JP2002095166A - 電力潮流制御装置 - Google Patents

電力潮流制御装置

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JP2002095166A
JP2002095166A JP2000273424A JP2000273424A JP2002095166A JP 2002095166 A JP2002095166 A JP 2002095166A JP 2000273424 A JP2000273424 A JP 2000273424A JP 2000273424 A JP2000273424 A JP 2000273424A JP 2002095166 A JP2002095166 A JP 2002095166A
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power
phase angle
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JP2000273424A
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Yasuyuki Miyazaki
保幸 宮崎
Yasuhiro Noro
康宏 野呂
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】事故後に線路開放が行われて母線位相角が大き
くなる場合、電力潮流制御装置による潮流制御を高速に
行なうと、母線位相角が増大し安定度を著しく低下させ
てしまう。 【解決手段】電力系統の電力潮流を電力潮流指令値に調
整するに必要な操作量を算出し出力する操作量算出手段
1、系統情報を取り込む系統情報入力手段2、この系統
情報に基づいて電力系統の母線位相角変化を算出し出力
する位相角変化算出手段3、母線位相角変化に応じて前
記操作量の操作量変化速度を決定し前記操作量変化速度
信号を出力する操作量変化速度決定手段4、前記操作量
算出手段1から出力された操作量を前記操作量変化速度
信号により制御して前記電力潮流制御装置本体20に対
して操作量として出力する操作量出力手段5とを備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統の電力潮
流を制御する電力潮流制御装置に係り、特に電力系統の
母線位相の変化に応じて電力潮流制御速度を変化させる
ことができるようにした電力潮流制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来においても、電力系統の送電部と受
電部との間に電力潮流を調整する電力潮流制御装置を設
けているが、その代表的なものとして、線路のリアク
タンス補償を行なうことで電力潮流を調整可能とした可
変直列コンデンサや、母線間の位相差調整を行なうこ
とで電力潮流を調整可能とした位相調整器などがある。
【0003】図9は “IMPROVING TRANSMISSION SYSTEM
PERFORMANCE USING CONTROLLED SERIES CAPACITORS;
Cigre 1992 A.J.F.KERI、 et.all”に開示された可変直
列コンデンサの一種で、スイッチ・ド・コンデンサ方式
と称されているものである。
【0004】スイッチ・ド・コンデンサ方式とは、複数
の直列コンデンサ101にそれぞれ並列接続された各サ
イリスタスイッチ103をON、OFF制御して、線路電流
の通過するキャパシタンス量を可変にするものである。
【0005】また図10は “ADVANCED SERIES COMPENSA
TION WITH THYRISTOR CONTROLLEDIMPEDANCE;Cigre 19
92、 N.CHRISTL et.all”に開示された可変直列コンデ
ンサの一種であり、サイリスタ制御直列コンデンサ(Thy
ristor Controlled Series Compensator)と称されてい
るものである。
【0006】サイリスタ制御直列コンデンサ105は、
直列コンデンサ101にサイリスタ制御リアクトル10
6が並列接続され、サイリスタ107の点弧角を制御し
キャパシタとの合成リアクタンスを連続制御する。
【0007】図11は “275kV、1000MVA位相調整器;電
気学会 昭和60年全国大会、安海一郎他”で示された
位相調整器の一例を示すものであり、送電部と受電部間
に位相調整用電圧を印加する直列変圧器112と、この
