JP2020200176A - エレベータシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】突発的な揺れを起因とした誤検知を防いで、バッテリの消費量を抑えて揺れ検出を継続的に行う。【解決手段】一実施形態に係るエレベータシステムは、フィルタ手段と、入力手段と、検出周期制御手段とを備える。上記フィルタ手段は、地震波形の主要成分を考慮して設定されたカットオフ周波数を有し、上記カットオフ周波数より高い振動成分を遮断する。上記入力手段は、予め設定された検出周期で上記フィルタ手段を介して上記センサの計測データを入力する。上記検出周期制御手段は、上記入力手段によって入力された計測データが示す揺れの強さに基づいて上記検出周期を制御する。【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、エレベータシステムに関する。
地震等によって建物が揺れると、地震時管制運転装置によって、乗りかごが最寄り階に誘導され、ドアが開放された状態となり、乗客の積み下ろしを行う。このような地震時管制運転装置を備えたエレベータシステムは、S波センサやP波センサを備えている。S波センサやP波センサは、例えば、建物の上部に位置する機械室や昇降路内のピット等に設けられる。
上記エレベータシステムでは、必要に応じて自動診断運転が行われ、各種機器に損傷や不具合がないかが診断される。自動診断運転は、安全上の観点から、地震が発生した時のS波センサやP波センサからの出力(ガル値)が所定の基準値未満であった時にのみ行われる。S波センサやP波センサからの出力が一度でも基準値を超えた場合には、保守員による点検作業が行われる。
ここで、さらなる安全性の担保のために、S波センサやP波センサに加えて、例えば乗りかごやカウンタウェイトに加速度センサを設けておき、運転中の揺れを検知するシステムが考えられている。上記加速度センサはバッテリ駆動され、通信端末を介してエレベータ制御装置に無線接続される。
特開2007−320685号公報 特開2011−079645号公報
上述したシステムでは、加速度センサによって検出された揺れの度合いに応じて、検出周期を切り換えている。つまり、揺れが大きい場合には検出周期を短くにして今後の状況を詳細に監視し、揺れが小さい場合には検出周期を長くしてバッテリの消費量を抑える。しかしながら、例えば何らかの原因で突発的に大きな揺れが生じた場合に、短周期測定に切り替わってしまうことがある。短周期測定ではバッテリの消費量が大きいため、実際に短周期測定が必要な状況になったときにバッテリの残量が足りなくなる可能性がある。
本発明が解決しようとする課題は、突発的な揺れを起因とした誤検知を防いで、バッテリの消費量を抑えて揺れ検出を継続的に行うことができるエレベータシステムを提供することである。
一実施形態に係るエレベータシステムは、少なくとも乗りかごまたはカウンタウェイトに設置され、その設置場所での揺れを検出するバッテリ駆動型のセンサと、このセンサで検出された揺れの強さを示す計測データをエレベータ制御装置に送信する通信端末とを備える。
上記エレベータシステムは、フィルタ手段と、入力手段と、検出周期制御手段とを備える。上記フィルタ手段は、地震波形の主要成分を考慮して設定されたカットオフ周波数を有し、上記カットオフ周波数より高い振動成分を遮断する。上記入力手段は、予め設定された検出周期で上記フィルタ手段を介して上記センサの計測データを入力する。上記検出周期制御手段は、上記入力手段によって入力された計測データが示す揺れの強さに基づいて上記検出周期を制御する。
図1は一実施形態に係るエレベータシステムの概略構成例を示す図である。 図2は同実施形態における通信端末の機能構成を示すブロック図である。 図3は同実施形態における地震波形の周波数スペクトル図である。 図4は同実施形態における通信端末に備えられたフィルタ部の構成を示すブロック図である。 図5は同実施形態における通信端末に備えられたフィルタ部の別の構成を示すブロック図である。 図6は同実施形態における通信端末による揺れ検出時の処理動作を示すフローチャートである。 図7は同実施形態における通信端末による死活監視時の処理動作を示すフローチャートである。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
