JP3446001B2 - 加工性に優れた冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

加工性に優れた冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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JP3446001B2 JP32415496A JP32415496A JP3446001B2 JP 3446001 B2 JP3446001 B2 JP 3446001B2 JP 32415496 A JP32415496 A JP 32415496A JP 32415496 A JP32415496 A JP 32415496A JP 3446001 B2 JP3446001 B2 JP 3446001B2
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  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
  • Coating With Molten Metal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に自動車、電気
機器、建材等に好適な、コイル内の材質変動の小さい加
工用冷延鋼板および溶融亜鉛めっき鋼板の効率的な製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】加工用冷延鋼板には極低炭素鋼にTi等
を添加して、C、Nを析出固定したいわゆるIF鋼が用
いられている。このIF鋼は深絞り性に優れる、非時効
である等の優れた特性を有しているが、Ti等再結晶を
遅延させる元素を含んでいるため、良好な材質を得るに
は、850℃程度の高温焼鈍が必須である。高温焼鈍は
製造効率を低下させコストアップを招くだけでなく、粗
大粒の発生によるプレス後の肌荒れ等、表面性状の劣化
が懸念される。これに対し、焼鈍の際の粒成長性を良好
にすれば低温焼鈍でも良好な加工性が得られることはよ
く知られている。このためには、鋼の高清浄化や熱延高
温巻取を施すことが有効であるが、これらのプロセスは
熱延鋼板粒径を大きくし、冷延、焼鈍後のr値を低下さ
せる。この熱延鋼板の粒径制御に対しては、例えば、特
開平4-52229 号公報には、熱延仕上げ圧延後直ちに急速
冷却を行う等の処理により、粒径微細化が検討されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平4-
52229 号公報においても、炭化物を析出させるために、
高温巻取が行われており、表面性状の劣化、脱スケール
効率の低下は免れない。さらに、高温巻取時にはコイル
内において不可避的にコイル外周側と内部での冷却速度
の差異が発生するため析出物分布、鋼板粒径分布にばら
つきが生じる。この結果、製品においても材質のばらつ
きが生じる。この点からも、低温巻取を行うことが要求
されている。特開平4-52229 号公報においては、コイル
内の材質ばらつきが無いとの記述であるが、本発明者ら
が検討した結果、析出物の分布に起因する、材質の変動
が認められ、高温巻取条件では安定して均一な材質を得
ることが難しいとの結論を得た。
【0004】また、特開平5-171292号公報には粗圧延後
いったんA3 変態点以下まで冷却し、その後加工、A3
変態点以上への加熱等の処理を行うことにより、熱延鋼
板の細粒化を図る技術が提示されている。しかし、高温
での保持処理を伴うため、表面性状の劣化は避けられ
ず、さらに、変形抵抗の高いA3 変態点以下における加
工、多大なエネルギーが要求されるA3 変態点以上への
再加熱等、製造コストを上昇させる諸問題を包含してい
る。
【0005】本発明の目的は、製造上及び製品品質上問
題となる高温巻取、高温焼鈍等を必要とせずに、良好な
加工性及び表面性状を有する冷延鋼板及び溶融亜鉛めっ
き鋼板を効率的に製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。 (1)本発明の鋼板の製造方法は、重量%で、C:0.
003%以下と、Si:0.1%以下と、Mn:0.3
%以下と、P:0.02%以下と、S:0.003〜
0.015%と、N:0.003%以下と、sol.A
l:0.01〜0.08%と、Ti:0.015〜0.
