JP5028925B2 - 熱電材料およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱電材料およびその製造方法に関し、熱電効果を阻害する因子となる異相の出現を抑制して高い熱電特性を確保した熱電材料およびその製造方法に関する。
熱電材料は、2つの基本的な熱電効果であるゼーベック(Seebeck)効果及びペルチェ(Peltier)効果に基づき、熱エネルギと電気エネルギとの間の変換を行なうエネルギ材料である。
熱電材料を用いた熱電発電デバイスは、従来の発電技術に比べて、構造は簡単で、堅牢かつ耐久性が高く、可動部材は存在せず、マイクロ化が容易であり、メンテナンス不要で信頼性が高く、寿命が長く、騒音は発生せず、汚染も発生せず、低温の廃熱を利用可能であるといった多くの利点がある。
熱電材料を用いた熱電冷却デバイスも、従来の圧縮冷却技術に比べて、フロン不要で汚染は発生せず、小型化は容易で、可動部材は存在せず、騒音も発生しないなどの利点がある。
そのため、特に近年のエネルギ問題や環境問題の重大化に伴い、航空・宇宙、国防建設、地質及び気象観測、医療衛生、マイクロ電子などの領域や石油化工、冶金、電力工業における廃熱利用方面などの広範な用途への実用化が期待されている。
熱電材料の性能を評価する指数として、パワーファクターP=S2σおよび無次元性能指数ZT=(S2σ/κ)Tが用いられている。ここで、S:ゼーベック係数、σ:導電率、κ:熱伝導率である。すなわち、良好な熱電特性を得るには、ゼーベック係数Sおよび導電率σが高く、熱伝導率κが低いことが必要である。
これらの要求を満たす熱電材料の一つとして、特許文献1にハーフホイスラー系合金であるNbCo(Sn1−pSb)〔ただし、0≦p≦0.02〕が提案されている。
しかし上記ハーフホイスラー系合金は、熱電効果を阻害する因子となるNbSnなどの異相が生成し易いためNbCo(Sn1−pSb)ハーフホイスラー相による本来の優れた熱電効果が得られないという問題があった。また、NbCo(Sn1−pSb)には、毒性が懸念されるSbを含むという問題もあった。
WO 2004/095594
本発明は、熱電効果を劣化させる因子として働く異相の生成を抑制して、ハーフホイスラー合金本来の優れた熱電特性を最大限に発揮する熱電材料およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の熱電材料は、12vol%未満のNbCoSn相を含み、残部が実質的にNbCoSn相の単相から成ることを特徴とする。
また、第1発明の熱電材料の製造方法は、組成式NbCoSnにおいて1.00<X<1.10となるように原料を配合することを特徴とする。
熱電材料の組成をハーフホイスラー相であるNbCoSnに100%一致させず、フルホイスラー相NbCoSnが12vol%未満の量で共存する組成にしたことにより、熱電効果の無い異相の生成が抑制されて高い熱電特性が得られる。
本発明者は、公称合金組成(仕込み組成)をハーフホイスラーの化学量論組成であるNbCoSnからCoリッチ側に若干シフトさせ、好ましくは浮遊帯域溶融法により一方向凝固させるとNbSnやNbCoなどの異相生成が抑制されて、実質的にハーフホイスラーCoNbSn単相とすることができるため、ハーフホイスラー相本来の優れた熱電特性が最大限発揮できることを新規に見出して本発明を完成させた。この組成シフトは、Nb頂点、Co頂点、Sn頂点を持つ3角形で表示されるNb−Co−Sn3元状態図において、3角形のNb−Sn辺からCo頂点の方へ離れる方向のシフトであり、それによりNbSnやNbSnというNb−Sn2元系金属間化合物の生成が抑制される。
NbCo1.05SnおよびNbCo1.1Snという組成では、ハーフホイスラー相NbCoSnの実質的に単相、またはフルホイスラー相NbCoSnが12vol%未満の量で存在する組成範囲であり、第3相としてNbCoが共存するとしても体積率は極めて小さい(1vol%未満)ため、熱電特性に悪影響を及ぼすことはない。
ただし必要に応じて、CoNb等のCo−Nb系およびCoSn等のCo−Sn系の金属間化合物とフルホイスラー相NbCoSnとの合計量が12vol%未満となるように組成管理することが望ましい。
