともに、焼鈍板の引張特性を調査し、以下の知見を得た。
【0014】
(A)熱延鋼板中に存在するTi系析出物は、微細な炭化物と粗大な炭硫化物に大別され、粗大な炭硫化物の析出量が多いほど、微細な炭化物の析出量が少なくなる。
【0015】
(B)微細な炭化物は、冷間圧延および焼鈍後の鋼板の延性を劣化させる。また、微細な炭化物は、焼鈍過程において、深絞り性に好ましい再結晶集合組織の発達を妨げ、深絞り性を劣化させる。
【0016】
(C)図1、図2は、平均r値に対する{Ti−(48/14)N}とMn含有量との関係を示すグラフであり、図1はBを0.0003%含有する鋼の場合、図2はBを0.0015%含有する鋼の場合である。ここで、平均r値は(r0°+2r45°+r90°)/4で定義される値であり、r0°、r45°、r90°は、それぞれ圧延方向、圧延方向から45°方向、板幅方向で測定されたr値である。また、両図面中の○印は平均r値が1.90以上、●印は平均r値が1.90未満であることを示す。
【0017】
図1、図2に示すように、平均r値は、{Ti−(48/14)N}の値およびMn含有量と相関関係を有し、平均r値を高くするためには、Mn含有量が多いほどTi含有量を増加させる必要がある。この理由は、Mn含有量が増加するにつれて、MnSがTi炭硫化物に優先して析出するようになるため、粗大なTi炭硫化物の析出量が減少し、微細なTi炭化物の析出量が増加することによると推定される。
【0018】
(D)図1と図2とを比較すると、平均r値はB含有量の影響も受け、平均r値を高くするためには、B含有量が多いほどTi量を増加させる必要のあることがわかる。この理由の詳細は不明であるが、Bは粒界に偏析するため、B添加に伴い、Cが粒界から排除され、粒界上でのTi炭硫化物の形成が妨げられ、微細なTi炭化物の析出量が増加することによると推定される。
【0019】
(E)図3、図4は、平均r値に対する鋼片の加熱温度SRTとMn含有量との関係を示すグラフで、図3はBを0.0003%含有する鋼の場合、図4はBを0.0015%含有する鋼の場合である。両図中の△印は平均r値が1.90以上、▲印は平均r値が1.90未満であることを示す。
【0020】
図3、図4に示すように、平均r値は、鋼片の加熱温度およびMn含有量と相関関係を有し、平均r値を高くするためには、Mn含有量が多いほど加熱温度を低くする必要がある。この理由は、加熱温度が高くなるほど、また、Mn含有量が多くなるほどTi炭硫化物に対するMnSの安定性が高まり、その結果、粗大なTi炭硫化物の析出量が減少し、微細なTi炭化物の析出量が増加するためと推定される。
【0021】
(F)図3と図4とを比較すると、平均r値を高くするためには、B含有量が多いほど、加熱温度を低くする必要のあることがわかる。この理由は、B含有量が多いほど、また、加熱温度が高いほど、MnSが容易に析出し、その結果、Ti炭硫化物の析出が抑制され、微細なTi炭化物の析出量が増加するためと推定される。
【0022】
(G)以上の結果から、MnおよびB含有量に応じて、特定量以上のTiを含有させ、さらに、Mn含有量およびB含有量に応じて、鋼片の加熱温度SRTを所定温度以下とすることによって、微細なTi炭化物の析出を抑制し、深絞り性を向上させることが可能となる。
【0023】
本発明は、上記の知見に基づき完成されたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)化学成分が、質量%で、C:0.0005〜0.010%、Si:0.5%以下、Mn:0.3〜0.45%、P:0.10%以下、S:0.01%以下、N:0.005%以下、sol.Al:0.005〜0.1%、Ti:0.01〜0.08%、B:0.0002〜0.0020%を含有し、かつ下記式(1)、(2)で与えられる関係を満足し、残部がFeおよび他の不可避的不純物からなることを特徴とする高張力冷延鋼板。
【0024】
Ti−(48/14)N>0.05×Mn+5×B ・・・・・・・(1)
3>(Ti*/48)/(C/12)>1 ・・・・・・・・・・・・(2)
但し、Ti*=Ti−(48/14)N−(48/32)S
【0025】
