JP5028232B2 - フレキシブル管用継手 - Google Patents

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Description

本発明は、気体や液体等の流体を導くためのフレキシブル管を差込み、押輪を押込むだけのワンタッチ操作で、フレキシブル管をシール状に接続できるようにした差込み式のフレキシブル管用継手に関する。
この種の差込み式のフレキシブル管用継手として、例えば、図8(A)、(B)に示すように、フレキシブル管(蛇腹管)40を挿入するための管挿入孔41が形成されて内壁面が段部状になされた継手本体42と、継手本体42の先端にその長手方向へ摺動可能に取り付けられた押輪(ナット部材)43と、継手本体42の内壁面の段部に設けられたパッキン部材44と、パッキン部材44の基端部側に設けられてフレキシブル管40が挿入された時にフレキシブル管40の先端に当接して一部がフレキシブル管40の半径方向に弾性的に拡縮しながらフレキシブル管40を内側に挿通させるリング状のストッパ部材45と、押輪43とパッキン部材44との間に介在されて押輪43の挿入時にパッキン部材44を押圧すると共に一端側がフレキシブル管40の中心方向へ弾性的に拡縮可能になされたリング状のリテーナ部材47と、押輪43に設けられて、押輪43が継手本体42側に挿入された時に押輪43を固定するストップリング部材48とを備え、押輪43は、これを継手本体42へ挿入した時にリテーナ部材47と当接してこれを縮径方向へ変形させるというものがある(例えば、特許文献1参照。)。
このフレキシブル管用継手によれば、フレキシブル管40が継手本体42内へ挿入されるとこのフレキシブル管40はリング状のリテーナ部材47及びパッキン部材44内を挿通されてその先端はストッパ部材45に当接してストッパ部材45の直径を拡縮させながら1山或いは複数山挿通し、ストッパ部材45の内周端部はフレキシブル管40の凹部に嵌まり込んだ状態になり、この状態で押輪43を更に押込むとこの先端がリテーナ部材47と当接してこれを縮径させ、このリテーナ部材47の一端部がフレキシブル管40の凹部へ嵌まり込んだ状態となり、しかもストップリング部材48により押輪43が継手本体42側へ固定され、これで挿入固定が完了する。この状態で、フレキシブル管40に引き抜き方向に力を付与すると、ストッパ部材45及びパッキン部材44は一体となって引き抜き方向に僅かに移動してリテーナ部材47を引き抜き方向へ移動させる力が付与され、或いはリテーナ部材47の一端部がフレキシブル管40の凹部に嵌まり込んでいるので、リテーナ部材47を引き抜き方向へ移動させる力が付与され、この時、押輪43に当接したリテーナ部材47はこれが縮径するように力が付与されてフレキシブル管40の引き抜きが阻止されるように作用するので、フレキシブル管40を継手本体42内に十分に差し込んで挿入し、押輪43を押込むだけで、良好なシール性を維持した状態でフレキシブル管40の接続を行うことができる、というものである。
特開2003−176888号公報
しかしながら、押輪43を用いる上記フレキシブル管用継手では、押輪43の押込みの確認は押輪43の鍔部43bが継手本体42の入口端に当接しているか否かを見て確認するが、押輪43が完全に押込まれても押輪43の鍔部43bが継手本体42の入口端に露出した状態になるので、押輪43の押込み不足と完全な押込み状態とを判別し難い。とくに暗闇や暗所では確認し難い。
また、押輪43が完全に押込まれたのを確認する手段として、継手本体42の入口端から露出する押輪43の円筒部43aの外周面に赤色等の着色を施しておいて、その着色表示部分が押込み完了により継手本体42の内部に隠れて見えなくなることで確認するという手法も公知であるが、これにおいては着色表示部分が継手本体42の入口端と押輪43の鍔部43bとの間に落ち込んだ状態にあるため、とくに暗闇や暗所では見えにくく、また、これにおいても押輪43が完全に押込まれても該押輪43の鍔部43bが継手本体42の入口端に露出して見えるので、押輪43の押込み不足と完全な押込み状態とを判別し難いという問題があった。
本発明は、このような問題点を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、フレキシブル管を差込み、押輪を押込むだけのワンタッチ操作でフレキシブル管をシール状に接続できるうえ、押輪の押込み完了を確認し易いフレキシブル管用継手を提供することにある。
本発明は、請求項1に記載のように、その発明の内容を理解しやすくするために図1〜図5に付した符号を参照して説明すると、外周部に円周方向全周に延びる山部8と谷部9とを管軸方向へ交互に並設したフレキシブル管2の先端部が差込まれる受口部3を有する継手本体5と、受口部3内に収容され、受口部3の内周とフレキシブル管2の先端部付近の外周との間をシールするシールゴム6と、受口部3内に挿入される押輪7とを備え、押輪7は円筒部7aとこの円筒部7aの後端部の外周に設けた鍔部7bとを有する形に形成されて、円筒部7aが受口部3に押込み代を残す半挿入状態に挿入され、前記押込み代分だけ完全に押込まれると円筒部7aの先端部でシールゴム6が受口部3の入口側方向へ戻り移動するのを抑えるようにしてある、フレキシブル管用継手において、押輪7の鍔部7bの円筒部7a側の端面に切断刃7cが設けられ、受口部3と押輪7との間に押輪押込み確認用のスペーサ28が装着され、半挿入状態にある押輪7が完全に押込まれたときスペーサ28の一部が切断刃7cで切断されて受口部3及び押輪7から外れるように構成されていることに特徴を有するものである。
この構成によると、フレキシブル管2の差込み後、半挿入状態にある押輪7が完全に押込まれると、押輪7の切断刃7cでスペーサ28の一部が切断されて受口部3及び押輪7から外れ、この外れ現象は際立って見えるので、押輪7が完全に押込まれたことを容易に確認できる。そのスペーサ28の一部が外れないと、押輪7が押込み不足又は押込み忘れであることを知らしめ、押輪7の押込みを促すことができる。
フレキシブル管2の差込み後、押輪7が完全に押込まれるとその先端部でシールゴム6が受口部3の入口側方向へ戻り移動するのを抑えるようにしてあるので、シールゴム6によるフレキシブル管2の先端部付近と受口部3の内周との間のシール機能を確保できる。
請求項1記載のフレキシブル管用継手は、請求項2に記載のように、スペーサ28は、押輪7の円筒部7aに外嵌されるリング部28aと、このリング部28aの外周一部から鍔部7bの方向へ張出した断面円弧形状の張出片28bと、張出片28bの張出し側端部の内周に付けたリップ28cとを有する形に形成されており、リング部28aが受口部3の入口側端面に当接されるとともに、リップ28cが半挿入状態にある押輪7の外周に設けた周溝29に係脱可能に係合された構成を採用することができる。
この構成によると、筒形スペーサ28により押輪7の半挿入状態を保持することができ、フレキシブル管2の差込み前、すなわち在庫、保管時に、押輪7が不用意に押込まれてシールゴム6に変形を加えるのを防止できる。
請求項1又は2記載のフレキシブル管用継手は、請求項3に記載のように、受口部3内には入口側から内奥側に向かって順に大径孔11、中径孔12、小径孔13を形成しており、シールゴム6が、フレキシブル管2の山部8の外径と略同一の内径を有する筒状の前側胴部6aと、この前側胴部6aの前端部に内向きに張り出した管端受け部6bと、前側胴部6aの後端部に外向きに張り出した環状のシール作用部6cと、このシール作用部6cから後方へ連設され前側胴部6aの内径より大きい内径の後側胴部6dと、この後側胴部6dの後端部に連設され後側胴部6dの内径より小さく山部8の外径より大きい内径で且つ後側胴部6dの外径より大きい外径の抜止め突部6eとを有する形に一体形成されており、小径孔13と中径孔12との間に第1テーパ15を小径孔13に向かって窄まり状に形成し、中径孔12と大径孔11との間に第2テーパ16を中径孔12に向かって窄まり状に形成しており、シールゴム6は自由状態において管端受け部6bおよび前側胴部6aが小径孔13内に位置し、かつシール作用部6cが中径孔12内に位置するとともに、抜止め突部6eが大径孔11内に位置するように収容配置されており、受口部3にフレキシブル管2の先端部を差込むに伴い半挿入状態にある押輪7から該フレキシブル管2の先端部がシールゴム6の内部に挿入し管端受け部6bに当接してシールゴム6を受口部内奥方向へ押込み、この押込みに伴いシール作用部6cが第1テーパ15の窄まり側に摺接することにより縮径変形してフレキシブル管2の谷部9の少なくとも斜面9aに密着するとともに、抜止め突部6eがこれの外径部を第2テーパ16の窄まり側に摺接することにより縮径して内径部をフレキシブル管2の谷部9に嵌入するように構成してあることに特徴を有するものである。
尚、本明細書および特許請求の範囲において、「自由状態」とは、ゴムシール6が拡縮径するように変形されておらず圧縮応力又は引張応力が作用していない状態を言う。
このような構成によれば、フレキシブル管2の先端部付近の外周面と小径孔11の内周面との間のシールゴム6による密封シール状態は、シールゴム6のシール作用部6cがフレキシブル管2の谷部8の少なくとも斜面8aに密着することで得られるようにしてあるので、フレキシブル管2の受口部内に挿入される先端部や先端部付近の変形及び施工後の曲げ等に対する影響を受けにくくなり、シール性能を高めることができる。
また、フレキシブル管2を受口部3に差込むに伴いフレキシブル管2の先端部がシールゴム6の内部に挿入し管端受け部6bに当接してシールゴム6を受口部3の内奥方向へ押込み、この押込みに伴いシール作用部6cが第1テーパの窄まり側に摺接することにより内向きに縮径変形してフレキシブル管2の谷部8に密着するようにしてあるので、フレキシブル管2を差込むだけで簡単にシール状に接続することができる。
さらに、シールゴム6は、当初、即ちフレキシブル管差込み前の段階ではシール作用部6cを外向きに張り出しているので、フレキシブル管2の先端部の差込み時に該先端部がシール作用部6cに支えて差込み障害になるようなことがなく、フレキシブル管2をシールゴム6にスムーズに差込むことができ、フレキシブル管2の差込み容易性を確保できる。
更に又、上記のようにフレキシブル管2の差込みによりシールゴム6を受口部3の内奥方向へ押込むに伴い、シールゴム6と一体の抜止め突部6eがこれの外径部を第2テーパ16の窄まり側に摺接することにより縮径して内径部をフレキシブル管2の谷部9に嵌入するようにしてあるので、フレキシブル管2を差込むだけで簡単に抜け止め状に接続することができる。抜止め突部6eはシールゴム6と一体に形成してあるので、それだけ部材点数並びに組立工数の減少、コストの削減を図ることができる。
請求項3記載のフレキシブル管用継手は、請求項4に記載のように、半挿入状態にある押輪7はこれの先端部がフレキシブル管2の差込み前におけるシールゴム6の抜止め突部6eの後側に当接もしくは近接する初期位置に位置決め保持される第1の位置決め保持手段と、完全に押込まれた押輪7はこれの先端部が、先にフレキシブル管2の差込みに伴い小径孔13内にまで押込まれたシールゴム6の抜止め突部6eの後側に当接もしくは近接する押込み位置に位置決め保持される第2の位置決め保持手段を備えるという構成を採用することができる。
この構成のように半挿入状態にある押輪7はこれの先端部がフレキシブル管2の差込み前におけるシールゴム6の抜止め突部6eの後側に当接もしくは近接する初期位置に第1の位置決め保持手段で位置決め保持しておくと、この第1の位置決め保持手段単独作用で、または請求項2記載のセパレータによる押輪の半挿入状態の保持作用と相俟ってフレキシブル管2の差込み前、すなわち在庫、保管時にシールゴム6は、半挿入状態にある押輪7により押込まれるおそれがなく、自由状態でシール作用部6cが中径孔12に保持されるようにしてあるため、シール作用部6cには内部応力が発生せず、シール作用部6cはフレキシブル管2が差込まれたときにはじめて弾性的に縮径してフレキシブル管2の谷部に密着するので、適切な圧縮代が長期間にわたり維持され、所定の耐用年数を保証することができる。
また、完全に押込まれた押輪7はこれの先端部が、先にフレキシブル管2の差込みに伴い小径孔13内にまで押込まれたシールゴム6の抜止め突部6eの後側に当接もしくは近接する押込み位置に位置決め保持される第2の位置決め保持手段を備えておくと、フレキシブル管2の差込み及び押輪7の押込み完了後にシールゴム6が入口側方向へ移動するのを阻止することができ、シールゴム6によるシール状態および抜止め状態を確保できるとともに、フレキシブル管2の引抜き阻止力を発生させることができる。
上記第1の位置決め保持手段は、請求項5に記載のように、継手本体5の大径孔11の内周に設けた第1スナップリング溝23と、押輪7の外周に設けたスナップリング溝21とに係脱可能に係合するスナップリング27からなるものとすることができる。この第1の位置決め保持手段によれば、半挿入状態にある押輪7はこれの先端部がフレキシブル管2の差込み前におけるシールゴム6の抜止め突部6eの後側に当接もしくは近接する初期位置に確実に位置決め保持することができる。
請求項4記載のフレキシブル管用継手は、請求項6に記載のように、第2の位置決め保持手段として、継手本体5の大径孔11の内周の第1スナップリング溝23より奥側に設けた第2スナップリング溝24と、押輪7の押込みに伴いスナップリング溝21による押込み作用により第1スナップリング溝23から第2スナップリング溝24に移し変えられてそれらスナップリング溝21と第2スナップリング溝24とに係合する前記スナップリング27からなるという構成を採用することができる。この第2の位置決め保持手段によれば、完全に押込まれた押輪7はこれの先端部がフレキシブル管2の差込みに伴い小径孔13内にまで押込まれたシールゴム6の抜止め突部6eの後側に当接もしくは近接する押込み位置に確実に位置決め保持される。
本発明によれば、フレキシブル管を差込み押輪を押込むだけの簡単な操作でシール状に接続でき、しかも押輪の押込み完了状態を容易に確認でき、押輪の押込み忘れや押込み不足を防止できるという利点がある。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づき説明する。図1は本発明の一実施例を示すフレキシブル管用継手を、フレキシブル管差込み前の状態で示す半欠截断面図、図2はフレキシブル管差込み途中の状態で示す同フレキシブル管用継手の半欠截断面図、図3はフレキシブル管差込み途中の状態で示す同フレキシブル管用継手の半欠截断面図、図4はフレキシブル管の差込み完了後の状態で示す同フレキシブル管用継手の半欠截断面図、図5の(a)はシールゴムの半欠截断面図、(b)はシールゴムの正面図、(c)はシールゴムの背面図、図6は図2における矢印A方向からみた側面図、図7はセパレータの斜視図である。
図1に示すように、本発明に係るフレキシブル管用継手1は、一端部に金属製のフレキシブル管2の先端部を受け入れる受口部3を形成し、他端部の外周に接続用雄ねじ4を形成した継手本体5と、この継手本体5の受口部3の内部に収容されるシールゴム6と、受口部3内に押込み代を残す半挿入状態に挿入される押輪7と、受口部3と、半挿入状態の押輪7の外周との間に装着される押輪押込み確認用のスペーサ28等を備える。
フレキシブル管2は、図1に示すように、外周部に円周方向全周に延びる山部8と谷部9とを管軸方向へ交互に並設し、その外周を塩化ビニール等の合成樹脂層10で被覆している。
図1に示すように、継手本体5の受口部3内には入口側から内奥側に向かって順に大径孔11、中径孔12、小径孔13を連通状に形成する。小径孔13の内奥端にはストッパー部14を径方向内方へ突設している。小径孔13と中径孔12との間には第1テーパ15を小径孔13に向かって窄まり状に形成し、中径孔12と大径孔11との間には第2テーパ16を中径孔13に向かって窄まり状に形成している。
図5の(a)〜(c)に示すように、シールゴム6は、フレキシブル管2の山部8の外径と略同一の内径を有する筒状の前側胴部6aと、この前側胴部6aの前端部に内向きに張り出した管端受け部6bと、前側胴部6aの後端部に外向きに張り出した環状のシール作用部6cと、このシール作用部6cから後方へ連設され前側胴部6aの内径より大きい内径の後側胴部6dと、この後側胴部6dの後端部に連設され後側胴部6dの内径より小さく且つ山部7の外径より大きい内径で且つ後側胴部6dの外径より大きい外径の抜止め突部6eとを有する形に一体形成されている。
前側胴部6a、シール作用部6cおよび後側胴部6dはNBR、SBR、EPDM等からなる。管端受け部6bは、それら前側胴部6a、シール作用部6cおよび後側胴部6d等と同一材料又は異材料で形成し、異材料としては例えば熱膨張性黒鉛入りゴム等耐火パッキンなどである。
抜止め突部6eは、前側胴部6a、シール作用部6cおよび後側胴部6dよりも硬い金属材料または硬質樹脂等で部分円弧状に形成され、この複数個が後側胴部6dの後端部の円周方向に所定間隔置きに並べて一体成型される。抜止め突部6eの外周と後端面の交わる角部には後方窄まり状のテーパcを形成している。
このシールゴム6は、フレキシブル管2の差込み前(初期状態)において、図1に示すように、管端受け部6bおよび前側胴部6aが小径孔13内に位置し、かつシール作用部6cが中径孔12内に位置するとともに、抜止め突部6eが大径孔11内に位置するように収容配置される。
図1に示すように、継手本体5内のストッパー部14には先端掛止め部材17を装着している。先端掛止め部材17は、拡縮径自在なC形のリング部17aと、このリング部17aの内径部の数箇所から突設する弾性変形自在な逆止爪17bとを有する形に金属や硬質樹脂等で形成されている。そして、先端掛止め部材17は、リング部17aがストッパー部14に重合するとともにリング部17aの外径部がストッパー部14の外径側に設けた円周溝14a内に係合して、逆止爪17bが小径孔13内に向けて突出するようにストッパー部14に装着される。
図1に示すように、押輪7は、継手本体5の大径孔11の入口側に軸方向に移動可能に挿入されフレキシブル管2が挿通可能な円筒部7aを有し、この円筒部7aの入口側後端部の外周には大径孔11の孔径より大きい外径の鍔部7bを一体に形成し、鍔部7bの円筒部側の端面に刃先を受口部に向ける切断刃7cを設けている。押輪7の円筒部7aの入口側後端の内周にはパッキン溝18を形成し、このパッキン溝18にEPDM等よりなる断面T形状の防水パッキン19を嵌め込んでいる。円筒部7aの先端部の外周には第2テーパ16と略同一勾配の先細状のテーパ20aを、円筒部7aの先端部の内周には先拡がり状のテーパ20bをそれぞれ形成している。
図1に示すように、押輪7の円筒部7aの外周にはスナップリング溝21を形成する一方、継手本体5の大径孔11の内周には入口側から奥側に向かって順に選択透過部材溝22、第1スナップリング溝23、第2スナップリング溝24を形成している。第1スナップリング溝23には奥側に向かって窄まり状のテーパ25を形成している。選択透過部材溝22には内部から外部へ気体を透過するが、固体や液体は透過しない選択透過性部材26を嵌め込んでいる。
押輪7はこれの先端部が図1のようにフレキシブル管2の差込み前におけるシールゴム6の抜止め突部6eの後側に当接もしくは近接する半挿入状態(初期位置)に位置決め保持される第1の位置決め保持手段と、前記先端部が図4のようにフレキシブル管2の差込みに伴い小径孔13内にまで押込まれるシールゴム6の抜止め突部6eの後側に当接もしくは近接する完全な押込み位置に位置決め保持される第2の位置決め保持手段を備えている。
フレキシブル管2の差込み前では、図1のように、継手本体5の第1スナップリング溝23に拡縮径自在なスナップリング(穴用のC形止め輪)27がこの内径部を大径孔11の内周面より突出して押輪7のスナップリング溝21に係脱可能に係合するように自由状態より縮径状態に変えて嵌め込まれており、これら第1スナップリング溝23、スナップリング溝21およびスナップリング27により第1の位置決め保持手段が構成され、この位置決め保持手段により半挿入状態の押輪7は、図1のように、フレキシブル管2の差込み前において先端部がシールゴム6の中径孔12内に位置する抜止め突部6eの後側に当接もしくは近接する初期位置に位置決め保持される。
上記第2の位置決め保持手段は、継手本体5の大径孔11の内周の第1スナップリング溝23より奥側に設けた第2スナップリング溝24と、押輪7の外周に設けたスナップリング溝21とに係脱可能に係合するスナップリング27からなる。
上記押輪押込み確認用のスペーサ28は合成樹脂又は金属等で形成され、図2、図6、図7に示すように、押輪7の円筒部7aに外嵌されるリング部28aと、このリング部28aの外周一部から鍔部7bの方向へ張出した断面円弧形状の張出片28bと、この張出片28bの張出し側端部の内周に付けたリップ28cとを有する形に形成されており、リング部28aは半挿入状態にある押輪7の円筒部7aに外嵌され、且つ受口部3の入口側端面3aに当接されるとともに、リップ28cは半挿入状態にある押輪7の鍔部7bの外周に設けた周溝29に係脱可能に係合される。
図1のように、スペーサ28はリング部28aを半挿入状態にある押輪7の円筒部7aに外嵌し、且つ受口部3の入口側端面3aに当接するとともに、リップ28cを半挿入状態にある押輪7の鍔部7bの外周の周溝29に係合した状態は、フレキシブル管2の差込み前において半挿入状態にある押輪7の先端部がシールゴム6の中径孔12内に位置する抜止め突部6eの後側に当接もしくは近接する初期位置(上記第1の位置決め保持手段により保持される位置)と一致する。
そして、図1〜図3のように半挿入状態にある押輪7を受口部3内に向けて押込むに伴い、スペーサ28のリップ28cが押輪7の鍔部7bの外周の周溝29から離脱して該鍔部7bの外周面を滑る。更に、押輪7は、図4のように、先端部を小径孔13内にまで押込まれたシールゴム6の抜止め突部6eの後側に当接もしくは近接する押込み位置にまで完全に押込まれると、押輪7の切断刃7cでスペーサ28の一部30、図示例ではリング部28aの張出片28bとの連接箇所もしくはこの箇所近傍が切断されて張出片28bが受口部3及び押輪7から外れる。スペーサ28の被切断箇所30は、切断刃7cで切断し易くするために、予め薄肉に形成しておくことが望ましい。
このように押輪7が完全に押込まれ、スペーサ28の一部30が切断されて張出片28bが受口部3及び押輪7から外れた状態は、上記第2の位置決め保持手段により保持される押輪7の押込み位置と一致する。
次に、上記のフレキシブル管用継手1にフレキシブル管2を接続する要領について図1〜図4を参照にして説明する。
図1のようにフレキシブル管2の接続前、フレキシブル管2の差込み前、すなわち在庫、保管時においては、スペーサ28のリング部28aが受口部3の入口側端面3aに当接されるとともに、リップ28cが半挿入状態にある押輪7の鍔部7bの外周に設けた周溝29に係合していることにより得られる押輪7の半挿入状態の保持作用と、第1の位置決め保持手段による押輪7の半挿入状態の保持作用と相俟って、押輪7が、不用意に押込まれてシールゴム6に変形を加えるのを防止できる。
フレキシブル管2の接続に際し、先ず、図2に示すように、合成樹脂層10を剥離して山部8が6個分ほど露出したフレキシブル管2を、押輪7の入口側から継手本体5の受口部3内のシールゴム6の抜止め突部6e、後側胴部6d、シール作用部6c、および前側胴部6aの順に差込み、そのフレキシブル管2の先端部をシールゴム6の管端受け部6bに当接させる。その際、シールゴム6のシール作用部6cは外向きに張り出す形に形成しているので、フレキシブル管2の差込み時にそのシール作用部6cが障害になるようなことなくフレキシブル管2の先端部をシールゴム6内にスムーズに挿入できる。
引き続いて、図3に示すように、フレキシブル管2を所定深さまで差込むと、シールゴム6がフレキシブル管2と共に受口部内奥方向へ押込まれ、この押込みに伴いシールゴム6のシール作用部6cが第1テーパ15の窄まり側に摺接することにより該第1テーパ15で押圧されて内向きに縮径変形し、第1テーパ面15を通過して小径孔13内に移動するや否やフレキシブル管2の谷部9の斜面9a及び谷底部9bの双方、または少なくとも斜面9aに圧縮状に密着し、これと同時にシールゴム6の抜止め突部6eが第2テーパ16の窄まり側に摺接することにより該第2テーパ16で縮径方向に押圧されながら中径孔12に移動し該中径孔12の内周面でフレキシブル管2の前記谷部9とは別の谷部9に押込まれて嵌入する。これによりフレキシブル管2の先端部の外周面と継手本体5の小径孔11の内周面との間がシールゴム6により確実に密封シールされ、フレキシブル管2内を流れる流体がフレキシブル管2の先端部からフレキシブル管2の先端部外周と継手本体5の小径孔11内周との間を経て漏れ出るのを防止できる状態が得られるとともに、抜止め突部6eによりフレキシブル管2の抜止め状態が得られる。なお、フレキシブル管2の先端部とシールゴム6の管端受け部6bとの間でもシール機能を期することができる。
また、図3のようにフレキシブル管2が所定深さまで差込まれると、シールゴム6の管端受け部6bの内径部及びフレキシブル管2の先端部の内面が先端掛止め部材17の逆止爪17bと小径孔11の内周面との間を該逆止爪17bの弾性縮径変形を介して通過後に該逆止爪17bに係合する。この管端受け部6bが逆止爪17bを通過する時、施工者は手応えを感じ、フレキシブル管2が所定深さまで差込まれたことを実感できる。
また、そのようにフレキシブル管2の先端部が先端掛止め部材17の逆止爪17bに係合するとともに、抜止め突部6eが谷部9に入り込むことで、フレキシブル管2が振れるのを抑制することができる。
フレキシブル管2の差込み完了後には、図4のように押輪7を完全に押込む。押輪7の完全な押込みにより押輪7の先端部がシールゴム6の抜止め突部6eの後側に近接もしくは当接し、これによりシールゴム6が受口部3の入口側方向へ戻り移動するのを防止できてシールゴム6によるシール状態および抜止め状態を確保できるとともに、フレキシブル管2の引抜き阻止力を発生させることができる。
また、押輪7の完全な押込みに伴い押輪7の先端部のテーパ20bがシールゴム6の抜止め突部6eのテーパcに近接対向する。したがって、このときフレキシブル管2を引き抜く方向に外力が加わったとしても、フレキシブル管2と同行する抜止め突部6eのテーパcが押輪7のテーパ20bの窄まり側に当接することにより、抜止め突部6eが後側胴部6dの弾性を介して縮径してその抜止め突部6eの内径部がフレキシブル管2の谷部9への係合力を増すので、フレキシブル管2の抜け出しが確実に阻止される。
押輪7が完全に押込まれると、押輪7の切断刃7cでスペーサ28の一部30が切断されて張出片28bが受口部3及び押輪7から外れ、この張出片28bの外れ状態を見ることで押輪7が完全に押込まれたことを容易に確認することができる。したがって、押輪7の押込み忘れや押込み不足によりシールゴム6が受口部3の入口側方向へ戻り移動して流体漏れを発生したり、フレキシブル管2が抜け出したりするのを防止できる。
上記実施例では、継手本体5の一端に受口部3を、他端の外周に接続用雄ねじ4を形成した雄ねじフレキシブル管用継手について記述したが、本発明はこれに限られず、他の構造、例えば、両端に受口部を有する左右対称のソケット形のフレキシブル管用継手や、エルボ型のフレキシブル管用継手等にも適用できることは勿論である。
本発明の一実施例を示すフレキシブル管用継手を、フレキシブル管差込み前の状態で示す半欠截断面図である。 フレキシブル管差込み途中の状態で示す同フレキシブル管用継手の半欠截断面図である。 フレキシブル管差込み途中の状態で示す同フレキシブル管用継手の半欠截断面図である。 フレキシブル管の差込み完了後の状態で示す同フレキシブル管用継手の半欠截断面図である。 (a)はシールゴムの半欠截断面図、(b)はシールゴムの正面図、(c)はシールゴムの背面図である。 図2における矢印A方向からみた側面図である。 セパレータの斜視図である。 (A)は従来例のフレキシブル管用継手を、フレキシブル管差込み途中の状態で示す断面図、(B)は同フレキシブル管用継手を、フレキシブル管差込み完了後の状態で示す断面図である。
符号の説明
1 フレキシブル管用継手
2 フレキシブル管
3 受口部
5 継手本体
6 シールゴム
6a 前側胴部
6b 管端受け部
6c シール作用部
6d 後側胴部
6e 抜止め突部
7 押輪
7a 円筒部
7b 鍔部
7c 切断刃
8 山部
9 谷部
9a 斜面
11 大径孔
12 中径孔
13 小径孔
15 第1テーパ
16 第2テーパ
21 押輪のスナップリング溝
23 第1スナップリング溝
24 第2スナップリング溝
27 スナップリング
28 スペーサ
28a リング部
28b 張出片
28c リップ
29 周溝

Claims (6)

  1. 外周部に円周方向全周に延びる山部と谷部とを管軸方向へ交互に並設したフレキシブル管の先端部が差込まれる受口部を有する継手本体と、前記受口部内に収容され、前記受口部の内周と前記フレキシブル管の先端部付近の外周との間をシールするシールゴムと、受口部内に挿入される押輪とを備え、前記押輪は円筒部とこの円筒部の後端部の外周に設けた鍔部とを有する形に形成されて、前記円筒部が前記受口部に押込み代を残す半挿入状態に挿入され、前記押込み代分だけ完全に押込まれると前記円筒部の先端部で前記シールゴムが前記受口部の入口側方向へ戻り移動するのを抑えるようにしてある、フレキシブル管用継手において、
    前記押輪の鍔部の円筒部側の端面に切断刃が設けられ、前記受口部と半挿入状態の前記押輪との間に押輪押込み確認用のスペーサが装着され、半挿入状態にある前記押輪が完全に押込まれたとき前記スペーサの一部が前記切断刃で切断されて前記受口部及び前記押輪から外れるように構成されていることを特徴とする、フレキシブル管用継手。
  2. 前記スペーサは、前記押輪の円筒部に外嵌されるリング部と、このリング部の外周一部から前記鍔部の方向へ張出した断面円弧形状の張出片と、この張出片の張出し側端部の内周に付けたリップとを有する形に形成されており、前記リング部が前記受口部の入口側端面に当接されるとともに、前記リップが半挿入状態にある前記押輪の外周に設けた周溝に係脱可能に係合されている、請求項1記載のフレキシブル管用継手。
  3. 前記受口部内には入口側から内奥側に向かって順に大径孔、中径孔、小径孔を形成しており、
    前記シールゴムが、前記フレキシブル管の山部外径と略同一の内径を有する筒状の前側胴部と、この前側胴部の前端部に内向きに張り出した管端受け部と、前記前側胴部の後端部に外向きに張り出した環状のシール作用部と、このシール作用部から後方へ連設され前記前側胴部の内径より大きい内径の後側胴部と、この後側胴部の後端部に連設され前記後側胴部の内径より小さく前記山部の外径より大きい内径で且つ前記後側胴部の外径より大きい外径の抜止め突部とを有する形に一体形成されており、
    前記小径孔と中径孔との間に第1テーパを小径孔に向かって窄まり状に形成し、前記中径孔と大径孔との間に第2テーパを中径孔に向かって窄まり状に形成しており、
    前記シールゴムは自由状態において前記管端受け部および前側胴部が前記小径孔内に位置し、かつ前記シール作用部が前記中径孔内に位置するとともに、前記抜止め突部が前記大径孔内に位置するように収容配置されており、
    前記受口部に前記フレキシブル管の先端部を半挿入状態にある前記押輪から差込むに伴い該フレキシブル管の先端部が前記シールゴムの内部に挿入し前記管端受け部に当接して前記シールゴムを受口部内奥方向へ押込み、この押込みに伴い前記シール作用部が前記第1テーパの窄まり側に摺接することにより縮径変形して前記フレキシブル管の谷部の少なくとも斜面に密着するとともに、前記抜止め突部がこれの外径部を前記第2テーパの窄まり側に摺接することにより縮径して内径部を前記フレキシブル管の谷部に嵌入するように構成してある、請求項1又は2記載のフレキシブル管用継手。
  4. 半挿入状態にある前記押輪はこれの先端部がフレキシブル管差込み前における前記シールゴムの抜止め突部の後側に当接もしくは近接する初期位置に位置決め保持される第1の位置決め保持手段と、完全に押込まれた前記押輪はこれの先端部が、先にフレキシブル管の差込みに伴い前記小径孔内にまで押込まれた前記シールゴムの抜止め突部の後側に当接もしくは近接する押込み位置に位置決め保持される第2の位置決め保持手段を備えている、請求項3記載にフレキシブル管用継手。
  5. 前記第1の位置決め保持手段は、前記継手本体の大径孔の内周に設けた第1スナップリング溝と、前記押輪の外周に設けたスナップリング溝とに係脱可能に係合するスナップリングからなる、請求項4記載のフレキシブル管用継手。
  6. 前記第2の位置決め保持手段は、前記継手本体の大径孔の内周の前記第1スナップリング溝より奥側に設けた第2スナップリング溝と、前記押輪の押込みに伴い前記スナップリング溝による押込み作用により前記第1スナップリング溝から前記第2スナップリング溝に移し変えられて前記スナップリング溝と前記第2スナップリング溝とに係合する前記スナップリングからなる、請求項4記載のフレキシブル管用継手。
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