JP5034066B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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本発明は、冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた空気調和装置に関し、特に複数の凝縮器が接続された冷媒回路を備えた空気調和装置の運転制御技術に関するものである。
従来より、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた空気調和装置が知られている。そして、この空気調和装置の中には、1台の室外機に対して複数台の室内機が並列に接続された、いわゆるマルチタイプの空気調和装置がある(例えば特許文献1参照)。
この空気調和装置では、室外機に室外回路が設けられ、室内機に室内回路が設けられている。室外回路には、圧縮機、四路切換弁、室外熱交換器、室外膨張弁、レシーバ等が設けられている。室内回路には、室内熱交換器と室内膨張弁とが設けられている。そして、空気調和装置の冷媒回路は、室外回路に対して複数の室内回路を並列に接続して構成されている。
ところで、この空気調和装置の暖房運転時に、各室内機の熱交換量を調整する方法のひとつとして、圧縮機の容量制御及び室内膨張弁による冷媒出口過冷却度制御がある。上記圧縮機の容量制御は、圧縮機の吐出側に設けられた冷媒圧力センサで検出した検出圧力に基づいて行われる。具体的には、上記検出圧力から算出した圧力相当の飽和温度(凝縮温度)が、予め定められた凝縮温度(以下、設定温度)に近づくように、圧縮機の運転周波数を調整している。
この構成によれば、圧縮機の容量制御において、現在の凝縮温度が設定温度よりも高い場合には、圧縮機の運転周波数を下げて該圧縮機の容量を減少させる。すると、圧縮機の消費電力が小さくなるとともに凝縮温度が低くなって、該凝縮温度が設定温度に近づく。逆に、現在の凝縮温度が設定温度よりも低い場合には、圧縮機の運転周波数を上げて該圧縮機の容量を増加させる。すると、圧縮機の消費電力が大きくなるとともに凝縮温度が高くなって、該凝縮温度が設定温度に近づく。
一方、上記冷媒出口過冷却度制御は、各室内熱交換器の出口側に設けられた冷媒出口温度センサで検出した検出温度と上記圧縮機の吐出側に設けられた冷媒圧力センサで検出した検出圧力とに基づいて行われる。具体的には、検出温度と検出圧力から算出した各室内機ごとの冷媒出口過冷却度が、各室内熱交換器に必要な熱交換量に応じて定められた目標過冷却度となるように、室内熱交換器に対応する室内膨張弁の開度を調整している。ここで、室内熱交換器に必要な熱交換量は、室内熱交換器が設置された室内の室内設定温度と室内温度との偏差に基づいて決定されている。
この構成によれば、冷媒出口過冷却度制御において、室内温度が室内設定温度よりも高い場合には、上記目標過冷却度を現在よりも高く設定する。すると、現在の冷媒出口過冷却度と目標過冷却度との間に偏差が生じ、この偏差が小さくなるように室内膨張弁の開度が小さくなる。逆に、室内温度が室内設定温度よりも低い場合には、上記目標過冷却度を現在よりも低く設定する。すると、現在の冷媒出口過冷却度と目標過冷却度との間に偏差が生じ、この偏差が小さくなるように室内膨張弁の開度が大きくなる。このように室内膨張弁の開度を調節し、室内熱交換器を流れる冷媒流量を調整することにより、室内熱交換器の熱交換量を増減させて、室内温度を室内設定温度に近づけている。
特開2000−046401号公報
しかしながら、従来のマルチタイプの空気調和装置において、上述したような冷媒出口過冷却度制御を行えば、各室内機の室内温度が室内設定温度に近づくように各室内機の熱交換量を調整できるものの、それらの熱交換量を得るために必要な圧縮機の消費電力を考慮して、上記設定温度が定められていない。このため、空気調和装置の運転状態によっては、所期の熱交換量に対する圧縮機の消費電力が大きくなってしまうという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の凝縮器を有する冷媒回路を備えた空気調和装置において、各凝縮器に必要な熱交換量を得るための圧縮機の消費電力をできるだけ抑えて、空気調和装置の成績係数(COP)が低下しないようにすることである。
第1の発明は、容量可変な圧縮機(21)と複数の凝縮器(27)と該各凝縮器(27)に対応する膨張機構(26)とを有して冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)と、該冷媒回路(20)を循環する冷媒の凝縮温度Tcが予め定められた設定温度Tcmに近づくように圧縮機(21)の容量を調整する容量調整手段(6)と、各凝縮器(27)の冷媒出口過冷却度SCが上記各凝縮器(27)に必要な熱交換量に基づいて定められた目標過冷却度SCsに近づくように膨張機構(26)を通過する冷媒の減圧量を調整する減圧量調整手段(9)とを備えた空気調和装置を前提としている。
そして、この空気調和装置において、各凝縮器(27)のみを用いた空気調和装置における成績係数及び冷媒出口過冷却度の関係を該各凝縮器(27)ごとに定めた制御関数を有し、各制御関数で算出される、成績係数を最大にする各過冷却度から冷媒出口過冷却度の最適値を演算する演算手段(4b)と、各凝縮器(27)の目標過冷却度SCsに基づいて定められた代表値が上記最適値に近づくように、上記設定温度Tcmを変更する変更手段(5)を備えていることを特徴としている。
