JP3703883B2 - エレベータシステム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータに係り、特に乗心地特性が改良されたエレベータに関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータシステムは、ビルディングのエレベータシャフトをより速く、より円滑にかつより巧妙に昇降するように、常に設計されている。最近の集中的な改良の1分野としては、水平振動を低減させることである。
【0003】
一般のエレベータシステムは、ビルディングのエレベータシャフトに配設されたガイドレールと共に作用する支持フレームを備えたかごプラットホームと、エレベータかごがエレベータシャフトを昇降するにつれて、かごプラットホーム、支持枠、およびガイドレール間の機械的な力を制御するための受動サスペンションシステムを持っている。例えば、エレベータかごプラットホームは、代表的には、硬質ゴムパッドによって支持枠に取り付けられており、強固なスプリング又は摺動ジブを有するホイールによって、4ケ所で支持されたガイドレールに沿って、支持されている。この柔らかいスプリングは使用することが出来ないので、ガイドレールにおける偏差により、かごプラットホームで振動が発生する。加えて、例えばオフセット負荷またはビルディングのウインド・バッファリング又はかごプラットホームにおける乗客の動きによって生じる低周波機械力と、エレベータは、エレベータシャフトを上昇下降するにつれて、フレームとガイドレールとの間に生じる高周波の力によって影響される。低周波機械力は高剛性の必要条件を有し、一方、高周波機械力は低剛性の必要条件を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
パッシブサスペンションシステムを有するエレベータシステムの欠点は、剛性スプリングとガイドレールとの異常結合によって、重大なかごプラットホームの振動が引き起こされることと、乗心地性能が、高周波力に対する低周波力の緩和との間の固有のトレードオフによって妥協されることである。さらに、従来のエレベータシステムの他の欠点は、エレベータがガイドレールに沿って移動するにつれて、大きなレベルの不要な騒音がガイドレールによって発生し、この騒音が運転台に伝達されることである。
【0005】
これらの問題は、アクティブガイダンスシステム(アクティブ誘導システム)(AGシステムとして後述する)を有するエレベータシステムによって解決される[ヨーロッパ特許出願第0467673号および米国特許第5,321,217号、第5,304,751号,第5,294,757号、第5,308,938号および第5,322,144号で述べられているように]。
【0006】
AGシステムは、エレベータ/カブの支持枠とガイドレール間の機械力を、エレベータがエレベータシャフトに沿って移動するにつれて、制御するためのアクティブサスペンションシステムを有する。AGシステムにおいて、支持枠は、アクティブローラガイド,磁気ガイドヘッド,又はガイドレールとして作用する。他のアクティブ水平サスペンション、およびエレベータがエレベータシャフト内で上下動するにつれて、サーボループにおける水平振動または動きを示す1つ又はそれ以上のパラメータを独立に制御するためのコントローラを持っている。
【0007】
しかしながら、公知のAGシステムは、ガイドヘッド,ローラガイド,スライドガイド等を独立に制御するローカル(局所の)コントローラおよび軸におけるガイドレールを使用する。これらの局所的なコントローラは情報を分担しない。局所コントローラを有するAGシステムの欠点は、1軸を制御する力が他の軸に悪影響を与えることである。
【0008】
提案されたエレベータAGシステムは、エレベータかごの主軸と直線上にあるダイアゴナル(大域の)座標システム内に有効な制御を移行することによって、システムダイナミックを分離する座標コントローラを用いる。情報(検出と動作)を配分することによって、このシステムは、ダイナミック結合量を小さく(すなわちシステムプラント伝達関数のオフ−ダイアゴナル期間を小さくすることが出来る)出来、これによって、効果的なシングル入力/シングル出力(SISO)制御ロジックを新しいグローバル座標システムにおける各軸制御を行うことが出来る。このことは、性能が補償されない相互作用によって規制される局所制御を用いているAGシステムの改良である。
【0009】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は各アクティブガイドと選択された指示物例えばガイドレールとの間の物理的な関係が座標的に制御されるAGシステムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、ビルディングのエレベータシャフトのガイドレールに作用するフレームを有するエレベータかごを含むエレベータAGシステムに、特徴を持っている。エレベータかごは、X軸に沿う側面/側面変換、Y軸に沿う前/後変換、X軸についてのピッチ回転、Y軸についてのロール回転、およびZ軸についてのヨー回転を含む5つの自由度によって運動学的に規定されるグローバル座標系(X,Y,Z)における剛体運動を、有する。エレベータシステム、グローバル座標系における5つの自由度の各々において検出されたローカルパラメータに応答するとともにローカルパラメータ信号を供給するためのローカルパラメータ検出手段と、ローカルパラメータ信号に応答するとともに座標化された制御信号を供給するための座標化された制御手段、および座標化された制御信号に応答して座標系における所望のパラメータを維持するためにローカル力を供給するローカル力発生手段を、含んでいる。
【0011】
すなわち、本発明は、ビルディングのエレベータシャフトのガイドレールに作用するためのフレームを有するエレベータかご12を含むエレベータシステムであって、グローバル座標系(X,Y,Z)における5つの自由度の各々において検出されたローカル(局所)パラメータに応答するとともに、ローカルパラメータ信号(Gm,Am)を供給するためのローカルパラメータ検出14と、ローカルパラメータ信号(Gm,Am)に応答するとともに、座標化された制御信号(CCx1,CCx2,CCy2,CCy3)を供給するための座標化された制御手段16、および座標化された制御信号(CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3)に応答し、フレームとガイドレール間の所望のギャップを、ビルディングのエレベータシャフトに関してエレベータかご12の位置を座標化するために維持するための座標化されたローカル力を供給するローカル(局所)力発生手段18によって構成され、前記ローカル力発生手段18において、グローバル座標系(X,Y,Z)におけるエレベータかご12の剛体運動は、少なくとも5つの自由度によって運動学的に規定され、該5つの自由度はX軸に沿う側面/側面変換、Y軸に沿う前/後変換、X軸に関するピッチ回転、Y軸に関するロール回転、およびZ軸に関するヨー回転を含んでいる、ことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図1〜図21を参照しながら説明する。
【0013】
1.全体的なAGエレベータシステム
図1はビルディング(図示せず)のエレベータシャフト(図示せず)におけるエレベータかご12の水平振動を制御するためのアクティブガイダンス(AG)エレベータシステム2を示す。エレベータかご12は、第2図に詳細に示されており、この例では磁気ヘッドとして示す4つのガイドヘッド10,20,30,40を備えたかごフレーム13を有する。しかしながら本発明のガイダンスシステムは、アクティブローラガイド等を含む複数の如何なるタイプのアクティブフィルタを有するエレベータシステムにも適用可能である。かご12は、例えば図3〜5におけるガイドレール20aのルールに沿って、上方および下方に移動する。図2に示されている場合では、AGエレベータシステム12は、アクティブ磁気誘導(AMG)エレベータシステムであり、このAMGシステムは、ガイドヘッドとレール間の局部位置の関数としてエレベータシャフト(図示せず)に対するエレベータかご12のグローバル位置を制御する。しかしながら、一般に、図1に示すように、エレベータシステム2は、ローカル(局所)パラメータ検出手段14,座標制御手段16,およびローカル(局所)力発生手段18を特徴とし、選択された基準に対してエレベータかご12の水平運動を制御する。
【0014】
図2の例においては、ローカルパラメータ検出手段18は、ローカルパラメータ信号Gm,Amを供給するためのX,Y,Z軸を有するグローバル座標系における5自由度の各々において検出されたローカル(局所)パラメータに応答する。例えば、ローカルパラメータ信号Am,Gmはガイドヘッド10,20,30,40とガイドレール(図示せず)との間で検出されたローカルエリアギャップGmと、ガイドヘッド10,20,30,40で検出されたローカル加速度信号Amを含んでいる。それに応答して、ローカルパラメータ検出手段14は、点線12aで示したライン14a上の局部的に検出されたパラメータ信号を供給する。図2の例における座標制御手段16は、ライン16aに座標系制御信号CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3を供給するためのローカルパラメータ信号Gm,Amに応答する。図2の例に対する座標制御信号手段16は図6,7,8,9および10において述べられている。座標制御手段16は、例えばローカルパラメータ信号Gm’,Am’において全てのガイドヘッドから収集された情報を用い、エレベータかご12の多軸移動を調和させる方法によってライン16aの座標制御信号CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3を同時に供給する。
【0015】
ローカル力発生手段18は、ライン16a上の座標制御信号CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3に応答して、点線8aにローカル力FX1,FX2,FY2,FY3を供給し、ガイドヘッド10,20,30,40とガイドレール間の所望のギャップを維持する。ガイドレールはビルディングのエレベータシャフトに関してエレベータかご12の位置を調整する。ローカル力発生手段18は以下に述べるような磁気ドライバー/電磁石を含んでいる。
【0016】
図2に示すように、エレベータかご12の剛体運動は、グローバル座標系GCSの5自由度において、運動学的に規定されている。グローバル座標系は、X軸に沿う側面変換(side−to−side translation),Y軸に沿う前後変換(front−to−back translation),X軸に沿うピッチ回動,Y軸に関するロール回動およびZ軸に関するヨー回動を有する。図示の如く、グローバル座標系(GCS)はエレベータかご12の幾何学的(又は質量)中心でその原点を有する。側面直線変換はグローバル座標系(GCS)におけるX軸に沿って測定され、力FxはX軸に沿って規定される。前後変換Ycはグローバル座標系(GCS)においてY軸に沿って規定され、力FyはY軸に沿って規定される。ピッチ回動θXはグローバル座標系におけるX軸に沿って回動的に規定され、モーメントMXはX軸について規定される。ロール回動θYはグローバル座標系GCSにおいてZ軸について規定され、モーメントMZはZ軸について規定される。図2に示されている3つの回転矢印の各々は各軸についての正モーメントの方向を示す(このことを議論するにあたって、エレベータかご12の測定と動きはZ軸における変換に関してAMGシステムによって制御されるということに注意しなければならない。)。
【0017】
さらに、各ガイドヘッド10,20,30,40は、それぞれ、xi,yi,Zi軸を有するローカル座標系LCS10,LCS20,LCS30を有する。例えば、ガイドヘッド10は、力Fx1およびFy1を有するX1軸およびY1軸を持ったローカル座標系LCS10を持っている。ガイドヘッド20は、図示のようにこれらの軸に沿って規定された力Fx2およびFy2を有するローカル座標系LCS20を持っている。ガイドヘッド30は、力Fx3,Fy3を有するX3,Y3軸を持ったローカル座標系LCS30を持っている。ガイドヘッド40は、力Fx4,Fy4を有するX4,Y4軸を持ったローカル座標系LCS40を持っている。
【0018】
ガイドヘッド10,20,30,40の各々に対して、3つの各電磁石は、それぞれ局部xiとyi軸に沿う力Fx1,Fy1,Fx2,Fy2,Fx3,Fy3,Fx4,Fy4を生じる。xi,yiに沿った局部的な力は、各ローカル座標系LCSiの原点を通して作用することが推測される。運動学特性におけるさらなる長さパラメータを追加することによる電磁石の位置によって、これらの2つの力の間のローカルZi軸におけるオフセットを容易に計算することが出来る。エレベータに実施されているエレベータAGシステムについての説明は以下においてなされており、エレベータにおいてはローカル検出手段14とローカル力発生手段18はガイドヘッド上に位置しており、ガイドヘッドの位置は信号点によって推定される。ギャップセンサ,加速度計および力発生器はエレベータ上の同じ点で検出又は動作する。運転学解析の専門家なら、この推測が真実でないシステムについてのこの説明を拡張することが出来る。特に、運動変換マトリックス(T1,T3およびT4)は、この新しいシステムにもとづいて修正されるであろう。
【0019】
