JP2009250609A - 着磁パルサリング、及びこれを用いたセンサ付き転がり軸受装置 - Google Patents

着磁パルサリング、及びこれを用いたセンサ付き転がり軸受装置 Download PDF

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康彦 石井
Satoru Murao
悟 村尾
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Abstract

【課題】 環状磁石に破損や脱落が生じるのを防止することができる着磁パルサリング、及びこれを用いたセンサ付き転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】 本発明の着磁パルサリング11は、環状磁石12と、フランジ部22を有する支持部材20と、環状磁石12をフランジ部22に固定する固定部材30とを備えている。固定部材30は、弾性材料により形成されるとともに、フランジ部22の一端面22a側に突設され環状磁石12の内周面12cを保持している保持部31と、保持部31の基端部から径方向外側に延び、弾性接着剤からなる接着剤層40とともにフランジ部22と環状磁石12との間に介在している環状壁35と、保持部31の先端から径方向外側に突設されてフランジ部22の一端面22aに当接している止定部32とを有している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、回転体の回転数などの検出に用いられる着磁パルサリング、及びこの着磁パルサリングを用いたセンサ付き転がり軸受装置に関する。
自動車などの車輪を支持する転がり軸受装置には、アンチロックブレーキシステム等を制御するために、当該車輪の回転速度を検出するためのセンサ装置が組み込まれたものがある。このようなセンサ付きの転がり軸受装置は、内軸(回転輪)側に固定された着磁パルサリングと、この着磁パルサリングに対向配置される磁気センサとを有しており、前記磁気センサが前記着磁パルサリングの回転による磁気変化を検知することで車輪の回転速度を検出できるように構成されている。
上記着磁パルサリングは、一般に、前記磁気センサの検知対象となる環状の永久磁石と、前記永久磁石を支持する金属製の支持部材とを有しており、前記永久磁石は、前記支持部材に対して接着剤等で直接的に固定されたり、支持部材の一部をかしめることで当該支持部材に固定されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−37441号公報
上記永久磁石には、通常、プラスチック磁石や焼結磁石等といった脆性の高い材料により形成されたものが用いられており、永久磁石と支持部材との間で熱膨張係数が大きく異なる場合には、温度変化等に起因して、永久磁石と支持部材との間の変形量に差が生じる。このような場合、上記従来例のように永久磁石を支持部材に対して接着剤でのみ直接的に固定したり、支持部材をかしめて固定していると、前記変形量の差によって永久磁石に過大な変形応力が作用し、使用環境によっては、当該永久磁石が支持部材から剥がれて脱落したり、永久磁石に破損が生じるおそれがあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、温度変化に伴って永久磁石が膨縮したとしても、当該永久磁石に破損や脱落が生じるのを防止することができる着磁パルサリング、及びこれを用いたセンサ付き転がり軸受装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明である着磁パルサリングは、多数の磁極が周方向に所定間隔で配列された環状の永久磁石と、フランジ部を有し、回転体に一体回転可能に固定される環状の支持部材と、前記永久磁石の一端面が当該永久磁石の磁気を検知するセンサに対向するように前記永久磁石を前記フランジ部の一端面に固定する固定部材と、前記フランジ部の一端面における外周側と、前記永久磁石の他端面における外周側との間に介在し両者を接着する弾性接着剤からなる接着剤層と、を備え、前記固定部材は、弾性材料により形成されているとともに、前記フランジ部の一端面側に突設され前記永久磁石の内周面を保持している保持部と、この保持部の基端部から前記フランジ部の一端面に沿って径方向外側に延び、径方向先端が前記接着剤層と密着した状態で、前記フランジ部の一端面における内周側と、前記永久磁石の他端面における内周側との間に介在している環状壁と、前記保持部の先端から径方向外側に突設され前記永久磁石の一端面の内周側端縁に当接することで、前記永久磁石が前記フランジ部に対して離間するのを防止する止定部と、を備えていることを特徴としている。
