JP5030685B2 - 無効電力補償装置およびその制御装置 - Google Patents

無効電力補償装置およびその制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5030685B2
JP5030685B2 JP2007168939A JP2007168939A JP5030685B2 JP 5030685 B2 JP5030685 B2 JP 5030685B2 JP 2007168939 A JP2007168939 A JP 2007168939A JP 2007168939 A JP2007168939 A JP 2007168939A JP 5030685 B2 JP5030685 B2 JP 5030685B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactive power
voltage
bus
control target
static
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007168939A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009011053A (ja
Inventor
耕司 天満
良之 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2007168939A priority Critical patent/JP5030685B2/ja
Priority to US11/984,755 priority patent/US7683589B2/en
Publication of JP2009011053A publication Critical patent/JP2009011053A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5030685B2 publication Critical patent/JP5030685B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05FSYSTEMS FOR REGULATING ELECTRIC OR MAGNETIC VARIABLES
    • G05F1/00Automatic systems in which deviations of an electric quantity from one or more predetermined values are detected at the output of the system and fed back to a device within the system to restore the detected quantity to its predetermined value or values, i.e. retroactive systems
    • G05F1/70Regulating power factor; Regulating reactive current or power

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Control Of Electrical Variables (AREA)

Description

本発明は、電力系統の電圧変動を抑えるための無効電力を発生する無効電力補償装置およびその制御装置に関するものである。
系統電圧を安定化するための安定化制御方式の一つとして、スイッチング半導体素子を制御して“進み”または“遅れ”の無効電力を瞬時に発生することができる静止型無効電力補償装置(Static Var Compensator:SVC)を用いる方式がある(例えば、下記特許文献1)。この特許文献1では、SVCによって系統に対し供給される無効電力が一定時間、SVCの定格容量を超過して事前に決められた一定値を超えたことを条件に、系統にて運転されている発電機の運転を上げ方向に制御する方式を採用することにより、SVCによる系統電圧の安定維持を可能とし、系統電圧の安定化に寄与できるようにしている。
また、系統電圧の安定化制御方式の他の一つとして、上記SVCに加え、開閉器を介して電力系統に接続されるコンデンサおよびリアクトル(以下、総称して「調相設備」という)などを併用する方式もある(例えば、下記特許文献2)。この特許文献2では、SVCで発生する無効電力と調相設備で発生する無効電力との和が、電圧変動を抑えるために必要な量になるような制御を行うことにより、無効電力の調整範囲を拡大して、系統電圧の安定化に寄与できるようにしている。
特開平5−274049号公報 特開平10−268952号公報
ところで、上記特許文献1に示されるような発電機の電圧を制御する方式は、元々、発電機の近くにSVCが設置される場合を想定している。この方式の場合、SVCの制御を詳細に行わずとも発電機の制御を詳細に行うことで、無効電力を制御することが可能となる。したがって、SVCの近くに発電機が設置されている場合には、SVCの機能を大きく改善する必要性はあまりないと言っても過言ではない。
また、SVCと発電機とが離れて設置されている場合には、SVCが設置されている側から遠隔地にある発電機を制御しなければならないので、制御系が複雑になり、制御のためのコストが増大するという問題点がある。また、遠隔地にある発電機を制御する場合には、制御対象以外の他の送電設備に対して影響が及ぶ場合があるため、無効電力の制御を効率的に行うことができないという問題点がある。
一方、上記特許文献2の制御方式では、SVCの特性を活かした無効電力の制御を行うことはできる。しかしながら、遠隔地にある送電設備が調相設備を有していない場合、あるいは調相設備を有している場合でも、それらの調相設備による制御要素を使い切ってしまった場合には、遠隔地にある送電設備の電圧を優先的に制御することができないという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、遠隔地にある送電設備が調相設備を有していない場合、あるいは調相設備を有している場合でも、それらの調相設備による制御要素を使い切ってしまった場合において、遠隔地にある送電設備の電圧を優先的に制御することができる無効電力補償装置および、その制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる無効電力補償装置は、接続母線の電圧変動に応じて無効電力を発生させる静止型無効電力補償装置を備え、該静止型無効電力補償装置の近傍位置に敷設された第1の制御対象母線の電圧変動を抑制するとともに、該静止型無効電力補償装置から離間する位置に敷設された第2の制御対象母線の電圧変動を抑制する無効電力補償装置であって、前記第1の制御対象母線の母線電圧である第1の制御対象電圧に対して所定の時間遅れ特性で追随して所定の範囲内に制限された比較電圧を生成する比較電圧生成部と、前記比較電圧と前記第1の制御対象電圧との差分出力である変動分電圧を生成する変動分電圧生成部と、前記変動分電圧に応じて制御対象の静止型無効電力補償装置で発生する無効電力を前記比較電圧の時間遅れ特性よりも速い時間特性で制御する無効電力制御部と、前記第2の制御対象母線の母線電圧である第2の制御対象電圧が所定の範囲から逸脱していることを表す信号を所定の時間遅れ特性で追随させた無効電力初期値変更信号を生成する無効電力初期値変更信号生成部と、前記静止型無効電力補償装置が生成する無効電力、前記比較電圧生成部が生成する比較電圧、および所定の初期値に基づき、該静止型無効電力補償装置が生成する無効電力を所定値に設定する無効電力調整部と、を備え、前記無効電力調整部は、前記第2の制御対象電圧が所定の範囲から逸脱している場合に、該第2の制御対象電圧が該所定の範囲に収まるように制御することを特徴とする。
本発明にかかる無効電力補償装置によれば、無効電力調整部は、静止型無効電力補償装置の近傍位置に敷設された第1の制御対象母線から離間した位置に敷設された第2の制御対象母線の母線電圧である第2の制御対象電圧が、予め設定された所定の範囲から逸脱している場合に、静止型無効電力補償装置が出力する無効電力の初期値を調整することにより、第2の制御対象電圧が当該所定の範囲に収まるように制御できるので、遠隔地にある送電設備が調相設備を有していない場合、あるいは調相設備を有している場合でも、それらの調相設備による制御要素を使い切ってしまった場合に、遠隔地にある送電設備の電圧を優先的に制御することができるという効果を奏する。
以下に、本発明の好適な実施の形態にかかる無効電力補償装置および、その制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
<実施の形態1>