ローカル座標系LCS10,LCS20,LCS30,LCS40は、図2に示すように5つの軸a,b,c,dおよびeに基づくグローバル座標系GCSに関連している。aとbの長さは、X軸についてのピッチ回動θXとY軸についてのロール回動θYに対するレバーアームを規定する。長さc,dおよびeはY軸についてのロール回動θZに対するレバーアームを規定する。代表的な場合として、a=b,d=eおよびc=0と仮定する。5つの長さa,b,c,dおよびeがAMGシステムにおいてどのようにして使用されるかについては、図6−8に関して以下に論じられている。
【0020】
1つの実施例として、エレベータかご12の位置が、4つのローカル座標系のうちの3つのLCS10,LCS20,LCS30において測定されかつローカル力Fx1,Fx2,Fy1,Fy2,Fy3が同じ3つのローカル座標系LCS10,LCS20,LCS30において適用されるかについては、以下で論じられる。グローバル座標系における所望の位置からのエレベータかご12の偏差とグローバル座標系GCSにおける所望の位置にエレベータかご12を戻すのに必要な力を決めるために、測定が使用される。他の実施例として、エレベータかご12の位置が、4つの全ての座標系LCS10,LCS20,LCS30,LCS40が測定されかつ調整されたローカル力Fx1,Fx2,Fy1,Fy2,Fy3,Fy4が4つの全てのローカル座標系LCS10,LCS20,LCS30,LCS40において適用されるかについて、以下に論じられている。
【0021】
2.ローカルパラメータ検出手段14
図3に示すように、代表的なガイドヘッド例えば、図2のガイドヘッド20は3つの電磁石22,24,26を含んでいる。電磁石22と26は、それぞれガイドレール20aの後と前に位置し、y2軸に力をおよぼし、それは以後は前後(f/b)軸として述べられている。電磁石24はx2軸で力を及ぼし、それは側面(s/s)軸として述べられている。各電磁石によって発生し作用した力は、各磁極面上の磁束センサすなわち電磁石22上の磁束センサ60,電磁石24上の磁束センサ62,および磁束26上の磁束センサ64によって検出される。誘導磁力は検出された各磁束の2剰に比例する。磁束センサは、レールの形状により、軸方向磁束センサである。発明の範囲は特殊なタイプの磁束センサに限定されるものではない。例えば、ガイドレールが異なった形状であれば、横方向磁束センサでも使用できる。
【0022】
ガイドレール20aに関連するガイドヘッド20の位置は、無接触のエアギャップセンサを使用して、x2とy2軸に沿って局部的に測定される。図4に示すように、ガイドヘッド20は、ガイドレール20aと電磁石24間のx2軸に沿う前後(f/b)エアギャップを測定するための無接触エアギャップセンサ66を含んでいる。
【0023】
図5に示すように、ガイドヘッド20は、ガイドレール20aと電磁石22間でy2軸に沿う前後(f/b)ギャップを測定するための無接触エアギャップセンサ68を含んでいる。無接触エアギャップ66,68は技術分野において知られている。無接触エアギャップ66,68からの情報は、エレベータかご12の剛体運動と動的なかごの捩れの量を決めるために処理され、かつローカル力発生手段18に力指令を供給するために使用される。
【0024】
さらに、図3に示すように、ガイドヘッド20はその上に設けられた加速度計70と72も含んでいる。同様な加速度計が他の3つのガイドヘッド10,30,40に配設されている。加速度計70と72はガイドヘッド10,20,30,40で側面(s/s)と前後(f/b)のかごの加速度を検出する。検出された加速度信号Amは、以下に詳細に論じるように、加速度フィードバックループにおいて使用される。
【0025】
3.座標化された制御手段18
図6は図1における座標コントローラ手段の詳細を示す。AGセンタリングおよび振動制御システムの中心は、ローカルパラメータ信号の処理方法であり、グローバル座標系における等価剛体運動を決めるために、ローカルエアギャップと加速度信号を含んでいる。一般に、最良の特性(すなわち、最高のバンド幅位置と加速度計フィードバック制御)は、システム応答における動的クロス−カップリングの量を少なくするにつれて、グローバル座標系GCSが一致する時に達成される。AGシステムのコントローラは、4つの基本的な制御ロジック要素があり、これらは、位置フィードバックコントローラ100、加速度計コントローラ200,力調整器300およびダイナミック(動的)フレームフレックスコントローラ400であって、以下に詳述されている。
【0026】
示されている実施例では、エレベータシステムの3つの基本的な入力信号があり、これらはガイドヘッド10,20,30,40と各ガイドレール間で検出され、ベクトル信号Gmで表されるエアギャップ信号、4つのガイドヘッド10,20,30,40で検出され、ベクトルAmで表される加速度信号、およびエレベータシャフト(図示せず)におけるパラメータVpで表された、エレベータかご12の位置に関して検出された垂直位置である。エアギャップ信号Gm,加速度信号Amおよび垂直位置信号Vpはすべてコントローラ手段16に影響を及ぼし、エレベータがエレベータシャフトを上昇下降するにつれて、どのように制御するかを決定する。
【0027】
A.学習レールシステム80
図6はAGエレベータシステムが学習レールシステム80を含んでいることを示し、このレールシステムは米国特許出願第07/668,544号において開示されている技巧を用いるオープンループ又は先行の方法におけるレールの不規則性を補償する。その技術においては、加速度と位置パラメータはエレベータが動作している間に検出され、結合されかつエレベータ垂直位置の関数として示されたレールの変位についての情報としてコンピュータメモリに蓄えられる。図6に示すように、レール側面の不規則性を引き起こすために、動作中に、エアギャップGdは、エレベータ垂直位置を用いるテーブル(表)にもとづく修正ループ側面変位情報をもって議論されるもので、ここでGd=Gd10,Gd20,Gd30である。例えば、所定のエアギャップGdは、エレベータキャブの垂直位置で、所望の公称ギャップG0と推定レール不規則性Xrを加算することによって、所望のエアギャップGdが決まる。
【0028】
レールプロフィル不規則性マップ82は、推定レールマップ不規則性信号Xrを供給するために、エレベータかご12の垂直位置信号Vpに応答する。加算回路84は、推定レールマップ不規則性信号Xrに応答するとともに、各ガイドヘッド10,20,30,40で所望のエアギャップを表す所望のエアギャップ信号Gdを供給するために、さらに所望の公称エアギャップ信号G0に応答する。
【0029】
本発明によれば、ローカル座標系LCS10,LCS20,LCS30,LCS40においてガイドヘッド10,20,30,40で検出されたエアギャップ信号Gmは5つのローカルギャップセンサによって検出された実際のローカルエアギャップ信号を示し、5つのローカルエアギャップセンサは、位置エラー信号を供給するために、閉ループにおける学習レール信号Xrによって議論されたものであり、位置エラー信号Gmは所望のローカルギャップ信号Gdから検出されたエアギャップ信号Gmを差し引くことによって決定される。図示のように、ローカル位置エラー信号x1pe,x2pe,y2pe,y3peにおける位置エラー信号Gmeを供給するために、引算手段95はエアギャップGmと所望のエアギャップ信号Gdに応答する。
【0030】
発明の範囲は学習レールシステム80を用いている実施例に限定されるものでない。学習レールシステムを持たないAGシステムにおいて、エアギャップ信号Gmは公称エアギャップ信号G0と比較され、その差は位置エラー信号Gmeとして座標制御装置16に供給される。
【0031】
B.位置フィードバックコントローラ100
一般に、位置フィードバックコントローラ100は、グローバル力(軸に沿う)又はモーメント(軸に関して)位置フィードバック信号FGpを供給するために、ローカルエラー信号Gmeに応答する。ローカル位置エラー信号Gmeは、ガイドヘッド10,20,30,40とガイドレール間で測定されたミリメートル単位のエアギャップの寸法を表し、座標化されたグローバル力又はモーメント位置フィードバック信号FCpは、ローカル位置エラー信号Gmeに対応するニュートン単位で測定されたグローバル力またはモーメントフィードバックを表す。
【0032】
ガイドヘッド10,20,30,40での調整された力またはモーメント位置フィードバック信号FCpは、式{FCp}=[C(S)][T1]{Gme}によって得られる。ここで、FCp=[FCxp,FCyp,FCMxP,FCMyp,FCMzp]、[C(S)]=diag[Ctx(s),Cty(s),Crx(s),cry(s),crz(s)]、Gme=[x1pe,x2pe,y1pe,y2pe,y3pe]、マトリックスT1はローカル/グローバル座標位置フィードバックコントローラ102によって使用される変換マトリックスを数学的に表すものである。グローバル座標系LCS10,LCS20,LCS30,LCS40におけるエアーギャップエラー信号Gmeは、ローカル/グローバル座標位置フィードバックコントローラ102によって、5−自由度GCS座標系に変換される。グローバル位置エラー信号Xpc,Ypc,RXpc,RYpc,RZpcは、マトリックス[C(S)]によって表される位置フィードバックコントローラ104−112に帰還され、グローバル力または位置フィードバック補償信号FCxp,FCyp,FCMxp,FCMyp,FCMzpを供給する。
【0033】
これを行うために、コントローラ16は、最も広い意味で、3つのガイドヘッド10,20,30におけるx1,x2,y1,y2およびy3に沿って測定された5つのローカルギャップセンサからのローカルギャップ信号を使用する。実施例では、図4と5におけるキャップセンサ66と68はそれぞれガイドヘッド20におけるx2とy2軸に沿って測定されたギャップ信号を供給し、一方、同様のギャップセンサ66’と68’(図示せず)はガイドヘッド10に沿って測定されたギャップ信号を供給するとともに、同様なギャップセンサ68”(図示せず)は同様にしてガイドヘッド30におけるy3軸に沿って測定された信号を供給する。運動学の当業者であれば、ガイドヘッドの他の組み合わせにおける他のセンサの組み合わせの関係も導出できる。
【0034】
グローバル座標系GCSにおける剛体運動は、次のようなリニア式(1)を用いて5つのギャップセンサからのローカルギャップ信号から決められる。
【0035】
【数1】
【0036】
ここで、a,b,c,dおよびeは、図2において論じたように、ローカル座標系LCS10,LCS20,LCS30およびLCS40をグローバル座標系に関連づけるもので、Xcは側面/側面変換、Ycは前/後変換であり、θXはピッチ回動、θYはロール回動、θZはヨー回動であり、x1,x2,y1,y2およびy3は、それぞれ、各ガイドヘッド10,20および30での側面/側面および前/後の測定である。式(1)によって、ガイドヘッドの位置をエレベータかご12の中心の位置の関数として予測することが出来る。
【0037】
実際には、式(1)は、次のようなリニア式のセットに対する数学的な計数法である。
【0038】
【数2】
x1=Xc−aθy−cθz,
x2=Xc+bθy−cθz,
y1=Yc+aθx+dθz,
y2=Yc−bθx+dθz,および
y3=Yc−bθx−eθz
ここで、正記号は図2における矢印の方向での回転を示し、負記号は矢印からの反対方向である。同様に、図2の長さa,b,c,dおよびeの値は、マトリックスT1における係数の値を示すものである。
【0039】
式(1)を逆変換することによって、グローバル座標系GCSにおける剛体運動を次の式(2)によってローカルギャップ信号から決めることが出来る。
【0040】
【数3】
【0041】
式(2)は式(1)の逆変換であり、ガイドヘッド10,20および30のローカル位置の関数として、エレベータかご12の中心位置を推測することが出来る。
【0042】
要するに、式(2)は次のような直線式のセットとしての数学的な記散法でまとめることが出来る。
【0043】
【数4】
Xc=x1b/(a+b)+x2a/(a+b)+y2c/(d+e)−y3c/(d+e),
Yc=y1b/(a+b)+y2(ae−be)/(a+b)(d+e)+y3d/(d+e),
θX=x1/(a+b)−y2/(a+b),
θY=−x1/(a+b)+x2/(a+b)および
θZ=y2/(d+e)−y3(d+e)
これらの式を解くことによって、グローバル座標系GCSにおけるグローバル変位エラーXc,Yc,θX,θY,θZが決定され、すなわちエレベータかご12の中心がその中心位置からどれ位ずれているかが決定される。
【0044】
特に、ローカル/グローバル位置フィードバックコントローラ102は、式(2)によるグローバル位置エレベータ信号Xpc,Ypc,RXpc,RYpx,RZpcを供給するために、ローカル位置エラー信号x1pc,x2pc,y1pc,y2pc,y3pcに応答する。ローカル/グローバル位置フィードバックコントローラ102は、ローカル座標系LCS10,LCS20,LCS30,LCS40において検出されたローカル変位エラー信号を、グローバル座標系GCSにおけるグローバル変位エラーに変換する。ローカル/グローバルセンタリングコントローラ102はアナログ又はディジタルシステムのどちらでも実施できる。図示のように、Gmeは、グローバル座標系GCSにおける要求される力とモーメントのセットを発生させるために、センタリングコントローラ100によって処理されたエラーのベクトルとして数学的に表す。発明の範囲は5つのローカル入力信号だけに限定されるものではない。例えば、以下に論じるように、ローカル位置エラー信号は、発明の範囲を逸脱することなく、ガイドヘッド40で測定された他の信号y4pcを含めることが出来る。
【0045】
C.加速度計フィードバックコントローラ200
図6に示すように、座標制御手段16はもちろんエレベータかごにおける減衰と振動の制御を調整する加速度計フィードバックコントローラ200を含んでいる。
