JP4884108B2 - 電解コンデンサ - Google Patents

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Description

この発明は、電解コンデンサに関する。
従来、ニオブ酸化物を誘電体層として用いるニオブ固体電解コンデンサが知られている。ニオブ固体電解コンデンサでは、静電容量を大きくするために比表面積を大きくする必要があるので、ニオブ粉末の多孔質焼結体からなる陽極が利用されている。この陽極は、プレス成形されたニオブ粉末を真空中などで1000℃以上に加熱して焼結することによって形成することができる。
しかしながら、上記の焼結が進みすぎると、ニオブ粉末同士の結合により、焼結体の内部でニオブ粒子間の空隙が減少し、比表面積を十分に大きくすることができないので、十分な静電容量が得られない。そこで、ニオブ粉末に対して、リンやホウ素を添加して焼結したり、ニオブ窒化物粉末、ニオブ炭化物粉末やニオブホウ化物粉末を混合して焼結したりする方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2001−345238号公報 国際公開第00/08662号パンフレット
しかしながら、上記のような方法でニオブ粒子の多孔質焼結体を形成し、これを陽極として用いた場合であっても、焼結速度の抑制は十分でなく、静電容量の大きいニオブ固体電解コンデンサを得ることが困難であった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、
この発明の1つの目的は、静電容量が大きい電解コンデンサを提供することである。
この発明の第1の局面による電解コンデンサは、ニオブ粒子およびニオブ合金粒子の少なくともいずれか一方と、リン化ニオブ粒子との多孔質焼結体からなる陽極と、陽極上に形成されたニオブ酸化物層と、ニオブ酸化物層上に形成された陰極とを備えている。なお、本発明における「リン化ニオブ粒子」とは、一リン化ニオブ(NbP)、二リン化ニオブ(NbP)および一リン化三ニオブ(NbP)からなるグループより選択される少なくとも1つの粒子を含む。
この第1の局面による電解コンデンサ素子では、上記のように、陽極がニオブ粒子およびニオブ合金粒子の少なくともいずれか一方と、リン化ニオブ粒子との多孔質焼結体から構成されているので、焼結の際に焼結速度を容易に抑制することができる。これにより、ニオブ粒子やニオブ合金粒子の焼結が過度に進行することが抑制され、比表面積の大きい多孔質焼結体を得ることができる。その結果、静電容量が大きい電解コンデンサを容易に得ることができる。
上記第1の局面による電解コンデンサにおいて、好ましくは、陽極中のリン化ニオブ粒子の割合は、0.004重量%〜0.2重量%の範囲である。
また、上記第1の局面による電解コンデンサにおいて、好ましくは、陽極中のリンの濃度は、10ppm〜500ppmの範囲であり、さらに好ましくは、陽極中のリンの濃度は、20ppm〜50ppmの範囲である。
陽極中のリン化ニオブ粒子の割合が少ない場合には、上記の焼結速度の抑制効果が少なく、陽極中のリン化ニオブ粒子の割合が多い場合には、粒子同士の結合が過度に抑制され、焼結体の強度が低下しやすくなるので、陽極中のリン化ニオブ粒子の割合およびリンの濃度は、それぞれ、上記範囲が好ましい。なお、上記のリン化ニオブ粒子の割合およびリンの濃度は、引出用のリードなどの重量は除外した焼結体中の重量比や原子重量比で規定され、例えば、高周波プラズマ分光分析(ICP)により測定することができる。
上記第1の局面による電解コンデンサにおいて、好ましくは、陽極、ニオブ酸化物層および陰極を覆う外装体を有する。このように構成することにより、周囲の環境の影響を受けにくく、信頼性の高い電解コンデンサを得ることができる。
また、この発明の第2の局面による電解コンデンサの製造方法は、ニオブ粒子およびニオブ合金粒子の少なくともいずれか一方と、リン化ニオブ粒子とを焼結することにより多孔質焼結体からなる陽極を形成する工程と、陽極上にニオブ酸化物層を形成する工程と、ニオブ酸化物層上に陰極を形成する工程とを備える。
この第2の局面による電解コンデンサ素子の製造方法では、上記のように、陽極は、ニオブ粒子およびニオブ合金粒子の少なくともいずれか一方と、リン化ニオブ粒子とを焼結することにより形成されているので、その焼結の際に焼結速度を容易に抑制することができる。これにより、ニオブ粒子やニオブ合金粒子の焼結が過度に進行することが抑制され、比表面積の大きい多孔質焼結体を得ることができる。その結果、静電容量が大きい電解コンデンサを容易に製造することができる。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