(装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる無効電力制御装置を備えた無効電力補償装置の構成を示すブロック図である。同図に示す無効電力補償装置は、母線1に遮断器2を介して接続されるSVC3、母線1に接続されて母線1の電圧を測定するPT(Potential Transformer)4、母線12に接続されて母線12の電圧を測定するPT15、遮断器2とSVC3との間に挿入されてSVC3に流れる電流を測定するCT(Current Transfolmer)5ならびに、PT4、PT15およびCT5の各検出値を取り込み、SVC3を通じて母線1および母線12の電圧(無効電力)を制御するSVC制御部100を備えている。なお、母線1はSVC3の近傍に設置されている制御対象母線であるのに対し、母線12はSVC3から離れて遠隔地に設置されている制御対象母線である。
SVC3は、変圧器3A、スイッチング回路3B、リアクトル3C、およびフィルタ3Dを備えている。このSVC3は、サイリスタ制御リアクトル方式(Thyristor Contro11ed Reactor:TCR)による静止型無効電力補償装置であり、スイッチング回路3Bを構成する各サイリスタをオン/オフ制御することにより、リアクトル3Cで発生する無効電力の大きさおよび位相を制御する。また、フィルタ3Dは、本来的には、スイッチング回路3Bのスイッチングによって発生するノイズを除去するための手段として挿入されているが、フィルタ3D自身が進み側の無効電力を発生する能力を有しているため、リアクトル3Cと共に無効電力の制御手段として機能する。なお、これらの制御手段に加えて、サイリスタ開閉制御コンデンサ方式(Thyristor Switched Capacitor:TSC)の制御手段を付加する構成としてもよい。
SVC制御部100は、PT4で計測された母線1における母線電圧の電圧信号(瞬時値)が入力されて制御対象電圧である電圧信号(実効値)に変換して出力する電圧センサ101と、CT5により測定された瞬時値の電流信号が入力されて実効値に変換して出力する電流センサ102と、電圧信号が入力されて所定の時間遅れ特性で追随し所定の範囲内に制限された比較電圧を生成する比較電圧生成部であるリミッタ付き1次遅れ制御ブロック103と、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック103の出力と電圧センサ101の出力との差分値(変動分電圧)を出力する変動分電圧生成部である差分器104と、SVC4で発生する無効電力の変化に対して電圧信号が所定の割合で変化するというスロープ特性を実現するためのスロープリアクタンス105と、電流センサ102が出力する電流情報とスロープリアクタンス105のインピーダンス値XSとの積(スロープリアクタンス105での電圧降下)を変動分電圧から引いた差分値を出力する差分器106と、PT15で計測された母線12における母線電圧の電圧信号(瞬時値)が入力されて制御対象電圧である電圧信号(実効値)に変換して出力する電圧センサ120と、電圧センサ120の出力電圧信号が母線12の母線電圧V2がVH2からVL2(VH2>VL2)の範囲内にない場合に所定の制御信号(電圧信号)を生成するリミッタ付き制御ブロック122と、リミッタ付き制御ブロック122の出力が入力されて所定の時間遅れ特性で追随する所定の制御信号(電力信号)を生成する比較電力生成部であるリミッタ付き1次遅れ制御ブロック124と、PT4で計測される電圧信号とCT5で計測される電流信号が入力されてSVC3が発生する無効電力Qsvcを計算する無効電力センサ121と、無効電力センサ121の出力と所定値Qrefおよびリミッタ付き1次遅れ制御ブロック124の各出力との差分値(変動分電力)を出力する差分器109と、差分器109の出力が入力されてSVC3が発生する無効電力Qsvcが所定値Qrefに一致するように制御する無効電力制御部110と、無効電力制御部110の出力と差分器104の出力とを加算する加算器111と、加算器111の出力を入力としてPI特性を持たせて電圧目標値を出力する電圧制御部107と、この電圧目標値が入力されて母線1および母線12の電圧が電圧目標値になるような無効電力を発生するようにゲートパルス信号を生成してSVC3のスイッチング回路3Bに出力するゲートパルス出力部108と、を備えて構成される。
なお、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック103の時間遅れ特性を決定する時定数Trは、SVC3の制御特性を決定する時定数よりも十分に大きいものとする。また、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック124の時間遅れ特性を決定する時定数Tbcは、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック103の時定数Trよりも大きいものとする。また、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック103が出力する比較電圧Vcompは、母線1の出力電圧の管理範囲であるVL1以上、かつ、VH1以下(ただし、VH1>VL1)に制限され、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック124が出力する制御信号(電力信号)は、SVC3の出力電力の管理範囲であるQmin1以上、かつ、Qmax1以下(ただし、Qmax1>Qmin1)の範囲内に制限される。
(装置の動作)
つぎに、図1に示した実施の形態1にかかる無効電力補償装置の動作について説明する。なお、理解の容易性を確保する観点から、図1の構成における以下の3つの構成を定義し、これらの構成別の動作説明を行う。
(1)構成1
図1の構成において、無効電力センサ121、差分器109および無効電力制御部110を有さない場合
(2)構成2
図1の構成において、無効電力センサ121、差分器109および無効電力制御部110を有し、かつ、差分器109に無効電力センサ121の出力および所定値Qrefのみが入力される場合
(3)構成3
図1の構成において、無効電力センサ121、差分器109および無効電力制御部110、ならびに電圧センサ120、リミッタ付き制御ブロック122およびリミッタ付き1次遅れ制御ブロック124を有し、かつ、差分器109に無効電力センサ121、所定値Qrefおよびリミッタ付き1次遅れ制御ブロック124の各出力が入力される場合
なお、上記構成2において、差分器109および無効電力制御部110は、無効電力調整部を構成する。また、上記構成3において、リミッタ付き制御ブロック122およびリミッタ付き1次遅れ制御ブロック124は、無効電力初期値を変更するための制御信号を生成する無効電力初期値変更信号生成部(第1の無効電力初期値変更信号生成部)を構成する。
(装置の動作−構成1の場合)
上記構成1の場合の動作については、図1〜図3を参照して説明する。なお、図2は、本発明の実施の形態1にかかる無効電力補償装置が動作する場合の母線電圧とSVCで発生する無効電力との間の関係を説明する図であり、図3は、母線電圧V1の変動が所定の範囲内にある場合の構成1における動作を説明する図である。なお、電圧変動をもたらす電力系統の擾乱が発生するまでの間は、電力系統の状態には変化がなく、擾乱後も変化がないものとする。
図2において、破線で示したのが動特性線AAであり、Qsvcの絶対値の大きさが所定値以下の範囲では、SVC3が発生する無効電力Qsvcの変化に対して母線1の電圧V1が、スロープリアクタンス105のインピーダンス値XSで決まる傾きで変化する。この動特性線AAは、従来のSVCが持つ電圧一無効電力特性(以下「スロープ特性」という)と同様である。なお、図2では、動特性線を1本しか示していないが、Qsvc=0で、VL1≦V1≦VH1の範囲内を通る互いに平行な動特性線が無数に存在する。
また、太い実線で示したのが静特性線(定常特性線)BB1であり、母線電圧V1がVH1以上またはVL1以下であり、かつ、Qsvcの絶対値の大きさが所定値以下の範囲では、静特性線BB1もスロープ特性を持っている。なお、母線電圧V1がVL1〜VH1の範囲内に有る場合には、後述するようにSVC制御部100が動作してQsvc=0となる。
(装置の動作−構成1−母線電圧V1の変動が所定の範囲内にある場合)
つぎに、母線電圧V1の変動が所定の範囲内にある場合の、電力系統に擾乱が発生したときの動作点の変化について説明する。図3において、電力系統に擾乱が発生する前の状態である動作点Aでは、その状態における母線電圧VAがVL1<VA<VH1であり、かつ、Qsvc=0である。いま、動作点Aで、電力系統に擾乱が発生して母線1の電圧が低下したとする。なお、このときの電圧低下の大きさは、SVC3が動作しない場合には、図3に示す動作点Bに変化するような大きさとし、動作点Bにおける母線電圧VBは、VL1<VB<VH1であるものとする。また、この電圧低下の変化速度の時定数は、SVC3の制御特性の時定数とほぼ同程度であり、リミッタ付き1次遅れブロック103の時間遅れ特性の時定数Trよりも十分に小さいとする。このため、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック103の出力である比較電圧Vcompは、電力系統の擾乱に追随して直ぐに変化することはなく、SVC3は、本実施の形態にかかる無効電力制御装置が存在しない場合と同様な動作を行う。