【0046】
加速度計フィードバックコントローラ200は、グローバル力またはモーメント加速度フィードバック信号FCAを提供するために、ローカル加速度信号Amに応答する。ここで、Am=[x1a,X2a,y1a,y2a,y3a]およびFCA=[FCxa,FCya,FCMxa,FCMya,FCMza]である。
【0047】
ガイドヘッド10,20,30,40でのグローバル座標化された力またはモーメント加速度フィードバック信号は次式によるFCAから導かれる。
【0048】
【数5】
{FCA}=[M][T4]{Am}
ここで、[M]=diag[Mtx(s),Mty(s),Mrx(s),Mry(s),Mrz(s)]であり、マトリックスT4はローカル/グローバル加速度計コントローラ202で使用される変換マトリックスを示す。
【0049】
加速時計70,72などによって検出された加速度信号Amは、加速度フィードバック補償を用いるカブとフレーム振動を小さくするために、加速度計フィードバックコントローラ200によって処理される。加速度信号Amは、ローカル/グローバル加速度計コントローラ200によって、グローバル座標系GCSにおける5−自由度の座標に変換されたローカル信号である。T4はローカル/グローバル加速度計コントローラ200によって使用される変換マトリックスT4を数学的に示すものである。
【0050】
ローカル/グローバル加速度計コントローラ202は、グローバル加速度信号XAを供給するために、ローカル加速度信号x1a,x2a,y1a,y2a,y3aに応答し、ここでXA=[Xa,Ya,RXa,RYa,RZa]である。
【0051】
ローカル/グローバル加速度計コントローラ200におけるマトリックスT4を決めるための変換関数は、上述のように、位置フィードバックコントローラ102でマトリックスT1を決めるための変換関数に非常に類似している。
【0052】
しかしながら、もし加速度計の位置がギャップセンサの位置と異なれば、変換マトリックスT1を決めるための運動は変換マトリックスT4を決めるための運動と異なるということを認識すべきである。加速度計がギャップセンサに近接していれば、T1とT4の変換関数は同一であると推定される。加速度計がギャップセンサに近接していなければ、適切な変換関数はT4と同じである。
【0053】
D.位置および加速度計フィードバック補償器
提案されたエレベータシステムの特徴を示すために、それぞれC(S),M(S)として数学的に示された位置と加速度フィードバック補償器104,106,…,112,204,206,…,212の設計の解析が提供されている。この議題においては、制御の単軸は、位置フィードバックコントローラ102,加速度フィードバックコントローラ202,および力調整器300が効果的にシステムダイナミックを切り離すという推測のもとに、試験される。エレベータ原動力は簡略化された解析における慣性として示されている。この簡略化された解析は、提案されたフィードバック補償器の安定性と特性の正確な指定を意とするものではなく、むしろ、補償設計に関連する代表的な特徴を示すことである。フィードバック補償器設計の分野における当業者であれば、エレベータカブとフレームの構造的な原動力、位置センサおよび加速度計の動的な応答およびノイズ特性,アクチュエータ(すなわち力発生器)の原動力およびコントローラのハードウェア特性が、位置フィードバック補償器C(S)および加速度フィードバック補償器M(S)を有することを、理解できる。
【0054】
(1)位置フィードバック補償器
図7に示すように、図6に示すような位置フィードバックコントローラ100は、ディジタル信号プロセッサによって実施でき、バス100bによってランダムアクセスメモリ(RAM)100Cに接続された中央処理ユニット100aと、リードオンリメモリ(ROM)100dおよび入力/出力装置100eを含んでいる。対応するローカル位置エラー信号x1pe,x2pe,y1pe,y2pe,y3peは入力線100fに受けられて処理されるとともにグローバル位置エラー信号Xpe,Ype,RXpe,RYpe,RZpeは出力線100gに受けられる。図7の信号プロセッサは、教示の目的で示されており、図6に示されている機能の位置部又は全部のものを実行するために使用でき、それによりライン100fと100g上の入出力信号を同一とすることが出来ることを理解できる。
【0055】
特に、位置フィードバック補償器104,106,108,110,112は図7に示すようにマイクロプロセッサアーキテクチャアによって実行できる。如何なる場合においても、それらはそれぞれグローバル力またはモーメント位置フィードバック補償信号FCXp,FCYp,FCMp,FCZpを結合するために、グローバル位置エラー信号Xpe,Ype,RXpe,RYpe,RZpeに応答する。位置フィードバック補償器104,106,108,110,112は、Cry(s)110およびCrz(s)と付されているCtx(s)104,Cty(s)106,Crx(s)108,5つの剛体自由度の各々に対して補償する。例えば、位置フィードバック補償器104はXc軸に沿うグローバル変位軸信号に変換する。同様にして、位置フィードバック補償器108,110,112は、X,Y,Z軸についての対応するグローバルエラー信号を各軸(すなわち、X−回転、Y−回転、Z−回転)についての関連するグローバルモーメント信号に変換する。
【0056】
図8は、模範的な比例−積分−微分(PID)制御器として実施される位置フィードバック補償器104,106,108,110および112のソフトウェアブロックダイアグラムを示す。位置フィードバック補償器104,106,108,110および112は、比例ゲイン(利得)120,並列の積分手段122と積分ゲイン124、さらに並列の微分手段126と引算手段128を含んでいる。位置フィードバック補償器104は加算手段130とローパスフィルタ手段132を含んでいる。位置フィードバック補償器104,106,108,110および112は比例−積分(PI)コントローラであってもよい。発明の範囲は如何なる特殊な位置フィードバック補償器にも限定されるものではない。
【0057】
数学的に、位置制御についての力とモーメントは、
FCp=[FCxp,FCyp,FCMxp,FCyp,FCMzp]として規定され、対角マトリックスはCc(s)=diag[Ctx(s),Cty(s),Crz(s)として規定され、これらによりグローバル位置フィードバック制御は数学的に次の式(3)によって決まる。
【0058】
【数6】
{FCp}=[Cc(s)]{Xd−Xme}…(3)
ここで、Xdは所望の剛体自由度すなわち{Xd}=[T1]{Gd}の行ベクトルであり、Gdは所望のギャップ行ベクトルである。
【0059】
図9は、次の式(4)のラプラス変換関数によって示されたデュアル(2重)遅れフィルタを持った比例積分(PI)コントローラとして実施される代表的な位置フィードバック補償器104のブロックダイアグラムを示す。
【0060】
【数7】
【0061】
ここで、Ks,Kp,tp,t3およびt4は、フィードバック幅を最大にするために設定されたシステム定数であって、AGセンタリング制御の各軸に対するマージンを安定にする。加速度、速度および安定化された質量の位置は、レール不規則入力信号に沿って示されている。質量に加わる力は位置と加速度計フィードバックによる力と外部的に印加される力である。実施例では、ta=tp=0.001秒、t1=0.03秒、t2=0.01秒、t3=0.015秒、t4=0.06秒である。ギャップコントローラは、センサ情報と、全てのガイドヘッド10,20,30,40で使用される力とモーメントを発生し、アクティブマグネットガイダンスコンセプトに存在するループ相互作用の不安定効果を小さくする。ガイダンスコンセプトは単入力、単出力をフィードバック制御に用いる。
【0062】
式(4)の分子と分母は、比例ゲイン120と積分器122の変数、積分ゲイン124、およびデュアルローパスフィルタ132の変数を表す。式(4)の変換関数は、テストによって決まるシステムパラメータであるとともに、システムが使用されるにあたって周期的に調整された超過時間である。
【0063】
図示のように、位置フィードバックコントローラ104は比例制御104aと104bを含んでいる。位置フィードバックKsは高周波数でのバネ率を制御し、定数Kpは静バネ率を表し、時定数tpは静フィードバックがカットオフされている時の周波数を制御する。位置フィードバックコントローラ104はデュアル遅れフィルタ104cも備えている。発明の範囲は、如何なる特殊な位置フィードバック補償器にも限定されるものではない。
【0064】
図10と11は他の実施例のシムリングダイアグラムを示す。図10は微分機制御装置104(d)’とデュアル遅れフィルタ104(e)’を有するPID制御器を示し、この制御器は、微分器が本質的に無限の応答と動的応答範囲を持つので、システム制御における純粋な微分器は有り得ず制御システムにおける不要なノイズを引き起こすという理由によって、必要とされる。デュアル遅れフィルタ104(e)’は、微分器応答が飽和した時に微分応答からの不要なノイズを低減するのに必要である。
【0065】
図11はPI位置フィードバックコントローラ104”を示し、加算点199に供給された出力を有する。デュアル遅れフィルタ201はもちろん示されている。
【0066】
2.加速度計フィードバック補償器
ローカル/グローバル加速度計制御器202はアナログ又はディジタルのどちらによっても実施できる。ディジタル的に実施されない場合は、図7のプロセッサがその機能を遂行することが出来、分離されていれば、そのアーキテクチァは図7に示すバス100bによってRAM100cに接続された処理ユニット100a,ROM100dおよび入/出力ユニット100eを含む。
【0067】
加速度計コントローラ200は、加速度計フィードバック補償器204,206,208,210,212を含み、これらの補償器は、クローバル力またはモーメント加速度フィードバック補償信号FCxa,FCya,FCMxa,FCMya,FCMzaを供給するためのグローバル加速度信号Xa,Ya,RXa,RZaに対応する。加速度計フィードバック補償器204,206,208,210,212は、[M(s)]=diag[Mtx(s),Mrx(s),Mry(s),Mrz(s)]で数学的に表記され、5つの剛体自由度の各々を制御するとともに補償する。
【0068】
図9は次の式によって数学的に表された、代表的な加速度計フィードバック補償器204を示す。
【0069】
【数8】
【0070】
ここで、Kaはフィードバックゲインであり、t1,t2,taは強固さと特性との間のバランスを得るために調節される3つの第1の時間である。実施例では、t1は加速度計のフィードバック効果(第1のハイパスフィルタを備えた積分動作を表す)を制限するために、約10秒に設定され、t2とtaは0.005から0.004秒の値であって、システムの強固さを向上させるために振動フィードバックにおけるロールオフを加える。
【0071】
この式を用いると、例えば、加速度計フィードバック補償器204は、Xc軸に沿うグローバル加速度信号Xaをグローバル力またはモーメント加速度フィードバック補償信号をFCxaに変換する。一方、加速度フィードバック補償器206は、Yc軸に沿うグローバル加速度信号YaをXc軸に沿うフィードバック補償信号FCyaに変換する。同様にして、加速度計フィードバック補償器208,210,212の各々は、各X,Y,Z軸についてのグローバル加速度信号RXa,RYa,RZaを各軸(すなわち、X−回転、Y−回転)についてのグローバル力またはモーメント加速度フィードバック補償信号FCMxa,FCMya,FCMzaに変換する。その考えによって、当業者は、代表的な加速度計フィードバック補償器204,206,208,210,212をどのようにして実現するかを理解できるであろう。
【0072】
3.加速度フィードバックを用いる座標制御装置の単軸解析
位置フィードバックのみを使用するための磁気ベアリングの設計をエレベータに適用するためのコントローラは、加速度フィードバックを使用でき、特性向上と低コスト化ができる。このことは、従来の磁気ベアリングはより多くの強固さを必要とし、約300Hzの範囲の周波数バンド幅を有するためである。エレベータにおいては、磁気ベアリングの頑丈さは非常に少なく、数ヘルツの周波数バンド幅を持っている。さらに、座標変換が必要であるので、従来の磁気ベアリングは加速度計フィードバックを使用できる。軸の座標制御によって効率的にそれらを分離できるので、各軸のPIDコントローラは独立に設計できる。しかしながら、この論理は構造的な共振については考慮されていない。そのような共振は、常に存在するものであり、応答速度を制限する。応答速度が2次的なものであれば、ステーブルループは常に可能である。添字(5自由度の1つについて)は、マトラブプログラミングモードで書かれたものであり、1軸についてのコンピュータシュミレートされたテストの解析については以下に論じられている。
【0073】
所望のエレベータシステムでは、ベアリングにおける比較的高い静バネ率を達成しなければならない。必要な最小の率は、前/後(f/b)ベアリングでは300N/mmのオーダであり、側面/側面(s/s)ベアリングでは400N/mmである。エレベータのベアリングは純粋な磁気ベアリングでなくてもよい。レビテーションは常に必要とはされない。運転中はレビテーションは充分でなければならない。しかしながら、乗客は搭乗している時又はかごから出るときは、磁気マグネットは適切な着床に位置できる。
【0074】
添字に示すように、ベアリングコンピュータモデルは、機構的な減衰のない単なる第2のオーダである。
【0075】
プラント変換関数は次のようになる。
【0076】
【数9】
G=1/(m*s2.)