直列変圧器112に位相調整用電圧を供給する調整変圧
器111とタップ切替え器113で構成されている。
【0008】また図11のタップ切替え器113をサイリ
スタ等の半導体スイッチで構成した高速位相調整器も報
告されている。可変直列コンデンサや位相調整器等を用
いた電力潮流制御装置にて電力潮流を制御する際には、
図12に示す潮流制御系が構成される。
【0009】潮流制御系は対象とする電力系統内の電力
潮流を検出し、これと電力潮流指令値との偏差を零とし
電力潮流指令値相当の線路電力潮流とするような操作量
を出力する。各電力潮流制御器の操作量としては、例え
ばスイッチ・ド・コンデンサ方式では各サイリスタスイ
ッチのON、OFF信号が対応し、サイリスタ制御直列コン
デンサ方式ではサイリスタの点弧角が対応し、また、位
相調整器では操作量としてタップ点数や位相調整電圧指
令値等が対応する。
【0010】各電力潮流制御装置ではそれぞれの機器に
対応した潮流制御系が出力する操作量を入力することで
電力潮流調整が可能となる。このような潮流制御系を構
成した電力潮流制御器による電力潮流制御の応答時間
は、潮流制御系の電力潮流指令値変化に対する操作量出
力変化の遅れ時間で決定される。
【0011】したがって潮流制御系内で設定される潮流
制御系の時定数やゲイン等のパラメータが一定であるな
らば、電力潮流制御装置による電力潮流制御の応答時間
は一定となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら電力系統
内での事故発生等で線路開放が行われた場合に、潮流指
令値が一定である場合、線路開放後でも潮流制御器によ
り電力潮流を調整する線路の電力潮流は潮流指令値に制
御されるが、電力潮流制御の応答速度は電力潮流制御系
のゲイン、時定数等が一定のため、線路開放の場所によ
らず一定である。
【0013】線路開放後には電力系統内の母線位相角が
大きくなり安定度が低下する場合と、電力系統内の母線
位相角が小さくなり安定度が向上する場合がある。また
一般的に事故直後の過渡状態の母線位相角は定常時の母
線位相角より大きくなるので過渡的には電力系統の安定
度が低下し、安定度限界を越えて不安定となる場合もあ
る。
【0014】したがって事故後に線路開放が行われ、線
路開放後の定常状態の母線位相角が大きくなる場合に、
電力潮流制御装置による潮流制御を高速に行なうと、故
障後の定常状態である母線位相角が大きな状態に至る時
間が短縮され、過渡状態の母線位相角の変化と相乗して
母線位相角が増大し安定度を著しく低下させてしまうと
いう課題があった。
【0015】逆に事故後の定常状態に母線位相角が小さ
くなり安定度が向上する場合には電力潮流制御を高速に
行ない、故障後の母線位相角の小さい定常状態に早く状
態推移させる方が電力系統の安定度が向上する。
【0016】このように電力系統の状態変化により、電
力系統内の定常母線位相角が大きくなる場合には低速な
電力潮流制御を、定常母線位相角が小さくなる場合には
高速な電力潮流制御を行なうことで過渡的な母線位相角
を大きくすることなく、すなわち安定度を低下させるこ
とのない範囲で高速に電力潮流制御を行なうことが可能
となる。
【0017】本発明は、以上の点に鑑みて定常母線位相
角の変化に応じて電力潮流制御装置の応答速度を可変に
することで、電力系統の過渡時の安定度を低下させない
電力潮流制御装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の請求項1に記載の電力潮流制御装置は、電
力系統の送電部と受電部との間に直列に接続され、送電
部と受電部との電力潮流を調整する電力潮流制御装置本
体と、前記電力系統で検出された電力潮流を電力潮流指
令値に調整するために必要な操作量を算出し出力する操
作量算出手段と、前記電力系統の系統情報を取り込む系
統情報入力手段と、前記系統情報入力手段に取り込んだ
前記系統情報に基づいて前記電力系統の母線位相角変化
を算出し出力する位相角変化算出手段と、前記母線位相
角変化に応じて前記操作量の操作量変化速度を決定し前
記操作量変化速度信号を出力する操作量変化速度決定手
段と、前記操作量算出手段から出力された操作量を前記
操作量変化速度信号により制御して前記電力潮流制御装
置本体に対して操作量として出力する操作量出力手段と
を備えたものである。
【0019】本発明の請求項2に記載の電力潮流制御装
置は、前記操作量変化速度決定手段が、前記位相角変化
算出手段から出力された最新の出力信号と所定時間前の
出力信号とを比較して操作量変化速度を決定し出力する
ものである。
