JP2020001888A - エレベータシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】加速度センサを駆動するためのバッテリの長寿命化を図りつつも、当該加速度センサの死活監視を通常通り行うことが可能なエレベータシステムを提供すること。【解決手段】一実施形態によれば、エレベータシステムは、センサ装置を備え、このセンサ装置は、カウンタウエイト13の揺れを検出するタイミングを規定する検出周期を設定する第1設定手段と、検出周期毎に、検出された揺れの大きさを示す加速度データを、通信端末を介してエレベータ制御装置に送信する送信手段とを含む。第1設定手段は、センサ装置が正常に動作しているか否かを確認するためにエレベータ制御装置によって送信された死活監視信号を受信した場合、乗りかごの運転モードが平常運転モードであっても、検出周期を第1周期から、第1周期よりも短い第2周期に変更する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、エレベータシステムに関する。
エレベータシステムでは、地震等によって建物が揺れると、地震時管制運転装置によって、乗りかごが最寄り階に誘導され、ドアが開放された状態となり、乗客の積み下ろしを行う。地震時管制運転装置を備えるエレベータシステムは、建物や乗りかごの揺れを検出するための加速度センサを備えている。加速度センサは、例えば、建物の上部に位置する機械室や乗りかご、カウンタウエイト等に設けられる。
この種のエレベータシステムでは、揺れが収まると必要に応じて自動診断運転が行われ、エレベータシステムを構成する各種機器に損傷や不具合がないかが診断される。自動診断運転は、安全上の観点から、加速度センサからの出力(によって示されるガル値)が所定の基準値以下であった時にのみ行われる。この基準値は、エレベータシステムを構成する各種機器の耐力限界に基づいて設定されている。
一方で、加速度センサからの出力をエレベータ制御装置に取り込むためには、加速度センサとエレベータ制御装置とを繋ぐための新規の配線設備が必要となる。このため、加速度センサは、新規の配線設備を配設可能な場所に設置しなければならないという不都合がある。この不都合を解消するべく、加速度センサからの出力を、無線通信を利用してエレベータ制御装置に送信する技術が考案されている。
特許第5706781号公報
しかしながら、上記した技術を利用する場合、加速度センサとエレベータ制御装置とを物理的に繋ぐための配線設備がないので、加速度センサを駆動するための電力(駆動電力)をエレベータ制御装置から得ることができないことになる。
このため、加速度センサは、例えば、エレベータ制御装置と通信するために設けられる通信端末内のバッテリから駆動電力を得て、動作する。このような場合、通信端末内のバッテリから得られる電力には限りがあるため、加速度センサは、平常運転モード時には消費電力の少ないスリープ状態を維持する等して、省電力化を図ることで、当該バッテリの長寿命化を図っている。
しかしながら、上記したように平常運転モード時にスリープ状態が維持されていると、加速度センサが正常に動作しているか否かを確認するための死活監視時に、加速度センサからの出力がなく、加速度センサが正常に動作していないと誤認されてしまう恐れがある。
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、加速度センサを駆動するためのバッテリの長寿命化を図りつつも、当該加速度センサの死活監視を通常通り行うことが可能なエレベータシステムを提供することである。
一実施形態によれば、エレベータシステムは、昇降路内に設置された乗りかごと、前記乗りかごとロープを介して連結されるカウンタウエイトの昇降動作を制御するエレベータ制御装置と、前記カウンタウエイトに設置され、前記エレベータ制御装置と無線にて通信可能な通信端末と、前記通信端末と共に前記カウンタウエイトに設置され、当該通信端末から供給される電力によって駆動し、当該カウンタウエイトの揺れを検出可能なセンサ装置とを備える。前記センサ装置は、前記カウンタウエイトの揺れを検出するタイミングを規定する検出周期を設定する第1設定手段と、前記設定された検出周期毎に、前記検出された揺れの大きさを示す加速度データを、前記通信端末を介して前記エレベータ制御装置に送信する送信手段とを具備する。前記第1設定手段は、前記乗りかごの運転モードが平常運転モードである場合、前記検出周期を第1周期に設定し、前記乗りかごの運転モードが管制運転モードである場合、前記検出周期を前記第1周期よりも短い第2周期に設定し、前記センサ装置が正常に動作しているか否かを確認するために前記エレベータ制御装置によって送信された死活監視信号を受信した場合、前記乗りかごの運転モードが前記平常運転モードであっても、前記検出周期を前記第1周期から前記第2周期に変更する。