コントローラ変換関数は次のようになる。
【0077】
【数10】
H=(s2*Ka/(ta*s+1)+Ks+(Kp/tp*s+1))
加速度計フィードバックが使用されているときは、位置フィードバックを実行すべきコントローラは、次のようになる。
【0078】
【数11】
Hmod=Ks+Kp/(tp*s+1)
考えられる他のコントローラとしては、次のようになる。
【0079】
【数12】
Hfilt=H/((t1*s+1))*(t2*s+1))
加速度計フィードバックがHモードとともに用いられるとき、Hは実施可能である。
【0080】
システムのステップ応答は次の例で試験できる。例えば、質量は1トン(1000kg)である。質量の単位がトンであれば長さの単位はmmである。力の単位はニュートンである。変数Ksはm*ω0 2として計算され、ここでω0=2*π*f0である。位置フィードバックフィルタは時定数tp=30sである。位置フィードバックフィルタのゲインはパラメータである。変数Kpは変数Ksよりも大きい。
【0081】
変数Kpは、殆どの部分で、N/mmにおけるベアリングの頑丈さを決める。減衰は非常に低いローパスフィルタを通して加速度をフィードバックすることによって得られる。ゲインKa=100(N/(mm/S2))であり、時定数は加速度フィルタとして用いられていた。
【0082】
そのようなシステムの解析にあたって、100Nステップが印加された時の位置に対する時間のグラフが図12に示されている。これは、スタートを生じるけれども、高い誇張された条件のもとにシステム応答試験するための機会である。エレベータに適用する場合に、力は通常2から5秒間で100Nまで上がる。図12のカーブは500〜2000の範囲で変数Kpによって動特性が可能であることを示す。
【0083】
閉ループプロットは、周波数の関数としてのベアリングの強さを示すものであり、開ループプロットは図13,14および図15,16において、構造的な共振に対する感度のアセスメントが可能であることが示されている。
【0084】
特に、図13と14は変換関数GHと、力出力から位置出力までの逆閉ループ(CL)のボードプロットを示す。逆閉ループ応答はN/mmにおけるベアリングのバネ率である。定数Kp=500と他のパラメータは前に用いたものと同じである。開ループ(OL)制御クロスオーバ(ゲイン=0dB)周波数は1.6Hzである。この周波数は可変数Ksによって制御される。位相マージンは70度以上である。閉ループ応答の試験によって、6.1Hzで48Dbのゲインである。閉ループ応答の試験によれば、0.01Hzで48Dbのゲインである。このシステムの静利得は54.6Db(20*log(500+39.4))である。ベアリングの強さはAMGにとっては充分であると考えられる。
【0085】
図13と14は、力入力から位置出力までの変換関数GHと反転閉ループ応答のボードプロットを示すとともに、変数Kpが500から2000N/mmに増加したとき何が起こるかを示す。0.01Hzでの静ゲインは図13,19に渡って60Dbになり、12Db上がる。開ループ(OL)曲線Lは、図13,14に示すように、1.6Hzでの交差を示す。しかしながら、構造的な共振でもなく増加するKpによって増加されるものでもない。
【0086】
図17と図18はコントローラに対する周波数応答を示す。図示のように、コントローラHは、そのゲインが周波数の増加につれて上り続けるので、実施できない。コントローラモードHは、加速度フィードバックがコントローラにおいて使用されるときに必要である。
【0087】
Hコントローラは少なくとも2重遅れフィルタと結合されている。図19,20は2重遅れフィルタを備えたH−フィルタによる周波数対ゲインと周波数対位相のボードプロットを示し、Hが誘導されるコントローラと2重フィルタは図21に示されている。ブレークポイント周波数は低くなるように動くことが出来る。2重の10Hz遅れフィルタが使用される時に、システム特性は下降しない。これは図13と14の場合と同様にプロット点を変えることによって変化する。頑丈さが妥協されるのではなく、周波数発振を防止する能力は増加する。
【0088】
図10のシステムについて調べると、それは固有の周波数がf0(ω0・2=Ks/m;ω0=2*π*f0)である第2段階のシステムである。システムの減衰率はζ=(Kd+Ka/ta)4*π*m)によって規定される。f0の固有周波数はKd=0とka/ta=10に対して0.1Hzである。システムの減衰は、理論上は、変数Kd又はKaのどちらかを使うことによって得られる。しかしながら、実際に可変数Kdを用いれば、2つの理由により好ましいことである。第1に、前述のように減衰信号が慣性空間による。慣性空間による減衰を使用すると、本質的に振動が減衰する。可変数Kdが大きければ、それだけ振動の減衰も大きくなる。減衰信号が相対位置から導かれると、位置センサを使用する場合のように、振動は、減衰比が約0.3になるまで減少する。減衰比が増加するとシステムは減少するが、レールのウェービネスをエレベータに結合する。レールのウェービネスから来る振動が増すとレールウェービネスをエレベータに組み込む。レールウェービネスから来る振動は、位置フィードバックを使用することによって生じる。減衰がζ=0.3以上に増すにつれて、増加する。加速度フィードバックを使用しているコントローラと使用していないコントローラ特性を比較すると、システムの特性が向上することを示す。実際には、PIDコントローラであるコントローラにおいて微分が必要でないので性能が向上する。さらに、加速度計フィードバックを使用しているエレベータシステムでは重要な利点が得られる。加速度計フィードバックは慣性空間に関する減衰を提供する。このことは、振動を抑制する上で非常に便利である。そのようなコントローラの設計にあたって、機械的なシステムの主軸間の効果の結合からの効果、例えば動作オン/オフ停止と変換器の飽和のようなシステムにおける非直線性による効果、および加熱によって引き起こされるパラメータの効果などを考慮しなければならない。位置フィードバックを有するエレベータの磁気ベアリングにおいて、加速度計フィードバックを使用すると、振動制御と減衰制御を行うことが出来る。加速度計フィードバックは積分器またはローパスフィルタを通り、慣性的に減衰が行われる。このタイプの減衰は粘着性(機械的に導出される)よりもより一層効果的である。好ましい実施例においては、微分された加速度計出力と、最大減衰を得るために、位置の微分の双方のフィードバックがある。これにより、質量増加率に加えて、慣性的に減衰が得られる。
【0089】
D.力調整器300
調整された制御手段16は、グロバルからローカル力とモーメント制御を調整する力調整器300を含んでいる。
【0090】
数学的には、ガイドヘッド10,20,30,40での所望の力とモーメントは次の式(5)によるFCPAから導出される。
【0091】
【数13】
{CCxy}=[T3]{FCPA}…(5)
ここで、CCxy=[CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3]’、
FCPA=[FCxp+FCxa,FCyp+FCMxp+FCMyp+FCMya,FCMzp+FCMza]、およびT3は次のように式(6)によって規定される変換マトリックスである。
【0092】
【数14】
【0093】
各位置フィードバック補償器104,106,108,110,112と各加速度計フィードバック補償器204−2112からの要求は、相応に(すなわち、変換X,変換Y,回転X,回転Yおよび回転Z)に加算され、かつ力制御変換手段314を用いる力調整器300に帰還される。T3は数学的に、力とモーメント補償信号をグローバル座標系LCS10,LCS20,LCS30において適用される力とモーメントを制御する調整された制御信号に変換するために、力調整器300の変換手段314によって使用される変換マトリックスを、表す。
【0094】
特に、力調整器300は、調整されたグローバル又はモーメント位置フィードバック補償信号FCxp,FCyp,FCMxp,FCMyp,FCMzpに応答し、さらに、ローカル力制御信号CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3を供給するために、調整されたグローバル力またはモーメント加速フィードバック補償信号FCxa,FCya,FCMxa,FCMya,FCMzaにも応答する。実際には、力調整器300は、対応するグローバル力またはモーメント位置フィードバック補償信号FCxp,FCyp,FCMxp,FCMyp,FCMzpとグローバル力または加速度フィードバック補償信号FCxa,FCya,FCMxa,FCMya,FCMzaを、それぞれアナログマグネットドライバ140,142,144,146,148に供給される対応するローカル力制御信号CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3に変換する。
【0095】
力調整器300は、それぞれ調整された力またはモーメント位置フィードバック補償信号FCxp,FCyp,FCMxp,FCMyp,FCMzpに応答しさらにそれぞれ調整されたグローバル力またはモーメント加速度フィードバック補償信号FCxa,FCya,FCMxa,FCMya,FCMzaに応答する加算回路302,304,306,308,310を含んでいる。加算回路302,304,306,308,310はそれぞれグローバル力またはモーメント位置と加速度フィードバック補償信号FCxpa,FCypa,FCMxpa,FCMypa,FCMzpaを加算する。
【0096】
力とモーメント制御変換手段314は、グローバル/ローカル力またはモーメント位置とフィードバック補償信号CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3を供給するために、加算されたグローバル力またはモーメント位置フィードバック補償信号FCxpa,FCypa,FCMxpa,FCMypa,FCMxpa,FCMypa,FCMzpaに応答する。力とモーメント制御変換手段314はアナログ又はデジタル回路のどちらでも実施できる。その機能は、図7に示すような制御器100をセンタリングするために使用される同じ信号処理器によって実行できるとともに、又はバス,100RAM100c,ROM100dおよび入/出力100eに接続された中央処理ユニット100aを有する図7に示されているものと同様な別の信号処理装置によって実行できる。
【0097】
4.ローカル力発生手段
図6に示すように、AMGシステムは6つの電磁マグネット対からの双方向力発生器を形成するために電磁石のコイルへの電流を変調するところの制御のローカルレベルでのアナログマグネットドライバ140,142,144,146および148を含んでいる。他のタイプのドライバは双方の電磁力と他のタイプのアクチュエータが使用できることを認識すべきである。
【0098】
一般に、アナログマグネットドライバ140,142,144,146,148は、ローカル磁気力Fx1,Fx2,Fy1,Fy2,Fy3を少なくとも3つのガイドヘッド10,20,30に供給するためのローカル力制御信号CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3に応答する。アナログマグネットドライバ140,142,144,146および148は米国特許第5,294,757の第20図に示されている。
【0099】
特に、y2軸におけるこの制御された力を生み出すためにダイオードロジックを使用している電磁石22,24,26電流を変調するドライバ20は、ライン28を介しての力の要求とフラックスセンサ信号14と15の二乗の差との間のエラーを調節するためにアナログPID制御を用いる。ダイオードスイッチングロジックとPID制御の両方とも、前述の米国特許第5,294,757号において述べられているように、公知である。
【0100】
センタリング制御器100,振動制御器200および力調整器300の別の形体は別のエレベータAGシステムセンサ若しくはアクチュエータを用いることが出来る。提案されているものは、最小セットの検出と動作を持つ5つのエレベータ剛体運動を制御するエレベータAGシステムである。しかしながら、他の実施例として、余分の検出と動作を用いることも可能である。
【0101】
5.ダイナミックフレックス推測器(DYNAMIC FLEX ESTIMATOR)400
一般に、エレベータかごのフレームにおいて静的な捩れがあり、前/後のギャップf/bは平たんなものでなくかつAGMシステムにエラーを生じさせる。
【0102】
これを解決するために、図6に示すように本発明は、フレックスフィードバックコントローラ170と協動するダイナミックフレームフレックス判定器165を含んでいる。ダイナミックフレックス判定器165は局部的に測定されたギャップGmを公称の剛体位置y40と、y4軸での静的歪信号y4バイアス162に変換するとともに、加算器168で測定されたエラー信号y4mが加えられる所望のローカルギャップ信号y4dが供給され、動的な歪信号dy4を生じる。動的y4はフレームフレックスフィードバック制御器170に供給される。