一方、SVC3が動作することにより、母線電圧V1は、スロープ特性を示す動特性線AA上に存在するように変化する。電力系統側の特性として、母線電圧V1とSVC3が発生する無効電力Qsvcとの間には、図3に示す系統特性線CCで示した関係が成立する必要が有る。このため、SVC3が動作すると、動特性線AAと系統特性線CCとの交点である点Cに動作点が変化することになる。
他方、比較電圧Vcompは、時定数Trで母線電圧V1に近づいていく。比較電圧Vcompは、動特性線上においてQsvc=0での電圧であり、比較電圧Vcompが低下すると、動特性線がより下側のものに変化して、母線電圧V1も低下する。なお、系統特性線CCで示した関係は、電力系統側に変化がない状態下ではそのまま成立する必要があるので、系統特性線CC上を点Bの方に向かって動作点が移動する。そして、比較電圧Vcompが母線電圧V1に一致すると、SVC3が発生する無効電力Qsvcとの変動分電圧がゼロになり、動作点Bの状態に落ち着くことになる。こうして、電圧低下に対して動作点はA→C→Bと変化する。なお、A→CヘはSVC3の動作特性の時定数によって速く、C→Bヘはリミッタ付き1次遅れ制御ブロック103の時定数Trによってゆっくりと変化する。また、A→CではQsvcは大きく変化する一方で母線電圧V1はあまり変化しないので、母線電圧V1はVAからVBにゆっくりと変化することになる。そして、定常状態である動作点BではQsvc=0であるため、SVC3は自身の可動範囲の中央で待機していることになり、新たな急激な電圧変動が上昇または低下の何れかの側で発生しても、急激な電圧変動を抑制することが可能となる。
(装置の動作−構成1−母線電圧V1の変動が所定の範囲から外れる場合)
つぎに、母線電圧V1の変動が所定の範囲から外れている場合の、電力系統に擾乱が発生したときの動作点の変化について図4を参照して説明する。なお、図4は、母線電圧V1の変動が所定の範囲から外れる場合の構成1における動作を説明する図である。なお、想定する電圧低下の大きさは、SVC3が動作しない場合には、図4に示す動作点Dに変化するような大きさとし、動作点Dにおける母線電圧VDは、VD<VL1であるものとする。また、この電圧低下の変化速度は、図3の場合と同様であるとする。
図4において、電圧低下が発生した直後の動作点は、SVC3が発生する無効電力Qsvcの絶対値が図3の場合よりも大きな動作点Eに変化する。比較電圧Vcompは、時定数Trで母線電圧V1に近づいていく。その結果、動作点Eは、この動作点Eを通る系統特性線DD上を動作点Dに向かってゆっくりと移動する。一方、比較電圧Vcompは、VL1≦Vcomp≦VH1の範囲に制限されるので、Vcomp=VL1となる動作点、すなわち、系統特性線DDと静特性線BB1との交点Fに落ち着く。なお、動作点Fでは、Qsvcはゼロではないが動作点Eでの値よりも小さくなっており、急激な電圧低下が発生した場合にSVC3にて抑制することができる電圧変動の大きさは、動作点Eの場合よりも大きくなっている。
このように、実施の形態1の構成1によれば、母線電圧の急激な変化にはSVC3が従来と同様に動作して急峻な電圧変動を緩和でき、定常時にはSVC3が出力する無効電力をゼロに近づけることができ、電力系統に擾乱などが発生して電圧が急激に変動する事態が発生しても、常にSVC3が動作可能であり、急峻な電圧変動を抑えることができる。なお、ここでは、電圧低下の場合で説明したが、電圧上昇の場合もほぼ同様に動作させることが可能である。また、この実施の形態の構成では、比較電圧を生成するための制御部として、1次遅れ制御ブロックを使用したが、2次以上の遅れ制御ブロックを使用してもよいことは無論である。
(装置の動作−構成2の場合)
つぎに、上記構成2の場合の動作について、図1および図5を参照して説明する。なお、図5は、上記構成2における動作を説明する図である。
図5において、静特性線BB1は、図2で示したものと同一または同等である。これに対して、静特性線BB1’では、母線電圧V1がVH1からVL1の範囲内に有る場合に、QsvcがゼロとはならずQrefに制御されるところが相違している。これは、差分器104の出力である変動分電圧がゼロになる状態では、SVC制御部100によりSVC3が発生する無効電力QsvcがQrefに一致するように制御されるためである。すなわち、構成1による無効電力補償装置は、時間の経過と共にSVC3が発生する無効電力がゼロに近づくようにしていたのを、構成2では、時間の経過と共にSVC3が発生する無効電力が所定値Qrefに近づくように制御している。
このように、実施の形態1の構成2によれば、急峻な電圧変動は従来と同様にSVC3により抑制でき、かつ定常時にはSVC3が発生する無効電力を適切な値に調整することができ、電力系統に擾乱などが発生して電圧が急激に変動する事態が発生しても、SVC3の設置個所に応じた適切な範囲でSVC3が動作可能であり、常に急峻な電圧変動を抑えることが可能となる。
なお、差分器109に入力される所定値Qrefは、SVC制御部100で設定される値でもよいし、給電所や制御所などから伝送されて来る指令値であってもよく、常に一定の値であってもよいし、電力系統の状態によって変化させてもよい。また、この所定値Qrefは、例えば電圧が低下しやすい個所に設置されたSVC3に対しては適当な大きさの遅れ無効電力に設定して、電圧を急激に低下させないようにSVC3が瞬時に発生できる進み無効電力が大きくなるように設定することが好ましい。逆に電圧が上昇しやすい個所に設置されたSVC3では、電圧が急激に上昇しないようにSVC3が瞬時に発生できる遅れ無効電力が大きくなるように設定することが好ましい。
(装置の動作−構成3の場合)
つぎに、上記構成3の場合の動作について、図1および図6を参照して説明する。図6は、上記構成3における動作を説明する図である。なお、静特性線BB2は、図5で示したものと同一または同等であり、初期条件として、Qsvc=Qrefに制御されているものとする。また、母線12は、その出力電圧がVL2以上、かつ、VH2以下に管理されるものとする。
まず、図6に示すように、母線1の動作点は、母線1の静特性線BB2と系統特性線CC2との交点(動作点A0)に制御され、母線12の動作点は、母線12の系統特性線EE2とQsvc=Qrefの直線との交点(動作点B0)に制御されている。この状態で、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック124の制御信号が差分器109に入力される場合には、以下に示すような制御が行われる。
(1)母線12の系統特性上の動作点がB0にある初期状態では、V2<VL2であるため、電圧偏差ε=(V2−VL2)の積分処理(実際には1時遅れ積分処理)がリミッタ付き1次遅れ制御ブロック124で行われ、Qrefを進相側にシフトしてSVC3の出力を増加することにより、母線1の系統特性上の動作点は、A0(静特性線BB2)からA1(静特性線BB2’)に向かって移動する。
(2)その結果、母線12の系統特性上の動作点は、B0からB1に向かって移動する。
(3)ここで、動作点A1において、母線12の系統特性上の動作点B1では、母線12の電圧V2が、母線12の管理電圧の下限値(VL2)に達するため、電圧偏差ε=(V2−VL2)=0となり、それ以上のQrefシフトは行われない。その結果、母線12の系統特性上の動作点A1で定常状態に達する。
(4)その後、母線12に接続される負荷が軽くなり、母線12の電圧が上昇してきた場合には、VL2<V2<VH2となるため、電圧センサ120、リミッタ付き制御ブロック122およびリミッタ付き1次遅れ制御ブロック124を繋ぐ制御系の出力はゆっくりとリセットされ、V2≧VL2を満足する範囲内でQrefのシフト量は低減されていき、やがてQsvc=Qrefで定常状態に戻ることになる。
なお、上記では、遠隔地にある送電設備の母線電圧V2が既定値よりも低下した場合について説明したが、既定値よりも上昇した場合についても、ほぼ同様に動作させることが可能である。
以上説明したように、実施の形態1にかかる無効電力補償装置によれば、遠隔地にある送電設備の母線電圧V2が既定値から逸脱した場合に、SVC3が出力する無効電力Qsvcの初期値(Qref)を調整することにより、母線電圧V2が規定範囲(VL2≦V2≦VH2)に収まるように制御できるので、遠隔地にある送電設備が調相設備を有していない場合、あるいは調相設備を有している場合でも、それらの調相設備による制御要素を使い切ってしまった場合に、遠隔地にある送電設備の電圧を優先的に制御することが可能となる。
<実施の形態2>