図1は、本発明の第1実施形態による固体電解コンデンサの構造を説明するための断面図である。また、図2は、本発明の第1実施形態による固体電解コンデンサの陽極の構造を説明するための要部断面図である。図1、図2を参照して、本発明の第1実施形態による固体電解コンデンサの構造を説明する。
本発明の第1実施形態による固体電解コンデンサでは、図1に示すように、エポキシ樹脂などを含む樹脂組成物からなる直方体状の外装体1の内部にコンデンサ素子10が埋設されている。
コンデンサ素子10は、陽極11と、陽極11上に形成されたニオブ酸化物層12と、ニオブ酸化物層12上に形成された陰極13とを備えており、ニオブ酸化物層12は、いわゆる誘電体層として機能する。
陽極11は、ニオブ粒子やニオブ合金粒子とともにリン化ニオブ粒子を焼結することにより形成された多孔質焼結体から構成されており、図2に示すように、内部に多数の凹部を有している。また、陽極11中には、ニオブなどからなる陽極リード14の一部が埋設されており、陽極11から露出した陽極リード14上には、陽極端子15の一端が接続されている。陽極端子15の他端は、外装体1から露出している。
ニオブ酸化物層12は、図2に示すように、陽極11を構成する多孔質焼結体の表面に形成されており、多孔質焼結体の内部の凹部にも形成されている。
陰極13は、ニオブ酸化物層12上に形成されたポリピロール、ポリチオフェンまたはポリアニリンなどからなる導電性高分子層13aと、導電性高分子層13a上に形成されたカーボン粒子を含む第1導電層13bと、第1導電層13b上に形成された銀粒子を含む第2導電層13cとを有している。導電性高分子層13aは、陽極11の周囲を覆うように形成されているとともに、陽極11を構成する多孔質焼結体の内部の凹部にも充填して形成されており、いわゆる電解質層として機能する。第1導電層13bおよび第2導電層13cは、導電性高分子層13aの周囲を覆うように形成されている。
陰極13上には、銀粒子を含む第3導電層16を介して陰極端子17の一端が接続されており、陰極端子17の他端は、外装体1から露出している。このように、本発明の第1実施形態による固体電解コンデンサが構成されている。
図3〜図5は、本発明の第1実施形態による固体電解コンデンサの製造プロセスを説明するための断面図である。次に、上記のような構造を有する本発明の第1実施形態による固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
まず、図3に示すように、ニオブ粒子やニオブ合金粒子とリン化ニオブ粒子との混合粒子を直方体状の成形体11aを形成する。このとき、陽極リード14の一端を成形体11a中に埋設しておく。そして、この成形体11aを真空中で焼結することにより、多孔質焼結体からなる陽極11が形成される。
次に、図4および図2に示すように、この陽極11を水溶液中で陽極酸化することにより、陽極11の周囲を覆うニオブ酸化物層12が形成される。ニオブ酸化物層12は、陽極11を構成する多孔質焼結体の内部の凹部にも形成される。
次に、図5および図2に示すように、重合などによりニオブ酸化物層12上に導電性高分子層13aが形成される。このとき、導電性高分子層13aは、ニオブ酸化物層12の周囲を覆うとともに、陽極11の周囲および内部の凹部を埋めるように形成される。また、カーボン粒子を含むカーボンペーストを導電性高分子層13aの周囲を覆うように塗布、乾燥することにより、導電性高分子層13a上にカーボン粒子を含む第1導電層13bが形成される。さらに、銀粒子を含む銀ペーストを第1導電層13bの周囲を覆うように塗布、乾燥することにより、第1導電層13b上に銀粒子を含む第2導電層13cが形成される。これにより、ニオブ酸化物層12上に導電性高分子層13a、第1導電層13bおよび第2導電層13cからなる陰極13が形成され、コンデンサ素子10が作製される。
次に、図1に示すように、溶接により、陽極11から露出した陽極リード14上に陽極端子15が接続される。また、銀粒子を含む銀ペーストを介して陰極13と陰極端子17とを密着させた状態で乾燥することにより、陰極13と陰極端子17との間に銀粒子を含む第3導電層16が形成されるとともに、陰極13と陰極端子17とは第3導電層16を介して接続される。最後に、陽極端子15および陰極端子17が接続されたコンデンサ素子10をエポキシ樹脂など含む樹脂組成物で埋設し、この樹脂組成物を熱硬化することにより、コンデンサ素子10を埋設する外装体1が形成される。このコンデンサ素子10を外装体1で覆うモールド工程は、トランスファー成形などによって行うことができる。以上の方法により、本発明の第1実施形態による固体電解コンデンサが作製される。