上記のように構成された着磁パルサリングによれば、固定部材の保持部によって永久磁石の内周面を保持するとともに、止定部によって永久磁石がフランジ部に対して離間するのを防止できるので、永久磁石が支持部材に対して径方向及び軸方向に移動するのを規制することができる。また、固定部材は、弾性材料によって形成されているので、永久磁石は、支持部材に対して弾性的に固定される。さらに永久磁石は、フランジ部との間に環状壁及び弾性接着剤からなる接着剤層を介在しておりかつ、接着剤層によってフランジ部に対して接着されているので、支持部材に対して弾性的に接着固定される。
このため、永久磁石及び支持部材が温度変化に伴って膨張収縮変形したとしても、両者の間に生じる変形量の差を許容することができ、永久磁石に過大な変形応力が作用するのを抑制しつつ、永久磁石を支持部材に固定することができる。
以上のように、永久磁石は、弾性接着剤による接着、及び固定部材による保持といった異なる二つの方法によって重畳的に固定されているので、支持部材に対してより確実に固定される。この結果、温度変化に伴って永久磁石が膨縮したとしても、当該永久磁石が支持部材から脱落したり破損するのを防止できる。
前記支持部材は、前記フランジ部から軸方向に延びて前記回転体に外嵌される円筒部を有しており、前記固定部材は、前記保持部の基端部から前記円筒部の内周面に沿って延びる内筒部を有していることが好ましい。
この場合、着磁パルサリングを回転体に固定する際、当該着磁パルサリングと、回転体との間に弾性材料からなる内筒部を介在させることができるので、着磁パルサリングと回転体との間の密着性を高めることができる。このため、両者の間に水分や異物が混入するのを防止でき、着磁パルサリングを回転体に対して長期に渡って確実に固定することができる。
また、着磁パルサリングの支持部材を回転体とこれに対応する固定体との間の密封装置の一部として用いた場合、密封装置としての支持部材と回転部材との間の密着性が高められることで、両者の間から水分や異物が混入するのを防止でき、当該密封装置の密封性を高めることができる。
また本発明は、固定輪及び回転輪と、これらの間に転動自在に配置された転動体と、前記回転輪に一体回転可能に固定された着磁パルサリングと、前記着磁パルサリングの磁気を検出することによって前記回転輪の回転状態を検出する磁気センサと、を備えているセンサ付き転がり軸受装置において、前記着磁パルサリングは、上述の着磁パルサリングであることを特徴としている。
上記のように構成されたセンサ付き転がり軸受装置によれば、上述のように、着磁パルサリングにおける永久磁石を弾性材料からなる固定部材によって保持固定するとともに接着剤層によって接着固定したので、温度変化に伴って永久磁石が膨縮したとしても、当該永久磁石が脱落したり破損するのを防止できる。
本発明の着磁パルサリング、及びこれを用いたセンサ付き転がり軸受装置によれば、温度変化に伴って永久磁石が膨縮したとしても、当該永久磁石に破損や脱落が生じるのを防止することができる。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第一の実施形態に係る着磁パルサリングが適用されたセンサ付き転がり軸受装置の構成を示す断面図である。このセンサ付き転がり軸受装置1は、自動車など車両の駆動輪を懸架装置に対して回転自在に支持するものである。
図1において、センサ付き転がり軸受装置1は、複列のアンギュラ玉軸受を構成しており、図示しない駆動輪が取り付けられるフランジ部2aを有する内軸2と、内軸2の外周側に同心に配置された外輪3と、内軸2と外輪3の間に介在した転動体としての複数の玉4と、これら玉4を周方向に等配に保持する保持器5と、内軸2及び外輪3の間における環状空間の両端開口を密封するシール部材6,7と、シール部材7に対向するように配置された磁気センサSとを備えている。