【0103】
図6に示すように、残りのf/b制御軸y4はエレベータフレーム14における動的f/bの量を制御するのに用いられる。y4軸におけるf/bギャップの値は剛体運動と仮定したことに基づいて測定されたギャップのGmベクトルから発生する。公称の剛体位置y40は次の式(7)によって決まる。
【0104】
【数15】
Y40=[0 1 a 0 −e][T1]{Gm}…(7)
これらのマトリックスを掛算して、式(8)が得られる。
【0105】
【数16】
Y40=[T4]{Gm}…(8)
ここで、T2=[0 0 1 −1 1]である。
【0106】
y4軸での静歪の測定は、前/後のf/bギャップセンサからのロールギャップ測定信号y1,y2,y3,y4から推定される。y4軸、y4バイアスでの静歪の測定は、次の式(9)によって、前/後 f/bセンサからの初期値(y1i,y2i,y3i,y4i)から推定される。
【0107】
【数17】
y4bias=y2i+y4i−y1i−y3i…(9)
かくして、ガイドヘッド26での前/後 f/bにおける動的歪は次の式(10)によって決定される。
【0108】
【数18】
Dy4=y40=y4bis−y4…(10)
フィードバックコントローラ170(c4(s))、たとえば、ki=0であるフィードバック補償器140,142,144,146および148はエレベータの動的フレームフレックスの量を制御するのに実施できる。
【0109】
AMGセンタリング制御システム用の所望の目標値は、初期システムがセットアップしている間、設定される。Gdの成分は、全ての前/後 f/b軸について前後のギャップを等しくするとともに全てのs/s軸について左/右のギャップを等しくするために、設定される。
【0110】
6.他の実施例
発明の範囲は5つのローカル力制御信号CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3を発生するものに限定されるものではない。例えば、ローカル力制御信号には、ガイドヘッド40のために発生した第6番目の制御信号CCy4を含めることが出来る。これは、5つの剛体自由度を制御するために、6つの力発生電磁石の全ての対とギャップセンサを用いる。すなわち、ローカル座標系LCSiにおける剛体運動はグローバル座標系GCSにおける剛体運動から次の式によって決めることが出来る。
【0111】
【数19】
【0112】
この式は次の式(11)によるコンパクトなマトリックス記法によって記載できる。
【0113】
【数20】
Gm=AXm…(11)
グローバル座標系GCS自由度の推定値を決めることが出来る。ここで、グローバル座標系GCS自由度はグローバル座標系LCSギャップセンサのフルセットを用い、ギャップセンサはマトリックスAの左反転を用いることによって読み取る。すなわち、マトリックスBは次の式(12)によって規定される。
【0114】
【数21】
BA=I5…(12)
そのような左反転は、式(13)におけるグローバル座標系GCS自由度の推定におけるエラーを小さくするためになされる。
【0115】
【数22】
B=(AτA)-1Aτ…(13)
アカデミックプレス社、1976、PP.106−107のギルバート・ストラングの「リニア・アルゲブラとその応用」を参照のこと。
【0116】
この特殊な場合に対して、これは次の式に起因する。
【0117】
【数23】
【0118】
ここで、
【0119】
【数24】
【0120】
6つのガイドヘッドにおける所望の方法は次の式(14)によるFCに関係づけられることが出来る。
【0121】
【数25】
CCxy=[T3]{F0}…(14)
ここで、T3は次の式として規定される変換である。
【0122】
【数26】
【0123】
【数27】
【0124】
マトリックスT1はマトリックスT3の互換である。
【0125】
かくして、エレベータAGシステムを、余分な検出(例えば、yp4e位置とy4aセンサを含むことと、T1とT4マトリックスにそれぞれ他の列を加えること)および余分な動作(例えば、他の行をT3マトリックスに加えることによってCcy4を含めること)に展開できる。
【0126】
図6に示すように、力調整器314は他のローカル力制御信号CCy4を供給する。加算器312は、バイアスされたローカル力制御信号CCy4’を供給するために、これらの信号を、フィードバック補償器170からの補償信号C4(s)に加えて、アナログマグネットドライバ150を駆動する。動作フレックス制御を含まないシステムにおいては、他のローカル力制御信号CCy4をアナログマグネットドライバ150に直接結合することが出来る。
【0127】
上述したように、調整された制御システムは、例えば、振動制御の効果を増すために、米国特許第5,294,757において述べられているように、アクティブローラガイドを有するエレベータシステムのような、他のアクティブガイダンスシステムにおいても使用できる。
【0128】
上述の目的と前述の説明から明白にされたものが効率的に得られることを理解できるであろう。
【0129】
そして、発明の範囲から逸脱することなく上述の構造を変形することが出来るので、上述の説明又は添付図面を示されているものに含まれている全てのことは、例示として解釈されるものであって、意味を限定するものでもない。
【0130】
特許請求の範囲は、ここで述べられている発明の包括的かつ特殊な特徴の全てをカバーするものである。
【0131】
【発明の効果】
本発明は上述の如くであって、本発明の特徴とするところは、座標コントローラを有するAGシステムを提供することであり、座標コントローラは、全てのアクティブガイドからのセンサ情報を使用するとともに、同時に全てのアクティブガイドに座標系の力とモーメントを発生する座標化されたコントローラは、ガイダンスシステムを座標化し、これにより位置フィードバック制御(かごを移行途上で中心に保つ)と加速度フィードバック制御(振動レベルを低減させかつそれにより磁気ベアリングの強固さを保証する)のフィードバックバンド幅を小さくする。アクティブ磁気ガイダンス(AMG)に対して、座標コントローラは高磁気ベアリング(すなわち位置フィードバック制御バンド幅)による重要な改良である。
【0132】
さらに、AGシステムは、レール誘導かご振動を小さくするために、ガイドレールデータについての知識と結合してエレベータシステムにおける座標化された制御を利用することが出来、位置基準用のガイドワイヤの必要性を無くすものである。
【0133】
本発明の更なる利点は、かごの振動、エレベータシステムのノイズレベルおよびメンテナンスを低減させることである。特に本発明によれば、エレベータカブの振動レベルを低減させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレベータAGシステムのブロック図。
【図2】AGシステムにおけるエレベータかごの概略構成図。
【図3】図2に示されているエレベータかごの代表的なアクティブ磁気ガイドヘッドの頂面図。
【図4】図3に示されているアクティブガイドヘッドの側面/側面軸の側面図。
【図5】図3に示されているアクティブガイドヘッドの前/後軸の側面図。
【図6】図1に示されている座標化されたコントローラ16を数学的に表したブロック図。
【図7】図6に示された位置フィードバックコントローラ100のハードウェアブロック図。
【図8】図6に示されたフィードバック補償器のソフトウェアブロック図。
【図9】図6に示された加速度と位置フィードバック補償器の1自由度分の磁気ベアリング制御を示すブロック図。
【図10】図6に示された加速度と位置フィードバック補償器の1自由度分の磁気ベアリング制御を示すブロック図。
【図11】図6に示された加速度と位置フィードバック補償器の1自由度分の磁気ベアリング制御を示すブロック図。
【図12】100ニュートンの力が加えられた場合の時間に対する位置を示すグラフ。
【図13】GH変換関数と力入力から力出力までの反転閉ループ応答を示すボードプロット図。
【図14】GH変換関数と力入力から力出力までの反転閉ループ応答を示すボードプロット図。
【図15】GH変換関数と力入力から力出力までの反転閉ループ応答を示す他のボードプロット図。
【図16】GH変換関数と力入力から力出力までの反転閉ループ応答を示す他のボードプロット図。
【図17】コントローラの周波図応答特性を示すグラフ。
【図18】コントローラの周波図応答特性を示すグラフ。
【図19】コントローラの応答特性を示すグラフ。
【図20】コントローラの応答特性を示すグラフ。
【図21】図20における応答特性を遂行するフィルタのブロック図。
【符号の説明】
2…エレベータシステム
10,20,30,40…ガイドヘッド
12…エレベータかご
13…フレーム
14…ローカルパラメータ検出手段
16…制御手段
18…ローカル力発生手段
20a…ガイドレール
22,24,26…電磁石
60,62,64…磁束センサ
66,68…エアギャップセンサ
70,72…加速度計
80…学習レールシステム
82…レールマップ
84…加算回路
95…減算器
100…位置フィードバックコントローラ
102…ローカル/グローバルフィードバックコントローラ
104,106,108,110,112…位置フィードバックコントローラ
140,142,144,146,148 150…アナログマグネットドライバー
164…加算器
168…減算器
170…フィードバック補償器
200…加速度計フィードバックコントローラ
202…ローカル/グローバル加速度計コントローラ
204,206,208,210,212…加速度計フィードバック補償器
300…力調整器
302,304,306,308,310…加算回路
312…加算器
314…力とモーメン制御変換手段
400…ダイナミックフレームコントローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータに係り、特に乗心地特性が改良されたエレベータに関する。
【0002】
【従来の技術】
エレベータシステムは、ビルディングのエレベータシャフトをより速く、より円滑にかつより巧妙に昇降するように、常に設計されている。最近の集中的な改良の1分野としては、水平振動を低減させることである。
【0003】
一般のエレベータシステムは、ビルディングのエレベータシャフトに配設されたガイドレールと共に作用する支持フレームを備えたかごプラットホームと、エレベータかごがエレベータシャフトを昇降するにつれて、かごプラットホーム、支持枠、およびガイドレール間の機械的な力を制御するための受動サスペンションシステムを持っている。例えば、エレベータかごプラットホームは、代表的には、硬質ゴムパッドによって支持枠に取り付けられており、強固なスプリング又は摺動ジブを有するホイールによって、4ケ所で支持されたガイドレールに沿って、支持されている。この柔らかいスプリングは使用することが出来ないので、ガイドレールにおける偏差により、かごプラットホームで振動が発生する。加えて、例えばオフセット負荷またはビルディングのウインド・バッファリング又はかごプラットホームにおける乗客の動きによって生じる低周波機械力と、エレベータは、エレベータシャフトを上昇下降するにつれて、フレームとガイドレールとの間に生じる高周波の力によって影響される。低周波機械力は高剛性の必要条件を有し、一方、高周波機械力は低剛性の必要条件を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
パッシブサスペンションシステムを有するエレベータシステムの欠点は、剛性スプリングとガイドレールとの異常結合によって、重大なかごプラットホームの振動が引き起こされることと、乗心地性能が、高周波力に対する低周波力の緩和との間の固有のトレードオフによって妥協されることである。さらに、従来のエレベータシステムの他の欠点は、エレベータがガイドレールに沿って移動するにつれて、大きなレベルの不要な騒音がガイドレールによって発生し、この騒音が運転台に伝達されることである。
【0005】
これらの問題は、アクティブガイダンスシステム(アクティブ誘導システム)(AGシステムとして後述する)を有するエレベータシステムによって解決される[ヨーロッパ特許出願第0467673号および米国特許第5,321,217号、第5,304,751号,第5,294,757号、第5,308,938号および第5,322,144号で述べられているように]。
【0006】
AGシステムは、エレベータ/カブの支持枠とガイドレール間の機械力を、エレベータがエレベータシャフトに沿って移動するにつれて、制御するためのアクティブサスペンションシステムを有する。AGシステムにおいて、支持枠は、アクティブローラガイド,磁気ガイドヘッド,又はガイドレールとして作用する。他のアクティブ水平サスペンション、およびエレベータがエレベータシャフト内で上下動するにつれて、サーボループにおける水平振動または動きを示す1つ又はそれ以上のパラメータを独立に制御するためのコントローラを持っている。
【0007】
