JP3300639B2 - 加工性に優れる冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

加工性に優れる冷延鋼板およびその製造方法

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JP3300639B2 JP20901397A JP20901397A JP3300639B2 JP 3300639 B2 JP3300639 B2 JP 3300639B2 JP 20901397 A JP20901397 A JP 20901397A JP 20901397 A JP20901397 A JP 20901397A JP 3300639 B2 JP3300639 B2 JP 3300639B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、種々の形状にプ
レス加工して使用される冷延鋼板(亜鉛めっき鋼板や電
気めっき鋼板を含む)に関し、とくに加工性に優れる冷
延鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、プレス加工用の冷延鋼板は、連
続鋳造スラブを熱間圧延し、酸洗、冷間圧延、焼鈍の工
程を経て製造される。このように、連続鋳造スラブを熱
間圧延の素材とする場合、従来から一般的に採用されて
いた方法は、連続鋳造されたスラブを一旦室温まで冷却
した後、これを加熱炉に装入して1000℃〜1250℃の温度
に再加熱してから熱間圧延するものであった。これに対
し、最近では、省エネルギーおよび生産性向上を目的と
して、連続鋳造されたスラブを室温まで冷却せずに加熱
炉に装入して、比較的短時間加熱処理を施したのち熱間
圧延する、「ホットチャージ(熱片装入)」と呼ばれる
技術が主流を占めるようになってきた。
【0003】しかし、このような最近のプロセスでは、
従来見られなかった析出物の形態の相違に起因すると思
われる材料特性の劣化が見られる。ホットチャージプロ
セスでは、凝固組織のまま圧延されるため、成分元素の
偏析や析出物サイズのコントロールが困難なため、安定
した材質確保が困難であった。すなわち、凝固状態では
結晶粒径が大きく、その後、熱間圧延、冷延のあとの再
結晶焼鈍に際して、著しい混粒やプレス加工時の肌荒れ
の原因となる粗大結晶組織となりやすい。このため、例
えばr値、伸びが再加熱工程によって製造された鋼板よ
り劣る結果となっていた。また、このプロセスでは、粗
大析出物に起因する熱間割れが生じ易いという問題もあ
った。
【0004】このような最近のプロセスによる特性劣化
を防止するために、これまでにも幾つかの提案がなされ
てきた。例えば、特開昭59−89723 号公報には、保定処
理を含めた直接圧延において、希土類元素(REM) 、Ca、
Ti及びMgのうちの1種または2種以上を添加した素材を
用いることにより、鋼板材質の面内異方性を小さくし、
加工性を改善する技術が開示されている。しかしなが
ら、この技術によっても、伸び、r値をそれほど向上さ
せることができないほか、REM やCaを添加することによ
るコスト増を招くという問題があった。また、特開平7
−242996号公報には、直接圧延による製造において、
P、Ti、S量を相関的に規定する方法が提案されてい
る。しかし、この方法では、S量を0.005 wt%以下に制
限する方法であるため、成分調整、特にS量を0.005 wt
%以下に低減するために、トーピードカー中での溶銑予
備処理や、二次精錬による粉体吹き込み等の脱硫処理が
必要となり、コストアップの要因となる。それだけでな
く、このような処理を施しても、S量を安定的に一定レ
ベル以下に低減することは設備上困難な場合が多い。な
お、極低炭素鋼板あるいは極低炭素鋼にTiやNbを添加し
て固溶C,Nを炭窒化物の形で固定した極低炭素IF鋼
板は優れた深絞り性を有し、自動車等の用途に広く用い
られてきた。しかしながら、これらの鋼板のほとんどは
従来プロセスである再加熱法により製造されたものであ
り、ホットチャージを適用した製造技術についての検討
は少ない。
【0005】一方、加工用冷延鋼板の耐食性を向上させ
るためには、一般に種々のめっきを施す方法があるが、
コストアップを招き、価格が高いことが欠点である。ま
た、溶接部や加工による摺動などでめっきが剥離する場
合があり、廉価で耐食性を有する冷延鋼板が望まれてい
た。このような観点から開発された鋼板には、例えば、
特開平5−140654号公報に開示されるように、P, Cu,
Cr, Mo, Niなどを含有させて耐食性を向上させる技術が
開示されている。しかしながら、この方法では、P, C
