JP5035515B2 - 着磁パルサリング - Google Patents

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Description

この発明は、回転速度を検出することが可能なセンサ付き転がり軸受装置などにおいて使用される着磁パルサリングに関する。
鉄道車両や自動車において、車軸あるいは車軸に回転を伝達する回転軸を支持するとともに軸の回転速度を検出するために、図11に示すようなセンサ付き転がり軸受装置が使用されている(特許文献1参照)。
図11において、センサ付き転がり軸受装置は、転がり軸受(41)、ならびにそれに設けられたセンサ装置(42)および被検出部である着磁パルサリング(43)を備えている。
転がり軸受(41)は、固定輪である外輪(44)、回転輪である内輪(45)、これらの間に配置された複数の転動体である玉(46)を備えている。
着磁パルサリング(43)は、内輪(45)に固定された支持部材(47)と、支持部材(47)に設けられた着磁体(48)とよりなる。
センサ装置(42)は、外輪(44)に固定されたケース(49)と、ケース(49)内に設けられた磁気センサ(50)とを有しており、着磁パルサリング(43)に軸方向外側から対向させられている。
着磁パルサリング(43)の支持部材(47)は、内輪(45)の外周に嵌め被せられた円筒部(47a)と、円筒部(47a)の右端部に設けられた外向きフランジ部(47b)とよりなり、磁気センサ(50)に対して相対回転して磁束密度変化を生じさせる。
このような着磁パルサリングは、シール装置と一体化された形態とされることがあり、これを使用したセンサ付き転がり軸受装置としては、図12に示すように、固定輪(52)、回転輪(53)および両輪(52)(53)間に配置された転動体(54)を有する転がり軸受(51)と、固定輪(52)に嵌合固定された芯金(56)および芯金(56)に取り付けられた弾性シール(57)を有している固定側シール部材(55)と、回転輪(53)に嵌合固定された円筒部(59)および円筒部(59)の軸方向端部に連なって固定側シール部材(55)に向かってのびるフランジ部(60)を有する回転側シール部材(58)と、固定側シール部材(55)に樹脂(62)を介して支持されたセンサ(61)と、回転側シール部材(58)のフランジ部(60)側面に設けられている着磁体(63)とからなるものが知られている(特許文献2)。このセンサ付き転がり軸受装置では、回転側シール部材(58)および着磁体(63)が、着磁パルサリングに相当しており、センサ(61)付き固定側シール部材(55)と着磁体(62)付き回転側シール部材(58)(着磁パルサリング)とを予め組み立てておく(パック化しておく)ことができるという利点を有している。
特開2003−279587号公報 特開2005−098387号公報
上記着磁パルサリングでは、ゴムをバインダとする磁性粉が着磁されることにより形成された着磁体は、異物などで傷つく場合があった。
そこで、着磁体を樹脂ボンド磁石として、耐傷性を高めることが考えられるが、樹脂ボンド磁石を使用した場合には、熱衝撃に相対的に弱いために割れやすく、着磁体の支持部材への固定が難しい。
この発明の目的は、着磁体を樹脂ボンド磁石として、耐傷性を高めるとともに、樹脂ボンド磁石を使用した場合の耐熱衝撃性の向上や着磁体の固定を確実にした着磁パルサリングを提供することにある。
第1の発明による着磁パルサリングは、円筒部および円筒部の一端に設けられたフランジ部よりなる支持部材と、支持部材のフランジ部に設けられた円板状着磁体とよりなる着磁パルサリングにおいて、着磁体は、ボンド磁石であり、その外周にフランジ部の外周部に係合する外れ防止部が形成されるように、一体射出成形により支持部材に固定されており、着磁体に、着磁体の線膨張率を支持部材の線膨張率に近づける線膨張率調整材が添加されていることを特徴とするものである。
