JP5142141B2 - ハイドロフォーム加工用鋼管素材熱延鋼板およびハイドロフォーム加工用鋼管ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイドロフォーム加工用の鋼管素材としての熱延鋼板及びハイドロフォーム加工用鋼管ならびにそれらの製造方法に関する。
近年、特に地球温暖化防止のために炭酸ガスの総排出量を削減することが世界的規模で求められている。例えば自動車に関しても、燃費向上による排出ガスの削減が強力に推進されている。自動車の燃費向上の方策の一つとして、自動車車体の更なる軽量化が要求されている。その一方で、衝突安全性を高めるために自動車車体の剛性向上による衝撃吸収能の向上も求められている。これら様々な要求を満足して自動車車体の軽量化及び高剛性化をいずれも高次元で達成するには、自動車車体用鋼板の一層の高強度化及び薄肉化を図ることが不可欠となる。
このような状況にあって、自動車車体の構造部材や足回り部材をチューブハイドロフォーム(以下、「THF」ともいう。)により製造することが検討されている。THFとは、略述すると、ダイスの代わりに液圧を利用して管状の素材を成形する方法ある。具体的には、THFは液圧により膨出加工する方法であり、実用的には、管状素材に必要に応じて潰しや曲げなどの予加工を施した後に、膨出変形させながら型になじませて成形する加工方法である。
自動車用の構造部材や足回り部材として、THFにより製造された部材を供給することが可能になれば、部品数や溶接箇所の低減などによる軽量化や低コスト化を図ることができるとともに、自動車車体の剛性を高めることができるために衝突安全性の向上も図ることができる等、多大なメリットが期待される。
このようなTHFのメリットを十分に活かすには、これに適した材料が必要である。具体的には、THFにおける膨出変形時に割れを生じないとともに製造コストを極力上昇させない素材を用いることが重要である。
THFは、管軸方向に管を押し込んで材料を流入させながら膨出し変形させることが可能となる点に特徴があり、この管軸方向に管を押し込むこと、つまり、軸押しによって変形に伴う肉厚減少が抑制されて膨出量は著しく向上する。しかし、部品形状によっては軸押しの効果を得られない部位がある。
非特許文献1には、鋼管の円形断面自由バルジ成形に際しての成形のし易さ(以下、「THF性」ともいう。)の指標である限界拡管率に及ぼす材料特性について記載されており、この中に軸押しがない場合の変形においては均一伸びやn値の影響が大きいことが示されている。これによれば、高い均一伸びを有する鋼板を素材に用いることにより高いTHF性を得られることが分かる。
また、特許文献1では、鋼管の管軸方向から採取したJIS12A号引張試験片により引張試験を行い、強度に対し一定の一様伸び(均一伸び)を有する鋼管を選定するハイドロフォーミング方法が開示されている。ここでは、型拘束の有無によらず、ハイドロフォーム加工における周長さ方向張出し性は管軸方向のJIS12A号引張試験片による一様伸びと強い相関関係にあると記載されている。
以上のことからも均一伸びに優れる素材を用いた鋼管がTHF性に優れるものといえる。
さらに、部品形状の多様化により、THF後の2次加工性の要求も出てきている。ポンチなどにより穴を押し拡げる穴拡げ性(バーリング性)はその一つである。一般に穴拡げ性は、単一組織とすることにより、もしくは母相と硬質相の硬度差を小さくすることにより向上する。したがって、フェライト単相、ベイナイト単相、フェライト−ベイナイト複相組織が好ましいとされ、残留γ鋼板、フェライトとマルテンサイトの複相組織鋼板(DP鋼板)、パーライトや粗大なセメンタイトが析出している鋼板の穴拡げ性は低い。
特許文献2には、ベイニティックフェライト組織を主体としたTHF性およびバーリング性に優れた引張強さ400MPa以上の鋼管が提案されている。しかしながら、鋼管を造管後に温間〜熱間で縮径圧延を行うため、材料コストの上昇を伴い、部品の製造コストが嵩む。また、具体的に開示されている引張強度は高々572MPaであり十分なものとはいえない。
プレス技術 第39巻 第7号(2001年7月)p27 特開2001−96316号公報 特開2005−68534号公報
上述したように、優れたTHF性を確保するには、均一伸びに優れる鋼板を素材として用いて鋼管を製造すればよいことが知られている。したがって、均一伸びに優れる残留γ鋼板やDP鋼板を素材として用いて鋼管を製造すれば、優れたTHF性が得られるように思われる。
しかしながら、本発明者らが詳細に検討したところ、残留γ鋼板やDP鋼板を素材として用いた鋼管のTHF性は必ずしも高くないということが判明した。この原因は次のように推察される。
残留γ鋼板やDP鋼板は、セメンタイトおよびパーライトの析出を抑制するために多量のSiを添加している。このようにSi含有量の高い鋼材は、表面に島状スケール疵が発生しやすく、この島状スケール疵は、THFの際の応力集中源となり、鋼管の管周方向全体の一様な変形を妨げ局所的変形を促進する。また、島状スケール疵の元となるのは、島状スケールであって、これは赤スケールとも呼ばれ、これが存在すると、熱間加工後の冷却過程における冷却ムラを生じ、金属組織の不均一化を招き、鋼管の管周方向全体の一様な変形を妨げ局所的変形を促進する。その結果、THFの比較的早い段階において容易に破裂に至ってしまう。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、優れたTHF性を有するハイドロフォーム加工用鋼管およびその素材である熱延鋼板ならびにそれらの製造方法を提供することを目的とする。
