JP5029391B2 - ブルーム鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素鋼、合金鋼などを対象として、良好な内部品質を有するブルーム鋳片の連続造方法に関し、詳しくは、鋳造速度の制御精度を向上させることにより、鋳片の内部偏析性状を安定化させ、内部品質の良好なブルーム鋳片を製造できる連続鋳造方法に関する。
従来の炭素鋼、合金鋼などの連続鋳造方法では、連続鋳造鋳片を引き抜く際に使用する駆動ロールやタッチロールを用いてロール回転数を検知することによって鋳造速度を計測し、この鋳造速度が所定の範囲内となるように引き抜き速度を制御することにより、鋳片内部の偏析状況の制御を行っていた。しかし、上記のロールを用いた鋳造速度測定方式は、ロールを高温の鋳片表面に接触させる必要があることから、メンテナンス性が悪く、維持管理に工数がかかる。その他、ロールを用いた鋳造速度測定方式では、ロールの磨耗、ロールと鋳片との間の摩擦係数が低下した際や鋳片の引き抜き抵抗が増加した際に発生する駆動ロールのスリップ現象に起因する速度制御の誤差または変動などにより、内部偏析の安定的制御ができなくなるという問題があった。
連続鋳造による炭素鋼、合金鋼鋳片などの製造において、得られた鋼鋳片の品質は、凝固プロセスに大きく影響されるため、その製造管理基準は非常に厳しい。その中で、鋳造速度の管理は特に重要項目であり、鋳造速度の変動などが発生した場合には、鋳片内部に炭素(以下「C」とも記す)、マンガン(以下「Mn」とも記す)などの成分偏析帯が発生し、これらが問題となる。このように、内部に偏析帯の発生した鋳片は、熱間圧延によっても、鋳片の偏析帯が消失せず、ほぼそのままの偏析状態が製品にも残存し、これが原因となって製品の延性、靱性、強度などが劣化する。
炭素鋼、合金鋼などの鋳片における内部偏析は、連続鋳造機内での連続鋳造鋳片内における最終凝固位置近傍において溶質成分の濃化した溶鋼の流動に起因してC、Mnの濃化帯が生成されることによって発生する。
鋳片の内部偏析は、鋼中に含有されるCの質量含有率、Mnの質量含有率に大きく影響され、それぞれの質量含有率が大きいほど、内部偏析は発生しやすくなる。連続鋳造プロセスにおいては、鋳片は、鋳型を通過後、機内に設けられた鋳片駆動ロールにより引き抜かれる。このとき、駆動ロールと鋳片表面との間で駆動ロールのスリップ現象が発生すると、連続鋳造機内において鋳片移動速度の変動現象が発生する。この速度変動が発生すると、所定の管理範囲を超えた鋳造速度で連続鋳造を行うこととなり、目標管理範囲内の鋳造速度で速度制御を行った場合の連続鋳造鋳片の内部偏析性状に比較して明確な差異が発生する。
上記のとおり、連続鋳造における鋳造速度の制御方法としては、駆動ロールやタッチロールの回転数を検知し、これに基づいて鋳造速度を制御する方法(以下、「ロール式鋳造速度制御」とも記す)が一般的である。しかしながら、この方法では、ロールの磨耗や、鋳造条件の変化にともなうロール部での鋳片表面温度などの諸条件のバラツキの影響により、ロールと鋳片間とのスリップ現象に起因して鋳造速度に変動が発生する場合がある。このように鋳造速度に変動が発生すると、鋳造速度の変動に起因して内部偏析性状に変動が生じ、良好な内部偏析状況を確保することが困難になるといった問題があった。
特開2007−209995号公報(特許請求の範囲および段落[0013])
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、下記のとおりである。すなわち、第1の課題は、CCDカメラを使用して鋳片表面を撮影し、画像解析手法により、鋳片表面に酸化鉄(以下、「スケール」とも記す)が付着している部分と、スケールの付着していない表面部分との輝度のコントラストを利用して、単位時間におけるスケール付着部分の移動距離から鋳造速度を求め、安定した鋳造速度制御を可能とすることにある。これにより、ロールと鋳片との間のスリップに影響されるロール式鋳造速度制御方法の問題点を解消することができる。
