JP4102206B2 - 加工性に優れた高強度鋼管とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のパネル類、足廻り、メンバーなどに用いられる鋼管およびその製造方法に関するものである。本発明の鋼管は、表面処理をしないものと、防錆のために溶融めっき、電気めっきなどの表面処理を施したものの両方を含む。めっきとは、純亜鉛のほか、主成分が亜鉛である合金のめっきの他、AlやMgを主成分とするめっきなども含む。本発明によれば加工性に優れた高強度鋼管を安価に得ることができるため地球環境保全に貢献しうるものと考えられる。また、ハイドロフォーム成形用としても好適である。
【0002】
【従来の技術】
自動車の軽量化ニーズに伴い、鋼材の高強度化が望まれている。高強度化することで板厚減少による軽量化や衝突時の安全性向上が可能となる。しかしながら高強度で成形性、特に深絞り性が優れた鋼板を得ようとすると、たとえば特許文献1に開示されているように、C量を著しく減じた極低炭素鋼にSi,Mn,Pなどを添加して強化することが必須であった。C量を低減するためには製鋼工程で真空脱ガスを行わねばならず、製造過程でCO2を多量に発生することになり、地球環境保全の観点で必ずしも最良なものとは言い難い。これに対してC量が比較的多く、かつ深絞り性の良好な鋼板についても開示されている(例えば特許文献2〜8参照)。しかしながら、これらは箱焼鈍が前提となっており、連続焼鈍や連続溶融亜鉛めっきプロセスなどに比較すると生産性に劣る。また、箱焼鈍では、高温焼鈍が困難であること、また、一般に強制冷却装置が備わっていないので、オーステナイト相やマルテンサイト相などを得ることが困難で、組織強化を活用しにくい。したがって、合金添加量の割には強度が低い点も問題である。
【0003】
【特許文献1】
特開昭56−139654号公報
【特許文献2】
特公昭57−47746号公報
【特許文献3】
特公平2−20695号公報
【特許文献4】
特公昭58−49623号公報
【特許文献5】
特公昭61−12983号公報
【特許文献6】
特公平1−37456号公報
【特許文献7】
特開昭59−13030号公報
【特許文献8】
特公昭61−10012号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はC量の比較的多い鋼において、成形性の良好な高強度鋼管を高いコストをかけることなく、また、地球環境に過度の負荷をかけることなく、良好な加工性を有する鋼管及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決すべく鋭意検討を進めたところ、本発明者らはC量が比較的多くても加工性の良好な鋼管を得ることが可能であることを知見した。しかも従来のような箱焼鈍プロセスに頼る必要もない。すなわち、冷間圧延に供する熱延鋼板の組織をベイナイト相またはマルテンサイト相を主相とする組織にすることが冷延焼鈍後の深絞り性を向上させること、ひいては鋼管の加工性を高めることが可能であることを見出したのである。この理由は、必ずしも明らかではないが、次のように考えられる。一般にC量の比較的多い鋼では熱延板中に粗大で硬質な炭化物が存在する。これを冷間圧延すると炭化物周辺で複雑な変形が起こる結果、焼鈍すると炭化物周辺から加工性に好ましくない結晶方位が核形成し、成長する。このためC量が多い鋼では、r値が1.0以下となってしまうものと考えられる。熱延板がベイナイト相またはマルテンサイト相が主相であれば、炭化物の量が少ないか、または存在しても極めて微細であるため、炭化物の害を低減できるものと思われる。
【0006】
本発明の要旨とするところは、
(1) 質量%で、C :0.03〜0.25%、Si:0.001〜3.0%、Mn:0.8〜3.0%、P :0.001〜0.15%、S :0.03%以下、N:0.0005〜0.03%、Al:0.001〜1.0%を満たす範囲で含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、かつ、MnおよびCを
Mn+11×C>1.5