図1は一実施形態に係るエレベータシステムの概略構成例を示す図である。図1の例では、エレベータ全体の制御を行うエレベータ制御装置10と巻上機17が上部機械室1に設けられている。なお、機械室を持たないマシンルームタイプのエレベータでは、エレベータ制御装置10と巻上機17が昇降路2内の上部に配置される。
エレベータ制御装置10には、エレベータ全体の制御を行うための制御基板11と、マスター(親機)として機能する通信端末CMとが含まれる。昇降路2内には、図1に示すように、乗りかご12及びカウンタウェイト13が設けられており、それぞれガイドレール14a〜14dに昇降動作可能に支持されている。
ガイドレール14a,14bは乗りかご12用のガイドレールであり、ガイドレール14c,14dはカウンタウェイト13用のガイドレールである。乗りかご12は、ガイドシュー15a,15bを介してガイドレール14a,14bに摺動可能に取り付けられている。カウンタウェイト13は、ガイドシュー15c,15dを介してガイドレール14c,14dに摺動可能に設けられている。
乗りかご12には、乗りかご12の揺れを検出(計測)するための加速度センサS1と、スレーブ(子機)として機能する通信端末CS1とが設けられている。加速度センサS1と通信端末CS1とは有線にて接続されており、通信機能を備えたセンサ装置(センサ端末とも呼ぶ)として用いられる。
同様に、カウンタウェイト13には、カウンタウェイト13の揺れを検出(計測)するための加速度センサS2と、スレーブとして機能する通信端末CS2とが設けられている。加速度センサS2と通信端末CS2とは有線にて接続されており、通信機能を備えたセンサ装置として用いられる。通信端末CS1,CS2は、マスター(親機)である通信端末CMと通信可能に接続される。通信端末CS1と加速度センサS1とは同一筐体に格納されていてもよい。通信端末CS2と加速度センサS2とは同一筐体に格納されていてもよい。
また、地震発生時の揺れを検出(計測)するために、上部機械室1にはS波センサSSが設けられ、ピット3にはP波センサPSが設けられている。S波センサSS及びP波センサPSは、エレベータ制御装置10と有線にて接続されている。
メインロープ16の一端に乗りかご12が連結され、メインロープ16の他端にカウンタウェイト13が連結されている。メインロープ16は、巻上機17の回転軸に取り付けられたメインシーブ18aに巻回されている。18bはそらせシーブである。
巻上機17は、メインシーブ18aを回転させるためのモータ19を含んでいる。エレベータ制御装置10からの駆動指示により巻上機17のモータ19が駆動されると、メインシーブ18aが所定方向に回転し、メインロープ16を介して乗りかご12がカウンタウェイト13と共につるべ式に昇降動作する。メインシーブ18aには位置検出器(パルスジェネレータ)20が設置されている。位置検出器20は、メインシーブ18aがどの方向にどれだけ回転したかを検出することで、昇降動作に伴う乗りかご12の移動量を検出する。
乗りかご12には、かご制御装置21とドア制御装置22とが設けられている。かご制御装置21及びドア制御装置22は、エレベータ制御装置10(制御基板11)に接続されている。
かご制御装置21は、エレベータ制御装置10からの指示にしたがって、乗りかご12内の照明機器の駆動制御や空調制御を行う。また、かご制御装置21は、かご内に設けられた操作パネル4に関する情報、具体的には、乗客によって押下された行先階ボタンやドア開閉ボタン等に関する情報をエレベータ制御装置10やドア制御装置22に出力する。
ドア制御装置22は、エレベータ制御装置10やかご制御装置21からの指示にしたがって乗りかご12のドアの開閉制御を行う。ドア制御装置22は、乗りかご12のドアを開閉するためのモータ23と接続し、このモータ23を駆動することでドアの開閉制御を行う。
