JP2013193844A - エレベーター - Google Patents

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Abstract

【課題】乗りかごの振動をアクチュエータで打ち消すエレベーターにおいて、制御コントローラをシンプルなものとし、少ないアクチュエータで振動抑制効果を高めると共に、据付や調整を容易にする。
【解決手段】ガイドレール2に沿って昇降する乗りかご1と、該乗りかごの加速度を検出する加速度センサ20と、該加速度センサで検出した信号に応じて乗りかご1の振動を打ち消すように駆動されるアクチュエータ21と、を備えたエレベーターにおいて、乗りかごの上部と下部に設けられ、ガイドレールへ押付ばね6、8、10、12によってガイドローラを押し付けるガイド装置と、乗りかごの上部と下部の少なくとも一方のガイド装置の剛性を他方よりも2倍以上5倍以下とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガイドレールに沿って昇降するエレベーターに関し、特に乗りかごの振動を抑制して良好な乗り心地を実現するものに好適である。
エレベーターは、乗りかごがロープによって懸架されており、モータでロープを巻上げることでかごが上下に昇降する。乗りかごは、その上下に設置されたシューないしガイドローラを用いたガイド装置を介して昇降路の左右に設置されたガイドレールに沿って昇降する。
乗りかごの振動や傾きを低減するため、ガイドレールを挟んで両側に設けられた2つのガイドローラのガイドレールに対する押圧力を、1つのアクチュエータによって制御することが知られ、例えば、特許文献1に記載されている。
また、ガイドレール等による振動を打ち消す方向に乗りかごに強制的な外力を作用させて振動を積極的に減衰させるため、乗りかごの加速度を検出する加速度センサと、制振装置とをエレベーターの乗りかごの上部と下部の少なくとも一方に設けることが知られ、例えば、特許文献2に記載されている。
さらに、かごの上下かつ左右の合計4箇所にアクチュエータに設置して協調制御、具体的には、H∞方法により最小値が見出されるまで多変数調整器のパラメータを変化させ最適化することが知られ、特許文献3に記載されている。
特開2006−131385号公報 特開平6−72667号公報 特開2005−219929号公報
乗りかごの走行中の振動は、並進の振動モードの他にも回転の振動モードなど複数の振動モードが存在する。したがって、特許文献1及び2に記載のものでは、複数の振動モードを抑制することが困難である。
また、特許文献3に記載のものでは、多数の変数を有する関数の最適化を図らなければならいので、制御コントローラが複雑化し、アクチュエータの数を多く必要とされ、現実的とは言い難い。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、制御コントローラをシンプルなものとし、少ないアクチュエータで振動抑制効果を高めると共に、据付や調整を容易にすることにある。
また、他の目的は、上記に加えて、乗りかご高さを縮小することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、昇降路内の鉛直方向に設けられたガイドレールと、該ガイドレールに沿って昇降する乗りかごと、該乗りかごの加速度を検出する加速度センサと、該加速度センサで検出した信号に応じて前記乗りかごの振動を打ち消すように駆動されるアクチュエータと、を備えたエレベーターにおいて、前記乗りかごの上部と下部に設けられ、前記ガイドレールへ押付ばねによってガイドローラを押し付けるガイド装置と、前記乗りかごの上部と下部の少なくとも一方の前記ガイド装置の剛性を他方よりも2倍以上5倍以下としたものである。
本発明によれば、乗りかごの上部と下部の少なくとも一方のガイド装置の剛性を他方よりも2倍以上5倍以下としたので、レールの強制変位加振によって乗りかごの並進と回転(ピッチング)の2つの振動モードが励起される場合、評価面である床位置の応答加速度は、それぞれの振動モードの時間応答の重ね合わせであり、各モードの応答加速度の位相の差(時間遅れ)を小さくすることができる。したがって、並進モードと回転モードの応答に対する位相差を小さくすることで、制御コントローラをシンプルなものとし、少ないアクチュエータで振動抑制効果を高めることができる。
