JP2009257410A - 着磁パルサリング、及びこれを用いたセンサ付き転がり軸受装置 - Google Patents

着磁パルサリング、及びこれを用いたセンサ付き転がり軸受装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 製造コストを抑えつつ磁気センサの検知精度をより長期に渡って安定して維持することができる着磁パルサリング、及びこれを用いたセンサ付き転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】 本発明の着磁パルサリング11は、フランジ部22を有する環状の支持部材20と、フランジ部22の一端面22aに固定されている環状磁石12と、環状磁石12の被検知面12aを覆うカバー部材30と、カバー部材30の内周端部30aとフランジ部30との間を密封するシール部材35とを有している。カバー部材30は、環状磁石12に当接している環状の覆部31と、環状磁石12外周面及びフランジ部22の外周面を覆うように覆部31の外周端部から延び、その内周側に突設された弾性的に拡径可能な突起33をフランジ部22の他端面22b側の端部に当接係合することでカバー部材30をフランジ部22に固定している筒状の固定部32とを有している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、回転体の回転数などの検出に用いられる着磁パルサリング、及びこの着磁パルサリングを用いたセンサ付き転がり軸受装置に関する。
自動車などの車輪を支持する転がり軸受装置には、アンチロックブレーキシステム等を制御するために、当該車輪の回転速度を検出するためのセンサ装置が組み込まれたものがある。このようなセンサ付きの転がり軸受装置は、内軸(回転輪)側に固定された着磁パルサリングと、この着磁パルサリングに対向配置される磁気センサとを有しており、前記磁気センサが前記着磁パルサリングによる回転に応じた磁気変化を検知することで車輪の回転速度を検出できるように構成されている。
上記着磁パルサリングは、回転に応じた磁気変化を生じさせるための環状の永久磁石を有しており、この永久磁石を磁気センサに対向させている。永久磁石の被検知面は、磁気センサに磁気を検知させるために、外部に露出した状態とされており、外部で飛散する塵埃等に曝されることによって被検出面に損傷や磨耗が生じるという問題があった。このように、被検出面に損傷等が生じると、その磁気特性に変化が生じ、センサの磁気検知精度を低下させてしまう。
このため、前記被検知面を覆うことで外部環境から永久磁石を保護するカバー部材を備えることで、当該永久磁石に損傷等が生じるのを防止し、長期に渡って磁気センサの検知精度を維持させることができる着磁パルサリングが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−240007号公報
上記従来例の着磁パルサリングにおいて、カバー部材は、永久磁石の外周面及び当該永久磁石を支持する支持部材の外周面を覆う筒状の周縁片を径方向内側にかしめることで前記支持部材に固定されていた。
このため、上記着磁パルサリングでは、支持部材に固定された永久磁石にカバー部材を取り付けてかしめる必要があり、その製造工程が煩雑であるとともに、カバー部材をかしめるための専用のかしめ設備が必要となり、製造コストが嵩むという問題があった。
また、上記着磁パルサリングのカバー部材は、前記周縁片をかしめるだけなので、このカバー部材と永久磁石との間に水分等が侵入し、例えば、侵入した水分が氷結して膨張した場合には、カバー部材が永久磁石から離間するように変形し、磁気センサと干渉することで当該センサの検知精度を低下させるという問題も有していた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、製造コストを抑えつつ磁気センサの検知精度をより長期に渡って安定して維持することができる着磁パルサリング、及びこれを用いたセンサ付き転がり軸受装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明である着磁パルサリングは、フランジ部を有する環状の支持部材と、前記フランジ部の一端面に固定されているとともに、多数の磁極が周方向に所定間隔で配列されその一端面が被検知面とされている環状の永久磁石と、前記永久磁石の被検知面を覆うカバー部材と、前記カバー部材の内周端部と前記フランジ部との間を密封する密封手段と、を有し、前記カバー部材は、前記永久磁石の被検知面に当接している環状の覆部と、前記覆部の外周端部から延びて前記永久磁石の外周面及びフランジ部の外周面を覆っているとともに、内周側に突設された弾性的に拡径可能な突起を前記フランジ部の他端面側の端部に当接係合することで当該カバー部材を前記フランジ部に固定している筒状の固定部と、を有していることを特徴としている。