u, Cr, Mo, Niを添加することによるコスト増を招いた
り、さらにはr値や伸びの低下が起こり、良好な加工性
が得られにくいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、ホ
ットチャージを採用した従来技術により製造された冷延
鋼板は、これまでに提案された特性改善技術によって
も、得られる鋼板の伸びやr値は、依然として、従来の
スラブ再加熱工程によるものより劣っており、製鋼段階
での装置改造を必要としたり、コストアップを招く等の
問題が未解決であった。そこで、本発明の目的は、スラ
ブを一旦室温まで冷却することなく、連続鋳造後、熱片
のまま加熱処理を施し熱間圧延を施す工程において、従
来の再加熱プロセス材と同等の安定した加工性(伸び、
r値)を有し、深絞り加工が可能な冷延鋼板を提供する
ことにある。また、本発明の他の目的は、上記工程にお
いて、加工性(伸び、r値)のほかに耐食性にも優れる
冷延鋼板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記目的を
達成すべく詳細な検討を行い、鋼板の成分を適正化する
とともに、鋼中析出物の量と組成を制御することによ
り、伸びやr値に代表される加工性を再加熱プロセス材
と同等以上にまで高め、同時に耐食性も良好な冷延鋼板
を製造することができるとの知見を得た。本発明は、こ
のような知見に基づいて完成したものであり、その要旨
構成は以下のとおりである。
【0008】(1)C:0.0005〜0.003 wt%、Si:0.1 wt
%以下、Mn:0.01〜0.5 wt%、S:0.001 〜0.03wt%、
Al:0.01〜0.1 wt%、N:0.001 〜0.005 wt%、Ti:0.
001 〜0.1 wt%を含み、残部がFe及び不可避的不純物か
らなり、さらに、析出Mnと有効Tiの量が下記 (1)式の関
係を満たすとともに、エネルギー分散型X線分析法によ
る析出物中のMnとTiの定量値の比が (2)式を満たすこと
を特徴とする、加工性に優れる冷延鋼板。 記 −0.04×Ti* +0.002 ≦析出Mn≦−0.13×Ti* +0.0077 ……(1) 0.2 ≦[Mn]x /[Ti]x ≦1.0 ……(2) ただし、Ti* (有効Ti)=Ti−3.43×N−1.5 ×S [Mn]x :X線分析による析出物中のMnの定量値 [Ti]x :X線分析による析出物中のTiの定量値
【0009】(2)C:0.0005〜0.003 wt%、Si:0.1 wt
%以下、Mn:0.01〜0.5 wt%、S:0.001 〜0.03wt%、
Al:0.01〜0.1 wt%、N:0.001 〜0.005 wt%、Ti:0.
001 〜0.1 wt%を含み、かつNb:0.001 〜0.01wt%、
B:0.0001〜0.0025wt%の1種または2種を含有し、残
部がFe及び不可避的不純物からなり、さらに、析出Mnと
有効Tiの量が下記 (1)式の関係を満たすとともに、エネ
ルギー分散型X線分析法による析出物中のMnとTiの定量
値の比が (2)式を満たすことを特徴とする、加工性に優
れる冷延鋼板。 記 −0.04×Ti* +0.002 ≦析出Mn≦−0.13×Ti* +0.0077 ……(1) 0.2 ≦[Mn]x /[Ti]x ≦1.0 ……(2) ただし、Ti* (有効Ti)=Ti−3.43×N−1.5 ×S [Mn]x :X線分析による析出物中のMnの定量値 [Ti]x :X線分析による析出物中のTiの定量値
【0010】(3)C:0.0005〜0.003 wt%、Si:0.1 wt
%以下、Mn:0.01〜0.5 wt%、S:0.001 〜0.03wt%、
Al:0.01〜0.1 wt%、N:0.001 〜0.005 wt%、Ti:0.
001 〜0.1 wt%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物
からなる鋼スラブを連続鋳造したのち、表面温度が600
℃を下回らないように加熱炉に装入して加熱速度10℃/
min 以上で 900〜1100℃に加熱し、その温度で60分以内
保持後、圧延終了温度を(Ar3変態点−30℃)〜(Ar3
変態点+30℃)とする熱間圧延を行い、巻き取り後、圧
下率60〜95%で冷間圧延し、ついで再結晶温度〜Ac3
態点の温度域で焼鈍することを特徴とする、加工性に優
れる冷延鋼板の製造方法。
【0011】(4)C:0.0005〜0.003 wt%、Si:0.1 wt
%以下、Mn:0.01〜0.5 wt%、S:0.001 〜0.03wt%、
Al:0.01〜0.1 wt%、N:0.001 〜0.005 wt%、Ti:0.