より具体的には、本発明は、自動車用部品として使用できるように590MPa以上の強度および優れた穴拡げ性を備えるとともに、優れたTHF性を有するハイドロフォーム加工用鋼管およびその素材である熱延鋼板ならびにそれらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、化学組成および製造条件が異なる鋼板と、これらの鋼板を素材とする鋼管とについて、THF性に及ぼす化学組成および金属組織の影響を調べた。
その結果、優れたTHF性を確保するには、均一伸びに優れるだけではなく、表面性状に優れることが必要であり、さらには、金属組織を微細化することによりTHFにおける局所的変形を抑制し鋼管の管周方向全体の一様な変形を促すとともに、耐常温時効性を高めることによりTHF性の低下を抑制することにより、THF性をより一層向上させることが可能になるとの新たな知見を得て、主として析出強化による高強度化を図った鋼材に着目して鋭意検討を重ねることにより本発明を完成した。
ところで、高い強度と高い均一伸びとを両立させようとする場合、Siを適量添加する場合が多い。しかし、高Si含有鋼ではスラブの加熱中にスラブ地金と生じたスケールとの界面に生成したファイアライト(FeSiO)がスケールの地金への密着性を向上させるために、通常のデスケーリングではスケールを完全に除去することができず、酸洗前には赤スケール、酸洗後には島状スケール疵として、それぞれ鋼材表面に残存する。これらは表面性状を損ねるだけでなく、仕上熱間圧延後の冷却ムラの原因となって組織および特性のバラツキを生じ、高いTHF性が安定して得られない可能性があり、また、島状スケール疵はTHF時に早期破裂を引き起こす要因にもなる。
そこで、本発明にあっては、Si含有量を抑制するために、析出強化を活用することにより目的とする強度を得るのである。そして、析出強化を活用することにより、高Si含有鋼特有の上記問題が解決されるのみならず、金属組織が微細となることによるTHF性の向上作用と、CやNが析出物として固定されることによるTHF性の耐常温時効性の向上作用とが相俟って、それらの総合的作用効果としてTHF性が大幅に向上するのである。さらに、析出強化を活用することにより、残留γ鋼板やDP鋼板とは異なり、良好な穴拡げ性を確保することができるのである。
従来にあっても、前述の特許文献2では、Si含有量が0.2%以上の実施例も記載されているが、熱間圧延時の島状スケールに対する検討がなされていないので特性バラツキなどの問題があり、本発明を教えるものではない。
本発明の熱延鋼板は、高い強度と優れたTHF性とを備えるハイドロフォーム加工用鋼管の製造を容易にし、本発明のハイドロフォーム加工用鋼管は、高い強度と優れたTHF性とを備えるので、自動車や各種の産業機械に用いられる構造部材の素材、なかでも自動車の構造部材の素材として好適であり、自動車車体の軽量化と剛性向上を可能にする。
また、本発明の熱延鋼板を用いるハイドロフォーム加工用鋼管の製造方法は、縮径圧延といった特殊な熱加工処理を必要としないので、製造コストが安価であるとともに比較的容易に実施することが可能である。
本発明の熱延鋼板およびハイドロフォーム用鋼管の最良の形態を説明する。
なお、本明細書において各元素の含有量を示す「%」は「質量%」を示し、数式中に記載されている各元素記号は各元素の含有量(質量%)を示す。
また、ハイドロフォーム用鋼管の素材としての熱延鋼板の機械特性は、圧延方向に対して直角方向におけるものであり、ハイドロフォーム用鋼管の機械特性は、溶接部を管周方向の0°位置とした場合の管周方向の90°位置または270°位置の管軸方向におけるものである。
また、本発明における「フェライト」とは、ポリゴナルフェライト、アシキュラーフェライト、擬ポリゴナルフェライト、ベイニティックフェライト、グラニュラーベイニティックフェライトを含み、パーライト組織、セメンタイト、残留オーステナイト相、マルテンサイト相、ベイナイト組織は含まない。
(化学組成)
C:0.02%以上0.20%以下
Cは、炭化物を形成して析出強化により鋼材の強度を向上させる作用を有する。C含有量が0.02%未満では、590MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、C含有量を0.02%以上とする.好ましくは0.03%以上である。一方、C含有量が0.20%超では、フェライト変態が遅延し、50%以上のフェライト面積率を確保することが困難となる。また、炭化物が粗大化してTHF性や穴拡げ性の低下を招く。したがって、C含有量は0.20%以下とする。好ましくは0.18%以下である。
Si:0.05%以上1.50%以下
Siは、均一伸びを余り低下させることなく強度を向上させる作用を有するので、良好な強度と均一伸びのバランスを確保するのに有用な元素である。Si含有量が0.05%未満では、上記作用による効果が十分に得られない場合がある。したがって、Si含有量を0.05%以上とする。好ましくは0.20%以上、さらに好ましくは0.35%以上である。一方、Si含有量が1.50%超では、鋼材の化成処理性が劣化する。したがって、Si含有量を1.50%以下とする。好ましくは1.35%以下、さらに好ましくは1.20%以下である。
