JP5028289B2 - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解コンデンサ及びその製造方法に関するものである。
陽極にタンタルやニオブを用いた固体電解コンデンサは、静電容量が大きいこと、及びESR(等価直列抵抗)が小さいことから、近年、パーソナルコンピュータ(PC)やゲーム機器などの電源として広く使用されている。
しかしながら、アルミニウム電解コンデンサに比較して、耐電圧が低いことから、車載用への使用が問題視されている。一般に耐電圧が低いのは、陽極酸化の際に誘電体酸化皮膜中に生成する欠陥(結晶性を有する酸化物)のためであるといわれている。
特許文献1及び特許文献2においては、漏れ電流を抑制するため、陽極として、アンチモンを含有したニオブ粉末やニオブ−バナジウム合金を用いることが提案されている。
しかしながら、このような技術を用いても耐電圧を十分に改善することができない。
特開2002−25864号公報 特表2003−535981号公報
本発明の目的は、耐電圧特性を高めることができる固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供することにある。
本発明の固体電解コンデンサは、陽極と、陽極の表面上に形成された誘電体層と、誘電体層の上に形成された陰極とを備える固体電解コンデンサであって、弁作用金属、弁作用金属の合金、弁作用金属の金属酸化物、及び弁作用金属の金属窒化物から選ばれる少なくとも1種からなる第1粉末と、第1粉末以外の金属酸化物からなる第2粉末とを混合した粉末を焼結して得られる多孔質焼結体から陽極が形成されていることを特徴としている。
本発明に従い、上記第1粉末と上記第2粉末とを混合した粉末を焼結して得られる多孔質焼結体を、陽極として用いることにより、耐電圧特性に優れた固体電解コンデンサとすることができる。耐電圧特性が向上する理由の詳細については明らかでないが、本発明に従い、第2粉末を添加して焼結した多孔質焼結体を、陽極として用いることにより、陽極の表面上に誘電体層を形成する際、誘電体層における欠陥の生成が抑制されるためであると考えられる。
また、第2粉末の融点は、第1粉末の融点よりも低いことを特徴としている。第2粉末の融点としては、2000℃以下が好ましく、さらに好ましくは1200℃以下であり、さらに好ましくは800℃以下である。融点の下限値は特に限定されるものではない。
本発明において用いる第1の粉末は、弁作用金属、弁作用金属の合金、弁作用金属の金属酸化物及び弁作用金属の金属窒化物から選ばれる少なくとも1種であれば、特に限定されるものではないが、好ましい第1粉末としては、タンタル、ニオブ、チタン、タンタル合金、ニオブ合金、窒化タンタル、窒化ニオブ、及び酸化ニオブから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの粉末を用いることにより、耐電圧特性がより優れた固体電解コンデンサを得ることができる。
本発明において用いる第2粉末は、上記第1粉末以外の金属酸化物であれば特に限定されるものではないが、好ましい第2粉末として、酸化バナジウム、酸化アンチモン、酸化ガリウム、及び酸化ゲルマニウムから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの粉末を用いることにより、耐電圧特性がより優れた固体電解コンデンサを得ることができる。
本発明の固体電解コンデンサは、陽極と、陽極の表面上に形成された誘電体層と、誘電体層の上に形成された陰極とを備える固体電解コンデンサであって、タンタル、ニオブ、チタン、タンタル合金、ニオブ合金、窒化タンタル、窒化ニオブ、及び酸化ニオブから選ばれる少なくとも1種からなる第1粉末と、酸化アンチモン、酸化ガリウム、及び酸化ゲルマニウムから選ばれる少なくとも1種からなる第2粉末とを混合した粉末を焼結して得られる多孔質焼結体から陽極が形成されていることを特徴としている。
本発明において、第2粉末は、第1粉末と第2粉末の合計量に対して、1ppm以上1000ppm未満となるように陽極中に含有されていることが好ましい。第2粉末の含有量がこの範囲以外では、誘電体層中の欠陥を抑制する効果が十分に得られず、耐電圧特性を十分に向上させることができない場合がある。さらに好ましい第2粉末の含有量は、第1の粉末と第2の粉末の合計量に対して20ppm以上500ppm未満である。
