JP2020053592A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】外気の陰極部への侵入を抑制し、陰極部の劣化が生じ難い固体電解コンデンサを提供する。【解決手段】陽極部および陰極部を有するコンデンサ素子と、陽極部に電気的に接続された陽極端子と、陰極部に電気的に接続された陰極端子と、コンデンサ素子を封止する外装樹脂と、を備え、陰極部の少なくとも一部が、絶縁性の金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜から選ばれる少なくとも一つを含む第1のバリア層により被覆されている、固体電解コンデンサ。【選択図】図1
Description
本発明は、固体電解コンデンサに関する。
固体電解コンデンサは、等価直列抵抗(ESR)が小さく、周波数特性が優れているため、様々な電子機器に搭載されている。コンデンサ素子は、誘電体層を有する陽極体と陰極部とで構成されている。陽極体には、チタン、タンタル、アルミニウム、ニオブなどの弁作用金属の箔が用いられる。
陰極部に、外気に含まれる湿気、酸素などが接触すると、陰極部の導電性が低下し、固体電解コンデンサのESRが上昇することがある。そこで、特許文献1は、コンデンサ素子に、樹脂層、気相成長法により形成された無機物層および/または金属層が順次積層されたバリア層を設けることを提案している。
特許文献1では、フィルム基材上に形成されたバリア層をコンデンサ素子の表面に転写するものであり、固体電解コンデンサが小型化するほど、陰極部の所望の領域をバリア層で被覆することが困難になる。また、バリア層が樹脂層を含む場合、陰極端子と陰極部との電気的接続が阻害されないように、陰極部の陰極端子との接続部以外の部分を正確に被覆することは困難であり、外気が陰極部に侵入する経路が形成されやすい。
近年、固体電解コンデンサの車載での利用が拡大している。車載コンデンサは、高温環境で使用されることが多く、陰極部の劣化が進行しやすい。
樹脂をバリア層に用いる場合、十分な耐熱性をバリア層が有していないことが多い。結果、高温環境下において、バリア層による外気の陰極部への侵入を防ぐ効果が低減されやすく、外気の侵入による陰極部の劣化が顕著になりやすい。
本発明の一側面は、陽極部および陰極部を有するコンデンサ素子と、前記陽極部に電気的に接続された陽極端子と、前記陰極部に電気的に接続された陰極端子と、前記コンデンサ素子を封止する外装樹脂と、を備え、前記陰極部の少なくとも一部が、絶縁性の金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜から選ばれる少なくとも一つを含む第1のバリア層により被覆されている、固体電解コンデンサに関する。
本発明の別の側面は、陽極部および陰極部を有する複数のコンデンサ素子と、前記陽極部に電気的に接続された陽極端子と、前記陰極部に電気的に接続された陰極端子と、前記複数のコンデンサ素子を封止する外装樹脂と、を備え、前記複数のコンデンサ素子を積層した素子積層体が形成され、前記コンデンサ素子の少なくともいずれか1つにおいて、前記陰極部の少なくとも一部が、絶縁性の金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜から選ばれる少なくとも一つを含む第1のバリア層により被覆されている、固体電解コンデンサに関する。
本発明のさらに別の側面は、(i)陽極部および陰極部を有するコンデンサ素子を準備する工程と、(ii)前記陰極部の少なくとも一部を、絶縁性の金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜から選ばれる少なくとも一つを含むバリア層により被覆する工程と、(iii)前記陽極部に陽極端子を接続するとともに、前記陰極部に前記陰極端子を接続する工程と、(iv)前記コンデンサ素子を外装樹脂で封止する工程と、を有する、固体電解コンデンサの製造方法に関する。
本発明によれば、外気の陰極部への侵入を抑制でき、陰極部の劣化が生じ難い固体電解コンデンサを提供することができる。
本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサは、陽極部および陰極部を有するコンデンサ素子と、陽極部に電気的に接続された陽極端子と、陰極部に電気的に接続された陰極端子と、コンデンサ素子を封止する外装樹脂と、を備える。また、陰極部の少なくとも一部が、金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜から選ばれる少なくとも一つを含むバリア層(第1のバリア層)により被覆されている。
第1のバリア層は、有機物である樹脂成分に比べて、外気中の湿気、酸素などを透過させ難く、湿気、酸素などの陰極部内部への侵入を遮断する性質(バリア性)を有する。第1のバリア層で陰極部を被覆することで、湿気、酸素などが陰極部を透過しにくくなる。よって、陰極部(特に固体電解質層)の劣化が抑制され、固体電解コンデンサのESRの上昇が抑制される。
