JP3572883B2 - 面内異方性が小さく耐二次加工脆性に優れた冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

面内異方性が小さく耐二次加工脆性に優れた冷延鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、面内異方性が小さく耐二次加工脆性に優れた冷延鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車や家電製品に使用される冷延鋼板には優れたプレス成形性が要求されるので、高いランクフォード値(r値)と延性を備えることが望まれている。
【0003】
特公昭44−18066号公報には、Ti添加深絞り用冷延鋼板の製造法が開示されている。これは、Cを0.001〜0.020重量%、Tiを0.2〜0.5重量%、かつ、4×C(重量%)以上含有させ、鋼中の炭素と窒素を全て炭窒化物として固定した、いわゆるIF鋼に関するものである。IF鋼には、深絞り用冷延鋼板が安定して製造できる、常温歪み時効が生じない、等の特徴がある。しかし、その反面、固溶炭素が無いために結晶粒界の強度が低下して二次加工脆性が生じたり、r値の面内異方性が大きいために絞り成形時に、割れ、しわ、耳などの不良が発生しやすい、などの問題がある。r値の面内異方性(△r)は、引張方向によるr値の不均一性を示す指標であり、Δr=(r +r90−2×r45)/2で定義される。ここで、r は圧延方向、r45は圧延方向に対して45度の方向、r90は幅方向に引張試験して測定したr値を意味する。△rの絶対値(以下、|△r|と記す)が0に近いほど面内異方性が小さく、好ましいとされている。
【0004】
特開平2−77558号公報には、面内異方性が小さく耐2次加工脆性に優れた冷延鋼板およびその製造方法が開示されている。しかしここでは面内異方性を大きくしないためにB含有量を低く制限しており、二次加工脆性と面内異方性の改善効果は十分ではない。特開平5−195079号公報には、深絞り性と耐二次加工脆性に優れた冷延鋼板の製造方法が開示されている。しかしここに開示されている方法では、本発明者らの検討によれば、熱延後の巻取温度が高いことおよび、冷間圧延率の制御に配慮がなされていないことにより、面内異方性の改善効果は十分ではない。
【0005】
特開昭63−310924号公報には、Ti−Nb−Bを複合添加した極低炭素鋼を用いる面内異方性の小さい極薄鋼板の製造方法が、特開平5−117758号公報には、Ti−Nb−B−Alを複合添加した極低炭素鋼を用いた耐二次加工脆性に優れ面内異方性の少ない冷延薄鋼板の製造方法が開示されている。いずれの方法も、Nb、Al等を添加することにより熱延板を細粒にし、面内異方性を低減するものである。しかし、NbやAlを添加することにより材料コストが高くなるうえ、Nbを含有させると再結晶温度が上昇するため、良好な成形性を得るためには焼鈍温度を高くしたり、焼鈍時間を長くしたりする必要があり、熱エネルギーコストや生産性を損なう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、深絞り成形性を向上させるのに有利なTi添加極低炭素鋼を用いた、面内異方性が小さく、耐二次加工脆性に優れた冷延鋼板、さらに詳しくは、平均r値が1.5以上、|△r|が0.25以下、絞り成形後の脆性遷移温度が−90℃以下である冷延鋼板を安価に安定して製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記の、面内異方性が小さく耐二次加工脆性に優れた冷延鋼板の製造方法にある。
【0008】
重量%でC:0.0005〜0.005%、Si:0.3%以下、Mn:0.01〜0.4%、sol.Al:0.01〜0.05%、Ti:0.01〜0.10%でかつ、Ti>{(48/12)C+(48/14)N+(48/32)S}、B:0.0003〜0.003%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼を熱間圧延し、560℃以下でコイルに巻取り、40%以上で下記の式▲1▼を満たす範囲の圧延率で冷間圧延し、650℃以上Ac3変態点未満の温度範囲で再結晶焼鈍することを特徴とする面内異方が小さく耐二次加工脆性に優れた冷延鋼板の製造方法。
【0009】
【数1】
Figure 0003572883
【0010】
ただし、CTは巻取温度(℃)、CRは冷間圧延率(%)、Bは鋼中のB含有量(重量%)を表す。
【0011】