本発明の他の局面に従う固体電解コンデンサは、陽極と、陽極の表面上に形成された誘電体層と、誘電体層の上に形成された陰極とを備える固体電解コンデンサであって、弁作用金属、弁作用金属の合金、弁作用金属の金属酸化物、及び弁作用金属の金属窒化物から選ばれる少なくとも1種からなる第1の材料の表面上に、第1の材料以外の金属酸化物からなる第2の材料が付着して存在する多孔質焼結体から陽極が形成されていることを特徴としている。
上記第1の材料の表面上に、上記第2の材料が付着して存在する多孔質焼結体を、陽極として用いることにより、上記と同様に、誘電体層を形成する際の欠陥の生成を抑制することができ、耐電圧特性に優れた固体電解コンデンサとすることができる。
第1の材料の表面上に、第2の材料が付着して存在する多孔質焼結体は、上記のように、第1粉末と第2粉末とを混合した粉末を焼結して得ることができる。
第1の材料として、上記第1粉末と同様のものが挙げられる。また、第2の材料としては、上記第2粉末と同様のものが挙げられる。
本発明の製造方法は、上記本発明の固体電解コンデンサを製造することができる方法であり、弁作用金属、弁作用金属の合金、弁作用金属の金属酸化物、及び弁作用金属の金属窒化物から選ばれる少なくとも1種からなる第1の粉末と、第1粉末以外の金属酸化物からなる第2粉末とを混合して混合粉末を調製する工程と、混合粉末を焼結して陽極を作製する工程と、陽極の表面上に誘電体層を形成する工程と、誘電体層の上に陰極を形成する工程とを備えることを特徴としている。
本発明の製造方法によれば、耐電圧特性に優れた固体電解コンデンサを製造することができる。
本発明の製造方法において、混合粉末を焼結する温度は、1150℃以上1500℃未満であることが好ましく、さらに好ましくは、1150℃以上1450℃以下である。焼結温度がこの範囲以外では、耐電圧特性を向上させることができるという本発明の効果が十分に得られない場合がある。
本発明によれば、耐電圧特性を高めることができる。
また、本発明の製造方法によれば、耐電圧特性の高い固体電解コンデンサを製造することができる。
以下、本発明を実施形態に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
図1は、本発明の一実施形態に従う固体電解コンデンサを示す模式的断面図である。図1に示すように、陽極1には、陽極リード10が埋設されている。陽極1は、第1粉末と第2粉末の混合粉末から形成されており、この混合粉末に、陽極リード10を埋設させた状態でプレス成型し、これを焼結することにより、陽極リード10が埋設された陽極1が作製されている。従って、陽極1は、第1粉末と第2粉末の混合粉末を焼結して得られる多孔質焼結体から形成されている。
陽極1の表面上には、誘電体層2が形成されている。誘電体層2は、陽極1の表面を陽極酸化することにより形成することができる。陽極1は、上述のように多孔質焼結体であるので、陽極1の内部の表面上にも誘電体層2が形成されている。
誘電体層2の上には、導電性高分子層3が形成されている。導電性高分子層3も、陽極1の内部に形成されている。導電性高分子層3は、電解重合等により形成することができる。導電性高分子層3は、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子から形成することができる。
陽極1の外周面の導電性高分子層3の上には、カーボン層4及び銀ペースト層5がこの順序で形成されている。カーボン層4は、カーボンペーストを塗布した後、乾燥することにより形成することができる。銀ペースト層5は、銀粒子、結着剤、及び有機溶剤が混合された銀ペーストを塗布した後、乾燥させることにより形成することができる。
銀ペースト層5には、導電性接着剤層6を介して陰極端子8が接続されている。陽極リード10には、陽極端子7が接続されている。陽極端子7及び陰極端子8の端部が、外部に引き出されるようにモールド外装樹脂9が形成されている。
本実施形態の陽極1は、第1粉末及び第2粉末の混合粉末を焼結して得られるものであり、高い耐電圧特性を示すものである。
以下、本発明を具体的な実施例により説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