Mn:0.2%以上3.0%以下
Mnは、鋼材の強度を向上させる作用を有する。また、変態点を下げる作用も有するため、熱間圧延の仕上温度を低下させることにより組織を微細化することを可能にする。Mn含有量が0.2%未満では、上記作用による効果が十分に得られない場合がある。したがって、Mn含有量は0.2%以上とする。一方、Mn含有量が3.0%超では、フェライト変態が遅延し、50%以上のフェライト面積率を確保することが困難となる。また、Mnの偏析に起因して組織が不均質になりやすく、THF性や穴拡げ性を劣化させる。したがって、Mn含有量は3.0%以下とする。好ましくは、2.7%以下である、さらに好ましくは2.5%以下である。
P:0.003%以上0.10%以下
Pは、固溶強化元素であり、鋼材の強度を向上させる作用を有する。P含有量が0.003%未満では上記作用による効果が十分に得られない場合がある。したがって、P含有量を0.003%以上とする。一方、P含有量が0.10%超では、Pの偏析に起因して加工性の著しい低下を招く。したがって、P含有量は0.10%以下とする。
S:0.01%以下
Sは、不純物元素であり、硫化物を形成してTHF性を低下させる。したがって、S含有量は0.01%以下とする。
Al: 0.01%以上2.0%以下
Alは、鋼の脱酸して鋼を健全にする作用を有する。Al含有量が0.01%未満では、上記作用による効果を十分に得られない場合がある。したがって、Al含有量を0.01%以上とする。一方、Al含有量が2%超では、粗大なアルミナ系介在物が増加してTHF性が低下する。したがって、Al含有量を2.0%以下とする。好ましくは1.0%以下である。
N:0.01%以下
Nは、不純物元素であり、製鋼工程や鋳造工程においてAl、Ti、Nb、Vなどと結合して粗大な窒化物を形成し、これがき裂の起点となり割れを発生し易くするので、ハイドロフォーム性を低下させる。したがって、N含有量0.01%以下とする。好ましくは0.006%以下である。
O(酸素):0.01%以下
O(酸素)は、不純物元素であり、鋼の清浄度を低下させてTHF性を劣化させる。したがって、酸素含有量を0.01%以下とする。好ましくは0.007%以下、さらに好ましくは0.005%以下である。
Ti:0.25%以下
Nb:0.1%以下
V:0.5%以下
0.25≦6Ti+3Nb+4V≦3
Ti、NbおよびVは、析出強化により鋼材の強度を向上させる作用を有するとともに、金属組織を微細化してハイドロフォーミング性を向上させる作用も有する。さらに、固溶Cや固溶Nを析出物などとして固定することにより、常温歪時効によるTHF性の低下を抑制する作用も有する。
ただし、Ti、NbおよびVの含有量が、0.25>6Ti+3Nb+4Vとなるの場合には、上記作用による効果が十分に得られない場合がある。したがって、Ti、NbおよびVからなる群から選ばれる1種または2種以上を0.25≦6Ti+3Nb+4Vを満足するように含有させる。好ましくは、Ti:0.04%以上、Nb:0.005%以上およびV:0.05%以上からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有させることである。
一方、Ti含有量が0.25%超であったり、Nb含有量が0.1%超であったり、V含有量が0.5%超であったり、あるいは、6Ti+3Nb+4V>3であったりすると、上記作用による効果が飽和してコストの増大を招くばかりか、粗大な炭窒化物を形成して鋼材の加工性を低下させる。したがって、Ti含有量は0.25%以下、Nb含有量は0.1%以下、V含有量は0.5%以下として、さらに、6Ti+3Nb+4V≦3とする。Ti含有量は0.20%以下、Nb含有量は0.05%以下、V含有量は0.4%以下とすることが好ましい。
(Al+5P)/Si:0.1以上
AlおよびPは、ファイアライトの融点を低下させることにより、仕上熱間圧延前のデスケーリングにおけるスケール剥離性を向上させ、最終製品である鋼材表面における赤スケールおよび島状スケール疵を抑制する作用を有する。実操業において確保しうるデスケーリング温度条件下において、鋼材表面における赤スケールおよび島状スケール疵の面積率を10%以下とするために、(Al+5P)/Siを0.1以上とする。
Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、B:0.005%以下
Cu、Ni、Cr、MoおよびBは、析出強化や固溶強化により鋼材の強度を一層向上させる作用を有する。したがって、これらの元素群から選ばれる1種または2種以上を含有させることができる。しかし、Cu、Ni、CrおよびMoについては、いずれかの元素の含有量が1.0%超であったり、Bについてはその含有量が0.005%超であったりすると、延性が低下し、その結果、THF性が低下する。したがって、これらの元素を含有させる場合には、Cu、Ni、CrおよびMoについてはその含有量をそれぞれ1.0%以下とし、Bについてはその含有量を0.005%以下とする。なお、上記作用による効果を確実に得るには、Cu、Ni、CrおよびMoについてはその含有量をそれぞれ0.01%以上、Bについてはその含有量を0.0001%以上とすることが好ましい。
Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下
Ca、MgおよびREMは、酸化物や硫化物を微細に球状化してTHF性を向上させる作用を有する。したがって、これらの元素群から選ばれる1種または2種以上を含有させることができる。しかし、いずれかの元素の含有量が0.01%超になると、酸化物や硫化物が多量に生成してTHF性が低下する。したがって、これらの元素を含有させる場合には、各元素の含有量を0.01%以下とする。なお、上記作用による効果を確実に得るには、いずれかの元素を0.0002%以上含有させることが好ましい。
ここで、REMとは、Sc、Y及びランタノイドの合計17元素を指し、ランタノイドの場合、工業的にはミッシュメタルの形で添加される。なお、本発明におけるREM含有量はこれらの元素の合計含有量を指す。
(C/12)/ (Ti/48+Nb/93+V/53):0.8以上3.0以下
鋼材の二次加工の一つとして穴拡げ加工があり、多様な部材形状への要求に対応するためには、穴拡げ性にも優れることが好ましい。そして、穴拡げ性を向上させるには、残留γ相やマルテンサイト相および粗大なセメンタイトの面積率を極力低減することが好ましい。そこで、(C/12)/(Ti/48+Nb/93+V/53)を0.8以上3.0以下とすることが好ましい。上記値が3.0を超えると粗大なセメンタイトが析出してしまい良好な穴拡げ性を確保することが困難となり、上記値が0.8を下回ると強度向上に対するTi、NbおよびVの添加効率が低くなりコストが徒に嵩む。
(金属組織)
フェライト平均粒径:1.0μm以上10μm以下
フェライト粒の細粒化は、THFにおける鋼材の変形の一様化を促し、THFの初期段階から変形部位が局所化することを抑制してTHF性を向上させる。そのため、フェライト平均粒径は10μm以下とする。好ましくは7μm以下、より好ましくは5μm以下である。一方、フェライト平均粒径が1.0μmを下回るような極端な細粒化は通常の熱間圧延では技術的に困難であるため、フェライト平均粒径は1.0μm以上とする。
フェライト面積率:50%以上
フェライト面積率は、均一伸びと密接な関係にあり、フェライト面積率の低下に伴い均一伸びも低下する。そこで、フェライト面積率を50%以上とする。好ましくは60%以上である。
(鋼板の表面性状)
表面の島状スケール疵の面積率:10%以下
Siを相当量含有する鋼材は、熱間圧延前の高温状態においてファイアライトを形成し、適切な脱スケール処理が施されないと、熱間圧延後の鋼材表面に島状スケールが生じる。島状スケールは、酸洗前の黒皮の状態では赤スケールとして、酸洗後の白皮の状態では島状スケール疵として、それぞれ鋼材表面に残存する。島状スケールは、熱間圧延後の冷却過程において冷却ムラを生じさせるため、同一鋼材内における機械特性の変動を大きくする。また、ハイドロフォーム用鋼管の表面に島状スケール疵が存在すると、島状スケール疵部は正常部に比して地金表面に大きな凹凸を有し、島状スケール疵部がTHFにおける破裂の起点になりやすいため、THF性を低下させる。したがって、ハイドロフォーム用鋼管素材熱延鋼板の酸洗後の表面における島状スケール疵の面積率、すなわち熱間圧延鋼板としての酸洗前の赤スケールまたは島状スケール疵の面積率は10%以下とする。好ましくは5%以下である。
(鋼板の機械特性)
引張強度(TS):590MPa以上
鋼材の引張強度が小さいと、車体の軽量化や剛性向上などの効果が十分に得られない。そこで、JIS Z 2201規定の板状試験片を用いた引張試験における引張強度で590MPaを下限とする。上記効果をより大きく得るためには、690MPa以上とすることが好ましく、780MPa以上とすることがさらに好ましく、980MPa以上とすることが最も好ましい。
引張強度(TS)と均一伸び(UEl)の積(TS×UEl):6000MPa・%以上
ハイドロフォーム加工用鋼管素材熱延鋼板の均一伸びが大きいと、これを素材とするハイドロフォーム加工用鋼管のTHF性が向上し、成形可能な部品形状の範囲が拡大する。このため、ハイドロフォーム加工用鋼管素材熱延鋼板の引張強度と均一伸びとが高レベルでバランスしていることが好ましい。したがって、引張強度(TS)と均一伸び(UEl)との積(TS×UEl)が6000MPa・%以上であることが好ましい。より好ましくは7000MPa・%以上、最も好ましくは8000MPa・%以上である。
なお、圧延方向に対して直角方向における機械特性を規定するのは、THFの際の膨出変形が主として管周方向の引張変形であるところ、ハイドロフォーム加工用鋼管素材熱延鋼板の圧延方向が管軸方向となるようにハイドロフォーム加工用鋼管が製造され、ハイドロフォーム加工用鋼管における管周方向がハイドロフォーム加工用鋼管素材熱延鋼板の圧延直角方向に相当するからである。
299e2.1Ceq≦TS≦556e2.1Ceq
