JP5031644B2 - 加工性に優れた鋼管及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、鋼管に関するものであり、特に、伸管、曲げ、ハイドロフォーミング等によって成形される構造用鋼管や配管等に好適に用いることができる、加工性に優れた鋼管及びその製造方法に関する。
近年、自動車分野においては、工程の省略や、部品点数の削減による製造コスト低減を目的として、鋼管から複雑な形状の部品を製造する、所謂、ハイドロフォーミングと呼ばれる技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、このようなハイドロフォーミング技術のメリットを十分に活用することが可能な、塑性異方性の指標であるランクフォード値(以下、r値と呼ぶことがある)が高められた鋼管及びその製造方法についても各種提案されている(例えば、特許文献2〜6を参照)。
しかしながら、特許文献2〜6に記載の鋼管は、素管を加熱した後、比較的高温で縮径加工することによって鋼管の集合組織を制御し、r値を高める方法によって得られるものである。このため、鋼管の表面にスケールが生成したり、良好な形状の鋼管に加工することが難しいという問題がある。
一方、引張強度が350MPa以上、鋼管の軸方向及び円周方向のr値がともに1.3 以上であり、鋼管の軸方向の加工硬化指数(n値)「n」と引張強度「TS[MPa]」がTS+3285×n>1082の関係を満たす構成とされ、冷間圧延鋼板を素材として造管した後に加熱することにより、加工性に優れた鋼管を得る方法が提案されている(例えば、特許文献7を参照)。しかしながら、特許文献7に記載の方法では、造管後の鋼管を単に加熱するのみの方法であるため、特に、シーム溶接(Seam Welding)を行なった場合に、この溶接部の加工性が充分でないという問題があった。
特開平10−175026号公報 特開2001−348643号公報 特開2001−348647号公報 特開2001−348648号公報 特開2002−20841号公報 特開2002−115029号公報 特開2004−68040号公報
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、形状や表面性状が良好で、溶接部も含めて優れた加工性を有し、特に、伸管、曲げ、ハイドロフォーミング等によって成形される構造用鋼管や配管等に好適に用いることが可能な、加工性に優れた鋼管及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記問題を解決するために鋭意研究を行ない、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1] 質量%で、C:0.005〜0.50%、Mn:0.3〜3.0%、Al:0.001〜0.08%、N:0.001〜0.006%を含有し、Si、P、S、Oの各々の含有量を、Si:0.6%以下、P:0.02%以下、S:0.006%以下、O:0.006%以下に制限し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、シ−ム溶接部を含む当該鋼管全域の金属組織が、フェライトと、マルテンサイト又はベイナイトの一方あるいは両方とからなる複合組織であり、前記シーム溶接部を除く当該鋼管の1/2肉厚における板面の、{111}面のX線反射面ランダム強度比が2.0〜7.0の範囲であり、{110}面のX線反射面ランダム強度比が1.0〜5.0の範囲であり、{100}面のX線反射面ランダム強度比が3.0以下であることを特徴とする加工性に優れた鋼管。
[2] さらに、質量%で、Cr:0.1〜2.0%、Mo:0.1〜2.5%、B:0.0005〜0.0050%の1種又は2種以上を含有することを特徴とする上記[1]に記載の加工性に優れた鋼管。
[3] 当該鋼管の軸方向におけるランクフォード値rが1.2以上であり、当該鋼管の円周方向におけるランクフォード値rが1.2以上であり、且つ、当該鋼管の軸方向における一様伸びが15%以上であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の加工性に優れた鋼管。