本発明者らは、Ti添加極低炭素鋼板の面内異方性を改善するために、鋼中のB含有量および製造条件の影響を調査した。用いた鋼は、重量%で、C:0.0025%、Si:0.01%、Mn:0.15%、P:0.01%、S:0.0050%、sol.Al:0.04%、N:0.002%、Ti:0.05%、B:0.0005〜0.0030%を含有するものである。この化学組成の鋼片を、900℃以上で熱間圧延し、650℃以下の種々の温度で巻取り、得られた熱延板を酸洗し、60〜95%の圧延率で冷間圧延し、連続焼鈍し、引張試験してr値を測定した。
【0012】
図1および図2は上記の調査結果の一部を示すもので、Bを0.0005重量%または0.0030重量%含有する鋼板の、Δrに対する巻取温度と冷間圧延率の関係を示す。図中の△印はΔrが0.25を超えるもの、◇印は−0.25未満のも、○印は|△r|が0.25以下のものを意味する。|Δr|が0.25以下であれば、面内異方性は良好と判断される。図1に示されているように、Δrと熱間圧延時の巻取温度と冷間圧延率との間には相関関係があり、|△r|を小さくするには、例えば、熱間圧延時の巻取温度が高い場合には冷間圧延率を高めるのがよいことがわかる。また、B含有量が増すと冷間圧延率を低めるのがよいことがわかる。図3および図4は、△rに対する巻取温度と冷間圧延率の関係を示すものである。|Δr|を小さくするには、B含有量が増すにつれて、冷間圧延率を低めるのがよいことがわかる。
【0013】
これらの現象は、製造要因の変動に応じて、板面内のr値が以下の様に変化していることによって生じている。
【0014】
a B含有量が増すにつれてrとr90は低下するが、r45はあまり変化しない。このため、B含有量が増すにつれてΔrが小さくなる。これは、Bが焼鈍中の再結晶核生成および核成長の方位選択性に影響するため、と推定される。
【0015】
b 巻取温度が高くなるとr45が小さくなるためにΔrが大きくなる。これは、巻取温度が高くなるにつれて熱延鋼板の結晶粒が粗大になるため、と推定される。
【0016】
c 冷間圧延率を増すと、r45が大きくなるがr、r90はあまり変化しないので、Δrが小さくなる。
【0017】
B含有量、巻取温度および冷間圧延率を最適化することにより、Nb、Al等の元素を添加しなくても面内異方性の小さな冷延鋼板が製造できる。また、この冷延鋼板は、必要な量のBを含有させられるので耐二次加工脆性対策もできる。
【0018】
本発明は、上記の知見等をもとにして完成されたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に述べる。なお、以下に述べる化学組成の%表示は重量%を意味する。
【0020】
鋼の化学組成
C:C含有量が0.005%を超えると、TiCが多くなり、鋼板の深絞り性が損なわれるうえ、再結晶温度が過度に高くなり製造時の困難さが増す。一方、0.0005%に満たない場合には、TiC の析出が不十分となり固溶Cが残存してしまう。このため、C含有量の範囲は0.0005〜0.005%とする。望ましくは0.0015〜0.004%である。
【0021】
Si:Si は、鋼板を強化する作用を有するので、鋼を強化する目的で含有させることができる。鋼の強度が必要でない場合にはSiは含有させる必要がない。Si含有量が0.3%を超えるとスケール性の表面欠陥が発生するおそれが増すので、含有量の上限は0.3%とする。
【0022】
Mn:不可避的不純物として含有されるSによる熱間脆性を防止する作用があるので、0.01%以上含有させる。0.4%を超えると、鋼が硬質化して延性が劣化し、深絞り性も損なわれる。このため、Mnの含有量は0.01〜0.4%とする。
【0023】
sol.Al:溶鋼を脱酸するために用いられる。sol.Alの含有量が0.01%未満の場合には脱酸効果が十分に得られず、0.05%をこえて含有させても、その効果が飽和して不経済である。このため、sol.Alの含有量は0.01〜0.05%とする。
【0024】
Ti:鋼中のC、N、Sを析出固定させ、優れた深絞り性、延性および非時効性を得るために添加される。また、Nを析出固定することにより、添加したBを固溶させた状態で存在させ、Bの耐二次加工脆性改善効果を発揮させることができる。これらの効果を得るために、0.01%以上で、かつ、(48/12)C%+(48/14)N%+(48/32)S%を超える量を含有させる。一方、0.1%を超えるとTiを含有量させる効果が飽和するうえ、経済性を損なうので、Ti含有量の上限は0.1%とする。
【0025】
B:Bは、鋼板のr45には影響しないがでr とr90を低下させる作用があり、適量を含有させると鋼板の面内異方性を改善することができる。また、Bは、結晶粒界を強化して耐二次加工脆性を向上させる作用もある。耐二次加工脆性を向上させるために、Bを0.0003%以上含有させる。他方、B含有量が0.0030%を超えると鋼板の深絞り性が著しく損なわれる。このため、B含有量の範囲は、0.0003〜0.0030%とする。望ましくは0.0006〜0.0025%である。
【0026】
上記以外はFe及び不可避的不純物である。不可避的不純物の内、Pは、結晶粒界に偏析して粒界を脆くし、鋼板の耐二次加工脆性を著しく損なう。このためP含有量は0.03%以下とするのがのぞましい。Sは、成形性を損なうので、少ないほど好ましく、含有量が多くなると、無害化するために必要なMnおよびTi量が増し、コストがかさむため、0.02%以下とするのがよい。N含有量が増すと、Nを固定するのに必要なTiの含有量が多くなり経済性を損ない、TiN析出物が増して延性を損なう。このため、N含有量は0.01%以下にするのが好ましい。
【0027】
処理条件
熱間圧延:上記範囲の化学組成の鋼片は、溶鋼を連続鋳造法、または、鋼塊にした後分塊圧延する方法などで製造される。鋼片は再加熱するか、連続鋳造または分塊圧延後の高温の鋼片をそのまま、または補助加熱を施して熱間圧延される。熱間圧延後は鋼板を巻取温度まで冷却し、コイル状に巻取られる。
【0028】
冷間圧延し焼鈍した後の鋼板の|△r|を小さくするためには、図1、2に示されているように、熱間圧延後の巻取温度が高くなるにつれて冷間圧延率を高くする必要がある。しかし、巻取温度が560℃を超えると、B含有量が0.0030重量%である鋼においても95%以上の冷間圧延率が必要となり、通常の圧延では冷間圧延が困難となる。従って、巻取温度は560℃以下にするのがよい。好ましくは500℃以下とするのがよい。下限は特には規定しないが、巻取温度が低すぎると析出物が微細化して延性が損なわれるので、380℃以上とするのが好ましい。
【0029】
巻取温度以外の熱延条件は特に限定しないが、熱延板の結晶粒を微細化し、深絞り性を向上させるために、仕上げ温度を(Ar3変態点+30℃)以下とし、圧延後、γ/α変態完了温度までの冷却速度を10℃/s以上とすることが望ましい。
【0030】
冷間圧延:面内異方性を小さくするために、鋼のB含有量と巻取温度に応じて適当な圧延率で冷間圧延をおこなう必要がある。この適正な冷間圧延率の範囲は、成形性を確保するのに必要な再結晶集合組織を得るために40%以上必要である。さらに、|△r|を0.25以下にするために、図1〜4より実験的に求められる下記式▲1▼で規定される範囲内とする。
【0031】
【数1】
Figure 0003572883
【0032】
ただし、CTは巻取温度(℃)、CRは冷間圧延率(%)を表す。
【0033】
焼鈍:冷間圧延された鋼板は、必要に応じて公知の方法に従って脱脂などの処理を施され、再結晶焼鈍される。この際の焼鈍温度は、650℃以上Ac3変態点未満の温度範囲とする。焼鈍温度が650℃に満たない場合には、再結晶が完了するのに時間がかかりすぎる。焼鈍温度がAc3以上になると、深絞り性に好ましい再結晶集合組織が変態により減少するので好ましくない。
【0034】
鋼板の成形性を良好に保つには、(r° +2r45°+r90°)/4で定義される平均r値を高くすることも必要である。鋼中のBには再結晶時の{111}集合組織の発達を抑制する作用がある。このため、通常は、B含有量が高い鋼の平均r値は低くなる。また、冷間圧延率が低下すると圧延集合組織の形成が弱くなるので焼鈍後の集合組織の発達が不十分となり、鋼板の平均r値が向上しない。しかし、冷間圧延後の焼鈍を、{8×B(重量%)×10 +1550−10×冷間圧延率(%)}℃を超える温度範囲で施すことにより、Bや冷間圧延率の影響による平均r値の低下を抑制できる。このため、平均r値を高める場合には、焼鈍温度を上記式で求められる温度を超える範囲とするのがよい。
【0035】
焼鈍手段については任意であり、連続焼鈍法や箱焼鈍法等いずれの方法でも構わない。ただし、生産性が高いので連続焼鈍法で行うのが望ましい。
【0036】
焼鈍後は、常法に従って、調質圧延を施すのが望ましいが、調質圧延を省略しても構わない。本発明の製造方法に従って製造される冷延鋼板は、これを母材として電気めっきしたり、塗装鋼板にして用いることもできる。冷延圧延後の鋼板を、公知の溶融めっき装置に装備されている加熱炉で焼鈍して、溶融めっきして、めっき鋼板にしても構わない。無論、連続焼鈍炉で焼鈍を施した後、溶融めっきしてめっき鋼板にしてもよい。
【0037】
【実施例】
実験用真空溶解炉を用いて、表1に示す化学組成の鋼を溶解し、鋳造した。