08%と、さらに、Nb:0.005〜0.03%及び
B:0.0001〜0.002%のうちから選択された
一種または二種を含有し、残部が実質的にFeからなる
鋼板を製造する方法において、鋼を1180℃以下に加
熱し、Ar変態点以上の温度域で粗圧延を行い、粗バ
ーとする工程と、この粗バーに対して1180℃以下ま
で10℃以上の加熱を施し、Ar変態点以上の温度域
で仕上圧延を行い、650℃以下で巻き取る工程と、巻
き取った熱延鋼板に対して、脱スケール処理を行い、冷
圧率60〜85%の冷間圧延を行い、さらに、830℃
以下の焼鈍を行う工程と、を備えたことを特徴とする加
工性に優れた冷延鋼板の製造方法である。 (2)本発明の鋼板の製造方法は、上記(1)に記載の
冷間圧延の後に、焼鈍及び溶融亜鉛めっきを行うことを
特徴とする加工性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法である。 (3)本発明の鋼板の製造方法は、上記(2)に記載の
溶融亜鉛めっきの後、合金化処理を行うことを特徴とす
る加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者らは、製造上及び製品品
質上問題となる高温巻取、高温焼鈍等を必要とせずに、
良好な加工性及び表面性状を有する冷延鋼板及び溶融亜
鉛めっき鋼板を効率的に製造する方法について、鋭意検
討を行った。
【0008】すなわち、低温焼鈍条件で良好な加工性を
有する冷延鋼板を製造するためには、粒成長性を良好に
する必要がある。これに対しては熱延鋼板において、析
出物を十分かつ粗大に析出させることが必要である。通
常、この目的で高温巻取処理を行うが、高温巻取には前
述した諸問題があるため、巻取処理に拠らずに析出物を
粗大化させる検討を行った。これには熱延以前の工程を
最適化することが必要である。この考えに基づき、本発
明者らは鋭意検討を行った。
【0009】その結果、本発明者らは、鋼組成、熱延以
前のスラブ加熱温度及び熱延条件を制御して、Ar3
態点以上の温度域で粗圧延及び仕上げ圧延を行い、析出
物を十分かつ粗大に析出させるようにして、高温巻取、
高温焼鈍等を必要とせずに、良好な加工性及び表面性状
を有する本発明の冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板を見
出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、鋼組成及び製造条件
を下記範囲に限定することにより、高温巻取、高温焼鈍
等を必要とせずに、良好な加工性及び表面性状を有する
冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板を効率的に製造するこ
とができる。以下に、本発明の成分添加理由、成分限定
理由及び製造条件の限定理由について説明する。 (1)成分組成範囲 C:Cは鋼板の加工性を劣化させるので、少ないほうが
好ましいが、製造コスト等を考慮し、その特性を損なわ
ない範囲として0.003%以下である。望ましくは
0.002%以下である。すなわち、C量が0.003
%を超えて鋼中に存在すると、Tiの炭化物及び炭硫化
物としての析出量が増大し、析出強化作用による鋼板の
強度上昇及び伸びの低下が著しいだけでなく、最終焼鈍
段階でこれら析出物による粒界移動のピンニング効果に
よりフェライト粒成長性が低下するため、鋼板のr値が
低下し、加工性が劣化する。 Si:Siは鋼板の加工性を劣化させるため、少ないほ
うが好ましい。すなわち、鋼中に0.1%を超えて存在
すると固溶強化作用により鋼板の強度上昇を引き起こ
し、鋼板の伸びの低下を招くため、0.1%以下であ
る。望ましくは、0.05%以下である。
【0011】Mn:MnもSiと同様に、鋼板の加工性
を劣化させるため、少ないほうが好ましい。すなわち、
鋼中に0.3%を超えて存在すると固溶強化作用により
鋼板の強度上昇を引き起こし、鋼板の伸びの低下を招く
ため、0.3%以下である。望ましくは、0.2%以下
である。
【0012】P:Pも鋼の加工性を劣化させるので、少
ないほうが好ましい。すなわち、鋼中に0.02%を超
えて存在すると固溶強化作用により鋼板の強度上昇を引
き起こし、鋼板の伸びの低下を招くため、0.02%以
下である。
【0013】S:Sは鋼の加工性を劣化させるので少な
いほうが好ましいが、析出物として、TiCよりも粗大
なTi422 を形成してCを固定できるので、極度
に低減することは望ましくない。このようなTi系炭硫
化物を形成させるためには0.003%以上が必要であ
る。また、Sが0.015%を超えて鋼中に存在すると
硫化物の析出量が増大し、冷延後の焼鈍段階におけるフ
ェライト粒成長性が低下しr値が劣化するだけでなく、
析出物による強度上昇に伴う伸びの低下が著しくなるた
