JP2003166762A - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置

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JP2003166762A
JP2003166762A JP2001364901A JP2001364901A JP2003166762A JP 2003166762 A JP2003166762 A JP 2003166762A JP 2001364901 A JP2001364901 A JP 2001364901A JP 2001364901 A JP2001364901 A JP 2001364901A JP 2003166762 A JP2003166762 A JP 2003166762A
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condenser
temperature
degree
supercooling
compressor
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JP2001364901A
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English (en)
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Atsuhiko Yokozeki
敦彦 横関
Kazumiki Urata
和幹 浦田
Susumu Nakayama
進 中山
Masayuki Okabe
眞幸 岡部
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過冷却度の推定精度を向上する。 【解決手段】 容量制御可能な圧縮機1により圧縮され
た冷媒ガスを室内熱交換器3に導いて、室内熱交換器3
に通流する空気と熱交換させて凝縮させ、室内熱交換器
3から排出される液冷媒を電子膨張弁7を介してレシー
バ11に導き、レシーバ11から排出される冷媒をロー
タリー二方弁13を介して室外熱交換器15に導き、室
外熱交換器15で蒸発された冷媒ガスを圧縮機1に戻す
冷凍サイクルを有し、室内熱交換器3の吹出し空気温度
Taioと、室内熱交換器3出口の液冷媒の温度Trilとから
過冷却度の推定値SCを求め、ロータリー二方弁13の
開度を調整して過冷却度の推定値SCを目標値SCoに
制御することにより、その時々の過冷却度の推定値SC
を求めることができ、過冷却度の推定精度を向上するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和装置に関
し、特に暖房運転時における凝縮器の過冷却度の制御に
関する。
【0002】
【従来の技術】空気調和装置は、圧縮機、凝縮器、減圧
弁、及び蒸発器を備え、これらに冷媒を循環させる冷凍
サイクルが形成されている。このような空気調和装置
は、一般に、暖房時において凝縮器出口の過冷却度を最
適な値にすることで運転効率を高められることが知られ
ている。この過冷却度は、冷媒の凝縮温度と凝縮器の出
側冷媒の温度との差に相当し、この凝縮温度は圧力セン
サによって検出された凝縮圧力から求められる。
【0003】しかし、空気調和装置の低価格化のために
圧力センサを用いずに過冷却度を推定する方法が提案さ
れている。例えば、特開2000−88362号公報に
記載の空気調和装置は、減圧弁を全開で運転したときの
凝縮器の入側冷媒の温度と出側冷媒の温度との差を過熱
度として記憶しておき、記憶しておいた過熱度を運転中
の凝縮器の冷媒入出温度差から引いて運転中の過冷却度
の推定値を求めている。つまり、凝縮器の冷媒の入出温
度差は、過熱度と過冷却度との和に等しいことに鑑み、
減圧弁を全開で運転して凝縮器の出側冷媒を2相状態に
することによって、過冷却度を0にすれば、凝縮器の入
出温度差は過熱度のみになるからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、過熱度は、冷