この実施形態による固体電解コンデンサでは、陽極11は、ニオブ粒子やニオブ合金粒子とともにリン化ニオブ粒子を焼結することにより形成されているので、焼結の際に焼結速度を容易に抑制することができる。これにより、ニオブ粒子やニオブ合金粒子の焼結が過度に進行することが抑制され、比表面積の大きい多孔質焼結体を得ることができる。その結果、静電容量を大きくすることができる。
また、この固体電解コンデンサでは、陽極11、ニオブ酸化物層12および陰極13を覆う外装体1を有するので、周囲の環境の影響を受けにくく、信頼性の高い固体電解コンデンサを得ることができる。
なお、上記実施形態では、陰極13の一部にポリピロールなどからなる導電性高分子層13aを用いていたが、導電性高分子層13aに代えて二酸化マンガンなどの他の固体電解質を用いることもできる。
また、カーボン粒子を含む第1導電層13bおよび銀粒子を含む第2導電層13cについては、少なくともいずれか一方だけにするなど、適宜変更することができる。
また、本発明の第2実施形態としては、陰極の一部にアルミ電解コンデンサに用いられる一般的な電解液を用いた電解コンデンサを構成することもできる。この場合には、第1実施形態で用いた樹脂組成物からなる外装体1に代えてアルミニウムなどからなる筒状容器を外装体として用いることができる。
次に、第1実施形態に基づいて固体電解コンデンサを作製し、評価を行った。
(実験1)
実験1の固体電解コンデンサでは、約2μmの平均粒径を有するニオブ(Nb)粒子と約2μmの平均粒径を有する一リン化ニオブ(NbP)粒子とを均一に混合したものを準備した。NbP粒子の割合は、Nb粒子とNbP粒子の合計重量に対して約0.02重量%とした。この混合粒子をプレス成形するとともに陽極リード14の一部を埋設した成形体11aを約3×10−3Paの減圧下で、約1100℃、約20分間の加熱することで焼結を行った。これにより得られた多孔質焼結体を実験1の陽極11として用いた。
なお、このとき作製した陽極11に対して、陽極リード14を取り除いた後、フッ酸水溶液に溶解し、高周波プラズマ分光分析(ICP)により定量分析を行った。その結果、陽極11には、ニオブおよびリンの総重量に対して、リンが約50ppm含有されていることを確認した。また、陽極11の断面を電子エネルギー損失分光分析(EELS)によりリンが存在する任意の3点の領域において定量分析を行った。その結果、これらの領域では、ニオブとリンとの存在比率(原子数比)は約1:1であり、NbPが存在していることがわかった。
また、ニオブ酸化物層12は、陽極11を約45℃に保持した約0.1重量%のリン酸水溶液中において約20Vの定電圧で約10時間陽極酸化を行うことにより形成した。
また、導電性高分子層13aには、化学重合等で形成したポリピロールを用いた。また、外装体1は、エポキシ樹脂によりコンデンサ素子10を埋設し、これを硬化することにより形成した。
(実験2)
実験2では、約0.02重量%のNbP粒子の代わりに約0.0125重量%の二リン
化ニオブ(NbP)粒子を用いる以外は実験1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
実験2においても、実験1と同様に陽極11の定量分析を行った。その結果、実験2の陽極11には、ニオブおよびリンの総重量に対して、リンが約50ppm含有されていることを確認した。また、リンの存在領域では、ニオブとリンとの存在比率(原子数比)は約1:2であり、NbPが存在していることがわかった。
(実験3)
実験3では、約0.02重量%のNbP粒子の代わりに約0.05重量%の二リン化ニオブ(NbP)粒子を用いる以外は実験1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
実験3においても、実験1と同様に陽極11の定量分析を行った。その結果、実験3の陽極11には、ニオブおよびリンの総重量に対して、リンが約50ppm含有されていることを確認した。また、リンの存在領域では、ニオブとリンとの存在比率(原子数比)は約3:1であり、NbPが存在していることがわかった。
(実験4)
実験4では、約0.02重量%のNbP粒子の代わりに約0.01重量%のNbP粒子と約0.00625重量%のNbP粒子とを用いる以外は実験1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
実験4においても、実験1と同様に陽極11の定量分析を行った。その結果、実験4の陽極11には、ニオブおよびリンの総重量に対して、リンが約50ppm含有されていることを確認した。また、リンの存在領域では、ニオブとリンとの存在比率(原子数比)は約2:3であり、NbPとNbPとが約1:1で存在していることがわかった。
(実験5)