め、上限は0.015%である。
【0014】sol.Al:Alは脱酸のために添加す
る。その効果を得るためには、0.01%以上の添加が
必要である。しかし、0.08%を超える添加はその効
果が飽和すると共に、加工性を低下させるので、成分範
囲は0.01〜0.08%である。 N:Nは加工性を劣化させるので少ないほうが好まし
い。すなわち、N量が0.003%を超えて鋼中に存在
すると、窒化物の析出量の増加に伴い析出物による強度
上昇に伴う伸びの低下が著しくなるため、上限は0.0
03%である。
【0015】Ti:Tiは鋼中のC、N等をTi系析出
物として析出し、固定するので、0.015%以上添加
する必要がある。しかし、0.08%を超える過剰の添
加はその効果が飽和すると共に、表面性状を著しく劣化
させる。従って、その適正な添加量は、0.015〜
0.08%である。また、析出物粗大化の観点から、T
iは原子当量比でS+N以上添加することが望ましい。
【0016】Nb、B:Nb、Bは肌荒れの防止、耐二
次加工脆性改善等の目的で必要に応じて添加する。その
添加量はそれぞれ0.005〜0.03%、0.000
1〜0.002%である。下限値はその効果を得るため
の最低量であり、上限を超えて添加した場合、その効果
が飽和するだけでなく、加工性の低下を招く。
【0017】上記の成分組成範囲に調整することによ
り、高温巻取、高温焼鈍等を必要とせずに、良好な加工
性及び表面性状を有する冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼
板を効率的に製造することが可能となる。このような特
性の鋼板は以下の製造方法により製造することができ
る。
【0018】(2)鋼板製造工程 上記の成分組成範囲に調整した鋼を転炉にて溶製し、連
続鋳造によりスラブとした後、図1に示すように、11
80℃以下に加熱し、Ar3 変態点以上の温度域で粗圧
延を行う。熱延加熱温度を1180℃以下にする理由
は、スラブ鋳造後に析出した析出物の再固溶を防止する
観点から、1180℃以下であることが必要であるため
である。望ましくは1120℃以下である。この熱延加
熱温度は加熱時間低減の観点からも低下させることが好
ましい。下限温度は特に規定しないが、通常の熱間圧延
ラインでAr3 変態点以上の圧延温度を確保するために
は1000℃以上が必要である。
【0019】Ar3 変態点以上の温度域で粗圧延を行う
理由は、粗圧延は熱延板組織の微細化の観点から、Ar
3 変態点以上すなわちγ域であることが必要であるため
である。
【0020】図2に本発明の熱延加熱温度と粗バー加熱
に関する実験結果を示す。表1に示した本発明鋼No.
1を使用し、加熱温度を1050〜1250℃まで変更
した後、粗圧延、20℃の粗バー加熱、900℃以上で
の仕上圧延、620℃の巻き取り処理を行って熱延鋼板
とし、さらに75%の冷間圧延、830℃の焼鈍を実施
し、冷延鋼板とした。図2より、本発明の範囲内の熱延
加熱温度及び粗バー加熱を施した冷延鋼板は2.1以上
のr値が得られており、良好な加工性を有していること
がわかる。
【0021】次に、粗圧延後の粗バーに対して1180
℃以下まで10℃以上の加熱を施し、Ar3 変態点以上
の温度域で仕上げ圧延を行い、650℃以下で巻き取
る。粗圧延後の加熱は析出物を粗大化させる目的で行う
ため、10℃以上の加熱が必要である。加熱開始温度は
特に問わないが、仕上圧延をγ域で行う必要があるた
め、加熱に要するエネルギー、時間などを考慮すると8
00℃以上であることが好ましい。加熱上限温度は析出
物の再固溶を防ぐ観点から、粗圧延前加熱温度と同じく
1180℃である。加熱速度は特に問わないが、成長の
起点となる析出核を増加させるために、加熱速度は10
℃/sec以上が望ましい。
【0022】コイルボックス等を用いた熱延粗バーの状
態での均熱保持処理は、必然的に高温域での保持時間が
長くなり、粗圧延後の粒径が大きくなるため好ましくな
い。これに対し、本発明の粗バー直接加熱方式の場合、
温度を上昇させるため、温度的にはγ粒粗大化に対して
不利であるが、高温状態での時間は短く、総合的には粒
径の微細化が図れる。粒径微細化の観点からは、粗バー
段階で加熱後、30秒以内に仕上圧延を開始することが
望ましい。
【0023】また、加熱は熱延粗バー全体にわたって、
同一温度加熱する必要はなく、例えばエッジ部、コイル
エンド等は他の部分よりも高温に加熱しても構わない。
これらの制御を容易にするという観点から、加熱方法と
しては誘導加熱、直接通電等が望ましい。
【0024】仕上げ圧延は熱延板粒径微細化、焼鈍後の
機械性質の観点から、Ar3 変態点以上で行うことが必
要である。巻取温度は脱スケール効率向上、粗大粒抑制
の観点から、低温であることが必要である。特に、合金
化溶融亜鉛めっき鋼板の場合、脱スケールが完全でない