001 〜0.1 wt%を含み、かつNb:0.001 〜0.01wt%、
B:0.0001〜0.0025wt%の1種または2種を含有し、残
部がFe及び不可避的不純物からなる鋼スラブを連続鋳造
したのち、表面温度が600 ℃を下回らないように加熱炉
に装入して加熱速度10℃/min 以上で 900〜1100℃に加
熱し、その温度で60分以内保持後、圧延終了温度を(A
r3変態点−30℃)〜(Ar3変態点+30℃)とする熱間圧
延を行い、巻き取り後、圧下率60〜95%で冷間圧延し、
ついで再結晶温度〜Ac3変態点の温度域で焼鈍すること
を特徴とする、加工性に優れる冷延鋼板の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の成分組成を上記のとおり
に限定した理由を以下に説明する。 C:0.0005〜0.003 wt% Cは、鋼中に固溶状態で存在すると鋼板の加工性に悪影
響を及ぼす。そこでC固定のために、Ti、Nbを添加する
が、C量が増加するとそれを固定するに必要なTi,Nb等
の炭化物形成元素量を増やさなければならず、製造コス
トを上昇させたり、硬質化を招く。このため、C量の上
限は0.003 wt%以下とする。一方、下限は真空脱ガス処
理コストの観点から0.0005wt%とする。
【0013】Si:0.1 wt%以下 Siは、鋼の高強度化を図るために有用な元素であり、必
要な強度レベルに応じて添加する。しかし、過度に多量
のSi添加を行うことは、酸洗不良をもたらしたり、めっ
き性を損なうため、上限を0.1wt %とする。
【0014】Mn:0.01〜0.5 wt% Mnは、本発明において特に重要な元素の1つである。Mn
量が0.01wt%未満の添加では熱延時に熱間脆性割れを招
くため、0.01wt%以上とする。また、0.5 wt%を超える
と変態点の低下が著しくなり、析出物として微細なMnS
が多数析出し、加工性の劣化や耐食性の劣化を招くの
で、0.01〜0.5 wt%の範囲とする。
【0015】S:0.001 〜0.03wt% Sは、本発明における重要な元素の1つであり、0.001
〜0.03wt%の範囲で添加する。S量が0.001 wt%未満で
はSの析出が困難となり、固溶状態で鋼中に残存し、加
工性を劣化させ、脱硫コスト、生産性の面で不利であ
る。一方0.03wt%を超えると、熱間割れが起こりやす
く、またTiS、MnS等の析出物が高温から析出し始めて
析出物量が多くなり、耐食性や表面性状に悪影響を与え
る。よって、S量は0.001 〜0.03wt%とする。
【0016】Al:0.01〜0.1 wt% Alは、鋼の脱酸のために0.01wt%以上を添加する必要が
あるが、その含有量が0.1 wt%を超えて添加しても脱酸
の効果は上がらず、むしろ鋼の硬質化、加工性の低下を
招くので、上限を0.1 wt%とする。
【0017】N:0.001 〜0.005 wt% Nは、鋼中に不可避的に含有される不純物であり、表面
性状や加工性の点で含有量は少ない方がよい。しかしな
がら、含有量を0.001 wt%未満に低減することは、生産
性の低下、コストアップを招くことになるので0.001 wt
%以上とする。また多量のNを固定するためには、Tiの
必要添加量が多くなり、コストアップにつながるだけで
なく、Sを析出固定するTi量が減少し、析出物の析出挙
動に大きな影響を与える。よって、Nの上限は0.005 wt
%とする。
【0018】Ti:0.001 〜0.1 wt% Tiは、本発明において重要な元素の1つであり、鋼中の
不純物であるN、C、Sを析出固定するために添加され
る。本発明にしたがい、固溶Ti量を適正化すれば、析出
物の量および組成を制御し、耐食性、表面性状を向上さ
せることができる。通常の熱延工程では、Tiを添加した
場合に、熱延開始温度で、Tiの析出物としてはTiN、Ti
S、Ti4 2 2 が生成する。これに対し、本発明によ
れば、Ti−Mn−Sの複合析出物が析出していることがわ
かった。このことにより、固溶Mn、固溶S量がなくな
り、しかも析出物の組成を制御できて、耐食性や表面性
状を向上させることが可能になる。Ti量が0.001 wt%未
満では上記効果が得られなく、一方0.1 wt%を超えると
Ti−Mn−Sの複合析出物形成に必要以上の過剰のTiのた
めに、再結晶温度の上昇や、固溶Tiによる材質の劣化を
招くことになるので、Ti量は0.001 〜0.1 wt%の範囲で
添加する。