【0020】本発明の請求項3に記載の電力潮流制御装
置は、前記操作量変化速度決定手段が、前記位相角変化
算出手段から出力された最新の出力信号と所定時間前の
出力信号とを比較して操作量出力むだ時間を決定し出力
するものである。
【0021】本発明の請求項4に記載の電力潮流制御装
置は、前記系統情報入力手段により取得した前記系統情
報が、前記電力系統の予め指定した線路の線路開放を示
す場合に、前記操作量変化速度決定手段は予め記憶され
ている最大操作量変化速度を操作量出力手段に出力する
ことを特徴とする請求項2に記載の電力潮流制御装置で
ある。
【0022】本発明の請求項5に記載の電力潮流制御装
置は、前記系統情報入力手段により取得した前記系統情
報が、前記電力系統の予め指定した線路の線路開放を示
す場合に、前記操作量変化速度決定手段は予め記憶され
ている操作量出力むだ時間のうち、最小操作量出力むだ
時間を操作量出力手段に出力するようにしたものであ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。 (第1の実施の形態)図1は本発明に係わる電力潮流制
御装置の第1の実施の形態を示す構成図である。図1に
おいて、10は電力潮流の制御対象となる電力系統を表
すものであり、母線14-1、14-5間に電力潮流制御装
置本体20を設けている。6はこの電力潮流制御装置本
体20を制御するための制御器である。
【0024】ここでは、電力潮流制御装置本体20とし
て半導体スイッチで制御される位相調整器を例示して説
明する。なお、本実施形態においては、以後電力潮流制
御装置本体を位相調整器20と呼ぶことにする。位相調
整器20は電力系統10内の母線14-1および14-5間
に設置されて位相調整用電圧を母線14-1、14-5間に
印加する直列変圧器11と、この直列変圧器11に位相
調整用電圧を供給する調整変圧器12と、位相調整用電
圧の大きさおよび位相を制御する半導体スイッチ13か
ら構成されている。
【0025】この位相調整器20は、半導体スイッチ1
3に与えるスイッチ開閉信号により位相調整用電圧を制
御し、位相調整器20を設置した母線14-1および14
-5間の位相差を変化させて母線14-1、14-5間の電力
潮流を変化させるようにしたものである。このように本
実施形態での位相調整器20の電力潮流制御を実施する
操作量は半導体スイッチ13のスイッチ開閉信号とな
る。
【0026】一方、電力系統10内の電力潮流および系
統情報は、前記制御器6の操作量算出手段1に取り込ま
れるが、先ず電力潮流の方から説明する。電力潮流P
は、制御器6の操作量算出手段1に入力され、ここで、
予め設定されている電力潮流指令値P1refと比較さ
れる。この操作量算出手段1は、電力潮流指令値P1r
efと取り込まれた電力潮流Pの偏差εを零に、すなわ
ち電力潮流を電力潮流指令値に一致させるのに必要な位
相調整器20の操作量1aを算出する。なお、電力潮流
指令値P1refと電力潮流Pの差を零にする制御とし
ては、周知の比例積分(PI)制御を用いて実現するこ
とができる。
【0027】また、前記系統情報は、系統情報入力手段
2に入力される。系統情報がしゃ断器の開閉状態の場
合、しゃ断器の場所と開閉状態を識別可能な系統情報と
する。例えばしゃ断器Aの開状態をA1、閉状態をA0
などとする。
【0028】この系統情報入力手段2の出力2aは、次
段の位相角変化算出手段3に入力される。この位相角変
化算出手段3は、図2に示した電力系統を例にすると、
予知している電力系統10内の各線路(線路1〜線路
4)のインピーダンスと系統情報入力手段2にて取り込
んだしゃ断器31の開閉状態情報とから、現在の系統情
報に対応する電力系統10内のループ部の線路1、線路
2、線路3、線路4のリアクタンスの和であるループリ
アクタンスX1を求め、次にこのループリアクタンスX
1と、このループ部を流れる予め設定されいる潮流Pと
の積から、位相調整器20の両端母線14-1、14-5間
の位相差θを例えば近似式(1)式で求める。 θ=X1×P (1)
【0029】一方、各線路1〜線路4のしゃ断器31の
開閉状態の変化によって、ループリアクタンスがX1か
らX2へと変化し、位相調整器20aの電力潮流指令値
がP1refからP2refになった場合、ループ部の電力潮
流はPからP+(P1ref−P2ref)に変化する。この
ため、この時の位相調整器20両端母線間の位相差θ2
は近似式(2)式で求まる。 θ2=X2×(P+(P1ref―P2ref)) (2)
【0030】次に(2)式で得られた系統状態変化後の