(2)化学成分が、質量%で、C:0.0005〜0.010%、Si:0.5%以下、Mn:0.3〜0.45%、P:0.10%以下、S:0.01%以下、N:0.005%以下、sol.Al:0.005〜0.1%、Ti:0.01〜0.08%、B:0.0002〜0.0020%を含有し、かつ下記式(1)、(2)で与えられる関係を満足し、残部がFeおよび他の不可避的不純物からなる鋼片を、下記式(5)を満足する温度SRT(℃)に加熱後、粗圧延を行い、その後仕上げ圧延を1050℃以下で開始してAr 3 点以上の温度で終了した後、500〜650℃の温度で巻取り、その後冷間圧延を施した後、焼鈍することを特徴とする高張力冷延鋼板の製造方法。
【0026】
Ti−(48/14)N>0.05×Mn+5×B・・・・・・・(1)
3>(Ti * /48)/(C/12)>1・・・・・・・・・・・(2)
SRT(℃)<1250−(100×Mn+30000×B)・・・(5)
但し、Ti*=Ti−(48/14)N−(48/32)S
【0027】
(3)化学成分が、質量%で、C:0.0005〜0.010%、Si:0.5%以下、Mn:0.01〜0.50%、P:0.10%以下、S:0.01%以下、N:0.005%以下、sol.Al:0.005〜0.1%、Ti:0.01〜0.08%、Nb:0.002〜0.050%、B:0.0003〜0.0009%を含有し、かつ下記式(1)、(3)および(4)で与えられる関係を満足し、残部がFeおよび他の不可避的不純物からなる鋼片を下記式(5)を満足する温度SRT(℃)に加熱後、粗圧延を行い、その後仕上げ圧延を1050℃以下で開始してAr3点以上で終了し、その後500〜650℃の温度で巻取り、その後冷間圧延を施した後、焼鈍することを特徴とする高張力冷延鋼板の製造方法。
【0028】
Ti−(48/14)N>0.05×Mn+5×B・・・・・・・(1)
3>(Ti * /48+Nb/93)/(C/12)>1・・・・・(3)
但し、Ti * =Ti−(48/14)N−(48/32)S
2×Si+Mn+20×P>0.6・・・・・・・・・・・・・・(4)
SRT(℃)<1250−(100×Mn+30000×B)・・・(5)
【0029】
(4)上記粗圧延と仕上げ圧延との間で粗圧延材を加熱することを特徴とする上記(2)項または(3)項に記載の高張力冷延鋼板の製造方法。
【0030】
なお、上記(1)項、(2)項、(3)項において、式中の元素記号は、鋼中での各元素の含有量を質量%にて表したものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の高張力冷延鋼板の化学組成ならびに製造条件について詳述する。
(a)鋼の化学組成
C:C含有量が0.010%を超えると、TiやNbの必要添加量が増加してコスト上昇につながるばかりでなく、炭化物の析出量が増加して、鋼板の延性および深絞り性が損なわれる。一方、過度に極低炭素化することは、コスト上昇を伴うだけでなく、熱延鋼板中で炭化物の析出が不十分となり、微細炭化物の増加や固溶Cの残存によって深絞り性が劣化する。このため、C含有量の範囲は0.0005〜0.010%とする。望ましくは0.0015〜0.0070%である。
【0032】
Si:Siは、鋼中に不可避的に含有される元素であるが、鋼板の化成処理性を著しく劣化させる。また、めっき鋼板を製造する場合、めっき密着性を低下させる。したがって、その含有量は少ないほど好ましい。しかし、鋼板を強化する作用を有するので、鋼を強化する目的で、最高0.5%まで含有させることができる。好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.02%以下である。
【0033】
Mn:Mnは、表面性状を損なうことなく鋼板を強化する作用を有するので、所望の強度を得るために含有させる。しかし、0.50%を超えると、熱延鋼板中の微細な炭化物の析出量が増加し、延性および深絞り性が著しく劣化する。一方、Sによる鋼の熱間脆性を防止するために0.01%以上含有させる必要がある。このため、Mn含有量は0.01〜0.50%とする。好ましくは、0.3〜0.45%である。
【0034】