乗りかご12が着床する各階の乗場5には、乗場呼びボタン6と乗場制御装置30とが設けられている。乗場呼びボタン6は、乗客が乗りかご12に乗車する乗場の位置(階床)と行先方向(上方向/下方向)を登録するためのボタンである。乗場制御装置30は、エレベータ制御装置10(制御基板11)に接続され、乗場呼びボタン6によって登録された情報をエレベータ制御装置10に出力する。
次に、図2の機能ブロック図を参照して、スレーブ(子機)として用いられる通信端末CSの構成について説明する。
なお、乗りかご12に設置された通信端末CS1、カウンタウェイト13に設置された通信端末CS2とは同様な機能部を有している。ここでは、カウンタウェイト13に設置された通信端末CS2を代表例にとって説明し、通信端末CS1の説明は省略するものとする。以降の説明においても、基本的に通信端末CS2を代表例にとって説明し、通信端末CS1に関する説明は省略するものとする。
また、エレベータ制御装置10の制御基板11には、エレベータの運転制御に関わる各種機能が備えられているが、以下では説明を簡単にするため、エレベータ制御装置10が各種機能を実行するものとして説明する。
通信端末CS2は、カウンタウェイト13に設けられた加速度センサS2に接続される。通信端末CS2は、加速度センサS2によって検出された揺れの強さを示す計測データ(加速度データ)を入力すると共に、所定のタイミングでマスター(親機)である通信端末CMに無線により送信する機能を備えている。
なお、加速度センサS2は、少なくとも横揺れ(水平方向の揺れ)を検出可能な2軸加速度センサであれば良いが、横揺れに加えて縦揺れ(鉛直方向の揺れ)も検出可能な3軸加速度センサであっても良い。水平方向の軸をx軸,y軸、鉛直方向の軸をz軸と呼ぶ。
図2に示すように、通信端末CS2は、バッテリ100、電力供給制御部101、フィルタ部102、入力部103、保存部104、検出周期制御部105、通信制御部106を備える。
バッテリ100は、充電式あるいは交換可能であり、通信端末CS2および加速度センサS2の電源として用いられる。
電力供給制御部101は、バッテリ100の電力を通信端末CS2内の通信制御部106を含む各機能部に供給すると共に加速度センサS2に供給する。
フィルタ部102は、入力部103の前段に設けられ、地震の主要成分の周波数を考慮して設定されたカットオフ周波数を有し、上記カットオフ周波数より高い振動成分を遮断する。なお、このフィルタ部102の構成については、後に図3乃至図5を用いて詳しく説明する。
入力部103は、予めカウンタウェイト13の揺れを検出するための時間間隔を定めた検出周期Tで、加速度センサS2からの計測データの入力をフィルタ部102を介して受け付ける。保存部104は、入力部103を通じて入力された計測データを時系列順に保存する。
検出周期制御部105は、保存部104に保存された最新の計測データが示す揺れの強さに基づいて検出周期Tを制御する。省電力の観点から平常運転モード時には、検出周期Tは、通常測定用の長周期T1に設定されている。一方、管制運転モード時には、計測データをサンプリングする数を増やすため、検出周期Tは、長周期T1よりも時間間隔が短くに設定された詳細測定用の短周期T2に切り替えられる。
詳しくは、検出周期制御部105は、第1の閾値TH1を変更基準とし、計測データが示す揺れの強さが第1の閾値TH1未満のときに検出周期Tを長周期T1に切り替え、第1の閾値TH1以上のときに検出周期Tを短周期T2に切り替える。
通信制御部106は、通信端末CS2と通信端末CMとの間の通信制御を行う。本実施形態において、この通信制御部106には、監視部106aと運転判定部106bとが備えられている。
監視部106aは、所定のタイミングで通信端末CS2および加速度センサS2の動作状態をエレベータ制御装置10に確認させるための死活監視を行う。詳しくは、監視部106aは、予め設定された監視周期Wで死活監視信号を要求するためのトリガ信号をエレベータ制御装置10に設けられた通信端末CMに送信し、そのトリガ信号の応答で通信端末CMから送られてくる死活監視信号を受信する。
上記監視周期Wは、例えば10分に設定される。エレベータ制御装置10では、死活監視信号を通信端末CS2に送信したときに、所定時間内に通信端末CS2から計測データが送られてくれば、通信端末CS2および加速度センサS2が正常に動作しているものと判定する。