媒の循環量に応じて変わるので、記憶しておいた過熱度
と現在の過熱度とには誤差が生じる。このため、冷媒の
循環量によっては、過冷却度の推定値に誤差が生じ、過
冷却度を最適な値に制御することができないという問題
がある。
【0005】そこで、本発明は、過冷却度の推定精度を
向上することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、凝縮器におけ
る冷媒の凝縮温度と、冷媒の凝縮によって昇温される凝
縮器からの吹出し空気温度との間に一定の相関があるこ
とに着目してなされたものである。
【0007】すなわち、本発明は、容量制御可能な圧縮
機により圧縮された冷媒ガスを凝縮器に導き、この凝縮
器に通流する空気と熱交換させて凝縮させ、凝縮器から
排出される液冷媒を減圧弁を介して蒸発器に導き、この
蒸発器で蒸発された冷媒ガスを圧縮機に戻す冷凍サイク
ルを有しする空気調和装置において、暖房運転時に、凝
縮器の吹出し空気温度と、凝縮器出口の液冷媒の温度と
から凝縮器の過冷却度の推定値を求め、減圧弁の開度を
調整して過冷却度の推定値を目標値に制御することによ
って、上記課題を解決することを特徴とする。
【0008】これにより、運転中の冷媒循環量の変動に
対応した過冷却度を推定することができ、過冷却度の推
定精度を向上できる。ここで、凝縮温度と吹出し空気の
温度との関係は、シミュレーションや事前試験等により
求めることができる(図6参照)。また、過冷却度の推
定値SCは、吹出し空気の温度Taioと、凝縮器出口の液
冷媒の温度Trilとから、式(1)に基づいて求めること
ができる。なお、同式のG、Hは定数である。 SC=Taio×G+H−Tril …(1) また、本発明は、凝縮器から蒸発器に冷媒を導く冷媒流
路に、液溜めであるレシーバが設けられた構成の空気調
和装置にも適用することができる。この場合、凝縮器と
レシーバの間に第1の減圧弁、レシーバと蒸発器との間
に第2の減圧弁を設け、第2の減圧弁の開度を調整して
凝縮器の過冷却度を制御する構成とする。
【0009】ここで、第2の減圧弁はロータリー二方弁
とすることが好ましい。すなわち、ロータリー二方弁
は、冷媒が通流する流路に、この流路と同じ断面積を有
する貫通穴を形成した回動可能なローターを流路と貫通
穴が同軸になるように配置し、このローターを流路に垂
直な軸を中心に回動させて冷媒の流量の調整する構成で
あるため、一般の膨張弁に比べてコストを小さく、か
つ、圧損を零にすることができるので、減圧量を小さく
設定することが必要な過冷却度の制御に適している。
【0010】ところで、暖房時において凝縮器の過冷却
度を最適にして運転することで空気調和装置の運転効率
を向上できることは前述した通りだが、この過冷却度の
最適点は、冷媒の循環量に応じて変化する。そこで、制
御手段は、圧縮機の冷媒循環量に応じて過冷却度の目標
値を可変設定できる構成とすることが好ましい。具体的
には、圧縮機の冷媒循環量が定格の量より少ない場合に
過冷却度の目標値を低下させて設定する。これは、凝縮
器の伝熱面積が定格の量の冷媒の凝縮熱を放熱できるよ
うに設計されているため、冷媒循環量が減ると凝縮器の
能力に余裕ができ、凝縮器内を高圧にする必要がなくな
る。このため、凝縮器内の圧力を下げて運転した方が圧
縮機にかかる負荷を減らすことができ運転効率を向上で
きるからである。また、同様に、蒸発器に通流する空気
の温度に応じて蒸発する冷媒の量が変化することにより
冷媒循環量が変化することから、蒸発器に通流する空気
の温度に応じて過冷却度の目標値を可変設定することが
好ましい。
【0011】また、制御手段は、通常運転時の制御とは
別に、圧縮機の起動時には過冷却度の目標値を低下させ
ることが好ましい。これにより、第2の減圧弁の減圧量
を大きくして、圧縮機の吐出圧力を低くすると共に、圧
縮機の吸入圧力を高くすることができる。結果、蒸発器
内の冷媒の蒸発温度が上がり、圧縮機に吸入される冷媒
の温度が上がるので、圧縮機の温度の低下による冷媒の
冷凍機油への溶け込みを解消することができる。さら
に、暖房の過負荷時には過冷却度の目標値を低下させる