【0019】Nb:0.001 〜0.01wt% Nbは、熱延板の結晶粒径を微細化する効果があるため、
必要に応じて添加する。0.001 wt%未満ではその効果が
なく、また、0.01wt%を超えて添加しても結晶粒径微細
化の効果は飽和し、むしろ再結晶温度が上昇するなど、
生産性の点で不利な面が大きくなるので、0.001 〜0.01
wt%の範囲とする。
【0020】B:0.0001〜0.0025wt% Bは、粒界に偏析して耐2次加工脆性を向上させるの
で、必要に応じて添加する。B量が0.0001wt%未満では
その効果は小さく、また0.0025wt%を超えて添加しても
その効果は飽和し、加工性を低下させるので、0.0001〜
0.0025wt%の範囲で添加する。
【0021】以上の成分組成のほか、 −0.04×Ti* +0.002 ≦析出Mn≦−0.13×Ti* +0.0077 ……(1) 0.2 ≦[Mn]x /[Ti]x ≦1.0 ……(2) ただし、Ti* (有効Ti)=Ti−3.43×N−1.5 ×S [Mn]x :X線分析による析出物中のMnの定量値 [Ti]x :X線分析による析出物中のTiの定量値 を満足していなければならない。まず、全Mn量のうち、
析出物として存在する析出MnはTi* (いずれも、wt%)
と(1) 式を満たすことにより、表面性状や耐食性の向上
に有利に作用する。ここに、析出Mnは非水溶液 (例えば
アセチルアセトン−メタノール液) によって析出物を電
解抽出し、得られた抽出残渣を化学分析してMn量を測定
する。
【0022】図1は両者の関係が耐肌荒れ性に及ぼす影
響について示すもので、 (1)式の範囲が特に良好となり
肌あれを皆無にすることができることがわかる。このよ
うな効果がもたらされる詳細な理由は必ずしも明らかで
はないが、 (1)式の範囲外の析出Mn量では、固溶Mnや他
の析出物に悪影響を与え、耐食性や表面性状が劣るもの
と思われる。また、Mnを含有する析出物の組成も、特に
耐食性向上の上で重要であり、X線分析(X線回折)に
よる析出物中のMnの定量値とTiの定量値との比[Mn]x
[Ti]x が(2) 式を満たす必要がある。
【0023】図2は、最大孔食深さとX線回折による析
出物中の[Mn]x /[Ti]x との関係を示したものであり、
(2) 式の範囲を満たすことにより、最大孔食深さが0.2m
m 以下という極めて優れた耐食性が得られることがわか
る。耐食性に及ぼす析出物の影響としては、詳細は分か
っていないが、析出物の組成により孔食の起点となる度
合いが変化するためと推測される。
【0024】次に製造条件について説明する。上述した
成分組成に溶製した連続鋳造スラブは、そのまま粗圧延
機によって熱間圧延するのがコスト上は有利であるが、
多品種連続生産のラインでは生産性が低下するため、温
片または熱片での加熱炉装入が現実的である。そのよう
な場合には、600 ℃まではスラブの表面温度が低下して
も−旦加熱炉に装入(ホットチャージ)してから熱間圧
延すればよい。スラブの表面温度が600 ℃より低下する
と、微細な析出物が多量に析出し、表面性状や耐食性を
劣化させるため、スラブ表面温度の下限は600 ℃とす
る。また析出物を適正な大きさに成長させるため、加熱
炉での保持は60分以内とする。
【0025】熱間圧延はγ域で行うことが望ましく、加
熱炉等で一旦加熱速度10℃/min 以上で 900℃以上1100
℃以下に加熱後に熱間圧延する。加熱速度が10℃/min
以下ではMnの析出が過剰となり、また、加熱温度が 900
℃未満ではMnの析出が過剰となり、加熱温度が1100℃よ
り高いとMnの析出量が不足する。仕上げ圧延温度は(A
r3変態点−30℃)を下廻ると異常組織が生成し、表面性
状が劣化する。また、(Ar3変態点+30℃)を超えて圧
延を終了すると、結晶粒径が粗大化し表面性状を悪くす
る。よって、仕上げ圧延温度域は(Ar3変態点−30℃)
〜(Ar3変態点+30℃)とする。なお、仕上げ圧延は粗
圧延終了後のシートバーを接合して連続的に仕上げ熱延
を行ってもよい。
【0026】本発明では巻取り温度による影響は小さ
く、400 ℃〜800 ℃の広い温度範囲を適用できる。巻取
り温度があまりに高いと、巻姿が崩れたり、スケールロ
スが増加したりするため、700 ℃以下とするのが好まし
い。また、巻取り温度が低過ぎるとダウンコイラーの負
荷が増大するため、巻取り温度は400 ℃以上とするのが
望ましく、さらに、析出物サイズを均一にして、高加工
