JP5025906B2 - エレベータケージにおける振動減衰用調整器の設計の方法 - Google Patents

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Description

本発明は、調整器設計がエレベータケージのモデルに基づいているエレベータケージにおける振動減衰用調整器の設計の方法に関する。
エレベータケージにおける振動減衰のための装置と方法は、欧州特許第0,731,051号明細書によって知られている。走行方向に対して横向きに発生する振動または加速度は、これらの振動または加速度がもはやエレベータケージ内で知覚できないように、迅速な調整によって軽減される。測定値の検出のために、ケージフレームに慣性センサが配置される。さらにガイドレールに対して片側にそれた位置の場合には、より低速の位置調整器が自動的にエレベータケージを中心位置にガイドし、ここでは位置センサが測定値を位置調整器に供給する。
エレベータケージにおける振動または加速度を軽減するための多変数調整器と、ガイドローラにおける遊びまたはエレベータケージの垂直位置の維持のための更なる多変数調整器とが設けられる。これら二つの調整器の設定信号は、合算されてローラ案内用、水平方向用それぞれのアクチュエータを制御する。
調整器設計は、重要な構造的共振を考慮したエレベータケージのモデルに基づいて行われる。
全体モデルがポール数の削減のために高度に複雑ではあるが精密な方法になる傾向を持つことは不利である。その結果、モデルベースの調整器は等しく複雑になる。
欧州特許第0,731,051号明細書
ここで本発明は、改善方法を創案するであろう。請求項1において特徴付けられるように本発明は、既知の方法の欠点を回避して調整器設計の単純な方法を提案するという目的を達成する。
本発明の有利な展開は、従属特許請求項に示されている。好都合にも本発明による方法の場合には、既知の構造を有するエレベータケージの全体モデルが予め決められる。この場合、数個の剛性ボディを含む、いわゆるマルチボディシステム(MBS)モデルが関係している。このMBSモデルは、ガイドローラとアクチュエータとを有するエレベータケージの本質的弾性構造とガイドレールに連結する力とを表現している。モデルパラメータは多かれ少なかれある程度知られ、あるいは予測が存在し、使用されるエレベータケージに関するパラメータは識別または決定されることになっている。この場合、モデルの伝達関数または周波数応答は、測定済み伝達関数または周波数応答と比較される。数個の変数を有する関数の最適化のためのアルゴリズムの助けによって、予測モデルパラメータは最大の可能な一致を達成するように変えられる。
さらに、エレベータケージのアクティブな振動減衰システムがそれ自体で、伝達関数または周波数応答を測定するために使用可能であることは有利である。エレベータケージは、アクチュエータによって励起され、応答は加速度センサまたは位置センサによって測定される。
調整器のこのモデルベースの設計方法は、非常に異なるパラメータを有する個々のエレベータケージのために最善の可能でアクティブな振動減衰を保証する。
その結果、エレベータケージの最も単純で最も一貫性のあるモデルが存在することは、前述の識別方法によって保証される。好都合にもこのモデルに基づく調整器は、より良好な等級、またはより良好な調整特性を有する。さらに本方法は、系統的に記述でき大幅に自動化でき実質的にさらに短時間で実施できる。
識別されたパラメータを有するMBSモデルに基づいて、加速度の低減のために丈夫な多変数調整器が設計され、またガイドローラにおける遊びの維持のために位置調整器が設計される。
加速度調整器は、帯域フィルタの振舞いと、約1Hzから4Hzの中周波数範囲での最良の効果とを有する。この周波数帯域より下および上では、加速度調整器の増幅率と効率は低下する。
低周波数範囲では、加速度調整器の効果はガイドローラにおける利用可能な遊びによって制限され、そのために位置調整器が設計されるべきである。位置調整器は、エレベータケージがレールプロファイルの平均値にしたがうという効果を持っているが、加速度調整器は直線運動を引き起こす。対象物のこの矛盾は、これら二つの調整器が異なる周波数範囲で有効であることによって解決される。位置調整器の増幅率は、低周波数の場合に大きくて、それから減少する。これは、この位置調整器が低域フィルタの特性を有することを意味する。逆に加速度調整器は、低周波数において小さな増幅率を有する。