ハイドロフォーム加工用鋼管の溶接部硬度を適正化すると、THF時における溶接部あるいは溶接部近傍へ変形が集中するのを抑制され、ハイドロフォーム加工用鋼管の管周方向の変形が一様化されるので、THF性や二次加工性が向上する。したがって、溶接部における過度のアンダーマッチングやオーバーマッチングを抑制することが肝要であり、これを実現するには、化学組成と引張強度とが上記式を満足するようにすることが好ましい。上記式を満たすことによって、溶接部硬度と母材強度の過度のアンダーマッチングおよびオーバーマッチングを抑制し、THF性や二次加工性の低下を抑制する。なお、Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14である。
(鋼管の表面性状)
表面の赤スケールおよび島状スケール疵の面積率:10%以下
ハイドロフォーム用鋼管の表面に島状スケール疵が存在すると、島状スケール疵部は正常部に比して地金表面に大きな凹凸を有し、島状スケール疵部がTHFにおける破裂の起点になりやすいため、THF性を低下させる。また、赤スケールまたは島状スケール疵が存在するということは、同一のハイドロフォーム用鋼管内における機械特性の変動が大きいということであるから、THFにおいて不均一変形を生じやすくなり、その結果、THF性を低下させる。したがって、ハイドロフォーム用鋼管の表面における島状スケールの面積率、すなわち赤スケールおよび島状スケール疵の面積率は10%以下とする。好ましくは5%以下である。
(鋼管の機械特性)
溶接部硬度(HvWM)と鋼管の引張強度(TS)との比(HvWM/TS):0.22以上0.44以下
ハイドロフォーム用鋼管は熱延鋼板を溶接することにより製造されるが、溶接部硬度が母材硬度よりも低すぎると、THFの際に溶接部が優先的に変形してしまい、THF性が低下する場合がある。逆に、溶接部硬度が母材硬度よりも高すぎる場合には、曲げや潰しなどの予成形の際に割れを生じたり、二次加工性や靭性を低下させたりする場合がある。そのため、溶接部硬度(HvWM)と鋼管の引張強度(TS)との比(HvWM/TS)は0.22以上0.44以下であることが好ましい。
なお、溶接部硬度は、溶接部中心付近を9.8Nの荷重で測定したビッカース硬度であり、鋼管の引張強度はJIS Z 2201に規定の円弧状引張試験片で測定した引張強度である。強度測定が困難な場合は、溶接部硬度の測定方法と同様の方法で測定した母材板厚中心硬度を3.17倍した値を用いてもよい。
次に、本実施の形態の熱延鋼板およびハイドロフォーム用鋼管の製造方法を説明する。
(ハイドロフォーム用鋼管の素材である熱延鋼板の製造方法)
熱間圧延に供する鋼塊または鋼片の温度:1150℃以上1400℃以下
熱間圧延に供する鋼塊または鋼片の温度が1150℃未満では、高温域で粗大な(Ti、Nb、V)炭窒化物が析出した状態となり、熱間圧延前において(Ti、Nb、V)炭窒化物を固溶状態として、熱間圧延後に(Ti、Nb、V)炭窒化物を微細に析出させることにより、フェライトの粒成長を抑制して組織を微細化することが困難となり、フェライト粒が粗大化してしまう。粗大な(Ti、Nb、V)炭窒化物の存在やフェライトの粗大化はTHF性や穴拡げ性の低下を招く。また、析出強化能も低下し、590MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、熱間圧延に供する鋼塊または鋼片の温度を1150℃以上とする。好ましくは1200℃以上、さらに好ましくは1230℃以上である。
一方、熱間圧延に供する鋼塊または鋼片の温度が1400℃超では、厚いスケールが生成して歩留まり低下を招いたり、鋼塊または鋼片を加熱炉で加熱する場合には、加熱炉に著しい損傷を与えたりする場合がある。したがって、熱間圧延に供する鋼塊または鋼片の温度は1400℃以下とする。
なお、熱間圧延に供する鋼塊または鋼片の温度は上記温度範囲にあればよいのであり、1150℃未満となった鋼塊または鋼片を加熱炉に装入して上記温度まで加熱してから熱間圧延に供する場合のほか、連続鋳造により得られる鋼塊または分塊圧延により得られる鋼片を1150℃以上の高温状態を保ったまま加熱処理を施すことなく熱間圧延に供してもよい。
デスケーリング前の粗バーの表面温度:1050℃以上1180℃以下
鋼塊または鋼片に粗熱間圧延を施すことにより得られた粗バーには、仕上熱間圧延を施す前にデスケーリング処理を施すが、その際に、粗バーの表面温度を1050℃以上1180℃以下としてからデスケーリング処理を施す。
Si含有鋼は、熱間圧延に供する際の高温状態において、デスケーリングによる剥離除去が困難なFeO−FeSiO共晶化合物相が鋼板表面に形成され、その後の冷却により島状スケールとなる。しかし、粗バーの表面温度を1050℃以上1180℃以下にすることによりFeOとFeSiOとが半溶融状態となり、デスケーリングが容易になる。なお、粗バーの表面温度を1050℃以上1180℃以下とする方法は特に制限されない。例えば、誘導加熱や通電加熱、あるいは加熱炉による加熱であってもよい。また、粗熱間圧延後において粗バーの表面温度が1050℃以上1180℃以下であるならば、特に加熱処理を施さなくともよい。なお、粗バーの表面温度TRHは次の式を満足することが好ましい。
RH≧1050−36.4ln((Al+5P)/Si)
仕上熱間圧延における合計圧下量:40%以上95%以下
仕上熱間圧延における合計圧下率を高めることにより、フェライト変態核生成サイトになるオーステナイト粒界や転位の存在比率が高くなり、金属組織が微細化し、その結果THF性が向上する。そこで、所望の金属組織を得るために、仕上熱間圧延における合計圧下量を40%以上とする.好ましくは50%以上である.