上記のように構成された着磁パルサリングにおいて、カバー部材をフランジ部に固定するには、突起を弾性的に拡径させつつ固定部を被検出面側から永久磁石及びフランジ部に外嵌する。そして、突起が永久磁石及びフランジ部の外周面を通過すれば、突起は弾性的に復元することでフランジ部の他端面側に当接係合し、カバー部材は、フランジ部に固定される。このように、本発明によれば、上記従来例のようにカバー部材をかしめることなく、前記突起が設けられた固定部によって、当該カバー部材を容易に固定することができるので、製造工程を容易なものとし、かつ専用のかしめ設備も必要としない。この結果、カバー部材によって永久磁石の損傷を防止し磁気センサの検知精度を長期に渡って維持できる着磁パルサリングを低コストで得ることができる。
また、本発明では、カバー部材の内周端部と前記フランジ部との間を密封する密封手段を有しているので、遠心力の作用等によって当該着磁パルサリングの内周側からカバー部材とフランジ部との間に侵入しようとする水分等を遮蔽することができる。これにより、永久磁石の損傷等を防止するためのカバー部材が、侵入した水分の氷結等によって変形し、磁気センサの検知精度を低下させてしまうことを防止できる。
以上のように、本発明の着磁パルサリングによれば、製造コストを抑えつつ磁気センサの検知精度をより長期に渡って安定して維持することができる。
また、前記固定部は、その端部に固定された弾性材料よりなる環状部材を有し、前記突起は、前記環状部材に設けられているとともに、前記環状部材の周方向に沿って環状に形成されて前記フランジ部の他端面側の端部全周に渡って当接していることが好ましい。
この場合、弾性材料よりなる環状部材に設けられた突起は、フランジ部の他端面側の端部全周に渡って当接しているので、フランジ部の外周側とカバー部材の固定部との間を密封することができる。これにより、カバー部材とフランジ部との間に水分が侵入するのをより効果的に防止することができる。
また、上記着磁パルサリングにおいて、前記密封手段は、前記カバー部材の内周端部に固定され、当該着磁パルサリングが外嵌固定される回転部材の外周面に対して密接する環状のシール部材であることが好ましい。
この場合、カバー部材をフランジ部に固定すると同時に、シール部材を回転部材の外周面に嵌めることができ、これにより回転部材とカバー部材との間を密封し、フランジ部とカバー部材の内周端部との間を密封することができる。このため、フランジ部とカバー部材の内周端部との間を容易かつ確実に密封することができる。
前記密封手段は、前記カバー部材の内周端部と前記フランジ部の内周端部との間に充填したシール剤を硬化させたシール層であってもよい。
この場合、カバー部材の内周端部とフランジ部の内周端部との間をより簡易な方法によって密封することができる。
また、本発明は、フランジ部を有する環状の支持部材と、前記フランジ部の一端面に固定されているとともに、多数の磁極が周方向に所定間隔で配列されその一端面が被検知面とされている環状の永久磁石と、弾性材料により形成されているとともに、前記フランジ部の外周面及び前記永久磁石の外周面を保持している筒状の保持部と、前記永久磁石の被検知面を覆う環状のカバー部材と、を有し、前記カバー部材は、前記永久磁石の被検知面に当接している環状の覆部と、前記覆部の内周端部から延び、前記支持部材の内周面に内嵌された内筒部と、前記覆部の外周端部から延び、前記保持部の外周面に外嵌された外筒部と、を有していることを特徴としている。
上記のように構成された着磁パルサリングにおいて、カバー部材の外筒部を、フランジ部に固定され永久磁石を保持した保持部の外周面に外嵌させつつ、内筒部を支持部材の内周面に内嵌させることで、カバー部材を支持部材に固定することができる。このように、本発明によれば、上記従来例のように、カバー部材をかしめることなく、両筒部を支持部材に嵌合させることでカバー部材を固定できるので、製造工程を容易なものとし、かつ専用のかしめ設備も必要としない。この結果、カバー部材によって永久磁石の損傷を防止し磁気センサの検知精度を長期に渡って維持できる着磁パルサリングを低コストで得ることができる。
また、本発明では、カバー部材の内周側と支持部材との間は、嵌合固定されるとともに、カバー部材の外周側と支持部材との間は、弾性材料からなる保持部が介在しているので、カバー部材とフランジ部との間に侵入しようとする水分等を遮蔽することができる。これにより、永久磁石の損傷等を防止するためのカバー部材が、内部に侵入した水分の氷結等によって変形し、磁気センサの検知精度を低下させてしまうことを防止できる。
以上のように、本発明の着磁パルサリングによれば、製造コストを抑えつつ磁気センサの検知精度をより長期に渡って安定して維持することができる。
また本発明は、固定輪及び回転輪と、これらの間に転動自在に配置された転動体と、前記回転輪に一体回転可能に固定された着磁パルサリングと、前記着磁パルサリングの磁気を検出することによって前記回転輪の回転状態を検出する磁気センサと、を備えているセンサ付き転がり軸受装置において、前記着磁パルサリングは、上述の着磁パルサリングであることを特徴としている。
上記のように構成されたセンサ付き転がり軸受装置によれば、上述のように、製造コストを抑えつつ磁気センサの検知精度をより長期に渡って安定して維持することができる。
本発明の着磁パルサリング、及びこれを用いたセンサ付き転がり軸受装置によれば、製造コストを抑えつつ磁気センサの検知精度をより長期に渡って安定して維持することができる。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第一の実施形態に係る着磁パルサリングが適用されたセンサ付き転がり軸受装置の構成を示す断面図である。このセンサ付き転がり軸受装置1は、自動車など車両の駆動輪を懸架装置に対して回転自在に支持するものである。
図1において、センサ付き転がり軸受装置1は、複列のアンギュラ玉軸受を構成しており、図示しない駆動輪が取り付けられるフランジ部2aを有する内軸2と、内軸2の外周側に同心に配置された外輪3と、内軸2と外輪3の間に介在した転動体としての複数の玉4と、これら玉4を周方向に等配に保持する保持器5と、内軸2及び外輪3の間における環状空間の両端開口を密封する密封装置6,7と、密封装置7に対向するように配置された磁気センサSとを備えている。
外輪3は、車両側に固定される固定輪であり、外周面には車両の懸架装置に取り付けるための取付フランジ3aが形成されている。また、その内周面には玉4が転動する複列の外輪軌道3bが形成されている。
内軸2は、前記駆動輪が取り付けられる車軸であるとともに、当該センサ付き転がり軸受装置1の回転輪を構成しており、フランジ部2aが形成された内軸本体8と、この内軸本体8の車両内側(図1中紙面右側)他端に嵌合固定された円環状の内輪部材9とを備えている。
内軸2に形成されたフランジ部2aには、前記車輪を当該フランジ部2aに固定するための複数のハブボルト2a1が固定されている。また、内軸2の外周面には、複列の外輪軌道3bに対向して複列の内輪軌道2bが形成されており、複数の玉4は、内輪軌道2b及び外輪軌道3bとの間に転動自在に配置されている。
また、内軸2には、軸方向に貫通する貫通孔2cが設けられており、この貫通孔2cには、前記駆動輪を駆動するためのドライブシャフトDが挿入されている。ドライブシャフトDと、内軸2とは、貫通孔2cの内周面及びドライブシャフトDの外周面それぞれに形成されたスプライン溝によってスプライン嵌合されるとともに、当該ドライブシャフトDの先端に取り付けられたナットd1を締め付けることで、一体回転可能に固定されている。
上記構成によって、センサ付き転がり軸受装置1は、内軸2を外輪3に対して回転自在に支持しており、内軸2に固定される駆動輪を回転自在に支持する。
密封装置7は、外輪3の他端部側の内周面3cに内嵌固定された円環状の芯金10と、この芯金10に対向するように内輪部材9に一体回転可能に固定された円環状の着磁パルサリング11と、を有している。
芯金10は、SUS430,SECC,SPCC,SPCD,SPCE等の冷延鋼板をプレス加工することによって形成されており、その内周端部には、当該芯金10と着磁パルサリング11との間をシールするシールリング10aが加硫接着等によって固定されている。
着磁パルサリング11は、多数の磁極が周方向に所定間隔で配列された永久磁石である環状磁石12と、環状の支持部材20と、環状磁石12を保護するためのカバー部材30とを備えている。
環状磁石12は、プラスチック磁石を用いて円環状に形成されており、N極とS極とが周方向に沿って交互に所定間隔で配列されるように着磁されることで、多数の磁極が周方向に所定間隔で配列されている。
支持部材20は、芯金10と同様、SUS430,SECC,SPCC,SPCD,SPCE等の冷延鋼板をプレス加工することによって円環状に形成された部材であり、内輪部材9の外周面に外嵌固定されることで内軸2に対して一体回転可能に固定されている。また、支持部材20には、上記環状磁石12がカバー部材30によって保護された状態で一体回転可能に固定されている。なお、支持部材20に対する環状磁石12及びカバー部材30の固定の態様については、後に詳述する。
また、支持部材20の外周面は、シールリング10aが摺接するように構成されており、支持部材20は、密封装置7におけるスリンガとしての機能を兼ね備えている。
磁気センサSは、カバー部材30で保護された環状磁石12の一端面である被検知面12aに対して、所定の隙間を置いて対向するように配置されている。このため、内軸2と一体回転する着磁パルサリング11は、磁気センサSに対して、内軸2の回転に応じて磁極を変化させることができる。
磁気センサSは、磁気変化を検知するセンサであり、当該センサ付き転がり軸受装置1が搭載される車両の制御装置に接続されており、検知した磁気変化についての検知信号を前記制御装置に出力するように構成されている。磁気センサSは、内軸2の回転に応じて変化する着磁パルサリング11の磁極の変化を検知し、その検知信号を前記車両の制御装置に出力する。前記制御装置は、磁気センサSの検知信号に基づいて、内軸2の回転速度を認識し、前記車両のアンチロックブレーキシステム等の制御に反映することができる。
次に、支持部材20に対する環状磁石12及びカバー部材30の固定の態様について説明する。
図2は、着磁パルサリング11のみを拡大して示した断面図である。
図において、支持部材20は、内輪部材9に外嵌固定された円筒部21と、この円筒部21の一端部から径外方向に延びるとともに環状磁石12が固定されたフランジ部22とを有している。フランジ部22には、上述の環状磁石12及びカバー部材30が固定されている。
環状磁石12は、フランジ部22の外径とほぼ同じ外径で円環状に形成されており、弾性接着剤からなる接着剤層40を介在した状態でフランジ部22に重ね合わされるようにして接着固定されている。このとき、環状磁石12は、その一端面である被検出面12aが磁気センサS側に向くようにフランジ部22の一端面22a側に固定されており、上述のように、磁気センサSに対して、内軸2の回転に応じて磁極を変化させる。
環状磁石12を構成しているプラスチック磁石としては、フェライト系の磁性粉末や、ネオジウムやサマリウム等の希土類系の磁性粉末を、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂やポリアミド(PA)樹脂等の樹脂材料に混合した後、所定の形状に形成したものを用いることができる。
接着剤層40は、環状磁石12とフランジ部22との間に介在しており、両者を接着固定するものであり、ゴム等のエラストマーをベースとした弾性接着剤の硬化物によって形成されている。このため、接着剤層40は、所定の弾性を有しており、環状磁石12に作用する変形応力を緩和しつつ環状磁石12をフランジ部22に接着固定することができる。
カバー部材30は、環状磁石12の被検知面12aを覆うことで、外部で飛散する塵埃等から環状磁石12を保護するものであり、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼や、銅合金、アルミニウム合金といった非磁性の金属板をプレス加工することによって円環状に形成された部材である。
図3は、カバー部材30の一部を示す斜視図である。図2及び図3を参照して、カバー部材30は、環状磁石12の被検知面12aに当接する環状の覆部31と、覆部31の外周端部から延びて環状磁石12の外周面12c及びフランジ部22の外周面22cを覆っているとともに、フランジ部22に係合することで当該カバー部材30をフランジ部22に固定している筒状の固定部32とを有している。
覆部31は、被検知面12aに当接配置されることで当該被検知面12aを覆っており、環状磁石12を外部環境から保護する。
固定部32は、その内周側に突出する突起33が設けられている。この突起33は、固定部32の端部近傍を径方向内側に折り曲げることで径方向内側に突出するように形成されており、フランジ部22の他端面22b側の外周側端縁に当接している。
固定部32は、覆部31が被検知面12aに当接した状態で、突起33をフランジ部22の他端面22b側に当接係合させることでカバー部材30全体をフランジ部22に固定している。
また、カバー部材30の固定部32には、図3に示すように、周方向等間隔に複数の切り欠き部34が形成されている。この切り欠き部34は、固定部32の端縁から覆部31側に向かって軸方向に沿って固定部32を切り欠くように形成されており、突起33を周方向に分割している。
突起33は、上記複数の切り欠き部34によって周方向に分割されることで、弾性的に拡径可能とされている。すなわち、固定部30及び突起33は、複数の切り欠き部34によって、突起33の先端部33aにおける内接円の径寸法が拡径するように、弾性変形可能とされている。また突起33は、後述のように、カバー部材30をフランジ部22に固定する際に、環状磁石12及びフランジ部22の外周面を通過できる程度に弾性的に拡径できるように構成されている。
また、カバー部材30の覆部31における内周端部30aには、内輪部材9に密接している環状のシール部材35が固定されている。このシール部材35は、ゴム等の弾性材料を用い、インサート成形によって加硫接着することでカバー部材30に固定した状態で一体に形成されている。シール部材35の内周先端のリップ部35aは、内輪部材9の外周面9aに対して、摺接可能に密接しており、シール部材35は、カバー部材30の内周端部30aと、内輪部材9との間を密封している。この結果、シール部材35は、カバー部材30の内周端部30aと、フランジ部22との間を密封している。すなわち、シール部材35は、カバー部材30の内周端部30aと、フランジ部22との間を密封する密封手段を構成している。
上記構成の着磁パルサリング11において、カバー部材30を支持部材20に固定する場合、弾性接着剤によって環状磁石12が接着固定されたフランジ部22に対して、環状磁石12の被検出面12a側から、カバー部材30を外嵌する。このとき、カバー部材30の突起33は、上述のように弾性的に拡径可能とされているので、突起33を弾性的に拡径させつつ固定部32を環状磁石12及びフランジ部22に外嵌する。そして、突起33が環状磁石12及びフランジ部22の外周面を通過すれば、突起33は、弾性的に復元することでフランジ部22の他端面22b側に当接係合し、カバー部材30は、フランジ部22に固定される。このように、本実施形態の着磁パルサリング11によれば、上記従来例のようにカバー部材30をかしめることなく、突起33が設けられた固定部32によって、当該カバー部材30を容易に固定することができるので、製造工程を容易なものとし、かつ専用のかしめ設備も必要としない。この結果、カバー部材30によって環状磁石12の損傷を防止し磁気センサSの検知精度を長期に渡って維持できる着磁パルサリング11を低コストで得ることができる。
また、本実施形態では、カバー部材30の内周端部30aとフランジ部22との間を密封するシール部材35を有しているので、遠心力の作用等によって着磁パルサリング11の内周側からカバー部材30とフランジ部22と間に侵入しようとする水分等を遮蔽することができる。これにより、環状磁石12の損傷等を防止するためのカバー部材30が、侵入した水分の氷結等によって変形し、磁気センサSの検知精度を低下させてしまうことを防止できる。
以上のように、本実施形態の着磁パルサリング11によれば、製造コストを抑えつつ磁気センサSの検知精度をより長期に渡って安定して維持することができる。
また、本実施形態では、カバー部材30の内周端部30aとフランジ部22との間を密封するために、カバー部材30の内周端部30aに、内輪部材9の外周面9aに対して密接する環状のシール部材35を固定したので、カバー部材30をフランジ部22に固定すると同時に、シール部材35を内輪部材9の外周面9aに嵌めることができ、これにより内輪部材9とカバー部材30との間を密封し、フランジ部22とカバー部材30の内周端部30aとの間を密封することができる。このため、フランジ部22とカバー部材30の内周端部30aとの間を容易かつ確実に密封することができる。
さらに、シール部材35の内周先端のリップ部35aは、外周面9aに対して摺接可能に密接しているので、カバー部材30を環状磁石12及びフランジ部22に外嵌すると同時にシール部材35を外周面9aに嵌める場合にも、シール部材35は、カバー部材30がフランジ部に外嵌すべく軸方向に移動するのを妨げることはない。
また、本実施形態では、カバー部材30の内周端部30aに固定された環状のシール部材35によって、カバー部材30の内周端部30aとフランジ部22との間を密封したが、例えば図4に示すように、カバー部材30の内周端部30aとフランジ部22一端面22aの内周側端部との間を密封する内周側シール層41を設けることもできる。
この内周側シール層41は、いわゆるシール剤を硬化させることで形成したものであり、カバー部材30及びフランジ部22にシール剤を塗布した後、カバー部材30をフランジ部22に外嵌し、カバー部材30の内周端部30aとフランジ部22の内周端部との間にシール剤を充填し硬化させても良いし、カバー部材30を外嵌した後にシール剤を充填し、硬化させてもよい。
この場合、カバー部材30の内周端部30aとフランジ部22の内周端部との間を、シール剤を充填することで形成されるシール層でモールドするといった、より簡易な方法によって密封することができる。さらに、内周側シール層41の代わりに、シール部材35を用いてもよい。
また、図4に示すように、固定部32の内周面32aと、フランジ部22の外周面22cとの間、及び内周面32aと、環状磁石12の外周面12cとの間についても、シール剤を硬化させた外周側シール層42を形成してもよく、この場合、フランジ部22の外周端部と、カバー部材30との間についても密封することができる。これによって、カバー部材30とフランジ部22との間に侵入しようとする水分等をより確実に遮蔽することができる。
図5は、本発明の第二の実施形態に係る着磁パルサリング11の断面図である。本実施形態と第一の実施形態との主な相違点は、突起33が、固定部32の端部32bに固定された環状部材36に設けられている点、及び、固定部32に切り欠き部34が形成されていない点である。その他の構成については、第一の実施形態と同様であるので説明を省略する。
固定部32は、その端部32bに固定された環状部材36を有しており、突起33は、環状部材36に設けられている。カバー部材30は、この環状部材36に設けられた突起33をフランジ部22の他端面22b側に当接係合することでフランジ部22に固定されている。
環状部材36は、ゴム等の弾性材料を用い、インサート成形によって加硫接着することで固定部32の端部32bに固定した状態で一体に形成されている。従って、突起33についても弾性材料によって形成されている。また、この突起33は、周方向全域に渡って環状に形成されるとともに、固定部32の端部32bから径方向内側に向かってかつフランジ部22の他端面22bに向かって斜めに折り返すように突設されることで、その先端部33aがフランジ部22の他端面22b側の端部全周に渡って当接している。
また、突起33は、フランジ部22の他端面22bに向かって斜めに折り返すように突設されているので、カバー部材30を支持部材20に固定すべく、環状磁石12の被検出面12a側から固定部32をフランジ部22に外嵌する際には、突起33は、さらに折り返されて、固定部32の内周面32aに当接するように弾性変形することで弾性的に拡径し、環状磁石12及びフランジ部22の外周面を通過することができる。突起33が環状磁石12及びフランジ部22の外周面12c、22cを通過すれば、突起33は、弾性的に復元することでフランジ部22の他端面22b側に当接係合し、カバー部材30は、フランジ部22に固定される。
一方、突起33の先端部33aがフランジ部22の他端面22bに当接した状態においては、当該突起33は、フランジ部22の他端面22bに向かって斜めに折り返すように突設されているので、カバー部材30に環状磁石12から離間させる方向への力が作用したとしても弾性的に拡径することはなく、確実にフランジ部22に対して当接係合する。
本実施形態の着磁パルサリングによれば、弾性材料よりなる環状部材36に設けられた突起33は、フランジ部22の他端面22b側の端部全周に渡って当接しているので、フランジ部22の外周側とカバー部材30の固定部32との間を密封することができる。これにより、カバー部材30とフランジ部22との間に水分が侵入するのをより効果的に防止することができる。
図6は、本発明の第三の実施形態に係る着磁パルサリング11の断面図である。本実施形態と第一の実施形態との主な相違点は、フランジ部22の外周面22c及び環状磁石12の外周面12cを保持する筒状の保持部50を有する点、カバー部材30が保持部50の外周面50aに外嵌された外筒部37及び支持部材20の円筒部21内周面21aに内嵌された内筒部38を有する点、及び、環状磁石12が保持部50による保持及びカバー部材30の覆部31とフランジ部22との間で挟持されることでフランジ部22に対して固定されている点である。
本実施形態において、保持部50は、ゴム等の弾性材料を用い、インサート成形によって加硫接着することでフランジ部22に固定した状態で一体に形成されており、フランジ部22の外周面22c及び環状磁石12の外周面12cを保持することで、環状磁石12がフランジ部22に対して径方向に相対移動しないように固定している。
また、保持部50には、その内周面50bから径方向内側に延び、フランジ部22及び環状磁石12の間に介在する環状壁51が形成されており、環状磁石12は、フランジ部22との間に環状壁51を介在した状態で、覆部31とフランジ部22との間で挟持固定されている。これにより、環状磁石12に作用する変形応力を緩和しつつ、環状磁石12をフランジ部22に固定できる。
保持部50の環状磁石12側の端部には、径方向内側に突出し環状磁石12の軸方向の移動を規制する第一の止め部52が形成されており、また、フランジ部22側の端部には、径方向内側に突出し保持部50を環状壁51との間で固定する第二の止め部53が形成されている。
また、弾性材料からなる保持部50は、外筒部37に外嵌されることによって、外筒部37と支持部材20との間に介在し、この両者間を密封している。保持部50の外周面50aには、周方向に沿う複数の凸条50a1が形成されており、この複数の凸条50a1の各先端が外筒部37に当接している。これにより、保持部50と外筒部37との間を線接触とすることで面圧を高め、両者間の密封性を高めることができる。
カバー部材30の外筒部37は、保持部50の外周面50aに外嵌するように、環状磁石12の被検出面12aに当接している環状の覆部31の外周端部から延ばされている。
また、内筒部38は、支持部材20の円筒部21内周面21aに内嵌するように、覆部31の内周端部から延ばされている。従って、支持部材20は、内輪部材9との間に内筒部38を介在した状態で内輪部材9に外嵌固定されている。
本実施形態において、カバー部材30の支持部材20への固定方法は、以下の通りである。すなわち、図7に示すように、フランジ部22に固定された保持部50の第一の止め部52に、環状磁石12を嵌め込み、その後、カバー部材30を環状磁石12の被検出面12a側から環状磁石12を覆うように被せ、支持部材20に固定する。
このとき、カバー部材30の外筒部37を、フランジ部22に固定された保持部50の外周面50aに外嵌させつつ、内筒部38を円筒部21に内嵌させることで、カバー部材30を支持部材に固定することができる。このように、本実施形態の着磁パルサリング11によれば、上記従来例のように、カバー部材30をかしめることなく、両筒部37,38を支持部材20に嵌合させることで、カバー部材30を固定できるので、製造工程を容易なものとし、かつ専用のかしめ設備も必要としない。この結果、カバー部材30によって環状磁石12の損傷を防止し磁気センサSの検知精度を長期に渡って維持できる着磁パルサリング11を低コストで得ることができる。
また、本実施形態では、カバー部材30の内周側と支持部材20との間は、円筒部21と内筒部38とによって嵌合固定されるとともに、カバー部材30の外周側と支持部材20との間は、保持部50が介在しているので、カバー部材30とフランジ部22との間に侵入しようとする水分等を遮蔽することができる。これにより、環状磁石12の損傷等を防止するためのカバー部材30が、内部に侵入した水分の氷結等によって変形し、磁気センサSの検知精度を低下させてしまうことを防止できる。
以上のように、本発明の着磁パルサリング11によれば、製造コストを抑えつつ磁気センサSの検知精度をより長期に渡って安定して維持することができる。