高周波数範囲では、加速度調整器の効果はエレベータケージの弾性によって制限される。最初の構造共振は、例えば12Hzで発生し得るが、ここでこの値はエレベータケージの構造のモードに強く依存しており、かなり低くなり得る。最初の構造共振より上では調整器はもはや、ケージボディにおける加速度を低減できない。構造共振が励起される、あるいは不安定が起こり得るという危険さえ存在する。調整器経路の動的システムモデルの知識によって、調整器はこれを避け得るように設計できる。
本発明は、付属の図面に基づいてさらに詳細に説明される。
MBSモデルは、走行の快適さに関してエレベータケージの重要な特性を再現しなくてはならない。これらのパラメータの識別の場合に線形モデルだけで運行することが可能なので、すべての非線形効果は無視されなくてはならない。弾性エレベータケージの第1の固有周波数は、これらがケージ全体のいわゆる固体ボディ固有周波数とオーバーラップできるほど低い。
図1に示すように弾性エレベータケージ1を、すなわちケージボディ2とケージフレーム3をモデル化するためには少なくとも二つの剛性ボディが必要とされる。ケージボディ2とケージフレーム3は、エラストマスプリング4.1から4.6、いわゆるケージ絶縁4によって接続されている。これは、フレームからケージボディへの固体伝搬音響の伝達を低減する。剛性エレベータケージ1をモデル化するためには、ケージボディとケージフレームとを全体で一体と考えればよい。
ケージボディ2とケージフレーム3の横方向剛性は、縦方向の剛性より実質的に小さい。これは、各事例で少なくとも二つの剛性ボディへの、すなわちケージボディ2.1、2.2とケージフレーム3.1、3.2とへの分割によってモデル化できる。これら少なくとも二つの部分ボディは、水平方向にはスプリング5、6.1、6.2によって連結されており、垂直方向には剛性的に接続されていると考えることができる。
レバーとアクチュエータとの釣り合った質量と一緒のガイドローラ7.1から7.8は、少なくとも8個の剛性ボディによってモデル化できるか、あるいは無視され得る。これは、ガイドローラの関連固有周波数と、考慮される周波数範囲の上限とに依存する。このアクチュエータ/ローラシステムの固有周波数は、調整された状態で不安定になり得るので、剛性ボディによるモデル化が好ましい。これらの剛性ボディは、レールにおける支持面に垂直方向にだけフレームに対して変位可能であり、またローラガイドスプリング8.1から8.8に連結されている。この他の方向にはこれらは、フレームに剛性的に接続されている。
図2に示すように、ガイドローラとガイドレールとの間のガイド動作または連結力は、重要である。モデルの形成には、実質的に単に二つの水平力成分が必要である。転がり抵抗に起因する垂直力成分は無視できる。法線力は、ローラカバー9.1から9.8の弾性圧縮の結果として生じる。軸方向力または横方向力は、ローラ軸に垂直でレールに平行な直線と、ローラ中心点の動きの実際の方向との間の角度から生じる。
数学的には下記の関係が関連している。
Figure 0005025906
(1)
RA:軸方向の転がり力(N)
α:斜め走行角(rad)
RN:支持面に垂直な転がり力(N)
K:測定によって決定されるディメンションなしの定数
力の法則(1)は、遅くとも静止摩擦力の限界に達したとき、ならびに大きな斜め走行角αの場合に無効である。これは、低速の走行速度と約90度までの静止量とにおいて迅速に大きくなる。したがって、この力法則(1)は走行中のケージにだけ当てはまる。
走行中のケージによる軸方向の転がり力に関しては下記の式が当てはまる。
Figure 0005025906
Figure 0005025906
:ケージの垂直方向速度(m/s)
:ケージの軸方向速度(m/s)
Kは定数であり、VとFRNはバイアス力が法線力の動的部分よりかなり大きいときに定数と見なされ得る。これは、軸方向の転がり力が軸方向速度に比例して且つ反対方向であり、エレベータケージの走行速度に反比例することを意味する。