しかしながら、公知のAGシステムは、ガイドヘッド,ローラガイド,スライドガイド等を独立に制御するローカル(局所の)コントローラおよび軸におけるガイドレールを使用する。これらの局所的なコントローラは情報を分担しない。局所コントローラを有するAGシステムの欠点は、1軸を制御する力が他の軸に悪影響を与えることである。
【0008】
提案されたエレベータAGシステムは、エレベータかごの主軸と直線上にあるダイアゴナル(大域の)座標システム内に有効な制御を移行することによって、システムダイナミックを分離する座標コントローラを用いる。情報(検出と動作)を配分することによって、このシステムは、ダイナミック結合量を小さく(すなわちシステムプラント伝達関数のオフ−ダイアゴナル期間を小さくすることが出来る)出来、これによって、効果的なシングル入力/シングル出力(SISO)制御ロジックを新しいグローバル座標システムにおける各軸制御を行うことが出来る。このことは、性能が補償されない相互作用によって規制される局所制御を用いているAGシステムの改良である。
【0009】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は各アクティブガイドと選択された指示物例えばガイドレールとの間の物理的な関係が座標的に制御されるAGシステムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、ビルディングのエレベータシャフトのガイドレールに作用するフレームを有するエレベータかごを含むエレベータAGシステムに、特徴を持っている。エレベータかごは、X軸に沿う側面/側面変換、Y軸に沿う前/後変換、X軸についてのピッチ回転、Y軸についてのロール回転、およびZ軸についてのヨー回転を含む5つの自由度によって運動学的に規定されるグローバル座標系(X,Y,Z)における剛体運動を、有する。エレベータシステム、グローバル座標系における5つの自由度の各々において検出されたローカルパラメータに応答するとともにローカルパラメータ信号を供給するためのローカルパラメータ検出手段と、ローカルパラメータ信号に応答するとともに座標化された制御信号を供給するための座標化された制御手段、および座標化された制御信号に応答して座標系における所望のパラメータを維持するためにローカル力を供給するローカル力発生手段を、含んでいる。
【0011】
すなわち、本発明は、ビルディングのエレベータシャフトのガイドレールに作用するためのフレームを有するエレベータかご12を含むエレベータシステムであって、グローバル座標系(X,Y,Z)における5つの自由度の各々において検出されたローカル(局所)パラメータに応答するとともに、ローカルパラメータ信号(Gm,Am)を供給するためのローカルパラメータ検出14と、ローカルパラメータ信号(Gm,Am)に応答するとともに、座標化された制御信号(CCx1,CCx2,CCy2,CCy3)を供給するための座標化された制御手段16、および座標化された制御信号(CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3)に応答し、フレームとガイドレール間の所望のギャップを、ビルディングのエレベータシャフトに関してエレベータかご12の位置を座標化するために維持するための座標化されたローカル力を供給するローカル(局所)力発生手段18によって構成され、前記ローカル力発生手段18において、グローバル座標系(X,Y,Z)におけるエレベータかご12の剛体運動は、少なくとも5つの自由度によって運動学的に規定され、該5つの自由度はX軸に沿う側面/側面変換、Y軸に沿う前/後変換、X軸に関するピッチ回転、Y軸に関するロール回転、およびZ軸に関するヨー回転を含んでいる、ことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図1〜図21を参照しながら説明する。
【0013】
1.全体的なAGエレベータシステム
図1はビルディング(図示せず)のエレベータシャフト(図示せず)におけるエレベータかご12の水平振動を制御するためのアクティブガイダンス(AG)エレベータシステム2を示す。エレベータかご12は、第2図に詳細に示されており、この例では磁気ヘッドとして示す4つのガイドヘッド10,20,30,40を備えたかごフレーム13を有する。しかしながら本発明のガイダンスシステムは、アクティブローラガイド等を含む複数の如何なるタイプのアクティブフィルタを有するエレベータシステムにも適用可能である。かご12は、例えば図3〜5におけるガイドレール20aのルールに沿って、上方および下方に移動する。図2に示されている場合では、AGエレベータシステム12は、アクティブ磁気誘導(AMG)エレベータシステムであり、このAMGシステムは、ガイドヘッドとレール間の局部位置の関数としてエレベータシャフト(図示せず)に対するエレベータかご12のグローバル位置を制御する。しかしながら、一般に、図1に示すように、エレベータシステム2は、ローカル(局所)パラメータ検出手段14,座標制御手段16,およびローカル(局所)力発生手段18を特徴とし、選択された基準に対してエレベータかご12の水平運動を制御する。
【0014】
図2の例においては、ローカルパラメータ検出手段18は、ローカルパラメータ信号Gm,Amを供給するためのX,Y,Z軸を有するグローバル座標系における5自由度の各々において検出されたローカル(局所)パラメータに応答する。例えば、ローカルパラメータ信号Am,Gmはガイドヘッド10,20,30,40とガイドレール(図示せず)との間で検出されたローカルエリアギャップGmと、ガイドヘッド10,20,30,40で検出されたローカル加速度信号Amを含んでいる。それに応答して、ローカルパラメータ検出手段14は、点線12aで示したライン14a上の局部的に検出されたパラメータ信号を供給する。図2の例における座標制御手段16は、ライン16aに座標系制御信号CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3を供給するためのローカルパラメータ信号Gm,Amに応答する。図2の例に対する座標制御信号手段16は図6,7,8,9および10において述べられている。座標制御手段16は、例えばローカルパラメータ信号Gm’,Am’において全てのガイドヘッドから収集された情報を用い、エレベータかご12の多軸移動を調和させる方法によってライン16aの座標制御信号CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3を同時に供給する。
【0015】
ローカル力発生手段18は、ライン16a上の座標制御信号CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3に応答して、点線8aにローカル力FX1,FX2,FY2,FY3を供給し、ガイドヘッド10,20,30,40とガイドレール間の所望のギャップを維持する。ガイドレールはビルディングのエレベータシャフトに関してエレベータかご12の位置を調整する。ローカル力発生手段18は以下に述べるような磁気ドライバー/電磁石を含んでいる。
【0016】
図2に示すように、エレベータかご12の剛体運動は、グローバル座標系GCSの5自由度において、運動学的に規定されている。グローバル座標系は、X軸に沿う側面変換(side−to−side translation),Y軸に沿う前後変換(front−to−back translation),X軸に沿うピッチ回動,Y軸に関するロール回動およびZ軸に関するヨー回動を有する。図示の如く、グローバル座標系(GCS)はエレベータかご12の幾何学的(又は質量)中心でその原点を有する。側面直線変換はグローバル座標系(GCS)におけるX軸に沿って測定され、力FxはX軸に沿って規定される。前後変換Ycはグローバル座標系(GCS)においてY軸に沿って規定され、力FyはY軸に沿って規定される。ピッチ回動θXはグローバル座標系におけるX軸に沿って回動的に規定され、モーメントMXはX軸について規定される。ロール回動θYはグローバル座標系GCSにおいてZ軸について規定され、モーメントMZはZ軸について規定される。図2に示されている3つの回転矢印の各々は各軸についての正モーメントの方向を示す(このことを議論するにあたって、エレベータかご12の測定と動きはZ軸における変換に関してAMGシステムによって制御されるということに注意しなければならない。)。
【0017】
さらに、各ガイドヘッド10,20,30,40は、それぞれ、xi,yi,Zi軸を有するローカル座標系LCS10,LCS20,LCS30を有する。例えば、ガイドヘッド10は、力Fx1およびFy1を有するX1軸およびY1軸を持ったローカル座標系LCS10を持っている。ガイドヘッド20は、図示のようにこれらの軸に沿って規定された力Fx2およびFy2を有するローカル座標系LCS20を持っている。ガイドヘッド30は、力Fx3,Fy3を有するX3,Y3軸を持ったローカル座標系LCS30を持っている。ガイドヘッド40は、力Fx4,Fy4を有するX4,Y4軸を持ったローカル座標系LCS40を持っている。
【0018】
ガイドヘッド10,20,30,40の各々に対して、3つの各電磁石は、それぞれ局部xiとyi軸に沿う力Fx1,Fy1,Fx2,Fy2,Fx3,Fy3,Fx4,Fy4を生じる。xi,yiに沿った局部的な力は、各ローカル座標系LCSiの原点を通して作用することが推測される。運動学特性におけるさらなる長さパラメータを追加することによる電磁石の位置によって、これらの2つの力の間のローカルZi軸におけるオフセットを容易に計算することが出来る。エレベータに実施されているエレベータAGシステムについての説明は以下においてなされており、エレベータにおいてはローカル検出手段14とローカル力発生手段18はガイドヘッド上に位置しており、ガイドヘッドの位置は信号点によって推定される。ギャップセンサ,加速度計および力発生器はエレベータ上の同じ点で検出又は動作する。運転学解析の専門家なら、この推測が真実でないシステムについてのこの説明を拡張することが出来る。特に、運動変換マトリックス(T1,T3およびT4)は、この新しいシステムにもとづいて修正されるであろう。
【0019】
ローカル座標系LCS10,LCS20,LCS30,LCS40は、図2に示すように5つの軸a,b,c,dおよびeに基づくグローバル座標系GCSに関連している。aとbの長さは、X軸についてのピッチ回動θXとY軸についてのロール回動θYに対するレバーアームを規定する。長さc,dおよびeはY軸についてのロール回動θZに対するレバーアームを規定する。代表的な場合として、a=b,d=eおよびc=0と仮定する。5つの長さa,b,c,dおよびeがAMGシステムにおいてどのようにして使用されるかについては、図6−8に関して以下に論じられている。
【0020】
1つの実施例として、エレベータかご12の位置が、4つのローカル座標系のうちの3つのLCS10,LCS20,LCS30において測定されかつローカル力Fx1,Fx2,Fy1,Fy2,Fy3が同じ3つのローカル座標系LCS10,LCS20,LCS30において適用されるかについては、以下で論じられる。グローバル座標系における所望の位置からのエレベータかご12の偏差とグローバル座標系GCSにおける所望の位置にエレベータかご12を戻すのに必要な力を決めるために、測定が使用される。他の実施例として、エレベータかご12の位置が、4つの全ての座標系LCS10,LCS20,LCS30,LCS40が測定されかつ調整されたローカル力Fx1,Fx2,Fy1,Fy2,Fy3,Fy4が4つの全てのローカル座標系LCS10,LCS20,LCS30,LCS40において適用されるかについて、以下に論じられている。
【0021】
2.ローカルパラメータ検出手段14
図3に示すように、代表的なガイドヘッド例えば、図2のガイドヘッド20は3つの電磁石22,24,26を含んでいる。電磁石22と26は、それぞれガイドレール20aの後と前に位置し、y2軸に力をおよぼし、それは以後は前後(f/b)軸として述べられている。電磁石24はx2軸で力を及ぼし、それは側面(s/s)軸として述べられている。各電磁石によって発生し作用した力は、各磁極面上の磁束センサすなわち電磁石22上の磁束センサ60,電磁石24上の磁束センサ62,および磁束26上の磁束センサ64によって検出される。誘導磁力は検出された各磁束の2剰に比例する。磁束センサは、レールの形状により、軸方向磁束センサである。発明の範囲は特殊なタイプの磁束センサに限定されるものではない。例えば、ガイドレールが異なった形状であれば、横方向磁束センサでも使用できる。
【0022】
ガイドレール20aに関連するガイドヘッド20の位置は、無接触のエアギャップセンサを使用して、x2とy2軸に沿って局部的に測定される。図4に示すように、ガイドヘッド20は、ガイドレール20aと電磁石24間のx2軸に沿う前後(f/b)エアギャップを測定するための無接触エアギャップセンサ66を含んでいる。
【0023】
図5に示すように、ガイドヘッド20は、ガイドレール20aと電磁石22間でy2軸に沿う前後(f/b)ギャップを測定するための無接触エアギャップセンサ68を含んでいる。無接触エアギャップ66,68は技術分野において知られている。無接触エアギャップ66,68からの情報は、エレベータかご12の剛体運動と動的なかごの捩れの量を決めるために処理され、かつローカル力発生手段18に力指令を供給するために使用される。
【0024】
さらに、図3に示すように、ガイドヘッド20はその上に設けられた加速度計70と72も含んでいる。同様な加速度計が他の3つのガイドヘッド10,30,40に配設されている。加速度計70と72はガイドヘッド10,20,30,40で側面(s/s)と前後(f/b)のかごの加速度を検出する。検出された加速度信号Amは、以下に詳細に論じるように、加速度フィードバックループにおいて使用される。
【0025】
3.座標化された制御手段18
図6は図1における座標コントローラ手段の詳細を示す。AGセンタリングおよび振動制御システムの中心は、ローカルパラメータ信号の処理方法であり、グローバル座標系における等価剛体運動を決めるために、ローカルエアギャップと加速度信号を含んでいる。一般に、最良の特性(すなわち、最高のバンド幅位置と加速度計フィードバック制御)は、システム応答における動的クロス−カップリングの量を少なくするにつれて、グローバル座標系GCSが一致する時に達成される。AGシステムのコントローラは、4つの基本的な制御ロジック要素があり、これらは、位置フィードバックコントローラ100、加速度計コントローラ200,力調整器300およびダイナミック(動的)フレームフレックスコントローラ400であって、以下に詳述されている。
【0026】
示されている実施例では、エレベータシステムの3つの基本的な入力信号があり、これらはガイドヘッド10,20,30,40と各ガイドレール間で検出され、ベクトル信号Gmで表されるエアギャップ信号、4つのガイドヘッド10,20,30,40で検出され、ベクトルAmで表される加速度信号、およびエレベータシャフト(図示せず)におけるパラメータVpで表された、エレベータかご12の位置に関して検出された垂直位置である。エアギャップ信号Gm,加速度信号Amおよび垂直位置信号Vpはすべてコントローラ手段16に影響を及ぼし、エレベータがエレベータシャフトを上昇下降するにつれて、どのように制御するかを決定する。
【0027】
A.学習レールシステム80
図6はAGエレベータシステムが学習レールシステム80を含んでいることを示し、このレールシステムは米国特許出願第07/668,544号において開示されている技巧を用いるオープンループ又は先行の方法におけるレールの不規則性を補償する。その技術においては、加速度と位置パラメータはエレベータが動作している間に検出され、結合されかつエレベータ垂直位置の関数として示されたレールの変位についての情報としてコンピュータメモリに蓄えられる。図6に示すように、レール側面の不規則性を引き起こすために、動作中に、エアギャップGdは、エレベータ垂直位置を用いるテーブル(表)にもとづく修正ループ側面変位情報をもって議論されるもので、ここでGd=Gd10,Gd20,Gd30である。例えば、所定のエアギャップGdは、エレベータキャブの垂直位置で、所望の公称ギャップG0と推定レール不規則性Xrを加算することによって、所望のエアギャップGdが決まる。
【0028】
レールプロフィル不規則性マップ82は、推定レールマップ不規則性信号Xrを供給するために、エレベータかご12の垂直位置信号Vpに応答する。加算回路84は、推定レールマップ不規則性信号Xrに応答するとともに、各ガイドヘッド10,20,30,40で所望のエアギャップを表す所望のエアギャップ信号Gdを供給するために、さらに所望の公称エアギャップ信号G0に応答する。
【0029】
本発明によれば、ローカル座標系LCS10,LCS20,LCS30,LCS40においてガイドヘッド10,20,30,40で検出されたエアギャップ信号Gmは5つのローカルギャップセンサによって検出された実際のローカルエアギャップ信号を示し、5つのローカルエアギャップセンサは、位置エラー信号を供給するために、閉ループにおける学習レール信号Xrによって議論されたものであり、位置エラー信号Gmは所望のローカルギャップ信号Gdから検出されたエアギャップ信号Gmを差し引くことによって決定される。図示のように、ローカル位置エラー信号x1pe,x2pe,y2pe,y3peにおける位置エラー信号Gmeを供給するために、引算手段95はエアギャップGmと所望のエアギャップ信号Gdに応答する。
【0030】
発明の範囲は学習レールシステム80を用いている実施例に限定されるものでない。学習レールシステムを持たないAGシステムにおいて、エアギャップ信号Gmは公称エアギャップ信号G0と比較され、その差は位置エラー信号Gmeとして座標制御装置16に供給される。
【0031】
B.位置フィードバックコントローラ100
一般に、位置フィードバックコントローラ100は、グローバル力(軸に沿う)又はモーメント(軸に関して)位置フィードバック信号FGpを供給するために、ローカルエラー信号Gmeに応答する。ローカル位置エラー信号Gmeは、ガイドヘッド10,20,30,40とガイドレール間で測定されたミリメートル単位のエアギャップの寸法を表し、座標化されたグローバル力又はモーメント位置フィードバック信号FCpは、ローカル位置エラー信号Gmeに対応するニュートン単位で測定されたグローバル力またはモーメントフィードバックを表す。
【0032】
ガイドヘッド10,20,30,40での調整された力またはモーメント位置フィードバック信号FCpは、式{FCp}=[C(S)][T1]{Gme}によって得られる。ここで、FCp=[FCxp,FCyp,FCMxP,FCMyp,FCMzp]、[C(S)]=diag[Ctx(s),Cty(s),Crx(s),cry(s),crz(s)]、Gme=[x1pe,x2pe,y1pe,y2pe,y3pe]、マトリックスT1はローカル/グローバル座標位置フィードバックコントローラ102によって使用される変換マトリックスを数学的に表すものである。グローバル座標系LCS10,LCS20,LCS30,LCS40におけるエアーギャップエラー信号Gmeは、ローカル/グローバル座標位置フィードバックコントローラ102によって、5−自由度GCS座標系に変換される。グローバル位置エラー信号Xpc,Ypc,RXpc,RYpc,RZpcは、マトリックス[C(S)]によって表される位置フィードバックコントローラ104−112に帰還され、グローバル力または位置フィードバック補償信号FCxp,FCyp,FCMxp,FCMyp,FCMzpを供給する。
【0033】
これを行うために、コントローラ16は、最も広い意味で、3つのガイドヘッド10,20,30におけるx1,x2,y1,y2およびy3に沿って測定された5つのローカルギャップセンサからのローカルギャップ信号を使用する。実施例では、図4と5におけるキャップセンサ66と68はそれぞれガイドヘッド20におけるx2とy2軸に沿って測定されたギャップ信号を供給し、一方、同様のギャップセンサ66’と68’(図示せず)はガイドヘッド10に沿って測定されたギャップ信号を供給するとともに、同様なギャップセンサ68”(図示せず)は同様にしてガイドヘッド30におけるy3軸に沿って測定された信号を供給する。運動学の当業者であれば、ガイドヘッドの他の組み合わせにおける他のセンサの組み合わせの関係も導出できる。
【0034】
グローバル座標系GCSにおける剛体運動は、次のようなリニア式(1)を用いて5つのギャップセンサからのローカルギャップ信号から決められる。
【0035】
【数1】
【0036】
ここで、a,b,c,dおよびeは、図2において論じたように、ローカル座標系LCS10,LCS20,LCS30およびLCS40をグローバル座標系に関連づけるもので、Xcは側面/側面変換、Ycは前/後変換であり、θXはピッチ回動、θYはロール回動、θZはヨー回動であり、x1,x2,y1,y2およびy3は、それぞれ、各ガイドヘッド10,20および30での側面/側面および前/後の測定である。式(1)によって、ガイドヘッドの位置をエレベータかご12の中心の位置の関数として予測することが出来る。
【0037】
実際には、式(1)は、次のようなリニア式のセットに対する数学的な計数法である。
【0038】
【数2】
x1=Xc−aθy−cθz,
x2=Xc+bθy−cθz,
y1=Yc+aθx+dθz,
y2=Yc−bθx+dθz,および
y3=Yc−bθx−eθz
ここで、正記号は図2における矢印の方向での回転を示し、負記号は矢印からの反対方向である。同様に、図2の長さa,b,c,dおよびeの値は、マトリックスT1における係数の値を示すものである。
【0039】
式(1)を逆変換することによって、グローバル座標系GCSにおける剛体運動を次の式(2)によってローカルギャップ信号から決めることが出来る。
【0040】
【数3】
【0041】
式(2)は式(1)の逆変換であり、ガイドヘッド10,20および30のローカル位置の関数として、エレベータかご12の中心位置を推測することが出来る。
【0042】
要するに、式(2)は次のような直線式のセットとしての数学的な記散法でまとめることが出来る。
【0043】
【数4】
Xc=x1b/(a+b)+x2a/(a+b)+y2c/(d+e)−y3c/(d+e),
Yc=y1b/(a+b)+y2(ae−be)/(a+b)(d+e)+y3d/(d+e),
θX=x1/(a+b)−y2/(a+b),
θY=−x1/(a+b)+x2/(a+b)および
θZ=y2/(d+e)−y3(d+e)
これらの式を解くことによって、グローバル座標系GCSにおけるグローバル変位エラーXc,Yc,θX,θY,θZが決定され、すなわちエレベータかご12の中心がその中心位置からどれ位ずれているかが決定される。
【0044】
特に、ローカル/グローバル位置フィードバックコントローラ102は、式(2)によるグローバル位置エレベータ信号Xpc,Ypc,RXpc,RYpx,RZpcを供給するために、ローカル位置エラー信号x1pc,x2pc,y1pc,y2pc,y3pcに応答する。ローカル/グローバル位置フィードバックコントローラ102は、ローカル座標系LCS10,LCS20,LCS30,LCS40において検出されたローカル変位エラー信号を、グローバル座標系GCSにおけるグローバル変位エラーに変換する。ローカル/グローバルセンタリングコントローラ102はアナログ又はディジタルシステムのどちらでも実施できる。図示のように、Gmeは、グローバル座標系GCSにおける要求される力とモーメントのセットを発生させるために、センタリングコントローラ100によって処理されたエラーのベクトルとして数学的に表す。発明の範囲は5つのローカル入力信号だけに限定されるものではない。例えば、以下に論じるように、ローカル位置エラー信号は、発明の範囲を逸脱することなく、ガイドヘッド40で測定された他の信号y4pcを含めることが出来る。
【0045】
C.加速度計フィードバックコントローラ200
図6に示すように、座標制御手段16はもちろんエレベータかごにおける減衰と振動の制御を調整する加速度計フィードバックコントローラ200を含んでいる。
【0046】
加速度計フィードバックコントローラ200は、グローバル力またはモーメント加速度フィードバック信号FCAを提供するために、ローカル加速度信号Amに応答する。ここで、Am=[x1a,X2a,y1a,y2a,y3a]およびFCA=[FCxa,FCya,FCMxa,FCMya,FCMza]である。
【0047】
ガイドヘッド10,20,30,40でのグローバル座標化された力またはモーメント加速度フィードバック信号は次式によるFCAから導かれる。
【0048】
【数5】
{FCA}=[M][T4]{Am}
ここで、[M]=diag[Mtx(s),Mty(s),Mrx(s),Mry(s),Mrz(s)]であり、マトリックスT4はローカル/グローバル加速度計コントローラ202で使用される変換マトリックスを示す。
【0049】
加速時計70,72などによって検出された加速度信号Amは、加速度フィードバック補償を用いるカブとフレーム振動を小さくするために、加速度計フィードバックコントローラ200によって処理される。加速度信号Amは、ローカル/グローバル加速度計コントローラ200によって、グローバル座標系GCSにおける5−自由度の座標に変換されたローカル信号である。T4はローカル/グローバル加速度計コントローラ200によって使用される変換マトリックスT4を数学的に示すものである。
【0050】
ローカル/グローバル加速度計コントローラ202は、グローバル加速度信号XAを供給するために、ローカル加速度信号x1a,x2a,y1a,y2a,y3aに応答し、ここでXA=[Xa,Ya,RXa,RYa,RZa]である。
【0051】
ローカル/グローバル加速度計コントローラ200におけるマトリックスT4を決めるための変換関数は、上述のように、位置フィードバックコントローラ102でマトリックスT1を決めるための変換関数に非常に類似している。
【0052】
しかしながら、もし加速度計の位置がギャップセンサの位置と異なれば、変換マトリックスT1を決めるための運動は変換マトリックスT4を決めるための運動と異なるということを認識すべきである。加速度計がギャップセンサに近接していれば、T1とT4の変換関数は同一であると推定される。加速度計がギャップセンサに近接していなければ、適切な変換関数はT4と同じである。