運転判定部106bは、保存部104に保存された多数の計測データのうちの最新の計測データを読み出し、当該計測データによって示される揺れの強さに応じて第1の信号または第2の信号をマスター(親機)である通信端末CMに送信する。
詳しくは、当該計測データによって示される揺れの強さが第2の閾値TH2以上の場合には、運転判定部106bは、耐震基準以上の揺れが発生していることを示す第1の信号を通信端末CMに送信する。一方、当該計測データによって示される揺れの強さが第2の閾値TH2未満の場合には、運転判定部106bは、耐震基準未満の揺れが発生していることを示す第2の信号を通信端末CMに送信する。上記「第2の閾値TH2」は、上記耐震基準に対応した運転停止の判断基準である。
ここで、エレベータ制御装置10の機能について説明する。
エレベータ制御装置10は、通信端末CS2から送信された第1または第2信号を通信端末CMを介して受信する。エレベータ制御装置10は、第1の信号を受信したときに、運転モードを平常運転モードから管制運転モードに切り替える機能を有している。エレベータ制御装置10は、第2の信号を受信したときに、エレベータ(乗りかご12)の運転を即時休止させる機能を有している。
また、エレベータ制御装置10は、通信端末CS2から定期的に送られてくる計測データに基づいて、運転モードを管制運転モードから平常運転モードに早期復旧させるための自動診断運転(自動復旧運転とも言う)を行う機能を有している。
なお、エレベータ制御装置10は、乗りかご12に設置された通信端末CS1と加速度センサS1についても同様に機能する。
次に、フィルタ部102の構成について説明する。
図3は地震波形の周波数スペクトル図である。横軸が周波数[Hz]、横軸が地震の強度[gal×S]を示している。
地震が発生していないときでも、何らかの原因でカウンタウェイト13が揺れると、加速度センサS2が反応して、加速度センサS2から出力される計測データの値(揺れの強さを示すガル値)が突発的に高くなることがある。
一方、図3に示すように、地震波形の主要成分は1〜10[Hz]であり、それよりも高い振動成分は地震以外の要素つまり雑音とみなすことができる。そこで、図2に示したように、フィルタ部102を介して加速度センサS2の計測データを入力する構成とする。このフィルタ部102は、地震波形の主要成分を考慮して設定されたカットオフ周波数を有するLPF(ローパスフィルタ)を備え、当該カットオフ周波数より高い振動成分を遮断し、当該カットオフ周波数未満の振動成分を通過させる。上記カットオフ周波数は、地震の主要成分に含まれる最高周波数の少なくとも2倍程度が好適であるが、3倍以上であっても良い。
図4はフィルタ部102の構成を示すブロック図である。加速度センサS2が横揺れと縦揺れ(鉛直方向の揺れ)を検出可能な3軸加速度センサとする。
フィルタ部102は、LPF301,302,303と、演算部304とを備える。LPF301,302,303は、加速度センサS2から出力される3軸(X軸,Y軸,Z軸)の検出信号を入力とし、それぞれに所定周波数以上の振動成分をカットオフする機能を有する。上述したように、上記所定周波数(カットオフ周波数)は、地震波形の主要成分を考慮して設定されている。演算部304は、LPF301,302,303によって所定周波数以上の振動成分がカットオフされた各信号を合成し、その合成信号を加速度センサS2の計測データとして入力部103に与える。
図5はフィルタ部102の別の構成を示すブロック図である。加速度センサS2が横揺れと縦揺れ(鉛直方向の揺れ)を検出可能な3軸加速度センサとする。
フィルタ部102は、演算部401と、LPF402とを備える。演算部401は、加速度センサS2の3軸(X軸,Y軸,Z軸)の検出信号を合成する。LPF402は、演算部401によって得られた合成信号を入力とし、所定周波数以上の成分をカットオフする機能を有する。上述したように、上記所定周波数(カットオフ周波数)は、地震波形の主要成分を考慮して設定されている。