外輪3は、車両側に固定される固定輪であり、外周面には車両の懸架装置に取り付けるための取付フランジ3aが形成されている。また、その内周面には玉4が転動する複列の外輪軌道3bが形成されている。
内軸2は、前記駆動輪が取り付けられる車軸であるとともに、当該センサ付き転がり軸受装置1の回転輪を構成しており、フランジ部2aが形成された内軸本体8と、この内軸本体8の車両内側(図1中紙面右側)他端に嵌合固定された円環状の内輪部材9とを備えている。
内軸2に形成されたフランジ部2aには、前記車輪を当該フランジ部2aに固定するための複数のハブボルト2a1が固定されている。また、内軸2の外周面には、複列の外輪軌道3bに対向して複列の内輪軌道2bが形成されており、複数の玉4は、内輪軌道2b及び外輪軌道3bとの間に転動自在に配置されている。
また、内軸2には、軸方向に貫通する貫通孔2cが設けられており、この貫通孔2cには、前記駆動輪を駆動するためのドライブシャフトDが挿入されている。ドライブシャフトDと、内軸2とは、貫通孔2cの内周面及びドライブシャフトDの外周面それぞれに形成されたスプライン溝によってスプライン嵌合されるとともに、当該ドライブシャフトDの先端に取り付けられたナットd1を締め付けることで、一体回転可能に固定されている。
上記構成によって、センサ付き転がり軸受装置1は、内軸2を外輪3に対して回転自在に支持しており、内軸2に固定される駆動輪を回転自在に支持する。
シール部材7は、外輪3の他端部側の内周面3cに内嵌固定された円環状の芯金10と、この芯金10に対向するように内輪部材9に一体回転可能に固定された円環状の着磁パルサリング11と、を有している。
芯金10は、SUS430,SECC,SPCC,SPCD,SPCE等の冷延鋼板をプレス加工することによって形成されており、その内周端部には、当該芯金10と着磁パルサリング11との間をシールするシールリング10aが加硫接着等によって固定されている。
着磁パルサリング11は、多数の磁極が周方向に所定間隔で配列された永久磁石である環状磁石12と、環状の支持部材20と、環状磁石12を支持部材20に固定するための固定部材30とを備えている。
支持部材20は、芯金10と同様、SUS430,SECC,SPCC,SPCD,SPCE等の冷延鋼板をプレス加工することによって円環状に形成された部材であり、内輪部材9の外周面に外嵌固定されることで内軸2に対して一体回転可能に固定されている。従って、この支持部材20に一体回転可能に固定された環状磁石12においても、内軸2に対して一体回転可能である。なお、支持部材20に対する環状磁石12の固定の態様については、後に詳述する。
また、支持部材20の外周面は、シールリング10aが摺接するように構成されており、支持部材20は、シール部材7におけるスリンガとしての機能を兼ね備えている。
環状磁石12は、プラスチック磁石を用いて円環状に形成されており、N極とS極とが周方向に沿って交互に所定間隔で配列されるように着磁されることで、多数の磁極が周方向に所定間隔で配列されている。
磁気センサSは、環状磁石12の一端面12aに対して僅かな隙間を置いて対向するように配置されている。このため、内軸2と一体回転する着磁パルサリング11は、磁気センサSに対して、内軸2の回転に応じて磁極を変化させることができる。
磁気センサSは、磁気変化を検知するセンサであり、当該センサ付き転がり軸受装置1が搭載される車両の制御装置に接続されており、検知した磁気変化についての検知信号を前記制御装置に出力するように構成されている。磁気センサSは、内軸2の回転に応じて変化する着磁パルサリング11の磁極の変化を検知し、その検知信号を前記車両の制御装置に出力する。前記制御装置は、磁気センサSの検知信号に基づいて、内軸2の回転速度を認識し、前記車両のアンチロックブレーキシステム等の制御に反映することができる。
次に、支持部材20に対する環状磁石12の固定の態様について説明する。
図2は、着磁パルサリング11のみを拡大して示した断面図である。
図において、支持部材20は、内輪部材9に外嵌固定された円筒部21と、この円筒部21の一端部から径外方向に延びるとともに環状磁石12が固定されたフランジ部22とを有している。フランジ部22には、上述の固定部材30及び環状磁石12が固定されている。