(実施例1)
〔ステップ1〕
平均粒径2μmのニオブ粉末0.9998gに、平均粒径1μmの酸化バナジウム(V)粉末を2×10−4g添加し、均一に混合して、混合粉末を調製した。この混合粉末に、ニオブからなるリード線を埋め込んだ状態でプレス成型し、成型ペレットを作製した。この成型ペレットを真空中(3×10−5Torr)で、1300℃20分間加熱して焼結させ、多孔質焼結体を作製した。この多孔質焼結体は、後述するように、ニオブからなる多孔質焼結体の表面に、酸化バナジウムが付着して存在する焼結体であった。
〔ステップ2〕
上記のステップ1で作製した焼結体を陽極として用い、この陽極を約60℃の0.1重量%のリン酸溶液中で、約20Vの定電圧で約10時間陽極酸化して、陽極の表面に誘電体層を形成した。
次に、電解重合等により導電性高分子であるポリピロール層を誘電体層の表面上に形成し、導電性高分子層とした。
導電性高分子層を形成した陽極の表面に、カーボンペーストを塗布して乾燥し、カーボン層を形成した。次に、カーボン層の上に、銀ペーストを塗布し乾燥し、銀ペースト層を形成した。
次に、陰極端子を導電性接着剤層を介して銀ペースト層に接続すると共に、陽極端子を抵抗溶接により陽極リードに接続した。
次に、エポキシ樹脂からなる外装樹脂を被覆してモールド外装樹脂を形成し、コンデンサA1を作製した。
〔酸化バナジウムの分析〕
ステップ1で作製したニオブ焼結体の断面を、エレクトロンプローブマイクロアナライザー(EPMA)で分析した。その結果、焼結体は、ニオブにより形成されており、ニオブの表面上に、酸化バナジウムが付着して存在していることが確認された。
また、第2粉末を構成する金属酸化物の含有量を測定するため、ステップ1において作製したニオブ焼結体をフッ酸溶液に溶解させ、これを高周波プラズマ分光分析(ICP)で定量分析した。その結果、酸化バナジウムは、ニオブと酸化バナジウムの合計量に対して、200ppm含有されていた。
(実施例2)
ニオブ粉末を用いる代わりに、平均粒径が約2μmのニオブ−アルミニウム合金(アルミニウム含有量約0.5重量%)粉末を用いる以外は、実施例1と同様にして、陽極を作製し、この陽極を用いてコンデンサA2を作製した。
酸化バナジウムは、実施例1と同様に表面上に付着して存在しており、その含有量は、第1粉末と第2粉末の合計量に対して200ppmであった。
(実施例3)
ニオブ粉末を用いる代わりに、平均粒径が約2μmの窒化ニオブ(窒素含有量約500ppm)粉末を用いる以外は、実施例1と同様にして、陽極を作製し、この陽極を用いてコンデンサA3を作製した。
酸化バナジウムは、実施例1と同様に表面上に付着して存在しており、その含有量は、第1粉末と第2粉末の合計量に対して200ppmであった。
(実施例4)
ニオブ粉末を用いる代わりに、平均粒径が約2μmのタンタル粉末を用いる以外は、実施例1と同様にして、陽極を作製し、この陽極を用いてコンデンサA4を作製した。
酸化バナジウムは、実施例1と同様に表面上に付着して存在しており、その含有量は、第1粉末と第2粉末の合計量に対して200ppmであった。
(実施例5)
ニオブ粉末を用いる代わりに、平均粒径が約2μmのタンタル−アルミニウム合金(アルミニウム含有量約0.5重量%)粉末を用いる以外は、実施例1と同様にして、陽極を作製し、この陽極を用いてコンデンサA5を作製した。
酸化バナジウムは、実施例1と同様に表面上に付着して存在しており、その含有量は、第1粉末と第2粉末の合計量に対して200ppmであった。
(実施例6)
ニオブ粉末を用いる代わりに、平均粒径が約2μmの窒化タンタル(窒素含有量約500ppm)粉末を用いる以外は、実施例1と同様にして、陽極を作製し、この陽極を用いてコンデンサA6を作製した。
酸化バナジウムは、実施例1と同様に表面上に付着して存在しており、その含有量は、第1粉末と第2粉末の合計量に対して200ppmであった。
(実施例7)
ニオブ粉末を用いる代わりに、平均粒径が約2μmの酸化ニオブ粉末を用いる以外は、実施例1と同様にして、陽極を作製し、この陽極を用いてコンデンサA7を作製した。
酸化バナジウムは、実施例1と同様に表面上に付着して存在しており、その含有量は、第1粉末と第2粉末の合計量に対して200ppmであった。
(実施例8)