【0038】
【表1】
Figure 0003572883
【0039】
これらの鋳塊を熱間鍛造して25mm厚の鋼片とし、電気加熱炉を用いて1250℃に加熱して1時間保持し、実験用熱間圧延機を用いて、1150℃から930℃の温度範囲で、3パスで厚さ5mmの熱延板に圧延した。熱延後直ちに強制空冷あるいは水スプレー冷却により450〜600℃の温度範囲内の種々の温度まで冷却してこれを巻取温度とし、その温度に保持された電気加熱炉中に装入して1時間保持した後、20℃/時の冷却速度で炉冷して巻取後の徐冷処理とした。得られた鋼板の両表面を研削して厚さ4mmの冷延母材とし、圧延率70〜90%で冷間圧延し、850℃で40秒間保持する連続焼鈍相当の再結晶焼鈍または、750℃で5時間保持する箱焼鈍相当の再結晶焼鈍を施した。その後、これらの焼鈍板に、伸び率0.8%の調質圧延を施し、その性能を評価した。
【0040】
r値は、圧延方向、45度方向および幅方向から採取したJIS5号引張試験片を引張試験して測定した。
【0041】
二次加工脆性は、以下の方法で評価した。それぞれの冷延鋼板から直径59.4mmの円形素板を採取し、円筒深絞り試験機を用いて、絞り比1.8の深絞り成形を施して直径33mmの円筒状のカップを成形した。これらの円筒状カップの耳部を切削除去して、深さ17mmの円筒状のカップとし、鋼板の二次加工脆性を測定する試料とした。先端角度60度の円錐台状の金型に、種々の温度に冷却した上記の円筒状カップを底面を上にしてかぶせ、その上方80cmの高さから質量5kgの重錘を円筒状カップの底面に落下させ、円筒状カップの側壁部分に脆性割れが発生する臨界温度を求め、これを、耐二次加工脆性の指標とした。
【0042】
試作した冷延鋼板の圧延条件と性能評価結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
Figure 0003572883
【0044】
表2に示されているように、本発明で規定する範囲内の条件で製造された冷延鋼板は、いずれも、|△r|が0.25以下であり、面内異方性が小さく良好であった。深絞り成形時の円筒状カップの耳はほとんど発生しなかった。また、これらの冷延鋼板の脆性遷移温度は−90℃以下であり、良好な耐二次加工脆性を示していた。これに対し、鋼Dは、B含有量が少なすぎるために、脆性遷移温度が−50℃と高く、耐二次加工脆性が好ましくない。鋼Eは、B含有量が過剰であり、平均r値が1.5に満たず深絞り性が好ましくなかった。化学組成が本発明の規定する範囲内である鋼A、B、Cであっても、処理条件が本発明が規定する範囲をはずれる場合には、|Δr|が0.25を超えており、面内異方性が良くなかった。
【0045】
【発明の効果】
本発明が規定する方法に従って製造された冷延鋼板は、面内異方性が小さく、深絞り成形時の成形不良が少なく、さらに耐二次加工脆性にも優れる。本発明の製造方法は、高価な合金元素を用いず、製造条件を特定することで優れた性質が得られるので、経済性に優れた製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】Bを0.0005%含有する鋼の△rと巻取温度と冷間圧延率の関係を示す図である。
【図2】Bを0.0030%含有する鋼の△rと巻取温度と冷間圧延率の関係を示す図である。
【図3】巻取温度が450℃の場合の△rとB含有量と冷間圧延率の関係を示す図である。
【図4】巻取温度が500℃の場合の△rとB含有量と冷間圧延率の関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 重量%でC:0.0005〜0.005%、Si:0.3%以下、Mn:0.01〜0.4%、sol.Al:0.01〜0.05%、Ti:0.01〜0.1%でかつ、Ti%>{(48/12)C%+(48/14)N%+(48/32)S%}、B:0.0003〜0.003%を含み、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる鋼を熱間圧延し、560℃以下でコイルに巻取り、40%以上で、かつ、下記の式▲1▼を満たす範囲の圧延率で冷間圧延し、650℃以上Ac3変態点未満の温度で再結晶焼鈍することを特徴とする面内異方が小さく耐二次加工脆性に優れた冷延鋼板の製造方法。
    Figure 0003572883
    ただし、CTは巻取温度(℃)、CRは冷間圧延率(%)、Bは鋼中のB含有量(重量%)を表す。
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