本発明による一実施の形態を示す斜視図。 一実施の形態におけるガイド装置の側面図。 一実施の形態におけるガイド装置の側断面図。 一実施の形態における乗りかごの振動モードを示す模式図。 一実施の形態において、乗りかごの振動位相差を示すグラフ。 一実施の形態における制御システムを示すブロック図。 一実施の形態における制振効果を示すグラフ。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
エレベーターの走行中の振動には、上下方向と横方向の振動がある。上下方向の振動は、巻上機のモータのトルクリップル、シーブやプーリの偏芯による強制加振がロープに伝播して発生する。このため、モータのリップル低減や回転体の偏芯量の縮小が必要とされる。
横方向の振動は、主にガイドレールの曲がりや段差の強制変位が乗りかごに加わることによって発生し、高速エレベーターでは曲がりに起因する加振周波数が上昇する。横振動を低減するには、ガイドレールの据付誤差が小さくなるように施工を管理したり、ガイド装置や乗りかごの下に防振ゴムやダンパを用いて減衰付加を行ったりしている。
また、乗りかごの走行中の振動(かごの揺れ)として、並進と回転の運動を主とする2つの振動モードを効果的に抑制するには、励起される2つの振動モードについて、評価位置である床面の応答について、これらの入力(強制変位波形)との位相の差を小さくすることが望ましい。これを実現するには、かごの動特性に影響の大きい重心位置やガイド装置の剛性を変更すれば良い。しかし、重心位置を変更するには、例えば錘をかごの上部もしくは下部に搭載すれば良いが、乗りかごの質量増大を招き、ロープの本数が増える。また、質量の大きな機器の配置を変更することでも良いが、寸法の制約などにより実用的には困難である。
さらに、仮にガイド装置の剛性の設計値を定めても、据付先の実物が必ずしも設計値と一致するとは限らない。そこで、現場で簡単にガイド装置の剛性を変更できることが良い。
図1はエレベーターの乗りかご1の斜視図である。以降の説明では、乗りかご1の正面に対して奥行き方向をX方向、水平方向をY方向、上下方向をZ方向とする。
エレベーターは、乗りかご1とつり合錘がロープ3によって連結され、これらが巻上機(図示せず)によって駆動される。ロープ3は乗りかご1の上部でほぼ中央に設けている。エレベーターの昇降路内には、T型断面のガイドレール2a、2bを鉛直方向に左右一対設けており、ガイドレール2a、2bに沿って乗りかご1が上下に昇降する。乗りかご1の上部ならびに下部は、図示しないが、ドア駆動装置、ロープ端部、ガイド装置、非常止め装置などの各種装置が設けられる。
ガイドレール2a、2bは4〜5mの長さで、これらを縦方向に連結して据え付けるため、これらの接続点においては段差や曲がりが生じる。この段差や曲がりは、強制変位として乗りかご1に作用する。この強制変位に起因した振動が、乗りかご1へ伝播するのを防ぐため、乗りかごの上下4箇所にはT型のガイドレール2a、2bを挟み込んで昇降を案内するガイド装置を設置している。
ガイド装置は、ガイドローラを中心で軸支持し、固定された支点で回動可能とされたレバー、ガイドローラを押し付ける押付ばねを備え、ガイド装置の剛性は、ガイドレールと接するガイドローラの中心位置におけるかごとガイドレールとの間の接触剛性を表す。このため、ガイド装置の剛性を高めるには、ガイドローラゴムの剛性を上げる、押付ばねのばね定数を上げる、レバーについては、支点からガイドローラ中心までの距離に対する支点から押付ばね位置までの距離の比、つまり、テコ比を拡大することで行うことができる。ただし、ガイドローラゴムの剛性は、押付ばねに比べて十分高いので(10倍以上)、ガイド装置の剛性(=等価ばね定数:ガイドローラの中心位置に換算したばね定数)は、押付ばねのばね定数と、レバーのテコ比で決まることになる。
振動伝搬を抑制するため、ガイドローラはゴム製で、このガイドローラはばねを介して乗りかご1に連結する。ガイドローラを軸支持したレバーにはダンパを設置している。乗りかご1の振動を低減するため、ガイド装置の剛性が小さい方が振動伝達率を小さくすることができるが、一方で乗りかご1に乗客が乗り込むときの乗りかご1の傾きが大きくなるため、ガイド装置の剛性はある一定以上の値に設定する。
図1では、乗りかご1の左右の下方に、制振用のアクチュエータを備えたガイド装置を取付けている。アクチュエータ21aは、ガイドローラ11aをガイドレール2bに押し当てるための押付ばね12aと連結されている。アクチュエータは、左側のX方向と右側のY方向にも配置されており、それぞれ押付ばねに連結されている。