ことが好ましい。これにより、過負荷時、つまり、凝縮
器を通流する気流の温度が高く、かつ、蒸発器を通流す
る気流の温度が高い場合、凝縮圧力が圧縮機や冷媒配管
などの設計圧力を超えるおそれがあるため、凝縮器の過
冷却度を低下させることで、凝縮器内の圧力を設計圧力
以下に低下させることができ、安全に運転を行うことが
できる。
【0012】また、緊急時の保護制御として、制御手段
は、過冷却度の推定値が設定値以上である場合に第2の
減圧弁を全閉とする。これにより、圧縮機の吸入圧力を
低下させて、圧縮機の吐出圧力の急激な上昇を防ぐこと
ができ、安全に運転を行うことができる。
【0013】ところで、本発明は、凝縮温度と吹出し空
気温度との間に一定の相関があることに基づいてなされ
たものである。しかし、運転中に凝縮器の過冷却度が大
きくなりすぎると、凝縮器内に液冷媒が溜まりすぎて凝
縮器の熱交換効率が低下するため、凝縮温度(凝縮圧
力)は上昇しているにもかかわらず凝縮器からの吹出し
空気の温度は上昇しない場合がある。この場合、過冷却
度の推定値も上昇しないため、過冷却度の推定値に基づ
いて圧縮機の吐出圧力を低下させる保護制御が作動しな
いことがある。
【0014】そこで、制御手段は、蒸発器出口の冷媒の
温度と、圧縮機の回転数と、圧縮機の駆動モータの電流
値から圧縮機の吐出圧力を推定し、この吐出圧力の推定
値に基づいて保護制御を作動するようにすることが好ま
しい。これにより、過冷却度の推定値を求めることな
く、圧縮機の吐出圧力の急激な上昇を防いで安全に運転
を行うことができる。さらに、圧縮機の吐出圧力を低下
させることで、凝縮器の過冷却度が低下し凝縮器内の液
冷媒の割合を減らすことができるので、再び、凝縮器の
吹出し空気温度によって過冷却度の推定値を求めること
ができるようになる。ここで、圧縮機の吐出圧力は、蒸
発器出口の冷媒温度から蒸発圧力を求め、この蒸発圧力
から圧縮機の吸入圧力を推定する。そして、圧縮機の回
転数及び圧縮機の駆動モータの電流値から圧縮機にかか
る負荷を求め、この負荷と推定した圧縮機の吸入圧力と
から圧縮機の吐出圧力を推定することができる。なお、
各圧縮機吸入圧力における圧縮機の駆動モータの電流値
と圧縮機吐出圧力との関係は、事前試験などにより予め
求めておく。(図11参照) また、制御手段は、以下の手順で空気調和装置の制御を
行うことができる。すなわち、外気温度と圧縮機の回転
数とを取込み、予め記憶してあるデータからこの外気温
度と圧縮機の回転数に対応する過冷却度の目標値を求め
る第1のステップと、凝縮器の吹出し空気温度と凝縮器
の出口の冷媒温度とを取込み、予め記憶してあるデータ
からこの凝縮器の吹出し空気温度に対応する凝縮温度を
求め、この凝縮温度と凝縮器の出口の冷媒温度とから過
冷却度の推定値を求める第2のステップと、過冷却度の
推定値と設定値とを比較する第3のステップと、この第
3のステップの比較で推定値が大きい場合に第2の減圧
弁を全閉にする第4のステップと、この第4のステップ
が減圧弁を全開にした後または第3のステップの比較で
推定値が小さい場合に、目標値と推定値との偏差を求
め、この偏差に応じて第2の減圧弁の開度を制御する第
5のステップとを含む構成とする。
【0015】このとき、制御手段は、空気調和装置の起
動からの経過時間が設定時間未満である場合、または、
暖房の設定温度と凝縮器に流入する空気の温度との差が
設定値以上である場合に、過冷却度の目標値を0に設定
して第5のステップへ進む。これにより、また、圧縮機
の起動時及び暖房過負荷時に、直ちに過冷却度を低下さ
せることができる。また、第1のステップから第4のス
テップを設定回数繰り返してから、第5のステップを行
う制御を行うことができ、第1から第4のステップであ
る検出周期に対して第5のステップである制御周期を遅
らせることができる。
【0016】また、冷房運転時において、制御手段は、
凝縮器に通流する空気の温度が設定値以下である場合、
第1の減圧弁の開度を絞るように制御することが好まし
い。これにより、凝縮器内の凝縮圧力を上昇させること
ができ、凝縮器に通流する気流の温度の低下によって凝