P:Pは、鋼板を強化する作用が強く、安価に鋼を強化することができるため、所望の強度を得るために含有させてもよく、また、不可避的不純物として含有されていてもよい。なお、上記の強化作用を得るためには0.015%以上の含有が好ましい。しかし、粒界に偏析して鋼を脆化させ、また、その含有量が0.10%を超えると、二次加工脆化を抑制するために多量のBが必要となり、深絞り性の劣化を招く。このため、P含有量の上限を0.10%とする。好ましい上限は0.09%である。なお、鋼板を十分に強化するためには、SiとMnとPの含有量が、下式の関係を満たすことが望ましい。
【0035】
2×Si+Mn+20×P>0.6
S:Sは鋼中に不可避的に含有される不純物であり、その含有量は少ないほど好ましく、含有量が多すぎると粒界に偏析して鋼を脆化させるので、上限を0.01%とした。
【0036】
sol.Al:Alは溶鋼を脱酸するために必要な元素である。脱酸処理により鋼中に残存するsol.Al含有量が0.005%未満の場合には脱酸が不十分となる。一方、0.1%を超えて含有させると、効果が飽和して不経済となる。このため、sol.Alの含有量は0.005〜0.1%とした。
【0037】
N:Nは、深絞り性および耐時効性を劣化させる不可避的不純物であり、また、その含有量の増加は、必要なTi添加量を増加させ、コストアップを招くだけでなく、TiNの析出量を増大させ、延性を損なうため、減じる必要がある。そのため、悪影響がでる0.005%と上限とした。
【0038】
Ti:Tiは、熱延鋼板中の粗大な炭硫化物の析出量を増加させ、焼鈍中に深絞り性に好ましい再結晶集合組織を発達させる作用を有しており、本発明における重要な構成成分である。MnおよびBによって粗大な炭硫化物の析出が抑制されることから、Ti含有量は、MnおよびB量によって規定される下式(1)を満たす範囲とする必要がある。
【0039】
Ti−(48/14)N>0.05×Mn+5×B・・・(1)
【0040】
また、Ti含有量が、{(48/14)N+(48/32)S+(48/12)C}で算出される値以下になると、熱延鋼板中に固溶状態のCが残存し、深絞り性に好ましい再結晶集合組織の形成が阻害される。一方、N、S、Cの含有量に対してTi含有量が過剰となると、再結晶温度が上昇して深絞り性が劣化する。これらの観点から、Ti含有量は、前記式(1)に加えて下記式(2)も同時に満たす範囲とした。
【0041】
3>(Ti*/48)/(C/12)>1・・・・・・・・・・(2)
【0042】
ここで、Ti*=Ti−(48/14)N−(48/32)S
但し、前記式(1)、(2)を満たす範囲内であっても、Ti含有量が0.01%未満となると固溶状態のC量が過剰となり、また、0.08%を超えると再結晶温度が高くなりすぎて、いずれも深絞り性を損なう。従って、Ti含有量の下限は0.01%で、上限は0.08%である。
【0043】
なお、鋼がNbを含有する場合には、式(2)の代わりに下記式(3)および(4)を満たす範囲とする。
【0044】
3>(Ti*/48+Nb/93)/(C/12)>1・・・(3)
2×Si+Mn+20×P>0.6・・・・・・・・・・・・(4)
【0045】
Nb:Nbは、鋼板中のCをNbCとして固定するとともに、熱延鋼板の組織を細粒化し、深絞り性に好ましい再結晶集合組織を発達させる作用を有するので、含有させてもよい。これらの効果を得るためには0.002%以上含有させる必要があるが、Nbが過剰に含有されると、再結晶温度が上昇して、深絞り性が損なわれる。したがって、Nb含有量は0.002〜0.050%の範囲で、かつ、前述の式(3)を満たす範囲とした。
【0046】
B:Bは、結晶粒界に偏析して粒界を強化し、耐二次加工脆性を向上させる元素である。この効果を得るために0.0002%以上含有させる必要があるが、含有量が過剰だと、再結晶温度が上昇して深絞り性が損なわれ、さらに、粗大なTi炭硫化物の析出が抑制されて、微細な炭化物の析出量が増加し、深絞り性および延性が損なわれる。したがって、B含有量は0.0002〜0.0020%とした。好ましくは、0.0003〜0.0009%である。
【0047】
(b)製造条件
鋼片の加熱温度:前記の化学組成を有する鋼は、連続鋳造法により、または、鋼塊とした後分塊圧延する方法などにより鋼片とされる。鋼片は所定温度に加熱後、粗圧延と仕上げ圧延とによる熱間圧延を施され、熱延鋼板とされる。鋼片の加熱温度がMnおよびB含有量に基づき決定される値以上になると、MnSがTi炭硫化物よりも優先的に析出し、その結果、熱延鋼板中の微細な炭化物の析出量が増加して、延性および深絞り性が劣化する。したがって、鋼片の加熱温度SRT(℃)は、下記式(5)を満足する温度範囲とした。