実施の形態1にかかる無効電力補償装置では、母線12の電圧V2を制御する場合、SVC3が発生する無効電力QsvcはSVC出力管理範囲内に入っていた。すなわち、実施の形態1の無効電力補償装置では、母線12の電圧V2の制御よりもSVC3が発生する無効電力QsvcがSVC出力管理範囲に入っていることを優先する制御を行っていた。一方、実施の形態2にかかる無効電力補償装置は、SVC3が発生する無効電力QsvcがSVC出力管理範囲に入っているという制限を解除して、母線12の電圧V2を優先的に制御する場合の実施形態を示すものである。なお、実施の形態2にかかる無効電力補償装置の構成は、図1に示した実施の形態1の構成と同一または同等である。
(装置の動作)
つぎに、実施の形態2にかかる無効電力補償装置の動作について図1および図7を参照して説明する。なお、図7は、実施の形態2にかかる無効電力補償装置の動作を説明する図である。
図7に示すように、母線1の動作点は、Qsvc=Qrefとなる直線上で、かつ、母線1の静特性線BB3と系統特性線CC3との交点(動作点A0)に制御され、母線12の動作点は、母線12の系統特性線EE3とQsvc=Qrefの直線との交点(動作点B0)に制御されている。この状態で、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック124の制御信号が差分器109に入力される場合には、以下に示すような制御が行われる。
(1)母線12の系統特性上の動作点がB0にある初期状態では、V2<VL2であるため、電圧偏差ε=(V2−VL2)の積分処理がリミッタ付き1次遅れ制御ブロック124で行われ、Qrefを進相側にシフトしてSVC3の出力を増加することにより、母線1の系統特性上の動作点は、A0(静特性線BB3)からA2(静特性線BB3’)に向かって移動する。
(2)その結果、母線12の系統特性上の動作点は、B0からB2に向かって移動する。
(3)ここで、動作点B2では、SVC3の出力はQsvc=Qmax1に達している。しかしながら、母線12の電圧V2は、母線12の管理電圧の下限値(VL2)に達してはいない。
(4)そこで、母線12の電圧V2をさらに上昇させる制御を行うため、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック124のリミット上限値(Qmax1)を大きく(すなわち進相側にシフト)する。このときリミッタ付き1次遅れ制御ブロック124におけるリミット上限値(Qmax1)の制限が解除されるので、SVC3が発生する進み側の無効電力QsvcをQmax1以上にすることができる。その結果、母線1の系統特性線CC3上の動作点は、さらにA3(静特性線BB3)に移動するとともに、母線12の系統特性線EE3上の動作点は、V2=VL2となるB3点に移動して定常状態に達する。
(5)その後、母線12に接続される負荷が軽くなり、母線12の電圧が上昇してきた場合には、VL2<V2<VH2となるため、一時的にシフトさせたリミット上限値(Qmax1)がVL2<V2<VH2を満足する範囲で、元の値に戻す方向の制御が行われる。
なお、上記では、遠隔地にある送電設備の母線電圧V2が既定値よりも低下した場合について説明したが、既定値よりも上昇した場合についても、本実施の形態にかかる無効電力補償装置の技術思想に基づき、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック124のリミット下限値(Qmin1)を小さく(すなわち遅相側にシフト)する制御系を構成することにより、上記と同様な動作を行わせることができる。
以上説明したように、実施の形態1にかかる無効電力補償装置によれば、遠隔地にある送電設備の母線電圧V2が既定値から逸脱した場合に、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック124におけるリミット上限値(Qmax1)またはリミット下限値(Qmin1)を調整することにより、母線電圧V2が規定範囲(VL2≦V2≦VH2)に収まるように制御できるので、遠隔地にある送電設備が調相設備を有していない場合、あるいは調相設備を有している場合でも、それらの調相設備による制御要素を使い切ってしまった場合に、遠隔地にある送電設備の電圧を優先的に制御することが可能となる。
<実施の形態3>
図8は、本発明の実施の形態3にかかる無効電力制御装置を備えた無効電力補償装置の構成を示すブロック図である。同図に示す無効電力補償装置は、実施の形態1にかかる図1の構成から、リミッタ付き制御ブロック122およびリミッタ付き1次遅れ制御ブロック124を取り除く一方で、電圧センサ120の出力と所定の電圧値(VH4)との差分値を出力する差分器126、差分器126の出力が入力されて所定の時間遅れ特性で追随する所定の制御信号(電圧信号)を生成するリミッタ付き1次遅れ制御ブロック128、およびリミッタ付き1次遅れ制御ブロック128の出力が入力されて所定の電圧値(VL0)に対する差分値を出力する差分器130を備えている。なお、上記構成において、差分器126、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック128および差分器130は、上記比較電圧生成部を構成するリミッタ付き1次遅れ制御ブロック103の出力制限値を変更する出力制限値変更部(第1の出力制限値変更部)を構成する。また、その他の構成は、図1の構成と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
(装置の動作)
つぎに、実施の形態3にかかる無効電力補償装置の動作について図8および図9を参照して説明する。なお、図9は、実施の形態3にかかる無効電力補償装置の動作を説明する図である。
図9に示すように、母線1の動作点は、Qsvc=Qrefとなる直線上で、かつ、母線1の静特性線BB4と系統特性線CC4との交点(動作点A4)に制御され、母線12の動作点は、母線12の系統特性線EE4とQsvc=Qrefの直線との交点(動作点B0)に制御されている。この状態で、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック103のリミット下限値(VL1)を制御する制御信号が入力される場合には、以下に示すような制御が行われる。
(1)母線12の系統特性上の動作点がB4にある初期状態では、V2>VH2であるため、電圧偏差ε=(V2−VH2)の積分処理が行われ、Qrefを遅相側にシフトしてSVC3の遅相出力を増加することにより、母線1の系統特性上の動作点は、A4(静特性線BB4)からA4A(静特性線BB4’)に向かって移動する。なお、同図に示すように、デッドバンドの位置(静特性線における縦軸と平行な部分の位置)はQmin1までシフトされるが、実施の形態2までの制御系の構成では、母線1の電圧が下限値(VL1)以下にならないように制御するため、SVC3は動作点A4Aに相当する出力(Qsvc2)を維持する。
(2)その結果、母線12の系統特性上の動作点は、B0からB4Aに向かって移動する。しかしながら、この動作点では、母線12の電圧V2は、母線12の管理電圧における上限値(VH2)を超過したままである。
(3)そこで、母線12の電圧V2をさらに低下させる制御を行うため、差分器130の出力に基づいて、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック103のリミット下限値(VL1)を小さくする制御が行われる。すなわち、差分器130の出力により、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック124におけるリミット下限値(VL1)が下方向にシフトされた新しい下限値(VL0A)が設定される。この制御により、母線1の系統特性線CC4上の動作点A4Aは、さらにA4B(静特性線BB4'')に移動するとともに、母線12の系統特性線EE4上の動作点B4Aは、V2=VH2となるB4Bに移動して定常状態に達する。
(4)その後、母線12に接続される負荷が増大して、母線12の電圧が低下してきた場合には、VL2<V2<VH2となるため、ゆっくりとリセットされていく制御が行われる。
なお、上記では、遠隔地にある送電設備の母線電圧V2が既定値よりも上昇した場合について説明したが、既定値よりも低下した場合についても、本実施の形態にかかる無効電力補償装置の技術思想に基づき、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック103のリミット上限値(VH1)を大きくする制御系を構成することにより、上記と同様な動作を行わせることができる。
以上説明したように、実施の形態3にかかる無効電力補償装置によれば、遠隔地にある送電設備の母線電圧V2が既定値から逸脱した場合に、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック103におけるリミット下限値(VL1)またはリミット上限値(VH1)を調整することにより、母線電圧V2が規定範囲(VL2≦V2≦VH2)に収まるように制御できるので、遠隔地にある送電設備が調相設備を有していない場合、あるいは調相設備を有している場合でも、それらの調相設備による制御要素を使い切ってしまった場合に、遠隔地にある送電設備の電圧を優先的に制御することが可能となる。