[4] 上記[1]又は[2]に記載の成分組成を有する素管をAc変態点以上の温度に加熱した後に冷却し、次いで、減面率が10〜60%の範囲となり、且つ、減肉率が1%以上となるように冷間で伸管加工した後、更に、Ac変態点超からAc変態点+50℃の温度範囲に30s以上の時間で加熱し、その後、1℃/s以上の速度で冷却することを特徴とする加工性に優れた鋼管の製造方法。
本発明の加工性に優れた鋼管によれば、規定の成分組成を有し、シ−ム溶接部を含む当該鋼管全域の金属組織が、フェライトと、マルテンサイト又はベイナイトの一方あるいは両方とからなる複合組織で、前記シーム溶接部を除く当該鋼管の1/2肉厚における板面の、{111}面のX線反射面ランダム強度比が2.0〜7.0の範囲であり、{110}面のX線反射面ランダム強度比が1.0〜5.0の範囲であり、{100}面のX線反射面ランダム強度比が3.0以下とされた構成なので、形状や表面性状を損なうことなく、溶接部も含めて優れた加工性が得られる。このような加工性に優れる鋼管を、特に、伸管、曲げ、ハイドロフォーミング等によって成形される構造用鋼管や配管等に適用することにより、安全性が著しく向上するとともに、工程の省略及び部品点数の削減による製造コストの低減が可能となる等、産業上の貢献が極めて顕著となる。
また、本発明の加工性に優れた鋼管の製造方法によれば、規定の成分組成を有する素管を、Ac変態点以上の温度に加熱した後に冷却し、次いで、減面率が10〜60%の範囲となり、且つ、減肉率が1%以上となるように冷間で伸管加工した後、更に、Ac変態点超からAc変態点+50℃の温度範囲に30s以上の時間で加熱し、その後、1℃/s以上の速度で冷却する方法なので、上述のような加工性に優れる鋼管を高い生産効率で製造することが可能となる。
以下、本発明の加工性に優れた鋼管及びその製造方法の一実施形態について説明する。なお、この実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために詳細に説明するものであるから、特に指定の無い限り、本発明を限定するものではない。
本発明の加工性に優れた鋼管は、質量%で、C:0.005〜0.50%、Mn:0.3〜3.0%、Al:0.001〜0.08%、N:0.001〜0.006%を含有し、Si、P、S、Oの各々の含有量を、Si:0.6%以下、P:0.02%以下、S:0.006%以下、O:0.006%以下に制限し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、シ−ム溶接部を含む当該鋼管全域の金属組織が、フェライトと、マルテンサイト又はベイナイトの一方あるいは両方とからなる複合組織であり、前記シーム溶接部を除く当該鋼管の1/2肉厚における板面の、{111}面のX線反射面ランダム強度比が2.0〜7.0の範囲であり、{110}面のX線反射面ランダム強度比が1.0〜5.0の範囲であり、{100}面のX線反射面ランダム強度比を3.0以下として概略構成されている。
ここで、本発明において説明するシーム溶接(Seam Welding)とは、抵抗溶接の一種であり、ローラ電極を用いて加圧且つ通電しながら電極を回転させ母材を連続的に溶接する溶接方法である。
一般的に、鋼においては、r値(ランクフォード値)が高くなるほど、加工性が向上することが知られている。また、r値の向上は、鋼管の曲げ加工やハイドロフォーミング等の加工性の向上にも有効である。本発明者等が鋭意検討した結果、このような鋼管の加工性の向上には、鋼管の軸方向及び円周方向におけるランクフォード値r及びrを1.2以上とし、鋼管の軸方向における一様伸びを15%以上にすることが効果的であることが明らかとなった。
また、鋼管の軸方向及び円周方向におけるランクフォード値を1.2以上とするには、集合組織を制御する必要がある。本発明者等が鋭意検討した結果、鋼管の1/2肉厚における板面の{111}のX線反射面ランダム強度比を2.0〜7.0とし、{110}のX線反射面ランダム強度比を1.0〜5.0の範囲とし、{100}のX線反射面ランダム強度比を3.0以下とすることにより、鋼管の軸方向及び円周方向におけるランクフォード値を1.2以上に制御することが可能であることが明らかとなった。