第1のバリア層の材料として、絶縁性の金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜から選ばれる少なくとも一つを含むものが好ましい。これらの材料は、緻密な構造を有し、外気を遮断する効果が高い。また、高い耐熱性を有しており、且つ、高温多湿環境においても高いバリア性を維持している。第1のバリア層に金属膜あるいは金属酸化物膜を用いる場合、高温多湿環境下においては金属膜の酸化反応が進行したり、金属酸化物が水分と反応したりして、バリア層が腐食することも考えられる。しかしながら、絶縁性の金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜は、高温多湿環境下であっても化学的に安定であり、外気中の酸素あるいは湿気と反応し難く、外気に対するバリア性が低減され難い。
絶縁性の金属窒化物膜の例として、窒化ケイ素が挙げられる。絶縁性の炭素膜の例としては、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)あるいはダイヤモンドが挙げられる。窒化ケイ素およびダイヤモンドライクカーボン(DLC)は、機械的強度にも優れており、樹脂成形時の圧力によりコンデンサ素子に加わる応力を緩和することができる。
ダイヤモンドライクカーボン(DLC)は、微視的に見て、グラファイト、ダイヤモンド、アモルファスカーボンなど種々の炭素材料が混在した材料である。DLCの構造は、グラファイトと同様のsp2混成軌道を持つ炭素原子数に対する、ダイヤモンドと同様のsp3混成軌道を持つ炭素原子数の割合、および、水素含有量により分類される。バリア層がDLC膜を含む場合、DLC膜におけるsp2炭素原子数とsp3炭素原子数との合計に対するsp3炭素原子数の比率R(=sp3/(sp2+sp3))が0.2以上であればよく、0.2〜0.9の範囲であることが好ましい。
なお、上記比率Rは、ラマン分光を行い、ラマンスペクトルの強度分布において、ラマンシフト1350cm−1付近に観測されるsp3結合に起因するDバンドのピーク面積と、1590cm−1付近に観測されるsp2結合に起因するGバンドのピークの面積に基づき算出することができる。
また、DLCは、膜中の水素含有量と、膜の機械的特性および電気的特性との間に相関があることが知られている。水素含有量が少ないほど、DLC膜は硬く、機械的強度が高くなる。また、水素含有量が少ないほど、DLC膜は絶縁性が高く、導電率が低下する。バリア層として十分な機械的強度および絶縁性を得る観点から、バリア層がDLC膜を含む場合、DLC膜中の水素含有量は、80原子%以下であればよく、15原子%〜60原子%の範囲であることが望ましい。水素含有量は、反跳散乱分析法(ERDA:Elastic Recoil Detection Analysis)により評価することができる。
固体電解コンデンサは、複数のコンデンサ素子を積層した素子積層体を有するものであってもよい。この場合、複数の陽極部が積層された陽極積層部および複数の陰極部が積層された陰極積層部に、それぞれ陽極端子および陰極端子が電気的に接続される。複数のコンデンサ素子は、陽極部同士が重なり、陰極部同士が重なるように積層される。
素子積層体を形成する場合、それぞれが第1のバリア層を有する複数のコンデンサ素子を積層することが好ましい。全てのコンデンサ素子の陰極部をそれぞれ個別に第1のバリア層で被覆することで、素子積層体に対する湿気、酸素などの影響を大きく低減することができる。結果として、特に長期間にわたって高温環境下で使用される用途でも、外気の侵入による陰極部の劣化が顕著に抑制され得る。ただし、低コスト化と高性能化のバランスを考慮して、複数のコンデンサ素子の少なくともいずれか1つに、第1のバリア層を設けてもよい。この場合、素子積層体を構成する複数のコンデンサ素子のうち、素子積層体の最上層あるいは最下層に位置し、他のコンデンサ素子と重ね合わせられない表面を有するコンデンサ素子の陰極部の上記表面(すなわち、陰極積層部の表面)を覆うように、第1のバリア層が設けられていることが好ましい。
最上層あるいは最下層に位置するコンデンサ素子は、陰極積層部の表面において、外装樹脂を通って侵入した外気と接触し易い。よって、少なくとも最上層あるいは最下層に位置するコンデンサ素子の陰極部の上記表面を第1のバリア層で覆うことで、湿気、酸素などの素子積層体内部への侵入を効率的に抑制することができる。
最上層あるいは最下層に位置するコンデンサ素子の陰極積層部の表面を覆うため、第1のバリア層を有しない複数のコンデンサ素子を積層し、素子積層体を形成した後で、陰極積層部の少なくとも一部を第1のバリア層で被覆してもよい。
コンデンサ素子は、例えば、陽極部を形成する陽極体と、陽極体の少なくとも一部を覆う誘電体層とを有する。誘電体層は、例えば、陽極部に近接して設けられた陰極形成部を覆うように形成される。陰極部は、例えば、誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、固体電解質層の少なくとも一部を覆う陰極引出層とを有する。固体電解質層は、陰極引出層で覆われない露出部を有することがある。陽極部と陰極部との境界部には、固体電解質層の露出部が形成され易い。固体電解質層の露出部の少なくとも一部を第1のバリア層と接触させることにより、露出部を保護することができる。第1のバリア層は、固体電解質層の露出部のできるだけ多くの部分を被覆していることが好ましい。
陰極引出層は、例えば、導電性ペーストから形成された層を備える。導電性ペーストは、通常、熱硬化性の樹脂成分と、樹脂成分に分散させた金属粒子とを含む。陰極部の一部は、導電性ペーストを加熱して、樹脂成分を硬化させることにより形成される。樹脂成分の硬化物は、外気(湿気、酸素など)を透過させるが、バリア層で陰極部を被覆することで、湿気、酸素などが陰極部を透過しにくくなる。よって、陰極部(特に固体電解質層)の劣化もしくは固体電解コンデンサのESRの上昇が抑制される。
第1のバリア層が、陽極部の少なくとも一部を被覆していてもよい。また、誘電体層が、固体電解質層で覆われない露出部を有することがある。この場合、第1のバリア層が、誘電体層の露出部の少なくとも一部を被覆していてもよい。
また、第1のバリア層が、陽極端子の少なくとも一部、および/または、陰極端子の少なくとも一部を被覆していてもよい。
陽極端子および陰極端子は、いずれも導電性材料で形成され、例えば金属製の板材から切り出された材料で形成されている。陽極部、および、陽極端子および陰極端子の一部は、外装樹脂により封止されている。陽極端子および陰極端子の外装樹脂から露出する残部は、それぞれ陽極および陰極の外部端子として機能する。外装樹脂は、固体電解コンデンサの外装体を構成する。陽極体、陽極端子、および、陰極端子は、外装樹脂と密着した状態で封止される。また、誘電体層が露出部を有する場合、露出部は外装樹脂によって密閉される。
陽極端子および陽極体と外装樹脂との間、誘電体層の露出部と外装樹脂との間、および/または、陰極端子と外装樹脂との間に、隙間が生じることがある。この隙間を介して、外気が侵入し、湿気、酸素などが陰極部に到達し得る。特に、高温環境では、導電性材料と外装樹脂材料との熱膨張率の違いにより、外装樹脂との密着が剥がれ、隙間が生じ易い。外気は、この隙間を介してコンデンサ素子内部に侵入でき、陰極部が劣化し易い。しかしながら、陽極部の少なくとも一部、陽極端子の少なくとも一部、誘電体層の露出部の少なくとも一部、および/または、陰極端子の少なくとも一部を第1のバリア層が被覆していることで、この隙間が生じた場合であっても、陰極部の劣化を抑制することができる。
特に、誘電体層の露出部は、多孔質であることから外気が侵入し易く、多孔質部分を介して湿気、酸素などが固定電解質層と接触し得る。第1のバリア層が、誘電体層の露出部の少なくとも一部を被覆していることで、誘電体層の露出部を介した外気の侵入を抑制し、陰極部の劣化を抑制することができる。
固体電解コンデンサは、さらに、外装樹脂の表面の少なくとも一部を被覆する第2のバリア層を備えてもよい。第2のバリア層は、第1のバリア層と同様、金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜から選ばれる少なくとも一つを含むものが好ましい。コンデンサ素子内部への外気の侵入が一層抑制され、陰極部(特に固体電解質層)の劣化が一層抑制され、固体電解コンデンサのESRの上昇が一層抑制され得る。
第1のバリア層が高絶縁性の材料である場合、陰極部を陰極端子(または、素子積層体を構成する場合、隣接するコンデンサ素子の陰極部)と電気的に接続させるために、陰極部の一部領域については第1のバリア層で覆うことなく、陰極引出層を露出させることが好ましい。これにより、低い初期ESRが得られる。
具体的に、例えば、複数のコンデンサ素子を積層した素子積層体を有する場合、コンデンサ素子の陰極部の表面を第1領域と第2領域とに分け、第1領域を第1のバリア層で被覆し、第2領域を第1のバリア層で被覆することなく、陰極部を露出させる。第2領域を介して、隣接するコンデンサ素子の陰極部同士を電気的に接続することができる。
しかしながら、陰極部の全面を第1のバリア層で覆い、陰極端子と陰極部との電気的接続を第1のバリア層を介して行っても構わない。第1のバリア層が金属窒化物膜および/または絶縁性の炭素膜を含む場合、金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜は緻密な構造を有しているため、樹脂層で形成したバリア層と比べて薄い膜厚で外気中の湿気、酸素などの透過を抑制する効果が得られる。したがって、第1のバリア層の膜厚を十分薄くする(例えば、1μm以下)ことにより、第2領域を設けなくても、固体電解コンデンサの初期ESRを一定値以下に抑えることができるとともに、簡便な製造工程を用いて、長期使用に伴うESRの上昇を抑制することができる。
図1は、複数のコンデンサ素子20(20A〜20C)を備える固体電解コンデンサ30Aを模式的に示す断面図である。図2は、コンデンサ素子20の構造を模式的に示す断面図である。複数の積層されたコンデンサ素子20A〜20C同士は、陰極部間に介在する導電性接着剤(図示せず)により並列に接続されている。複数のコンデンサ素子20は、それぞれ陽極部10Nと陰極形成部10Eとを有する箔状の陽極体11を具備し、陰極形成部10Eには、誘電体層22が形成されている。誘電体層22は、固体電解質層23で覆われ、固体電解質層23は陰極引出層24で覆われている。陰極引出層24は、カーボン層24Aと、導電性ペースト層24Bを有する。固体電解質層23および陰極引出層24は、コンデンサ素子20の陰極部を形成している。各コンデンサ素子20の陰極部は、導電性接着剤層26で覆われている領域(第2領域)を除いて、第1のバリア層25で覆われている。図1の例では、固体電解質層23の端部には、陰極引出層24で覆われない固体電解質層23の露出部23Tが存在するが、露出部23Tも第1のバリア層25で覆われている。
図1の例では、コンデンサ素子20は、固体電解質層23で覆われておらず、誘電体層22が露出する領域を有し、露出領域の一部が第1のバリア層25で覆われている。しかしながら、露出領域の全部を第1のバリア層25で覆うようにしてもよい。また、陽極部の少なくとも一部を第1のバリア層25で覆うようにしてもよい。
コンデンサ素子20の陰極部の少なくとも一部を第1のバリア層25により被覆する際には、コンデンサ素子20の陰極部の一部領域をマスクし、陰極部の一部領域を除く領域(第1領域)に第1のバリア層を形成することが好ましい。これにより、上記一部領域(第2領域)を介して、陰極部と陰極端子33との電気的接続を強固にでき、初期ESRを低くすることができる。例えば、陰極部の第2領域がマスクされたコンデンサ素子に対し、気相法により、第1のバリア層25が形成される。
その後、必要に応じて、第2領域のマスクが除去され、陽極部10Nに陽極端子34が接続され、陰極部の第2領域に形成した導電性接着剤層26を介して陰極端子33が接続される。複数のコンデンサ素子20を積層する場合には、陰極部の両面に第2領域を設けた複数のコンデンサ素子20を、第2領域に形成した導電性接着剤層26を挟むように重ね合わせて素子積層体を形成し、その後、陽極部10Nが積層された陽極積層部および陰極部が積層された陰極積層部に、陽極端子34および陰極端子33がそれぞれ接続される。
次に、第1のバリア層25を具備するコンデンサ素子20が、陽極端子34の一部および陰極端子33の一部とともに外装樹脂31により封止される。
図1では、陽極積層部に、所定形状に折り曲げ加工された外部端子32を有する陽極端子34が電気的に接続されている。外部端子32は、陽極端子34の一部であり、陽極端子34の残部と一体でもよいし、別部材でもよい。陰極積層部には、導電性接着剤層26を介して、陰極端子33が電気的に接続されている。陰極端子33の外面は外部端子として機能する。複数のコンデンサ素子20により構成された素子積層体は、外装樹脂31により封止されているが、陽極端子34の一部である外部端子32および陰極端子33の外部端子は、外装樹脂31から露出させてある。
なお、陽極部10Nと陰極形成部10Eとを有する陽極体11は、例えば金属箔の一部をエッチングすることにより形成される。複数の陽極部10Nが重ねられた陽極積層部は、図1の例では、陽極端子34により加締められて一体化されることで互いに電気的に接続されている。ただし、陽極部10N同士の接合方法は、特に限定されず、レーザー溶接や抵抗溶接によって接合されてもよい。
図3は、図1の別態様であり、複数のコンデンサ素子20(20A〜20C)を備える固体電解コンデンサ30Bを模式的に示す断面図である。固体電解コンデンサ30Bは、図1の固体電解コンデンサ30Aにおいて、陰極部に第1のバリア層25を形成した複数のコンデンサ素子を積層し、素子積層体を形成する代わりに、陽極端子および陰極端子を電気的に接続した後の素子積層体を第1のバリア層25で被覆したものである。第1のバリア層25は、最上層のコンデンサ素子20Aおよび最下層のコンデンサ素子20Cの陰極部の少なくとも一部、固体電解質層23の露出部、誘電体層22の露出部、および、陽極部10Nの少なくとも一部を覆っている。また、第1のバリア層25は、陽極端子34の一部、および、陰極端子33の少なくとも一部を覆っている。
図4は、図1の別態様であり、複数のコンデンサ素子20(20A〜20C)を備える固体電解コンデンサ30Cを模式的に示す断面図である。固体電解コンデンサ30Cは、図1の固体電解コンデンサ30において、外装樹脂31の表面の少なくとも一部を覆う第2のバリア層28を設けたものである。また、第1のバリア層25を、誘電体層22の露出部分の全面を覆うとともに、陽極部10Nの少なくとも一部を覆うように形成している。第2のバリア層28は、また、外装樹脂31から露出する外部端子32の一部および陰極端子33の一部を覆っている。
図3の固体電解コンデンサ30Bにおいて、第2のバリア層28を設ける構成も可能である。
次に、固体電解コンデンサの構成要素について更に説明する。
(陽極体)
陽極部を形成する陽極体は、弁作用金属を含み、第1主面とその反対側の第2主面とを備える箔(金属箔)である。弁作用金属としては、チタン、タンタル、アルミニウム、ニオブなどが使用される。陽極体の厚さは、特に限定されないが、例えば50〜250μmである。
(陽極体)
陽極部を形成する陽極体は、弁作用金属を含み、第1主面とその反対側の第2主面とを備える箔(金属箔)である。弁作用金属としては、チタン、タンタル、アルミニウム、ニオブなどが使用される。陽極体の厚さは、特に限定されないが、例えば50〜250μmである。
(誘電体層)
誘電体層は、陽極体の表面を化成処理等で陽極酸化することにより形成される。弁作用金属としてアルミニウムを用いた場合には、Al2O3を含む誘電体層が形成される。誘電体層はこれに限らず、誘電体として機能するものであればよい。
誘電体層は、陽極体の表面を化成処理等で陽極酸化することにより形成される。弁作用金属としてアルミニウムを用いた場合には、Al2O3を含む誘電体層が形成される。誘電体層はこれに限らず、誘電体として機能するものであればよい。
(固体電解質層)
固体電解質層は、導電性高分子を含むことが好ましい。導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、および/またはポリチオフェンビニレン、およびこれらの誘導体などを用いることができる。導電性高分子を含む固体電解質層は、原料モノマーを誘電体層上で化学重合および/または電解重合することにより形成することができる。あるいは、導電性高分子が溶解した溶液または導電性高分子が分散した分散液を誘電体層に塗布することにより形成することができる。
固体電解質層は、導電性高分子を含むことが好ましい。導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、および/またはポリチオフェンビニレン、およびこれらの誘導体などを用いることができる。導電性高分子を含む固体電解質層は、原料モノマーを誘電体層上で化学重合および/または電解重合することにより形成することができる。あるいは、導電性高分子が溶解した溶液または導電性高分子が分散した分散液を誘電体層に塗布することにより形成することができる。
(陰極引出層)
固体電解質層は、その少なくとも一部が陰極引出層で覆われていることが好ましい。陰極引出層は、集電機能を有する構成であればよいが、例えば、カーボン層と、カーボン層の表面に形成された導電性ペースト層とを有している。カーボン層は、導電性炭素材料を含む組成物により形成される。導電性炭素材料としては、カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブなどを用いることができる。
固体電解質層は、その少なくとも一部が陰極引出層で覆われていることが好ましい。陰極引出層は、集電機能を有する構成であればよいが、例えば、カーボン層と、カーボン層の表面に形成された導電性ペースト層とを有している。カーボン層は、導電性炭素材料を含む組成物により形成される。導電性炭素材料としては、カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブなどを用いることができる。
導電性ペースト層は、樹脂成分および金属粒子を含む導電性ペーストを加熱し、樹脂成分を硬化させることにより形成される。金属粒子には、例えば銀粒子が用いられる。樹脂成分には、常温(25〜30℃)で流動性を有する樹脂組成物が用いられる。樹脂組成物の樹脂成分としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。中でも、エポキシ樹脂が好ましい。
(バリア層)
陰極部の少なくとも一部を覆う第1のバリア層は、絶縁性の金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜から選ばれる少なくとも一つを含む。外装樹脂の表面の少なくとも一部を覆う第2のバリア層を設ける場合、第2のバリア層は、絶縁性の金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜から選ばれる少なくとも一つを含む。第2のバリア層を設ける場合、第2のバリア層は、第1のバリア層と同じ材料であってもよく、異なる材料で構成してもよい。以下、第1および第2のバリア層を総称して、バリア層と呼ぶ。
陰極部の少なくとも一部を覆う第1のバリア層は、絶縁性の金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜から選ばれる少なくとも一つを含む。外装樹脂の表面の少なくとも一部を覆う第2のバリア層を設ける場合、第2のバリア層は、絶縁性の金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜から選ばれる少なくとも一つを含む。第2のバリア層を設ける場合、第2のバリア層は、第1のバリア層と同じ材料であってもよく、異なる材料で構成してもよい。以下、第1および第2のバリア層を総称して、バリア層と呼ぶ。
絶縁性の金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜は、緻密に形成することが容易であり、比較的薄い膜厚で外気を遮断する効果が得られる。絶縁性の金属窒化物膜の例としては、窒化ケイ素(Si3N4)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化マグネシウム(Mg3N2)、窒化カルシウム(Ca3N2)、窒化ランタン(LaN)、窒化ハフニウム(HfN)、窒化クロム(CrN)、もしくはその合金物などが挙げられる。なかでも、窒化ケイ素が望ましい。絶縁性の炭素膜の例としては、ダイヤモンドあるいはダイヤモンドライクカーボン(DLC)などが挙げられる。
金属窒化物膜および/または絶縁性の炭素膜の膜厚は、100nm以上であればよい。一方で、第1のバリア層の膜厚が厚すぎると、複数のコンデンサ素子を積層した素子積層体の厚みが大きくなり易い。この点で、第1のバリア層の膜厚は、100nm以上5μm以下が好ましく、500nm以上3μm以下がより好ましい。さらに好ましくは、第1のバリア層の膜厚を1μm以下としてもよい。この場合、第1のバリア層を陰極部の全面を覆うように形成し、第1のバリア層を介して陰極端子と陰極部とを電気的に接続させることができる。
バリア層は、いわゆる気相成長法により形成することができる。気相成長法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
バリア層としてダイヤモンドライクカーボン膜を成膜する場合、プラズマCVD法を用いることが好ましい。
バリア層としてダイヤモンドライクカーボン膜を成膜する場合、プラズマCVD法を用いることが好ましい。
バリア層は、陰極部、陽極端子および/または陰極端子、または外装樹脂との密着性を高めるための密着層を有していてもよい。この場合、金属窒化物膜および/または絶縁性の炭素膜は、密着層の上に形成され得る。密着層の膜厚は、100nm以上であれば十分である。
密着層として、タングステン(W)、チタン(Ti)、シリコン(Si)密着層などが挙げられる。なかでも、Si密着層が望ましい。
(外装樹脂)
外装樹脂は、固体電解コンデンサの外装体であり、陽極リードの一部および陰極リードの一部とともに素子積層体を封止するように形成される。外装樹脂は、トランスファー成形などにより形成することができる。
外装樹脂は、固体電解コンデンサの外装体であり、陽極リードの一部および陰極リードの一部とともに素子積層体を封止するように形成される。外装樹脂は、トランスファー成形などにより形成することができる。
樹脂組成物の樹脂成分としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミドイミド、不飽和ポリエステルなどが挙げられる。中でも、エポキシ樹脂が好ましい。
外装樹脂は、フィラーを含むことが望ましい。フィラーの平均粒子径は、特に限定されない。外装樹脂に配合されるフィラーの平均粒子径は、例えば100μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましい。フィラーの種類も、特に限定されないが、シリカ、アルミナなどを用いることができる。
(導電性接着剤層)
導電性接着剤層は、例えば、樹脂成分および金属粒子を含む導電性接着剤を陰極部に塗布後、加熱し、樹脂成分を硬化させることにより形成される。金属粒子には、例えば銀粒子が用いられる。樹脂成分は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などを含むことが好ましい。
導電性接着剤層は、例えば、樹脂成分および金属粒子を含む導電性接着剤を陰極部に塗布後、加熱し、樹脂成分を硬化させることにより形成される。金属粒子には、例えば銀粒子が用いられる。樹脂成分は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などを含むことが好ましい。
次に、本発明の実施形態について、実施例に基づいて説明する。
《実施例1》
(1)コンデンサ素子の作製
基材としてアルミニウム箔(厚み100μm)を準備し、その表面の一部にエッチング処理を施し、陽極体を得た。
(1)コンデンサ素子の作製
基材としてアルミニウム箔(厚み100μm)を準備し、その表面の一部にエッチング処理を施し、陽極体を得た。
陽極体を、濃度0.3質量%のリン酸溶液に浸して70Vの直流電圧を20分間印加することにより、陽極体の表面に酸化アルミニウム(Al2O3)を含む誘電体層を形成した。
誘電体層が形成された陽極体を、ポリスチレンスルホン酸(PSS)がドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)の水分散液(濃度2質量%)に浸漬した後、乾燥し、固体電解質層を形成した。
固体電解質層に、黒鉛粉末の水分散液を塗布した後、乾燥して、固体電解質層の表面にカーボン層を形成した。次に、カーボン層の表面に、導電性ペーストとして、銀粒子を含むエポキシ樹脂組成物(銀ペースト)を塗布した後、加熱して導電性ペースト層(銀ペースト層)を形成した。
(2)バリア層の形成
銀ペースト層が形成されたコンデンサ素子に、陽極部の一部および陰極部の所定領域(第2領域)を覆うようにマスキングテープを貼り付け、陽極部の残部、誘電体層の露出部、固体電解質層の露出部、および、第2領域を除く陰極部に第1のバリア層を形成した。
陰極部において、マスキングテープは、一方の面の中央部にのみ貼付けた。
その後、マスキングテープを除去した。
銀ペースト層が形成されたコンデンサ素子に、陽極部の一部および陰極部の所定領域(第2領域)を覆うようにマスキングテープを貼り付け、陽極部の残部、誘電体層の露出部、固体電解質層の露出部、および、第2領域を除く陰極部に第1のバリア層を形成した。
陰極部において、マスキングテープは、一方の面の中央部にのみ貼付けた。
その後、マスキングテープを除去した。
第1のバリア層としては、Si密着層を100nm成膜し、Si密着層の上にDLC膜を100nm成膜した。Si密着層の成膜は、原料ガスとしてビス(トリメチルシリル)アミン(HMDS)を用いたプラズマCVD法(成膜レート1.5nm/s)にて行った。DLC膜の成膜は、原料ガスとしてトルエンを用いたプラズマCVD法(成膜レート1.2nm/s)にて行った。
コンデンサ素子の陽極部の第1のバリア層が形成されていない部分に陽極端子を接続し、コンデンサ素子の陰極部の第1のバリア層が形成されていない部分(第2領域)に陰極端子を接続した。
(3)外装樹脂(外装体)の形成
陽極端子および陰極端子が接続された素子積層体を金型内に配置し、トランスファー成形により平均粒子径25μmのシリカフィラーとエポキシ樹脂とを含む外装樹脂を形成した。
陽極端子および陰極端子が接続された素子積層体を金型内に配置し、トランスファー成形により平均粒子径25μmのシリカフィラーとエポキシ樹脂とを含む外装樹脂を形成した。
《実施例2〜5》
第1のバリア層の形成において、DLC膜の膜厚を表1に示すとおり変更した。
これ以外については、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
第1のバリア層の形成において、DLC膜の膜厚を表1に示すとおり変更した。
これ以外については、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
《実施例6》
第1のバリア層の形成において、DLC膜に代えて、窒化ケイ素(Si3N4)膜を100nm成膜した。
窒化ケイ素膜の成膜は、N2フロー中でスパッタされたSiを用いたプラズマCVD法(成膜レート1.0nm/s)にて行った。
これ以外については、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
第1のバリア層の形成において、DLC膜に代えて、窒化ケイ素(Si3N4)膜を100nm成膜した。
窒化ケイ素膜の成膜は、N2フロー中でスパッタされたSiを用いたプラズマCVD法(成膜レート1.0nm/s)にて行った。
これ以外については、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
《実施例7〜10》
第1のバリア層の形成において、窒化ケイ素膜の膜厚を表1に示すとおり変更した。
これ以外については、実施例6と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
《比較例1》
第1のバリア層を形成しない点以外、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
第1のバリア層の形成において、窒化ケイ素膜の膜厚を表1に示すとおり変更した。
これ以外については、実施例6と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
《比較例1》
第1のバリア層を形成しない点以外、実施例1と同様にして固体電解コンデンサを作製した。
[評価]
実施例1〜10および比較例1の固体電解コンデンサの試料をそれぞれ30個ずつ作製し、20℃の環境下において、初期ESR値を4端子測定用のLCRメータを用いて周波数100kHzで測定し、30個の平均値(X0)を求めた。また、初期容量を測定し、平均値(C0)を求めた。
実施例1〜10および比較例1の固体電解コンデンサの試料をそれぞれ30個ずつ作製し、20℃の環境下において、初期ESR値を4端子測定用のLCRメータを用いて周波数100kHzで測定し、30個の平均値(X0)を求めた。また、初期容量を測定し、平均値(C0)を求めた。
次に、全ての試料を145℃で125時間加熱し、その後、ESR値を測定し、同様に平均値(X1)を求めた。また、容量を測定し、平均値(C1)を求めた。
そして、ESRの変化率および容量の変化率を下記式から求めた。
ESR変化率(%)=(X1−X0)/X0×100
容量変化率(%)=|C1−C0|/C0×100
容量変化率(%)=|C1−C0|/C0×100
表1に、実施例1〜10および比較例1の固体電解コンデンサについて、ESR変化率および容量変化率の評価結果を、第1のバリア層を構成する金属窒化物膜または絶縁性の炭素膜の材料および膜厚と併せて示す。表1において、ESR変化率および容量変化率は、それぞれ、比較例1を100とした相対値で示されている。表1において、A1〜A10は実施例1〜10に対応し、B1は比較例1に対応する。
実施例1〜10では、比較例1と比べて、ESRの変化率が小さく、容量変化率も小さくなった。これは、第1のバリア層により、固体電解コンデンサの固体電解質層の劣化が抑制されたためと考えられる。
本発明に係る固体電解コンデンサは、例えば、長期間にわたって高温環境下で使用される用途などに適しており、特に車載用に適している。
10N:陽極部、10E:陰極形成部、11:陽極体、20(20A,20B,20C):コンデンサ素子、22:誘電体層、23:固体電解質層、23T:露出部、24:陰極引出層、24A:カーボン層、24B:導電性ペースト層、25:第1のバリア層、26:導電性接着剤層、28:第2のバリア層、30A、30B、30C:固体電解コンデンサ、31:外装樹脂、32:陽極端子の外部端子、33:陰極端子、34:陽極端子
Claims (10)
- 陽極部および陰極部を有するコンデンサ素子と、
前記陽極部に電気的に接続された陽極端子と、
前記陰極部に電気的に接続された陰極端子と、
前記コンデンサ素子を封止する外装樹脂と、を備え、
前記陰極部の少なくとも一部が、絶縁性の金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜から選ばれる少なくとも一つを含む第1のバリア層により被覆されている、固体電解コンデンサ。 - 陽極部および陰極部を有する複数のコンデンサ素子と、
前記陽極部に電気的に接続された陽極端子と、
前記陰極部に電気的に接続された陰極端子と、
前記複数のコンデンサ素子を封止する外装樹脂と、を備え、
前記複数のコンデンサ素子を積層した素子積層体が形成され、
前記コンデンサ素子の少なくともいずれか1つにおいて、前記陰極部の少なくとも一部が、絶縁性の金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜から選ばれる少なくとも一つを含む第1のバリア層により被覆されている、固体電解コンデンサ。 - 前記第1のバリア層を有する前記コンデンサ素子の前記陰極部の表面は、前記第1のバリア層で被覆された第1領域と、前記陰極部が露出する第2領域と、を有し、
前記第2領域を介して、隣接する前記コンデンサ素子の前記陰極部同士が電気的に接続されている、請求項2に記載の固体電解コンデンサ。 - 前記第1のバリア層は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記第1のバリア層は、窒化ケイ素を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記コンデンサ素子は、前記陽極部を形成する陽極体と、前記陽極体の少なくとも一部を覆う誘電体層とを有し、
前記陰極部は、前記誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層と、前記固体電解質層の少なくとも一部を覆う陰極引出層とを有し、
前記固体電解質層は、前記陰極引出層に覆われていない露出部を有し、
前記露出部の少なくとも一部が、前記第1のバリア層に接触している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。 - 前記第1のバリア層は、前記陽極部の少なくとも一部を被覆している、請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
- 前記第1のバリア層が、前記陽極端子の少なくとも一部、および/または、前記陰極端子の少なくとも一部を被覆している、請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
- 絶縁性の金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜から選ばれる少なくとも一つを含む第2のバリア層をさらに備え、
前記第2のバリア層が、前記外装樹脂の表面の少なくとも一部を被覆している、請求項1〜8のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。 - (i)陽極部および陰極部を有するコンデンサ素子を準備する工程と、
(ii)前記陰極部の少なくとも一部を、絶縁性の金属窒化物膜および絶縁性の炭素膜から選ばれる少なくとも一つを含むバリア層により被覆する工程と、
(iii)前記陽極部に陽極端子を接続するとともに、前記陰極部に前記陰極端子を接続する工程と、
(iv)前記コンデンサ素子を外装樹脂で封止する工程と、を有する、固体電解コンデンサの製造方法。
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