図1は第1の実施形態に係るエレベータシステムの概略構成例を示す図である。 図2は同実施形態に係る加速度センサの機能構成例を示す機能ブロック図である。 図3は同実施形態に係る加速度センサの動作例を示すフローチャートである。 図4は同実施形態に係る加速度センサの死活監視時の動作例を示すフローチャートである。 図5は同実施形態に係るエレベータ制御装置の死活監視時の動作例を示すフローチャートである。 図6は第2の実施形態に係る加速度センサの機能構成例を示す機能ブロック図である。 図7は同実施形態に係る加速度センサの死活監視時の動作例を示すフローチャートである。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るエレベータシステムの概略構成例を示す図である。本エレベータシステムは、地震発生後にエレベータを、管制運転モードから平常運転モードに早期復旧させることが可能なエレベータシステムである。図1に示すエレベータシステムでは、エレベータ全体の制御を行うエレベータ制御装置10が上部機械室に設けられている。エレベータ制御装置10には、第1通信端末11が接続され、当該第1通信端末11は後述する第2通信端末17a,17bとの通信を行う。
昇降路内には、図1に示すように、乗りかご12及びカウンタウエイト13が設けられており、それぞれガイドレール14a〜14dに昇降動作可能に支持されている。ガイドレール14a,14bは乗りかご12用のガイドレールであり、ガイドレール14c,14dはカウンタウエイト13用のガイドレールである。乗りかご12は、乗りかご12用のガイドレール14a,14bの間に配置され、ガイドシュー15を介して、ガイドレール14a,14bに摺動可能に取り付けられている。カウンタウエイト13は、ガイドシュー15を介して、カウンタウエイト13用のガイドレール14c,14dに摺動可能に設けられている。
乗りかご12には、乗りかご12の揺れを検出(計測)するための加速度センサ16aと、第1通信端末11と通信可能な第2通信端末17aとが設けられている。加速度センサ16aと第2通信端末17aとは有線にて接続されている。同様に、カウンタウエイト13には、カウンタウエイト13の揺れを検出(計測)するための加速度センサ16bと、第1通信端末11と通信可能な第2通信端末17bとが設けられている。加速度センサ16bと第2通信端末17bとは有線にて接続されている。加速度センサ16a,16bは、それぞれ第2通信端末17a,17bに搭載されているバッテリからの電力により駆動し、乗りかご12及びカウンタウエイト13の揺れを検出する。
メインロープ18の一端に乗りかご12が連結され、メインロープ18の他端にカウンタウエイト13が連結されている。メインロープ18は、巻上機19の回転軸に取り付けられたメインシーブ20aに巻回されている。20bはそらせシーブである。巻上機19は、エレベータ制御装置10と共に上部機械室に設置され、メインシーブ20aを回転させるためのモータ21を含んでいる。エレベータ制御装置10からの駆動指示により巻上機19のモータ21が駆動されると、メインシーブ20aが所定方向に回転し、メインロープ18を介して乗りかご12がカウンタウエイト13と共につるべ式に昇降動作する。
乗りかご12には、かご制御装置22とドア制御装置23とが設けられている。かご制御装置22及びドア制御装置23は共にエレベータ制御装置10と接続し、かご制御装置22は、エレベータ制御装置10からの指示にしたがって、乗りかご12内の照明機器の駆動制御や空調制御を行う。また、かご制御装置22は、乗客によって操作される操作パネルに関する情報、具体的には、乗客によって押下された行先階ボタンやドア開閉ボタンに関する情報を、エレベータ制御装置10やドア制御装置23に出力する。ドア制御装置23は、エレベータ制御装置10やかご制御装置22からの指示にしたがって、乗場に着床している乗りかご12のドアの開閉制御を行う。ドア制御装置23は、乗りかご12のドアを開閉するためのモータ24と接続し、このモータ24を駆動することでドアの開閉制御を行う。
乗りかご12が着床する各階の乗場には、乗場呼びボタンと乗場制御装置30とが設けられている。乗場呼びボタンは、乗客が乗りかご12に乗車する乗場の位置と行先方向とを登録するためのボタンである。この乗場呼びボタンは、乗場制御装置30と接続している。乗場制御装置30は、エレベータ制御装置10とも接続し、乗客によって押下された乗場呼びボタンに関する情報をエレベータ制御装置10に出力する。
次に、図2の機能ブロック図を参照して、加速度センサ16が有している機能部について説明する。なお、乗りかご12に設置される加速度センサ16aと、カウンタウエイト13に設置される加速度センサ16bとは同様な機能部を有しているため、ここでは、加速度センサ16bを代表例にとって説明し、加速度センサ16aの説明は省略するものとする。また同様に、以降の説明においても、基本的に加速度センサ16bを代表例にとって説明し、加速度センサ16aに関する説明は省略するものとする。
