JP5034743B2 - 車両の発進クラッチスタンバイ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力源と駆動車軸との間に介装されたクラッチを発進要素とする車両の発進クラッチスタンバイ制御装置の技術分野に属する。
動力源と駆動車軸とに間に発進要素として摩擦式クラッチが介装されたハイブリッド車両では、駆動源を駆動した状態での車両停止時、クラッチの過熱を防ぐためにクラッチを開放状態としている。発進時には、ブレーキスイッチのOFFをトリガとし、クラッチをロスストロークが終了した締結開始直前状態まで予備作動させることで、クラッチのロスストロークに起因する締結遅れを抑制し、発進時の応答性を高めている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−287306号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、ブレーキスイッチがOFFされてから予備作動を開始しているため、予備作動完了までに時間を要し、駆動トルクの立ち上げに遅れが生じ、運転者の意図に応じた発進応答性が得られないという問題があった。
本発明は上記課題に対してなされたもので、その目的とするところは、運転者の意図に応じた発進応答性が得られる車両の発進クラッチスタンバイ制御装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、運転者がブレーキを緩めて車両を発進させる際、検出されたブレーキストローク変化速度が変化速度閾値を超える場合には、ブレーキストローク変化速度が前記変化速度閾値以下である場合よりも予備作動の開始時期を早める。
本発明の車両の発進クラッチスタンバイ制御装置では、運転者が車両を発進させようとして急にブレーキを抜いた場合には、運転者がゆっくりとブレーキを抜いた場合よりも、予備作動がより早期に開始される。つまり、より早く発進したいという運転者の発進意図をブレーキストローク変化速度から判断し、予備作動の開始時期を早めようとするものである。この結果、より早く発進したいという運転者の発進意図がある場合には、早めにクラッチの予備作動を完了させ、駆動トルクを早期に立ち上げることができるため、運転者の意図に応じた発進応答性を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
[全体構成]
図1は、本発明の車両の発進クラッチスタンバイ制御装置を適用した実施例1の後輪駆動によるハイブリッド車両を示す全体システム図である。実施例1のハイブリッド車両の駆動系は、エンジン(駆動源)Eと、第1クラッチCL1と、モータジェネレータ(駆動源)MGと、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左ドライブシャフト(駆動車軸)DSLと、右ドライブシャフト(駆動車軸)DSRと、左後輪RL(駆動輪)と、右後輪RR(駆動輪)と、を有している。なお、FLは左前輪、FRは右前輪である。
エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度等が制御される。なお、エンジン出力軸にはフライホイールFWが設けられている。
第1クラッチCL1は、エンジンEとモータジェネレータMGとの間に介装されたクラッチであり、後述する第1クラッチコントローラ5からの制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット6により作り出された制御油圧により、スリップ締結を含み締結・開放が制御される。
モータジェネレータMGは、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータであり、後述するモータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流を印加することにより制御される。このモータジェネレータMGは、バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし(この状態を「力行」と呼ぶ)、ロータが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能してバッテリ4を充電することもできる(以下、この動作状態を「回生」と呼ぶ)。なお、このモータジェネレータMGのロータは、図外のダンパを介して自動変速機ATの入力軸に連結されている。
第2クラッチCL2は、モータジェネレータMGと左右後輪RL,RRとの間に介装されたクラッチであり、後述するATコントローラ7からの制御指令に基づいて、第2クラッチ油圧ユニット8により作り出された制御油圧により、スリップ締結を含み締結・開放が制御される。
自動変速機ATは、前進5速後退1速等の有段階の変速比を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える変速機である。第2クラッチCL2は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の摩擦要素のうち、いくつかの摩擦要素を流用している。
そして、自動変速機ATの出力軸は、プロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して左右後輪RL,RRに連結されている。なお、第1クラッチCL1と第2クラッチCL2には、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチを用いている。
[走行モード]
実施例1のハイブリッド駆動系は、第1クラッチCL1の締結・開放状態に応じて3つの走行モードを有している。第1の走行モードは、第1クラッチCL1の開放状態で、モータジェネレータMGの動力のみを動力源として走行するモータ使用走行モードとしての電気自動車走行モード(以下、「EV走行モード」と略称する。)である。第2の走行モードは、第1クラッチCL1の締結状態で、エンジンEを動力源に含みながら走行するエンジン使用走行モード(以下、「HEV走行モード」と略称する。)である。