ローパスフィルタの掛けた方として、図4の例のように各軸の検出信号のそれぞれにローパスフィルタを掛ける方法と、図5の例のように合成信号にローパスフィルタを掛ける方法のどちらを採用しても良い。図5の例のように合成信号にローパスフィルタを掛ける方法の方が構成的には簡易である。
次に、本システムの動作について説明する。
図6は通信端末CS2による揺れ検出時の処理動作を示すフローチャートである。なお、乗りかご12に設けられた通信端末CS1の処理動作についても同様である。
通信端末CS2において、入力部103は、予め設定された検出周期T毎に、加速度センサS2によって検出された揺れの強度を示す計測データをフィルタ部102を介して入力する(ステップST11)。上述したように、省電力の観点から平常運転モード時には、検出周期Tは長周期T1に設定されている。入力された計測データは、保存部104に順次保存される。
ここで、フィルタ部102によるローパスフィルタの処理は、計測データが示す揺れの強度が第1の閾値TH1未満のときに実行され、第1の閾値TH1以上のときには実行されないように構成されている。これは、例えばフィルタ処理前の計測データが第1の閾値TH1よりも若干大きいな値であった場合に、ローパスフィルタを介すことで第1の閾値TH1未満に下がってしまうことが想定されるためである。つまり、ローパスフィルタの影響で測定強度が下がってしまう可能性があるため、安全策として第1の閾値TH1以上のときにはローパスフィルタを介さないことが好ましい。
一方、計測データが示す揺れの強度が第1の閾値TH1未満のときにはローパスフィルタを介して入力することで、何らかの原因で突発的にカウンタウェイト13が大きく揺れても、そのときの計測値は雑音として除去することができる。したがって、雑音による誤動作で検出周期Tが短周期T2に切り替わることを防いで、バッテリ電力の消費を抑えることができる。
検出周期制御部105は、保存部104に新たな計測データが保存されると、当該新たな計測データによって示される揺れの強さが第1の閾値TH1以上であるか否かを判定する(ステップST12)。
第1の閾値TH1未満であった場合(ステップST12のNO)、検出周期Tは長周期T1を継続する(ステップST13)。長周期T1では、バッテリ100の消費量を抑えることができる。以後、長周期T1の時間間隔で加速度センサS2の計測データが計測されることになる。
上記ステップST12において、計測データによって示される揺れの強さが第1の閾値TH1以上であった場合(ステップST12のYES)、検出周期制御部105は、地震や余震が検知される可能性が高いと判断して、検出周期Tを短周期T2に変更する(ステップST14)。以後、短周期T2の時間間隔で加速度センサS2の計測データが細かく計測されることになる。
ここで、通信制御部106に備えられた運転判定部106bは、保存部104に保存されている最新の計測データを読み出し、当該計測データによって示される揺れの強さが第2の閾値TH2以上であるか否かを判定する(ステップST15)。上述したように、第2の閾値TH2は、耐震基準に基づく基準値である。
当該計測データによって示される揺れの強さが第2の閾値TH2未満であった場合、詳しくは、上記検出周期Tが短周期T2に変更された後、所定時間以内に入力されてくる計測データが第2の閾値TH2未満であった場合(ステップST15のNO)、検出周期制御部105は、バッテリ電力の確保を優先するため、検出周期Tを短周期T2から長周期T1に変更する(ステップST13)。また、運転判定部106bは、ガイドレール14c,14d等のエレベータ構造物に損傷や不具合が生じている可能性は低いと判断して、耐震基準値未満の揺れが発生していることを示す第2の信号をエレベータ制御装置10に設けられた通信端末CMに送信する(ステップST16)。
一方、第2の閾値TH2以上であった場合、詳しくは、上記検出周期Tが短周期T2に変更された後、所定時間以内に入力されてくる計測データが第2の閾値TH2以上であった場合(ステップST15のYES)、運転判定部106bは、ガイドレール14c,14d等のエレベータ構造物に損傷や不具合(例えばレールの屈曲等)が生じている可能性が高いと判断する。そして、運転判定部106bは、耐震基準値以上の揺れが発生していることを示す第1の信号をエレベータ制御装置10に設けられた通信端末CMに送信する(ステップST18)。