加速度センサ16bは、上記したように、カウンタウエイト13に設置されている第2通信端末17bと有線にて接続されている。加速度センサ16bは、少なくとも横揺れ(水平方向の揺れ)を検出可能な2軸加速度センサであれば良いが、横揺れに加えて縦揺れ(鉛直方向の揺れ)も検出可能な3軸加速度センサであっても良い。
加速度センサ16bは、図2に示すように、電力供給制御部101、入力部102、検出周期制御部103、加速度検出部104及び出力部105、等を備えている。
電力供給制御部101は、加速度センサ16bに接続されている第2通信端末17bに搭載されるバッテリに基づいた電力を各機能部102〜105に供給する機能を有している。
入力部102は、エレベータ制御装置10から送信される各種信号を、第2通信端末17bを介して受信する機能を有している。具体的には、入力部102は、加速度センサ16bが正常に動作しているか否かを確認するための死活監視に関し、エレベータ制御装置10への加速度データの送信が要求される死活監視信号を受信する。受信された死活監視信号は検出周期制御部103に転送される。
加速度検出部104は、検出周期毎に、カウンタウエイト13の揺れを検出し、当該検出された揺れの大きさを示すガル値の計測を行う機能を有している。計測されたガル値を示す加速度データは出力部105に送られる。
検出周期制御部103は、加速度検出部104がカウンタウエイト13の揺れを検出し、ガル値の計測を行う検出周期(検出周波数)の設定・変更を行う機能を有している。なお、検出周期は、省電力の観点から、平常運転モード時においては例えば1分に設定され、この状態のことをスリープ状態と称する。一方で、管制運転モード時(つまり、地震発生時)においては、検出周期は例えば1/100秒に設定され、この状態のことを起動状態と称する。
また、検出周期制御部103は、入力部102から転送されて来る死活監視信号の入力を受け付けると、当該死活監視信号の入力に応じて、検出周期を現在よりも短い検出周期に変更する機能を有している。具体的には、検出周期制御部103は、加速度センサ16bがスリープ状態から起動状態になるように、検出周期を変更する。
出力部105は、加速度検出部104から送られて来る加速度データを、第2通信端末17bを介してエレベータ制御装置10に送信する機能を有している。また、出力部105は、所定周期毎(以下、「監視周期」と称する)に、上記した死活監視信号の送信を要求するためのトリガ信号をエレベータ制御装置10に送信する機能を有している。監視周期は例えば10分に設定される。
なお、検出周期制御部103や出力部105が有する機能は、第2通信端末17bに搭載されるとしても良い。
ここで、エレベータ制御装置10が有している機能について説明する。
エレベータ制御装置10は、上記した各機能部101〜105を備える加速度センサ16bと第1及び第2通信端末11,17bを介して通信し、加速度センサ16bから送信されて来る加速度データによって示されるガル値が、地震の発生を示す所定値(例えば50[Gal])以上であった場合、運転モードを平常運転モードから管制運転モードに切り替える機能を有している。
また、エレベータ制御装置10は、加速度センサ16bから送信されて来る加速度データによって示されるガル値が、上記した所定値以上であり、かつカウンタウエイト13用のガイドレール14c,14dの耐力限界に基づいて設定された閾値(例えば600[Gal])以上であった場合、乗りかご12の運転を即時休止させる機能を有している。一方で、エレベータ制御装置10は、加速度センサ16bから送信されて来る加速度データによって示されるガル値が、上記した所定値以上であり、かつ上記した閾値未満であった場合、運転モードを管制運転モードから平常運転モードに早期復旧させるために、乗りかご12の自動診断運転(自動復旧運転)を行う機能を有している。
なお、ここでは、エレベータ制御装置10がカウンタウエイト13に設置された加速度センサ16bから送信されて来る加速度データを受信した場合を一例に挙げて説明したが、エレベータ制御装置10は、乗りかご12に設置された加速度センサ16aから送信されて来る加速度データを受信した場合も同様に機能する。
以上説明したエレベータ制御装置10の各種機能によれば、地震発生時の乗客の安全を担保することができる上に、エレベータの早期復旧を実現させることが可能となる。