更に、鋼管の延性を向上させるためには、金属組織を適正に制御することが必要である。本発明者等が鋭意検討した結果、軟質相であるフェライトと、硬質相であるマルテンサイト又はベイナイトの一方あるいは両方とからなる複合組織とすれば、15%以上の一様伸びを有する鋼管が得られることが明らかとなった。また、鋼管の加工性を高めるには、母材だけでなく、溶接部も含めた鋼管全域の集合組織及び金属組織を制御することが必要であることも見出した。
また、本発明者等は、上述のような加工性に優れた鋼管を製造するための方法について鋭意検討を行った。その結果、まず、加工性を高める集合組織を得るには、素管を冷間で伸管加工した後、フェライトとオ−ステナイトの二相域に加熱する熱処理を施すことが重要であることを知見した。更に、伸管加工前の素管の集合組織をランダムにするため、Ac変態点以上の温度に加熱した後、冷却する熱処理を施すことが重要であることを見出した。
以下、本発明の加工性に優れた鋼管及びその製造方法について詳細に説明する。
[鋼成分(化学成分組成)]
まず、本発明における鋼管母材の化学成分組成の限定理由について説明する。なお、以下の説明において、各元素の添加量は全て質量%で表す。
「C:炭素」0.005〜0.50%
Cは、鋼管母材の強度を確保するために添加する元素であり、その効果を得るためには0.005%以上の添加が必要である。また、より強度を高めるためには、Cを0.02%以上添加することが好ましい。しかしながら、Cの添加量が0.50%を超えると、加工性や靭性が低下することから、その上限値を0.50%とした。
「Mn:マンガン」0.3〜3.0%
Mnは、強度を確保する上で不可欠な元素であり、0.3%以上の添加が必要である。しかしながら、Mnの添加量が3.0%を超えると、連続鋳造鋼片の中心偏析を助長し、成形時に亀裂を発生させるので、その上限値を3.0%とした。
「Al:アルミニウム」Al:0.001〜0.08%
Alは、脱酸元素であり、脱酸効果を得るためには0.001%以上を添加する必要がある。一方、Alの添加量が0.08%を超えると、鋳片の割れや、介在物に起因する内質欠陥を生じるため、上限値を0.08%とした。
「N:窒素」0.001〜0.006%
Nは、AlとともにAlNを形成し、スラブ再加熱時のγ粒の粗大化を抑制して低温靭性を向上させる元素であり、そのために必要な最小添加量は0.001%である。一方、Nの添加量が多すぎるとスラブ表面疵の原因となるので、その含有量を0.006%以下に抑える必要がある。
なお、本発明では、脱酸元素であるSi、及び、不可避的に混入する不純物元素であるP、S、Oの各元素について、以下に説明する理由により、その含有量を制限する。
「Si:ケイ素」0.6%以下
Siは、脱酸のために添加する元素である。しかしながら、Siの添加量が0.6%を超えると、スケール生成による表面性状の劣化が著しくなるので、その上限値を0.6%に制限した。
「P:リン」0.02%以下
Pは、不可避的に混入する不純物元素であり、その含有量を0.02%以下に制限する。この主たる理由としては、溶接部の割れ発生を防止することが挙げられる。また、Pの含有量の低減により、連続鋳造スラブの中心偏析を低減させて粒界破壊を防止し、低温靭性を向上させることが可能となる。
「S:硫黄」0.006%以下
Sは、Pと同様に不可避的に混入する不純物元素であり、その含有量が0.006%を超えると溶接部に割れが発生するので、その上限値を0.006%に制限した。
「O:酸素」0.006%以下
Oは、鋼管の靱性を劣化させる不可避的不純物であるので、その含有量は少ない程好ましい。特に、Oの含有量が0.006%を超えると、鋼中に粗大な酸化物が多量に生成されるとともに、靱性が劣化するので、その上限値を0.006%に制限した。
次いで、本発明における選択成分元素の添加範囲の限定理由について以下に説明する。本発明においては、必須元素であるC、Mn、Al、Nの各々の含有量を上記範囲とし、また、Si、P、S、Oの各含有量を上記上限値に制限したうえで、さらに、鋼管の強度を高めるため、Cr、Mo、Bの内の1種又は2種以上を添加してもよい。
「Cr:クロム」0.1〜2.0%
Crは、母材の強度を増加させる元素であり、その効果を得るためには0.1%以上の添加が好ましい。しかしながら、Crの添加量が2.0%を超えると溶接性を劣化させることがあるので、上限値を2.0%とすることが好ましい。
「Mo:モリブデン」Mo:0.1〜2.5%