エレベータ制御装置10は、通信端末CMを介して第2の信号を受信すると、平常運転モードから管制運転モードに切り替え、乗りかご12を最寄階に移動させ自動診断運転を行う。また、エレベータ制御装置10は、通信端末CMを介して第1の信号を受信すると、直ちにエレベータ(乗りかご12)の運転を停止する。
以上説明した一連の動作によれば、加速度センサS2の計測データをローパスフィルタを介して入力することで、平常運転モード時に何らかの原因で突発的な揺れが計測された場合であってそれを雑音として除去することできる。これにより、不用意に検出周期Tを短周期T2に切り替えてバッテリ電力を消費してしまうことを防いで、加速度センサS2を用いた揺れ検出を継続的に行うことができる。
次に、死活監視時の処理動作について説明する。
図7は通信端末CS2による死活監視時の処理動作を示すフローチャートである。なお、乗りかご12に設けられた通信端末CS1の処理動作についても同様である。
計測データをローパスフィルタを介して入力する方式により、誤動作を防いでバッテリ電力を確保できる。したがって、地震が発生していないときに、機器の動作状態を監視するための死活監視を親機・子機間で定期的に行うことができる。
すなわち、地震が発生していないとき、つまり、加速度センサS2によって計測される揺れの強さが第1の閾値TH1未満のとき、通信制御部106に備えられた監視部106aは、予め設定された監視周期Wが来たか否かを判定する(ステップST21)。上述したように、監視周期Wは、例えば10分に設定されている。
監視周期Wが来たとき、監視部106aは、死活監視信号を要求するためのトリガ信号を通信端末CMに送信する(ステップST22)。エレベータ制御装置10では、通信端末CMを介してトリガ信号を受信すると、死活監視信号を要求先である通信端末CS2に送信する。
監視部106aは、この死活監視信号を受信すると(ステップST23のYES)、保存部104に保存された計測データを通信端末CMに送信する(ステップST24)。エレベータ制御装置10では、死活監視信号に対する応答として、所定時間内に通信端末CS2から計測データを受信すると、通信端末CS2および加速度センサS2が正常に動作しているものと判断する。
このように、地震が発生していないときに死活監視を親機・子機間で定期的に行うことで、実際に地震が発生したときに通信端末CS2および加速度センサS2を利用して、カウンタウェイト13の揺れ状態を検出して迅速な対応を取って安全を確保することができる。なお、この死活監視については、必ずしも実行する必要はなく、例えば外部から指示があったときに実行することとしても良い。
なお、上記実施形態では、スレーブ(子機)である通信端末CS2側で各種処理を行う構成としたが、マスタ(親機)である通信端末CM側で同様の処理を行う構成としても良い。すなわち、例えば加速度センサS2の計測データを通信端末CS2から通信端末CMにそのまま送り、通信端末CM側で当該計測データに対するフィルタ処理を行う構成としても良い(図6のステップST11に対応した処理)。この場合、通信端末CMが当該計測データに対する第1の閾値TH1の判定処理を行い、その判定結果に応じて検出周期Tの切り替えを通信端末CS2に指示すれば良い(図6のステップST12〜ST14に対応した処理)。
さらに、通信端末CM側で当該計測データに対する第2の閾値TH2の判定処理を行い、耐震基準に基づく運転判定を行う構成としても良い(図6のステップST16〜ST17に対応した処理)。