縮器内の冷媒が活発に凝縮され圧縮機の吐出圧力が低下
してしまうことを抑制することができる。したがって、
運転可能な外気温度の範囲を拡大することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用してなる空気
調和装置の一実施形態について図1乃至図12を参照し
て説明する。図1は、本発明を適用してなる空気調和装
置の構成を示した図である。図2は、レシーバの構成を
示した図である。図3は、ロータリー二方弁の構成を示
した図である。図4は、図3のロータリー二方弁におけ
るA−A矢視図である。図5は、本発明を適用してなる
過冷却度の推定値を求める制御手順を示したフローチャ
ートである。図6は、横軸に室内熱交換器の吹出し空気
温度、縦軸に凝縮温度を表し、室内熱交換器の吹出し空
気温度と凝縮温度との関係を示したグラフである。図7
は、本発明を適用してなる空気調和装置の運転制御手順
を示したフローチャートである。図8は、圧縮機を定格
周波数で運転するときの凝縮器過冷却度と運転効率との
関係を示したグラフである。図9は、圧縮機を最低周波
数で運転するときの凝縮器過冷却度と運転効率との関係
を示したグラフである。図10は、圧縮機の駆動周波数
と過冷却度目標値との関係を示したグラフである。図1
1は、圧縮機電流と圧縮機吐出圧力との関係を示したグ
ラフである。図12は、圧縮機の運転許容範囲の逸脱を
保護する制御を示したフローチャートである。
【0018】本実施形態の空気調和装置の構成は、図1
のように、暖房運転時、容量制御可能な圧縮機1により
圧縮された冷媒ガスは、四方弁2を介して室内熱交換器
3に導かれるようになっている。室内熱交換器3に導か
れた冷媒ガスは、室内送風機5によって室内熱交換器3
へ送られる空気と熱交換して凝縮され、電子膨張弁7を
介してサブクーラ9に導かれる構成になっている。サブ
クーラ9に導かれた冷媒は、室外送風機10によってサ
ブクーラ9に送られる外気と熱交換して凝縮されレシー
バ11に導かれるようになっている。レシーバ11内の
液冷媒は、ロータリー二方弁13を介して室外熱交換器
15に導かれ、室外送風機10によって室外熱交換器1
5に送られる外気と熱交換して蒸発し圧縮機1に戻され
る構成になっている。
【0019】また、圧縮機1から吐出する冷媒ガスの温
度を検出する圧縮機温度センサ17が設けられ、圧縮機
温度センサ17によって検出された温度はマイクロコン
ピュータ19に入力されるように構成されている。圧縮
機1は、例えばスクロール圧縮機であり、圧縮機1を駆
動させる図示していない駆動モータには、インバータ2
1を介して電源23が供給されている。インバータ21
は、マイクロコンピュータ19から入力される制御信号
に応じて駆動モータの周波数を制御して圧縮機1の回転
数を制御するようになっている。また、駆動モータの電
流値を検出する電流センサ24が設けられ、電流センサ
24によって検出された電流値はマイクロコンピュータ
19に入力されるように構成されている。
【0020】また、室内熱交換器3に送られる空気の温
度を検出する室内吸入温度センサ25と、室内熱交換器
3にから吹出す空気の温度を検出する室内吹出温度セン
サ27と、室内熱交換器3から吐出する液冷媒の温度を
検出する室内熱交換器液温度センサ29とが設けられ、
室内吸入温度センサ25、室内吹出温度センサ27及び
室内熱交換器液温度センサ29によって検出された温度
はマイクロコンピュータ19へ入力されるように構成さ
れている。なお、室内吹出温度センサ27は、吹出し空
気の流れの中心部分の温度を計測できるように配置され
ている。さらに、室外熱交換器15に送られる空気の温
度を検出する室外吸入温度センサ31と、室外熱交換器
15に流入する液冷媒の温度を検出する室外熱交換器液
温度センサ33とが設けられ、室外吸入温度センサ31
及び室外熱交換器液温度センサ33によって検出した温
度もマイクロコンピュータ19へ入力されるようになっ
ている。また、圧縮機1から排出された冷媒はガス阻止
弁35を介して室内熱交換器3へ導かれ、電子膨張弁7
を通流した冷媒は液阻止弁37を介してサブクーラ9へ