を満たす範囲で含有し、平均r値が1.1以上1.3未満で、ベイナイト、マルテンサイトのうち1種または2種を体積率で2〜100%含有し、残部がフェライトからなる組織を有することを特徴とする加工性に優れた高強度鋼管。
(2)質量%で、
C :0.03〜0.25%
Si:0.001〜3.0%
Mn:0.8〜3.0%
P :0.001〜0.15%
S :0.03%以下
N:0.0005〜0.03%
Al:0.001〜1.0%
を満たす範囲で含有し、かつ、MnおよびCを
Mn+11×C>1.5
を満たす範囲で含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、平均r値が1.1以上1.3未満で、ベイナイト、マルテンサイトのうち1種または2種と、オーステナイトとを体積率で2〜100%含有し、残部がフェライトからなる組織を有することを特徴とする加工性に優れた高強度鋼管。
(3) 鋼管1/2板厚における板面の{111}、{100}の各X線反射面ランダム強度比がそれぞれ3.0以上、3.0以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の加工性
に優れた高強度鋼管。
(4) Bを0.0001〜0.01質量%含むことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の加工性に優れた高強度鋼管。
(5) Ti,Nbの1種又は2種を合計で0.001〜0.2質量%含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の加工性に優れた高強度鋼管。
(6)Moを0.001〜2.5質量%含むことを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の加工性に優れた高強度鋼管。
(7) (1)、(3)〜(6)の何れか1項に記載の鋼管を製造する方法であって、(1)、(4)〜(6)のいずれか1項に記載の化学成分を有し、仕上熱延後、平均冷却速度を40〜60℃/s、巻き取り温度を400℃以下として得られた、少なくとも板厚の1/4〜3/4においてはベイナイト相およびマルテンサイト相のうち1種または2種の体積率が70〜100%である組織を有する熱延鋼板に圧下率25〜95%の冷間圧延を施し、再結晶温度以上1000℃以下で焼鈍し、接合して造管し、ベイナイト、マルテンサイトのうち1種または2種を体積率で2〜100%含有し、残部がフェライトからなる組織を有する鋼管とすることを特徴する加工性に優れた高強度鋼管の製造方法。
(8) (2)〜(6)の何れか1項に記載の鋼管を製造する方法であって、(2)、(4)〜(6)のいずれか1項に記載の化学成分を有し、仕上熱延後、平均冷却速度を40〜60℃/s、巻き取り温度を400℃以下として得られた、少なくとも板厚の1/4〜3/4においてはベイナイト相およびマルテンサイト相のうち1種または2種の体積率が70〜100%である組織を有する熱延鋼板に圧下率25〜95%の冷間圧延を施し、再結晶温度以上1000℃以下で焼鈍し、接合して造管し、ベイナイト、マルテンサイトのうち1種または2種と、オーステナイトとを体積率で2〜100%含有し、残部がフェライトからなる組織を有する鋼管とすることを特徴する加工性に優れた高強度鋼管の製造方 法。
(9) 焼鈍に引き続きめっきを施した後、造管することを特徴とする(7)または(8)に記載の加工性に優れた高強度めっき鋼管の製造方法。
(10)造管後めっきを施すことを特徴とする(9)に記載の加工性に優れた高強度めっき鋼管の製造方法。
にある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0008】
C:高強度化に有効で、また、C量を低減するためにはコストアップとなる。
【0009】
さらに、C量を高めることで熱延組織をベイナイトやマルテンサイトを主相とする組織に作りこむことが容易となるので積極的に添加する。0.03質量%以上の添加とするが、良好なr値や溶接性を得るためには、過度の添加は好ましいものではなく、上限を0.25質量%とする。0.05〜0.17質量%が望ましい範囲である。
【0010】
より好ましくは0.08%〜0.16質量%である。