ケージの横方向の振動は、粘性減衰器(viscous damper)のようなローラによって減衰され、この効果は走行速度の増加とともに小さくなる。
図3に示すようにガイドローラ7は、軸10’を中心として回転可能なレバー10によってケージフレーム3に連結されており、ローラガイドスプリング8はレバーとケージフレームとの間に力を発生させる。アクチュエータ11は、ローラガイドスプリングに平行に作用する力を発生させる。位置センサ12は、レバー10またはガイドローラ7の位置を測定する。加速度センサ13は、ガイドレール14上のローラカバー9の支持面に垂直方向のエレベータケージ3の加速度を測定する。それぞれの要素の符号は図1に示すように適用される(例えばケージ1の右下では、7.1、8.1、9.1、10.1、11.1、12.1、13.1)。
4個の下部ガイドローラ7.1から7.4は、アクチュエータと位置センサとともにエレベータケージ1に設けられている。さらに4個の上部ガイドローラ7.5から7.8も、アクチュエータと位置センサとともに設けることができる。必要とされる加速度センサ13の数は、調整される軸の数に対応し、少なくとも3個、多くとも6個の加速度センサが設けられる。
図4に示すように、エレベータケージ1のアクティブな振動減衰に関しては、軸の数は8から6に減らされ、あるいはアクティブな調整が底部だけで行われるときには4から3に減らされる。各軸Anには、アクチュエータ力、位置および加速度に関する1トリプレット(三つ組み)の信号Fn、Pn、anが属している。インデックスiはそれぞれの軸システムにおける連続した番号付けであり、nはそのシステムの軸の数を表す。
ガイドレール14.1、14.2間の下部ローラ対と上部ローラ対の信号は、次のように組み合わされる。アクチュエータ11.1、11.3に関する力信号F6またはアクチュエータ11.5、11.7に関する力信号F6は、正の半分と負の半分とに分割される。各アクチュエータは、運転時に一方の半分によってだけ制御され、ローラカバーに圧縮力だけを生成できる。位置センサ12.1、12.3の信号から平均値が形成され、位置センサ12.5、12.7に対しても同じことが当てはまる。加速度センサ13.1、13.3または加速度センサ13.5、13.7の信号からも同様に平均値が形成される。加速度センサ13.1、13.3または13.5、13.7は一つの軸上に存在して、下部または上部ケージフレームによって剛性的に連結されているので、これらのセンサは原則として同じものを測定し、また各々の場合にそれぞれのペアのうちの1個のセンサは省略できる。
走行を測定する場合には、図11に示すように運転中に力信号によって一つ以上のアクチュエータが制御され、またエレベータケージ1は位置センサ12と加速度センサ13に明らかに測定可能な信号が現れるほど、走行方向に対して横方向の振動に励起される。力信号との測定値の相関性が信頼度よく決定できるように、通常、1アクチュエータまたは1アクチュエータ対が運転中に制御される。表1に示すように少なくともアクティブな軸と同じほど多く必要である測定走行が提供される。
Figure 0005025906
力信号ならびに測定された位置信号と加速度信号の周波数スペクトルは、フーリエ変換によって決定される。この周波数範囲における伝達関数、または偏角としての角周波数ωにおける周波数応答Gi,j(ω)は、測定値のスペクトルが力信号の関連スペクトルによって除算されることによって決定される。この場合iは測定のインデックスであり、jは力のインデックスである。
Figure 0005025906
Figure 0005025906
Figure 0005025906
i,j(ω)は位置に対する力の個別周波数応答であり、G i,j(ω)は加速度に対する力の個別周波数応答である。マトリックスG(ω)は位置に対する力のすべての周波数応答を含んでおり、マトリックスG(ω)は加速度に対する力のすべての周波数応答を含む。マトリックスG(ω)はG(ω)とG(ω)の縦方向の組合せから生じる。
この結果、6軸システムに関しては2×6×6=72個の伝達関数が得られ、3軸システムに関しては2×3×3=18個の伝達関数が得られる。ガイドレール14.1、14.2間の軸上に存在する重心を有するケージの場合、二つの水平方向x、y間の結合と相関性は弱い。この理由からさらに、伝達関数のほぼ半分だけが使用され、残りは不十分な相関性のために除外される。
ケージのMBSモデルは、一般に線形システムである。もしこれが非線形成分を含んでいれば、数値的微分によって適当な演算状態で完全線形化モデルが生成される。線形状態空間においてMBSモデルは、下記の方程式によって記述される。
Figure 0005025906
y=Cx+Du
xはシステムの状態のベクトルであって、これらの状態は一般に外部からは見えない。この場合のシステムの状態は、固体ボディモデルの重心の位置と速度ならびに回転角度と回転速度である。これらの状態の微分は速度と加速度である。したがって速度は、状態と微分の両者である。
ベクトル
Figure 0005025906
は時間によるxの微分を含んでいる。yは測定された量、すなわち位置と加速度を含むベクトルである。ベクトルuはシステムの入力(アクチュエータ力)を含む。A、B、C、Dは共に、線形システムが完全に記述される、いわゆるヤコビマトリックスを形成する。このシステムの周波数応答は次式によって与えられる。
Figure 0005025906
G^(ω)はベクトルyの測定値と同じライン数とベクトルuの入力と同じコラム数とを有するマトリックスであり、ケージのMBSモデルのすべての周波数応答を有している。
ヤコビマトリックスは、1システムの方程式のすべての偏微分を含む。1次の連立微分方程式の線形システムの場合には、これらはAマトリックス、Bマトリックス、Cマトリックス、Dマトリックスの一定の係数である。
このモデルは、多数のよく知られた、例えば測定値、質量といったパラメータと、多数のあまり知られていない、例えばスプリングレート、減衰定数といったパラメータとを含んでいる。これらのあまり知られていないパラメータを識別することは必要である。この識別は、このモデルの周波数応答が測定済み周波数応答と比較されることによって行われる。これらのあまり知られていないモデルパラメータは、モデルの周波数応答のすべての偏差の合計eの最小値が測定済み周波数応答によって見出されるまで最適化アルゴリズムによって変えられる。
Figure 0005025906
Figure 0005025906
w(ω)は周波数に依存する重み付けである。これは、測定済み周波数応答の重要な成分だけがモデルでシミュレートされることを保証する。
最適化アルゴリズムは、簡単に次のように確定されることができる。すなわち、数個の変数を有する関数が与えられる。この関数の最小値と最大値が探索される。最適化アルゴリズムは、これらの極値を探索する。多くの種々のアルゴリズムが存在する。例えば最速逓減の方法は、偏微分の助けにより最大傾斜を探索して局所的最小値を迅速に見つけ出すが、その目的のために他を見落とす可能性がある。最適化は、多くの専門技術の分野で使用される数学的手順であって、科学的調査の重要な領域である。
図5は、測定された加速度と識別されたモデルとの周波数依存増幅度を示す。
Figure 0005025906
は、軸1からの出力加速度と軸1から入力された力とによる加速度に対する力の伝達関数の、または周波数応答の量または振幅を意味する。ディメンション:1mg/N=1ミリg/N=0.0981m/s^2/Nから1cm/s^2/N。
図11は、アクチュエータ11の励起のための力信号を示す。励起は、ランダム発生器によって生成される、いわゆるランダム2進信号によって実行され、この信号の振幅は例えば±300Nに固定的に設定でき、スペクトルは広く均一に分布させられる。
これらの識別されたパラメータを有するモデルは、アクティブな振動減衰のための最適調整器の設計に関する基礎を形成する。調整器構造と調整器パラメータは、調整すべき経路の特性に、この場合はエレベータケージに依存する。エレベータケージは、モデルに記述される静的および動的振舞いを有する。重要なパラメータは、質量および質量慣性モーメントと、例えば高さ、幅、奥行き、トラックサイズなどといった幾何学形状と、スプリングレートと、減衰値である。もしこれらのパラメータが変化すると、この変化はエレベータケージの振舞いに、したがって振動減衰のための調整器の設定値に影響を与える。古典的なPID調整器(比例、積分、微分調整器)の場合には三つの振幅率が設定されなくてはならないが、これらは人手により容易に管理できる。当面の場合の調整器は100をはるかに超えるパラメータを持っており、人手による設定は実際上、もはや不可能である。したがってこれらのパラメータは、自動的に確認されなくてはならない。これは、エレベータケージの本質的特性を記述したモデルの助けによってのみ可能である。