<実施の形態4>
図10は、本発明の実施の形態4にかかる無効電力制御装置を備えた無効電力補償装置の構成を示すブロック図である。同図に示す無効電力補償装置は、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック103のリミット下限値(VL1)の制御に関し、実施の形態3では母線12の電圧の検出出力である電圧センサ120の出力に基づいて行っていたのに対し、この実施の形態では、無効電力センサ121の出力に基づいて行うようにしている。このような制御系を構成するため、実施の形態4にかかる無効電力補償装置では、無効電力センサ121の出力とSVC出力管理範囲の上限値(Qmax1)との差分値を出力する差分器132、差分器132の出力が入力されて所定の時間遅れ特性で追随する所定の制御信号(電圧信号)を生成するリミッタ付き1次遅れ制御ブロック134、およびリミッタ付き1次遅れ制御ブロック134の出力が入力されて所定の電圧値(VL0)に対する差分値を出力する差分器136を備えている。なお、上記構成において、差分器132、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック134および差分器136は、上記比較電圧生成部を構成するリミッタ付き1次遅れ制御ブロック103の出力制限値を変更する出力制限値変更部(第2の出力制限値変更部)を構成する。また、その他の構成は、図8の構成と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
(装置の動作)
つぎに、実施の形態4にかかる無効電力補償装置の動作について図10および図11を参照して説明する。なお、図11は、実施の形態4にかかる無効電力補償装置の動作を説明する図である。
図11に示すように、母線1の動作点は、Qsvc=Qsvc1となる直線上で、かつ、母線1の静特性線BB5と系統特性線CC5との交点(動作点A5)に制御され、母線12の動作点は、母線12の系統特性線EE5とQsvc=Qsvc1の直線との交点(動作点B5)に制御されている。この状態で、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック103のリミット下限値(VL1)を制御する制御信号が入力される場合には、以下に示すような制御が行われる。
(1)母線1の系統特性上の動作点がA5にある初期状態では、Qsvc1>Qmax1であり、SVC3の出力がSVC出力管理範囲の上限値(Qmax1)を超えているが、母線1の出力電圧の管理範囲であるVL1に達しているため、SVC3の出力を調整することができない(これまでの構成では、母線1の出力電圧V1が管理範囲内に含まれる制御が優先されるため)。
(2)その結果、母線1の系統特性上の動作点はA5の状態を維持し、母線12の系統特性上の動作点はB5の状態を維持する。なお、この状態では、上記のようにQsvc1>Qmax1であるため、遠隔地にある母線12の電圧が急激に低下して下限値を下回った場合であっても、母線12の電圧を上昇させる制御を行うことができない。
(3)そこで、SVC3の出力がSVC出力管理範囲内に入るようにするため、差分器136の出力に基づいて、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック103のリミット下限値(VL1)を小さくする制御が行われる。すなわち、差分器130の出力により、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック124におけるリミット下限値(VL1)が下方向にシフトされた新しい下限値(VL0A)が設定される。この制御により、母線1の系統特性線CC5上の動作点A5は、A5’(静特性線BB5')に移動するとともに、母線12の系統特性線EE5上の動作点B5は、B5’に移動する。
(4)この状態であれば、SVC3の出力がSVC出力管理範囲内に入っているので、母線12の電圧が急激に低下して下限値を下回った場合に、母線12の電圧を上昇させる制御を行うことが可能となる。
なお、上記では、SVC3の出力(進み出力側を正)がSVC出力管理範囲の上限値を超えた場合について説明したが、SVC3の出力がSVC出力管理範囲の下限値以下に低下した場合についても、本実施の形態にかかる無効電力補償装置の技術思想に基づき、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック103のリミット上限値(VH1)を大きくする制御系を構成することにより、上記と同様な動作を行わせることができる。
以上説明したように、実施の形態4にかかる無効電力補償装置によれば、SVC3の出力がSVC出力管理範囲を逸脱した場合に、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック103におけるリミット下限値(VL1)またはリミット上限値(VH1)を調整することにより、SVC3による制御が無効となるような状態を回避することができるので、遠隔地にある送電設備が調相設備を有していない場合、あるいは調相設備を有している場合でも、それらの調相設備による制御要素を使い切ってしまった場合に、遠隔地にある送電設備の電圧を優先的に制御する状態を維持することが可能となる。
<実施の形態5>
図12は、本発明の実施の形態5にかかる無効電力制御装置を備えた無効電力補償装置の構成を示すブロック図である。実施の形態4の無効電力補償装置が、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック103のリミット下限値(VL1)を制御する制御系を有しているのに対し、この実施の形態の無効電力補償装置では、実施の形態4と同様な制御系を用いて、SVC3が出力する無効電力Qsvcの初期値(Qref)を調整するようにしている。このため、実施の形態5にかかる無効電力補償装置では、実施の形態4で構成した差分器132およびリミッタ付き1次遅れ制御ブロック134を備える一方で、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック134の制御出力を差分器109に入力するような制御系を構成している。なお、上記構成において、差分器132およびリミッタ付き制御ブロック134は、無効電力初期値を変更するための制御信号を生成する無効電力初期値変更信号生成部(第2の無効電力初期値変更信号生成部)を構成する。また、その他の構成は図10の構成と同様であり、同一の構成要素には同一の符号を付して示すとともに、その説明を省略する。
(装置の動作)
つぎに、実施の形態5にかかる無効電力補償装置の動作について図12および図13を参照して説明する。なお、図13は、実施の形態5にかかる無効電力補償装置の動作を説明する図である。
図13に示すように、母線1の動作点は、Qsvc=Qsvc1となる直線上で、かつ、母線1の静特性線BB6と系統特性線CC6との交点(動作点A6)に制御され、母線12の動作点は、母線12の系統特性線EE6とQsvc=Qsvc1の直線との交点(動作点B6)に制御されている。この状態で、差分器109にリミッタ付き1次遅れ制御ブロック134の出力が入力される場合には、以下に示すような制御が行われる。
(1)母線1の系統特性上の動作点がA6にある初期状態では、Qsvc1>Qmax1であり、SVC3の出力がSVC出力管理範囲の上限値(Qmax1)を超えているが、母線1の出力電圧の管理範囲であるVL1に達しているため、実施の形態4のときと同様に、SVC3の出力を調整することができない。
(2)その結果、母線1の系統特性上の動作点はA6の状態を維持し、母線12の系統特性上の動作点はB6の状態を維持する。なお、この状態では、上記のようにQsvc1>Qmax1であるため、遠隔地にある母線12の電圧が急激に低下して下限値を下回った場合であっても、母線12の電圧を上昇させる制御を行うことができない。
(3)そこで、SVC3の出力がSVC出力管理範囲内に入るようにするため、リミッタ付き1次遅れ制御ブロック134の出力に基づいて、Qsvcの初期値(Qref)を変更(遅相側にシフト)する制御が行われる。この制御により、母線1の系統特性線CC5上の動作点A6は、A6’(静特性線BB6')に移動するとともに、母線12の系統特性線EE6上の動作点B6は、B6’に移動する。
(4)この状態であれば、SVC3の出力がSVC出力管理範囲内に入っているので、母線12の電圧が急激に低下して下限値を下回った場合に、母線12の電圧を上昇させる制御を行うことが可能となる。