着磁パルサリング11は、環状磁石12とフランジ部22との間に設けられ両者を接着する弾性接着剤の硬化物よりなる接着剤層40をさらに有している。この接着剤層40は、フランジ部22の一端面22aにおける外周側と、環状磁石12の他端面12bにおける外周側との間に介在することで環状に形成されており、その外周面40aが、環状磁石12及びフランジ部22の外周面とほぼ同じとなるように形成されるとともに、内周面40bが、後述する固定部材30の有する環状壁35の外周面35aに密着した状態で形成されている。上記弾性接着剤としては、ゴム等のエラストマーをベースとした接着剤が用いられており、その硬化物は弾性を有している。
環状磁石12は、フランジ部22の外径とほぼ同じ外径で円環状に形成されており、接着剤層40、及び環状壁35を介在した状態でフランジ部22に重ね合わせるようにして支持部材20に固定されている。
固定部材30は、ゴム等の弾性材料を用い、支持部材20に対して、インサート成形によって加硫接着することで支持部材20に固定した状態で一体に形成されており、環状磁石12の一端面12aが磁気センサSに対向するように当該環状磁石12をフランジ部22の一端面22a側に固定している。
固定部材30は、フランジ部22一端面22a側の内周側端部に突設されるとともに環状磁石12の内周面12cを当接保持する保持部31と、この保持部31の先端から径方向外側に突設され環状磁石12の一端面12aの内周側端縁に当接する環状の止定部32とを有している。
また固定部材30は、さらに、保持部31の基端部からフランジ部22の一端面22aに沿って径方向外側に延びるように形成され、フランジ部22の一端面22aにおける内周側と、環状磁石12の他端面12bにおける内周側との間に介在している環状壁35を有している。
環状壁35は、径方向に所定寸法だけ延ばされ、その径方向先端である外周面35aが接着剤層40の内周面40bと密着している。なお、この環状壁35の径方向の寸法は、接着剤層40の径方向の寸法幅を十分確保しつつ、自身がフランジ部22と止定部32との間で環状磁石12とともに挟持されうる程度の接触面積を確保できるように設定される。このようにして、環状壁35は、接着剤層40とともにフランジ部22と環状磁石12との間に介在している。
また、環状壁35は、フランジ部22と環状磁石12との間に介在することで、フランジ部22に対する環状磁石12の軸方向位置を規定し、接着剤層40の厚さを一定に保持することができる。これにより、環状磁石12がフランジ部22に対して傾斜することはない。
なお、保持部31、及び環状壁35は、当該固定部材30の形成時に、それぞれフランジ部22に対して接着固定されている。
保持部31は、環状磁石12の内周面12cを当接保持することで、環状磁石12がフランジ部22に対して径方向に移動するのを規制している。また、止定部32は、環状磁石12の一端面12aの内周側端縁に当接することで、フランジ部22に対して環状磁石12が離間するのを防止し、当該環状磁石12とフランジ部22の一端面22aとの間で環状壁35及び接着剤層40を介在した状態で保持しており、環状磁石12が軸方向に移動するのを規制している。
このように、本実施形態の着磁パルサリング11では、環状磁石12をフランジ部22に固定するために、接着剤層40による接着に加えて、環状磁石12を固定部材30により保持固定するように構成されている。
環状磁石12を上記固定部材30を介して支持部材20に固定する場合、支持部材20に形成された固定部材30の保持部31及び止定部32を径方向に縮径するように変形させた後、環状磁石12に止定部32を通過させる。その後、環状磁石12を環状壁35に当接させた状態で保持部31に保持させることで環状磁石12を固定部材30に嵌め込むことができる。
この場合、保持部31、及び止定部32には、径方向への拡張変形を容易とするために、保持部31、及び止定部32を径方向に分割するスリットを複数箇所設けてもよい。
なお、接着剤層40については、環状磁石12を固定部材30に嵌め込む前にフランジ部22の一端面22a及び環状磁石12の他端面12bに弾性接着剤を予め塗布することで形成することができるし、環状磁石12を固定部材30に嵌め込んだ後、フランジ部22の一端面22aと環状磁石12の他端面12bとの間に、弾性接着剤を充填することで形成することもできる。