第1の発明では、上記代表値SCsdが上記最適値SCopよりも大きいまたは小さい場合に、上記代表値SCsdが上記最適値SCopに近づくように上記設定温度Tcmを変更することができる。言い換えれば、上記設定温度Tcmを現在よりも少しずつ低い値または高い値に変更していき、上記代表値SCsdと上記最適値SCopの差を所定の値以下にすることができる。
各凝縮器(27)での発生能力は、各凝縮器(27)の出入口エンタルピ差と各凝縮器(27)の冷媒循環量の積であるので、同一能力を発生させる場合、上記エンタルピ差を大きくすれば上記冷媒循環量を減らして、圧縮機(21)の回転数を低下させることができる。しかし、その場合、上記エンタルピ差を大きくするためには、各凝縮器(27)の出口過冷却度SCを大きくする必要があるので、同時に高圧圧力を上昇させる必要がある。圧縮機(21)の消費電力は回転数を低下させれば減少するが、高圧圧力が上昇し高低差圧が増加すると増えるので、圧縮機(21)の消費電力を最小とする上記代表値SCsdの最適値SCopが存在する。
上記最適値SCopは、各凝縮器(27)のみを用いた空気調和装置における成績係数及び冷媒出口過冷却度の関係を該各凝縮器(27)ごとに定めた各制御関数で算出される、成績係数を最大にする各過冷却度から演算手段(4b)で決定される。
上記代表値SCsdが上記最適値SCopよりも高い場合は、設定温度Tcmが現在よりも低い値に変更され、上記容量調整手段(6)において、現在の凝縮温度Tcがその設定温度Tcmに近づくように、圧縮機(21)の容量を減少させる。圧縮機(21)の容量が減少すると、各凝縮器(27)を流れる冷媒の流量が減少し、該各凝縮器(27)の熱交換量が減少する。上記減圧量調整手段(9)は、この減少した熱交換量を補うように、目標過冷却度SCsを現在よりも低い値に設定する。これにより、上記代表値SCsdが上記最適値SCopに近づき、圧縮機(21)の消費電力を設定温度Tcmの変更前に比べて小さくすることができる。
一方、上記代表値SCsdが上記最適値SCopよりも低い場合は、設定温度Tcmが現在よりも高い値に変更され、上記容量調整手段(6)において、現在の凝縮温度Tcがその設定温度Tcmに近づくように、圧縮機(21)の容量を増加させる。圧縮機(21)の容量が増加すると、各凝縮器(27)を流れる冷媒の流量が増加し、該各凝縮器(27)の熱交換量が増加する。上記減圧量調整手段(9)は、この増加した熱交換量を減らすように、目標過冷却度SCsを現在よりも高い値に設定する。これにより、上記代表値SCsdが上記最適値SCopに近づき、圧縮機(21)の消費電力を設定温度Tcmの変更前に比べて小さくすることができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記代表値SCsdは、各凝縮器(27)ごとに定められた目標過冷却度SCsの平均値であることを特徴としている。
第2の発明では、上記代表値SCsdを、各凝縮器(27)ごとに定められた目標過冷却度SCsの平均値にしているので、簡単な計算により上記代表値SCsdを求めることができる。従って簡単な計算で上記設定温度Tcmを適切に変更することができ、空気調和装置の運転状態に応じて、圧縮機(21)の消費電力を適切に小さくすることができる。
第3の発明は、第2の発明において、上記平均値は、各凝縮器(27)の熱交換能力に応じて、各凝縮器(27)の目標過冷却度SCsごとに重み付けした値を平均したものであることを特徴としている。
第3の発明では、上記平均値を各凝縮器(27)の熱交換能力に応じて、各凝縮器(27)の目標過冷却度SCsごとに重み付けした値を平均して求めているので、熱交換している能力の大小に応じて、平均値に与える影響を変更することができる。これによって各凝縮器(27)の過冷却度SCをより最適な値に近づけることができ、上記設定温度Tcmをより適切に変更することができ、空気調和装置の運転状態に応じて、圧縮機(21)の消費電力を適切に小さくすることができる。
第4の発明は、第1の発明において、上記代表値SCsdは全ての凝縮器(27)のうち、空気調和装置のユーザーが選択した凝縮器(27)の目標過冷却度SCsであることを特徴としている。
第4の発明では、上記代表値SCsdをユーザーが選択した凝縮器(27)の目標過冷却度SCsとしているので、ユーザーの要求に応じて空気調和装置の運転状態を適切に変更することができ、自動制御で最適化ができない場合も圧縮機(21)の消費電力を適切に小さくすることができる。
第5の発明は、容量可変な圧縮機(21)と複数の凝縮器(27)と該各凝縮器(27)に対応する膨張機構(26)とを有して冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)と、該冷媒回路(20)を循環する冷媒の凝縮温度Tcが予め定められた設定温度Tcmに近づくように圧縮機(21)の容量を調整する容量調整手段(6)と、各凝縮器(27)の冷媒出口過冷却度SCが上記各凝縮器(27)に必要な熱交換量に基づいて定められた目標過冷却度SCsに近づくように膨張機構(26)を通過する冷媒の減圧量を調整する減圧量調整手段(9)とを備えた空気調和装置を前提としている。
そして、上記空気調和装置の各凝縮器(27)とは別の凝縮器を用いた空気調和装置における成績係数及び冷媒出口過冷却度の関係を定めた制御関数を有し、該制御関数で算出される、成績係数を最大にする過冷却度から冷媒出口過冷却度の最適値を演算する演算手段(4b)と、各凝縮器(27)の目標過冷却度SCsに基づいて定められた代表値が上記最適値に近づくように、上記設定温度Tcmを変更する変更手段(5)を備えていることを特徴としている。
ここで、別の凝縮器について説明すると、凝縮器の設計を行う場合には、容量ごと又は形状ごとにいくつかのグループに分け、そのグループから代表的な凝縮器(例えば、グループの中で平均的な容量を有する凝縮器)について設計が行われる。そして、その代表的な凝縮器、又は代表的な凝縮器に基づいて、上記凝縮器(27)が設計される。このことから、別の凝縮器とは、上記凝縮器(27)が含まれるグループのうちの代表的な凝縮器をいう。
第5の発明では、第1の発明のように各凝縮器(27)ごとに定めた各制御関数を用いる代わりに、別の凝縮器における制御関数を用いたので、凝縮器毎に制御関数を持つ必要がなく、簡単な方法で上記最適値SCopを算出することができる。
第6の発明は、第5の発明において、上記代表値SCsdは、各凝縮器(27)ごとに定められた目標過冷却度SCsの平均値であることを特徴としている。
第6の発明では、上記代表値SCsdを、各凝縮器(27)ごとに定められた目標過冷却度SCsの平均値にしているので、簡単な計算により上記代表値SCsdを求めることができる。従って簡単な計算で上記設定温度Tcmを適切に変更することができ、空気調和装置の運転状態に応じて、圧縮機(21)の消費電力を適切に小さくすることができる。
第7の発明は、第6の発明において、上記平均値は、各凝縮器(27)の熱交換能力に応じて、各凝縮器(27)の目標過冷却度SCsごとに重み付けした値を平均したものであることを特徴としている。
第7の発明では、上記平均値を各凝縮器(27)の熱交換能力に応じて、各凝縮器(27)の目標過冷却度SCsごとに重み付けした値を平均して求めているので、熱交換している能力の大小に応じて、平均値に与える影響を変更することができる。これによって各凝縮器(27)の過冷却度SCをより最適な値に近づけることができ、上記設定温度Tcmをより適切に変更することができ、空気調和装置の運転状態に応じて、圧縮機(21)の消費電力を適切に小さくすることができる。
第8の発明は、第5の発明において、上記代表値SCsdは全ての凝縮器(27)のうち、空気調和装置のユーザーが選択した凝縮器(27)の目標過冷却度SCsであることを特徴としている。
第8の発明では、上記代表値SCsdをユーザーが選択した凝縮器(27)の目標過冷却度SCsとしているので、ユーザーの要求に応じて空気調和装置の運転状態を適切に変更することができ、自動制御で最適化ができない場合も圧縮機(21)の消費電力を適切に小さくすることができる。
第9の発明は、第1から3または5から7の発明の何れか1つにおいて、上記変更手段(5)は、各冷媒出口過冷却度SCのうち最も小さな値SCsmが所定の下限値を下回ると、設定温度Tcmを低下させる変更動作を禁止するように構成されていることを特徴としている。
第9の発明では、上記最小目標過冷却度SCsmが上記所定の下限値を下回ると、上記設定温度Tcmを低下させる変更動作を禁止したため、凝縮器(27)の冷媒出口過冷却度SCが低くなりすぎて、二相状態になることを防止することができる。したがって、この所定の下限値は、設定温度Tcmの変更後に凝縮器(27)の冷媒出口側が二相状態ならない程度の値にするのが好ましい。凝縮器(27)から流出する冷媒が二相状態になると、過冷却度の制御ができなくなるためである。
本発明によれば、従来の空気調和装置とは違い、各凝縮器(27)の目標過冷却度SCsに基づいて算出された上記代表値SCsdが上記最適値SCopよりも大きいまたは小さい場合に、上記設定温度Tcmを上記代表値が上記最適値に近づくように変更することができる。言い換えれば、上記設定温度Tcmを最適値に近づけることができる。そして、この変更した設定温度Tcmに凝縮温度Tcが近づくことにより、各凝縮器(27)の熱交換量を設定温度Tcmの変更前と同一に保ちつつ、圧縮機(21)の消費電力を設定温度Tcmの変更前に比べて小さくすることができる。したがって、複数の凝縮器(27)を有する冷媒回路(20)を備えた空気調和装置において、各凝縮器(27)に必要な熱交換量を得るための圧縮機(21)の消費電力をできるだけ抑えて、空気調和装置の成績係数(COP)が低下しないようにすることができる。
また、上記第2の発明によれば、上記代表値SCsdを、各凝縮器(27)の目標過冷却度SCsの平均値にしているので、簡単な計算で上記設定温度Tcmを適切に変更することができる。したがって、空気調和装置の運転状態に応じて、各凝縮器に必要な熱交換量を得るための圧縮機(21)の消費電力を適切に抑えて、空気調和装置の成績係数が低下しないようにすることができる。
また、上記第3の発明によれば、上記平均値を各凝縮器(27)の熱交換能力に応じて、各目標過冷却度SCsに重み付けした値を平均して求めているので、熱交換している能力の大小に応じて、平均値に与える影響を変更することができる。したがって、凝縮器(27)の容量に応じて、圧縮機(21)の消費電力をさらに適切に抑えて、空気調和装置の成績係数が低下しないようにすることができる。
また、上記第4の発明によれば、上記代表値SCsdをユーザーが選択した凝縮器(27)の目標過冷却度SCsにしているので、ユーザーの要求に応じて空気調和装置の運転状態を適切に変更することができる。したがって自動制御で最適化ができない場合も圧縮機(21)の消費電力を適切に小さくすることができる。