第2の発明による着磁パルサリングは、円筒部および円筒部の一端に設けられたフランジ部よりなる支持部材と、支持部材のフランジ部に設けられた円板状着磁体とよりなる着磁パルサリングにおいて、着磁体は、ボンド磁石であり、その外周にフランジ部の外周部に係合する外れ防止部が形成されるように、一体射出成形により支持部材に固定されており、着磁体とフランジ部との間に、弾性層が介在させられ、フランジ部の側面に、弾性層の厚みに相当する深さの凹所が設けられていることを特徴とするものである。
第3の発明による着磁パルサリングは、円筒部および円筒部の一端に設けられたフランジ部よりなる支持部材と、支持部材のフランジ部に設けられた円板状着磁体とよりなる着磁パルサリングにおいて、着磁体は、ボンド磁石であり、その外周にフランジ部の外周部に係合する外れ防止部が形成されるように、一体射出成形により支持部材に固定されており、フランジ部の角部が面取りされ、フランジ部の側面に環状の凹所が設けられ、着磁体の一方の側面が凹所内に嵌め入れられていることを特徴とするものである。
第4の発明による着磁パルサリングは、支持部材およびこれに支持された着磁体よりなる着磁パルサリングにおいて、着磁体は、ボンド磁石であり、接着剤層を介して支持部材に固定されており、支持部材に、接着剤層を納めるための環状の凹所が形成されていることを特徴とするものである。
第5の発明による着磁パルサリングは、支持部材およびこれに支持された着磁体よりなる着磁パルサリングにおいて、着磁体は、ボンド磁石であり、支持部材に接着される第1接着剤層、着磁体に接着される第2接着剤層、および両接着剤層間に介在される弾性層を有していることを特徴とするものである。
第1から第5までの発明による着磁パルサリングにおいて、樹脂ボンド磁石としては、フェライト粉+PPS(ポリフェニールサルファイド樹脂)、フェライト粉+PA66(ポリアミド樹脂)、希土類磁性粉+PPS、希土類磁性粉+PA66、フェライト粉+希土類磁性粉+PPS、フェライト粉+希土類磁性粉+PA66などが適しており、これ以外の磁性粉および樹脂の組合せとすることもできる。また、樹脂にガラス繊維等の強化材を添加するようにしてもよい。支持部材としては、SUS430のようなフェライト系ステンレス鋼が適している。
第1から第3までの発明の着磁パルサリングにおいては、樹脂ボンド磁石は、支持部材(スリンガ)と一体射出成形され、その後に、着磁装置により、N極およびS極が等間隔となるように着磁される。これらの第1から第3までの発明の着磁パルサリングによると、着磁体の外周にフランジ部の外周部に係合する外れ防止部が形成されることにより、支持部材から着磁体が外れることが防止される。
第4および第5の発明の着磁パルサリングにおいては、樹脂ボンド磁石は、支持部材(スリンガ)に接着剤層を介して固定され、その後に、着磁装置により、N極およびS極が等間隔となるように着磁される。これらの第4および第5の発明の着磁パルサリングによると、着磁体の外周にフランジ部の外周部に係合する外れ防止部が不要とされ、相対的に熱衝撃に弱い外れ防止部をなくすことで、耐久性が向上する。第4および第5の発明の着磁パルサリングでは、第1から第3までの発明の着磁パルサリングと同様に、円筒部および円筒部の一端に設けられたフランジ部よりなる支持部材と、支持部材のフランジ部に設けられた円板状着磁体とよりなる構成とすることはもちろん可能であるが、円筒状の支持部材およびその外周または内周に設けられた円筒状着磁体とよりなる構成とすることもできる。
この発明の着磁パルサリングでは、支持部材は、ステンレス鋼などの金属製とされ、これにより、樹脂ボンド磁石と支持部材とでは、線膨張率が異なったものとなる。そのため、熱膨張時または熱収縮時に着磁体と支持部材との変形量が異なり、熱衝撃に対して着磁体が割れやすいものとなっている。上記外れ防止部は、着磁体の他の部分(孔あき円板状の信号出力部分)に比べて弱く、応力が集中しやすいことから、熱衝撃に対して最も弱い箇所となっている。そこで、各発明による着磁パルサリングでは、次のような熱衝撃対策が施されている。