図6に示す調整は、並列に接続された二つの調整器、すなわち位置調整器15と加速度調整器16とに分割される。調整の他の構造、特に図7に示すような位置調整器と加速度調整器とのカスケード接続もまた可能である。これらの調整器は、線形、時間不変的、時間離散的であって、これらは数本の軸を同時に調整するので、マルチ入力、マルチ出力(Multi−Input、Multi−Output)のためにMIMOと呼ばれる。nは時間離散的調整器、あるいは「ディジタル」調整器における時間ステップの連続したインデックスである。
次の時間ステップに関する更新された状態x(n+1)は、これらの状態がそこで利用できるように計算される。
動的システムは、記述されたパラメータが一定に留まっているときには時間不変的である。線形調整器は、システムマトリックスA、B、C、Dが変化しないときには時間不変的である。ディジタルコンピュータ上に実現される調整器は、常に時間離散的である。これは、これらの調整器が一定の時間間隔で入力と計算と出力とを行うことを意味する。
調整器設計のためには、いわゆるH方法が使用される。図8は、閉じた調整ループを有するH設計方法の信号流れ図を示す。このH設計方法の主な利点は、それが自動化できることである。この場合、調整すべきシステムのH基準は、閉じた調整ループによって最小化される。m×n個の要素を有するマトリックスAのHは次式によって与えられる。
Figure 0005025906
調整すべきシステムは、図8に示すようなプラントの記号Pを有するエレベータケージ1の識別されたモデルである。符号17を有する調整器Kの望ましい振舞いは、システムの入力と出力における付加的な重み付け関数の助けによって生成される。
・wはシステムの入力における周波数範囲内の干渉をモデル化する。
・wは小さな一定値である。
・wは調整器出力を制限する。
・wは値1を有する。
図8は、H方法による調整器の設計のための図である。wは入力におけるベクトル信号であって、vとrとからなる。zは出力におけるベクトル信号であって、z=Twである。Tは、調整器と調整経路と重み付け関数とからなる。P6またはa6は、位置調整器または加速度調整器が別々の設計の場合に閉じた調整ループにおけるフィードバックを形成する。F6は、調整器の出力信号または設定信号である。H基準は、
Figure 0005025906
によって最小化される。この目的のために再び、最小値が見出されるまで調整器のパラメータを変化させる最適化アルゴリズムが必要になる。
図9は、y方向における位置調整器の特異値の推移を示す。これは、優れて積分的振舞いを有する。
図10は、y方向における加速度調整器の特異値の推移を示す。これは、帯域特性を有する。
特異値は、マトリックスの増幅率全体に関する測定値である。n×nマトリックスはn個の特異値を有する。ディメンション:1N/mg=1N/ミリg=N/(0.0981m/s^2)から1N/(cm/s^2)。
エレベータケージのマルチボディシステム(MBS)モデルを示す図である。 ローラ力を有するガイドローラを示す図である。 ガイドローラとアクチュエータとセンサとを有する設定要素を示す図である。 調整される軸の模式図を示す図である。 測定された加速度と識別されたモデルとの増幅率を示す図である。 アクティブな振動減衰のための識別されたパラメータを有する最適化された調整器を示す図である。 アクティブな振動減衰のための識別されたパラメータを有する最適化された調整器を示す図である。 調整器と調整器経路とによるH調整器の設計のための信号流れ図を示す図である。 y方向の位置調整器の特異値の推移を示す図である。 y方向の加速度調整器の特異値の推移を示す図である。 アクチュエータの励起のための力信号を示す図である。