また、上記第5の発明によれば、各凝縮器(27)ごとに定めた各制御関数を用いる代わりに、別の凝縮器での制御関数を用いたので、凝縮器毎に制御関数を持つ必要がなく、簡単な方法で上記最適値SCopを算出することができる。したがって、複数の凝縮器(27)を有する冷媒回路(20)を備えた空気調和装置において、より簡単な方法で各凝縮器(27)に必要な熱交換量を得るための圧縮機(21)の消費電力をできるだけ抑えて、空気調和装置の成績係数(COP)が低下しないようにすることができる。
また、上記第6の発明によれば、上記代表値SCsdを、各凝縮器(27)ごとに定められた目標過冷却度SCsの平均値にしているので、簡単な計算により上記代表値SCsdを求めることができる。したがって、空気調和装置の運転状態に応じて、各凝縮器に必要な熱交換量を得るための圧縮機(21)の消費電力を適切に抑えて、空気調和装置の成績係数が低下しないようにすることができる。
また、上記第7の発明によれば、上記平均値を各凝縮器(27)の熱交換能力に応じて、各目標過冷却度SCsに重み付けした値を平均して求めているので、熱交換している能力の大小に応じて、平均値に与える影響を変更することができる。したがって、凝縮器(27)の容量に応じて、圧縮機(21)の消費電力をさらに適切に抑えて、空気調和装置の成績係数が低下しないようにすることができる。
また、第8の発明によれば、上記代表値SCsdをユーザーが選択した凝縮器(27)の目標過冷却度SCsにしているので、ユーザーの要求に応じて空気調和装置の運転状態を適切に変更することができる。したがって自動制御で最適化ができない場合も圧縮機(21)の消費電力を適切に小さくすることができる。
また、第9の発明によれば、上記最小目標過冷却度SCsmが上記所定の下限値を下回ると、上記設定温度Tcmを低下させる変更動作を禁止したため、凝縮器(27)の冷媒出口過冷却度SCが低くなりすぎて、二相状態になることを防止することができる。したがって、凝縮器(27)から流出する冷媒が二相状態になることを防いで、安定的に過冷却度の制御をすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に本実施形態の空気調和装置における冷媒回路図を示す。本実施形態の空気調和装置(10)は、室外機(11)と複数の室内機(12)とを備えたマルチタイプの空気調和装置であり、冷暖房運転が可能に構成されている。尚、上記室外機(11)は屋外に設置され、各室内機(12)はそれぞれ室内空間ごとに設置されている。そして、この空気調和装置(10)は、図1に示すように、冷媒回路(20)とコントローラ(1)と各室内機(12)に対応するリモコン(7)とを備えている。
〈冷媒回路〉
上記冷媒回路(20)には、圧縮機(21)と、四路切換弁(22)と、室外熱交換器(23)と、室外膨張弁(24)と、レシーバ(25)と、逆止弁ブリッジ回路(34)と、室内膨張弁(膨張機構)(26)及び室内熱交換器(凝縮器)(27)とが接続されている。そして、上記圧縮機(21)と四路切換弁(22)と室外熱交換器(23)と室外膨張弁(24)とレシーバ(25)とが室外機(11)に設置され、上記室内膨張弁(26)及び室内熱交換器(27)が室内機(12)に設置されている。ここで、上記室外機(11)において、室外熱交換器(23)の近傍には室外ファン(28)が設けられている。又、上記室内機(12)において、室内熱交換器(27)の近傍には室内ファン(29)が設けられている。
具体的に、上記冷媒回路(20)において 、圧縮機(21)は、吐出側が四路切換弁(22)の第1ポートに、吸入側が四路切換弁(22)の第2ポートにそれぞれ接続されている。また、冷媒回路(20)では、四路切換弁(22)の第3ポートから第4ポートへ向かって順に、室外熱交換器(23)、室外膨張弁(24)、逆止弁ブリッジ回路(34)、レシーバ(25)、室内膨張弁(26)及び室内熱交換器(27)が配置されている。尚、上記室内熱交換器(27)は2台設けられ、各室内熱交換器(27)は互いに並列配置されている。又、各室内熱交換器(27)毎に室内膨張弁(26)が設けられている。
上記逆止弁ブリッジ回路(34)は、第1〜第4逆止弁(CV1,CV2,CV3,CV4)を備え、各逆止弁は、図1に示すように、互いに冷媒配管で接続されている。上記室外膨張弁(24)から延びる冷媒配管が、第1逆止弁(CV1)と第4逆止弁(CV4)との間に接続されている。各室内膨張弁(26)から延びる冷媒配管は合流して、第2逆止弁(CV2)と第3逆止弁(CV3)との間に接続されている。上記レシーバ(25)に設けられた冷媒入口部から延びる冷媒配管は、第3逆止弁(CV3)と第4逆止弁(CV4)との間に接続されている。上記レシーバ(25)に設けられた冷媒出口部から延びる冷媒配管は、第1逆止弁(CV1)と第2逆止弁(CV2)との間に接続されている。
尚、第1逆止弁(CV1)はレシーバ(25)の冷媒出口部から室外熱交換器(23)へ向かう流れを許容する向きに、第2逆止弁(CV2)はレシーバ(25)の冷媒出口部から各室内膨張弁(26)へ向かう流れを許容する向きに、第3逆止弁(CV3)は各室内膨張弁(26)からレシーバ(25)の冷媒入口部へ向かう流れを許容する向きに、第4逆止弁(CV4)は室外熱交換器(23)からレシーバ(25)の冷媒入口部へ向かう流れを許容する向きに、それぞれ取り付けられている。
上記圧縮機(21)は全密閉型であって、該圧縮機(21)に電気的に接続されたインバータ(図示省略)により容量可変に構成されている。この圧縮機(21)は、吸入した冷媒を所定圧力まで圧縮して吐出するように構成されている。室外熱交換器(23)は、室外ファン(28)によって取り込まれた室外空気と冷媒が熱交換する空気熱交換器を構成している。各室内熱交換器(27)は、各室内ファン(29)によって取り込まれた室内空気と冷媒が熱交換する空気熱交換器を構成している。室外膨張弁(24)および室内膨張弁(26)は、いずれも開度可変の電子膨張弁によって構成されている。
上記レシーバ(25)は、縦長の円筒状に形成された密閉容器で構成されており、該密閉容器には冷媒流入口と冷媒流出口とが設けられている。そして、上記冷媒流入口から流入した冷媒を、一時的に容器内に貯留しつつ、その貯留した冷媒を上記冷媒流出口から流出することができるように構成されている。
上記四路切換弁(22)は、第1ポートと第4ポートが連通し且つ第2ポートと第3ポートが連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポートと第3ポートが連通し且つ第2ポートと第4ポートが連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。
つまり、冷媒回路(20)において、四路切換弁(22)が第1状態の場合、冷媒が暖房サイクルで循環し、室内熱交換器(27)が凝縮器として、室外熱交換器(23)が蒸発器としてそれぞれ機能する。また、冷媒回路(20)において、四路切換弁(22)が第2状態の場合、冷媒が冷房サイクルで循環し、室内熱交換器(27)が蒸発器として、室外熱交換器(23)が凝縮器としてそれぞれ機能する。
上記冷媒回路(20)には、室内温度センサ(31)と、第1冷媒温度センサ(32)と、第2冷媒温度センサ(33)とが設けられている。室内温度センサ(31)は、室内熱交換器(27)における室内空気の吸込温度Taを検出するものである。第2冷媒温度センサ(33)は、冷媒回路(20)において冷媒が暖房サイクルで循環するときに、室内熱交換器(27)の冷媒出口温度Toutを検出するものである。第1冷媒温度センサ(32)は、冷媒回路(20)において冷媒が冷房サイクルで循環するときに、室内熱交換器(27)の冷媒出口温度を検出するものである。又、上記冷媒回路(20)には、該冷媒回路(20)の高圧圧力を検知する高圧圧力センサ(36)と該冷媒回路(20)低圧圧力を検出する低圧圧力センサ(35)が設けられている。
〈コントローラ〉
上記コントローラ(1)は、空気調和装置(10)の運転制御を行うものである。上記コントローラ(1)には、空気調和装置(10)の各部に設けられたセンサ類、及び空気調和装置(10)の運転指令を行うリモコン(7)が電気配線を介して接続されている。又、上記コントローラ(1)には、圧縮機(21)、インバータ、四路切換弁(22)、室外膨張弁(24)、室内膨張弁(26)等のアクチュエータ類が電気配線を介してそれぞれ接続されている。
そして、上記コントローラ(1)は、上記センサ類から入力される検出信号及びリモコン(7)から入力される操作信号に応じて上記アクチュエータ類を作動することにより、運転制御を行うように構成されている。
図2は、このコントローラ(1)の構成を示すブロック図である。このコントローラ(1)は、図2に示すように、過冷却度算出部(2)と代表目標過冷却度算出部(3)と凝縮温度設定部(4a)と最適目標過冷却度設定部(演算手段)(4b)と変更部(変更手段)(5)とインバータ制御部(容量調整手段)(6)と目標過冷却度設定部(8a)と膨張弁制御部(減圧量調整手段)(9)と制御関数(8b)とを備えている。尚、過冷却度算出部(2)と目標過冷却度設定部(8a)と膨張弁制御部(9)と制御関数(8b)は各室内機(12)ごとにコントローラ(1)に設けられている。
ここで、過冷却度算出部(2)と目標過冷却度設定部(8a)と膨張弁制御部(9)と室内膨張弁(26)により、従来の冷媒出口過冷却度制御が行われる。又、凝縮温度設定部(4a)とインバータ制御部(6)と圧縮機(21)とにより、圧縮機容量制御が行われる。又、凝縮温度の設定変更制御は、代表目標過冷却度算出部(3)と最適目標過冷却度設定部(4b)と変更部(5)と制御関数(8b)で行われる。これらの制御の詳細は後述する。
−運転動作−
〈暖房運転〉
暖房運転時には、四路切換弁(22)が第1状態に設定される。そして、この状態で圧縮機(21)を起動すると、室外熱交換器(23)が蒸発器となり、各室内熱交換器(27)が凝縮器となって暖房サイクルが行われる。
具体的に、圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、該圧縮機(21)から吐出される。圧縮機(21)から吐出された冷媒は、四路切換弁(22)を通過した後で分岐して、室内熱交換器(27)に流れる。室内熱交換器(27)に流入した冷媒は、室内空気へ放熱した後で室内熱交換器(27)を流出する。このとき、冷媒の放熱によって室内空気は加熱され、この加熱された室内空気が室内へ供給される。該室内熱交換器(27)を流出した冷媒は、室内膨張弁(26)に流入する。該室内膨張弁(26)に流入した冷媒は、該室内膨張弁(26)により減圧された後で室内膨張弁(26)を流出する。各室内膨張弁(26)を流出した冷媒は合流した後、逆止弁ブリッジ回路(34)を経てレシーバ(25)に流入する。該レシーバ(25)では、二相状態の冷媒が容器内に一時的に貯留されるとともに、貯留された液冷媒が該レシーバ(25)を流出する。
上記レシーバ(25)を流出した冷媒は、逆止弁ブリッジ回路(34)を通過した後、上記室外膨張弁(24)に流入する。該室外膨張弁(24)に流入した冷媒は、所定の圧力まで減圧された後で該室外膨張弁(24)を流出し、室外熱交換器(23)に流入する。該室外熱交換器(23)に流入した冷媒は、室外空気から吸熱して蒸発した後で該室外熱交換器(23)を流出する。該室外熱交換器(23)を流出した冷媒は、四路切換弁(22)を経て圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮された後で該圧縮機(21)から吐出される。このように冷媒が循環することにより、空気調和装置の暖房運転が行われる。
〈冷房運転〉
次に、上記空気調和装置(10)の運転動作について説明する。
先ず、冷房運転時には、四路切換弁(22)が第2状態に設定される。そして、この状態で圧縮機(21)を起動すると、室外熱交換器(23)が凝縮器となり、各室内熱交換器(27)が蒸発器となって冷房サイクルが行われる。
具体的に、圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、該圧縮機(21)から吐出された後、四路切換弁(22)を経て室外熱交換器(23)に流れる。室外熱交換器(23)に流入した冷媒は、室外空気へ放熱した後で室外熱交換器(23)を流出し、室外膨張弁(24)に流入する。該室外膨張弁(24)に流入した冷媒は、該室外膨張弁(24)で減圧された後で該室外膨張弁(24)を流出し、二相状態の冷媒が逆止弁ブリッジ回路(34)を経てレシーバ(25)に流入する。該レシーバ(25)では、二相状態の冷媒が容器内に一時的に貯留されるとともに、貯留された液冷媒が該レシーバ(25)を流出する。
上記レシーバ(25)を流出した冷媒は、逆止弁ブリッジ回路(34)を通過した後で分岐して、各室内膨張弁(26)に流入する。該室内膨張弁(26)に流入した冷媒は、所定の圧力まで減圧された後で該室内膨張弁(26)を流出し、室内熱交換器(27)に流入する。該室内熱交換器(27)に流入した冷媒は、室内空気から吸熱して蒸発した後で該室内熱交換器(27)を流出する。このとき、室内空気は冷媒から熱を奪われて冷却され、この冷却された室内空気が室内へ供給される。該各室内熱交換器(27)を流出した冷媒は合流した後、四路切換弁(22)を経て圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮された後で該圧縮機(21)から吐出される。このように冷媒が循環することにより、空気調和装置の冷房運転が行われる。
〈コントローラによる運転制御〉
次に、暖房運転時に行われる運転制御について、図2を用いて説明する。まず、上記冷媒出口過冷却度制御と上記圧縮機容量制御について説明した後、凝縮温度の設定変更制御について説明する。
上記冷媒出口過冷却度制御において、上記各リモコン(7)から出力された室内設定温度Ts及び上記各室内温度センサ(31)からフィードバックされた吸込温度Taに基づいて偏差e1が演算される。具体的に、上記偏差e1は室内設定温度Tsから吸込温度Taを差し引いた値であり、この偏差e1が、各目標過冷却度設定部(8a)に入力される。
上記各目標過冷却度設定部(8a)は、入力された偏差e1を目標過冷却度SCsに変換して出力する。ここで、目標過冷却度設定部(8a)は、上記偏差e1と目標過冷却度SCsとの関係が予め定められた関数を有している。この関数に基づいて偏差e1を目標過冷却度SCsに変換する。
具体的には、吸込温度Taが室内設定温度Tsよりも高い場合には、上記目標過冷却度SCsを現在よりも高い値に変更する。逆に、吸込温度Taが室内設定温度Tsよりも低い場合には、上記目標過冷却度SCsを現在よりも低い値に変更する。
上記各目標過冷却度設定部(8a)から出力された目標過冷却度SCs、及び各室内機(12)から各過冷却度算出部(2)を経てフィードバックされた冷媒出口過冷却度SCに基づいて各偏差e2が演算される。具体的に、上記各偏差e2は目標過冷却度SCsから現在の冷媒出口過冷却度SCを差し引いた値であり、この各偏差e2が各膨張弁制御部(9)に入力される。
上記各膨張弁制御部(9)では、入力された偏差e2を膨張弁開度量ΔEVに変換して出力する。ここで、各膨張弁制御部(9)は、上記偏差e2と膨張弁開度量ΔEVとの関係が予め定められた関数を有している。この関数に基づいて偏差e2を膨張弁開度量ΔEVに変換する。
具体的には、現在の冷媒出口過冷却度SCが目標過冷却度SCsよりも大きい場合には、室内膨張弁(26)の開度値を現在よりも大きい値に変更する。逆に、現在の冷媒出口過冷却度SCが目標過冷却度SCsよりも小さい場合には、室内膨張弁(26)の開度値を現在よりも小さい値に変更する。そして、室内膨張弁(26)の開度変更に伴って変化した吸込温度Taと冷媒出口温度Toutとがそれぞれフィードバックされる。
このように室内膨張弁(26)の開度を調節し、室内熱交換器(27)流れる冷媒流量を調整することにより、室内熱交換器(27)の熱交換量を増減させて、吸込温度Taを室内の室内設定温度Tcmに近づけている。
次に、上記圧縮機容量制御について説明する。
上記凝縮温度設定部(4a)は、冷媒回路(20)を循環する冷媒の凝縮温度Tcを設定するものであり、室外機(11)と室内機(12)を接続する連絡配管の配管長、室外機(11)が設置された屋外の外気温度、及び各リモコン(7)の室内設定温度Ts等を入力すると、凝縮温度の設定温度Tcmを出力するように構成されている。この凝縮温度設定部(4a)から出力された設定温度Tcmは、後述する変更部(5)で必要に応じて設定変更温度Tcsに変換される。
上記変更部(5)から出力された設定変更温度Tcs、及び室外機(11)からフィードバックされた凝縮温度Tcに基づいて偏差e4が演算される。具体的に、上記偏差e4は設定変更温度Tcsから現在の凝縮温度Tcを差し引いた値であり、この偏差e4が、インバータ制御部(6)に入力される。
上記インバータ制御部(6)では、入力された偏差e4を周波数変更量Δfに変換して出力する。ここで、インバータ制御部(6)は、上記偏差e4と周波数変更量Δfとの関係が予め定められた関数を有している。この関数に基づいて偏差e4を周波数変更量Δfに変換する。
具体的には、現在の凝縮温度Tcが設定変更温度Tcsよりも低い場合には、圧縮機(21)の周波数を現在よりも高い値に変更する。逆に、現在の凝縮温度Tcが設定変更温度Tcsよりも高い場合には、圧縮機(21)の周波数を現在よりも低く値に変更する。そして、圧縮機(21)の周波数変更に伴って変化した凝縮温度Tcがフィードバックされる。
このように圧縮機(21)の運転周波数を調節することにより、凝縮温度Tcを設定変更温度Tcsに近づけている。
次に、凝縮温度の設定変更制御について説明する。
上記最適目標過冷却度設定部(4b)は、空気調和装置(10)が運転を開始すると、各室内機のコントローラに組み込まれた各制御関数(8b)の出力に応じて、最適目標過冷却度SCopを出力するように構成されている。また上記各制御関数(8b)は室内空気の吸込温度Ta、凝縮温度Tc、ファン回転数Fなどから、各室内機の熱交換能力Qを算出し、その能力Qでの成績係数と過冷却度SCの関係から、最適な過冷却度SCoを算出し、SCoとQを出力する。
一方、上記各目標過冷却度設定部(8)から出力された目標過冷却度SCsは、それぞれ代表目標過冷却度算出部(3)に入力される。上記代表目標過冷却度算出部(3)では、各目標過冷却度SCsを入力すると、入力された各目標過冷却度SCsから代表目標過冷却度SCsdを出力する。
上記代表目標過冷却度算出部(3)から出力された代表目標過冷却度SCsd及び上記最適目標過冷却度設定部(4b)から出力された最適目標過冷却度SCopに基づいて偏差e3が演算される。具体的に、上記偏差e3は最適目標過冷却度SCopから代表目標過冷却度SCsdを差し引いた値であり、この偏差e3が変更部(5)に入力される。
上記変更部(5)は、上述したように、凝縮温度設定部(4a)から出力された設定温度Tcmを、必要に応じて設定変更温度Tcsに変換して出力するように構成されている。
上記変更部(5)は、入力された偏差e3と設定変更温度Tcsとの関係が予め定められた関数を有している。この関数に基づいて偏差e3を設定変更温度Tcsに変換する。
具体的には、上記偏差e3がゼロ以下の場合、つまり最適目標過冷却度SCopが代表目標過冷却度SCsd以下の場合には、設定変更温度Tcsを現在の設定温度Tcmよりも小さい値に変換する。
一方、上記偏差e3がゼロより大きい場合、つまり最適目標過冷却度SCopが代表目標過冷却度SCsdよりも大きい場合には、設定変更温度Tcsを現在の設定温度Tcmよりも大きい値に変換する。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、従来の空気調和装置とは違い、各室内熱交換器(27)の目標過冷却度SCsに基づいて、設定温度Tcmを現在よりも最適な値である設定変更温度Tcsに変更することができる。そして、この設定変更温度Tcsに凝縮温度Tcが近づくことにより、各室内熱交換器(27)の熱交換量を設定温度Tcmの変更前と変化しないようにしつつ、圧縮機(21)の消費電力を設定温度Tcmの変更前に比べて小さくすることができる。したがって、複数の室内熱交換器(27)を有する冷媒回路(20)を備えた空気調和装置において、各室内熱交換器(27)に必要な熱交換量を得るための圧縮機(21)の消費電力をできるだけ抑えて、空気調和装置の成績係数(COP)が低下しないようにすることができる。
又、本実施形態によれば、上記設定温度Tcmを設定変更温度Tcsに変更する際の変更量を、最適目標過冷却度SCopと代表目標過冷却度SCsdとの偏差に基いて設定することができる。したがって、空気調和装置の運転状態に応じて、各凝縮器に必要な熱交換量を得るための圧縮機(21)の消費電力を適切に抑えて、空気調和装置の成績係数が低下しないようにすることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
本実施形態では、膨張機構として室内膨張弁(26)を用いているが、これに限定されず、例えば、膨張機構として膨張機を用いてもよい。
本実施形態では、上記各目標過冷却度設定部(8a)、上記各膨張弁制御部(9)、上記インバータ制御部(6)、及び上記変更部(5)は、それぞれ予め定められた関数に基づいて、入力された偏差を出力値に変換している。しかし、これに限定されず、この関数に代えてフィードバック制御、又はフィードバック制御とフィードフォワード制御の組み合わせにより、入力された偏差を出力値に変換してもよい。
本実施形態では、フィードバック方式により、コントローラ(1)が冷媒出口過冷却度制御と圧縮機容量制御と凝縮温度の設定変更制御とを行っていたが、これに限定されず、例えば、モデルベース方式や非干渉化方式により、これらの制御を行ってもよい。
本実施形態では、上記コントローラ(1)において、上記代表目標過冷却度SCsdが上記最適目標過冷却度SCopよりも大きい場合に、変更部(5)が、上記設定温度Tcmを現在よりも低い値である設定変更温度Tcsに変更するように構成されているが、これに限定されず、例えば、上記設定温度Tcmを現在よりも少しずつ低い値に変更していき、上記代表目標過冷却度SCsdが上記最適目標過冷却度SCop以下になると、設定温度Tcmの変更を停止するように構成してもよい。
本実施形態では、目標過冷却度設定部(8)、膨張弁制御部(9)、インバータ制御部(6)、変更部(5)が有する関数は、数式であってもよいし、その数式に基づいて作成したマップであってもよい。尚、上記マップを用いれば、数式とは違い、煩雑な計算を避けることができる。
本実施形態では、上記空気調和装置が冷暖切換式のものについて説明したが、これに限定されず、暖房専用の空気調和装置であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、複数の凝縮器が接続された冷媒回路を備えた空気調和装置の運転制御技術について有用である。
本発明の実施形態に係る空気調和装置の冷媒回路図である。 コントローラの構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 コントローラ
2 過冷却度算出部
3 代表目標過冷却度算出部
4a 凝縮温度設定部
4b 最適目標過冷却度設定部
5 変更部(変更手段)
6 インバータ制御部(容量調整手段)
7 リモコン
8a 目標過冷却度設定部
8b 制御関数
9 膨張弁制御部(減圧量調整手段)
10 空気調和装置
11 室外機
12 室内機
20 冷媒回路
21 圧縮機
22 四路切換弁
23 室外熱交換器
24 室外膨張弁
25 レシーバ
26 室内膨張弁(膨張機構)
27 室内熱交換器(凝縮器)
31 室内温度センサ
32 第1冷媒温度センサ
33 第2冷媒温度センサ
34 逆止弁ブリッジ回路
35 低圧圧力センサ
36 高圧圧力センサ

Claims (9)

  1. 容量可変な圧縮機(21)と複数の凝縮器(27)と該各凝縮器(27)に対応する膨張機構(26)とを有して冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)と、該冷媒回路(20)を循環する冷媒の凝縮温度Tcが予め定められた設定温度Tcmに近づくように圧縮機(21)の容量を調整する容量調整手段(6)と、各凝縮器(27)の冷媒出口過冷却度SCが上記各凝縮器(27)に必要な熱交換量に基づいて定められた目標過冷却度SCsに近づくように膨張機構(26)を通過する冷媒の減圧量を調整する減圧量調整手段(9)とを備えた空気調和装置であって、
    上記各凝縮器(27)のみを用いた空気調和装置における成績係数及び冷媒出口過冷却度の関係を該各凝縮器(27)ごとに定めた制御関数を有し、各制御関数で算出される、成績係数を最大にする各過冷却度から冷媒出口過冷却度の最適値を演算する演算手段(4b)と、各凝縮器(27)の目標過冷却度SCsに基づいて定められた代表値が上記最適値に近づくように、上記設定温度Tcmを変更する変更手段(5)を備えていることを特徴とする空気調和装置。
  2. 請求項1において、
    上記代表値は、各凝縮器(27)ごとに定められた目標過冷却度SCsの平均値であることを特徴とする空気調和装置。
  3. 請求項2において、
    上記平均値は、各凝縮器(27)の熱交換能力に応じて、各凝縮器(27)の目標過冷却度SCsごとに重み付けした値を平均したものであることを特徴とする空気調和装置。
  4. 請求項1において、
    上記代表値SCsdは、全ての凝縮器(27)のうち、空気調和装置のユーザーが選択した凝縮器(27)の目標過冷却度SCsであることを特徴とする空気調和装置。
  5. 容量可変な圧縮機(21)と複数の凝縮器(27)と該各凝縮器(27)に対応する膨張機構(26)とを有して冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)と、該冷媒回路(20)を循環する冷媒の凝縮温度Tcが予め定められた設定温度Tcmに近づくように圧縮機(21)の容量を調整する容量調整手段(6)と、各凝縮器(27)の冷媒出口過冷却度SCが上記各凝縮器(27)に必要な熱交換量に基づいて定められた目標過冷却度SCsに近づくように膨張機構(26)を通過する冷媒の減圧量を調整する減圧量調整手段(9)とを備えた空気調和装置であって、
    上記各凝縮器(27)とは別の凝縮器を用いた空気調和装置における成績係数及び冷媒出口過冷却度の関係を定めた制御関数を有し、該制御関数で算出される、成績係数を最大にする過冷却度から冷媒出口過冷却度の最適値を演算する演算手段(4b)と、各凝縮器(27)の目標過冷却度SCsに基づいて定められた代表値が上記最適値に近づくように、上記設定温度Tcmを変更する変更手段(5)を備えていることを特徴とする空気調和装置。
  6. 請求項5において、
    上記代表値SCsdは、各凝縮器(27)ごとに定められた目標過冷却度SCsの平均値であることを特徴とする空気調和装置。
  7. 請求項6において、
    上記平均値は、各凝縮器(27)の熱交換能力に応じて、各凝縮器(27)の目標過冷却度SCsごとに重み付けした値を平均したものであることを特徴とする空気調和装置。
  8. 請求項5において、
    上記代表値SCsdは、全ての凝縮器(27)のうち、空気調和装置のユーザーが選択した凝縮器(27)の目標過冷却度SCsであることを特徴とする空気調和装置。
  9. 請求項1から3または5から7の何れか1つにおいて、
    上記変更手段(5)は、各冷媒出口過冷却度SCのうち最も小さな値が所定の下限値を下回ると、設定温度Tcmを低下させる変更動作を禁止するように構成されていることを特徴とする空気調和装置。
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