一方、仕上熱間圧延における合計圧下率が過大であると、圧延負荷が過大となって圧延が困難となる場合がある。したがって、仕上熱間圧延における合計圧下率を95%以下とする。
仕上熱間圧延終了温度:Ar点以上1000℃以下
仕上熱間圧延終了温度がAr点未満である場合、すなわちフェライトとオーステナイトが共存する二相域で仕上熱間圧延を施すと、加工フェライトが生じて加工性が低下する。したがって、仕上熱間圧延終了温度はAr点以上とする。
一方、仕上熱間圧延終了温度が1000℃超では、金属組織が粗大化してTHF性の劣化を招く場合がある。したがって、仕上熱間圧延終了温度は1000℃以下とする。
粗熱間圧延開始から仕上熱間圧延完了までの時間:7分間以内
粗熱間圧延開始から7分以内に仕上熱間圧延を完了しないと、粗熱間圧延前に固溶状態にした(Ti、Nb、V)(C、N)が高温域で析出して粗大な(Ti、Nb、V)(C、N)を形成してしまい、析出強化およびフェライトの微細化に寄与しなくなる。したがって、粗熱間圧延開始から仕上熱間圧延完了までの時間を7分間以内とする。
仕上熱間圧延後の水冷の冷却停止温度:550℃以上780℃以下
仕上熱間圧延終了後に行う水冷の冷却停止温度が780℃より高い場合、析出物およびフェライト粒が粗大化して強度が低下する。一方、550℃未満ではフェライト面積率が50%未満になってしまう。そこで、仕上熱間圧延後の水冷の冷却停止温度を550℃以上780℃以下とする。好ましくは600℃以上750℃以下である。
さらに、この水冷の平均冷却速度を早くすることにより、組織の微細化が確実に得られるので、水冷の平均冷却速度を30℃/s以上とすることが好ましい。
巻取温度:350℃以上650℃以下
上記水冷後、または、さらに空冷して再度水冷をした後に巻き取るが、巻取温度が650℃超の場合には析出物が粗大化して強度や穴拡げ性を低下させ、350℃以下では硬質相の生成によりTHF性が低下する。そのため、巻取温度は350℃以上650℃以下とする。穴拡げ性向上のためには350℃以上500℃以下とすることが好ましい。
調質圧延伸び率:0.2〜4%
本発明のような析出強化鋼の機械特性の異方性は、通常、圧延方向および圧延方向に対して直角な方向が劣り、圧延方向に対して45°方向が優れる。ハイドロフォーム加工用鋼管において高いTHF性を得るには管軸方向および管周方向の機械特性が良好であることが必要であるところ、ハイドロフォーム加工用鋼管における管軸方向および管周方向に相当するのは、その素材であるハイドロフォーム用鋼管素材熱延鋼板の圧延方向および圧延方向に対して直角な方向であるから、本発明のような析出強化鋼は不利である。
しかしながら、本発明者らの検討によって、析出強化鋼にわずかな調質圧延を施すことによって異方性が改善して、圧延方向および圧延方向に対して直角な方向における機械特性が向上することが初めて明らかとなった。
調質圧延の伸び率が0.2%未満では所望の効果が得られず、4%超では鋼板の機械特性が全体的に低下する。したがって、調質圧延の伸び率を0.2〜4%とする。好ましくは、0.5%以上2%以下である。
(ハイドロフォーム用鋼管の製造方法)
以上のようにして得られたハイドロフォーム用鋼管素材熱延鋼板を酸洗して、切断もしくはスリッティングなどによりハイドロフォーム加工用鋼管の鋼管径に応じた板幅の鋼板に切断する。その後、圧延方向が管軸方向となるように管状に成形し、端部を突合せ溶接することにより溶接鋼管が得られる。管状に成形する際は、複数の圧延スタンドを用いる冷間ロール成形やUO成形などで行い、端部の溶接は電縫溶接、アーク溶接、プラズマ溶接、レーザー溶接などで溶接する。これらの成形および溶接方法については特に限定しない。製造コストの観点からは、いわゆるERW鋼管が優れており、一層の特性向上を必要とする場合には、溶接シーム幅が小さいレーザー溶接を用いた製管が有利である。さらに、溶接部品質を高めるためにはArガスシールを施して溶接することが好ましい。
このようにして、本実施の形態によれば引張強度が590MPa以上の表面性状と均一伸びに優れたハイドロフォーム用鋼管素材熱延鋼板およびハイドロフォーム加工用鋼管を提供することができる。
本発明を、実施例を参照しながらより具体的に説明する。
表1に示す化学組成を有する鋼A〜Qを真空溶製して鋳造したのち、鍛造により40mm厚の鋼片とした。これらの鋼片に表2に示す条件の熱間圧延および調質圧延を施して、板厚が2.0mm、板幅が300mmの熱延鋼板とした。
このようにして得られた熱延鋼板について、表面性状(赤スケール面積率)、金属組織(フェライト平均粒径、フェライト面積率)、機械特性を求めた。
表面性状は、鋼板の長さの15%にあたる圧延方向の両端部と、鋼板の板幅の10%にあたる幅方向の両端部とを除く領域、すなわち、長さが鋼板の圧延方向の70%で幅が鋼板の幅方向の80%である領域を測定範囲として赤スケール面積率を求めることにより評価した。なお、島状スケール疵は、酸洗前の鋼板表面に存在する赤スケールが酸洗により除去されて出現する凹凸疵であるから、酸洗前の鋼板表面に存在する赤スケールと酸洗後の鋼板表面に存在する島状スケール疵とは、位置および面積率がほぼ一致する。したがって、酸洗前の鋼板の赤スケール面積率を調査することによって、酸洗後の鋼板の島状スケール疵の面積率とすることができる。
金属組織は、圧延方向と平行な板厚断面を鏡面研磨した試料をナイタール液で腐食し、走査電子顕微鏡を用いて1000〜2000倍の倍率で観察することにより、フェライト平均粒径とフェライト粒径とを求めることにより評価した。フェライト平均粒径は、板厚方向1/4深さ位置の任意の3視野における平均粒径を切片法により各々求め、それらを1.13倍して球相当直径として算術平均した値とした。フェライト面積率は、上記3視野の各々において点算法にて測定した値の算術平均値とした。