と合金化ムラが生じ、著しく外観を損なわせる。また、
本発明鋼は粒成長性が良好なため、高温巻取を行った場
合、熱延板粒径が粗大化しr値の低下を招く。従って、
その上限は650℃である。望ましくは620℃以下で
ある。
【0025】図3に本発明の巻取温度に関する実験結果
を示す。表1に示した本発明鋼No.1を使用し、熱延
後、巻取温度を550〜750℃まで変更して巻取処理
を行って熱延鋼板とし、さらに冷間圧延、焼鈍を実施
し、冷延鋼板とした。巻取温度以外の熱処理条件は、条
件Aでは、1120℃加熱、粗バー加熱20℃、焼鈍温
度780℃である。条件Bでは、1250℃加熱、粗バ
ー加熱なし、焼鈍温度780℃である。図3より、本発
明の範囲内の熱延加熱温度、粗バー加熱及び巻取処理を
施した冷延鋼板(条件A)は2.1以上のr値が得られ
ており、良好な加工性を有していることがわかる。すな
わち、低温巻取でも良好な粒成長性を有する鋼板を得る
ことができた。
【0026】このメカニズムは未だ明らかではないが、
低温加熱によりスラブ冷却中に析出した析出物を溶解さ
せずかつ粗圧延後の加熱処理により、この析出物および
粗圧延中に析出したTiS等を核として析出が促進さ
れ、その結果熱延中にC等の固溶元素をすべて析出固定
でき、低温巻取でも良好な粒成長性を有する鋼板が得ら
れたと考えられる。
【0027】さらに、巻き取った熱延鋼板に対して、脱
スケール処理を行い、冷圧率60〜85%の冷間圧延を
行い、さらに、830℃以下の焼鈍を行う。脱スケール
処理は通常塩酸、硫酸等による酸洗で行うが、機械的に
研削してもよい。
【0028】冷圧率は常法の如く、良好な加工性を得る
ため60〜85%程度でよい。これ以外の冷圧率では良
好な加工性が得られない。焼鈍温度は製造効率向上、粗
大粒抑制の観点から、830℃以下であることが必要で
ある。
【0029】図4に本発明の焼鈍温度に関する実験結果
を示す。表1に示した本発明鋼No.1を使用し、熱
延、巻取処理を行って熱延鋼板の熱延鋼板とし、さらに
冷間圧延後、焼鈍温度を740〜890℃まで変更して
焼鈍を実施し、冷延鋼板とした。焼鈍温度以外の熱処理
条件は、条件Iでは、1120℃加熱、粗バー加熱20
℃、巻取温度620℃である。条件IIでは、1250℃
加熱、粗バー加熱なし、巻取温度750℃である。条件
III では、1250℃加熱、粗バー加熱なし、巻取温度
620℃である。図4より、本発明の範囲内の熱延加熱
温度、粗バー加熱、巻取処理及び焼鈍処理を施した冷延
鋼板(条件I)は2.1以上のr値が得られており、良
好な加工性を有すると共に、肌荒れの発生もないことが
わかる。
【0030】焼鈍して得られた冷延鋼板に対して、溶融
亜鉛めっきを行い、その後必要な場合はさらに、合金化
処理を行う。通常、溶融亜鉛めっき処理は、熱エネルギ
ーを有効利用する観点から、鋼板焼鈍と同一ラインで施
される。また、加工用途に用いられる場合、その多くは
合金化処理される。すなわち、通常は連続溶融亜鉛めっ
きラインにより、焼鈍・めっき・合金化をインラインで
連続的に処理する。但し、合金化炉がない場合には、め
っき後に別途合金化処理してもよい。これらめっき、合
金化の条件は常法でよい。
【0031】なお、本発明では、特に規定しないが、通
常焼鈍後、もしくは溶融亜鉛めっき後にはその形状較
正、降伏点の安定を目的として、1.5%以下の調質圧
延を行うことが好ましい。
【0032】また、本発明はスクラップ投入等により不
可避的に含まれる、0.1%以下のCu、Cr、Ni、
0.02%以下のSnを含有しても有効に作用する。さ
らに、本発明による鋼板は、表面潤滑性向上、耐食性向
上の観点から、表面に電気亜鉛めっき等のめっき、クロ
メート処理等の化成処理を行っても、その効果は有効に
作用する。以下に本発明の実施例を挙げ、本発明の効果
を立証する。
【0033】
【実施例】表1に示す成分の鋼(本発明鋼:No.1〜
6,8,比較鋼:No.7,9)を準備し、これを表2
の条件(本発明条件:A〜F,比較条件:G〜I)の下
で製造し、1.0mmの冷延鋼板とした。その他の製造
条件としては冷圧率75%、調圧率は0.5%である。
脱スケール処理は85℃、10%塩酸中で酸洗すること
により実施した。
【0034】各鋼の機械試験値および表面性状の評価結
果を表3に示す。機械試験はJISZ 2201に記載
されたJIS5号試験片を用い、試験は同2241記載
の方法に基づいて実施した。ランクフォード値(r値)
の測定は同様にJIS5号試験片を圧延方向、圧延方向
に対して45度方向、90度方向それぞれのr値、r
0 、r45、r90を15%の予歪を加えて測定した後に、
平均r値をr=(r0+2×r45+r90)/4とした。
【0035】表面性状の評価は、30秒の酸洗後、表面
酸化スケールが完全に剥離したものを○、一部残存した
ものを×として評価した。本発明による冷延鋼板(1−
A〜F,2−A〜6−A)は2.1以上のr値と51%
以上の全伸びが得られ、良好な加工性を有しているだけ
でなく、良好な表面性状を有している。
【0036】また、上記手法により製造された冷延鋼板
を用い表2に記した焼鈍温度での焼鈍、片面目付量60
g/mm2 の溶融亜鉛めっき、0.7%の調質圧延を連
続的に施し溶融亜鉛めっき鋼板(表4において、本発明
例:1−A´,1−C´、比較例:1−I´)とした。
また、一部の材料について、焼鈍後に直ちに500℃、
10秒間の合金化処理をおこなって、合金化溶融亜鉛め
っき鋼板(表4において本発明例:1−A〜F,2−A
〜6−A、比較例:1−G〜J,7〜9−A)とした。
これらめっき鋼板の表面性状は外観上の欠陥の有無で判
定した。欠陥の全くない美麗な鋼板を○、軽微なものを
△、著しく外観を損なうものを×とした。この溶融亜鉛
めっき鋼板の機械試験値を表4に示す。
【0037】本発明による溶融亜鉛めっき鋼板(1−A
´,1−C´)及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板(1−A
〜F,2−A〜6−A)は1.8以上のr値と48%以
上の全伸びが得られ、良好な加工性を有しているだけで
なく、良好な表面性状を有している。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、鋼組成及び製造条件を
特定することにより、加工性が良好な鋼板を低温巻取、
低温焼鈍にて製造可能であり、その結果、従来よりも低
コストで絞り用冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板を製造
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る加工熱処理条件を示
す模式図。
【図2】本発明の実施の形態に係る加熱温度と冷延鋼板
のr値との関係を示す図。
【図3】本発明の実施の形態に係る巻取温度と鋼板のr
値との関係を示す図。
【図4】本発明の実施の形態に係る焼鈍温度と鋼板のr
値との関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22C 38/14 C22C 38/14 C23C 2/06 C23C 2/06 2/28 2/28 (56)参考文献 特開 平9−225517(JP,A) 特開 平8−144015(JP,A) 特開 昭60−18217(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/46 - 9/48 C21D 8/00 - 8/04 C22C 38/00 - 38/60

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.003%以下と、S
    i:0.1%以下と、Mn:0.3%以下と、P:0.
    02%以下と、S:0.003〜0.015%と、N:
    0.003%以下と、sol.Al:0.01〜0.0
    8%と、Ti:0.015〜0.08%と、さらに、N
    b:0.005〜0.03%及びB:0.0001〜
    0.002%のうちから選択された一種または二種を含
    し、残部が実質的にFeからなる鋼板を製造する方法
    において、 鋼を1180℃以下に加熱し、Ar変態点以上の温度
    域で粗圧延を行い、粗バーとする工程と、 この粗バーに対して1180℃以下まで10℃以上の加
    熱を施し、Ar変態点以上の温度域で仕上圧延を行
    い、650℃以下で巻き取る工程と、 巻き取った熱延鋼板に対して、脱スケール処理を行い、
    冷圧率60〜85%の冷間圧延を行い、さらに、830
    ℃以下の焼鈍を行う工程と、 を備えたことを特徴とする加工性に優れた冷延鋼板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の冷間圧延の後に、焼鈍
    及び溶融亜鉛めっきを行うことを特徴とする加工性に優
    れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の溶融亜鉛めっきの後、
    合金化処理を行うことを特徴とする加工性に優れた合金
    化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
JP32415496A 1996-12-04 1996-12-04 加工性に優れた冷延鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 Expired - Fee Related JP3446001B2 (ja)

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