Moも、Crと同様、母材の強度を増加させる元素であり、その効果を得るためには0.1%以上の添加が好ましい。しかしながら、Moの添加量が2.5%を超えると溶接性を損なうことがあるため、上限値を2.5%とすることが好ましい。
「B:ホウ素」0.0005〜0.0050%
Bは、母材の強度上昇に有効な元素であり、0.0050%以上の添加が好ましい。しかしながら、Bの添加量が0.0050%を超えると粒界脆化を招く場合があるため、その上限値を0.0050%とすることが好ましい。
[金属組織]
次に、本発明の加工性に優れた鋼管の金属組織について説明する。
本発明の鋼管の金属組織は、シーム溶接部を含む鋼管全域において、フェライトと、マルテンサイト又はベイナイトの一方あるいは両方とからなる複合組織で構成されている。上述したように、鋼管の加工性を高めるには、軟質相であるフェライトマトリックス中に、硬質相であるマルテンサイトやベイナイトを分散させることが有効である。特に、一様伸びを高めるためには、フェライトの体積率を70%以上とし、残部のマルテンサイト又はベイナイトの一方、あるいは双方を併せた体積率を30%以下とすることが好ましい。
また、本発明では、鋼管全域における金属組織を、フェライトと、マルテンサイト又はベイナイトの一方あるいは両方とからなる複合組織としているが、これら各組織が主体とされた金属組織であれば、例えば、その他の組織が含まれていても良く、本発明による加工性向上の効果が充分に得られる。
また、鋼管のr値(ランクフォード値)を高めるためには、集合組織を制御する必要がある。即ち、r(鋼管の軸方向におけるr値)及びr(鋼管の円周方向におけるr値)を高めて鋼管の加工性を向上させるためには、本発明で規定するように、鋼管の1/2肉厚における板面の、{111}面のX線反射面ランダム強度比の範囲を2.0〜7.0とし、{110}のX線反射面ランダム強度比を1.0〜5.0の範囲とし、{100}面のX線反射面ランダム強度比を3.0以下とすることが必要である。
これらのランダム強度比が上記規定範囲から外れると、r及びrをそれぞれ1.2以上に制御することが困難となる。また、特定の方位のみランダム強度比を高めると、他の方位のランダム強度比が低くなるので、各方位におけるランダム強度比の上限を規定した。
上述したような各方位のX線ランダム強度比は、X線解析によって測定できる。具体的には、鋼管から弧状試験片を切り出し、これをプレス等で平板状としてからX線解析を行う。また、弧状試験片から平板状とするときは、試験片加工による結晶回転の影響を避けるため、極力低ひずみで行うものとし、加工により導入されるひずみ量の上限は10%以下とすることが好ましい。
このようにして得られた平板状の試料について、機械研磨や化学研磨等によって板厚中心付近まで研磨し、バフ研磨によって鏡面に仕上げた後、電解研磨や化学研磨によってひずみを除去すると同時に、板厚中心層が測定面となるように調整する。なお、試料の板厚中心層に偏析帯が観察される場合には、板厚の3/8〜5/8の範囲で偏析帯のない場所を測定すれば良い。更に、X線測定が困難な場合、EBSP法によって測定しても差し支えない。
また、管の曲げ加工やハイドロフォーミング等の加工性を顕著に向上させるには、鋼管の軸方向及び円周方向におけるランクフォード値r及びrを1.2以上とし、鋼管の軸方向の一様伸びを15%以上とすることが好ましい。鋼管の軸方向の一様伸びは、鋼管からJIS Z 2201に準拠して、鋼管の軸方向を長手方向として12号円弧上試験片を採取し、引張試験を実施して測定することができる。
以下に、鋼管の軸方向及び円周方向におけるr値、即ち、r及びrの測定方法について説明する。r(鋼管の軸方向におけるr値)の測定には、まず鋼管からJIS Z 2201に準拠して、鋼管の軸方向を長手方向とする12号円弧状試験片を採取する。次に、試験片に標点をマーキングして標点間の距離を測定し、試験片平行部の中央部にひずみゲージを幅方向で貼付する。その後、伸び計を取り付けて引張試験機で10%の引張ひずみを与え、標点距離の変化とひずみゲージにより測定した幅方向のひずみ変化からrを算出する。