機械特性は、JIS Z 2201に規定されている5号引張試験片を切り出して、室温で引張速度10mm/分の引張試験を行うことにより、引張強度(TS)、均一伸び(UEl)を求めた。
また、上記熱延鋼板を、酸洗、切断した後、圧延方向が管軸方向となるように鋼板を管状に丸め、Arガス雰囲気下で端面を突合せ溶接することによって、肉厚:2.0mm、直径60mm、長さ500mmの鋼管とした。
このようにして得られた鋼管について、表面性状(島状スケール疵面積率)および機械特性を求めた。
表面性状は、鋼管における面積率については、鋼管の全表面における島状スケール疵面積率を測定した。
機械特性は、引張試験、ハイドロフォーム成形試験および穴拡げ試験により評価した。
引張試験は、前述の鋼管の溶接部を管周方向の0°位置とした場合の90°位置もしくは270°位置における部位からJIS Z 2201に規定の12B号試験片を採取し、室温で引張速度5mm/分の引張試験により引張強度、均一伸びおよび全伸びを測定した。
ハイドロフォーム成形試験は、図1(a)に示すハイドロフォーム成形試験機1の上金型2および下金型3を用いて、鋼管5の管端を固定した状態で鋼管内に水で内圧をかけて、鋼管5を上下の金型2、3により形成された空間4内に膨出させた。そして、図1(b)に示すように鋼管5にバースト部6を生じるまで膨出させ、バースト部6を含む拡管部7の周長を測定し、そして、限界拡管率=(破断部鋼管周長−素管周長)/素管周長×100(%)により、限界拡管率を求めた。
穴拡げ試験は、鋼管を展開してプレス成形により板状にしたのち、溶接部を外すようにして90mm四方の試験片を採取し、日本鉄鋼連盟規格JFS T 1001規定の穴拡げ試験により穴拡げ率を測定した。
表3に熱延鋼板および鋼管の表面性状、金属組織および機械特性を示す。
試番11は、加熱温度が低いために、加熱終了後に未固溶の粗大な(Ti、Nb、V)炭窒化物が多量に残存する。そのため強度が低く、粗大介在物の影響により延性も低下し、鋼管のTHF性が低く、引張強度に対する穴拡げ性も低い。
試番12は、C含有量が高いために、鋼管のTHF性が低く、引張強度に対する穴拡げ性も低い。
試番14は、デスケーリング前の粗バーの表面温度が低いために島状スケール疵が多く鋼管のTHF性が低い。
試番15は、粗熱間圧延開始から仕上熱間圧延完了までの時間が長過ぎたため、フェライト粒が粗大になり、介在物も粗大化して、鋼管のTHF性が低く、引張強度に対する穴拡げ性も低い。
一方、本発明例においては、TS×限界拡管率で5000MPa・%以上、TS×穴拡げ率で30000MPa・%の良好な特性が得られた。
Figure 0005142141
Figure 0005142141
Figure 0005142141
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図1(a)は、ハイドロフォ−ム成形の模式的説明図であり、図1(b)は、ハイドロフォ−ム成形された鋼管の模式的説明図である。

Claims (16)

  1. 質量%で、C:0.02%以上0.20%以下、Si:0.20%以上1.50%以下、Mn:0.2%以上3.0%以下、P:0.003%以上0.10%以下、S:0.01%以下、Al:0.01%以上2.0%以下、N:0.01%以下、およびO(酸素):0.01%以下を含有し、さらにTi:0.25%以下、Nb:0.1%以下およびV:0.5%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不純物からなるとともに、下記式(1)および(2)を満足する化学組成を有し、
    フェライト平均粒径が1.0μm以上10μm以下でフェライト面積率が50%以上の金属組織を有し、島状スケール疵の面積率が合計で10%以下である表面性状を有し、
    引張強度(TS)が590MPa以上である機械特性を有する
    ことを特徴とするハイドロフォーム加工用鋼管素材熱延鋼板。
    0.1≦(Al+5P)/Si・・・・(1)
    0.25≦6Ti+3Nb+4V≦3・・・・(2)
    ここで、式中の元素記号は各元素の含有量(単位:質量%)を示す。
  2. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下およびB:0.005%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のハイドロフォーム加工用鋼管素材熱延鋼板。
  3. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下およびREM:0.01%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のハイドロフォーム加工用鋼管素材熱延鋼板。
  4. 前記化学組成が、さらに下記式(3)を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハイドロフォーム加工用鋼管素材熱延鋼板。
    0.8≦(C/12)/(Ti/48+Nb/93+V/53)≦3.0・・・・(3)
    ここで、式中の元素記号は各元素の含有量(単位:質量%)を示す。
  5. 引張強度(TS)と均一伸び(UEl)との積(TS×UEl)が6000MPa・%以上である機械特性を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハイドロフォーム加工用鋼管素材熱延鋼板。
  6. 前記化学組成と前記引張強度とが下記式(4)を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のハイドロフォーム加工用鋼管素材熱延鋼板。
    299e2.1Ceq≦TS≦556e2.1Ceq・・・・(4)