また、第2の課題は、鋳片の圧下帯の直前にCCDカメラを設置し、その画像解析に基づいて鋳造速度制御を行うことにより鋳片未凝固部の均一な圧下を達成し、内部偏析性状の安定したブルーム鋳片の連続鋳造方法を提供することにある。ここで、上記のCCDカメラを活用した鋳造速度の制御を「非接触式鋳造速度制御」と称することとする。
本発明者らは、上述の課題を解決するために、従来の問題点を踏まえて、炭素鋼および合金鋼の連続鋳造工程における内部偏析性状の安定化方法について検討し、下記の知見を得て本発明を完成させた。
(a)ブルーム鋳片の内部偏析は、連続鋳造鋳片における最終凝固位置近傍での鋳造速度と凝固速度によって大きく影響され、鋳造速度の変動による影響がより支配的である。したがって、鋳片の内部品質を改善するには、CCDカメラによる撮影画像を解析し、鋳片表面のスケールの有無による輝度のコントラストからスケール付着部分の移動速度を計測して鋳造速度を求め、目標の鋳造速度との偏差を算出することにより、鋳片の鋳造速度を精度良く目標の鋳造速度に制御する方法が有効である。
(b)上記(a)に記載のCCDカメラを活用した鋳造速度の計測方法および計測結果に基づく鋳造速度の制御方法としては、特許文献1に開示された計測および制御方法を用いることができる。ただし、上記のCCDカメラを活用した鋳造速度の制御方法は、ブルーム鋳片表面のスケール付着量の変動による影響を受ける。したがって、鋳片周辺温度の変動および鋳造鋼種の変化にともなって、鋳片表面のスケール付着量の変動が生じる場合には、鋳造速度の安定した制御は困難となる。
(c)鋳片表面のスケール付着部分の移動速度の計測精度を確保し、精度の高い鋳造速度制御を可能とするには、CCDカメラによるブルーム鋳片表面の撮影位置における鋳片表面の温度は、1100℃以下とすることが好ましい。1100℃を超えて高くなると、鋳片からの輻射輝度が強すぎて撮影画面全体が明るくなりすぎ、スケール付着部分の移動速度を精度良く検知することが難しくなるからである。また、同鋳片表面の温度は、鋳片の内部偏析性状を安定化することが可能な中心固相率が0.50以下の領域に相当する温度範囲、すなわち900℃以上とすることが好ましい。
(d)CCDカメラによるブルーム鋳片移動速度の計測位置は、鋳片の二次冷却終了後であって、かつ、鋳片の中心固相率が0.05〜0.50に相当する位置とすることが好ましい。二次冷却帯内においては、鋳片移動速度を精度良く計測することが難しいからである。また、非接触方式により鋳造速度の計測制御を行う位置は、未凝固部の圧下を開始する部位であることが好ましく、中心固相率が0.05未満の領域で鋳造速度の測定を行っても、圧下による中心偏析の抑制効果が現れにくい。一方、中心固相率が0.50を超えて高い位置で鋳片移動速度を計測し鋳造速度を制御しても、鋳片の内部偏析を安定して制御することは難しい。
(e)ブルーム鋳片の未凝固部を圧下する際には、CCDカメラを、鋳片の二次冷却帯の終了後で、かつ未凝固部圧下の直前までの領域に配置することが好ましい。未凝固圧下を行うことにより内部偏析を安定的に制御するには、未凝固圧下による鋳片の伸びなどの変動要因を含まない圧下直前までの位置において鋳造速度を精度良く計測し、この計測値に基づいて制御することが好ましいからである。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)〜(3)に示すブルーム鋳片の連続鋳造方法にある。
(1)横断面積が1200〜1600cm2のブルーム鋳片を、鋳造速度が0.55〜0.85m/min、二次冷却水の比水量が0.15〜0.70リットル/kg−steelの範囲で鋳造するに際して、連続鋳造機内に配置したCCDカメラによる撮影位置におけるブルーム鋳片の表面温度を900〜1100℃としてブルーム鋳片の撮影画像を解析することにより、連続鋳造機内のブルーム鋳片の鋳造速度を測定し、目標の鋳造速度との偏差を求めることにより、鋳造中のブルーム鋳片の鋳造速度を目標の鋳造速度に制御することを特徴とするブルーム鋳片の連続鋳造方法。