【0048】
SRT(℃)<1250−(100×Mn+30000×B)・・・(5)
【0049】
粗圧延、仕上げ圧延:所定の加熱温度に加熱された鋼片は粗圧延され、次いで仕上げ圧延される。粗圧延の圧延条件は特に規定しないが、オーステナイト低温域で仕上げ圧延を行って、熱延鋼板の結晶粒を微細化し、焼鈍時の深絞り性に好ましい再結晶集合組織を発達させる観点から、仕上げ圧延の入側温度すなわち仕上げ圧延の開始温度は1050℃以下とした。仕上げ圧延の入側温度の下限値は特に定めないが、Ar3 変態点以上の圧延終了温度が確保できる温度であればよい。
【0050】
また、圧延終了温度がAr3 変態点を下回ると、表層に深絞り性を阻害する圧延集合組織が形成されるので、これを避けるため、Ar3 変態点温度以上で仕上げ圧延を完了させることとした。
【0051】
なお、鋼片の加熱温度が低く、仕上げ終了温度をAr3 変態点以上とすることが困難な場合には、粗圧延と仕上げ圧延との間で、粗圧延された鋼帯すなわち粗圧延材を加熱しても良い。この際に、鋼帯の後端が先端よりも高温となるように加熱し、仕上げ圧延開始時の鋼帯全長にわたる温度の変動が140℃以下となるようにすることが望ましい。これにより、製品特性の均一性が向上する。なお、粗圧延材の加熱は、例えば、粗圧延機と仕上げ圧延機との間にソレノイド式誘導加熱装置を設け、誘導加熱装置前の粗圧延材の長手方向温度分布などに基づいて、加熱昇温量を制御することにより可能である。
【0052】
巻取り温度:熱間圧延後は、鋼板を巻取り温度まで冷却し、650℃以下でコイル状に巻取る。巻取り温度が650℃を上回ると、FeTiPの析出量が増大して再結晶焼鈍において深絞り性に好ましい再結晶集合組織が十分に発達しない。また、鋼板先端および後端部と、鋼板中央部とにおける巻取り後の冷却速度の差が大きくなり、製品特性が不均一となる。
【0053】
一方、巻取り温度が500℃を下回ると、固溶状態のCが残存して深絞り性が低下するほか、冷却むらが生じ易くなり、製品特性が不均一となる。したがって、巻取り温度は500〜650℃とした。好ましくは、520℃〜600℃である。
【0054】
冷間圧延:熱間圧延された鋼板は、酸洗等により脱スケールした後に、常法により冷間圧延される。なお、再結晶焼鈍によって深絞り性に好ましい再結晶集合組織を発達させるために、冷間圧延の際の圧下率は70%以上とすることが好ましい。
【0055】
焼鈍:冷間圧延された鋼板は、必要に応じて公知の方法に従って脱脂などの処理が施され、再結晶焼鈍される。この際、焼鈍温度がAc3 変態点以上になると、深絞り性に好ましい再結晶集合組織が変態により減少する。したがって、焼鈍温度は、好ましくは再結晶温度以上でAc3 変態点未満の温度範囲とする。焼鈍後は、常法に従って調質圧延を施すのが望ましいが、調質圧延を省略しても良い。
【0056】
本発明の製造方法に従って製造される冷延鋼板は、これを母材として電気めっきしたり、塗装鋼板にして用いることもできる。冷間圧延後の鋼板を、公知の溶融めっき装置に装備されている加熱炉で焼鈍して、溶融めっきして、めっき鋼板や合金化溶融めっき鋼板にしてもかまわない。もちろん、連続焼鈍炉で焼鈍を施した後、溶融めっきして、めっき鋼板や合金化溶融めっき鋼板にしても良い。
【0057】
【実施例】
実験用真空溶解炉を用いて、表1および表2に示される化学組成の鋼を溶解し、鋳造した。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
鋳造にて得られた鋼塊を熱間鍛造により45mmの鋼片とし、電気加熱炉を用いて1150〜1210℃に加熱し、1時間保持した。次いで、鋼片を炉から抽出した後、実験用熱間圧延機を用いて、粗圧延し、そのまま、または、別の加熱炉にて加熱した後、920〜1070℃の温度範囲で仕上げ圧延を開始し、840〜990℃の温度範囲で圧延を完了し、厚さ5mmの熱延鋼板を得た。
【0061】
熱間圧延後直ちに強制空冷あるいは水スプレー冷却により550〜700℃の温度範囲内の種々の温度の巻取り温度まで冷却し、次いで同温度に保持された電気加熱炉中に挿入して1時間保持した後、20℃/hの冷却速度で炉冷却して巻取り後の徐冷処理とした。