乗りかご1には、振動を検出する加速度センサ20a、20bを設置して、前後方向と横方向のそれぞれ2方向の加速度を検出する。アクチュエータ21a、21b、21cは、加速度センサ20a、20bで検出した信号に応じてフィードバック制御を行い、乗りかご1の振動を打ち消すように駆動する。加速度センサ20a、20bは、乗りかご1の下方に設置しているが、この位置に限定されず、上方のみ、あるいは上方と下方の両方に設置してもよいが、かごのY軸周りの回転運動を検出するため、かごの高さ方向に異なる位置に設置する。
乗りかご1は、レールからの曲がりなどによって振動が発生するが、X方向のみの並進運動だけに限らず、並進や回転の運動が連成した複数の振動モードからなる。一般的には、ローリング、ピッチング、ヨーイングなどの呼び方があるが、エレベーターの場合には、正面方向と進行方向が自動車や船舶のように一致しないので、以下X軸回転、Y軸回転、Z軸回転モードと記す。
図2は、図1のX方向の乗りかご振動の制御を行うガイド装置を示している。ガイド装置は、2つのガイドローラ9a、9bがレール(図示せず)を左右から挟み込む構成をしている。ガイドローラ9a、9bは、中央部とレバー36a、36bとをボルト61a、61bで連結されている。レバー36a、36bは、ベース33a、33bとボルト32a、32bで固定され、ベース33a、33bは乗りかご1の下側に固定される。ガイドローラ9a、9bをレールに押し付けるばね12a、12bは、コイルばねであって、ガイドローラ中央よりも下方に位置している。
可動体40は、レバー36a、36bにロッド45a、45bを介して可動体40と固定され、ばね12a、12bの押し込み量が調整可能とされている。アクチュエータ21aは、モータ41とボールねじ42を有し、可動体40と連結されている。可動体40は、上下方向の運動を拘束するリニアガイド39があり、水平方向のみに移動可能である。
ガイド装置全体の高さhを縮小するため、レバー36a、36bの支点32a、32bを、ガイドローラ9a、9bの中央に近付けてその投影断面を紙面垂直方向に重なるように配置する。また、ガイドローラ9a、9bには、円周状に穴34a、34bを設け、ピッチ円周状35a、35bにボルト32a、32bを設ける。これにより、ガイドローラ9a、9bと、レバー36a、36bとベース33a、33bを紙面垂直方向に干渉することなく、高さ方向に重ねて高さhを縮小している。
図3は、ガイドローラ9a、9bと、レバー36a、36bとベース33a、33bのX方向の配置を示す側断面図である。ガイドローラ9bとレバー36b、ベース33bはすべて重なり合うことなく配置されている。固定ボルト32を左から挿入して、ガイドローラ9b上に設けた穴34bを通過させれば、レバー36bとベース33bを連結することができる。
ガイド装置の剛性は、ガイドローラ中心からレバー支点までの距離bを小さく、ガイドローラ中心からばね位置までの距離aを大きくするほど大きくなる。ばね12a、12bの位置を、点線で示す位置38a、38bに変更することで、ガイド装置の剛性(等価ばね定数)を変更することができる。レバー支点をガイドローラ中心から近付けることによって、支点からガイドローラ中心と支点からばね位置のテコ比を大きく確保することができるので、ばね位置の変更(a→a′)による剛性の変化量も同様に大きくすることができる。
これにより、ガイド装置の剛性を据付現場で変更する際に、ばね定数の異なる複数のばねを用意する必要もなく、調整作業を簡単に行うことができる。ばね12a、12bの高さ方向の位置を変更するために、レバー36a、36bの長手方向には溝48(図3)があり、ばね12a、12bの位置をスライドさせる。本図では、ロッド45a、45bを可動体40に固定する穴(図示せず)を複数設けて寸法aを変更できるが、この他、支柱31とベース44の間にスペーサ46を設けてばね位置を調整してもよい。
次に、図1のXZ平面上の振動モードの模式図を用いて説明する。図4はアクチュエータ21aをかごの下部に設けて加振した場合のかごの動きを表している。
上段の(a)と(b)は床位置53で並進モードと回転モードとが同じ方向に振動するケース(最も極端な場合として、入力変位波形に対して2つのモードの応答変位波形の位相差が0゜の状態)、(c)と(d)は逆方向となるケースを表す(最も極端な場合として、入力変位波形に対して2つのモードの応答変位波形の位相差が180゜の状態)。いずれも最もわかりやすい条件の状態を記載している。上段と下段ともに、最も右にある図は、これらの2つの振動モードが重なり合ったときの振動状態を表している。