(2)前記CCDカメラを、ブルーム鋳片の二次冷却終了後で、かつブルーム鋳片の中心固相率が0.05〜0.50に相当する領域に配置することを特徴とする前記(1)に記載のブルーム鋳片の連続鋳造方法。
(3)ブルーム鋳片の未凝固部を圧下する際に、前記CCDカメラを、ブルーム鋳片の二次冷却帯の終了後で、かつ未凝固部圧下の直前までの領域に配置することを特徴とする前記(1)または(2)に記載のブルーム鋳片の連続鋳造方法。
本発明において、「CCDカメラ」とは、荷電結合デバイスを用いたカメラをはじめとして、被写体の移動速度を求めるための解析用の画像を撮影できるカメラを総称していう。ここで、荷電結合デバイスとは、半導体基板表面の薄い絶縁膜上に近接して多数配列した転送電極配列からなり、転送電極の印加電圧により転送電極下に形成された電位の井戸を適宜制御して信号電荷を転送または蓄積するデバイスを指す。
また、「撮影画像の解析」とは、例えば、鋳片の表面に付着したスケールの移動量をピクセル単位で測定し、その移動量を所要時間で除すことにより移動速度を算出する手法を用い、鋳片の鋳造方向の線速度を算出する解析方法を意味する。
「中心固相率」とは、鋳片の横断面中心部において、固相と液相の総和に対して、固相の占める比率を意味する。
そして、「二次冷却」とは、鋳型の下方に位置するロール帯において鋳片表面に冷却水を噴射することにより鋳片を直接冷却することを意味する。
本発明の方法によれば、CCDカメラによる鋳片の撮影画像を解析することにより、連続鋳造機内の鋳片の鋳造速度を測定し、目標の鋳造速度との偏差を求めることにより、鋳造中のブルーム鋳片の鋳造速度を目標値に制御するので、ロール接触式鋳造速度制御において発生するロールの摩耗や、ロールと鋳片との間のスリップ現象に起因する鋳造速度の計測誤差に起因する制御の変動を防止し、鋳造速度の制御精度を向上させて、内部偏析性状の良好な炭素鋼および合金鋼のブルーム鋳片を鋳造することができる。
本発明は、ブルーム鋳片の横断面積、鋳造速度および二次冷却水の比水量を所定の範囲内として鋳片を鋳造するに際して、連続鋳造機内に配置したCCDカメラによるブルーム鋳片の撮影画像を解析することにより、連続鋳造機内のブルーム鋳片の鋳造速度を測定し、目標の鋳造速度との偏差を求めることにより、鋳造中のブルーム鋳片の鋳造速度を目標の鋳造速度に制御するブルーム鋳片の連続鋳造方法である。
図1は、本発明を実施するための連続鋳造装置の例を示す図である。取鍋1内からタンディッシュ2内に注入された溶鋼3は、さらに連続鋳造鋳型4内に注入され、上記鋳型4内にて冷却されて凝固シェルを形成しながら下部に引き抜かれ、さらに、鋳型4の下方に位置する二次冷却装置5から噴射される冷却水により二次冷却されて、連続鋳造鋳片6となる。鋳片の移動速度(鋳造速度)の測定は、符号7にて示す位置においてCCDカメラにより鋳片表面に付着したスケールを撮影し、その画像解析からスケールの移動速度を求めることにより行った。また、鋳片未凝固部の圧下は、符号8により示される領域の圧下ロール(サポートロール)のロール間隔を縮小させることにより実施した。
ブルーム鋳片6の鋳造速度の制御は、下記の方法により行った。すなわち、上記のようにして測定された鋳造速度と目標の鋳造速度との偏差を算出し、算出された偏差を時間について積分し、その積分値を目標の鋳造速度に加算した値を、駆動ロールの目標速度とすることにより、逐次、速度制御を実施した。
上記の目標鋳造速度の設定については、例えば、製品中心部のEPMA線分析法により得られた炭素濃度の偏析度、ブルーム鋳片のマルロ偏析などの内部品質評価において、良好な成績が得られたときの実績鋳造速度のデータをもとに、統計的処理を行って適正な鋳造速度を求め、これを設定するのが好ましい。以下に、本発明を前記のように規定した理由および好ましい態様について説明する。
1)鋳片横断面積の適正範囲