位相調整器20両端母線の位相差θ2と、予め位相角変
化算出手段3に記憶されている電力系統10の各線路の
インピーダンス、母線の電圧、母線の有効電力と無効電
力、発電機の有効電力等を用いて電力潮流計算を実施
し、電力潮流計算で得られる各母線14-1〜14-5の位
相角を求める。得られた各母線14-1〜14-5の位相角
から最大値を求め、これを最大母線位相角3aとして出
力し、次段の操作量変化速度決定手段4に入力する。
【0031】操作量変化速度決定手段4は、前記位相角
変化算出手段3から出力された系統状態変化後の最大母
線位相角3aと、予め記憶させてある系統状態変化前の
最大母線位相角(旧最大母線位相角)3aとを比較し、
系統状態変化前の最大母線位相角に比較して変化後の最
大母線位相角が大きい場合には、予め操作量変化速度決
定手段4で設定された最小の操作量変化速度信号4aを
出力し、系統状態変化前に比較して現時点の最大母線位
相角が小さい場合には、予め操作量変化速度決定手段4
で設定されている最大の操作量変化速度信号4aを出力
し、操作量出力手段5に送る。
【0032】操作量出力手段5では、前記操作量算出手
段1が出力した操作量1aと、操作量変化速度決定手段
4が出力した操作量変化速度信号4aとを入力し、操作
量算出手段1が出力した操作量1aを操作量変化速度信
号4aにより所定時間だけ遅らせて位相調整器20aに
対し操作量5aを出力する。
【0033】図3は前記操作量変化速度決定手段4の詳
細機能図を示す。図3において、41は前記位相角算出
手段3が出力する最新の最大母線位相角を入力し、これ
と所定時間前の最大母線位相角とを比較し、比較結果に
応じて予め定めてある操作量変化速度信号を出力する比
較手段である。この比較結果に応じた操作量変化速度信
号は、予め操作量変化速度決定手段4の図示しない記憶
部に設定しておくものとする。
【0034】また42は前記位相角算出手段3が出力す
る最新の最大母線位相角信号を所定時間(系統によって
も異なるが、数分から数十分程度)遅延させて出力する
記憶手段である。
【0035】次に、前記比較手段41の機能について説
明する。比較部411は前記位相角変化検出手段3から
出力された「最新の最大母線位相角」と、記憶手段42
から出力された所定時間前に算出されたいわば「旧最大
母線位相角」とを比較し、「最新の最大母線位相角」が
「旧最大母線位相角」以上(Yes)の場合、出力部41
2から「最小操作量変化速度信号」を出力しする。もし
「最新の最大母線位相角」が「旧最大母線位相角」未満
(No)の場合は出力部413から「最大操作量変化速度
信号」を出力する。
【0036】前記操作量出力手段5では、操作量変化速
度決定手段4から出力された操作量変化速度Tを時定数
とする1次遅れ要素(1/(1+Ts))により操作量
1aを遅らせて出力し、半導体スイッチ13に与える。
【0037】以上のように、本実施の形態によれば、系
統情報や電力潮流指令値が変化し、最大母線位相角が大
きくなる場合には最小操作量変化速度を時定数とする大
きな時定数の1次遅れ回路にて操作量を電力潮流制御装
置本体に与え、最大母線位相角が小さくなる場合には、
最大操作量変化速度を時定数とする小さな時定数の1次
遅れ回路にて操作量を電力潮流制御装置に与えることが
できるので、系統情報や電力潮流指令値の変化時に、変
化後の母線位相角が大きくなる場合には低速な電力潮流
制御を実施し、変化後の母線位相角が小さくなる場合に
は高速な電力潮流制御を実施できる。
【0038】したがって、電力潮流制御による過渡の母
線位相角を大きくすることなく、すなわち安定度を低下
させることなく電力潮流制御装置による電力潮流制御を
行なうことができる。
【0039】(第2の実施形態)図4は本発明の第2の
実施形態を示す構成図である。本実施の形態と前述した
第1の実施の形態との相違点は、潮流制御装置本体20
として、第1の実施形態が位相調整器を挙げたのに対
し、本実施形態はサイリスタ制御直列コンデンサを挙げ
た点にあり、制御器は本質的に変わらないので、以降、
位相調整器の場合との相違点を主とした説明とする。
【0040】本実施形態のサイリスタ制御直列コンデン
サ20は、固定直列コンデンサ16とこれに並列接続し
たリアクトル17および半導体スイッチ18の直列回路
とから構成される。サイリスタ制御直列コンデンサの操
作量は、半導体スイッチ18のON、OFF信号である。半
導体スイッチ18のON、OFF信号の制御により、電力系
統10から見たサイリスタ制御直列コンデンサのリアク