実験5では、Nb粒子の代わりにアルミニウムを含むニオブ合金(Nb−Al)粒子を用いる以外は実験1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。なお、実験5で用いたNb−Al粒子は、ニオブおよびアルミニウムの総重量に対して約0.5重量%のアルミニウムを含んでいた。
実験5においても、実験1と同様に陽極11の定量分析を行った。その結果、実験5の陽極11には、ニオブ、アルミニウムおよびリンの総重量に対して、リンが約50ppm含有されていることを確認した。また、リンの存在領域では、ニオブとリンとの存在比率(原子数比)は約1:1であり、NbPが存在していることがわかった。
(実験6)
実験6では、まず、約2μmの平均粒径を有するNb粒子を窒素雰囲気中で約600℃、約30分間加熱することにより、窒素を含むニオブ(Nb−N)粒子を作製した。そして、このNb−P粒子をNb粒子とNbP粒子との混合粒子の代わりに用いる以外は実験1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
実験6においては、JIS G1228に準拠した熱伝導度法により陽極11の定量測定を行った。すなわち、黒鉛るつぼ中に試料を挿入し、ヘリウム雰囲気下で約2500℃に加熱した。そして、遊離した窒素を熱伝導検出器で定量した。その結果、実験6の陽極11には、ニオブおよび窒素の総重量に対して、窒素が約50ppm含有されていることを確認した。また、陽極11をEELSで分析することにより、窒素が存在する領域と窒素の定量化とを行った。その結果、窒素はNb粒子の内部には存在しておらず、Nb粒子
の表面に存在していることを確認した。また、Nb粒子の表面では、ニオブと窒素との存在比率(原子数比)は約1:1であり、窒化ニオブ(NbN)が存在していることがわかった。
(実験7)
実験7では、まず、約2μmの平均粒径を有するNb粒子をカーボンブラックと混合し、水素気流中で約1300℃に加熱することにより、炭素を含むニオブ(Nb−C)粒子を作製した。そして、このNb−C粒子をNb粒子とNbP粒子との混合粒子の代わりに用いる以外は実験1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
実験7においては、赤外線吸収法により陽極11の定量測定を行った。その結果、実験7の陽極11には、ニオブおよび炭素の総重量に対して、炭素が約50ppm含有されていることを確認した。また、陽極11をEELSで分析することにより、炭素が存在する領域と炭素の定量化とを行った。その結果、炭素はNb粒子の内部には存在しておらず、Nb粒子の表面に存在していることを確認した。また、Nb粒子の表面では、ニオブと炭素との存在比率(原子数比)は約1:1であり、炭化ニオブ(NbC)が存在していることがわかった。
(実験8)
実験8では、まず、五塩化ニオブと三臭化ホウ素および水素の混合気体を約1500℃で熱分解することにより、約2μmの平均粒径を有するホウ素を含むニオブ(Nb−B)粒子を作製した。そして、このNb−B粒子をNb粒子とNbP粒子との混合粒子の代わりに用いる以外は実験1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
実験8においては、実験1と同様に陽極11の定量分析を行った。その結果、実験8の陽極11には、ニオブおよびホウ素の総重量に対して、ホウ素が約50ppm含有されていることを確認した。また、陽極11を2次イオン質量分析(SIMS)で分析することにより、ホウ素が存在する領域とホウ素の定量化とを行った。その結果、ホウ素はNb粒子の内部には存在しておらず、Nb粒子の表面に存在していることを確認した。また、Nb粒子の表面では、ニオブとホウ素との存在比率(原子数比)は約1:2であり、ホウ化ニオブ(NbB)が存在していることがわかった。
(実験9)
実験9では、Nb粒子とNbP粒子との混合粒子を用いる代わりに、Nb粒子に約85重量%の濃度のリン酸水溶液を添加した以外は実験1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。リン酸水溶液の添加量は、Nb粒子の総重量に対して、約1.9×10−4重量%とした。
実験9においては、実験1と同様に陽極11の定量分析を行った。その結果、実験9の陽極11には、ニオブおよびリンの総重量に対して、リンが約50ppm含有されていることを確認した。また、陽極11をEELSで分析することにより、リンが存在する領域とリンの定量化とを行った。その結果、リンは、ニオブ酸化物層12の表面(陰極13との界面)に偏在して存在しており、NbPなどのリン化ニオブは存在していないことがわかった。
(実験10)