なお、固定部材30は、環状磁石12の一端面12aの内周側端縁にのみ当接する止定部32によって、環状磁石12を固定しているので、磁気センサSに対して環状磁石12の一端面12aを広範囲に渡って露出させることができる。このため、例えば、一端面22aの全体を覆う部材等で環状磁石12を固定した場合と比較して、磁気センサSに対する磁気の低下を抑えることができ、当該磁気センサSの精度低下を防止することができる。
上記のように構成された本実施形態の着磁パルサリング11によれば、固定部材30の保持部31によって環状磁石12の内周面12cを保持するとともに、止定部32によって環状磁石12がフランジ部22に対して離間するのを防止できるので、環状磁石12が支持部材20に対して径方向及び軸方向に移動するのを規制することができる。また、固定部材30は、弾性材料によって形成されているので、環状磁石12は、支持部材20に対して弾性的に固定される。さらに環状磁石12は、フランジ部22との間に環状壁35及び接着剤層40を介在しておりかつ、接着剤層40によってフランジ部22に対して接着されているので、支持部材20に対して弾性的に接着固定される。
このため、環状磁石12及び支持部材20が温度変化に伴って膨張収縮変形したとしても、両者の間に生じる変形量の差を許容することができ、環状磁石12に過大な変形応力が作用するのを抑制しつつ、環状磁石12を支持部材20に固定することができる。
以上のように、環状磁石12は、接着剤層40による接着、及び固定部材30による保持といった異なる二つの方法によって重畳的に固定されているので、支持部材20に対してより確実に固定される。この結果、温度変化に伴って環状磁石12が膨縮したとしても、当該環状磁石12が支持部材20から脱落したり破損するのを防止できる。
また、上記実施形態において、保持部31はフランジ部22の一端面22aに対して加硫接着によって突設され、かつ環状壁35は、外周面35aが接着剤層40の内周面40bに密着するように形成されているので、フランジ部22と、環状磁石12との間に水分や異物等が混入するのを防止することができ、異物等によって環状磁石12が支持部材20から脱落するのも防止することができる。
固定部材30を形成する弾性材料としては、例えば、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、シリコンゴム、ウレタンゴム(U)等を用いることができる。また、本実施形態における固定部材30は、上記に例示するような弾性材料を用い、インサート成形によって加硫接着することで支持部材20に対して一体的に形成固定されており、この場合、固定部材30の形成と、当該固定部材30の支持部材20への固定とを同時に行うことができ、製造コストの面で有利となる。
なお、固定部材30を構成する弾性材料としては、ゴムに限定するものではなく、その他の軟質樹脂を採用することもできる。
また、環状磁石12を構成しているプラスチック磁石としては、フェライト系の磁性粉末や、ネオジウムやサマリウム等の希土類系の磁性粉末を、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂やポリアミド(PA)樹脂等の樹脂材料に混合した後、所定の形状に形成したものを用いることができる。さらに、環状磁石12は、プラスチック磁石を用いたものに限定するものではなく、例えば、Ne−Fe−B系焼結磁石等といったような焼結磁石を用いることもできる。
図3は、本発明の第二の実施形態に係る着磁パルサリング11の断面図である。本実施形態と第一の実施形態との主な相違点は、固定部材30が、内輪部材9と、支持部材20の円筒部21との間に介在する内筒部36を有している点である。その他の構成については、第一の実施形態と同様であるので説明を省略する。
図3において、内筒部36は、保持部31の基端部から円筒部21の内周面21aに沿って延びるように一体的に形成されることで、内輪部材9の外周面9aと、円筒部21の内周面21aとの間に介在している。すなわち、支持部材20の円筒部21は、外周面9aとの間に内筒部36を介在した状態で内輪部材9に圧入されている。