なお、上記では、SVC3の出力(進み出力側を正)がSVC出力管理範囲の上限値を超えた場合について説明したが、SVC3の出力がSVC出力管理範囲の下限値以下に低下した場合についても、本実施の形態にかかる無効電力補償装置の技術思想に基づき、母線1の出力電圧の管理範囲に関わらず、SVC3の出力の初期値(Qref)を進相側にシフトさせる制御系を構成することにより、上記と同様な動作を行わせることができる。
以上説明したように、実施の形態5にかかる無効電力補償装置によれば、SVC3の出力がSVC出力管理範囲から逸脱した場合に、母線1の出力電圧の管理範囲に関わらず、SVC3の出力の初期値を遅相側または進相側にシフトさせる制御を行うことにより、SVC3による制御が無効となるような状態を回避することができるので、遠隔地にある送電設備が調相設備を有していない場合、あるいは調相設備を有している場合でも、それらの調相設備による制御要素を使い切ってしまった場合に、遠隔地にある送電設備の電圧を優先的に制御する状態を維持することが可能となる。
なお、上記実施の形態1〜5を通して、母線1はSVC3の近傍に設置されている制御対象母線であり、母線12はSVC3から離れて遠隔地に設置されている制御対象母線であるとして説明したが、SVC3が必ずしも母線1の近傍に設置されている必要はない。肝要な点は、母線1と母線12とが離間して配置された関係にあり、SVC3から見て、母線1を近傍に設置されている制御対象母線として取り扱うことができ、母線12を遠隔地にある制御対象母線として取り扱うことができれば、どのような設置形態であっても構わない。
以上のように、本発明にかかる無効電力補償装置およびその制御装置は、遠隔地にある送電設備の電圧を優先的に制御することができる発明として有用である。
本発明の実施の形態1にかかる無効電力制御装置を備えた無効電力補償装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1にかかる無効電力補償装置が動作する場合の母線電圧とSVCで発生する無効電力との間の関係を説明する図である。 実施の形態1で定義した構成1(母線電圧V1の変動が所定の範囲内にある場合)における動作を説明する図である。 実施の形態1で定義した構成1(母線電圧V1の変動が所定の範囲から外れる場合における動作を説明する図である。 実施の形態1で定義した構成2における動作を説明する図である。 実施の形態1で定義した構成3における動作を説明する図である。 実施の形態2にかかる無効電力補償装置の動作を説明する図である。 本発明の実施の形態3にかかる無効電力制御装置を備えた無効電力補償装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態3にかかる無効電力補償装置の動作を説明する図である。 本発明の実施の形態4にかかる無効電力制御装置を備えた無効電力補償装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態4にかかる無効電力補償装置の動作を説明する図である。 本発明の実施の形態5にかかる無効電力制御装置を備えた無効電力補償装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態5にかかる無効電力補償装置の動作を説明する図である。
符号の説明
1 母線
2 遮断器
3A 変圧器
3B スイッチング回路
3C リアクトル
3D フィルタ
12 母線
100 SVC制御部
101 電圧センサ
102 電流センサ
103,124,128,130,132,134 リミッタ付き1次遅れ制御ブロック
104,106,109,126,136 差分器
105 スロープリアクタンス
107 電圧制御部
108 ゲートパルス出力部
110 無効電力制御部
111 加算器
120 電圧センサ
121 無効電力センサ
122 リミッタ付き制御ブロック
128 制御ブロック
134 制御ブロック
136 差分器

Claims (10)

  1. 接続母線の電圧変動に応じて無効電力を発生させる静止型無効電力補償装置を備え、該静止型無効電力補償装置の近傍位置に敷設された第1の制御対象母線の電圧変動を抑制するとともに、該静止型無効電力補償装置から離間する位置に敷設された第2の制御対象母線の電圧変動を抑制する無効電力補償装置であって、
    前記第1の制御対象母線の母線電圧である第1の制御対象電圧に対して所定の時間遅れ特性で追随して所定の範囲内に制限された比較電圧を生成する比較電圧生成部と、
    前記比較電圧と前記第1の制御対象電圧との差分出力である変動分電圧を生成する変動分電圧生成部と、
    前記変動分電圧に応じて制御対象の静止型無効電力補償装置で発生する無効電力を前記比較電圧の時間遅れ特性よりも速い時間特性で制御する無効電力制御部と、
    前記第2の制御対象母線の母線電圧である第2の制御対象電圧が所定の範囲から逸脱していることを表す信号を所定の時間遅れ特性で追随させた無効電力初期値変更信号を生成する無効電力初期値変更信号生成部と、
    前記静止型無効電力補償装置が生成する無効電力、前記無効電力初期値変更信号生成部が生成する無効電力初期値変更信号、および所定の初期値に基づき、該静止型無効電力補償装置が生成する無効電力を所定値に設定する無効電力調整部と、
    を備え、
    前記無効電力調整部は、
    前記第2の制御対象電圧が所定の範囲から逸脱している場合に、該第2の制御対象電圧が該所定の範囲に収まるように制御することを特徴とする無効電力補償装置。
  2. 前記無効電力調整部は、
    前記静止型無効電力補償装置の出力管理範囲として設定された上限値または下限値に対する制限を一時的に解除して、前記第2の制御対象電圧が所定の範囲に入る制御を優先することを特徴とする請求項1に記載の無効電力補償装置。
  3. 接続母線の電圧変動に応じて無効電力を発生させる静止型無効電力補償装置を備え、該静止型無効電力補償装置の近傍位置に敷設された第1の制御対象母線の電圧変動を抑制するとともに、該静止型無効電力補償装置から離間する位置に敷設された第2の制御対象母線の電圧変動を抑制する無効電力補償装置であって、
    前記第1の制御対象母線の母線電圧である第1の制御対象電圧に対して所定の時間遅れ特性で追随して所定の範囲内に制限された比較電圧を生成する比較電圧生成部と、
    前記比較電圧と前記第1の制御対象電圧との差分出力である変動分電圧を生成する変動分電圧生成部と、
    前記変動分電圧に応じて制御対象の静止型無効電力補償装置で発生する無効電力を前記比較電圧の時間遅れ特性よりも速い時間特性で制御する無効電力制御部と、
    前記第2の制御対象母線の母線電圧である第2の制御対象電圧に基づき、前記比較電圧生成部が生成する比較電圧の出力制限値を変更する出力制限値変更部と、
    前記静止型無効電力補償装置が生成する無効電力および所定の初期値に基づき、該静止型無効電力補償装置が生成する無効電力を所定値に設定する無効電力調整部と、
    を備え、
    前記無効電力調整部は、
    前記第2の制御対象電圧が所定の範囲から逸脱している場合に、該第2の制御対象電圧が該所定の範囲に収まるように制御することを特徴とする無効電力補償装置。
  4. 接続母線の電圧変動に応じて無効電力を発生させる静止型無効電力補償装置を備え、該静止型無効電力補償装置の近傍位置に敷設された第1の制御対象母線の電圧変動を抑制するとともに、該静止型無効電力補償装置から離間する位置に敷設された第2の制御対象母線の電圧変動を抑制する無効電力補償装置であって、
    前記第1の制御対象母線の母線電圧である第1の制御対象電圧に対して所定の時間遅れ特性で追随して所定の範囲内に制限された比較電圧を生成する比較電圧生成部と、
    前記比較電圧と前記第1の制御対象電圧との差分出力である変動分電圧を生成する変動分電圧生成部と、
    前記変動分電圧に応じて制御対象の静止型無効電力補償装置で発生する無効電力を前記比較電圧の時間遅れ特性よりも速い時間特性で制御する無効電力制御部と、
    前記静止型無効電力補償装置が生成する無効電力に基づき、前記比較電圧生成部が生成する比較電圧の出力制限値を変更する出力制限値変更部と、
    前記静止型無効電力補償装置が生成する無効電力および所定の初期値に基づき、該静止型無効電力補償装置が生成する無効電力を所定値に設定する無効電力調整部と、
    を備え、
    前記出力制限値変更部は、前記静止型無効電力補償装置が生成する無効電力が出力管理範囲から逸脱している場合に、前記第2の制御対象電圧を所定の範囲に収める制御が可能となるように前記出力制限値の上限値または下限値を変更することを特徴とする無効電力補償装置。
  5. 接続母線の電圧変動に応じて無効電力を発生させる静止型無効電力補償装置を備え、該静止型無効電力補償装置の近傍位置に敷設された第1の制御対象母線の電圧変動を抑制するとともに、該静止型無効電力補償装置から離間する位置に敷設された第2の制御対象母線の電圧変動を抑制する無効電力補償装置であって、
    前記第1の制御対象母線の母線電圧である第1の制御対象電圧に対して所定の時間遅れ特性で追随して所定の範囲内に制限された比較電圧を生成する比較電圧生成部と、