性を求める場合には500℃以上とするのが望ましい。
【0027】コイル巻取り後、酸洗等によりスケールを
除去し、冷間圧延を行う。冷間圧延の圧下率は、60%未
満では得られる冷間圧延のr値が低くなり、一方、95%
を超えると熱延板の板厚を厚くしなければならず、析出
物の分布や組成が板厚方向でばらつき、析出物制御が困
難になりやすい。このため、冷間圧延の圧下率は60〜95
%とする。なお、耐食性、表面性状をより高めるために
は冷間圧延の圧下率は70%〜90%の範囲が好ましい。
【0028】冷間圧延後にさらに焼鈍を行う。焼鈍温度
が再結晶温度を下回ると未再結晶部分による耐食性や表
面性状の低下を招くので、再結晶温度以上の温度で行う
必要がある。一方、Ac3変態点以上の温度で焼鈍すると
r値が低下するので、上限をAc3変態点とする。なお、
本発明における焼鈍においては、昇温速度や冷却速度に
よる影響は小さいので、焼鈍方法は連続焼鈍、箱焼鈍の
いずれであっても構わない。また、溶融亜鉛めっきライ
ンを用いて焼鈍し、その後溶融亜鉛めっき、さらには合
金化処理などを行っても本発明の効果は同様に発揮され
る。上記の工程を経ることによって、析出物において前
記(1),(2) の関係を満たすことができる。
【0029】
【実施例】続いて、本発明を実施例により説明する。表
1に示した組成の鋼を実験炉で溶製し、連続鋳造を摸し
て鋳型に鋳込んでスラブとし、鋳型を外して、表面温度
が 500〜1050℃の種々の温度まで冷却した後、加熱炉に
装入して 850〜1150℃の種々の温度に加熱し、熱間圧延
を開始した。熱間圧延を 900℃で終了して板厚4mmの熱
延板とし、650 ℃で巻取った。得られた熱延板のスケー
ルを除去した後、圧下率85%の冷間圧延により板厚0.7
mmの鋼板とした。そして、アルミナ粉流動式槽中で昇温
速度、冷却速度ともに20℃/sec.、均熱温度830 ℃の連
続焼鈍に相当する熱処理を行い、伸び率0.7 %の調質圧
延を行った。
【0030】このようにして得られた冷延鋼板につい
て、非水溶媒 (例えば、アセチルアセトン−メタノール
溶液) によって析出物を電解抽出し、得られた抽出残渣
を化学分析により析出Mnを求め、また抽出レプリカ法に
より作製した試料をエネルギー分散型X線分析法によ
り、MnとTiの定量値を評価し、各々の定量値の比から[M
n]x /[Ti]x を求めた。またこれら鋼板について、下記
条件により加工性と耐食性の試験を行った。 ・加工性 引張特性をJIS5号引張試験片を使用して測定した。
r値は、15%引張予ひずみを与えた後、3点法にて測定
し、L方向(圧延方向)、D方向(圧延方向に45°方
向)およびC方向(圧延方向に90°方向)の平均値を r=(rL +2rD +rC )/4 により求めた。 ・耐食性 得られた冷延鋼板を#600 まで乾式研摩を行い、表面性
状を均一にした後、工場地帯の雰囲気の外気中に放置し
た。傾斜45°の架台に試料を吊り下げ、4週間の大気暴
露試験を行った。試験後、生成した錆を落としたのち、
試験後の最大孔食深さを測定した。これらの試験結果を
表2に併せて示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表1、表2より、析出Mn量と析出物組成[M
n]x /[Ti]x が適正な発明例では、表面性状、耐食性と
も優れた特性が得られるが、発明範囲からはずれた比較
例では、表面性状あるいはさらに耐食性が劣っている。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
連続鋳造により製造されたスラブを冷片とすることな
く、そのまま、もしくは保熱処理にて熱延を開始するこ
とができ、その材料特性(加工性、耐食性)も一旦冷片
に冷却後再加熱する再加熱工程によるものと同等以上の
値が得られる。したがって、本発明は、加工性と耐食性
に優れる冷延鋼板の製造の、省エネルギーと生産性の向
上に寄与するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】有効Tiと析出Mn量の肌荒れ性に及ぼす影響を示
すグラフである。
【図2】析出物の[Mn]x /[Ti]x が耐食性に及ぼす影響
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−185834(JP,A) 特開 平5−209228(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.0005〜0.003 wt%、Si:0.1 wt%以