本発明の熱電材料の製造方法においては、製造された熱電材料が規定範囲内の相構成となるように、Nb原料、Co原料、Sn原料を規定範囲内の比率で配合する。一つの典型的な製造方法においては、上記のように配合した原料混合物を不活性ガス流下でアーク溶解および鋳造して棒状のインゴットを得る。この棒状インゴットを素材として光学式浮遊帯域溶融法(OFZ)により一方向凝固を行い、最終的な熱電材料を得る。ただし、本発明の製造方法はこれに限定する必要はなく、熱電材料の構成元素の原料配合を本発明の規定範囲内で行なえば、他の適した方法を用いてもよいことは勿論である。
本発明により熱電材料を製造した。
原料配合は組成式NbCoSnにおいて、X=1.00、1.05、1.10の3水準とした。
上記のように配合した原料混合物をArガス流下で、アーク溶解および鋳造して、棒状試料を得た。
上記の棒状試料をOFZ装置内にセットし、Arガス流下において一方向凝固を行なって熱電材料サンプルを得た。試料回転数30rpm、凝固速度5mm/hであった。
得られた各サンプルについて、ミクロ組織観察および熱電特性の評価を行なった。
図1に各サンプルの走査型電子顕微鏡の背面反射電子像を示し、表1に各サンプルの相構成を示す。
Co=1.00としたサンプルAは、ハーフホイスラー相(NbCoSn)の母相(図1Aの薄いグレーの部分)に加えて、異相としてNbSn相(図1Aの白色部分)が1.5vol%とNbCo相(図1Aの濃いグレーの部分)が6.8vol%、それぞれ生成していた。
Co=1.05のCoリッチ組成としたサンプルBは、母相であるハーフホイスラー相(NbCoSn)の体積分率が3つのサンプルのうちで最も高く、フルホイスラー相(NbCoSn)が0.9vol%生成していた。異相であるNbSn相、NbCo相は観察されなかった。
Co=1.10と更にCoリッチ組成としたサンプルCは、母相であるハーフホイスラー相(NbCoSn)の体積分率が3つのサンプルのうちで最も低く、フルホイスラー相(NbCoSn)が12.0vol%生成していた。異相であるNbSn相、NbCo相は観察されなかった。
図2〜6に、各サンプルについて、ゼーベック係数S、比抵抗ρ、パワーファクターSρ―1、熱伝導率κ、無次元性能指数ZTの温度依存性を順次示す。
熱電特性が最も優れているのは、配合組成においてCo配合量X=1.05でありフルホイスラー相(NbCoSn)が0.9vol%(すなわち12vol%未満)のサンプルBであった。
配合組成においてCo配合量X=1.00でありNbSn相およびNbCo相が生成したサンプルAは、熱電特性が低い。
配合組成においてCo配合量X=1.10でありフルホイスラー相(NbCoSn)が12vol%生成しているサンプルCは熱電特性が低く、Co配合量Xの最適値が1.00〜1.10の間にあることを示唆している。
本発明によれば、熱電効果の無い異相の生成を抑制して、ハーフホイスラー合金本来の優れた熱電特性を最大限に発揮する熱電材料およびその製造方法が提供される。
Co配合量(X)=1.00、1.05、1.10として製造した熱電材料サンプルA、B、Cのミクロ組織を示す走査電子顕微鏡写真である。 熱電材料サンプルA、B、Cについてゼーベック係数Sの温度依存性を示すグラフである。 熱電材料サンプルA、B、Cについて比抵抗ρの温度依存性を示すグラフである。 熱電材料サンプルA、B、CについてパワーファクターSρ−1の温度依存性を示すグラフである。 熱電材料サンプルA、B、Cについて熱伝導率κSの温度依存性を示すグラフである。 熱電材料サンプルA、B、Cについて無次元性能指数ZTの温度依存性を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 組成式NbCo Snにおいて1.00<X<1.10である組成を有し、12vol%未満のNbCoSn相を含み、残部が実質的にNbCoSn相の単相から成ることを特徴とする熱電材料。
  2. 請求項1記載の熱電材料の製造方法であって、上記規定した組成式にしたがって原料を配合することを特徴とする熱電材料の製造方法。
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