第1の発明による着磁パルサリングによると、着磁体に、着磁体の線膨張率を支持部材の線膨張率に近づける線膨張率調整材が添加されていることにより、熱膨張時または熱収縮時に着磁体と支持部材との変形量が同じとなり、外れ防止部に発生する応力が小さくなる。
第2の発明による着磁パルサリングによると、着磁体とフランジ部との間に、弾性層が介在させられていることにより、弾性層が変形量の違いを吸収することにより、外れ防止部に発生する応力が小さくなる。弾性層としては、ゴムシート(ゴム層)、樹脂シート(樹脂層)、接着剤(接着剤層)などを使用することができる。弾性層は、1層だけでなく、2層以上とすることもでき、例えば、支持部材に接着される第1接着剤層および着磁体に接着される第2接着剤層を有している2層構造としたり、支持部材に接着される第1接着剤層、着磁体に接着される第2接着剤層、および両接着剤層間に介在される他の弾性層(以下では、「中間弾性層と称す)からなる3層構造としたりすることができる。中間弾性層として使用されるゴム層の材料は、耐熱性に優れたものが好ましく、NBR(ニトリルゴム)、HNBR(水素化ニトリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、VMQ(シリコンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)等が使用できる。
なお、3層構造で接着剤層間に介在される中間弾性層がゴム層の場合、着磁体は、インサート成形により支持部材に一体化されることがあり、予め成形しておいてから、接着剤で支持部材に接着するようにしてもよい。また、支持部材にゴム層を第1接着剤層を介して接着する工程と、着磁体を第2接着剤層を介してゴム層に接着する工程とを別に行ってもよく、すべての接着を例えばインサート成形時に同時に行ってもよい。ゴム層と支持部材および/または着磁体との接着は、加硫接着によってもよい。
第3の発明による着磁パルサリングによると、フランジ部の角部が面取りされていることにより、外れ防止部にかかる応力が分散されるとともに、外れ防止部を厚肉とすることができ、外れ防止部に発生する応力が小さくなる。面取りは一体射出成形前に行われ、面取り無しのものと同じ金型を使用することにより、面取りされた部分が樹脂ボンド磁石に置き換えられて、外れ防止部の厚肉化が図られる。面取り部の形状は、平坦な傾斜面であってももちろんよいが、曲面とすることもできる。また、面取りを片側だけ(軸方向外側の角だけ)に施してもよく、両側に施してもよい。
第4の発明による着磁パルサリングによると、外れ防止部をなくすことで、熱衝撃対策が施されている。接着剤層は、弾性層としても機能し、支持部材と着磁体との変形量の違いを吸収することができる。そして、支持部材に、接着剤層を納めるための環状の凹所が形成されていることで、着磁体を薄肉化する必要がなく、接着剤層の厚みの管理も容易となり、耐熱衝撃性の低下や着磁体の外れやすさが確実に防止される。
第5の発明による着磁パルサリングによると、外れ防止部をなくすことで、熱衝撃対策が施されている。接着剤層は、弾性層としても機能し、3層構造の弾性層によって、支持部材と着磁体との変形量の違いを吸収することができる。そして、支持部材に接着される第1接着剤層、着磁体に接着される第2接着剤層、および両接着剤層間に介在される中間弾性層(第3接着剤層、ゴム層、樹脂層など)を有している構造とすることで、支持部材および着磁体のそれぞれに相性のよい接着剤の使用が可能となり、着磁体の外れやすさが確実に防止される。
第1から第5までの発明の着磁パルサリングによると、着磁体は、ボンド磁石であるので、耐傷性を高めることができる。
そして、第1から第3までの発明の着磁パルサリングによると、着磁体の外周にフランジ部の外周部に係合する外れ防止部が形成されるように、一体射出成形により支持部材に固定されているので、製造工程を短縮化してコストを下げることができ、しかも、樹脂ボンド磁石を使用した場合に問題となる着磁体の外れやすさが解消させられている。さらに、第1の発明では、着磁体の線膨張率を支持部材の線膨張率に近づける線膨張率調整材が着磁体に添加されていることにより、第2の発明では、着磁体とフランジ部との間に弾性層が介在させられていることにより、第3の発明では、フランジ部の角部が面取りされていることにより、耐熱衝撃性が向上させられており、信頼性の高いものとなっている。
また、第4および第5の発明による着磁パルサリングによると、外れ防止部をなくすことで、熱衝撃対策が施されており、接着剤層は、弾性層としても機能して、支持部材と着磁体との変形量の違いを吸収することができるので、耐熱衝撃性の低下や着磁体の外れやすさが防止される。
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
図1は、第1の発明による着磁パルサリングの第1実施形態を示している。以下の説明において、左右は図1についていうものとする。
図1において、着磁パルサリング(1)は、内輪に固定される支持部材(11)と、支持部材(11)に設けられた着磁体(12)とよりなる。
支持部材(11)は、内輪の外周に嵌め被せられる円筒部(13)と、円筒部(13)の右端部に設けられた外向きフランジ部(14)とよりなる。
着磁体(12)は、樹脂ボンド磁石であり、一体射出成形によって、支持部材(11)のフランジ部(14)右側面全周にわたって固定されている。
着磁体(12)の外周に、断面逆L字状でフランジ部(14)の外周部に係合する外れ防止部(15)が設けられており、この外れ防止部(15)によって着磁体(12)が支持部材(11)から外れることが防止されている。
着磁体(12)を構成する樹脂ボンド磁石には、着磁体(12)の線膨張率を支持部材(11)の線膨張率に近づける線膨張率調整材(ガラス繊維、カーボン繊維など)が添加されている。添加される線膨張率調整材の量は、実際に熱衝撃試験を行うなどによりその適量値を決定すればよいが、着磁体(12)の線膨張率は、支持部材(11)の線膨張率の1〜2倍が好ましく、1〜1.5倍がより好ましい。これにより、熱膨張時または熱収縮時に着磁体(12)と支持部材(11)との変形量がほぼ同じとなり、外れ防止部(15)に発生する応力が小さくなっている。
図2は、第1の発明による着磁パルサリングの第2実施形態を示している。
同図において、着磁パルサリング(2)は、内輪に固定される支持部材(11)と、支持部材(11)に設けられた着磁体(12)とよりなる。
支持部材(11)は、内輪の外周に嵌め被せられる円筒部(13)と、円筒部(13)の右端部に設けられた外向きフランジ部(14)とよりなる。
着磁体(12)は、樹脂ボンド磁石であり、一体射出成形によって、支持部材(11)のフランジ部(14)右側面全周にわたって固定されている。
着磁体(12)の外周に、断面逆L字状でフランジ部(14)の外周部に係合する外れ防止部(15)が設けられており、この外れ防止部(15)によって着磁体(12)が支持部材(11)から外れることが防止されている。
さらに、フランジ部(14)の右側面には、環状の凹所(16)が設けられている。凹所(16)の内径および外径は、着磁体(12)の内径および外径と同じとされており、着磁体(12)の一方の側面(左側面)がこの凹所(16)内に嵌め入れられている。
着磁体(12)を構成する樹脂ボンド磁石には、第1実施形態と同様に、線膨張率調整材(ガラス繊維、カーボン繊維など)が添加されている。
第2実施形態の着磁パルサリング(2)の軸方向寸法は、第1実施形態の着磁パルサリング(1)の軸方向寸法と同じとされており、両者は、フランジ部(14)の側面に凹所(16)が設けられているかいないかにおいて相違している。したがって、凹所(16)が設けられている第2実施形態のものでは、着磁体(12)の厚みが大きくなっており、その分、磁力が大きいものとなっている。
図3は、第2の発明による着磁パルサリングの第1実施形態を示している。
図3において、着磁パルサリング(3)は、内輪に固定される支持部材(11)と、支持部材(11)に設けられた着磁体(12)とよりなる。
支持部材(11)は、内輪の外周に嵌め被せられる円筒部(13)と、円筒部(13)の右端部に設けられた外向きフランジ部(14)とよりなる。
着磁体(12)は、樹脂ボンド磁石であり、一体射出成形によって、支持部材(11)のフランジ部(14)右側面全周にわたって固定されている。
着磁体(12)の外周に、断面逆L字状でフランジ部(14)の外周部に係合する外れ防止部(15)が設けられており、この外れ防止部(15)によって着磁体(12)が支持部材(11)から外れることが防止されている。
着磁体(12)とフランジ部(14)との間には、弾性層(17)が介在させられている。弾性層(17)は、薄いゴムシートとされ、着磁体(12)の側面とフランジ部(14)の側面との間だけでなく、フランジ部(14)の外周面と着磁体(12)の外れ防止部(15)との間にも設けられている。弾性層(17)は、着磁体(12)の変形量と支持部材(11)の変形量との違いを吸収し、これにより、外れ防止部(15)に発生する応力が小さくなっている。
図4は、第2の発明による着磁パルサリングの第2実施形態を示している。
図4において、着磁パルサリング(4)は、内輪に固定される支持部材(11)と、支持部材(11)に設けられた着磁体(12)とよりなる。
支持部材(11)は、内輪の外周に嵌め被せられる円筒部(13)と、円筒部(13)の右端部に設けられた外向きフランジ部(14)とよりなる。
着磁体(12)は、樹脂ボンド磁石であり、一体射出成形によって、支持部材(11)のフランジ部(14)右側面全周にわたって固定されている。
着磁体(12)の外周に、断面逆L字状でフランジ部(14)の外周部に係合する外れ防止部(15)が設けられており、この外れ防止部(15)によって着磁体(12)が支持部材(11)から外れることが防止されている。
着磁体(12)とフランジ部(14)との間には、弾性層(17)が介在させられている。弾性層(17)は、薄いゴムシートとされ、着磁体(12)の側面とフランジ部(14)の側面との間だけでなく、フランジ部(14)の外周面と着磁体(12)の外れ防止部(15)との間にも設けられている。弾性層(17)は、着磁体(12)の変形量と支持部材(11)の変形量との違いを吸収し、これにより、外れ防止部(15)に発生する応力が小さくなっている。
さらに、フランジ部(14)の右側面には、環状の凹所(16)が設けられている。凹所(16)の内径および外径は、着磁体(12)の内径および外径と同じとされており、その深さが弾性層(12)の厚みと同じにされて、弾性層(12)がこの凹所(16)内に嵌め入れられている。
第2実施形態の着磁パルサリング(4)の軸方向寸法は、第1実施形態の着磁パルサリング(3)の軸方向寸法と同じとされており、両者は、フランジ部(14)の側面に凹所(16)が設けられているかいないかにおいて相違している。したがって、凹所(16)が設けられている第2実施形態のものでは、弾性層(12)が設けられているにもかかわらず、着磁体(12)の厚みが第1の発明による第1実施形態の着磁パルサリング(1)と同じになっている。
図5は、第3の発明による着磁パルサリングの第1実施形態を示している。
図5において、着磁パルサリング(5)は、内輪に固定される支持部材(11)と、支持部材(11)に設けられた着磁体(12)とよりなる。
支持部材(11)は、内輪の外周に嵌め被せられる円筒部(13)と、円筒部(13)の右端部に設けられた外向きフランジ部(14)とよりなる。
着磁体(12)は、樹脂ボンド磁石であり、一体射出成形によって、支持部材(11)のフランジ部(14)右側面全周にわたって固定されている。
着磁体(12)の外周に、断面逆L字状でフランジ部(14)の外周部に係合する外れ防止部(15)が設けられており、この外れ防止部(15)によって着磁体(12)が支持部材(11)から外れることが防止されている。
支持部材(11)のフランジ部(14)は、その外周の右の角部が平坦な傾斜面(18)で面取りされている。これにより、外れ防止部(15)にかかる応力が分散されるとともに、外れ防止部(15)を厚肉とすることができ、外れ防止部(15)に発生する応力が小さくなっている。
図6は、第3の発明による着磁パルサリングの第2実施形態を示している。以下の説明において第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付してその説明を省略する。
この実施形態の着磁パルサリング(6)では、支持部材(11)のフランジ部(14)は、その外周の右の角部が曲面(19)で面取りされている。これにより、外れ防止部(15)にかかる応力が分散されるとともに、外れ防止部(15)を厚肉とすることができ、外れ防止部(15)に発生する応力が小さくなっている。
図7は、第3の発明による着磁パルサリングの第3実施形態を示している。以下の説明において第1実施形態と同じ構成には同じ符号を付してその説明を省略する。
この実施形態の着磁パルサリング(7)では、支持部材(11)のフランジ部(14)は、その外周の右の角部が平坦な傾斜面(18)で面取りされているのに加えて、その外周の左の角部も平坦な傾斜面(20)で面取りされている。これにより、外れ防止部(15)にかかる応力が分散されるとともに、外れ防止部(15)を厚肉とすることができ、外れ防止部(15)に発生する応力が小さくなっている。
なお、第3の発明において、着磁体(12)を構成する樹脂ボンド磁石に、線膨張率調整材が添加されているようにしてもよく、また、着磁体(12)とフランジ部(14)との間に弾性層(17)が介在させられていてもよく、上記の各実施形態を組み合わせて実施することにより、より信頼性の高い着磁パルサリングを得ることができる。
図8は、第4の発明による着磁パルサリングの第1実施形態を示している。
同図において、着磁パルサリング(8)は、内輪に固定される支持部材(11)と、支持部材(11)に設けられた着磁体(12)とよりなる。
支持部材(11)は、内輪の外周に嵌め被せられる円筒部(13)と、円筒部(13)の右端部に設けられた外向きフランジ部(14)とよりなる。
着磁体(12)は、樹脂ボンド磁石であり、接着剤層(21)によって、支持部材(11)のフランジ部(14)右側面全周にわたって固定されている。
フランジ部(14)の右側面には、環状の凹所(22)が設けられている。凹所(22)の寸法は、接着剤層(21)の寸法に対応させられており、接着剤層(21)全体がこの凹所(22)内に嵌め入れられている。着磁体(12)の厚みは、図2および図4に示したものと同等であり、図3に示したものに比べて磁力が大きいものとなっている。一方、上記の各実施形態で設けられていた外れ防止部(15)は、省略されており、接着剤層(21)によって、着磁体(12)が支持部材(11)から外れることが防止されている。
図9は、第5の発明による着磁パルサリングの第1実施形態を示している。
同図において、着磁パルサリング(9)は、内輪に固定される支持部材(11)と、支持部材(11)に設けられた着磁体(12)とよりなる。
支持部材(11)は、内輪の外周に嵌め被せられる円筒部(13)と、円筒部(13)の右端部に設けられた外向きフランジ部(14)とよりなる。
着磁体(12)は、樹脂ボンド磁石であり、着磁体(12)と支持部材(11)のフランジ部(14)との間に、ゴムからなる中間弾性層(17)が介在されている。図8の実施形態と同様、外れ防止部(15)は省略されている。
図10に詳しく示すように、中間弾性層(17)の両側には、接着剤層(23)(24)が形成されて3層構造とされており、これらの接着剤層(23)(24)によって、着磁体(12)が支持部材(11)から外れることが防止されている。支持部材(11)の外向きフランジ部(14)に接触している接着剤層(23)は、金属に相性のよい接着剤とされ、着磁体(12)に接触している接着剤層(24)は、樹脂に相性のよい接着剤とされている。接着剤層(23)(24)は、弾性層としても機能し、中間弾性層(17)および接着剤層(23)(24)の両方によって、支持部材(11)と着磁体(12)との線膨張率の差が吸収される。中間弾性層(17)は、ゴムからなるものに代えて、第3の接着剤層や樹脂層とすることもできる。