    前記比較電圧と前記第1の制御対象電圧との差分出力である変動分電圧を生成する変動分電圧生成部と、
    前記変動分電圧に応じて制御対象の静止型無効電力補償装置で発生する無効電力を前記比較電圧の時間遅れ特性よりも速い時間特性で制御する無効電力制御部と、
    前記静止型無効電力補償装置が生成する無効電力に基づき、該無効電力の初期値を変更するための信号を無効電力初期値変更信号として生成する無効電力初期値変更信号生成部と、
    前記静止型無効電力補償装置が生成する無効電力および所定の初期値に基づき、該静止型無効電力補償装置が生成する無効電力を所定値に設定する無効電力調整部と、
    を備え、
    前記無効電力初期値変更信号生成部は、前記静止型無効電力補償装置が生成する無効電力が所定の範囲から逸脱している場合に、前記第2の制御対象電圧を所定の範囲に収める制御が可能となるように前記無効電力初期値変更信号を変更することを特徴とする無効電力補償装置。
  6. 接続母線の電圧変動に応じて無効電力を発生させる静止型無効電力補償装置を制御する制御装置であって、該静止型無効電力補償装置の近傍位置に敷設された第1の制御対象母線の電圧変動を抑制するとともに、該静止型無効電力補償装置から離間する位置に敷設された第2の制御対象母線の電圧変動を抑制する無効電力制御装置において、
    前記第1の制御対象母線の母線電圧である第1の制御対象電圧に対して所定の時間遅れ特性で追随して所定の範囲内に制限された比較電圧を生成する比較電圧生成部と、
    前記比較電圧と前記第1の制御対象電圧との差分出力である変動分電圧を生成する変動分電圧生成部と、
    前記変動分電圧に応じて制御対象の静止型無効電力補償装置で発生する無効電力を前記比較電圧の時間遅れ特性よりも速い時間特性で制御する無効電力制御部と、
    前記第2の制御対象母線の母線電圧である第2の制御対象電圧が所定の範囲から逸脱していることを表す信号を所定の時間遅れ特性で追随させた無効電力初期値変更信号を生成する無効電力初期値変更信号生成部と、
    前記静止型無効電力補償装置が生成する無効電力、前記比較電圧生成部が生成する比較電圧、および所定の初期値に基づき、該静止型無効電力補償装置が生成する無効電力を所定値に設定する無効電力調整部と、
    を備え、
    前記無効電力調整部は、
    前記第2の制御対象電圧が所定の範囲から逸脱している場合に、該第2の制御対象電圧が該所定の範囲に収まるように制御することを特徴とする無効電力制御装置。
  7. 前記無効電力調整部は、
    前記静止型無効電力補償装置の出力管理範囲として設定された上限値または下限値に対する制限を一時的に解除して、前記第2の制御対象電圧が所定の範囲に入る制御を優先することを特徴とする請求項6に記載の無効電力制御装置。
  8. 接続母線の電圧変動に応じて無効電力を発生させる静止型無効電力補償装置を制御する制御装置であって、該静止型無効電力補償装置の近傍位置に敷設された第1の制御対象母線の電圧変動を抑制するとともに、該静止型無効電力補償装置から離間する位置に敷設された第2の制御対象母線の電圧変動を抑制する無効電力制御装置において、
    前記第1の制御対象母線の母線電圧である第1の制御対象電圧に対して所定の時間遅れ特性で追随して所定の範囲内に制限された比較電圧を生成する比較電圧生成部と、
    前記比較電圧と前記第1の制御対象電圧との差分出力である変動分電圧を生成する変動分電圧生成部と、
    前記変動分電圧に応じて制御対象の静止型無効電力補償装置で発生する無効電力を前記比較電圧の時間遅れ特性よりも速い時間特性で制御する無効電力制御部と、
    前記第2の制御対象母線の母線電圧である第2の制御対象電圧に基づき、前記比較電圧生成部が生成する比較電圧の出力制限値を変更する出力制限値変更部と、
    前記静止型無効電力補償装置が生成する無効電力および所定の初期値に基づき、該静止型無効電力補償装置が生成する無効電力を所定値に設定する無効電力調整部と、
    を備え、
    前記無効電力調整部は、
    前記第2の制御対象電圧が所定の範囲から逸脱している場合に、該第2の制御対象電圧が該所定の範囲に収まるように制御することを特徴とする無効電力制御装置。
  9. 接続母線の電圧変動に応じて無効電力を発生させる静止型無効電力補償装置を制御する制御装置であって、該静止型無効電力補償装置の近傍位置に敷設された第1の制御対象母線の電圧変動を抑制するとともに、該静止型無効電力補償装置から離間する位置に敷設された第2の制御対象母線の電圧変動を抑制する無効電力制御装置において、
    前記第1の制御対象母線の母線電圧である第1の制御対象電圧に対して所定の時間遅れ特性で追随して所定の範囲内に制限された比較電圧を生成する比較電圧生成部と、
    前記比較電圧と前記第1の制御対象電圧との差分出力である変動分電圧を生成する変動分電圧生成部と、
    前記変動分電圧に応じて制御対象の静止型無効電力補償装置で発生する無効電力を前記比較電圧の時間遅れ特性よりも速い時間特性で制御する無効電力制御部と、
    前記静止型無効電力補償装置が生成する無効電力に基づき、前記比較電圧生成部が生成する比較電圧の出力制限値を変更する出力制限値変更部と、
    前記静止型無効電力補償装置が生成する無効電力および所定の初期値に基づき、該静止型無効電力補償装置が生成する無効電力を所定値に設定する無効電力調整部と、
    を備え、
    前記出力制限値変更部は、前記静止型無効電力補償装置が生成する無効電力が出力管理範囲から逸脱している場合に、前記第2の制御対象電圧を所定の範囲に収める制御が可能となるように前記出力制限値の上限値または下限値を変更することを特徴とする無効電力制御装置。
  10. 接続母線の電圧変動に応じて無効電力を発生させる静止型無効電力補償装置を制御する制御装置であって、該静止型無効電力補償装置の近傍位置に敷設された第1の制御対象母線の電圧変動を抑制するとともに、該静止型無効電力補償装置から離間する位置に敷設された第2の制御対象母線の電圧変動を抑制する無効電力制御装置において、
    前記第1の制御対象母線の母線電圧である第1の制御対象電圧に対して所定の時間遅れ特性で追随して所定の範囲内に制限された比較電圧を生成する比較電圧生成部と、
    前記比較電圧と前記第1の制御対象電圧との差分出力である変動分電圧を生成する変動分電圧生成部と、
    前記変動分電圧に応じて制御対象の静止型無効電力補償装置で発生する無効電力を前記比較電圧の時間遅れ特性よりも速い時間特性で制御する無効電力制御部と、
    前記静止型無効電力補償装置が生成する無効電力に基づき、該無効電力の初期値を変更するための信号を無効電力初期値変更信号として生成する無効電力初期値変更信号生成部と、
    前記静止型無効電力補償装置が生成する無効電力および所定の初期値に基づき、該静止型無効電力補償装置が生成する無効電力を所定値に設定する無効電力調整部と、
    を備え、
    前記無効電力初期値変更信号生成部は、前記静止型無効電力補償装置が生成する無効電力が所定の範囲から逸脱している場合に、前記第2の制御対象電圧を所定の範囲に収める制御が可能となるように前記無効電力初期値変更信号を変更することを特徴とする無効電力制御装置。
JP2007168939A 2007-06-27 2007-06-27 無効電力補償装置およびその制御装置 Expired - Fee Related JP5030685B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007168939A JP5030685B2 (ja) 2007-06-27 2007-06-27 無効電力補償装置およびその制御装置
US11/984,755 US7683589B2 (en) 2007-06-27 2007-11-21 Reactive power compensator and control device therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007168939A JP5030685B2 (ja) 2007-06-27 2007-06-27 無効電力補償装置およびその制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009011053A JP2009011053A (ja) 2009-01-15
JP5030685B2 true JP5030685B2 (ja) 2012-09-19

Family

ID=40159595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007168939A Expired - Fee Related JP5030685B2 (ja) 2007-06-27 2007-06-27 無効電力補償装置およびその制御装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7683589B2 (ja)
