JP2000313194A

JP2000313194A - 出没式筆記具

Info

Publication number: JP2000313194A
Application number: JP11123104A
Authority: JP
Inventors: Nobuo Yokouchi; 伸生横内
Original assignee: Pentel Co Ltd
Current assignee: Pentel Co Ltd
Priority date: 1999-04-28
Filing date: 1999-04-28
Publication date: 2000-11-14

Abstract

(57)【要約】【課題】出没式筆記具の従来技術にあっては、押圧体
の押圧操作によって筆記体の出没の係止・解除を行う機
構になっているものの、出没の係止・解除のための機構
が複雑で、部品点数も多く組立もやっかいでコスト高に
なるばかりでなく、その機構を軸筒内後部に組み込んで
なるので、その分、軸筒長さを長くしなければならない
という問題があった。【解決手段】本体の内部に筆記体を摺動可能に配置
し、その筆記体を本体に設けた押圧体の押圧操作によっ
て移動可能に配置した出没式筆記具であって、前記本体
の軸筒の外周壁にカム部を設け、前記押圧体に前記カム
部と係合可能な突部を有するクリップ部を設け、前記押
圧体の押圧操作によって前記クリップ部の突部が前記カ
ム部に係脱しうるようになした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、本体の内部に筆記
体を移動可能に配置した出没式筆記具に関し、特に押圧
体の押圧操作によって筆記体の出没の係止・解除を行う
機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】一例として、特開平９−９９６９１号公
報がある。その公報の特許請求範囲には、「先端に筆記
部を有するリフィールとそれを後方へ付勢するスプリン
グ６とリフィールと連動可能に遊嵌されて軸筒１の後端
より突出するノック部５を有し、ノック部５を押圧して
リフィールを軸筒１の前部から突出させて突出状態を保
持し、さらにノック部５を押圧することで係止が解除さ
れてリフィールを収納する様な所謂ダブルノック機構を
有するノック式筆記具に於いて、クリップ筒２の係止玉
２−ａと軸内部でノック部５と連動する係止リブ３−ａ
とが係止することでリフィールの筆記部の突出状態を保
持して係止玉２−ａが持ち上げられるとリフィールが収
納されるセーフテイー機構を構成し、突出させる場合の
ノック部５のノックカム５−ａと回転子３のノック受け
カム３−ｃによる回転方向と収納させる場合の回転子３
のノック受けカム３−ｂとクリップ筒２のカム２−ｃに
よる回転方向のどちらも同一方向となして係子リブ３−
ａを一体に有する回転子３をノックの繰り返しによっ
て、所定の角度で同一方向へ回転するよう構成したこと
を特徴とするノック式筆記具。」と記載されている。つ
まり、軸筒内に複数の部材よりなる一方向回転カム機構
を配置しノック部の押圧を繰り返すことで、リフィール
の出没の係止・解除を行っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来技術にあっては、押圧体の押圧操作によって筆記体
の出没の係止・解除を行う機構になっているものの、出
没の係止・解除のための機構が複雑で、部品点数も多く
組立もやっかいでコスト高になるばかりでなく、その機
構を軸筒内後部に組み込んでなるので、その分、軸筒長
さを長くしなければならないという問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点に
鑑みてなされたものであり、本体の内部に筆記体を摺動
可能に配置し、その筆記体を本体に設けた押圧体の押圧
操作によって移動可能に配置した出没式筆記具であっ
て、前記本体の軸筒の外周壁にカム部を設け、前記押圧
体に前記カム部と係合可能な突部を有するクリップ部を
設け、前記押圧体の押圧操作によって前記クリップ部の
突部が前記カム部に係脱しうるようになしたことを第１
の要旨とし、また、前記押圧体が、複数の割溝を設けた
筒部を有することを第２の要旨とするものである。