【0011】
Si:安価に機械的強度を高めることが可能であり、要求される強度レベルに応じて添加する。また、Siは、熱延板中に存在する炭化物の量を低減したり、炭化物の大きさを微細にすることを通じて、r値を高める効果を有する。一方、過剰の添加は、メッキのぬれ性、造管時の溶接部品位や加工性の劣化を招くだけでなく、熱延板組織の主相をベイナイトやマルテンサイトとすることが困難となるので、上限を3.0質量%とする。下限を0.001質量%としたのは、これ未満とするのが製鋼技術上困難なためである。r値を向上せしめる観点からは、0.4〜2.3質量%が好ましい範囲である。
【0012】
Mn:本発明にとって重要である。高強度化に有効であるばかりでなく、熱延組織をベイナイトやマルテンサイトを主相とする組織とするのに有効な元素である。一方、過度の添加はr値を劣化させるので、3.0質量%を上限とする。
【0013】
0.01質量%未満にするには製鋼コストが上昇し、またSに起因する熱間圧延割れを誘発するので、0.01質量%を下限とする。0.8〜2.4質量%が良好な加工性を得るために好ましい範囲である。
【0014】
P :高強度化に有効な元素であるので0.001質量%以上添加する。0.15質量%超を添加すると、溶接性や溶接部の疲労強度、さらには耐2次加工脆性が劣化するので、0.15質量%を上限とする。好ましくは0.06質量%未満が上限である。また、特に良好な溶接部の疲労強度が求められる場合には0.015質量%が上限となる。
【0015】
S :不純物であり、低いほど好ましく、熱間割れを防止するために0.03質量%以下とする。好ましくは0.015質量%以下である。また、Mn量との関係において、Mn/S>10であることが好ましい。
【0016】
N:多すぎると耐常温時効性を劣化させたり、多量のAl添加が必要となるため、上限を0.03質量%とする。また、Nを0.0005質量%以上とするのは製鋼技術上困難であるのでこれを下限とする。0.0005〜0.007質量%が加工性に対してより好ましい範囲である。
【0017】
Al:脱酸元素として有用である他、Nを固定して耐常温時効性を向上させるので0.001質量%以上添加する。ただし、過度に添加するとコストアップとなり、表面欠陥を誘発するので上限を1.0質量%とする。好ましくは0.01〜0.07質量%とする。
【0018】
本発明によって得られる鋼管の平均r値は、1.1以上、1.3未満である。また、圧延方向に対して直角方向のr値(rC)が圧延方向のr値(rL)と等しいか、大きいことが好ましい。より好ましくは、平均r値が、1.2超である。なお、平均r値は、(rL+2×rD+rC)/4で与えられる。但し、rDは、管軸に対して45°方向のr値である。r値の測定はJIS13号BまたはJIS5号B試験片を用いた引張試験を行い、10%または15%引張後の標点間距離の変化と板幅変化からr値の定義にしたがって算出すればよい。均一伸びが10%に満たない場合には、3%以上で均一伸び以下の引張変形を与えて評価すればよい。
【0019】
本発明の鋼管の組織は以下のとおりとする。すなわち、ベイナイト、マルテンサイトのうち1種または2種を合計で少なくとも体積率で2%含有するもの、あるいは、ベイナイト、マルテンサイトのうち1種または2種と、オーステナイトとを体積率で2〜100%含有するものとする。体積率で5%以上とすることが好ましい。残部はフェライトで構成される。ベイナイト、オーステナイト、マルテンサイトは鋼の機械的強度を高めるのに有効だからである。また、よく知られているように、ベイナイトはバーリング加工性や穴広げ性を向上させ、オーステナイトはn値や伸びを向上させ、マルテンサイトはYR(降伏強度/引張強度)を低くする効果を有するので、製品板に対する要求特性に応じて適宜上記の各相の体積率を変化させればよい。ただし、その体積率が2%未満では、あまり明確な効果が期待できない。たとえば、バーリング特性を向上させるためには、体積率で90〜100%のベイナイトと0〜10%のフェライトから成る組織が、また、伸びを向上させるためには、体積率で3〜30%の残留オーステナイトと70〜97%のフェライトおよびベイナイトから成る組織が好ましい。なお、ベイナイトとは、上部ベイナイトや下部ベイナイトのほか、アシキュラーフェライトやベイニティックフェライトを含む。また、良好な延性やバーリング特性のためには、マルテンサイトの含有率を体積率で30%以下とすることが好ましい。
【0020】
これらの組織の体積分率は、鋼管の円周方向に垂直な断面において、板厚の1/4〜3/4の任意の場所を光学顕微鏡により200〜500倍で5〜20視野観察し、点算法により求めた値と定義する。光学顕微鏡の代わりにEBSPを用いることも有用である。
【0021】
Mn量およびC量は、Mn+11×C>1.5を満たすように含有することが好ましい。この条件を満足することで熱延組織をベイナイトやマルテンサイトを主相とする組織にしやすいためである。より好ましくはMn+11×C>2.0である。
【0022】
本発明によって得られる鋼管は、少なくとも板厚中心における板面のX線反射面ランダム強度比が、{111}面、{100}面についてそれぞれ3.0以上、3.0以下である。より好ましくは、それぞれ5.0以上、2.0以下である。ランダム強度比とはランダムサンプルのX線強度を基準としたときの相対的な強度である。板厚中心とは板厚の3/8〜5/8の範囲を指し、測定はこの範囲の任意の面で行えばよい。なお、X線測定は、鋼管そのものでは実施できないので、次のようにして行う。まず、鋼管を適当に切断して、プレス等により板状とする。これを測定板厚まで機械研磨などによって減厚し、最終的には1平均結晶粒径以上を目安に30〜100μm程度減厚させるよう化学研磨によって仕上げる。級数展開法によって計算された3次元集合組織のφ2=45°断面上の(111) [1-10]、(111) [1-21]、(554) [-2-25]の強度はそれぞれ2.0以上、2.5以上、2.5以上であることが望ましい。なお、本発明においては{110}面のX線強度が0.1以上となる場合があり、このとき、上記のφ2=45°断面において(110) [001]の強度が1.0以上となることがある。このためrCがrLに対して大きくなることが多い。
【0023】
Bは、熱延組織をベイナイトやマルテンサイト組織とすることを介してr値を向上させたり、耐2次加工性脆性の改善にも有効であるので、必要に応じて添加する。0.0001質量%未満ではその効果はわずかで、0.01質量%超添加しても格段の効果は得られない。0.0002〜0.0030質量%が好ましい範囲である。
【0024】
ZrとMgは、脱酸元素として有効である。一方、過剰の添加は、酸化物、硫化物や窒化物の多量の晶出や析出を招き清浄度が劣化して、延性を低下させてしまう上、メッキ性を損なう。したがって、必要に応じてこれらの1種または2種を合計で質量%で0.0001〜0.5%を添加するものとする。
【0025】
Ti,Nb,Vも必要に応じて添加する。これらは、Bと同様に熱延組織をベイナイトやマルテンサイト組織とすることを介してr値を向上させるほか、炭化物、窒化物もしくは炭窒化物を形成することによって鋼材を高強度化したり穴広げ性などの加工性を向上するのにも有効であるので、これらの1種又は2種以上を合計で0.001質量%以上添加する。その合計が0.2質量%を越えた場合には、母相であるフェライト粒内もしくは粒界に多量の炭化物、窒化物もしくは炭窒化物として析出して、延性を低下させることから、添加範囲を0.001〜0.2質量%とする。より好ましくは0.01〜0.08質量%である。
【0026】
Sn、Cr、Cu、Ni、Co、W、Moは強化元素であり、必要に応じてこれらの1種又は2種以上を合計で質量%で0.001%以上添加する。過剰の添加は、コストアップや延性の低下を招くことから、2.5質量%以下とした。
【0027】
Ca:介在物制御のほか脱酸に有効な元素で、適量の添加は熱間加工性を向上させるが、過剰の添加は逆に熱間脆化を助長させるため、必要に応じて質量%で0.0001〜0.01%の範囲で添加する。
【0028】
また、不可避的不純物として、O、Zn、Pb、As、Sbなどをそれぞれ0.02質量%以下の範囲で含んでも、本発明の効果を失するものではない。
【0029】
冷間圧延に供する熱延板の組織は、本発明において特に重要である。熱延板の組織は、少なくとも板厚の1/4〜3/4の範囲においては、ベイナイト相およびマルテンサイト相の1種または2種の体積率が合計で70%以上であることが好ましい。なお、板厚の1/4〜3/4とは表層から1/4〜表層から3/4の範囲を指す。
【0030】
これによって、従来は不可能と考えられてきたC量の比較的多い鋼での高r値化が達成される。上記体積率は90%以上が好ましく、95%以上であればさらに好ましい。100%が最適である。また、板厚の全範囲にわたってこのような組織を有することが好ましいことは言うまでもない。熱延組織をベイナイトやマルテンサイトとすることが冷延焼鈍後の加工性を向上させる理由は、必ずしも明らかではないが、既述のとおり、熱延板における炭化物を微細にすることを、さらには結晶粒径を微細にする効果によるものと推測される。この観点から、硬さの異なる相が混在することは高r値化を妨げるので、ベイナイト相とマルテンサイト相も互いに混在しない方が好ましい。マルテンサイトはベイナイトよりも硬質で冷延の負荷が大きくなるので、その意味ではベイナイトの方が好ましい。なお、ベイナイトとは、上部ベイナイトや下部ベイナイトのほか、アシキュラーフェライトやベイニティックフェライトを含む。炭化物を微細化する観点からは、上部ベイナイトよりも下部ベイナイトの方が好ましいことは言うまでもない。
【0031】
製造にあたっては、高炉、転炉、電炉等による溶製に続き各種の2次製錬を行い、インゴット鋳造や連続鋳造を行い、連続鋳造の場合には室温付近まで冷却することなく熱間圧延するCC−DRなどの製造方法を組み合わせて製造してもかまわない。鋳造インゴットや鋳造スラブを再加熱して熱間圧延を行っても良いのは言うまでもない。熱間圧延の加熱温度は、特に限定するものではないが、後述する仕上げ温度を確保するためには1100℃以上とすることが好ましい。
【0032】
熱延の仕上げ温度は(Ar3−50)℃以上で行う。好ましくはAr3変態温度以上である。熱延仕上げ温度がこれよりも低いと、板厚の1/4〜3/4において熱延組織をベイナイトやマルテンサイトの1種又は2種の体積率を70〜100%とすることが困難となる。
【0033】
熱延後の冷却速度は大きいほうが所望の熱延組織を得やすいので、Ar3変態点から(Ar3−100)℃の温度域では平均冷却速度を10℃/s以上とすることが好ましい。なお、仕上熱延後、巻取りまでの平均冷却速度は、実施例の表2の鋼種F−1、G−1及びK−1の40℃/s、鋼種D−1及びE−1の60℃/sに基づき、40〜60℃/sとした。
【0034】
巻き取り温度は550℃以下とするのが好ましい。さらに好ましくは400℃以下である。熱延板をベイナイトやマルテンサイトが主相の組織とし、粗大な炭化物の析出を抑制することで冷延焼鈍後に良好なr値を得るためである。
【0035】
熱間圧延の1パス以上について潤滑を施しても良い。また、粗圧延バーを互いに接合し、連続的に仕上げ熱延を行っても良い。粗圧延バーは一度巻き取って再度巻き戻してから仕上げ熱延に供してもかまわない。巻取温度の下限は、特に定めることなく本発明の効果を得ることができるが、固溶Cを低減する観点から200℃以上とすることが好ましい。
【0036】
熱間圧延後は酸洗することが望ましい。
【0037】
熱延後の冷間圧延における圧下率は25〜95%とする。冷延率が25%未満又は95%超であるとr値が低くなるので,25〜95%に限定する。40〜80%がより好ましい範囲である。
【0038】
焼鈍温度は再結晶温度以上、1000℃以下とする。再結晶温度とは再結晶が開始する温度を示す。焼鈍温度が再結晶温度未満であると良好な集合組織が発達せず、造管後の鋼管1/2板厚における板面の{111}、{100}の各X線反射面ランダム強度比がそれぞれ3.0以上、3.0以下を確保することができず、r値も劣悪となりやすい。また、連続焼鈍や連続溶融亜鉛めっき工程にて焼鈍する場合には焼鈍温度を1000℃超とするとヒートバックル等を誘発し板破断などの原因となるので、1000℃を上限とする。焼鈍後にベイナイト、オーステナイト、マルテンサイトなどの第2相を得たい場合には、焼鈍温度をα+γの2相領域またはγ単相域にて加熱し、それぞれの相を得るのに適した冷却速度と過時効条件、溶融亜鉛めっきを施す場合には、めっき浴温度や引き続く合金化温度、を選択する必要があることは言うまでもない。
【0039】
焼鈍の後、めっきを施しても構わない。めっきとは、純亜鉛のほか、主成分が亜鉛である合金のめっき、さらにはAlやAl−Mgを主体とするめっきも含む。亜鉛めっきは連続溶融亜鉛めっきラインで焼鈍とめっきを連続で行うことが好ましい。溶融亜鉛めっき浴に浸漬の後、加熱して亜鉛めっきと地鉄との合金化を促す処理を行っても良い。また、溶融亜鉛めっきのほか、亜鉛を主体とする種々の電気めっきを行っても良いことは言うまでもない。
【0040】
焼鈍後や亜鉛めっき後のスキンパスは、形状強制や強度調整、さらには常温非時効性を確保する観点から、必要に応じて行う。0.3〜5.0%が好ましい圧下率である。
【0041】
このようにして製造された鋼板を接合して鋼管とする。鋼板の圧延方向が管軸方向と一致することが望ましい。圧延方向以外、例えば、圧延方向と直角方向が管軸方向となるようにしてもハイドロフォーム用として特に劣るものではないが、鋼管製造の生産性が低下するためである。鋼管の製造にあたっては、通常は電縫溶接を用いるが、TIG、MIG、レーザー溶接、UOや鍛接等の溶接・造管手法等を用いることも出来る。これらの溶接鋼管製造に於いて、溶接熱影響部は、必要とする特性に応じて、局部的な固溶化熱処理を単独あるいは複合して、場合によっては複数回重ねて行っても良く、本発明の効果をさらに高める。この熱処理は、溶接部と溶接熱影響部のみに付加することが目的であって、製造時にオンラインであるいはオフラインで施行できる。
【0042】
鋼管のめっき処理は、焼鈍後の鋼板を造管した後に溶射法、溶融めっき、電気めっき等によって行っても良い。
【0043】
鋼管のr値の測定は、鋼管から試験片を切り出し、プレスによって平板とし、さらに引張試験片に加工して行う。鋼管の径や試験片の採取方向によってはJIS13号B試験片を採取することが困難な場合があるが、その際にはJIS6号やJIS14号B試験片等の小型試験片を用いて、均一伸びの範囲内で評価する。なお、鋼管から試験片を切り出す際には、鋼管の溶接部が引張試験片の平行部内に来ないように注意する。
【0044】
本発明の鋼管は表面粗度が小さい。すなわち、JISB0601で規定されるRaが0.8μm以下であることが好ましい。高温縮経加工によって製造された鋼管が0.8μm超であるのとは対照的である。より好ましくは0.6μm以下である。
【0045】
本発明で得られる鋼管の引張強度は340MPa以上である。
【0046】
【実施例】
表1に示す成分の各鋼を溶製して1250℃に加熱後、仕上げ温度をAr3変態温度以上(Ar3+50)℃以下とする熱間圧延を行い、表2に示す条件で冷却後、巻き取った。そのとき得られた熱延組織も表2中に示す。さらに表2に示す条件で冷延を行った。次いで焼鈍時間を60s、過時効時間を180sとする連続焼鈍を行った。焼鈍温度および過時効温度は表2に示すとおりである。さらに0.8%のスキンパスを施した。
【0047】
この板を電縫溶接によって造管した。
【0048】
得られた鋼管の加工性の評価は以下の方法で行った。前もって鋼管に10mmφのスクライブドサークルを転写し、内圧と軸押し量を制御して、円周方向への張り出し成形を行った。バースト直前での最大拡管率を示す部位(拡管率=成形後の最大周長/母管の周長)の軸方向の歪εΦと円周方向の歪εθを測定した。この2つの歪の比ρ=εΦ/εθと最大拡管率をプロットし、ρ=−0.5となる拡管率Reをもってハイドロフォームの成形性指標とした。引張強度と伸びの評価はJIS12号弧状試験片を用いて行った。r値は鋼管から試料を切り出した後プレスし、JIS14号B試験片を使って評価した。
【0049】
表2より明らかなとおり、本発明例によれば良好なr値とHF(ハイドロフォーム)特性を得ることができる。しかもフェライトの他に適量のオーステナイトやマルテンサイトが分散した複合組織鋼とすることができた。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】
本発明は、C量の比較的多い鋼において、高いコストをかけることなく良好な加工性を有する高強度鋼管とその製造方法を提供するものであり、地球環境保全などに貢献するものである。