ここで、図3のフローチャートを参照して、平常運転モード時に、加速度センサ16bが加速度を検出する動作について説明する。まず、加速度センサ16bに含まれる加速度検出部104は、検出周期が来たか否かを判定し、検出周期が来たと判定した場合(ステップS1のYES)、カウンタウエイト13の揺れを検出し、当該揺れの大きさを示すガル値を計測する(ステップS2)。計測されたガル値を示す加速度データは出力部105に出力される。出力部105は、加速度検出部104から送られて来る加速度データの入力を受け付けると、第2通信端末17bを介して、当該加速度データをエレベータ制御装置10に送信し(ステップS3)、ここでの動作を終了させる。
次に、図4のフローチャートを参照して、エレベータ制御装置10による死活監視が行われる際の加速度センサ16bの動作、つまり、死活監視時の加速度センサ16b側の動作について説明する。
まず、加速度センサ16bに含まれる出力部105は、監視周期が来たか否かを判定し、監視周期が来たと判定した場合(ステップS11のYES)、第2通信端末17bを介して、死活監視信号の送信を要求するためのトリガ信号をエレベータ制御装置10に送信する(ステップS12)。
続いて、上記したトリガ信号に応じてエレベータ制御装置10から死活監視信号が送信されて来ると、入力部102は、当該死活監視信号を受信し、これを検出周期制御部103に転送する(ステップS13)。検出周期制御部103は、入力部102から転送されて来る死活監視信号の入力を受け付けると、加速度センサ16bがスリープ状態から起動状態になるように、検出周期を変更する。具体的には、検出周期制御部103は、検出周期を1分から1/100秒に変更する(ステップS14)。
加速度検出部104は、上記したステップS14の処理により検出周期が変更されたことにより、変更後の検出周期毎に加速度を検出することが可能となるため(つまり、検出周期変更直後に加速度を検出することが可能となるため)、カウンタウエイト13の揺れを検出し、当該検出した揺れの大きさを示すガル値の計測を行う(ステップS15)。計測されたガル値を示す加速度データは出力部105に送られる。
出力部105は、加速度検出部104から送られて来る加速度データの入力を受け付けると、第2通信端末17bを介して、当該加速度データをエレベータ制御装置10に送信する(ステップS16)。
しかる後、検出周期制御部103は、上記した死活監視信号の受信に伴う加速度データの送信が完了した旨の完了通知を出力部105から受けると、検出周期を元の検出周期に変更する。つまり、検出周期制御部103は、加速度センサ16bが起動状態からスリープ状態になるように、検出周期を変更し(ステップS17)、ここでの動作を終了させる。
さらに、図5のフローチャートを参照して、死活監視時のエレベータ制御装置10側の動作について説明する。
まず、エレベータ制御装置10は、図4に示したステップS12の処理により加速度センサ16bから送信されて来るトリガ信号を、第1通信端末11を介して受信すると(ステップS21)、乗りかご12が現在走行中か否かを判定する(ステップS22)。なお、上記したように、エレベータ制御装置10はエレベータ全体の動作を制御しているため、乗りかご12が現在走行中か否かを判定することが可能である。
この処理の結果、乗りかご12は現在走行中であると判定された場合(ステップS22のYES)、後述するステップS24の処理が実行される。一方で、この処理の結果、乗りかご12は現在走行中でない、つまり、停止中であると判定された場合(ステップS22のNO)、エレベータ制御装置10は、乗りかご12を走行させるために、モータ21に駆動指示を出力する(ステップS23)。
エレベータ制御装置10は、上記したステップS21の処理において受信したトリガ信号に応じて、死活監視信号を加速度センサ16bに送信する(ステップS24)。その後、エレベータ制御装置10は、この死活監視信号に応じて加速度センサ16bから送信されて来る加速度データを受信したか否かを判定する(ステップS25)。
この処理の結果、加速度センサ16bから送信されて来た加速度データを受信したと判定された場合(ステップS25のYES)、エレベータ制御装置10は、加速度センサ16bは正常に動作していると判定して(ステップS26)、ここでの動作を終了させる。
一方で、加速度センサ16bから送信されて来る加速度データを受信していないと判定された場合(ステップS25のNO)、エレベータ制御装置10は、上記したステップS24の処理において死活監視信号を送信してから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS27)。なお、死活監視信号を送信してからの経過時間は、エレベータ制御装置10内の図示せぬ内部クロックによって計測される。
この処理の結果、死活監視信号を送信してからの経過時間がまだ所定時間を超えていないと判定された場合(ステップS27のNO)、エレベータ制御装置10は、上記したステップS25の処理を再度実行する。一方で、死活監視信号を送信してからの経過時間が所定時間を超えたと判定された場合(ステップS27のYES)、エレベータ制御装置10は、加速度センサ16bは正常に動作していない、つまり、加速度センサ16bに異常が生じていると判定し、加速度センサ16bに異常が生じている旨を保守員に通知して(ステップS28)、ここでの動作を終了させる。
保守員は、エレベータ制御装置10からの上記した通知を受けると、現場に赴き、加速度センサ16bの点検作業を行う。
以上説明した第1の実施形態によれば、本エレベータシステムにおいては、加速度センサ16が検出周期制御部103を備えているので、平常運転モード時には、基本的にスリープ状態を維持して省電力化を図りつつも、死活監視の際には、一時的にスリープ状態から起動状態に遷移することができ、通常通り死活監視を行うことが可能となる。また、死活監視が終了した際には、再度スリープ状態に戻るため、死活監視に際して消費される電力を最小限に抑えることが可能である。すなわち、加速度センサ16に駆動電力を供給する第2通信端末17に搭載されているバッテリの長寿命化を図ることが可能となる。
また、本エレベータシステムにおいては、エレベータ制御装置10が、死活監視の際に、乗りかご12が走行中か否かを判定し、乗りかご12が停止中である場合には、乗りかご12を走行させるためにモータ21に駆動指示を出力する機能を有しているので、乗りかご12が停止していることに起因して加速度センサ16が加速度を検出できないといった事態の発生を抑止することも可能である。
なお、図4及び図5では、加速度センサ16bが2軸加速度センサである場合を想定して説明したが、加速度センサ16bが3軸加速度センサである場合、加速度センサ16bが正常に動作していれば、乗りかご12が停止していたとしても鉛直方向にかかる重力加速度を検出することが可能であるため、図5に示したステップS22,S23の処理を省略することが可能である。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態は、加速度センサ16が上記した各機能部101〜105に加えて、出力閾値制御部106をさらに備えている点で第1の実施形態と相違する。以下では、既に説明した第1の実施形態と同様な部分については同一の符号を付し、ここではその詳しい説明を省略するものとする。すなわち、以下では、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
まず、図6の機能ブロック図を参照して、第2の実施形態に係る加速度センサ16が有している機能部について説明する。なお、第1の実施形態と同様に、以下では加速度センサ16bを代表例にとって説明し、加速度センサ16aの説明は省略するものとする。
出力閾値制御部106は、エレベータ制御装置10に送信される加速度データに対する閾値の設定・変更を行う機能を有している。より詳しくは、出力閾値制御部106は、加速度データによって示されるガル値が閾値以上の場合にだけ、出力部105がエレベータ制御装置10に加速度データを送信可能なように、当該閾値の設定・変更を行う機能を有している。例えば、閾値は、震度4程度の地震が発生した際に検出される揺れの大きさを示す50[Gal]に設定される。
また、出力閾値制御部106は、入力部102から転送されて来る死活監視信号の入力を受け付けると、当該死活監視信号の入力に応じて、上記した閾値を現在よりも低い値に変更する機能を有している。具体的には、閾値は、乗りかご12が定常走行した際に検出される揺れの大きさよりも低い値に変更される。
出力部105は、加速度検出部104から送られて来る加速度データの入力を受け付けると、当該加速度データによって示されるガル値が、出力閾値制御部106により設定された閾値を超えているか否かを判定し、当該閾値を超えていると判定された場合にのみ、当該加速度データをエレベータ制御装置10に送信する機能を有している。
次に、図7のフローチャートを参照して、本実施形態に係る加速度センサ16bの死活監視時の動作について説明する。
まず、図4に示したステップS11〜S13と同様な処理が実行される。なお、本実施形態においては、ステップS13の処理において受信された死活監視信号は、検出周期制御部103だけでなく、出力閾値制御部106にも転送される。
ステップS13の処理の後に、出力閾値制御部106は、入力部102から転送されて来る死活監視信号の入力を受け付けると、上記した閾値を、乗りかご12が定常走行した際に検出される揺れの大きさよりも低い値に変更する(ステップS31)。
以降は、図4に示したステップS14〜S16と同様な処理が実行され、その後、検出周期制御部103が変更した検出周期を元に戻すタイミングと同様なタイミングで、出力閾値制御部106は、上記した閾値を元に戻すように変更し(ステップS32)、ここでの動作を終了させる。