乗りかごの初期状態を点線52で表し、振動している状態を実線で表す。上段の(a)の並進モードでは、かごが左側に動いているので、これを抑制するには、アクチュエータ21aで右側にかごに制御力を与える必要がある。この制御力では、(b)の回転モードも同様に抑制できる。
一方で下段の(c)と(d)については、(c)の並進モードを抑制する場合、(a)と同様にアクチュエータで右側にかごに制御力を与える。この制御力では、(d)の回転モードを抑制する方向ではなく、かごの回転を増大させる側となる。よって、アクチュエータを下側のみに配置する場合には、上段の(a)(b)に示す2つのモードの応答について、入力に対するそれぞれの位相の差を小さくした(理想的には位相の差が0で上段の(a)と(b)の状態)構造設計により制振効果の向上が期待できる。
図5は、乗りかごのXZ平面において、並進(TX)と回転(RY)の2つのモードについて、各モードの位相の差に関する計算結果を示している。横軸は、上側のガイド装置の剛性を下側のガイド装置の剛性で除した剛性比率である。ガイド装置の剛性は、ガイドローラの中心位置に換算した等価ばね定数(N/mm)であり、実質的に押付ばねのばね定数と、レバーのテコ比で決まることになる。
また、図5は、上下のガイド装置が受ける強制変位から床面加速度までの伝達関数の位相をもとに2つのモードの位相の差を計算した図である。伝達関数は、図5で右上に示す1質点の剛体モデルで並進と回転を有する2自由度の力学モデルを用いている。まず、上下のガイド装置をそれぞれk0として、上下がいずれもk0で同じ場合(上下の剛性の比は1:1の関係)を初期構造と定義する。これに対して、上下のガイド装置の剛性を、それぞれa倍、b倍してa・k0とb・k0の構造変更を行う。図5は、a=1かつb=2に設定したときの2つの振動モードの位相の差についての計算結果である。ここで、剛性比率をa/bと定義すれば、a/bが大きいほど上側のガイド装置の剛性が他方よりも大きく、小さいほど下側のガイド装置の剛性が他方よりも大きいことを表す。
エレベーターの場合、上下のガイド装置は同じレール面を通過するため、同一の強制変位入力が乗りかごに作用する。上下のガイド装置の入力には速度と上下のガイドの設置間隔、レール長さに起因した時間差が発生する。このため、本図に示すように、上昇運転と下降運転では、2つの振動モードの位相の差が同一とならず、それぞれ傾向が異なる。
この図によれば、上昇運転と下降運転の両者において、剛性比率(=a/b)が0.2〜0.5の範囲で位相差が小さくなっている。なお、この線図は、図示しないが、b=2に限らず、a=0.5かつb=1の条件の他にも、a=1かつb=3などに変化させてもほとんど同じ線図となる。
実際のエレベーターにおいて、振動性能より、b=5以上とすることは、ガイド装置の剛性が硬くなりすぎて、レールの不整に対して過敏となるので、乗りかご1の振動を低減するうえでは実用的でない。
したがって、剛性比率(=a/b)が0.2〜0.7、より望ましくは0.2〜0.5に対応する設計領域として、下側のガイド装置の剛性を上側よりも、1.5倍以上5倍以下、より望ましくは2倍以上5倍以下にすることが良い。
図6は、フィードバック制御システムのブロック図であり、X方向の並進とY軸周りの回転、Z軸周りの回転の振動を制振するための2つのアクチュエータ21a、21bの制御システムブロックである。
かご下に取付けた加速度センサ20aと加速度センサ20bの信号は、ノイズを除去するためローパスフィルタ62a、62bを通過する。そして、それぞれの信号を並列に制御器63a、63b、63c、63dに入力して、アクチュエータ(図1中21a)の制御指令65aは、制御器63a、63cの合成和、アクチュエータ(図1中21b)の制御指令65bは、制御器63b、63dの合成和となる。なお、アクチュエータへの過電流を防止するため、それぞれにはリミッタ64a、64bを設けている。
制御器は、ロバスト制御設計の1手法であり、制御対象の不確定な部分を外乱信号として扱うことで、モデルの不確かさの影響を抑制するH∞制御理論等を用いて、人体の乗り心地感度等を考慮した重み関数を用いて周波数整形を行って設計すればよい。この制御設計に基づいて、制御器63a、63b、63c、63dを構成する他、現場での調整を用意にするために、比例制御と位相補償器によって構成してもよい。