【0062】
次いで、得られた鋼板の両表面を研削して厚さ4mm厚の冷間圧延用母材とし、圧延率85%で冷間圧延し、850℃で40秒間保持する連続焼鈍相当の再結晶焼鈍を施し焼鈍板を得た。その後、これらの焼鈍板をそのまま、もしくは合金化溶融亜鉛めっき処理を施してから、伸び率0.8%の調質圧延を施し、その性能を評価した。r値は、圧延方向、45度方向および幅方向から採取したJIS5号引張試験片を引張試験に供して測定することにより求めた。
【0063】
二次加工脆性は、以下の方法により評価した。上記調質圧延を施されたそれぞれの鋼板から直径59.4mmの円形素板を採取し、円筒深絞り試験機を用いて、絞り比1.8の深絞り成形を施して直径33mmの円筒状カップを成形した。これらの円筒状カップの耳部を切削除去して、深さ17mmの円筒状のカップとし、鋼板の二次加工脆性を測定する試料とした。先端角度60度の円錐台状の金型に、種々の温度に冷却した上記の円筒状カップを底面を上にしてかぶせ、その上方80cmの高さから質量5kgのおもりを円筒状カップの底面に落下させ、円筒状カップの側壁部分に脆性割れの発生する臨界温度を求め、これを、耐二次加工脆性の指標とした。
【0064】
表3に試作した冷延鋼板の製造条件を、また、表4にその性能評価結果を示す。
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
表4に示すように、本発明の範囲内の条件で製造された冷延鋼板についての試験結果(試番2、3、5、10、12、17、18、27〜32)は、いずれも、平均r値が2.00以上であり、かつ、全伸びが43.0%以上であり、深絞り性と延性のいずれも良好であった。また、これらの冷延鋼板から成形された円筒状カップの脆性遷移温度はいずれも−80℃以下で、良好な耐二次加工脆性を示した。
【0068】
鋼の組成が、本発明の規定する範囲から外れる鋼(鋼A、D、F、G、H、I、K、M、N、O、P)を用いて製造された冷延鋼板の試験結果(試番1、4、6〜9、11、13〜16)は、平均r値、全伸びおよび脆性遷移温度の3つの特性の内のいずれかが不良であった。
【0069】
すなわち、鋼A、F、Hを用いた試験(試番1、6、8)では、式(3)を満たさず、また、鋼D、G、K、Nを用いた試験(試番4、7、11、14)では、鋼中のTi含有量がMn、B含有量に対して少なすぎ、式(1)を満たさず、また、鋼Iを用いた試験(試番9)では、式(2)を満たさず、また、鋼Oを用いた試験(試番15)では、鋼のB含有量が多すぎるために、いずれも平均r値と全伸びがそれぞれ1.90未満、43.0%未満であり、深絞り性と延性が不良であった。
【0070】
鋼Mを用いた試験(試番13)では、B含有量が少なすぎるために、また、鋼Pを用いた試験(試番16)では、P含有量が多すぎるために、いずれも脆性遷移温度が−40℃以上と高く、耐二次加工脆性が不良であった。
【0071】
一方、鋼の化学組成は本発明の範囲内であるが、その他の製造条件が、本発明の範囲外の条件で製造された冷延鋼板の試験(試番19〜26)では、耐二次加工脆性は良好であるものの、深絞り性および延性が不良であった。
【0072】
すなわち、試番19および20では鋼片の加熱温度が高すぎ、また、式(4)を満たさず、試番21および22では仕上げ圧延開始温度が高すぎ、また、試番23および24では巻取り温度が高すぎ、また、試番25および26では加熱温度が低くすぎ、仕上げ圧延終了温度がAr3 変態点以下となったために加工組織を呈し、いずれも平均r値と全伸びがそれぞれ1.90未満、43.0%未満であった。
【0073】
鋼片の加熱温度は低いものの、粗圧延工程と仕上げ圧延工程との間で粗圧延材を加熱した試験(試番27、28、31および32)では、圧延完了温度がAr3 変態点以上となり、鋼板の平均r値、全伸びおよび脆性遷移温度がそれぞれ2.00以上、43.0%以上、−80℃以下となり、深絞り性、延性および耐二次加工脆性のいずれも良好であった。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、プレス成形などの加工に適用できる十分な成形性を有し、かつ、耐二次加工脆性に優れた、高張力冷延鋼板の製造が可能となる。本発明は自動車の車体軽量化を通じて地球環境問題の解決に寄与できるなど産業の発展に寄与するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】Bを0.0003%含有する鋼についての、平均r値に対する{Ti−(48/14)N}とMn含有量との関係を示すグラフである。