実験10では、約0.02重量%のNbP粒子の代わりに約0.005重量%の粉末状のホウ素を用いる以外は実験1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
実験10においては、実験1と同様に陽極11の定量分析を行った。その結果、実験1
0の陽極11には、ニオブおよびホウ素の総重量に対して、ホウ素が約50ppm含有されていることを確認した。また、陽極11を2次イオン質量分析(SIMS)で分析することにより、ホウ素はが存在する領域とホウ素の定量化とを行った。その結果、ホウ素は、ニオブ酸化物層12の表面(陰極13との界面)に偏在して存在しており、NbBなどのホウ化ニオブは存在していないことがわかった。
(実験11)
実験11では、NbP粒子を用いることなく、Nb粒子のみで多孔質焼結体を形成する以外は実験1と同様に、固体電解コンデンサを作製した。
次に、上記各実験で作製した固体電解コンデンサに対して、約120kHzの周波数における静電容量をLCRメータを用いて測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004884108
表1に示すように、実験1〜5の固体電解コンデンサは、他の固体電解コンデンサと比較して静電容量が増加していることがわかった。
(実験12〜22)
実験12〜22では、表2に示すように、NbP粒子の混合比を約0.02重量%に代えて、約0.002重量%〜約0.24重量%の範囲で変化させる以外は実験1と同様に、固体電解コンデンサをそれぞれ作製した。また、実験1と同様にICPにより陽極11の定量分析を行うとともに、約120kHzの周波数における静電容量をLCRメータを
用いて測定した。それぞれの結果を表2に示す。なお、実験22において、約0.24重量%のNbP粒子を混合して作製した陽極11では、多孔質焼結体の強度が十分でなかったので、上記実施形態の固体電解コンデンサを形成するのが困難であったので、静電容量の測定は行っていない。
Figure 0004884108
表2に示すように、静電容量の測定ができた実験12〜21の固体電解コンデンサでは、いずれも実験6〜11の固体電解コンデンサよりも静電容量が大きい。これらの結果より、実験1および実験13〜21の条件が好ましく、特に好ましいのは、実験1と実験14、15の条件であることがわかる。即ち、陽極11中のNb粒子とNbP粒子の混合比率は、約0.004重量%〜約0.2重量%の範囲が好ましく、陽極11中のリン濃度は、約10ppm〜約500ppmの範囲が好ましく、約20ppm〜約50ppmの範囲がさらに好ましいことがわかった。
なお、上記実験5では、陽極11の多孔質焼結体を作製するためにNb−Al粒子を用いていたが、本発明はこれに限らず、他に、タンタルやチタンなどを含むニオブ合金粒子を用いることができる。また、ニオブ粒子とニオブ合金粒子との混合物に、リン化ニオブ粒子を添加して陽極11の多孔質焼結体を作製してもよい。
本発明の第1実施形態による固体電解コンデンサの構造を説明するための断面図である。 本発明の第1実施形態による固体電解コンデンサの陽極の構造を説明するための要部断面図である。 本発明の第1実施形態による固体電解コンデンサの形成プロセスの第1工程を説明するための断面図である。 本発明の第1実施形態による固体電解コンデンサの形成プロセスの第2工程を説明するための断面図である。 本発明の第1実施形態による固体電解コンデンサの形成プロセスの第3工程を説明するための断面図である。
1 外装体
10 コンデンサ素子
11 陽極
12 ニオブ酸化物層
13 陰極
13a 導電性高分子層
13b 第1導電層
13c 第2導電層
14 陽極リード
15 陽極端子
16 第3導電層
17 陰極端子

Claims (4)

  1. ニオブ粒子およびニオブ合金粒子の少なくともいずれか一方と、リン化ニオブ粒子との多孔質焼結体からなる陽極と、
    前記陽極上に形成されたニオブ酸化物層と、
    前記ニオブ酸化物層上に形成された陰極とを備え、
    前記リン化ニオブ粒子は、一リン化ニオブ、二リン化ニオブおよび一リン化三ニオブからなるグループより選択される少なくとも1つにより構成され、前記陽極中の前記リン化ニオブ粒子の割合は、0.004重量%〜0.2重量%の範囲である電解コンデンサ。
  2. 前記陽極中のリンの濃度は、10ppm〜500ppmの範囲である、請求項1に記載の電解コンデンサ。
  3. 前記陽極中のリンの濃度は、20ppm〜50ppmの範囲である、請求項1に記載の電解コンデンサ。
  4. 前記陽極、前記ニオブ酸化物層および前記陰極を覆う外装体を有する、請求項1〜に記載の電解コンデンサ。
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