ブルーム鋳片の横断面積は、1200〜1600cm2の範囲とすることが適切である。上記鋳片の横断面積が1200cm2未満では、鋳片表面に付着しているスケールの輝度のコントラストが小さくなって、CCDカメラによるスケール位置の検出精度が低下するからである。一方、横断面積が1600cm2を超えて大きくなると、鋳片の熱容量の増大に起因して輻射輝度が高くなりすぎ、スケール付着部分の移動速度の検知精度が低下して、良質な中心偏析性状を得るための鋳造速度制御範囲内に制御できなくなるおそれがある。
2)鋳造速度の適正範囲
ブルーム鋳片の鋳造速度の適正範囲は、0.55〜0.85m/minである。鋳造速度が0.85m/minを超えて大きい場合には、鋳片の表面温度が高温になりすぎ、鋳片表面に付着したスケールの移動速度の検知精度が低下して、鋳造速度の制御精度が悪化するからである。一方、鋳造速度が0.55m/min未満になると、連続鋳造機内における鋳片の温度低下に起因して鋳片の引き抜き抵抗が増大し、安定した鋳造速度制御を達成することが困難となる。
3)二次冷却水比水量の適正範囲
鋳片の二次冷却の比水量は、0.15〜0.70リットル/kg−steelの範囲とすることが適切である。比水量が0.15リットル/kg−steel未満では、連続鋳造装置内での二次冷却水用配管自体の冷却としても作用する二次冷却水量が不足し、二次冷却配管に歪みが発生して、横断面積が1200〜1600cm2のビレット鋳片の正常な鋳造が困難となるからである。一方、比水量が0.70リットル/kg−steelを超えて高くなると、連続鋳造装置内における鋳片の矯正時に、鋳片表面温度が低下しすぎて、鋳片の表面割れが発生し、安定した鋳造を行うことが困難となる。
4)CCDカメラによる撮影位置における鋳片の表面温度
CCDカメラによる撮影位置における鋳片の表面温度は900〜1100℃とすることが好ましい。CCDカメラによる撮影位置における鋳片の表面温度が900℃未満では、この温度領域における中心固相率は0.50を超えて高い値となり、鋳片の内部品質を安定化することが可能な中心固相率の上限を逸脱するおそれがあるからである。一方、撮影位置における表面温度が1100℃を超えて高くなると、鋳片表面のスケール付着部分の輝度のコントラストが低下し、CCDカメラによるスケール付着部分の移動速度の検知精度が低下するおそれがある。
5)ブルーム鋳片移動速度の計測位置
CCDカメラによるブルーム鋳片移動速度の計測位置は、鋳片の二次冷却終了後であって、かつ、鋳片の中心固相率が0.05〜0.50に相当する位置とすることが好ましい。鋳片の二次冷却帯内においては、冷却水などの影響により、鋳片移動速度を精度良く計測することが難しい。また、鋳片の中心固相率が0.05未満に相当する位置で計測を行った場合には、計測位置が完全な未凝固状態に近いため、鋳片未凝固部の圧下を行ったとしても、鋳片の中心部に溶質成分の濃化した溶鋼が存在しないことから、中心偏析の抑制に良好な効果を及ぼしにくく、好ましくないからである。一方、中心固相率が0.50を超えて高い位置で計測し速度制御を行っても、上記4)にて述べたのと同様に、鋳片の内部偏析を安定して制御することは難しい。
6)鋳片の未凝固圧下を行う場合の鋳片移動速度の計測位置
鋳片の未凝固部を圧下する際には、CCDカメラを、鋳片の二次冷却帯の終了後で、かつ鋳片未凝固部の圧下直前までの領域に配置し、この領域における鋳片の移動速度を計測することが好ましい。未凝固圧下を行うことにより内部偏析を安定的に制御するには、未凝固圧下による鋳片の伸びなどによる移動速度の変動要因を含まない位置で移動速度を計測することが好ましく、したがって、圧下直前までの領域において鋳片の移動速度を精度良く計測し、これを制御することが好ましいからである。
本発明の連続鋳造鋳片の製造方法の効果を確認するため、下記に示す試験を行い、その結果を評価した。
1.実施例1
1)試験方法
図1に示される垂直曲げ型連続鋳造設備を用いて、下記の成分組成を有する炭素鋼および合金鋼による鋳造試験を行い、厚さ:300mm、幅:400mmのブルーム鋳片(鋳片の横断面積:1200cm2)を製造した。