タンスを可変にすることができる。
【0041】サイリスタ制御直列コンデンサを潮流制御
装置本体20とした場合の操作量算出手段1、系統情報
入力手段2、操作量変化速度決定手段4、操作量出力手
段5は潮流制御装置本体を位相調整器の場合と同一であ
る。
【0042】位相角変化算出手段3では、予め記憶して
いる電力系統10内の各線路インピーダンスと系統情報
入力手段2にて取り込んだ電力系統内10のしゃ断器の
開閉状態から、図2に示す現在の系統情報に対応する電
力系統10内のループ部の線路1、線路2、線路3、線
路4のリアクタンスの和からなるループリアクタンスX
lを求め、このループリアクタンスX1と、ループ部を
流れる予め位相角変化算出手段3に設定した電力潮流P
との積と、サイリスタ制御直列コンデンサの電力潮流指
令値Prefとからサイリスタ制御直列コンデンサ20のリ
アクタンスXscを例えば近似式(3)式で求める。 Xsc×Pref=Xl×P (3)
【0043】また、線路しゃ断器の状態変化によって、
ループリアクタンスがX1からX2に変化し、サイリス
タ制御直列コンデンサ20の電力潮流指令値がP1ref
からP2refになった場合、ループ部の電力潮流は、P
からP+(P1ref−P2ref)に変化するので、(3)
式からこの時のサイリスタ制御直列コンデンサ20のリ
アクタンスXsc2は近似式(4)式で求まる。
【0044】 Xsc2×P2ref=X2×(P+(P1ref―P2ref) (4) 次に(4)式で得られた系統状態変化後のサイリスタ制
御直列コンデンサ20のリアクタンスXsc2と、予め位相
角変化算出手段3に記憶された電力系統10の各線路の
インピーダンス、母線の電圧、母線の有効電力と無効電
力、発電機の有効電力出力を用いて電力潮流計算を実施
し、電力潮流計算で得られる各母線の位相角を求める。
得られた各母線の位相角から最大値を求め、最大母線位
相角として、次段の操作量変化速度決定手段4へ出力す
る。
【0045】本実施の形態の構成によれば、電力系統1
0のしゃ断器の開閉を表わす系統情報をもとに、電力系
統10内の線路開放や投入時、電力潮流制御装置20の
電力潮流指令値Prefの変化時における、電力系統10
内の母線14-1、14-5の最大母線位相角の変化が算出
でき、最大母線位相角の変化に応じて電力潮流制御装置
20へ与える操作量の遅れ時間を可変とすることができ
る。
【0046】以上述べたように、本実施例では電力系統
10の系統情報の変化により、電力系統10内の母線1
4の位相角の最大値の変化に応じて、電力潮流制御装置
本体20による電力潮流制御応答時間を可変にできるの
で、電力系統10内の事故や線路開放直後の過渡状態で
母線14-1〜14-5の位相角を大きくすることなく安定
度を低下させずに電力潮流制御が可能となる効果を奏す
ることができる。
【0047】(第3の実施形態)図5は本発明の第3の
実施形態の主要部である位相角変化算出手段を示す図で
ある。本実施形態は既出の図3の操作量変化速度決定手
段4が最大操作量変化速度信号若しくは最小操作量変化
速度信号を出力するのに対して、本実施形態の場合、最
大むだ時間信号若しくは最小むだ時間信号を出力する点
で相違するが、その他は基本的に同じである。
【0048】位相角変化算出手段3が出力する「最大母
線位相角」を操作量変化速度決定手段4に入力すると、
比較手段411aは「最新の最大母線位相角」と、所定
時間前の「旧最大母線位相角」とを比較し、「最新の最
大母線位相角」が「旧最大母線位相角」以上であれば、
出力部412aから「最大むだ時間信号」を出力し、
「最新の最大母線位相角」が「旧最大母線位相角」未満
であれば、出力部413aから「最小むだ時間信号」を
出力する。
【0049】操作量出力手段5は、最大あるいは最小の
いずれかのむだ時間信号TLを入力し、図で示すよう
に、操作量1aをTLだけ遅らせて、図示していない制
御装置本体の半導体スイッチに出力する。
【0050】このように、本実施形態によれば、系統情
報や電力潮流指令値が変化し、最大母線位相角が大きく
なる場合には予め定めた最大むだ時間の後に、操作量5
aを電力潮流制御装置本体20へ与え、逆に最大母線位
相角が小さくなる場合には予め定めた最小むだ時間の後
に、操作量を電力潮流制御装置本体20へ与えることが
できるので、系統情報や電力潮流指令値の変化時に過渡
の母線位相角を大きくすることなく、すなわち安定度を
低下させることなく電力潮流制御装置による電力潮流制
御を行なうことができる。
【0051】(第4の実施形態)図6は本発明の第4の