図7は、制振効果について、初期構造に比べて2つのモードの位相の差を小さくした構造を比較したシミュレーションの結果である。かごに段差を模擬するステップ状の強制変位を上側ガイドと下側ガイドに時間差をつけて与えて、そのときの床位置の加速度を表している。(a)の制御無しに比べて、(b)の初期構造においても制御を行うことで、約40%の振動低減が認められる。これに対して、本実施の形態によれば、さらに制振効果が高く、制御無しに比べて約70%の振動低減効果が見られる。
また、上記は、乗りかご1の重心位置54が高さ方向の図心よりも下方にあり、アクチュエータ21aを下側のみに設置した構成について述べたものである。しかし、乗りかご1の重心位置54が上方にある場合には、アクチュエータ21aを上側に設置して、上側のガイド装置の剛性を下側よりも硬くすれば、同様の制振効果が得られる。
以上のべたように、上記実施の形態によれば、励起される乗りかごの複数の振動モードが、レールの不整に対して振動モードが同じ方向に振動するようしている。また、レールからの振動伝達ゲインは上側のガイド装置よりも下側のガイド装置からの方が大きいので、アクチュエータを乗りかごの下側に配置し、下側からの入力に対して、かごの並進と回転(ピッチング)の2つの振動モードの位相の差が、床位置(アクチュエータの配置側と等価)で小さくなるようにした。
具体的には、上下に配置したガイド装置の剛性の配分を同じにするのではなく、下側の剛性を上側よりも高く非対称としている。また、ローラを軸支持するレバーの支点と、ローラ中心との距離を短くし、レバーのばね固定部をローラ中心から離し、同じばねを用いても、ガイド装置の剛性を高くしている。つまり、支点からローラ中心と支点からばね位置のテコ比を拡大することと等価である。
さらに、ローラとレバーの支点位置を近づけるため、レバーの支点を、ローラの投影断面内に配置している。支点の固定ボルトは、ローラに円周状に等間隔で空けた穴ピッチ円上に設け、この穴を利用してレバーとガイド装置ベースとをボルトで連結することを容易としている。さらに、ローラの押付ばね位置は、レバーに溝を設けてばねを上下に変更できるので、ばねを交換することなく、現場で容易にガイド装置の剛性を変更することができ、据付や調整にかかる時間を削減することができる。さらに、ガイドローラの中心とガイド装置ベースとの距離を近づけることができるため、乗りかごの高さを縮小することができる。
1 乗りかご
2a、2b ガイドレール
3 ロープ
5a、5b、5c、7a、7b、7c、9a、9b、9c、11a、11b、11c ガイドローラ
6a、6b、6c、8a、8b、8c、10a、10b、10c、12a、12b、12c 押付ばね
20a、20b 加速度センサ
21a、21b、21c アクチュエータ
33a、33b ベース
36a、36b レバー
40 可動体
41 モータ
42 ボールねじ
44 ベース
45a、45b ロッド
62a、62b ローパスフィルタ
63a、63b、63c、63d 制御器

Claims (4)

  1. 昇降路内の鉛直方向に設けられたガイドレールと、該ガイドレールに沿って昇降する乗りかごと、該乗りかごの加速度を検出する加速度センサと、該加速度センサで検出した信号に応じて前記乗りかごの振動を打ち消すように駆動されるアクチュエータと、を備えたエレベーターにおいて、
    前記乗りかごの上部と下部に設けられ、前記ガイドレールへ押付ばねによってガイドローラを押し付けるガイド装置と、
    前記乗りかごの上側と下側の少なくとも一方の前記ガイド装置の剛性を他方よりも2倍以上5倍以下としたことを特徴とするエレベーター。
  2. 請求項1に記載のエレベーターにおいて、前記乗りかごの下側の前記ガイド装置の剛性を上側の前記ガイド装置の剛性よりも2倍以上5倍以下とし、前記乗りかごの下部に前記アクチュエータを設けたことを特徴とするエレベーター。
  3. 請求項1に記載のエレベーターにおいて、前記乗りかごの上側の前記ガイド装置の剛性を下側の前記ガイド装置の剛性よりも2倍以上5倍以下とし、前記乗りかごの上部に前記アクチュエータを設けたことを特徴とするエレベーター。
  4. 請求項1に記載のエレベーターにおいて、前記ガイド装置は、前記ガイドローラを中心で軸支持し固定された支点で回動可能とされたレバーと、該レバーを介して前記ガイドローラを前記ガイドレールへ押し付ける押付ばねと、を備え、
    ガイド装置の剛性は、前記支点から前記ガイドローラ中心までの距離に対する前記支点から前記押付ばね位置までの距離の比を変えることで可変とされることを特徴とするエレベーター。
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