Claims (10)
- 質量%で、
C :0.03〜0.25%
Si:0.001〜3.0%
Mn:0.8〜3.0%
P :0.001〜0.15%
S :0.03%以下
N:0.0005〜0.03%
Al:0.001〜1.0%
を満たす範囲で含有し、かつ、MnおよびCを
Mn+11×C>1.5
を満たす範囲で含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、平均r値が1.1以上1.3未満で、ベイナイト、マルテンサイトのうち1種または2種を体積率で2〜100%含有し、残部がフェライトからなる組織を有することを特徴とする加工性に優れた高強度鋼管。 - 質量%で、
C :0.03〜0.25%
Si:0.001〜3.0%
Mn:0.8〜3.0%
P :0.001〜0.15%
S :0.03%以下
N:0.0005〜0.03%
Al:0.001〜1.0%
を満たす範囲で含有し、かつ、MnおよびCを
Mn+11×C>1.5
を満たす範囲で含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、平均r値が1.1以上1.3未満で、ベイナイト、マルテンサイトのうち1種または2種と、オーステナイトとを体積率で2〜100%含有し、残部がフェライトからなる組織を有することを特徴とする加工性に優れた高強度鋼管。 - 鋼管1/2板厚における板面の{111}、{100}の各X線反射面ランダム強度比がそれぞれ3.0以上、3.0以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の加工性に優れた高強度鋼管。
- Bを0.0001〜0.01質量%含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の加工性に優れた高強度鋼管。
- Ti,Nbの1種又は2種を合計で0.001〜0.2質量%含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の加工性に優れた高強度鋼管。
- Moを0.001〜2.5質量%含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の加工性に優れた高強度鋼管。
- 請求項1、3〜6の何れか1項に記載の鋼管を製造する方法であって、請求項1、4〜6のいずれか1項に記載の化学成分を有し、仕上熱延後、平均冷却速度を40〜60℃/s、巻き取り温度を400℃以下として得られた、少なくとも板厚の1/4〜3/4においてはベイナイト相およびマルテンサイト相のうち1種または2種の体積率が70〜100%である組織を有する熱延鋼板に圧下率25〜95%の冷間圧延を施し、再結晶温度以上1000℃以下で焼鈍し、接合して造管し、ベイナイト、マルテンサイトのうち1種または2種以上を体積率で2〜100%含有し、残部がフェライトからなる組織を有する鋼管とすることを特徴する加工性に優れた高強度鋼管の製造方法。
- 請求項2〜6の何れか1項に記載の鋼管を製造する方法であって、請求項2、4〜6のいずれか1項に記載の化学成分を有し、仕上熱延後、平均冷却速度を40〜60℃/s、巻き取り温度を400℃以下として得られた、少なくとも板厚の1/4〜3/4においてはベイナイト相およびマルテンサイト相のうち1種または2種の体積率 が70〜100%である組織を有する熱延鋼板に圧下率25〜95%の冷間圧延を施し、再結晶温度以上1000℃以下で焼鈍し、接合して造管し、ベイナイト、マルテンサイトのうち1種または2種と、オーステナイトとを体積率で2〜100%含有し、残部がフェライトからなる組織を有する鋼管とすることを特徴する加工性に優れた高強度鋼管の製造方法。
- 焼鈍に引き続きめっきを施した後、造管することを特徴とする請求項7または8に記載の加工性に優れた高強度めっき鋼管の製造方法。
- 造管後めっきを施すことを特徴とする請求項9に記載の加工性に優れた高強度めっき鋼管の製造方法。
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