【図2】Bを0.0015%含有する鋼についての、平均r値に対する{Ti−(48/14)N}とMn含有量との関係を示すグラフである。
【図3】Bを0.0003%含有する鋼についての、平均r値に対する鋼片の加熱温度とMn含有量との関係を示すグラフである。
【図4】Bを0.0015%含有する鋼についての、平均r値に対する鋼片の加熱温度とMn含有量との関係を示すグラフである。
Claims (4)
- 化学成分が、質量%で、C:0.0005〜0.010%、Si:0.5%以下、Mn:0.3〜0.45%、P:0.10%以下、S:0.01%以下、N:0.005%以下、sol.Al:0.005〜0.1%、Ti:0.01〜0.08%、B:0.0002〜0.0020%を含有し、かつ下記式(1)、(2)で与えられる関係を満足し、残部がFeおよび他の不可避的不純物からなることを特徴とする高張力冷延鋼板。
Ti−(48/14)N>0.05×Mn+5×B・・・・・・・(1)
3>(Ti*/48)/(C/12)>1・・・・・・・・・・・(2)
但し、Ti*=Ti−(48/14)N−(48/32)S
ここで、式中の元素記号は、鋼中での各元素の含有量を質量%にて表したものである。 - 化学成分が、質量%で、C:0.0005〜0.010%、Si:0.5%以下、Mn:0.3〜0.45%、P:0.10%以下、S:0.01%以下、N:0.005%以下、sol.Al:0.005〜0.1%、Ti:0.01〜0.08%、B:0.0002〜0.0020%を含有し、かつ下記式(1)、(2)で与えられる関係を満足し、残部がFeおよび他の不可避的不純物からなる鋼片を、下記式(5)を満足する温度SRT(℃)に加熱後、粗圧延を行い、その後仕上げ圧延を1050℃以下で開始してAr 3 点以上の温度で終了した後、500〜650℃の温度で巻取り、その後冷間圧延を施した後、焼鈍することを特徴とする高張力冷延鋼板の製造方法。
Ti−(48/14)N>0.05×Mn+5×B・・・・・・・(1)
3>(Ti * /48)/(C/12)>1・・・・・・・・・・・(2)
但し、Ti * =Ti−(48/14)N−(48/32)S
SRT(℃)<1250−(100×Mn+30000×B)・・・(5)
ここで、式中の元素記号は、鋼中での各元素の含有量を質量%にて表したものである。 - 化学成分が、質量%で、C:0.0005〜0.010%、Si:0.5%以下、Mn:0.01〜0.50%、P:0.10%以下、S:0.01%以下、N:0.005%以下、sol.Al:0.005〜0.1%、Ti:0.01〜0.08%、Nb:0.002〜0.050%、B:0.0003〜0.0009%を含有し、かつ下記式(1)、(3)および(4)で与えられる関係を満足し、残部がFeおよび他の不可避的不純物からなる鋼片を、下記式(5)を満足する温度SRT(℃)に加熱後、粗圧延を行い、その後仕上げ圧延を1050℃以下で開始してAr3点以上の温度で終了した後、500〜650℃の温度で巻取り、その後冷間圧延を施した後、焼鈍することを特徴とする高張力冷延鋼板の製造方法。
Ti−(48/14)N>0.05×Mn+5×B・・・・・・・(1)
3>(Ti * /48+Nb/93)/(C/12)>1・・・・・(3)
但し、Ti * =Ti−(48/14)N−(48/32)S
2×Si+Mn+20×P>0.6・・・・・・・・・・・・・・(4)
SRT(℃)<1250−(100×Mn+30000×B)・・・(5)
ここで、式中の元素記号は、鋼中での各元素の含有量を質量%にて表したものである。 - 上記粗圧延と仕上げ圧延との間で粗圧延材を加熱することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の高張力冷延鋼板の製造方法。
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