導かれるようになっている。
【0021】レシーバ11は、図2に示すように、容器
111と、容器111の内部に冷媒を導入、導出する冷
媒管113、115とを備えて形成されている。冷媒管
113のはサブクーラ9に接続され、冷媒管115はロ
ータリー二方弁13に接続されている。冷媒管113及
び115の端部は、それぞれ容器111の底部に開口し
て配設されている。このため、レシーバ11からは、容
器111の底部に溜まった、かわき度が0に近い液冷媒
が流出するようになっている。また、流入する冷媒の量
と流出する冷媒の量とに応じてレシーバ11に貯留され
る液冷媒の量が変化するようになっている。
【0022】ロータリー二方弁13は、図3及び図4に
示すように、レシーバ11と室外熱交換器15とを接続
させる冷媒管131に、冷媒管131と同じ断面積の貫
通穴133が形成されたローター135が配置されて構
成されている。ローター135は、貫通穴133の軸と
冷媒流路131の軸とが同軸になるように配置され、ロ
ーターケース137によって冷媒流路131の軸方向に
対して垂直に回動可能に保持されている。ローター13
5は、歯車による減速装置136を介して駆動モータ1
39に接続され、駆動モータの回転によって回動される
ように構成されている。駆動モータ139は、マイクロ
コンピュータ19から入力される制御信号に応じて回転
するようになっている。また、ローター135の外周に
は溝138が形成され、冷媒を溝138に流すことで、
通流する冷媒の量を調整できるようになっている。
【0023】また、電子膨張弁7は、マイクロコンピュ
ータ19から入力される制御信号に応じて開度が変わる
ように構成されている。この電子膨張弁7は、以下に述
べる制御と別系統で室外熱交換器15の出口の過熱度を
保つように制御されている。
【0024】次に、本発明の特徴部である過冷却度の推
定値を求める制御手順について、図5を参照して説明す
る。図5に示すように、過冷却度の推定の手順は、ま
ず、室内吹出温度センサ27から、吹出す空気の温度Ta
ioを取り込み(ステップS1)、吹出空気の温度Taioに
対する凝縮温度をデータベースから取り込む(ステップ
S2)。次に、室内熱交換器液温度センサ29から、室
内熱交換器3の出側の液冷媒の温度Trilを取り込み(ス
テップS3)、凝縮温度から液冷媒の温度Trilを減算し
て過冷却度の推定値を求める(ステップS4)。ここ
で、凝縮温度と吹出し空気の温度Taioとの間には、図6
に示すように、ほぼ比例する一定の相関があることか
ら、吹出し空気の温度Taioに対応する凝縮温度を予め実
測などにより求めてデータベースに格納している。ま
た、データベースに換えて、凝縮温度と吹出し空気の温
度Taioとの関係を関数式としておき演算により凝縮温度
を求めてもよい。このような制御手順で過冷却度の推定
値を求めることにより、運転中の冷媒循環量の変動に対
応した過冷却度の推定値SCを求めることができ、過冷
却度の推定精度を向上できる。
【0025】以下に、本発明の特徴部である過冷却度の
推定値を求める制御手順を含む空気調和装置の運転制御
の動作について図7を参照して説明する。空気調和装置
の運転が開始されると、図7に示すように、まず、タイ
マ2(ステップS10)、及びタイマ1を始動する(ス
テップS11)。そして、空気調和装置の起動からの経
過時間と設定時間とを比較して(ステップS12)経過
時間が設定時間以上である場合、かつ、暖房の設定温度
と凝縮器に流入する空気の温度との温度差を判断して
(ステップS13)温度差が一定の幅未満である場合に
ステップS14へ進む。次に、室外吸入温度センサ31
から外気温度Taoを取込み(ステップS14)、インバ
ータ19から圧縮機の駆動モータの周波数Hzを取込む
(ステップS15)。取込んだ外気温度Taoと駆動モー
タの周波数Hzとから式(2)により過冷却度の目標値
SCoを算出する(ステップS16)。なお、ABCD
EFは定数である。 SCo=A+(Hz−B)×C+(Tao−D)×E+F …(2) (0≦SCo≦SCmax) ここで、目標値SCoは、図10に示すように、圧縮機
の駆動モータの周波数が高いほど、また、外気温度が高
いほど大きくなるように設定する。これは、空気調和装
置の成績係数が最大になるような過冷却度の最適点が、
冷媒の循環量や外気温度によって変化するためである。
すなわち、圧縮機の駆動周波数が定格である場合の成績
係数は、図8に示すように、ある程度の過冷却度がある
ときに最大になる。一方、圧縮機の駆動周波数が最低で
ある場合の成績係数は、図9に示すように、過冷却度が
低い点で最大となる。つまり、駆動周波数が低下して冷
媒の循環量が減ることで、凝縮器の冷媒を凝縮する能力
に余裕ができ凝縮器内を高圧にする必要がなくなるた
め、凝縮器内の圧力を下げる方が運転効率がよくなるか
らである。また、蒸発器に通流する外気温度に応じて蒸
発する冷媒の量は変化し、これに伴ない冷媒の循環量も
変化するため、外気温度に比例させて過冷却度の目標値
SCoを設定するようにする。
【0026】次に、室内吹出温度センサ27から、吹出
し空気の温度Taioを取り込み(ステップS17)、室内
熱交換器液温度センサ29から、室内熱交換器3の出側
の液冷媒の温度Trilを取り込む(ステップS18)。そ
して、吹出し空気の温度Taioと液冷媒の温度Trilとか
ら、過冷却度の推定値SCを算出する(ステップS1
9)。この過冷却度の推定値SCは、式(1)により求
める。なお、G及びHは定数である。 SC=Taio×G+H−Tril …(1) また、過冷却度が高くなりすぎて圧縮機の吐出圧力が上
がりすぎることを防止するために、ステップS20の保
護制御が設けられている。すなわち、SCとSComa
xとを比較して(ステップS20)SC>SComax
である場合、ロータリーニ方弁13を全閉にする信号を
出力(ステップS21)してステップS22へ進む。S
C≦SComaxである場合、ステップS22へ進む。
タイマ2の計測時間を判断し(ステップS22)、タイ
マ2の計測時間が設定時間T2を経過している場合、S
CoとSCとの偏差を求め(ステップS23)、求めた
偏差に応じてSCがSCoになるようにロータリー二方
弁13に制御信号を出力(ステップS24)してステッ
プS10に戻る。ここで、例えば、SCo>SCである
場合、ロータリー二方弁13は、減圧量を小さくするよ
うに、つまり開度を大きくするように制御される。この
とき電子膨張弁7は、過熱度を保つように減圧量を大き
くするように制御される。レシーバ11では、かわき度
が0付近に保たれるため、レシーバ11の上流側に配置
されている電子膨張弁7の減圧量に比例して凝縮器の過
冷却度が大きくなる。また、SCo<SCである場合、
ロータリー二方弁13は、減圧量を大きくするように制
御される。
【0027】また、ステップS22において、タイマ2
の計測時間が設定時間T2経過していない場合、タイマ
1の計測時間を判断し(ステップS25)、タイマ1の
計測時間が設定時間T1を経過していないならば、ステ
ップS25を繰り返し、タイマ1の計測時間が設定時間
T1を経過しているならば、ステップS11に戻る。
【0028】ところで、暖房起動時において、圧縮機の
温度が低下することで冷媒が冷凍機油に溶け込んだり、
過負荷によって凝縮圧力が高くなりぎる場合がある。こ
のような場合は、図7中のステップS12及びS13で
対応するようになっている。すなわち、ステップS12
及びS13において、空気調和装置の起動からの経過時
間と設定時間とを比較して(ステップS12)経過時間
が設定時間未満である場合、または、暖房の設定温度と
凝縮器に流入する空気の温度との温度差を判断して(ス
テップS13)温度差が一定の幅以上である場合に、過
冷却度目標値SCoを0に設定(ステップS26)して
ステップS23へ進む。
【0029】上述した実施形態の変形例を以下に記載す
る。図1に示す実施形態では、過冷却度が高くなりすぎ
て圧縮機の吐出圧力が上がりすぎることを防止するため
に、ステップS20の保護制御が設けられている。しか
し、運転中に凝縮器の過冷却度が大きくなりすぎると、
凝縮器内に液冷媒が溜まりすぎて凝縮器の熱交換効率が
低下するため、凝縮温度(凝縮圧力)は上昇しているに
もかかわらず凝縮器からの吹出し空気の温度は上昇しな
い場合がある。この場合、過冷却度の推定値SCも上昇
しないため、ステップS20の保護制御が作動しない場
合がある。したがって、図12に示すような圧縮機の運
転許容範囲の逸脱を保護する制御を行うことが好まし
い。まず、運転が開始されると、タイマ3を始動する
(ステップS100)。そして、電流センサ24から圧
縮機の駆動モータの電流値Aを取込み(ステップS10
1)、室外熱交換器液温度センサ33から室外熱交換器
出口の液冷媒の温度Teを取込む(ステップS10
2)。そして、データベースから取込んだAおよびTe
に対応する圧縮機1の吐出温度Pdaを取込む(ステッ
プS103)。取込んだ吐出温度Pdaと設定吐出圧力
Pdamaxとを比較して(ステップS104)Pda
>Pdamaxである場合、ロータリー二方弁を全閉に
して(ステップS105)ステップS106へ進む。P
da<Pdamaxである場合、ステップS106へ進
む。ステップS106において、タイマ3を判断し(ス
テップS106)、タイマ3が計測時間が設定時間未満
であれば、ステップS106を繰り返し、タイマ3が計
測時間が設定時間以上であれば、ステップS100に戻
る。
【0030】これにより、過冷却度の推定値SCを求め
ることなく、圧縮機1の吐出圧力の急激な上昇を防いで
安全に運転を行うことができる。さらに、圧縮機1の吐
出圧力を低下させて、凝縮器1の過冷却度が低下し凝縮
器内の液冷媒の割合を減らすことができるので、再び、
凝縮温度と凝縮器の吹出し空気の温度との関係を図6に
示すような一定の相関する関係に戻すことができ、過冷
却度の推定値SCを求めることができるようになる。こ
こで、圧縮機1の吐出圧力は、室外熱交換器15出口の
冷媒温度から蒸発圧力を求め、この蒸発圧力から圧縮機
1の吸入圧力を推定する。そして、圧縮機1の回転数及
び圧縮機1の駆動モータの電流値Aから圧縮機1にかか
る負荷を求め、この負荷と推定した圧縮機1の吸入圧力
とから圧縮機1の吐出圧力Pdaを推定することができ
る。なお、各圧縮機1吸入圧力における圧縮機1の駆動
モータの電流値Aと圧縮機1の吐出圧力Pdaとの関係
は、図11に示すように事前試験などにより予め求めて
記憶しておくことが好ましい。
【0031】また、冷房運転時において、室外吸入温度
センサ31から室外熱交換器15に送られる外気温度Ta
oを取込み、外気温度Taoと設定値とを比較してTaoが設
定値以下である場合に、ロータリー二方弁13の開度を
絞る制御を行うことが好ましい。これにより、室外熱交
換器15出口の過冷却度を大きくすることができ、圧縮
機1の吐出圧力が低下を抑制することができるので、運
転可能な外気温度の範囲を拡大することができる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、過冷却度の推定精度を
向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる空気調和装置の構成を示
した図である。
【図2】レシーバの構成を示した図である。
【図3】ロータリー二方弁の構成を示した図である。
【図4】図3のロータリー二方弁におけるA−A矢視図
である。
【図5】本発明を適用してなる空気調和装置の暖房運転
時における過冷却度の推定値を求める制御手順を示した
フローチャートである。
【図6】横軸に室内熱交換器の吹出し空気温度、縦軸に
凝縮温度を表し、室内熱交換器の吹出し空気温度と凝縮
温度との関係を示したグラフである。
【図7】本発明を適用してなる空気調和装置の暖房運転
時における運転制御手順を示したフローチャートであ
る。
【図8】圧縮機を定格周波数で運転するときの凝縮器過
冷却度と運転効率との関係を示したグラフである。
【図9】圧縮機を最低周波数で運転するときの凝縮器過
冷却度と運転効率との関係を示したグラフである。
【図10】圧縮機の駆動周波数と過冷却度目標値との関
係を示したグラフである。
【図11】圧縮機電流と圧縮機吐出圧力との関係を示し
たグラフである。
【図12】圧縮機の運転許容範囲の逸脱を保護する制御
を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 圧縮機 3 室内熱交換器 7 電子膨張弁 11 レシーバ 13 ロータリー二方弁 15 室外熱交換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 進 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内 (72)発明者 岡部 眞幸 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 空調システム清水生産本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容量制御可能な圧縮機により圧縮された
    冷媒ガスを凝縮器に導き、該凝縮器に通流する空気と熱
    交換させて凝縮させ、前記凝縮器から排出される液冷媒
    を減圧弁を介して蒸発器に導き、該蒸発器で蒸発された
    冷媒ガスを前記圧縮機に戻す冷凍サイクルを有し、 暖房運転時に、前記凝縮器の吹出し空気温度と、前記凝
    縮器出口の液冷媒の温度とから凝縮器の過冷却度の推定
    値を求め、前記減圧弁の開度を調整して前記過冷却度の
    推定値を目標値に制御する制御手段を備えた空気調和装
    置。
  2. 【請求項2】 容量制御可能な圧縮機により圧縮された
    冷媒ガスを凝縮器に導き、該凝縮器に通流する空気と熱
    交換させて凝縮させ、前記凝縮器から排出される液冷媒
    を第1の減圧弁を介してレシーバに導き、該レシーバか
    ら排出される冷媒を第2の減圧弁を介して蒸発器に導
    き、該蒸発器で蒸発された冷媒ガスを前記圧縮機に戻す
    冷凍サイクルを有し、 暖房運転時に、前記凝縮器の吹出し空気温度と、前記凝
    縮器出口の液冷媒の温度とから凝縮器の過冷却度の推定
    値を求め、前記第2の減圧弁の開度を調整して前記過冷
    却度の推定値を目標値に制御する制御手段を備えた空気
    調和装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記圧縮機の冷媒循環
    量に応じて前記過冷却度の目標値を可変設定することを
    特徴とする請求項2に記載の空気調和装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、外気温度と圧縮機の回
    転数とを取込み、予め記憶してあるデータから該外気温
    度と圧縮機の回転数に対応する過冷却度の目標値を求め
    る第1のステップと、 凝縮器の吹出し空気温度と凝縮器の出口の冷媒温度とを
    取込み、予め記憶してあるデータから該凝縮器の吹出し
    空気温度に対応する凝縮温度を求め、該凝縮温度と凝縮
    器の出口の冷媒温度とから前記過冷却度の推定値を求め
    る第2のステップと、 前記過冷却度の推定値と設定値とを比較する第3のステ
    ップと、該第3のステップの比較で前記推定値が大きい
    場合に前記第2の減圧弁を全閉にする第4のステップ
    と、該第4のステップが前記減圧弁を全開にした後また
    は前記第3のステップの比較で前記推定値が小さい場合
    に、前記目標値と前記推定値との偏差を求め、該偏差に
    応じて前記第2の減圧弁の開度を制御する第5のステッ
    プとを含んでなることを特徴とする請求項2に記載の空
    気調和装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、空気調和装置の起動か
    らの経過時間が設定時間未満である場合、または、暖房
    の設定温度と前記凝縮器に流入する空気の温度との差が
    設定値以上である場合に、前記過冷却度の目標値を0に
    設定して前記第5のステップへ進むことを特徴とする請
    求項4に記載の空気調和装置。
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