【０００５】

【実施例】図１乃至図１４に第１例を示し説明する。軸
筒１の前方には、前軸２が螺着などにより着脱自在に取
り付けられている（以下、図中上方を後方といい、下方
を前方という）。前記前軸２には軟質の樹脂やゴム材な
どよりなる把持部材３が固着されており、また、前記前
軸２の内側にはコイルスプリングなどの弾撥部材４がそ
の前端を前軸２の内孔に狭持されて取り付けられてい
る。前記軸筒１の内側には、ボールペンや修正具などの
筆記体のリフィール５が前記弾撥部材４によって後方に
付勢され且つ前後動自在に配置されている。軸筒１の後
方には、押圧体６の筒部７が前後動自在に嵌着取り付け
されている。軸筒１の後端には相対向する位置に複数の
縦溝１ａが形成され、また、前記筒部７には内方への弾
力を有するよう縦にすり割り溝７ａが形成されるととも
に、その筒部７の外面にも相対向する位置に複数の突部
７ｂが形成されており、この突部７ｂが前記縦溝１ａに
前後動自在に嵌着される。また、この突部７ｂが前記縦
溝１ａに嵌着されることで、軸筒１に対して押圧体６が
回り止めされている。尚、前記筒部７の前方端面は軸筒
１の内側に配置されたリフィール５の後端に当接してい
る。尚、本例では、軸筒１内にボールペンや修正具など
の筆記体のリフィル５を配置した例を示し説明したが、
シャープペンシルや、シャープペンシルのユニットを軸
筒１内に配置したものであってもよい。

【０００６】軸筒１の外周面には凸状カム部８が設けら
れている。図１に基づきそのカム部８について説明す
る。カム部８は、軸筒１外周面に縦に立設された壁部９
とその壁部９の側面（図示手前側）に凸状に形成された
係止部１０と案内部１１とよりなり、前記係止部１０の
図中上部は傾斜した斜面１０ａとなっており、下部には
凹み１０ｂが形成されている。また、前記案内部１１の
図中上部左側には左下方に傾斜した斜面１１ａが形成さ
れている。尚、符号１ｂは軸筒１の外周面に形成した凹
部である。

【０００７】押圧体６の後端部よりは図中下方に向かっ
てクリップ１２が形成されている。このクリップ１２の
下部には壁状玉部１３が縦に立設され、その壁状玉部１
３の側面向こう側（図示奥側）には凸状に形成された係
合部１４（破線で図示する）を有している。尚、前記ク
リップ１２は弾性を有し図中左右に弾撥可能であるが、
常態は壁状玉部１３の図中右端が軸筒１の外周面に接す
る位置になるよう付勢配置されている。また、前記クリ
ップは図中手前方向奥方向（クリップ側から見た場合は
クリップの横方向）にも弾撥可能に形成されている。本
例では、クリップ１２の前端部が軸筒１に形成されたカ
ム部８を覆う位置にまで延びて形成されている。

【０００８】次に、図５乃至図９（軸筒１の全体、およ
び、押圧体６は後方部と、押圧体６の一部分である係合
部１４のみを図示した）に基づいて動作を説明する。図
５の状態より押圧体６を押圧すると、軸筒１の外周面に
沿って前記クリップ１２の壁状玉部１３が移動をはじめ
る。更に押圧すると、壁状玉部１３と一体の係合部１４
が係止部１０の斜面１０ａに当接し、弾性に抗しながら
図中手前側に前進の方向を変位せしめられて係止部１０
の前面に移動する（図６参照）。更に押圧を続けると、
係合部１４の左端が案内部１１の側面１１ａに至る（図
７）。尚、前記筒部７にすり割り溝７ａが形成されてい
るので、前記筒部７の前方が内方に撓んで、前記クリッ
プ１２の係合部１４の弾性移動を容易ならしめる。ここ
で押圧体６の押圧を解除すると、係合部１４は（前記ク
リップ１２が、常態は、横方向弾性により壁状玉部１３
が軸筒１の軸芯に向かうよう付勢配置されているので）
係止部１０の方向（図中右上方）へ復動し、その係合部
１４の図中右端部が係止部１０の凹み１０ｂに当接して
係止せしめられる（図８参照）。尚、前記押圧体６の筒
部７にリフィール５が当接しているので、上記動作によ
ってリフィール５が前軸２の先端より露出し、その状態
で係止せしめられる。