ニオブ粉末を用いる代わりに、平均粒径が約2μmのチタン粉末を用いる以外は、実施例1と同様にして、陽極を作製し、この陽極を用いてコンデンサA8を作製した。
酸化バナジウムは、実施例1と同様に表面上に付着して存在しており、その含有量は、第1粉末と第2粉末の合計量に対して200ppmであった。
(比較例1)
実施例1のステップ1において、酸化バナジウム(V)粉末を添加せずに、陽極を作製し、この陽極を用いて実施例1と同様にしてコンデンサX1を作製した。
(比較例2)
実施例4において、酸化バナジウム(V)粉末を添加せずに、陽極を作製し、この陽極を用いて実施例4と同様にしてコンデンサX2を作製した。
(比較例3)
実施例7において、酸化バナジウム(V)粉末を添加せずに、陽極を作製し、この陽極を用いて実施例7と同様にしてコンデンサX3を作製した。
(比較例4)
実施例6において、酸化バナジウム(V)粉末を添加せずに、陽極を作製し、この陽極を用いて実施例6と同様にしてコンデンサX4を作製した。
(比較例5)
実施例8において、酸化バナジウム(V)粉末を添加せずに、陽極を作製し、この陽極を用いて実施例8と同様にしてコンデンサX5を作製した。
(比較例6)
実施例1のステップ1において、酸化バナジウム(V)粉末の代わりに、平均粒径約1μmのアンチモン粉末を用いて陽極を作製し、この陽極を用いて実施例1と同様にしてコンデンサX6を作製した。
(比較例7)
実施例1のステップ1において、ニオブ粉末及び酸化バナジウム(V)粉末を用いる代わりに、平均粒径約2μmのニオブ−バナジウム合金(バナジウム含有量約200ppm)粉末を用いて陽極を作製し、この陽極を用いて実施例1と同様にしてコンデンサX7を作製した。
〔耐電圧の測定〕
上記の各実施例及び各比較例のコンデンサについて、印加する電圧を変化させて、漏れ電流を測定することにより、耐電圧を測定した。
漏れ電流は、固体電解コンデンサに、2.5Vから0.5Vずつ電圧を上昇させて電圧を印加し、所定の電圧を印加したときの20秒後の電流値を測定した。
印加電圧2.5Vのときの漏れ電流の値の5倍の漏れ電流を与える印加電圧を、耐電圧とした。
測定結果を表1に示す。
なお、表1には、第2粉末の含有量、第2粉末の融点、陽極を作製する際の焼結温度を併せて示す。
Figure 0005028289
表1に示すように、本発明に従い、第1粉末と第2粉末の混合物を焼結することにより得られる陽極を用いたコンデンサA1〜A7は、比較のコンデンサX1〜X4に比べ、高い耐電圧を示すことがわかる。また、第1粉末にチタンを用いたコンデンサA8は、誘電体である酸化チタンの耐電圧がもともと低いため、コンデンサA1〜A7に比べ耐電圧が低くなっているが、弁作用金属としてチタンを用いた比較のコンデンサX5に比べ高い耐電圧が得られている。
比較のコンデンサX6は、ニオブにアンチモンを添加して焼結した陽極を用いており、比較のコンデンサX7は、ニオブ−バナジウム合金からなる陽極を用いているが、耐電圧が改善されていないことがわかる。
(実施例9〜16)
ここでは、第2粉末の種類について検討した。
実施例1のステップ1において、酸化バナジウム(V)粉末に代えて、平均粒径約1μmの酸化アンチモン(III)粉末、平均粒径約1μmの酸化ガリウム(III)粉末、平均粒径約1μmの酸化ゲルマニウム(IV)粉末、及び平均粒径約1μmの酸化ニッケル粉末を用いて陽極を作製し、得られた陽極を用いて実施例1と同様にしてコンデンサB1〜B4を作製した。
また、実施例1のステップ1において、酸化バナジウム(V)粉末に代えて、酸化アンチモン(III)粉末1×10−4gと、酸化バナジウム(V)粉末1×10−4gを用いる以外は、実施例1と同様にして陽極を作製し、得られた陽極を用いてコンデンサB5を作製した。
また、実施例2において、酸化バナジウム(V)粉末の代わりに、平均粒径約1μmの酸化アンチモン(III)粉末を用いる以外は、実施例2と同様にして陽極を作製し、得られた陽極を用いてコンデンサB6を作製した。
また、実施例3において、酸化バナジウム(V)粉末の代わりに、平均粒径約1μmの酸化アンチモン(III)を用いる以外は、実施例3と同様にして陽極を作製し、得られた陽極を用いてコンデンサB7を作製した。
また、実施例4において、酸化バナジウム(V)粉末の代わりに、平均粒径約1μmの酸化ゲルマニウム(IV)を用いる以外は、実施例4と同様にして陽極を作製し、得られた陽極を用いてコンデンサB8を作製した。