また、r(鋼管の円周方向におけるr値)の測定には、まず、鋼管を切断してプレス等で平板状とし、円周方向を長手方向としてJIS Z 2201の13B号試験片を採取する。次に、試験片平行部に標点をマーキングして標点距離及び試験片平行部の板厚並びに板幅を測定する。その後、試験片に伸び計を取り付けて、引張試験機にて10%の引張ひずみを与え、引張ひずみ導入前後の試験片の板幅及び標点距離からrを算出する。
以上説明したような、本発明に係る加工性に優れた鋼管によれば、規定の成分組成を有し、シ−ム溶接部を含む当該鋼管全域の金属組織が、フェライトと、マルテンサイト又はベイナイトの一方あるいは両方とを主体とする複合組織で、前記シーム溶接部を除く当該鋼管の1/2肉厚における板面の{111}のX線反射面ランダム強度比が2.0〜7.0の範囲であり、{110}のX線反射面ランダム強度比が1.0〜5.0の範囲であり、{100}のX線反射面ランダム強度比が3.0以下とされた構成なので、形状や表面性状を損なうことなく、溶接部も含めて優れた加工性が得られる。このような加工性に優れる鋼管を、特に、伸管、曲げ、ハイドロフォーミング等によって成形される構造用鋼管や配管等に適用することにより、安全性が著しく向上するとともに、工程の省略及び部品点数の削減による製造コストの低減が可能となる。
[鋼管の製造方法]
以下に、本発明の加工性に優れた鋼管の製造方法について、その限定理由を説明する。
本発明に係る加工性に優れた鋼管の製造方法は、上述したような規定の成分組成を有する素管をAc変態点以上の温度に加熱した後に冷却し、次いで、減面率が10〜60%の範囲となり、且つ、減肉率が1%以上となるように冷間で伸管加工した後、更に、Ac変態点超からAc変態点+50℃の温度範囲に30s以上の時間で加熱し、その後、1℃/s以上の速度で冷却する方法である。
本発明においては、素管の製造方法については特に限定しないが、生産性の観点から、鋼板、特に熱延鋼板や熱延鋼帯を成形して電縫溶接する方法を採用することが好ましい。本発明の加工性に優れた鋼管の製造方法は、上記方法で得られる素管をオーステナイト域に加熱する熱処理を施した後、伸管加工し、更にオーステナイトとフェライトの二相域に加熱する熱処理を施すものである。
まず、素管の熱処理は、金属組織をオーステナイトにするため、加熱温度をAc変態点以上とした後、冷却することが必要である。なお、このような熱処理をノルマ熱処理ともいう。また、このノルマ熱処理により、シーム溶接部を含めた鋼管の材質が均質化され、集合組織がランダム化される。その後、冷間における伸管加工及び熱処理を施すと、シ−ム溶接部を含めた鋼管全域において材質が均質化し、高いr値を得ることができる。一方、加熱温度がAc変態点未満の場合は、集合組織のランダム化が不充分となり、また、シ−ム溶接部と母材部の材質が不均質になる。
上記方法によって素管にノルマ熱処理を施した後、次いで、減面率が10〜60%、減肉率が1%以上となるように冷間で伸管加工を行う。伸管加工における減面率が10%未満だと、充分な結晶回転が起こらないため、熱処理後の鋼管の集合組織を特定の方位に制御することができず、円周方向及び軸方向のr値の向上が不充分になる。一方、減面率が60%を超えると、冷間加工時に破断し易くなる。
ここで、本発明で説明する減面率とは、下記(1)式で表される値である。
減面率(%) = {(伸管加工前の断面積−伸管加工後の断面積)/(伸管加工前の断面積)}×100(%) ・・・(1)
また、減肉率が1%未満であると、熱処理後の鋼管の集合組織を特定の方位に制御することが難しく、円周方向及び軸方向におけるr値を向上させることが困難である。従って、減肉率は1%以上とすることが必要である。このように、減肉率を1%以上とするためには、冷間での伸管加工時に鋼管内部にプラグを差込み、板厚を制御する方法を用いることが好ましい。
ここで、本発明で説明する減肉率とは、下記(2)式で表される値である。
減肉率(%) = {(伸管加工前の肉厚−伸管加工後の肉厚)/(伸管加工前の肉厚)}×100(%) ・・・(2)
上記方法により、冷間で伸管加工した後、更に、Ac変態点超からAc変態点+50℃の温度範囲に30s以上加熱し、その後、1℃/s以上の冷却速度で冷却する。このような温度範囲に鋼管を加熱すると、金属組織はフェライトとオーステナイトの二相になる。
伸管加工後の加熱温度がAc変態点以下だと、オーステナイトが生成せず、冷却後、マルテンサイトやベイナイトの組織が得られないため、一様伸びが低下する。一方、加熱温度がAc+50℃を超えると、オーステナイトの量が多くなりすぎ、集合組織が破壊され、円周方向及び軸方向におけるr値が高められない。更に、オ−ステナイト中のC濃度が小さくなり、その後の冷却において、マルテンサイトやベイナイトが生成されない。
また、伸管加工後の加熱時間が30s未満だと、再結晶が充分に進行せず、オ−ステナイト中のC濃度が小さくなり、その後の冷却において、マルテンサイトやベイナイトが生成されなくなる。ここで、加熱時間の上限は特に限定する必要はなく、生産性を考慮して適宜決定すればよいが、1800s以下とすることが好ましい。
また、上記温度に鋼管を加熱した後の冷却速度が1℃/s未満であると、パーライトが生成し、マルテンサイトやベイナイトの低温変態相の組織が得られず、一様伸びが高められない。ここで、冷却速度の上限は特に限定する必要はなく、設備の性能によって決定されるが、100℃/s程度であれば良い。
なお、Ac変態点、Ac変態点及びベイナイト、マルテンサイトの組織となる冷却速度は、鋼成分によって異なる。従って、熱処理条件を設定する際には、鋼管から試料を採取するか、あるいは、ほぼ同一の成分を有する試料を用いて、Ac変態点、Ac変態点及びベイナイト、マルテンサイトの組織となる冷却速度を実験室等で測定することが必要となる。ここで、Ac変態点、Ac変態点及びベイナイト、マルテンサイトの組織となる冷却速度は、加熱及び冷却時の試験片の膨張量、並びに、収縮量を測定する熱膨張及び変態挙動の評価試験、例えば、フォーマスター試験等によって求めることができる。
以上説明したように、本発明に係る加工性に優れた鋼管の製造方法によれば、規定の成分組成を有する素管を、Ac変態点以上の温度に加熱した後に冷却し、次いで、減面率が10〜60%の範囲となり、且つ、減肉率が1%以上となるように冷間で伸管加工した後、更に、Ac変態点超からAc変態点+50℃の温度範囲に30s以上の時間で加熱し、その後、1℃/s以上の速度で冷却する方法なので、上述のような加工性に優れる鋼管を高い生産効率で製造することが可能となる。
以下、本発明に係る加工性に優れた鋼管及びその製造方法の実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、もとより下記実施例に限定されるものではなく、前、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
[鋼管の製造]
製鋼工程において溶鋼の脱酸・脱硫と化学成分を制御し、連続鋳造によって下記表1に示す化学成分組成のスラブを作製した。そして、スラブを再加熱して熱間圧延することで所定の板厚とした後、この鋼板を成形して電縫溶接する方法により、63.5φ×2.2mmtのサイズとされた鋼管を製造した。次いで、この鋼管を、各鋼(下記表1を参照)のAc以上である950℃に加熱した後、冷却するノルマ熱処理を施した。次いで、下記表2に示す各製造条件で、冷間での伸管加工を行った後、更に熱処理を施し、本発明(鋼番号1〜12)及び比較鋼(鋼番号13〜18)の鋼管の各鋼管を製造した。
[評価試験]
上記方法によって製造した各鋼管について、以下のような評価試験を行った。
(鋼管組織)
上記方法で得られた各鋼管について、金属組織を光学顕微鏡で観察した。また、鋼管の1/2肉厚における板面の各方位のX線ランダム強度比を、X線回折によって測定した。
(一様伸び及びランクフォード値)
各鋼管の軸方向の一様伸びについては、軸方向を長手方向とするJIS Z 2201の12号円弧上試験片によって、サンプル毎に測定した。
また、鋼管の軸方向におけるr値(ランクフォード値)であるrは、軸方向を長手方向とするJIS Z 2201の12号円弧状試験片に10%の引張ひずみを与え、長手方向と幅方向の形状及びひずみの変化から算出した。また、鋼管の円周方向におけるr値であるrは、鋼管を切断してプレス等で平板状とし、円周方向を長手方向とするJIS Z 2201の13B号試験片を採取し、10%の引張ひずみを与え、長手方向と幅方向の形状及びひずみの変化から算出した。
(加工性)
各鋼管の加工性の評価については、以下のようなハイドロフォーム加工を用いた方法で行なった。
まず、鋼管に10mmφのスクライブドサークルを転写して内圧と軸押し量を制御し、円周方向への張り出し成形を行なった。そして、バースト直前における最大拡管率を示す部位(拡管率=成形後の最大周長/母管の周長)の、軸方向のひずみと円周方向のひずみを測定した。
本実施例における、本発明鋼の鋼管の化学成分組成の一覧を下記表1に示すとともに、鋼管の製造条件の一覧を下記表2に示す。
Figure 0005031644
Figure 0005031644
[評価結果]
表1及び表2に示すように、本発明で規定する各製造条件によって得られ、本発明で規定する化学成分組成及び金属組織を有する、本発明鋼(鋼番号1〜12)の各鋼管は、何れも良好な集合組織とr値並びに一様伸びを示し、また、ハイドロフォーム加工時の最大拡管率が高く、良好な加工性を有することが明らかとなった。
これに対して、比較鋼である鋼番号13〜17の鋼管は、製造条件が適切でないため、金属組織、集合組織が本発明の範囲を満足せず、加工性が劣ることが明らかである。
鋼番号13の鋼管は、伸管加工時の減面率が低いため、r値が低く最大拡管率が低下し、加工性が劣っている。
鋼番号14の鋼管は、伸管加工時の減面率が高すぎるため、伸管加工時に破断した。
鋼番号15の鋼管は、伸管加工時の減肉率が小さいため、r値が低く最大拡管率が低下し、加工性が劣っている。
鋼番号16の鋼管は、伸管加工後の熱処理における冷却速度が低いため、一様伸びが低く最大拡管率が低下し、加工性が劣っている。
鋼番号17の鋼管は、伸管加工後の熱処理温度が低いため、一様伸びが低く最大拡管率が低下し、加工性が劣っている。
鋼番号18の鋼管は、伸管加工後の熱処理温度が高いため、r値及び一様伸びが低く最大拡管率が低下し、加工性が劣っている。
以上説明した実施例の結果より、本発明の加工性に優れる鋼管が、形状や表面性状を損なうことなく、溶接部も含めて優れた加工性が得られることがわかる。従って、本発明の加工性に優れる鋼管を、特にハイドロフォーミング等によって成形される構造用鋼管や配管等に適用することにより、安全性が著しく向上するとともに、製造コストの低減が可能となることが明らかである。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C:0.005〜0.50%、
    Mn:0.3〜3.0%、
    Al:0.001〜0.08%、
    N:0.001〜0.006%
    を含有し、
    Si、P、S、Oの各々の含有量を、
    Si:0.6%以下、
    P:0.02%以下、
    S:0.006%以下、
    O:0.006%以下
    に制限し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、
    シ−ム溶接部を含む当該鋼管全域の金属組織が、フェライトと、マルテンサイト又はベイナイトの一方あるいは両方とからなる複合組織であり、
    前記シーム溶接部を除く当該鋼管の1/2肉厚における板面の、{111}面のX線反射面ランダム強度比が2.0〜7.0の範囲であり、{110}面のX線反射面ランダム強度比が1.0〜5.0の範囲であり、{100}面のX線反射面ランダム強度比が3.0以下であることを特徴とする加工性に優れた鋼管。
  2. さらに、質量%で、
    Cr:0.1〜2.0%、
    Mo:0.1〜2.5%、
    B:0.0005〜0.0050%
    の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の加工性に優れた鋼管。
  3. 当該鋼管の軸方向におけるランクフォード値rが1.2以上であり、当該鋼管の円周方向におけるランクフォード値rが1.2以上であり、且つ、当該鋼管の軸方向における一様伸びが15%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の加工性に優れた鋼管。
  4. 請求項1又は2に記載の成分組成を有する素管をAc変態点以上の温度に加熱した後に冷却し、次いで、減面率が10〜60%の範囲となり、且つ、減肉率が1%以上となるように冷間で伸管加工した後、更に、Ac変態点超からAc変態点+50℃の温度範囲に30s以上の時間で加熱し、その後、1℃/s以上の速度で冷却することを特徴とする加工性に優れた鋼管の製造方法。
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