なお、図10に示す3層構造は、図3および図4に示した外れ防止部(15)有りの実施形態にも適用することができ、このようにすることで、支持部材(11)と着磁体(12)との線膨張率の差をより一層吸収できるとともに、支持部材(11)への着磁体(12)の固定をより一層強固なものとすることができる。
図1は、第1の発明による着磁パルサリングの第1実施形態を示す断面図である。 図2は、第1の発明による着磁パルサリングの第2実施形態を示す断面図である。 図3は、第2の発明による着磁パルサリングの第1実施形態を示す断面図である。 図4は、第2の発明による着磁パルサリングの第2実施形態を示す断面図である。 図5は、第3の発明による着磁パルサリングの第1実施形態を示す断面図である。 図6は、第3の発明による着磁パルサリングの第2実施形態を示す断面図である。 図7は、第3の発明による着磁パルサリングの第3実施形態を示す断面図である。 図8は、第4の発明による着磁パルサリングの第1実施形態を示す断面図である。 図9は、第5の発明による着磁パルサリングの第1実施形態を示す断面図である。 図10は、図9の要部拡大断面図である。 図11は、この発明による着磁パルサリングが適用されるセンサ付き転がり軸受装置の1例を示す断面図である。 図12は、この発明による着磁パルサリングが適用されるセンサ付き転がり軸受装置の他の例を示す断面図である。
符号の説明
(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9) 着磁パルサリング
(11) 支持部材
(12) 着磁体
(13) 円筒部
(14) フランジ部
(15) 外れ防止部
(16) 環状凹所
(17) 弾性層
(18)(19)(20) 面取り
(21) 接着剤層
(22) 環状凹所
(23)(24) 接着剤層

Claims (5)

  1. 円筒部および円筒部の一端に設けられたフランジ部よりなる支持部材と、支持部材のフランジ部に設けられた円板状着磁体とよりなる着磁パルサリングにおいて、着磁体は、ボンド磁石であり、その外周にフランジ部の外周部に係合する外れ防止部が形成されるように、一体射出成形により支持部材に固定されており、着磁体とフランジ部との間に、弾性層が介在させられ、フランジ部の側面に、弾性層の厚みに相当する深さの凹所が設けられていることを特徴とする着磁パルサリング。
  2. 円筒部および円筒部の一端に設けられたフランジ部よりなる支持部材と、支持部材のフランジ部に設けられた円板状着磁体とよりなる着磁パルサリングにおいて、着磁体は、ボンド磁石であり、その外周にフランジ部の外周部に係合する外れ防止部が形成されるように、一体射出成形により支持部材に固定されており、フランジ部の角部が面取りされ、フランジ部の側面に環状の凹所が設けられ、着磁体の一方の側面が凹所内に嵌め入れられていることを特徴とする着磁パルサリング。
  3. 支持部材およびこれに支持された着磁体よりなる着磁パルサリングにおいて、着磁体は、ボンド磁石であり、接着剤層を介して支持部材に固定されており、支持部材に、接着剤層を納めるための環状の凹所が形成されていることを特徴とする着磁パルサリング。
  4. 支持部材に接着される第1接着剤層、着磁体に接着される第2接着剤層、および両接着剤層間に介在される弾性層を有していることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の着磁パルサリング。
  5. 着磁体に、着磁体の線膨張率を支持部材の線膨張率に近づける線膨張率調整材が添加されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の着磁パルサリング。
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