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態では、環状磁石12にプラスチック磁石を用いたが、例えば、Ne−Fe−B系焼結磁石等といったような焼結磁石を用いることもできるし、ゴム等からなる弾性部材に上述の磁性粉末を混入したいわゆるゴム磁石をフランジ部22に加硫接着することで形成固定したものも用いることができる。
本発明の第一の実施形態に係る着磁パルサリングが適用されたセンサ付き転がり軸受装置の構成を示す断面図である。 着磁パルサリングのみを拡大して示した断面図である。 カバー部材の一部を示す斜視図である。 他の態様の着磁パルサリングの断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る着磁パルサリングの断面図である。 本発明の第三の実施形態に係る着磁パルサリングの断面図である。 カバー部材のフランジ部への固定方法を説明するための図である。
符号の説明
1 センサ付き転がり軸受装置
2 内軸(回転輪)
3 外輪(固定輪)
4 玉(転動体)
11 着磁パルサリング
12 環状磁石(永久磁石)
12a 被検知面
20 支持部材
21a 内周面
22 フランジ部
22a 一端面
22b 他端面
30 カバー部材
30a 内周端部
31 覆部
32 固定部
33 突起
35 シール部材
36 環状部材
37 外筒部
38 内筒部
41 内周側シール層
50 保持部
50a 外周面
S 磁気センサ

Claims (6)

  1. フランジ部を有する環状の支持部材と、
    前記フランジ部の一端面に固定されているとともに、多数の磁極が周方向に所定間隔で配列されその一端面が被検知面とされている環状の永久磁石と、
    前記永久磁石の被検知面を覆うカバー部材と、
    前記カバー部材の内周端部と前記フランジ部との間を密封する密封手段と、を有し、
    前記カバー部材は、
    前記永久磁石の被検知面に当接している環状の覆部と、
    前記覆部の外周端部から延びて前記永久磁石の外周面及びフランジ部の外周面を覆っているとともに、内周側に突設された弾性的に拡径可能な突起を前記フランジ部の他端面側の端部に当接係合することで当該カバー部材を前記フランジ部に固定している筒状の固定部と、を有していることを特徴とする着磁パルサリング。
  2. 前記固定部は、その端部に固定された弾性材料よりなる環状部材を有し、
    前記突起は、前記環状部材に設けられているとともに、前記環状部材の周方向に沿って環状に形成されて前記フランジ部の他端面側の端部全周に渡って当接している請求項1に記載の着磁パルサリング。
  3. 前記密封手段は、前記カバー部材の内周端部に固定され、当該着磁パルサリングが外嵌固定される回転部材の外周面に対して密接する環状のシール部材である請求項1に記載の着磁パルサリング。
  4. 前記密封手段は、前記カバー部材の内周端部と前記フランジ部の内周端部との間に充填したシール剤を硬化させたシール層である請求項1に記載の着磁パルサリング。
  5. フランジ部を有する環状の支持部材と、
    前記フランジ部の一端面に固定されているとともに、多数の磁極が周方向に所定間隔で配列されその一端面が被検知面とされている永久磁石と、
    弾性材料により形成されているとともに、前記フランジ部の外周面及び前記永久磁石の外周面を保持している筒状の保持部と、
    前記永久磁石の被検知面を覆う環状のカバー部材と、を有し、
    前記カバー部材は、
    前記永久磁石の被検知面に当接している環状の覆部と、
    前記覆部の内周端部から延び、前記支持部材の内周面に内嵌された内筒部と、
    前記覆部の外周端部から延び、前記保持部の外周面に外嵌された外筒部と、を有していることを特徴とする着磁パルサリング。
  6. 固定輪及び回転輪と、
    これらの間に転動自在に配置された転動体と、
    前記回転輪に一体回転可能に固定された着磁パルサリングと、
    前記着磁パルサリングの磁気を検出することによって前記回転輪の回転状態を検出する磁気センサと、を備えているセンサ付き転がり軸受装置において、
    前記着磁パルサリングは、請求項1又は5に記載の着磁パルサリングであることを特徴するセンサ付き転がり軸受装置。
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