    ただし、Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14であり、式中の元素記号は各元素の含有量(単位:質量%)を示す。
  7. 下記工程(A)〜(E)を備えることを特徴とするハイドロフォーム加工用鋼管素材熱延鋼板の製造方法:
    (A)質量%で、C:0.02%以上0.20%以下、Si:0.05%以上1.50%以下、Mn:0.2%以上3.0%以下、P:0.003%以上0.10%以下、S:0.01%以下、Al:0.01%以上2.0%以下、N:0.01%以下、およびO(酸素):0.01%以下を含有し、さらにTi:0.25%以下、Nb:0.1%以下およびV:0.5%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不純物からなるとともに、下記式(1)および(2)を満足する化学組成を有する鋼塊または鋼片を1150℃以上1400℃以下として粗熱間圧延を施して粗バーとなす粗熱間圧延工程;
    (B)前記粗バーの表面温度を1050℃以上1180℃以下としてデスケーリングを施すデスケーリング工程;
    (C)前記デスケーリングを施した粗バーに、合計圧下量が40%以上95%以下、圧延完了温度がAr点以上1000℃以下、圧延完了時間が粗熱間圧延開始から7分間以内である仕上熱間圧延を施して熱延鋼板となす仕上熱間圧延工程;
    (D)前記熱延鋼板を550℃以上780℃以下の温度域まで水冷却した後に350℃以上650℃以下で巻き取る冷却・巻取工程;および
    (E)前記冷却・巻取工程を経た熱延鋼板に0.2〜3%の伸び率の調質圧延を施す調質圧延工程。
    0.1≦(Al+5P)/Si・・・・(1)
    0.25≦6Ti+3Nb+4V≦3・・・・(2)
    ここで、式中の元素記号は各元素の含有量(単位:質量%)を示す。
  8. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下およびB:0.005%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項7に記載のハイドロフォーム加工用鋼管素材熱延鋼板の製造方法。
  9. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下およびREM:0.01%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項7または8に記載のハイドロフォーム加工用鋼管素材熱延鋼板の製造方法。
  10. 前記化学組成が、さらに下記式(3)を満足することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のハイドロフォーム加工用鋼管素材熱延鋼板の製造方法。
    0.8≦(C/12)/(Ti/48+Nb/93+V/53)≦3.0・・・・(3)
    ここで、式中の元素記号は各元素の含有量(単位:質量%)を示す。
  11. 質量%で、C:0.02%以上0.20%以下、Si:0.20%以上1.50%以下、Mn:0.2%以上3.0%以下、P:0.003%以上0.10%以下、S:0.01%以下、Al:0.01%以上2.0%以下、N:0.01%以下、およびO(酸素):0.01%以下を含有し、さらにTi:0.25%以下、Nb:0.1%以下およびV:0.5%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不純物からなるとともに、下記式(1)および(2)を満足する化学組成を有し、
    フェライト平均粒径が1.0μm以上10μm以下でフェライト面積率が50%以上の金属組織を有し、
    島状スケール疵の面積率が合計で10%以下である表面性状を有し、
    引張強度(TSp)が590MPa以上である機械特性を有する
    ことを特徴とするハイドロフォーム加工用鋼管。
    0.1≦(Al+5P)/Si・・・・(1)
    0.25≦6Ti+3Nb+4V≦3・・・・(2)
    ここで、式中の元素記号は各元素の含有量(単位:質量%)を示す。
  12. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下およびB:0.005%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項11に記載のハイドロフォーム加工用鋼管。
  13. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下およびREM:0.01%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項11または12に記載のハイドロフォーム加工用鋼管。
  14. 前記化学組成が、さらに下記式(3)を満足することを特徴とする請求項1113のいずれかに記載のハイドロフォーム加工用鋼管。
    0.8≦(C/12)/(Ti/48+Nb/93+V/53)≦3.0・・・・(3)
    ここで、式中の元素記号は各元素の含有量(単位:質量%)を示す。
  15. 溶接部のビッカース硬度(HvWM)と引張強度(TS)(単位:MPa)との比(HvWM/TS)が0.22以上0.44以下であることを特徴とする請求項1114のいずれかに記載のハイドロフォーム加工用鋼管。
  16. 請求項1〜6のいずれかに記載のハイドロフォーム加工用鋼管素材熱延鋼板を、圧延方向が管軸方向となるように管状に成形し、鋼板の両端部を溶接することを特徴とするハイドロフォーム加工用鋼管の製造方法。
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