第2粉末の含有量は、上記と同様にして測定した。
コンデンサB1〜B8について、上記と同様に耐電圧を測定し、測定結果を表2に示した。
Figure 0005028289
表2に示す結果から明らかなように、第2粉末として、酸化アンチモン(III)、酸化ガリウム(III)、酸化ゲルマニウム(IV)、及び酸化ニッケル(II)を用いた場合にも、高い耐電圧特性が得られることがわかる。特に、酸化アンチモン、酸化ガリウム、及び酸化ゲルマニウムを用いた場合に高い耐電圧が得られている。
(実施例17〜29)
ここでは、第2粉末の含有量と、漏れ電流の関係について検討した。
実施例1のステップ1において、ニオブ粉末と、酸化バナジウム粉末を、以下の割合で混合した。
各実施例におけるニオブ粉末:酸化物バナジウム粉末
実施例17:0.9999995g :5×10−7
実施例18:0.99999925g:7.5×10−7
実施例19:0.999999g :1×10−6
実施例20:0.999995g :5×10−6
実施例21:0.99999g :1×10−5
実施例22:0.99998g :2×10−5
実施例23:0.99995g :5×10−5
実施例24:0.9999g :1×10−4
実施例25:0.9996g :4×10−4
実施例26:0.9995g :5×10−4
実施例27:0.9991g :9×10−4
実施例28:0.999g :1×10−3
実施例29:0.9988g :1.2×10−3
上記のようにして作製した陽極中における酸化バナジウムの含有量を、上記と同様にして測定した。各実施例における酸化バナジウムの含有量は、以下の通りである。
実施例17:0.5ppm
実施例18:0.75ppm
実施例19:1ppm
実施例20:5ppm
実施例21:10ppm
実施例22:20ppm
実施例23:50ppm
実施例24:100ppm
実施例25:400ppm
実施例26:500ppm
実施例27:900ppm
実施例28:1000ppm
実施例29:1200ppm
以上のようにして作製した陽極を用いる以外は、実施例1と同様にして、コンデンサC1〜C13を作製した。各コンデンサについて、上記と同様にして、コンデンサの耐電圧を測定した。測定結果を表3に示す。
なお、表3には、コンデンサA1の値を併せて示す。
Figure 0005028289
表3に示す結果から明らかなように、ニオブと酸化バナジウムとの合計量に対する酸化バナジウムの含有量が、1ppm以上1000ppm未満であるコンデンサC3〜C11及びコンデンサA1において、特に良好な耐電圧が得られている。これらの中でも、酸化バナジウムの含有量が20ppm以上500ppm未満であるコンデンサC6〜C9及びコンデンサA1において、著しく耐電圧が上昇していることがわかる。
(実施例30〜35)
ここでは、陽極を焼結して作製する際の焼結温度と、耐電圧との関係について検討した。
実施例1のステップ1において、成型ペレットを真空中(3×10−5Torr)1300℃で焼結させることに代えて、焼結温度を1100℃、1150℃、1200℃、1450℃、1500℃、1550℃で焼結させ、焼結体を作製した。この焼結体を陽極として用いる以外は、実施例1と同様にして、コンデンサD1〜D6を作製した。
得られたコンデンサD1〜D6について、上記と同様にして、耐電圧を測定した。測定結果を表4に示す。
なお、表4には、コンデンサA1の値も併せて示す。
Figure 0005028289
表4に示す結果から明らかなように、陽極作製時の焼結温度を、1150℃以上1500℃未満とすることにより、特に高い耐電圧が得られることがわかる。焼結温度は、さらに好ましくは、1150℃以上1450℃以下である。
本発明の一実施形態に従う固体電解コンデンサを示す模式的断面図。
符号の説明
1…陽極
2…誘電体層
3…導電性高分子層
4…カーボン層
5…銀ペースト層
6…導電性接着剤層
7…陽極端子
8…陰極端子
9…モールド外装樹脂
10…陽極リード

Claims (12)

  1. 陽極と、前記陽極の表面上に形成された誘電体層と、前記誘電体層の上に形成された陰極とを備える固体電解コンデンサであって、