符号の説明
1 エレベータケージ
2 ケージボディ
3 ケージフレーム
4 エラストマスプリング
5、6 スプリング
7 ガイドローラ
8 ローラガイドスプリング
9 ローラカバー
10 レバー
11 アクチュエータ
12 位置センサ
13 加速度センサ
14 ガイドレール
15 位置調整器
16 加速度調整器
17 調整器

Claims (9)

  1. エレベータケージ(1)における振動減衰用調整器の設計のための方法であって、この調整器設計はエレベータケージのモデルに基づき、エレベータケージ(1)の全体モデルがモデルパラメータを伴って使用されることと、使用されるエレベータケージに関するパラメータがモデルの伝達関数または周波数応答と、測定済み伝達関数または測定済み周波数応答との比較によって識別され、またこれらのモデルパラメータが測定済み周波数応答との最大可能な一致を達成するために変えられることと、これら識別されたパラメータを有するモデルがアクティブな振動減衰用の最適調整器の設計の基礎として役立ち、エレベータケージ(1)のアクティブ振動減衰システムがそれ自体、測定すべき伝達関数または周波数応答に関する測定装置として設けられており、またエレベータケージ(1)がアクチュエータ(11)によって励起され、応答が加速度センサ(13)または位置センサ(12)によって測定されることを特徴とする、方法。
  2. モデルパラメータは、モデルの周波数応答の測定済み周波数応答からの偏差すべての合計(e)の最小値が見出されるまで、最適化アルゴリズムによって変えられることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  3. モデルの周波数応答と測定済み周波数応答との間の偏差が合計(e)の計算時に周波数依存値w(ω)によって重み付けされることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  4. 調整器(17)がH方法の助けによって設計されることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  5. 調整器(17)はガイド要素(7)が予め決められた位置を採用するエレベータケージ(1)の位置に依存して運転時のアクチュエータ(11)を制御する位置調整器(15)を備え、調整器(17)がエレベータケージ(1)の加速度に依存して運転時のアクチュエータ(11)を制御する加速度調整器(16)を備え、それによってエレベータケージ(1)に発生する振動が抑制されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  6. 位置調整器(15)と加速度調整器(16)は並列に接続されており、位置調整器(15)と加速度調整器(16)の設定信号は加算されて合計信号としてアクチュエータ(11)に供給されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  7. 位置調整器(15)と加速度調整器(16)は直列に接続されており、位置調整器(15)の設定信号は入力信号として加速度調整器(16)に供給されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  8. 位置調整器(15)と加速度調整器(16)は実質的に異なる周波数範囲で有効であることを特徴とする、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記モデルが、弾性エレベータケージに関してはケージボディ(2)とケージフレーム(3)とを表現する少なくとも二つのボディを備えるマルチボディシステム(MBS)モデルである、または、剛性エレベータケージ(1)に関しては全体として一体のケージボディ(2)とケージフレーム(3)とを備えるマルチボディシステム(MBS)モデルであることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
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