JP (1) JP5030685B2 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4830705B2 (ja) * 2006-08-04 2011-12-07 三菱電機株式会社 無効電力制御装置及び無効電力補償装置
KR20100047726A (ko) * 2008-10-29 2010-05-10 한국전력공사 무효전력원 협조제어를 통한 최적 계통전압제어 방법.
CA2751254A1 (en) 2009-02-05 2010-08-12 Enphase Energy, Inc. Method and apparatus for determining a corrected monitoring voltage
JP5409319B2 (ja) * 2009-03-18 2014-02-05 三菱電機株式会社 無効電力補償装置
JP5554217B2 (ja) * 2010-12-06 2014-07-23 三菱電機株式会社 無効電力補償装置
WO2013044922A1 (en) * 2011-09-28 2013-04-04 Vestas Wind Systems A/S A wind power plant and a method for operating thereof
US9389631B2 (en) 2012-05-30 2016-07-12 General Electric Company System and method for reactive power compensation
EP2843786B1 (en) * 2013-09-03 2018-04-18 KONE Corporation An elevator line bridge filter for compensating reactive power in a grid
CN103472720A (zh) * 2013-09-11 2013-12-25 国家电网公司 一种svc控制器的电压增益调节装置及方法
ES2873227T3 (es) * 2016-03-04 2021-11-03 Toshiba Kk Dispositivo de control de potencia reactiva de tensión y programa de control de potencia reactiva de tensión
KR20170135337A (ko) * 2016-05-31 2017-12-08 엘에스산전 주식회사 무효 전력 보상 시스템 및 그 방법
KR20170139399A (ko) * 2016-06-09 2017-12-19 엘에스산전 주식회사 무효 전력 보상 시스템 및 그 방법
RU175561U1 (ru) * 2017-05-11 2017-12-11 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Магнитогорский государственный технический университет им.Г.И. Носова" Система управления статическим тиристорным компенсатором
JP7258630B2 (ja) * 2019-04-03 2023-04-17 株式会社東芝 制御装置、及び制御システム
CN113581027B (zh) * 2021-07-06 2023-05-26 成都尚华电气有限公司 一种基于地面牵引供电的电气列车、供电系统及控制方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56157223A (en) * 1980-05-07 1981-12-04 Japan National Railway Control circuit for reactive power compensating device
US4755738A (en) * 1986-09-11 1988-07-05 Kabushiki Kaisha Toshiba Reactive power compensation apparatus
JPH0626457B2 (ja) * 1987-02-28 1994-04-06 日新電機株式会社 無効電力補償装置の制御方式
JPS63242135A (ja) * 1987-03-27 1988-10-07 三菱電機株式会社 無効電力補償装置
JPH0421323A (ja) 1990-05-15 1992-01-24 Toshiba Corp 電圧制御方式
JPH05274049A (ja) 1992-03-30 1993-10-22 Mitsubishi Electric Corp 電源電圧安定化装置
JP3134034B2 (ja) * 1994-07-13 2001-02-13 重雄 林 電力系統の協調式分散制御方法
JP3531407B2 (ja) 1997-03-25 2004-05-31 松下電器産業株式会社 無効電力補償装置
JP3318509B2 (ja) * 1997-05-20 2002-08-26 松下電器産業株式会社 静止形無効電力補償装置
JP5030475B2 (ja) * 2006-05-30 2012-09-19 三菱電機株式会社 電力系統事故対応の系統安定化制御方式
JP4830705B2 (ja) * 2006-08-04 2011-12-07 三菱電機株式会社 無効電力制御装置及び無効電力補償装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009011053A (ja) 2009-01-15
US7683589B2 (en) 2010-03-23
US20090001942A1 (en) 2009-01-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5030685B2 (ja) 無効電力補償装置およびその制御装置
JP4830705B2 (ja) 無効電力制御装置及び無効電力補償装置
JP5554217B2 (ja) 無効電力補償装置
US8164221B2 (en) Controlled series compensator and method
JP5367252B2 (ja) 交流電圧制御方法
KR100326103B1 (ko) 전력변환장치의제어장치
JP2007020306A (ja) 電力変換装置又は無効電力補償装置による電力系統の交流電圧制御方法
JP5939894B2 (ja) 配電系統の電圧調整装置、電圧調整方法および電力制御システム
JP6220438B1 (ja) 電圧変動補償装置並びに送配電系統の運用方法
JP4908192B2 (ja) 無効電力補償装置および方法
JP4875547B2 (ja) 無効電力補償装置及びその制御方法
JP3853072B2 (ja) 電力系統の電圧制御方式
JP2017135904A (ja) 電圧無効電力制御システム
JP6629115B2 (ja) 無効電力補償装置の出力電流制御方法
JP2018107877A (ja) 無効電力補償装置とそれによる電力系統の電圧制御方法
JP2002095166A (ja) 電力潮流制御装置
JP7275839B2 (ja) 無効電力補償装置の制御方法及び制御回路
JP7265512B2 (ja) 無効電力補償装置
JP2003070251A (ja) 電圧調整装置
JP2002091578A (ja) 電圧調整器および位相調整器
Zhang et al. Adaptive series-virtual-impedance control strategy for load converters to improve the stability of the cascaded system
KR102553568B1 (ko) 탭절환 변압기 제어 장치 및 방법
US8467210B2 (en) Method for controlling a VAr compensator
JP6855697B2 (ja) 直列型電圧調整装置
JP2830825B2 (ja) 直列コンデンサ装置における定数設定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120529

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120626

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5030685

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150706

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees