JP5035976B2 - ボールペン - Google Patents
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Description
このようなスプリングは、軸筒内で、比較的先端寄りに設けられる場合と、比較的後端寄りに設けられる場合がある。
前者の場合は、スプリングの先端は軸筒先端に装着される口金あるいは先軸の内部で支持される。そして後端は、インクリフィル自体に設けられた翼状突起あるいは段差で支持されるのが普通である。そして、インクリフィル交換の際には、螺着されている口金あるいは先軸を取り外し、新しいインクリフィルの先端にスプリングを装着し、これを圧縮しつつ口金あるいは先軸を再び螺着することとなっている。この際、スプリングの紛失がしばしば生ずる。
ここで、インクリフィルは断面が円形になるように成形されているが、実際には真円にはならずに、やや歪んだ形になっていることも多い。ことに、インクリフィルの外径を細く設計する場合、成形誤差が外径に占める割合が大きくなるため、形の歪みが問題になりやすい。そして、このような歪んだ形を上記のような等配された縦リブ等の箇所へ押圧すると、十分に接する箇所とそうでない箇所とが生じ、安定した嵌合力を得ることが困難な場合もあった。
そこで本発明は、インクリフィルの後端部分を保定する孔の内部において、インクリフィルが多少歪んだ形状に成形されていても、安定した嵌合力が得られるような構造を実現することを目的とする。加えて、安定した嵌合力を備えつつ、交換の際のインクリフィル先端の出寸法が短くてもインクリフィルの引き抜きを容易にすることをも目的とする。
「軸筒11」とは、ボールペン10のインクリフィル20を収納する中空の軸をいう。このインクリフィル20には、先端に筆記ボール23を抱持したボールペンチップ22が装着され、内部にインクが収容されている。
この保定子40には、インクリフィル20の後端が挿入され得る内径の保定孔43が設けられている。そして、この保定孔43の内周面上に、螺旋状の突条である保定突条44が設けられている。
このように、保定突条44が螺旋状に形成されていることで、保定されるインクリフィル20の断面が多少歪んでいても、螺旋のどこかの位置で必ず接触して保定がなされることとなっている。
さらに、交換の際に口金13等を外したときのインクリフィル20の先端の出寸法が短くて指先で掴みにくくても、捻りつつ引っ張れば軸筒11から容易に引き抜くことができる。
なお、この保定突条44の本数は1本であってもよいが、インクリフィル20の保定力をより確実にするためには複数本設けることが望ましい。
(1)第1の実施の形態
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るボールペン10を正面図(A)及び側面図(B)でそれぞれ示したものである。
軸筒11は、ポリカーボネート樹脂あるいはABS樹脂の射出成形により形成される。その中間付近から先端近くにかけてグリップ12が形成されており、この部分は熱可塑性エラストマー製のグリップ部材60で被覆されている。その先端側に装着されている口金13からはボールペンチップ22が出没する。一方、軸筒11の後端にはテールピース30と一体に成形されているクリップ31が装着されるとともに、ノックボタン15が突出している。
軸筒11のグリップ部分50は、その後方部分に比べ肉薄に形成され、そこにグリップ部材60が装着されることで、表面が滑らかに形成されている。
軸筒11内には、インクを収容したインクリフィル20が収納されている。インクリフィル20の先端には、継手21を介して筆記ボール23を先端に備えたボールペンチップ22が装着されている。また、軸筒11内において、中間部分のやや後方寄り、ちょうどクリップ31の先端付近に当たる位置に、インクリフィル20を貫通して支持するスプリング受け14が設けられている。さらに、インクリフィル20の後端は、ノック動作における筆記先端の突出状態の維持及び解除に関与する保定子40に圧入固定されている。保定子40の後半部分42は、その前半部分41より小径に形成され、前記のノックボタン15内に遊嵌され、ノックボタン15の押圧操作に供されることとなっている。テールピース30の内周には、後述する保定子40表面の突条部46が摺動可能な摺動溝32が4本等配されている。また、スプリング受け14の後端部分及び保定子40の先端部分との間には、保定子40を後方に付勢するスプリング16が介装されている。
保定子40の前半部分41の後端面には、円周を8等分したピッチで鋸歯状の凹凸が設けられた係止面45となっている(図3(A)及び(B)参照)。また、保定子40の前半部分の側面には、前記ピッチの半分の幅の突条部46が、4本等配されている(図3(B)参照)。この突条部46は、図3(B)の平面視で、凹凸の頂点から反時計方向の斜面部分と一致するように形成されている。
一方、前記ノックボタン15の先端面17にも、前記係止面45と噛み合い得る鋸歯状の凹凸が設けられている。また、テールピース30内周に設けられている前記の摺動溝32の先端位置には、この摺動溝32に対して前記1ピッチ分だけずれた位置に隣接する係合段差33が設けられ、この係合段差33に前記係止面45のうち突条部46に当たる部分が係止するようになっている。
本実施の形態に係るボールペン10のノック機構について簡単に説明する。
まず、筆記先端であるボールペンチップ22が口金13から没入している状態においては、保定子40の外周の突条部46が摺動溝32と一致した状態で、スプリング16によりテールピース30の後端へ押し付けられた状態となっている。このとき、ノックボタン15の先端面17の凹凸と、保定子40の係止面45の凹凸とが噛み合った状態となっている。
このように、保定突条44が螺旋状になっているために、仮にインクリフィル20の断面が真円ではなく歪んでいたとしても、インクリフィル20の表面はどちらかの保定突条44のこの半ピッチ分のいずれかの箇所で保定子40内面と当接するため、確実に保定されることとなっている。
なお、本実施の形態の変形例として、図4に示すように、2本の保定突条44がそれぞれ前半部分41の全長に渡り1ピッチ分の螺旋を描くように設けられることとすれば、インクリフィル20の表面が保定突条44と当接する箇所がより増えることになるので、保定力がより増すこととなる。
図5は、本発明の第2の実施の形態にかかるボールペン10を正面図(A)、側面図(B)及び側面断面図(C)でそれぞれ示したものである。
軸筒11は、ポリカーボネート樹脂あるいはABS樹脂の射出成形により形成される。その中間付近から先端近くにかけてグリップ12が形成されており、この部分は熱可塑性エラストマー製のグリップ部材60で被覆されている。軸筒11のグリップ部分50は、その後方部分に比べ肉薄に形成され、そこにグリップ部材60が装着されることで、表面の高さが滑らかに形成されている。その先端側に装着されている口金13からはボールペンチップ22が出没する。一方、軸筒11の後端には板バネ34(図5(C)参照)を介してクリップ31が装着されるとともに、ノックボタン15が突出している。クリップ31の先端部分は軸筒11側へ肥厚しており、この部分が、軸筒11との間でポケットの布などを挟持するための挟持部35となっている。軸筒11側面においてこの挟持部35が位置する部分には開口部11aが形成されている。このノックボタン15の長さは、図5(C)に示すように、この開口部11aのやや先端側にまで及んでいる。クリップ31の挟持部35はこの開口部11aを通じてノックボタン15の側面と接する。さらに、ノックボタン15の側面からは、この開口部11aでクリップ31の挟持部35と係合する係合突起18が突出している。
また、軸筒11内の、グリップ部分50後端付近に当たる位置で内径が小さくなって段差が形成されている。この段差は、ノックボタン15の先端との間でスプリング16を支持する支持段差11bとなっている。
11b 支持段差 12 グリップ 13 口金
14 スプリング受け 15 ノックボタン 16 スプリング
17 先端面 18 係合突起
20 インクリフィル 21 継手 22 ボールペンチップ
23 筆記ボール
30 テールピース 31 クリップ 32 摺動溝
33 係合段差 34 板バネ 35 挟持部
40 保定子 41 前半部分 42 後半部分
43 保定孔 44 保定突条 45 係止面
46 突条部
50 グリップ部分 60 グリップ部材
Claims (2)
- 軸筒と、
前記軸筒内部に収納され、インクを収容するとともに先端にボールペンチップが装着されるインクリフィルと、
前記軸筒内部の後端付近に位置し、前記インクリフィルの後端を保定する保定子とを備えたボールペンであって、
前記保定子には、
前記インクリフィルの後端が圧入保定される保定孔と、
前記保定孔の内周面上の全長に渡り設けられる螺旋状の突条である保定突条と
が設けられていることを特徴とするボールペン。 - 前記保定突条は、複数設けられていることを特徴とする請求項1記載のボールペン。
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JP2007200472A JP5035976B2 (ja) | 2007-08-01 | 2007-08-01 | ボールペン |
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JP2007200472A JP5035976B2 (ja) | 2007-08-01 | 2007-08-01 | ボールペン |
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Family
ID=40437259
Family Applications (1)
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JP2007200472A Active JP5035976B2 (ja) | 2007-08-01 | 2007-08-01 | ボールペン |
Country Status (1)
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- 2007-08-01 JP JP2007200472A patent/JP5035976B2/ja active Active
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