    下、Mn:0.01〜0.5wt%、S:0.001 〜0.03wt%、Al:
    0.01〜0.1 wt%、N:0.001 〜0.005 wt%、Ti:0.001
    〜0.1 wt%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物から
    なり、さらに、析出Mnと有効Tiの量が下記 (1)式の関係
    を満たすとともに、エネルギー分散型X線分析法による
    析出物中のMnとTiの定量値の比が (2)式を満たすことを
    特徴とする、加工性に優れる冷延鋼板。 記 −0.04×Ti* +0.002 ≦析出Mn≦−0.13×Ti* +0.0077 ……(1) 0.2 ≦[Mn]x /[Ti]x ≦1.0 ……(2) ただし、Ti* (有効Ti)=Ti−3.43×N−1.5 ×S [Mn]x :X線分析による析出物中のMnの定量値 [Ti]x :X線分析による析出物中のTiの定量値
  2. 【請求項2】C:0.0005〜0.003 wt%、Si:0.1 wt%以
    下、Mn:0.01〜0.5 wt%、S:0.001 〜0.03wt%、Al:
    0.01〜0.1 wt%、N:0.001 〜0.005 wt%、Ti:0.001
    〜0.1 wt%を含み、かつNb:0.001 〜0.01wt%、B:0.
    0001〜0.0025wt%の1種または2種を含有し、残部がFe
    及び不可避的不純物からなり、さらに、析出Mnと有効Ti
    の量が下記 (1)式の関係を満たすとともに、エネルギー
    分散型X線分析法による析出物中のMnとTiの定量値の比
    が (2)式を満たすことを特徴とする、加工性に優れる冷
    延鋼板。 記 −0.04×Ti* +0.002 ≦析出Mn≦−0.13×Ti* +0.0077 ……(1) 0.2 ≦[Mn]x /[Ti]x ≦1.0 ……(2) ただし、Ti* (有効Ti)=Ti−3.43×N−1.5 ×S [Mn]x :X線分析による析出物中のMnの定量値 [Ti]x :X線分析による析出物中のTiの定量値
  3. 【請求項3】C:0.0005〜0.003 wt%、Si:0.1 wt%以
    下、Mn:0.01〜0.5wt%、S:0.001 〜0.03wt%、Al:
    0.01〜0.1 wt%、N:0.001 〜0.005 wt%、Ti:0.001
    〜0.1 wt%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物から
    なる鋼スラブを連続鋳造したのち、表面温度が600 ℃を
    下回らないように加熱炉に装入して、加熱速度10℃/mi
    n 以上で 900℃〜1100℃に加熱し、その温度で60分以内
    保持後、圧延終了温度を(Ar3変態点−30℃)〜(Ar3
    変態点+30℃)とする熱間圧延を行い、巻き取り後、圧
    下率60〜95%で冷間圧延し、ついで再結晶温度〜Ac3
    態点の温度域で焼鈍することを特徴とする、加工性に優
    れる冷延鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】C:0.0005〜0.003 wt%、Si:0.1 wt%以
    下、Mn:0.01〜0.5 wt%、S:0.001 〜0.03wt%、Al:
    0.01〜0.1 wt%、N:0.001 〜0.005 wt%、Ti:0.001
    〜0.1 wt%を含み、かつNb:0.001 〜0.01wt%、B:0.
    0001〜0.0025wt%の1種または2種を含有し、残部がFe
    及び不可避的不純物からなる鋼スラブを連続鋳造したの
    ち、表面温度が600 ℃を下回らないように加熱炉に装入
    して加熱速度10℃/min 以上で 900℃〜1100℃に加熱
    し、その温度で60分以内保持後、圧延終了温度を(Ar3
    変態点−30℃)〜(Ar3変態点+30℃)とする熱間圧延
    を行い、巻き取り後、圧下率60〜95%で冷間圧延し、つ
    いで再結晶温度〜Ac3変態点の温度域で焼鈍することを
    特徴とする、加工性に優れる冷延鋼板の製造方法。
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