1)炭素鋼:質量%にて、C:0.01〜0.99%、Si:0.10〜0.40%、Mn:0.20〜0.45%、P:0.030%以下、S:0.004〜0.025%、Al:0.060%以下、N:0.080%以下。
2)合金鋼:質量%にて、C:0.01〜0.99%、Si:0.10〜0.40%、Mn:0.30〜2.50%、P:0.030%以下、S:0.004〜0.080%、Cr:0.40〜1.70%、Mo:1.00%以下、Al:0.060%以下、N:0.030%以下。
鋳造速度は0.55〜0.85m/minとし、二次冷却水の比水量は0.15〜0.70リットル/kg−steelの範囲とした。また、鋳片サポートロールの鋳片厚さ方向の間隔を変化させ、そのロール間隔を鋳片の凝固収縮代にフィッティングさせた。
上記のようにして得られたブルーム鋳片を、110〜220mm角の角材または110〜220mmφの丸棒材に分塊圧延し、さらに、18〜120mm角もしくは18〜120mmφの棒鋼または5〜21mmφの線材製品に加工した。
2)試験結果
表1に試験条件および試験結果を示した。
Figure 0005029391
同表において、鋳造速度、二次冷却水の比水量、および鋳造速度測定位置での鋳片表面温度は、各チャージ毎の定常鋳造操業期間における平均値を表す。また、鋳造速度測定位置での鋳片中心固相率は、同様に、定常鋳造操業期間における操業諸元に基づいて伝熱解析により求めた鋳片内の温度分布から固相率分布を算出し、鋳造速度測定位置における中心固相率の時間平均値を採用した。
さらに、鋳造速度変動の標準偏差(σ)は、各チャージ毎の定常鋳造操業期間における速度変動の標準偏差を表す。そして、製品中心部の炭素濃度偏析比(C/Co)は、同様に、定常鋳造区間に相当する圧延後の製品部位における中心部の炭素含有率(C%)を同製品部位内の平均炭素含有率(Co%)により除して求めた。ここで、炭素含有率CおよびCoは、各チャージ当たり製品長手方向の2箇所を選定し、製品の横断面中心部および断面中心部以外の6箇所(中心部を通り、鋳造方向と直交する直線上の6箇所)について、EPMAによる線分析を行い、上記2箇所の測定値を平均することにより求めた。上記(C/Co)の値は1.0に近いほど内部偏析性状は良好であることを表す。
試験番号1〜4は、本発明で規定する要件を満足する本発明例についての試験である。また、試験番号5および6は、ロール式鋳造速度制御を行った比較例についての試験であり、試験番号7および8は、非接触式鋳造速度制御を行ったものの、鋳造速度が本発明で規定する適正範囲を外れた比較例についての試験である。
本発明例の試験番号1〜4は、請求項1で規定する本発明の要件を全て満足していることから、鋳造速度変動の標準偏差が0.004以下の高精度の鋳造速度制御が達成され、その結果、製品中心部の炭素濃度偏析比(C/Co)も1.05以下となって、良好な内部偏析性状が実現できた。
これに対して、ロール式鋳造速度制御を行った比較例の試験番号5および6では、鋳造速度の制御精度が低く、鋳造速度変動の標準偏差は0.010〜0.019と高い値となった。その結果、製品中心部の(C/Co)も1.096〜1.106と増大し、内部偏析性状は悪化した。
また、試験番号7は、非接触式鋳造速度制御を行ったものの、鋳造速度が本発明で規定する適正範囲未満であることから、鋳造速度測定位置での鋳片の中心固相率が0.5を超えて高くなり、表面温度も比較的低くなって、鋳造速度変動の標準偏差値は0.098と悪化した。また、試験番号8は、非接触式鋳造速度制御を行ったものの、鋳造速度が本発明で規定する適正範囲を超えて高いことから、鋳造速度測定位置での鋳片の表面温度が1100℃を超えて高くなり、鋳造速度変動の標準偏差値は0.146と極めて悪化した。製品中心部の偏析比の調査は特に行っていないものの、鋳造速度変動の標準偏差が大きいことから、製品中心部の炭素濃度偏析比(C/Co)は高い値となり、内部偏析性状も悪化していることが容易に推測できる。
2.実施例2