この場合、着磁パルサリング11と、内輪部材9との間に弾性部材からなる内筒部36を介在させることで、着磁パルサリング11の円筒部21と内輪部材9との間の密着性を高めることができる。このため、両者の間に水分や異物が混入するのを防止でき、着磁パルサリング11を内輪部材9に対して長期に渡って確実に固定することができる。
また、本実施形態において、着磁パルサリング11の支持部材20の外周面20aは、シールリング10a(図1参照)が摺接するように構成されており、支持部材20は、内軸2及び外輪3の間における環状空間の開口を密封するシール部材7(図1参照)におけるスリンガとしての機能を兼ね備えることで、シール部材7の一部を構成している。そして、この場合、シール部材7の一部としての支持部材20と内輪部材9との密着性が高められることで、両者の間から水分や異物が混入するのを防止でき、当該シール部材7の密封性を高めることができる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態では、止定部32を環状に形成した場合を例示したが、例えば、止定部32を所定の円弧寸法で形成し、これを保持部31に対して周方向に所定の間隔を空けて複数個配置した構成とすることもできる。この場合、止定部32の径方向への縮径変形をより容易にすることができ、環状磁石12の固定部材30への嵌め込み固定をより容易にできる。
本発明の第一の実施形態に係る着磁パルサリングが適用されたセンサ付き転がり軸受装置の構成を示す断面図である。 着磁パルサリングのみを拡大して示した断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る着磁パルサリングの断面図である。
符号の説明
1 センサ付き転がり軸受装置
2 内軸(回転輪)
3 外輪(固定輪)
4 玉(転動体)
11 着磁パルサリング
12 環状磁石(永久磁石)
12a 一端面
12b 他端面
12c 内周面
20 支持部材
21 円筒部
21a 内周面
22 フランジ部
22a 一端面
30 固定部材
31 保持部
32 止定部
35 環状壁
36 内筒部
40 接着剤層
S 磁気センサ

Claims (3)

  1. 多数の磁極が周方向に所定間隔で配列された環状の永久磁石と、
    フランジ部を有し、回転体に一体回転可能に固定される環状の支持部材と、
    前記永久磁石の一端面が当該永久磁石の磁気を検知するセンサに対向するように前記永久磁石を前記フランジ部の一端面に固定する固定部材と、
    前記フランジ部の一端面における外周側と、前記永久磁石の他端面における外周側との間に介在し両者を接着する弾性接着剤からなる接着剤層と、を備え、
    前記固定部材は、弾性材料により形成されているとともに、
    前記フランジ部の一端面側に突設され前記永久磁石の内周面を保持している保持部と、
    この保持部の基端部から前記フランジ部の一端面に沿って径方向外側に延び、径方向先端が前記接着剤層と密着した状態で、前記フランジ部の一端面における内周側と、前記永久磁石の他端面における内周側との間に介在している環状壁と、
    前記保持部の先端から径方向外側に突設され前記永久磁石の一端面の内周側端縁に当接することで、前記永久磁石が前記フランジ部に対して離間するのを防止する止定部と、を備えていることを特徴とする着磁パルサリング。
  2. 前記支持部材は、前記フランジ部から軸方向に延びて前記回転体に外嵌される円筒部を有しており、
    前記固定部材は、前記保持部の基端部から前記円筒部の内周面に沿って延びる内筒部を有している請求項1に記載の着磁パルサリング。
  3. 固定輪及び回転輪と、
    これらの間に転動自在に配置された転動体と、
    前記回転輪に一体回転可能に固定された着磁パルサリングと、
    前記着磁パルサリングの磁気を検出することによって前記回転輪の回転状態を検出する磁気センサと、を備えているセンサ付き転がり軸受装置において、
    前記着磁パルサリングは、請求項1に記載の着磁パルサリングであることを特徴するセンサ付き転がり軸受装置。
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