以上説明した第2の実施形態によれば、本エレベータシステムにおいては、加速度センサ16が出力閾値制御部106を備えているので、計測されたガル値が閾値を超えていない場合には加速度データが送信されないため、加速度データの送信回数を減らすことができ、ひいては、加速度データの送信にかかる電力消費を抑えることが可能となる。一方で、死活監視の際には、一時的に閾値を定常走行に検出される揺れよりも低い値に変更することができるので、加速度が検出されているにも関わらず、閾値を超えていないから加速度データが送信されずに、加速度センサに異常が生じていると誤認されてしまうような事態の発生を抑止することも可能である。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、加速度センサを駆動するためのバッテリの長寿命化を図りつつも、当該加速度センサの死活監視を通常通り行うことが可能なエレベータシステムを提供することが可能である。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…エレベータ制御装置、11…第1通信端末、12…乗りかご、13…カウンタウエイト、14a〜14d…ガイドレール、15…ガイドシュー、16a,16b…加速度センサ、17a,17b…第2通信端末、18…メインロープ、19…巻上機、20a…メインシーブ、20b…そらせシーブ、21…モータ、22…かご制御装置、23…ドア制御装置、24…モータ、30…乗場制御装置、101…電力供給制御部、102…入力部、103…検出周期制御部、104…加速度検出部、105…出力部、106…出力閾値制御部。

Claims (5)

  1. 昇降路内に設置された乗りかごと、前記乗りかごとロープを介して連結されるカウンタウエイトの昇降動作を制御するエレベータ制御装置と、
    前記カウンタウエイトに設置され、前記エレベータ制御装置と無線にて通信可能な通信端末と、
    前記通信端末と共に前記カウンタウエイトに設置され、当該通信端末から供給される電力によって駆動し、当該カウンタウエイトの揺れを検出可能なセンサ装置と
    を備えるエレベータシステムであって、
    前記センサ装置は、
    前記カウンタウエイトの揺れを検出するタイミングを規定する検出周期を設定する第1設定手段と、
    前記設定された検出周期毎に、前記検出された揺れの大きさを示す加速度データを、前記通信端末を介して前記エレベータ制御装置に送信する送信手段と
    を具備し、
    前記第1設定手段は、
    前記乗りかごの運転モードが平常運転モードである場合、前記検出周期を第1周期に設定し、前記乗りかごの運転モードが管制運転モードである場合、前記検出周期を前記第1周期よりも短い第2周期に設定し、
    前記センサ装置が正常に動作しているか否かを確認するために前記エレベータ制御装置によって送信された死活監視信号を受信した場合、前記乗りかごの運転モードが前記平常運転モードであっても、前記検出周期を前記第1周期から前記第2周期に変更することを特徴とするエレベータシステム。
  2. 前記送信手段は、
    前記死活監視信号を受信した場合、前記検出周期が前記第2周期に変更された直後に検出された揺れの大きさを示す加速度データを前記エレベータ制御装置に送信し、
    前記第1設定手段は、
    前記死活監視信号の受信に伴う前記加速度データの送信が完了すると、前記検出周期を前記第2周期から前記第1周期に戻すことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
  3. 前記エレベータ制御装置は、
    前記死活監視信号を前記センサ装置に送信する時に、前記乗りかごが走行中であるか否かを判定し、走行中でないと判定された場合、当該乗りかごを走行させるように当該乗りかごの動作を制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータシステム。
  4. 前記センサ装置は、
    前記エレベータ制御装置に送信される加速度データにより示される揺れの大きさに対して閾値を設定する第2設定手段をさらに具備し、
    前記送信手段は、
    前記検出された揺れの大きさが前記閾値を超えている加速度データを前記エレベータ制御装置に送信することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエレベータシステム。
  5. 前記第2設定手段は、
    前記死活監視信号を受信した場合、前記乗りかごの定常走行時に検出される揺れの大きさよりも低い値に前記閾値を変更し、
    前記死活監視信号の受信に伴う前記加速度データの送信が完了すると、前記閾値を元の値に戻すことを特徴とする請求項4に記載のエレベータシステム。
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