実施形態の主要部である位相角変化算出手段を示す図で
ある。既出の図面中の要素と同一部分には同一符号を付
けて説明を省略する。本実施形態は、図3に示した操作
量変化速度決定手段4に新たに設定個所判定手段44を
設け、電力系統ないの指定したしゃ断器が開放された場
合、この設定個所判定手段44から操作量変化速度信号
切換指令を出力するようにしたものである。その他の構
成は図3の場合と変わらない。
【0052】次に本実施形態の作用を説明する。系統情
報入力手段2が出力する系統情報に、指定箇所判定手段
43に設定されるしゃ断器の開放がある場合には、記憶
手段42に記憶される最大操作量変化速度信号を、出力
部412の出力よりも優先して出力するようにしたもの
である。44は指定箇所判定手段43により最大操作量
変化速度信号を優先して出力するための切換手段であ
る。
【0053】このように、指定したしゃ断器の開放時に
は優先して最大操作量変化速度を時定数とする小さな時
定数で高速に操作量を出力できるので、系統情報や電力
潮流指令値の変化時に、変化後の母線位相角が大きくな
る場合には低速な電力潮流制御を行ない、変化後の母線
位相角が小さくなる場合には高速な電力潮流制御を行な
うので、過渡の母線位相角を大きくすることなく、すな
わち安定度を低下させることなく電力潮流制御器による
電力潮流制御を行なうことができる。図7はこの効果を
説明する図である。
【0054】図7(a)は電力潮流制御器20を線路2と
線路3の間に設置した状態の電力系統を示す。ここでは
電力潮流制御装置本体20として位相調整器を例にして
説明する。図7(b)は定常状態における母線A、B間
の位相差について母線Bを基準として描いたものであ
る。線路2と線路3間の不連続の部分が位相調整器によ
る移相量を表わしている。
【0055】図7(c)は線路1が1回線開放された場
合の母線A、B間の位相差を表している。なおこの時、
線路1、線路2、線路3とも位相調整器による電力潮流
制御で線路開放前と同一の電力潮流が通過しているとす
る。
【0056】この時、線路1が1回線開放され、線路1
のインピーダンスが大きくなるので、線路1の位相の傾
きは図7(b)の線路開放前に比べ大きくなり、その結
果母線A、B間の位相差は大きく変化している。この場
合、電力潮流制御装置本体20による潮流制御は低速で
行なうことで、過渡時の母線位相角を必要以上に大きく
しない。
【0057】次に線路2と線路3が1回線開放された場
合についての母線A、母線B間の位相差を図7(d)に
示す。この場合、線路2、線路3のインピーダンスが大
きくなるので、線路2、線路3の位相の傾きが大きくな
るが、線路2、3間の電力潮流制御装置本体20の位相
調整にて、線路開放前と同一の位相差となる。したがっ
てこの場合には電力潮流制御装置本体20の位相制御を
高速化することで過渡の母線位相角を大きくしない。こ
の例の様に一般的には電力潮流制御装置本体20に隣接
する線路の線路開放時には高速に電力潮流制御を行なう
ことで、過渡の母線位相角を小さくでき、過渡安定度を
向上させることができる。
【0058】このように本実施形態によれば、予め高速
な電力潮流制御が必要となることが分かる線路、しゃ断
器の開放時に、高速な電力潮流制御が可能となり、過渡
の位相角を大きくしないので、過渡安定度を低下させな
い電力潮流制御が可能となる効果がある。
【0059】(第5の実施の形態)図8は本発明の第5
の実施形態の主要部である位相角変化算出手段を示す図
である。本実施形態は、第3の実施形態の図5に対し、
指定箇所判定手段43および切換手段44を導入したも
のである。すなわち、指定箇所判定手段43が電力系統
中の指定個所のしゃ断器の開放情報を検出したら、切換
手段44を動作させて、最小むだ時間の出力部413a
を選択し、最小むだ時間信号TLを出力し、指定箇所判
定手段43が動作しない場合には、出力部412aを選
択し、最大むだ時間信号を出力するように動作する。
【0060】以上説明した第5の実施形態によれば、比
較部411aにて最大母線位相角と旧最大母線位相角の
比較結果に応じて、記憶装置に記憶された最小むだ時間
または最大むだ時間を出力できる。
【0061】これに加えて、系統情報入力手段2が出力
する系統情報に、指定箇所判定手段43に設定されるし
ゃ断器の開放がある場合には、出力部413aからの最
小むだ時間信号を、出力部412aの最大むだ時間信号
よりも優先して出力できる。
【0062】このように、予め高速な電力潮流制御が必
要となることが分かる線路、しゃ断器の開放時に、高速
な電力潮流制御が可能となり、過渡の位相角を大きくし