    弁作用金属、弁作用金属の合金、弁作用金属の金属酸化物、及び弁作用金属の金属窒化物から選ばれる少なくとも1種からなる第1粉末と、前記第1粉末以外の金属酸化物からなる第2粉末とを混合した粉末を焼結して得られる多孔質焼結体から前記陽極が形成されており、
    前記第2粉末の融点が、前記第1粉末の融点よりも低いことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記第1粉末が、タンタル、ニオブ、チタン、タンタル合金、ニオブ合金、窒化タンタル、窒化ニオブ、及び酸化ニオブから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記第2粉末が、酸化バナジウム、酸化アンチモン、酸化ガリウム、及び酸化ゲルマニウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 陽極と、前記陽極の表面上に形成された誘電体層と、前記誘電体層の上に形成された陰極とを備える固体電解コンデンサであって、
    タンタル、ニオブ、チタン、タンタル合金、ニオブ合金、窒化タンタル、窒化ニオブ、及び酸化ニオブから選ばれる少なくとも1種からなる第1粉末と、酸化アンチモン、酸化ガリウム、及び酸化ゲルマニウムから選ばれる少なくとも1種からなる第2粉末とを混合した粉末を焼結して得られる多孔質焼結体から前記陽極が形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  5. 前記第2粉末が、前記第1粉末と前記第2粉末の合計量に対して、1ppm以上1000ppm未満となるように前記陽極中に含有されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  6. 前記第2粉末が、前記第1粉末と前記第2粉末の合計量に対して、20ppm以上500ppm未満となるように前記陽極中に含有されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  7. 陽極と、前記陽極の表面上に形成された誘電体層と、前記誘電体層の上に形成された陰極とを備える固体電解コンデンサであって、
    弁作用金属、弁作用金属の合金、弁作用金属の金属酸化物、及び弁作用金属の金属窒化物から選ばれる少なくとも1種からなる第1の材料の表面上に、前記第1の材料以外の金属酸化物からなる第2の材料が付着して存在する多孔質焼結体から前記陽極が形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  8. 前記第1の材料が、タンタル、ニオブ、チタン、タンタル合金、ニオブ合金、窒化タンタル、窒化ニオブ、及び酸化ニオブから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に記載の固体電解コンデンサ。
  9. 前記第2の材料が、酸化バナジウム、酸化アンチモン、酸化ガリウム、及び酸化ゲルマニウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7または8に記載の固体電解コンデンサ。
  10. 前記第2の材料の融点が、前記第1の材料の融点よりも低いことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサを製造する方法であって、
    弁作用金属、弁作用金属の合金、弁作用金属の金属酸化物、及び弁作用金属の金属窒化物から選ばれる少なくとも1種からなる第1の粉末と、前記第1粉末以外の金属酸化物からなる第2粉末とを混合して混合粉末を調製する工程と、
    前記混合粉末を焼結して前記陽極を作製する工程と、
    前記陽極の表面上に前記誘電体層を形成する工程と、
    前記誘電体層の上に前記陰極を形成する工程とを備えることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  12. 前記混合粉末を焼結する温度が、1150℃以上1500℃未満であることを特徴とする請求項11に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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