【０００９】前記の係止の状態を解除するためには、押
圧体６を再び押圧すると、係合部１４が前記凹み１０ｂ
を離脱する。更に押圧すると、係合部１４の左端が斜面
１１ｂに当接し、図中上方に復動の方向を変位せしめら
れて移動し、係合部１４は壁部９の図中上面９ａに達す
る（図９参照）。ここで押圧体６の押圧を解除すると、
係合部１４はその下端の一部がクリップ１２の横方向弾
性により前記壁部９の上面９ａに落着当接しているの
で、凹み１０ｂに逆戻りすることなく、係止部１０の上
方を移動し、こうして、初期状態に復帰せしめられる
（リフィール５が前軸２内に没入する）。尚、リフィー
ル５が前軸２の先端より露出して係止状態のまま筆記具
をポケット等に差し込もうとすれば、クリップ１２が軸
筒１外周面より持ち上げられるので、係合部１４が係止
部１０より外れ、初期状態に復帰せしめられる（リフィ
ール５が前軸２内に没入する）。所謂セーフテイー機構
にもなっているわけである。

【００１０】図１０乃至図１４は、図５乃至図９に基づ
き説明した動作をクリップ側より見て図示したものであ
る。前記クリップ１２の横方向弾性移動の状態（図１１
乃至図１３）並びに軸芯方向への復帰の状態（図１４）
を図示するとともに、前記押圧体６の筒部７の撓みの状
態を破線で示した。

【００１１】図１５に第２例を示し説明する。前記例と
同じ部分については説明を省略する。本例は前記第１例
における押圧体６の筒部７の外方に外筒部１５を形成し
て２重の筒部とし、外筒部１５が軸筒１の後端を覆うよ
うにしたものである。尚、押圧体６の押圧前進時、前記
筒部７の前方が内方に撓んで、押圧体６が軸筒１に対し
て傾斜する分だけ、前記外筒部１５の内孔径を軸筒１の
後端の外径よりも大きく形成してある。本例によればク
リップ１２の脚部１２ａの高さを第１例に比較して低く
することができるので、この脚部１２ａの部分の強度を
向上せしめることができる。また、図示しないが、押圧
時前記凸状カム部８に干渉しないよう、前記外筒部１５
のクリップ１２側に切り欠きを形成すれば、その分、外
筒部１５の長さを長くすることができ、この外筒部１５
で、軸筒１の縦溝１ａ（第１例と同様であり、図示しな
い）を覆うようにすることもできる。

【００１２】

【発明の効果】本発明は、本体の内部に筆記体を摺動可
能に配置し、その筆記体を本体に設けた押圧体の押圧操
作によって移動可能に配置した出没式筆記具であって、
前記本体の軸筒の外周壁にカム部を設け、前記押圧体に
前記カム部と係合可能な突部を有するクリップ部を設
け、前記押圧体の押圧操作によって前記クリップ部の突
部が前記カム部に係脱しうるようになしたので、出没の
係止・解除のための機構が簡単で、部品点数も少なく組
立も簡便で低コストになるばかりでなく、出没の係止・
解除のための機構が軸筒内後部に組み込まれていない分
だけ軸筒長さを短く出来るという利点をも有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を示す縦断面図。

【図２】本発明を示す斜視図。

【図３】軸筒および押圧体を示す分解斜視図。

【図４】押圧体を示す斜視図。

【図５】作動説明斜視図。

【図６】作動説明斜視図。

【図７】作動説明斜視図。

【図８】作動説明斜視図。

【図９】作動説明斜視図。

【図１０】クリップ側より見た作動説明図

【図１１】クリップ側より見た作動説明図

【図１２】クリップ側より見た作動説明図

【図１３】クリップ側より見た作動説明図

【図１４】クリップ側より見た作動説明図

【図１５】第２例を示す縦断面図。

【符号の説明】

１軸筒１ａ縦溝１ｂ凹部２前軸３把持部材４弾撥部材５リフィール６押圧体７筒部７ａすり割り溝７ｂ突部８凸状カム部９壁部９ａ上面１０係止部１０ａ斜面１０ｂ凹み１１案内部１１ａ側面１１ｂ斜面１２クリップ１２ａ脚部１３壁状玉部１４係合部１５外筒部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】本体の内部に筆記体を摺動可能に配置
し、その筆記体を本体に設けた押圧体の押圧操作によっ
て移動可能に配置した出没式筆記具であって、前記本体
の軸筒の外周壁にカム部を設け、前記押圧体に前記カム
部と係合可能な突部を有するクリップ部を設け、前記押
圧体の押圧操作によって前記クリップ部の突部が前記カ
ム部に係脱しうるようになしたことを特徴とする出没式
筆記具。
【請求項２】前記押圧体が、複数の割溝を設けた筒部
を有することを特徴とする請求項１に記載の出没式筆記
具。