ないので過渡安定度を低下させずに電力潮流制御が可能
となる効果を奏することができる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、電力系統の状態変化に
より電力系統内の母線の位相最大値が大きくなり安定度
が低下するときには低速な電力潮流制御を実施して過渡
の母線位相角を大きくすることなくかつ、電力系統の状
態変化により電力系統内の母線の位相最大値が小さくな
り安定度が向上するときには母線の位相最大値が早急に
小さくなるように高速な電力潮流制御を行なうので、過
渡安定度を低下させない電力潮流制御装置を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す構成図。
【図2】第1の実施形態の説明に用いた電力系統図。
【図3】第1の実施形態の主要部である位相角変化算出
手段を示す図。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す構成図。
【図5】本発明の第3の実施形態の主要部である位相角
変化算出手段を示す図。
【図6】本発明の第4の実施形態の主要部である位相角
変化算出手段を示す図。
【図7】本発明の効果を説明するための図で、(a)は
電力系統図、(b)乃至(d)はA−B母線間の位相差
を示す図。
【図8】本発明の第5の実施形態の主要部である位相角
変化算出手段を示す図。
【図9】従来技術のスイッチドキャパシタの構成図。
【図10】従来技術のサイリスタ制御直列コンデンサの
構成図。
【図11】従来技術の位相調整器の構成図。
【図12】従来技術の電力潮流制御装置の制御系を示す
図。
【符号の説明】
1…操作量算出手段、2…系統情報入力手段、3…位相
角変化算出手段、4…操作量変化速度決定手段、5…操
作量出力手段、6…制御器、14…母線、20…電力潮
流制御装置、31…しゃ断器、41,42…記憶手段、
411…比較部、412,413…出力部、43…指定
個所判定手段、44…切換手段。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の送電部と受電部との間に直列
    に接続され、送電部と受電部との電力潮流を調整する電
    力潮流制御装置本体と、 前記電力系統で検出された電力潮流を電力潮流指令値に
    調整するために必要な操作量を算出し出力する操作量算
    出手段と、 前記電力系統の系統情報を取り込む系統情報入力手段
    と、 前記系統情報入力手段に取り込んだ前記系統情報に基づ
    いて前記電力系統の母線位相角変化を算出し出力する位
    相角変化算出手段と、 前記母線位相角変化に応じて前記操作量の操作量変化速
    度を決定し前記操作量変化速度信号を出力する操作量変
    化速度決定手段と、 前記操作量算出手段から出力された操作量を前記操作量
    変化速度信号により制御して前記電力潮流制御装置本体
    に対して操作量として出力する操作量出力手段とを備え
    たことを特徴とする電力潮流制御装置。
  2. 【請求項2】 前記操作量変化速度決定手段は、前記位
    相角変化算出手段から出力された最新の出力信号と所定
    時間前の出力信号とを比較して操作量変化速度を決定し
    出力することを特徴とする請求項1に記載の電力潮流制
    御装置。
  3. 【請求項3】 前記操作量変化速度決定手段は、前記位
    相角変化算出手段から出力された最新の出力信号と所定
    時間前の出力信号とを比較して操作量出力むだ時間を決
    定し出力することを特徴とする請求項1に記載の電力潮
    流制御装置。
  4. 【請求項4】 前記系統情報入力手段により取得した前
    記系統情報が、前記電力系統の予め指定した線路の線路
    開放を示す場合に、前記操作量変化速度決定手段は予め
    記憶されている最大操作量変化速度を操作量出力手段に
    出力することを特徴とする請求項2に記載の電力潮流制
    御装置。
  5. 【請求項5】 前記系統情報入力手段により取得した前
    記系統情報が、前記電力系統の予め指定した線路の線路
    開放を示す場合に、前記操作量変化速度決定手段は予め
    記憶されている操作量出力むだ時間のうち、最小操作量
    出力むだ時間を操作量出力手段に出力することを特徴と
    する請求項3に記載の電力潮流制御装置。
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