さらに、前記の試験番号1〜8と同様の試験条件において連続鋳造を行った各チャージ毎の操業データを整理し、下記の結果を得た。
図2は、非接触式鋳造速度制御およびロール式鋳造速度制御の各場合について、鋳造速度と製品中心炭素濃度偏析比(C/Co)との関係を示す図である。同図はC:0.80〜0.84質量%の炭素鋼についての結果を整理したものである。同図の結果より、少なくとも鋳造速度が0.695〜0.720m/minの範囲内において、非接触式鋳造速度制御を用いる本発明の方法を適用すれば、図中の○印で示されるように、製品中心部における炭素濃度偏析比(C/Co)が1.05以下の良好な内部偏析性状が得られることがわかる。
図3は、非接触式鋳造速度制御とロール式鋳造速度制御とについて、鋳造速度変動の標準偏差を比較して示す図である。同図において、本発明例における鋳造速度変動の標準偏差は、前記図2における本発明例(○印)の各チャージ毎の鋳造速度変動の標準偏差を本発明例全体について平均した値であり、また、比較例における鋳造速度変動の標準偏差は、前記図2における比較例(×印)の各チャージ毎の鋳造速度変動の標準偏差を比較例全体について平均した値である。
同図の結果によれば、非接触式鋳造速度制御を用いる本発明の方法を適用することにより、鋳造速度変動の標準偏差を、ロール式鋳造速度制御を用いた比較例の場合の標準偏差の1/3以下に低下させることができる。
本発明の方法によれば、CCDカメラによる鋳片の撮影画像を解析することにより、連続鋳造機内の鋳片の鋳造速度を測定し、目標の鋳造速度との偏差を求めることにより、鋳造中のブルーム鋳片の鋳造速度を目標値に制御するので、ロール接触方式の鋳造速度制御において発生するロールの摩耗や、ロールと鋳片との間のスリップ現象に起因する鋳造速度の変動を防止し、鋳造速度を安定に制御して、内部品質の良好な炭素鋼および合金鋼のブルーム鋳片を鋳造することができる。これにより、本発明の方法は、ロール接触方式による鋳造速度制御の問題点を解消するとともに、未凝固圧下を行う連続鋳造においても、鋳片未凝固部を均一に圧下し、内部偏析性状の安定したブルーム鋳片を得ることのできる連続鋳造方法として、広範に活用できる実用価値の高い発明である。
本発明を実施するための連続鋳造装置の例を示す図である。 非接触式鋳造速度制御およびロール式鋳造速度制御の各場合についての、鋳造速度と製品中心炭素濃度偏析比(C/Co)との関係を示す図である。 非接触式鋳造速度制御とロール式鋳造速度制御とについて、鋳造速度変動の標準偏差を比較して示す図である。
符号の説明
1:取鍋、 2:タンディッシュ、 3:溶鋼、 4:連続鋳造鋳型、
5:二次冷却装置、 6:連続鋳造鋳片(ブルーム鋳片)、 7:鋳片移動速度計測位置、
8:未凝固圧下帯

Claims (3)

  1. 横断面積が1200〜1600cm2のブルーム鋳片を、鋳造速度が0.55〜0.85m/min、二次冷却水の比水量が0.15〜0.70リットル/kg−steelの範囲で鋳造するに際して、
    連続鋳造機内に配置したCCDカメラによる撮影位置におけるブルーム鋳片の表面温度を900〜1100℃としてブルーム鋳片の撮影画像を解析することにより、連続鋳造機内のブルーム鋳片の鋳造速度を測定し、目標の鋳造速度との偏差を求めることにより、
    鋳造中のブルーム鋳片の鋳造速度を目標の鋳造速度に制御することを特徴とするブルーム鋳片の連続鋳造方法。
  2. 前記CCDカメラを、ブルーム鋳片の二次冷却終了後で、かつブルーム鋳片の中心固相率が0.05〜0.50に相当する領域に配置することを特徴とする請求項1に記載のブルーム鋳片の連続鋳造方法。
  3. ブルーム鋳片の未凝固部を圧下する際に、前記CCDカメラを、ブルーム鋳片の二次冷却帯の終了後で、かつ未凝固部圧下の直前までの領域に配置することを特徴とする請求項1または2に記載のブルーム鋳片の連続鋳造方法。
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