また、上記各実施形態では、乗りかご12とカウンタウェイト13のそれぞれに加速度センサS1,S2、通信端末CS1,CS2を設けたが、どちらか一方に加速度センサと通信端末を設けて、その設置場所での揺れを検出してエレベータ制御装置10に送信する構成であっても良い。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、突発的な揺れを起因とした誤検知を防いで、バッテリの消費量を抑えて揺れ検出を継続的に行うことができるエレベータシステムを提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…上部機械室、2…昇降路、3…ピット、4…操作パネル、5…乗場、6…乗場呼びボタン、10…エレベータ制御装置、11…制御基板、12…乗りかご、13…カウンタウェイト、14a〜14d…ガイドレール、15a〜15d…ガイドシュー、16…メインロープ、17…巻上機、18a…メインシーブ、18b…そらせシーブ、19…モータ、20…位置検出器、21…かご制御装置、22…ドア制御装置、23…モータ、30…乗場制御装置、100…バッテリ、101…電力供給制御部、102…フィルタ部、103…入力部、104…保存部、105…検出周期制御部、106…通信制御部、106a…監視部、106b…運転判定部、CM,CS1,CS2…通信端末、PS…P波センサ、SS…S波センサ、S1,S2…加速度センサ。
一実施形態に係るエレベータシステムは、少なくとも乗りかごまたはカウンタウェイトに設置され、その設置場所で少なくとも横揺れを検出するバッテリ駆動型のセンサと、このセンサで検出された揺れの強さを示す計測データをエレベータ制御装置に送信する通信端末とを備える。
上記エレベータシステムは、フィルタ手段と、入力手段と、検出周期制御手段とを備える。上記フィルタ手段は、地震波形の少なくとも横揺れの主要成分を考慮して設定されたカットオフ周波数を有し、上記カットオフ周波数より高い振動成分を遮断する。上記入力手段は、予め設定された検出周期で上記フィルタ手段を介して上記センサの少なくとも横揺れに関する計測データを入力する。上記検出周期制御手段は、上記入力手段によって入力された計測データが示す揺れの強さに基づいて上記検出周期を制御する。

Claims (7)

  1. 少なくとも乗りかごまたはカウンタウェイトに設置され、その設置場所での揺れを検出するバッテリ駆動型のセンサと、このセンサで検出された揺れの強さを示す計測データをエレベータ制御装置に送信する通信端末とを備えたエレベータシステムにおいて、
    地震波形の主要成分を考慮して設定されたカットオフ周波数を有し、上記カットオフ周波数より高い振動成分を遮断するフィルタ手段と、
    予め設定された検出周期で上記フィルタ手段を介して上記センサの計測データを入力する入力手段と、
    この入力手段によって入力された計測データが示す揺れの強さに基づいて上記検出周期を制御する検出周期制御手段と
    を具備したことを特徴とするエレベータシステム。
  2. 上記カットオフ周波数は、上記地震波形の主要成分の最高周波数の少なくとも2倍程度に設定されていることを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
  3. 上記フィルタ手段は、
    上記計測データが示す揺れの強さが予め設定された閾値未満のときに実行されることを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
  4. 上記センサは、加速度センサであり、
    上記フィルタ手段は、
    上記加速度センサの各軸の信号に個別に設けられるか、あるいは、上記加速度センサの各軸の信号を合成した信号に対して設けられることを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
  5. 上記検出周期制御手段は、
    上記計測データが示す揺れの強さが予め設定された閾値以上のときに、上記検出周期を短周期に切り替えることを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
  6. 上記検出周期制御手段は、
    上記計測データが示す揺れの強さが上記閾値未満のときに、上記検出周期を長周期に切り替えることを特徴とする請求項5記載のエレベータシステム。
  7. 上記計測データが示す揺れの強さが上記閾値未満のときに、上記通信端末および上記センサの動作状態を確認するための死活監視を実行する監視手段をさらに具備したことを特徴とする請求項6記載のエレベータシステム。
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