第3の走行モードは、第1クラッチCL1の締結状態で第2クラッチCL2をスリップ制御させ、エンジンEを動力源に含みながら走行または発進するエンジン使用スリップ走行モード(以下、「WSC(Wet Start Clutch)走行モード」と略称する。)である。このモードは、特にバッテリSOCが低いときやエンジン水温が低いときに、クリープ走行を達成する。更に、エンジン停止状態からの発進時にエンジン始動しつつ駆動力を出力可能なモードである。
上記「HEV走行モード」は、「エンジン走行モード」と「モータアシスト走行モード」と「走行発電モード」との3つの走行モードを有する。
「エンジン走行モード」は、エンジンEのみを動力源として駆動輪を動かす。「モータアシスト走行モード」は、エンジンEとモータジェネレータMGの2つを動力源として駆動輪を動かす。「走行発電モード」は、エンジンEを動力源として駆動輪RR,RLを動かすと同時に、モータジェネレータMGを発電機として機能させる。定速運転時や加速運転時には、エンジンEの動力を利用してモータジェネレータMGを発電機として動作させる。また、減速運転時は、制動エネルギーを回生してモータジェネレータMGにより発電し、バッテリ4の充電のために使用する。
また、さらなるモードとして、車両停止時には、エンジンEの動力を利用してモータジェネレータMGを発電機として動作させる発電モードを有する。
[発進モード]
実施例1のハイブリッド駆動系は、運転者のアクセル操作に対する駆動力特性を互いに異ならせた3つの発進モードを有している。第1の発進モードは、「エコモード」であり、通常走行時の発進モードである。第2の発進モードは、「エコモード」よりも低駆動力特性、すなわち、同じアクセル操作に対し駆動力が低く設定された「スノーモード」である。第3の発進モードは、「エコモード」よりも高駆動力特性、すなわち、同じアクセル操作に対し駆動力が高く設定された「パワーモード」である。
運転者は、モード切り替えスイッチ26を操作することにより、所望の発進モードを選択可能である。
[制御系の構成]
次に、ハイブリッド車両の制御系を説明する。
実施例1のハイブリッド車両の制御系は、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7と、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ(スタンバイ制御手段)10と、を有している。
なお、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、情報交換が可能なCAN通信線11を介して互いに接続されている。
エンジンコントローラ1は、エンジン回転数センサ12からのエンジン回転数情報の入力を受け、統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(エンジン回転数Ne,エンジントルクTe)を制御する指令を演算して、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。また、エンジンコントローラ1は、エンジンEの燃料噴射量やスロットル開度等に基づいてエンジントルクTeを推定する。エンジン回転数Neや推定されたエンジントルクTeの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。
モータコントローラ2は、モータジェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ13からの情報の入力を受け、統合コントローラ10からの目標モータトルク指令および目標モータ回転数指令等に応じ、モータジェネレータMGのモータ動作点(モータ回転数Nm,モータトルクTm)を制御する指令を演算して、インバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2では、バッテリ4の充電状態を表すバッテリSOCを監視しており、バッテリSOC情報は、モータジェネレータMGの制御情報に用いると共に、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
また、モータコントローラ2は、モータジェネレータMGに流れる電流値(電流値の正負によって駆動トルクと回生トルクを区別している)に基づいて、モータトルクTmを推定する。この推定されたモータトルクTmの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。
第1クラッチコントローラ5は、第1クラッチ油圧センサ14と第1クラッチストロークセンサ15からのセンサ情報の入力を受け、統合コントローラ10からの第1クラッチ制御指令に応じ、第1クラッチCL1の締結・開放を制御する指令を演算して、第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。なお、第1クラッチストロークC1Sの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
ATコントローラ7は、アクセル開度センサ16と車速センサ17と第2クラッチ油圧センサ18とからのセンサ情報の入力を受け、統合コントローラ10からの第2クラッチ制御指令に応じ、第2クラッチCL2の締結・開放を制御する指令を演算して、AT油圧コントロールバルブ内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力する。なお、アクセル開度APと車速VSPの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
ブレーキコントローラ9は、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ19とブレーキストロークセンサ20からのセンサ情報の入力を受け、例えば、ブレーキ踏み込み制動時、ブレーキストロークBSから求められる要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、その不足分を機械制動力(液圧制動力やモータ制動力)で補うように、統合コントローラ10からの回生協調制御指令に基づいて回生協調ブレーキ制御を行う。
統合コントローラ10は、車両全体の消費エネルギーを管理し、最高効率で車両を走らせる機能を担うもので、モータ回転数Nmを検出するモータ回転数センサ21と、第2クラッチ出力回転数N2outを検出する第2クラッチ出力回転数センサ22と、第2クラッチの締結トルクTCL2を検出する第2クラッチ締結トルクセンサ23と、ブレーキ油圧センサ24と、路面勾配を検出する勾配センサ(路面勾配検出手段)25と、からの情報およびCAN通信線11を介して得られた情報の入力を受ける。なお、第2クラッチ出力回転数N2outとは、第2クラッチCL2の駆動輪側の出力軸の回転数を指す。
勾配センサ25は、現在車両が走行している路面勾配を検出するものであり、例えばブレーキ・バイ・ワイヤシステムに装備されているものを利用可能である。ここでブレーキ・バイ・ワイヤとは、ブレーキペダルとマスタシリンダとの間に機械的な連携がなく、ブレーキペダルに対する操作(ブレーキストロークBS)を電気的に検出し、その検出値に基づいて制動力を発生する電子制御ブレーキである。
また、統合コントローラ10は、エンジンコントローラ1への制御指令によるエンジンEの動作制御と、モータコントローラ2への制御指令によるエンジンEの動作制御と、モータコントローラ2への制御指令によるモータジェネレータMGの動作制御と、第1クラッチコントローラ5への制御指令による第1クラッチCL1の締結・開放制御と、ATコントローラ7への制御指令による第2クラッチCL2の締結・開放制御と、を行う。
[メインルーチン]
図2は、実施例1の統合コントローラ10で実行されるメインルーチンの流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この処理は、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
ステップS1では、図3に示す目標駆動力マップを参照し、アクセル開度APOと車速VSPとから目標駆動力を演算する目標駆動力演算処理を実行し、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、あらかじめ設定された変速マップを参照し、アクセル開度APOと車速VSPとから自動変速機ATの目標変速段を演算する目標変速段演算処理を実行し、ステップS3へ移行する。
ステップS3では、図4に示すEV-HEV選択マップを参照し、アクセル開度APOと車速VSPとから目標モードを演算する目標モード演算処理を実行し、ステップS4へ移行する。ただし、バッテリSOCが所定値以下であれば、強制的に「HEV走行モード」を目標モードとする。また、EV-HEV選択マップには、低車速領域においてアクセル開度が大きいときに、大きな駆動力を出力するために、WSCモードが設定されている。HEV→WSC切換線もしくはEV→WSC切換線は、自動変速機ATが1速段のときに、エンジンEのアイドル回転数よりも小さな回転数となる車速VSP1よりも低い領域に設定されている。図4中、斜線領域がWSC走行モードの領域であり、網掛け領域がWSC走行モードとEV走行モードとの間のヒステリシス領域となる。
ステップS4では、アクセル開度APO、車速VSP、ステップS1で演算した目標駆動力およびステップS2で演算した目標変速段から、目標エンジントルク(エンジン指令)を演算するエンジン指令演算処理を実行し、ステップS5へ移行する。
ステップS5では、目標駆動力と目標エンジントルク等から、第1クラッチCL1の目標クラッチ締結容量を演算する目標クラッチ締結容量演算処理を実行し、ステップS6へ移行する。
ステップS6では、ステップS1で演算した目標駆動力の過渡分を補正する目標駆動力過渡補正処理を実行し、ステップS7へ移行する。
ステップS7では、アクセル開度APO、車速VSP、目標駆動力および目標変速段等から目標モータトルクを演算する目標モータトルク演算処理を実行し、ステップS8へ移行する。
ステップS8では、後述する第2クラッチCL2のスタンバイ(予備作動)演算処理を実行し、本制御を終了する。ここで、「スタンバイ」とは、発進クラッチである第2クラッチCL2を、ロスストロークが終了した締結開始直前状態とすることをいう。
[スタンバイ演算処理]
図5〜図8は、図2のステップS8で実行される第2クラッチCL2のスタンバイ演算処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。スタンバイ演算処理は、ステップS101〜ステップS123の「閾値演算部」と、ステップS124〜ステップS133の「スタンバイ判定部」と、ステップS134〜ステップS138の「スタンバイ油圧演算部」と、ステップS139〜ステップS144の「スタンバイ時間演算部」と、ステップS145〜ステップS152の「スタンバイ実行部」とから構成される。
(閾値演算部)
ステップS101では、勾配センサ25により検出された路面勾配から、図9の勾配−閾値1テーブルを参照してブレーキストローク量勾配閾値を演算し、ステップS102へ移行する。
ステップS102では、勾配センサ25により検出された路面勾配から図10の勾配−閾値2テーブルを参照してブレーキストローク変化量勾配閾値を演算し、ステップS103へ移行する。
ステップS103では、勾配センサ25により検出された路面勾配から図11の勾配−閾値3テーブルを参照してブレーキストローク変化速度勾配閾値を演算し、ステップS104へ移行する。
ステップS104では、モード切り替えスイッチ26がスノーモードであるか否かを判定する。YESの場合にはステップS112へ移行し、NOの場合にはステップS105へ移行する。
ステップS105では、モード切り替えスイッチ26がパワーモードであるか否かを判定する。YESの場合にはステップS109へ移行し、NOの場合にはステップS106へ移行する。
ステップS106では、ブレーキストローク量モード閾値にあらかじめ設定されたエコモードのブレーキストローク量閾値定数を代入し、ステップS107へ移行する。
ステップS107では、ブレーキストローク変化量モード閾値にあらかじめ設定されたエコモードのブレーキストローク変化量閾値定数を代入し、ステップS108へ移行する。
ステップS108では、ブレーキストローク変化速度モード閾値にあらかじめ設定されたエコモードのブレーキストローク変化速度閾値定数を代入し、ステップS115へ移行する。
ステップS109では、ブレーキストローク量モード閾値にあらかじめ設定されたパワーモードのブレーキストローク量閾値定数を代入し、ステップS110行する。ここで、パワーモードのブレーキストローク量閾値定数は、エコモードのブレーキストローク量閾値定数よりも小さな値とする。
ステップS110では、ブレーキストローク変化量モード閾値にあらかじめ設定されたパワーモードのブレーキストローク変化量閾値定数を代入し、ステップS111行する。ここで、パワーモードのブレーキストローク変化量閾値定数は、エコモードのブレーキストローク変化量閾値定数よりも小さな値とする。
ステップS111では、ブレーキストローク変化速度モード閾値にあらかじめ設定されたパワーモードのブレーキストローク変化速度閾値定数を代入し、ステップS115へ移行する。ここで、パワーモードのブレーキストローク変化速度閾値定数は、エコモードのブレーキストローク変化速度閾値定数よりも小さな値とする。
ステップS112は、ブレーキストローク量モード閾値にあらかじめ設定されたスノーモードのブレーキストローク量閾値定数を代入し、ステップS113行する。ここで、スノーモードのブレーキストローク量閾値定数は、エコモードのブレーキストローク量閾値定数よりも小さく、パワーモードのブレーキストローク量閾値定数よりも大きな値とする。
ステップS113では、ブレーキストローク変化量モード閾値にあらかじめ設定されたスノーモードのブレーキストローク変化量閾値定数を代入し、ステップS114行する。ここで、スノーモードのブレーキストローク変化量閾値定数は、エコモードのブレーキストローク変化量閾値定数よりも小さく、パワーモードのブレーキストローク変化量閾値定数よりも大きな値とする。
ステップS114では、ブレーキストローク変化速度モード閾値にあらかじめ設定されたスノーモードのブレーキストローク変化速度閾値定数を代入し、ステップS115へ移行する。ここで、スノーモードのブレーキストローク変化速度閾値定数は、エコモードのブレーキストローク変化速度閾値定数よりも小さく、パワーモードのブレーキストローク変化速度閾値よりも大きな値とする。
ステップS115では、ステップS101で演算されたブレーキストローク量勾配閾値が、ステップS106、ステップS109またはステップS112で演算されたブレーキストローク量モード閾値以下であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS117へ移行し、NOの場合にはステップS116へ移行する。
ステップS116では、ブレーキストローク量閾値にブレーキストローク量モード閾値を代入し、ステップS118へ移行する。
ステップS117では、ブレーキストローク量閾値にブレーキストローク量勾配閾値を代入し、ステップS118へ移行する。
ステップS118では、ステップS102で演算されたブレーキストローク量勾配閾値が、ステップS107、ステップS110またはステップS113で演算されたブレーキストローク変化量モード閾値以下であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS120へ移行し、NOの場合にはステップS119へ移行する。
ステップS119では、ブレーキストローク変化量閾値にブレーキストローク量モード閾値を代入し、ステップS121へ移行する。
ステップS120では、ブレーキストローク変化量閾値にブレーキストローク量勾配閾値を代入し、ステップS121へ移行する。
ステップS121では、ステップS103で演算されたブレーキストローク量勾配閾値が、ステップS108、ステップS111またはステップS114で演算されたブレーキストローク変化速度モード閾値以下であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS123へ移行し、NOの場合にはステップS122へ移行する。
ステップS122では、ブレーキストローク変化速度閾値にブレーキストローク変化速度モード閾値を代入し、ステップS124へ移行する。
ステップS123では、ブレーキストローク変化速度閾値にブレーキストローク量勾配閾値を代入し、ステップS124へ移行する。
すなわち、閾値演算部では、路面勾配に応じた閾値(ブレーキストローク量勾配閾値、ブレーキストローク変化量勾配閾値、ブレーキストローク変化速度勾配閾値)と、発進モード(エコモード、パワーモード、スノーモード)に応じた閾値とを比較し、両者のうち小さな値をスタンバイ判定に用いる閾値(ブレーキストローク量閾値、ブレーキストローク変化量閾値、ブレーキストローク変化速度閾値)とする。
(スタンバイ判定部)
ステップS124では、ブレーキペダルの戻り速度であるブレーキストローク変化速度が、ステップS122またはステップS123で設定されたブレーキストローク変化速度閾値以下であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS125へ移行し、NOの場合にはステップS126へ移行する。ここで、ブレーキストローク変化速度は、ブレーキストロークセンサ20により検出されたブレーキストロークを時間微分して算出する(ブレーキストローク変化速度検出手段に相当)。
ステップS125では、ブレーキペダルの戻り量であるブレーキストローク量が、ステップS116またはステップS117で設定されたブレーキストローク量閾値以下であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS131へ移行し、NOの場合にはステップS127へ移行する。
ステップS126では、ブレーキペダルの戻り変化量であるブレーキストローク変化量が、ステップS119またはステップS120で設定されたブレーキストローク変化量閾値以下であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS125へ移行し、NOの場合にはステップS127へ移行する。ここで、ブレーキストローク変化量は、ブレーキストロークセンサ20により検出されたブレーキストローク量に基づいて算出する(ブレーキストローク変化量検出手段に相当)。
ステップS127では、車速がゼロ、かつ、ブレーキストローク閾値以上であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS128へ移行し、NOの場合にはステップS129へ移行する。ここで、ブレーキストローク閾値は、運転者がブレーキを踏んでいると判定可能な値とする。
ステップS128では、カウントダウンタイマを実行し、ステップS130へ移行する。
ステップS129では、カウントダウンタイマを初期化し、ステップS133へ移行する。
ステップS130では、カウントダウンタイマがゼロであるか否かを判定する。YESの場合にはステップS131へ移行し、NOの場合にはステップS133へ移行する。
ステップS131では、車速が一定定数閾値以上であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS132へ移行し、NOの場合にはステップS133へ移行する。ここで、一定定数閾値は、エンジン回転数が補償できる車速とする。
ステップS132では、スタンバイ判定をOFFし、ステップS134へ移行する。
一方、ステップS133では、スタンバイ判定をONし、ステップS134へ移行する。
すなわち、スタンバイ判定部では、ブレーキストローク変化速度がブレーキストローク変化速度閾値を超えている場合であって、かつ、ブレーキストローク量がブレーキストローク量閾値を超えている場合、または、ブレーキストローク変化量がブレーキストローク変化量閾値を超えているとき、運転者のブレーキ操作により車両が停止している場合には、スタンバイ判定をONする。このとき、スタンバイ判定部では、タイマのカウントダウンを実行し、スタンバイ判定がONされてからタイマがゼロとなるまでに車速が発進しない場合、スタンバイ判定をOFFする。
(スタンバイ油圧演算部)
ステップS134では、モード切り替えスイッチ26がスノーモードであるか否かを判定する。YESの場合にはステップS138へ移行し、NOの場合にはステップS135へ移行する。
ステップS135では、モード切り替えスイッチ26がパワーモードであるか否かを判定する。YESの場合にはステップS137へ移行し、NOの場合にはステップS136へ移行する。
ステップS136では、目標スタンバイ圧(油圧指令値)にあらかじめ設定されたエコモードスタンバイ圧を代入し、ステップS139へ移行する。
ステップS137では、目標スタンバイ圧にあらかじめ設定されたパワーモードスタンバイ圧を代入し、ステップS139へ移行する。ここで、パワーモードスタンバイ圧は、エコモードスタンバイ圧よりも大きな値とする。
ステップS138では、目標スタンバイ圧にあらかじめ設定されたスノーモードスタンバイ圧を代入し、ステップS139へ移行する。ここで、スノーモードスタンバイ圧は、エコモードスタンバイ圧よりも小さな値とする。つまり、エコモードスタンバイ圧、パワーモードスタンバイ圧およびスノーモードスタンバイ圧の関係は、「エコモードスタンバイ圧<エコモードスタンバイ圧<パワーモードスタンバイ圧」となる。
すなわち、スタンバイ油圧演算部では、発進モード(エコモード、パワーモード、スノーモード)に応じた目標スタンバイ圧を演算する。
(スタンバイ時間演算部)
ステップS139では、スタンバイ判定がONであるか否かを判定する。YESの場合にはステップS141へ移行し、NOの場合にはステップS140へ移行する。
ステップS140では、第2クラッチCL2開放タイマを初期化し、ステップS142へ移行する。
ステップS141では、第2クラッチCL2開放タイマのカウントダウンを実行し、ステップS142へ移行する。
ステップS142では、目標スタンバイ圧から、図12の圧力−時間テーブルを参照してスタンバイ基準時間を演算し、ステップS143へ移行する。
ステップS143では、第2クラッチCL2開放タイマから、図13の時間−係数テーブルを参照してスタンバイ時間係数を演算し、ステップS144へ移行する。
ステップS144では、ステップS142で演算したスタンバイ基準時間と、ステップS143で演算したスタンバイ時間係数を掛け合わせてスタンバイ時間(予備作動における油圧供給時間)を演算するとともに、スタンバイタイマに当該スタンバイ時間を代入し、ステップS145へ移行する。
すなわち、スタンバイ時間演算部では、スタンバイ判定がONの場合、第2クラッチCL2開放タイマのカウントダウンを開始し、目標スタンバイ圧に応じたスタンバイ基準時間と、第2クラッチCL2開放タイマに応じたスタンバイ時間係数とを掛け合わせてスタンバイ時間を演算する。
(スタンバイ実行部)
ステップS145では、スタンバイ判定がONであるか否かを判定する。YESの場合にはステップS147へ移行し、NOの場合にはステップS146へ移行する。
ステップS146では、ATコントローラ7に対し、目標油圧をゼロとする指令を出力し、本制御を終了する。
ステップS147では、前回の演算周期終了時点のスタンバイ判定がOFFであるか否かを判定する。YESの場合にはステップS148へ移行し、NOの場合にはステップS150へ移行する。
ステップS148では、スタンバイタイマを初期化し、ステップS149へ移行する。
ステップS149では、ATコントローラ7に対し、目標油圧を目標スタンバイ圧とする指令を出力し、本制御を終了する。
ステップS150では、スタンバイタイマのカウントダウンを実行し、ステップS151へ移行する。
ステップS151では、スタンバイタイマが実行中、すなわち、カウントダウンが実行中であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS149へ移行し、NOの場合にはステップS152へ移行する。
ステップS152では、ATコントローラ7に対し、目標油圧を通常走行時の目標指示油圧とする指令を出力し、本制御を終了する。
すなわち、スタンバイ実行部では、スタンバイ判定がONの場合、スタンバイタイマのカウントダウンを開始するとともに、第2クラッチCL2の目標油圧をスタンバイ圧とし、スタンバイタイマがゼロとなったとき、目標油圧を目標指示油圧とする(図14)。
次に、作用を説明する。
車両の動力源としてエンジンとモータジェネレータとを備え、エンジン出力とモータ出力を伝達・遮断するクラッチを設けたハイブリッドシステムでは、エンジン回転中の発進要素として、図15に示すような摩擦式クラッチを用いている。このクラッチは、油圧がリターンスプリングの荷重以下である場合、クラッチピストンは摩擦材に圧をかけない方向(図中左方向)へ押しつけられている(図15(a))。このとき、ドリブンプレートとドライブプレートとは摩擦接触せず、入力軸から出力軸への伝達トルクはゼロである。
油圧をかけてピストンストロークを行い、クラッチピストンがディッシュプレートに当たると微小トルクが発生し(図15(b))、さらに油圧をかけることでリターンスプリングとディッシュプレートが潰れて伝達トルクが上昇する(図15(c))。よって、摩擦式クラッチでは、伝達トルク上昇までの時間を短縮するためには、即座にリターンスプリングとディッシュプレートを潰す必要があり、一定時間指令油圧を大きく与える操作を行っている(スタンバイ)。
ここで、エンジン回転中の発進要素として上述の摩擦式クラッチを用いる車両では、車両停止時、油圧をかけた状態にしていると、クラッチが摩擦により発熱し、著しくμ−V特性や耐久性が悪化することから、車両停止時は開放状態としている。このため、従来車両では、発進時にはブレーキ全開放を示すブレーキスイッチのOFFによりスタンバイを開始し、クラッチの締結トルクを上昇させている。
ところが、上記従来技術では、スタンバイをブレーキが全開放された時点から開始する構成であるため、図16に示すように、スタンバイ完了までに時間を要し、駆動トルク(アウトプットトルク)の立ち上げに遅れが生じるため、運転者の意図に応じた発進応答性が得られない。このため、例えば、登坂路で発進する際、車両が進行方向と逆方向に動くロールバックが発生するという問題があった。
これに対し、実施例1では、運転者がブレーキを緩めて車両を発進させようとした場合、スタンバイ判定部において、検出されたブレーキストローク変化速度がブレーキストローク変化速度閾値を超える場合には、ステップS124→ステップS126→ステップS127→ステップS128→ステップS130→ステップS133へと進み、スタンバイ判定をONする。スタンバイ判定ONにより、スタンバイ実行部では、スタンバイタイマがゼロとなるまでの間、目標スタンバイ圧に応じて第2クラッチCL2のスタンバイを行う(ステップS145→ステップS147→ステップS150→ステップS151→ステップS149)。
一方、ブレーキストローク変化速度がブレーキストローク変化速度閾値以下である場合には、スタンバイ判定部において、ステップS124→ステップS125→ステップS131→ステップS132へと進み、ステップS125でブレーキストローク量がブレーキストローク量閾値を超えるまでの間は、スタンバイ判定をOFFする。
すなわち、実施例1では、図17に示すように、運転者が急にブレーキを抜いた場合には、運転者がゆっくりとブレーキを抜いた場合よりも、スタンバイがより早期に開始される。つまり、より早く発進したいという運転者の発進意図をブレーキストローク変化速度から判断し、スタンバイの開始時期を早めようとするものである。この結果、より早く発進したいという運転者の発進意図がある場合には、早めにクラッチのスタンバイを完了させ、駆動トルクを早期に立ち上げることができ、運転者の意図に応じた発進応答性を得ることができる。そして、運転者が急にブレーキを抜いた場合には、駆動トルクをブレーキOFFよりも手前で立ち上げることができるため、登坂路で発進する際のロールバックを防止できる。
ここで、スタンバイ判定部では、ステップS126において、ブレーキストローク変化量がブレーキストローク変化量閾値を超えた場合、ステップS127へと進んでスタンバイ判定をONとし、ブレーキストローク変化量がブレーキストローク変化量閾値以下の場合、ステップS125へと進み、ステップS125でブレーキストローク量がブレーキストローク量閾値を超えるまでの間は、スタンバイ判定をOFFする。
例えば、ブレーキストローク変化速度のみに基づいてスタンバイを開始した場合、ブレーキストローク変化速度の検出誤差等により、運転者に発進意図がないにもかかわらず、不要なスタンバイが行われる可能性がある。そこで、実施例1では、ブレーキストローク変化速度に加え、ブレーキストローク変化量に基づいてスタンバイ判定を行うことで、運転者の発進意図をより正確に判定でき、スタンバイの開始時期の適正化を図ることができる(図18)。
実施例1では、閾値演算部において、路面勾配に基づいてブレーキストローク量勾配閾値、ブレーキストローク変化量勾配閾値およびブレーキブレーキストローク変化速度勾配閾値を演算する(ステップS101〜ステップS103)。このとき、図9〜図11の勾配−閾値テーブルでは、勾配が大きくなるほど閾値を小さくする特性としている。これにより、図19に示すように、急斜面ほどより早くスタンバイを開始してクリープ力を発生させることができるため、ブレーキに連動したトルクの立ち上げが可能となり、車両のロールバックをより確実に防止することができる。
また、閾値演算部では、発進モードとしてスノーモードが選択されている場合、ステップS104→ステップS112→ステップS113→ステップS114へと進み、エコモードよりもブレーキストローク量モード閾値、ブレーキストローク変化量閾値およびブレーキストローク変化速度閾値をより小さな値とし、スタンバイの開始時期を早める。
そして、スノーモードが選択されている場合、スタンバイ油圧演算部では、ステップS134→ステップS138へと進み、エコモードスタンバイ圧よりも小さなスノーモードスタンバイ圧を目標スタンバイ圧とするため、第2クラッチCL2に供給される油圧絶対値は、エコモードの場合よりも小さくなる。また、スタンバイ時間演算部で演算されるスタンバイ時間は、エコモードの場合よりも長いスタンバイ時間となる。
すなわち、スノーモードが選択されている場合には、図20に示すように、エコモードが選択されている場合と比較してスタンバイの油圧絶対値を小さく、かつ、スタンバイ時間を長くするため、油圧のオーバーシュートによるショックを防止でき、円滑にトルクを発生することでタイヤのスリップを防止することができる。
また、閾値演算部では、発進モードとしてパワーモードが選択されている場合、ステップS104→ステップS109→ステップS110→ステップS11へと進み、エコモードよりもブレーキストローク量モード閾値、ブレーキストローク変化量閾値およびブレーキストローク変化速度閾値をより小さな値とし、スタンバイの開始時期を早める。
そして、パワーモードが選択されている場合、スタンバイ油圧演算部では、ステップS134→ステップS135→ステップS137へと進み、エコモードスタンバイ圧よりも大きなパワーモードスタンバイ圧を目標スタンバイ圧とするため、第2クラッチCL2に供給される油圧絶対値は、エコモードの場合よりも大きくなる。また、スタンバイ時間演算部で演算されるスタンバイ時間は、エコモードの場合よりも短いスタンバイ時間となる。
すなわち、パワーモードが選択されている場合には、図21に示すように、エコモードが選択されている場合と比較してスタンバイの油圧絶対値を大きく、かつ、スタンバイ時間を短くするため、レスポンスのよい発進が可能となる。
実施例1では、スタンバイ判定部において、スタンバイ判定ON後、カウントダウンタイマがゼロとなっても車両が発進していない場合には、ステップS132へと進んでスタンバイ判定をOFFにし、スタンバイを解除する。つまり、ブレーキ操作から運転者の発進意図を判定し、スタンバイを開始した場合であっても、実際に車両が発進しない場合には、スタンバイを解除することで、第2クラッチCL2の摩擦による発熱、摩耗を抑制し、耐久性の向上を図ることができる(図22)。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両の発進クラッチスタンバイ制御装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1) 統合コントローラ10は、運転者がブレーキを緩めて車両を発進させようとした際、ブレーキストローク変化速度がブレーキストローク変化速度閾値を超える場合には、ブレーキストローク変化速度がブレーキストローク変化速度閾値以下である場合よりもスタンバイの開始時期を早める。これにより、より早く発進したいという運転者の発進意図がある場合には、早めに第2クラッチCL2のスタンバイを完了させ、駆動トルクを早期に立ち上げることができるため、運転者の意図に応じた発進応答性を得ることができる。
(2) 統合コントローラ10は、ブレーキストローク変化量がブレーキストローク変化量閾値を超える場合には、ブレーキストローク変化量がブレーキストローク変化量閾値以下である場合よりもスタンバイの開始時期を早める。これにより、運転者の発進意図をより正確に判定でき、スタンバイの開始時期の適正化を図ることができる。
(3) 路面勾配を検出する勾配センサ26を設け、統合コントローラ10は、検出された路面勾配が大きいほどスタンバイの開始時期を早めるため、急斜面ほどより早くスタンバイを開始してクリープ力を発生させることができ、車両のロールバックをより確実に防止することができる。
(4) 統合コントローラ10は、スタンバイ油圧とスタンバイ時間とを可変とする。つまり、スタンバイ油圧とスタンバイ時間は、スタンバイ油圧を大きくした場合にはスタンバイ時間を短縮でき、小さくした場合には油圧のオーバーシュートによるショックを低減できるというトレードオフの関係がある。よって、スタンバイ油圧とスタンバイ時間とを状況に応じて最適化することで、それぞれの制御に応じた車両発進が可能となる。
(5) 運転者のアクセル操作に対する駆動力特性を互いに異ならせた複数の発進モード(エコモード、スノーモード、パワーモード)を備え、統合コントローラ10は、発進モードに応じてスタンバイ油圧とスタンバイ時間とを変更するため、発進モードに適した発進を行うことができる。
(6) 複数の発進モードとして、通常のエコモードとアクセル操作に対する駆動力特性をエコモードよりも低駆動力特性としたスノーモードとを設け、統合コントローラ10は、スノーモードでは、エコモードよりもスタンバイの開始時期を早めるとともに、スタンバイ油圧を小さくし、スタンバイ時間を長くする。これにより、油圧のオーバーシュートによるショックを防止でき、円滑にトルクを発生することでタイヤのスリップを防止することができる。
(7) 複数の発進モードとして、エコモードとアクセル操作に対する駆動力特性をエコモードよりも高駆動力特性としたパワーモードとを設け、統合コントローラ10は、パワーモードでは、エコモードよりもスタンバイ油圧を大きくし、スタンバイ時間を短くする。これにより、レスポンスのよい発進が可能となる。
(8) 統合コントローラ10は、スタンバイ中に運転者の発進意図を判断し、発進しないと判断した場合、スタンバイを解除するため、第2クラッチCL2の摩擦による発熱、摩耗を抑制し、耐久性の向上を図ることができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、本発明をハイブリッド車両に適用した例を示したが、本発明は、駆動源と駆動車軸との間に介装されたクラッチを発進要素とする車両であれば、任意の車両に適用でき、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
また、実施例1では、ブレーキストロークセンサのセンサ値からブレーキストローク変化速度およびブレーキストローク変化量を算出する例を示したが、ブレーキストローク変化速度およびブレーキストローク変化量を直接計測するセンサを設けた構成としてもよい。
実施例1では、ブレーキストローク変化速度がブレーキストローク変化速度閾値を超えた状態となったとき、ブレーキストローク変化量がブレーキストローク変化量閾値を超えた場合、スタンバイ判定をONする例を示したが、ブレーキストローク変化速度がブレーキストローク変化速度を超えた場合には、ブレーキストローク変化量にかかわらず、スタンバイ判定をONする構成としてもよい。
本発明の車両の発進クラッチスタンバイ制御装置を適用した実施例1の後輪駆動によるハイブリッド車両を示す全体システム図である。 実施例1の統合コントローラ10で実行されるメインルーチンの流れを示すフローチャートである。 実施例1の目標駆動力マップである。 実施例1のEV-HEV選択マップである。 図2のステップS8で実行される第2クラッチCL2のスタンバイ演算処理の流れを示すフローチャートである。 図2のステップS8で実行される第2クラッチCL2のスタンバイ演算処理の流れを示すフローチャートである。 図2のステップS8で実行される第2クラッチCL2のスタンバイ演算処理の流れを示すフローチャートである。 図2のステップS8で実行される第2クラッチCL2のスタンバイ演算処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の勾配−閾値1テーブルである。 実施例1の勾配−閾値2テーブルである。 実施例1の勾配−閾値3テーブルである。 実施例1の圧力−時間テーブルである。 実施例1の時間−係数テーブルである。 実施例1のスタンバイ実行部の動作を示すタイムチャートである。 実施例1の第2クラッチCL2として用いられる摩擦式クラッチの構造を示す図である。 従来技術における駆動トルクの立ち上がり遅れを示すタイムチャートである。 実施例1におけるブレーキストローク変化速度に応じたスタンバイ開始時期変更作用を示すタイムチャートである。 実施例1におけるブレーキストローク変化量に応じたスタンバイ開始時期変更作用を示すタイムチャートである。 実施例1における路面勾配に応じたスタンバイ開始時期変更作用を示すタイムチャートである。 実施例1のスノーモード時におけるスタンバイ時間変更作用を示すタイムチャートである。 実施例1のパワーモード時における油圧絶対値変更作用を示すタイムチャートである。 実施例1におけるスタンバイ解除作用を示すタイムチャートである。
符号の説明
E エンジン(駆動源)
MG モータジェネレータ(駆動源)
AT 自動変速機
PS プロペラシャフト
DF ディファレンシャル
DSL 左ドライブシャフト(駆動車軸)
DSR 右ドライブシャフト(駆動車軸)
FL 左前輪
FR 右前輪
RL 左後輪
RR 右後輪
CL1 第1クラッチ
CL2 第2クラッチ
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 第1クラッチコントローラ
6 第1クラッチ油圧ユニット
7 ATコントローラ
8 第2クラッチ油圧ユニット
9 ブレーキコントローラ
10 統合コントローラ(スタンバイ制御手段)
11 CAN通信線
12 エンジン回転数センサ
13 レゾルバ
14 第1クラッチ油圧センサ
15 クラッチストロークセンサ
16 アクセル開度センサ
17 車速センサ
18 第2クラッチ油圧センサ
19 車輪速センサ
20 ブレーキストロークセンサ
21 モータ回転数センサ
22 第2クラッチ出力回転数センサ
23 第2クラッチ締結トルクセンサ
24 ブレーキ油圧センサ
25 勾配センサ(路面勾配検出手段)
26 モード切り替えスイッチ

Claims (8)

  1. 駆動源と駆動車軸との間に介装されたクラッチを発進要素とし、運転者がブレーキを緩めて車両を発進させようとした場合、前記クラッチをロスストロークが終了した締結開始直前状態まで予備作動させるスタンバイ制御手段を有する車両の発進クラッチスタンバイ制御装置において、
    ブレーキペダルストローク変化速度を検出するブレーキストローク変化速度検出手段を備え、
    前記スタンバイ制御手段は、検出されたブレーキストローク変化速度が変化速度閾値を超える場合には、ブレーキストローク変化速度が前記変化速度閾値以下である場合よりも予備作動の開始時期を早めることを特徴とする車両の発進クラッチスタンバイ制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の発進クラッチスタンバイ制御装置において、
    運転者のブレーキストローク変化量を検出するブレーキストローク変化量検出手段を備え、
    前記スタンバイ制御手段は、検出されたブレーキストローク変化量が変化量閾値を超える場合には、ブレーキストローク変化量が前記変化量閾値以下である場合よりも予備作動の開始時期を早めることを特徴とする車両の発進クラッチスタンバイ制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両の発進クラッチスタンバイ制御装置において、
    路面勾配を検出する路面勾配検出手段を設け、
    前記スタンバイ制御手段は、検出された路面勾配が大きいほど予備作動の開始時期を早めることを特徴とする車両の発進クラッチスタンバイ制御装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両の発進クラッチスタンバイ制御装置において、
    前記スタンバイ制御手段は、予備作動における前記クラッチへの油圧指令値と油圧供給時間とを可変とすることを特徴とする車両の発進クラッチスタンバイ制御装置。
  5. 請求項4に記載の車両の発進クラッチスタンバイ制御装置において、
    運転者のアクセル操作に対する駆動力特性を互いに異ならせた複数の発進モードを備え、
    前記スタンバイ制御手段は、発進モードに応じて前記クラッチへの油圧指令値と油圧供給時間とを変更することを特徴とする車両の発進クラッチスタンバイ制御装置。
  6. 請求項5に記載の車両の発進クラッチスタンバイ制御装置において、
    前記複数の発進モードとして、第1の発進モードとアクセル操作に対する駆動力特性を第1の発進モードよりも低駆動力特性とした第2の発進モードとを設け、
    前記スタンバイ制御手段は、前記第2の発進モードでは、第1の発進モードよりも予備作動の開始時期を早めるとともに、前記クラッチへの油圧指令値を小さくし、油圧供給時間を長くすることを特徴とする車両の発進クラッチスタンバイ制御装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の車両の発進クラッチスタンバイ制御装置において、
    前記複数の発進モードとして、第1の発進モードとアクセル操作に対する駆動力特性を第1の発進モードよりも高駆動力特性とした第3の発進モードとを設け、
    前記スタンバイ制御手段は、前記第3の発進モードでは、第1の発進モードよりも前記クラッチの油圧指令値を大きくし、油圧供給時間を短くすることを特徴とする車両の発進クラッチスタンバイ制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車両の発進クラッチスタンバイ制御装置において、
    前記スタンバイ制御手段は、予備作動中に運転者の発進意図を判断し、発進しないと判断した場合、予備作動を解除することを特徴とする車両の発進クラッチスタンバイ制御装置。
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