【0053】
D.位置および加速度計フィードバック補償器
提案されたエレベータシステムの特徴を示すために、それぞれC(S),M(S)として数学的に示された位置と加速度フィードバック補償器104,106,…,112,204,206,…,212の設計の解析が提供されている。この議題においては、制御の単軸は、位置フィードバックコントローラ102,加速度フィードバックコントローラ202,および力調整器300が効果的にシステムダイナミックを切り離すという推測のもとに、試験される。エレベータ原動力は簡略化された解析における慣性として示されている。この簡略化された解析は、提案されたフィードバック補償器の安定性と特性の正確な指定を意とするものではなく、むしろ、補償設計に関連する代表的な特徴を示すことである。フィードバック補償器設計の分野における当業者であれば、エレベータカブとフレームの構造的な原動力、位置センサおよび加速度計の動的な応答およびノイズ特性,アクチュエータ(すなわち力発生器)の原動力およびコントローラのハードウェア特性が、位置フィードバック補償器C(S)および加速度フィードバック補償器M(S)を有することを、理解できる。
【0054】
(1)位置フィードバック補償器
図7に示すように、図6に示すような位置フィードバックコントローラ100は、ディジタル信号プロセッサによって実施でき、バス100bによってランダムアクセスメモリ(RAM)100Cに接続された中央処理ユニット100aと、リードオンリメモリ(ROM)100dおよび入力/出力装置100eを含んでいる。対応するローカル位置エラー信号x1pe,x2pe,y1pe,y2pe,y3peは入力線100fに受けられて処理されるとともにグローバル位置エラー信号Xpe,Ype,RXpe,RYpe,RZpeは出力線100gに受けられる。図7の信号プロセッサは、教示の目的で示されており、図6に示されている機能の位置部又は全部のものを実行するために使用でき、それによりライン100fと100g上の入出力信号を同一とすることが出来ることを理解できる。
【0055】
特に、位置フィードバック補償器104,106,108,110,112は図7に示すようにマイクロプロセッサアーキテクチャアによって実行できる。如何なる場合においても、それらはそれぞれグローバル力またはモーメント位置フィードバック補償信号FCXp,FCYp,FCMp,FCZpを結合するために、グローバル位置エラー信号Xpe,Ype,RXpe,RYpe,RZpeに応答する。位置フィードバック補償器104,106,108,110,112は、Cry(s)110およびCrz(s)と付されているCtx(s)104,Cty(s)106,Crx(s)108,5つの剛体自由度の各々に対して補償する。例えば、位置フィードバック補償器104はXc軸に沿うグローバル変位軸信号に変換する。同様にして、位置フィードバック補償器108,110,112は、X,Y,Z軸についての対応するグローバルエラー信号を各軸(すなわち、X−回転、Y−回転、Z−回転)についての関連するグローバルモーメント信号に変換する。
【0056】
図8は、模範的な比例−積分−微分(PID)制御器として実施される位置フィードバック補償器104,106,108,110および112のソフトウェアブロックダイアグラムを示す。位置フィードバック補償器104,106,108,110および112は、比例ゲイン(利得)120,並列の積分手段122と積分ゲイン124、さらに並列の微分手段126と引算手段128を含んでいる。位置フィードバック補償器104は加算手段130とローパスフィルタ手段132を含んでいる。位置フィードバック補償器104,106,108,110および112は比例−積分(PI)コントローラであってもよい。発明の範囲は如何なる特殊な位置フィードバック補償器にも限定されるものではない。
【0057】
数学的に、位置制御についての力とモーメントは、
FCp=[FCxp,FCyp,FCMxp,FCyp,FCMzp]として規定され、対角マトリックスはCc(s)=diag[Ctx(s),Cty(s),Crz(s)として規定され、これらによりグローバル位置フィードバック制御は数学的に次の式(3)によって決まる。
【0058】
【数6】
{FCp}=[Cc(s)]{Xd−Xme}…(3)
ここで、Xdは所望の剛体自由度すなわち{Xd}=[T1]{Gd}の行ベクトルであり、Gdは所望のギャップ行ベクトルである。
【0059】
図9は、次の式(4)のラプラス変換関数によって示されたデュアル(2重)遅れフィルタを持った比例積分(PI)コントローラとして実施される代表的な位置フィードバック補償器104のブロックダイアグラムを示す。
【0060】
【数7】
【0061】
ここで、Ks,Kp,tp,t3およびt4は、フィードバック幅を最大にするために設定されたシステム定数であって、AGセンタリング制御の各軸に対するマージンを安定にする。加速度、速度および安定化された質量の位置は、レール不規則入力信号に沿って示されている。質量に加わる力は位置と加速度計フィードバックによる力と外部的に印加される力である。実施例では、ta=tp=0.001秒、t1=0.03秒、t2=0.01秒、t3=0.015秒、t4=0.06秒である。ギャップコントローラは、センサ情報と、全てのガイドヘッド10,20,30,40で使用される力とモーメントを発生し、アクティブマグネットガイダンスコンセプトに存在するループ相互作用の不安定効果を小さくする。ガイダンスコンセプトは単入力、単出力をフィードバック制御に用いる。
【0062】
式(4)の分子と分母は、比例ゲイン120と積分器122の変数、積分ゲイン124、およびデュアルローパスフィルタ132の変数を表す。式(4)の変換関数は、テストによって決まるシステムパラメータであるとともに、システムが使用されるにあたって周期的に調整された超過時間である。
【0063】
図示のように、位置フィードバックコントローラ104は比例制御104aと104bを含んでいる。位置フィードバックKsは高周波数でのバネ率を制御し、定数Kpは静バネ率を表し、時定数tpは静フィードバックがカットオフされている時の周波数を制御する。位置フィードバックコントローラ104はデュアル遅れフィルタ104cも備えている。発明の範囲は、如何なる特殊な位置フィードバック補償器にも限定されるものではない。
【0064】
図10と11は他の実施例のシムリングダイアグラムを示す。図10は微分機制御装置104(d)’とデュアル遅れフィルタ104(e)’を有するPID制御器を示し、この制御器は、微分器が本質的に無限の応答と動的応答範囲を持つので、システム制御における純粋な微分器は有り得ず制御システムにおける不要なノイズを引き起こすという理由によって、必要とされる。デュアル遅れフィルタ104(e)’は、微分器応答が飽和した時に微分応答からの不要なノイズを低減するのに必要である。
【0065】
図11はPI位置フィードバックコントローラ104”を示し、加算点199に供給された出力を有する。デュアル遅れフィルタ201はもちろん示されている。
【0066】
2.加速度計フィードバック補償器
ローカル/グローバル加速度計制御器202はアナログ又はディジタルのどちらによっても実施できる。ディジタル的に実施されない場合は、図7のプロセッサがその機能を遂行することが出来、分離されていれば、そのアーキテクチァは図7に示すバス100bによってRAM100cに接続された処理ユニット100a,ROM100dおよび入/出力ユニット100eを含む。
【0067】
加速度計コントローラ200は、加速度計フィードバック補償器204,206,208,210,212を含み、これらの補償器は、クローバル力またはモーメント加速度フィードバック補償信号FCxa,FCya,FCMxa,FCMya,FCMzaを供給するためのグローバル加速度信号Xa,Ya,RXa,RZaに対応する。加速度計フィードバック補償器204,206,208,210,212は、[M(s)]=diag[Mtx(s),Mrx(s),Mry(s),Mrz(s)]で数学的に表記され、5つの剛体自由度の各々を制御するとともに補償する。
【0068】
図9は次の式によって数学的に表された、代表的な加速度計フィードバック補償器204を示す。
【0069】
【数8】
【0070】
ここで、Kaはフィードバックゲインであり、t1,t2,taは強固さと特性との間のバランスを得るために調節される3つの第1の時間である。実施例では、t1は加速度計のフィードバック効果(第1のハイパスフィルタを備えた積分動作を表す)を制限するために、約10秒に設定され、t2とtaは0.005から0.004秒の値であって、システムの強固さを向上させるために振動フィードバックにおけるロールオフを加える。
【0071】
この式を用いると、例えば、加速度計フィードバック補償器204は、Xc軸に沿うグローバル加速度信号Xaをグローバル力またはモーメント加速度フィードバック補償信号をFCxaに変換する。一方、加速度フィードバック補償器206は、Yc軸に沿うグローバル加速度信号YaをXc軸に沿うフィードバック補償信号FCyaに変換する。同様にして、加速度計フィードバック補償器208,210,212の各々は、各X,Y,Z軸についてのグローバル加速度信号RXa,RYa,RZaを各軸(すなわち、X−回転、Y−回転)についてのグローバル力またはモーメント加速度フィードバック補償信号FCMxa,FCMya,FCMzaに変換する。その考えによって、当業者は、代表的な加速度計フィードバック補償器204,206,208,210,212をどのようにして実現するかを理解できるであろう。
【0072】
3.加速度フィードバックを用いる座標制御装置の単軸解析
位置フィードバックのみを使用するための磁気ベアリングの設計をエレベータに適用するためのコントローラは、加速度フィードバックを使用でき、特性向上と低コスト化ができる。このことは、従来の磁気ベアリングはより多くの強固さを必要とし、約300Hzの範囲の周波数バンド幅を有するためである。エレベータにおいては、磁気ベアリングの頑丈さは非常に少なく、数ヘルツの周波数バンド幅を持っている。さらに、座標変換が必要であるので、従来の磁気ベアリングは加速度計フィードバックを使用できる。軸の座標制御によって効率的にそれらを分離できるので、各軸のPIDコントローラは独立に設計できる。しかしながら、この論理は構造的な共振については考慮されていない。そのような共振は、常に存在するものであり、応答速度を制限する。応答速度が2次的なものであれば、ステーブルループは常に可能である。添字(5自由度の1つについて)は、マトラブプログラミングモードで書かれたものであり、1軸についてのコンピュータシュミレートされたテストの解析については以下に論じられている。
【0073】
所望のエレベータシステムでは、ベアリングにおける比較的高い静バネ率を達成しなければならない。必要な最小の率は、前/後(f/b)ベアリングでは300N/mmのオーダであり、側面/側面(s/s)ベアリングでは400N/mmである。エレベータのベアリングは純粋な磁気ベアリングでなくてもよい。レビテーションは常に必要とはされない。運転中はレビテーションは充分でなければならない。しかしながら、乗客は搭乗している時又はかごから出るときは、磁気マグネットは適切な着床に位置できる。
【0074】
添字に示すように、ベアリングコンピュータモデルは、機構的な減衰のない単なる第2のオーダである。
【0075】
プラント変換関数は次のようになる。
【0076】
【数9】
G=1/(m*s2.)
コントローラ変換関数は次のようになる。
【0077】
【数10】
H=(s2*Ka/(ta*s+1)+Ks+(Kp/tp*s+1))
加速度計フィードバックが使用されているときは、位置フィードバックを実行すべきコントローラは、次のようになる。
【0078】
【数11】
Hmod=Ks+Kp/(tp*s+1)
考えられる他のコントローラとしては、次のようになる。
【0079】
【数12】
Hfilt=H/((t1*s+1))*(t2*s+1))
加速度計フィードバックがHモードとともに用いられるとき、Hは実施可能である。
【0080】
システムのステップ応答は次の例で試験できる。例えば、質量は1トン(1000kg)である。質量の単位がトンであれば長さの単位はmmである。力の単位はニュートンである。変数Ksはm*ω0 2として計算され、ここでω0=2*π*f0である。位置フィードバックフィルタは時定数tp=30sである。位置フィードバックフィルタのゲインはパラメータである。変数Kpは変数Ksよりも大きい。
【0081】
変数Kpは、殆どの部分で、N/mmにおけるベアリングの頑丈さを決める。減衰は非常に低いローパスフィルタを通して加速度をフィードバックすることによって得られる。ゲインKa=100(N/(mm/S2))であり、時定数は加速度フィルタとして用いられていた。
【0082】
そのようなシステムの解析にあたって、100Nステップが印加された時の位置に対する時間のグラフが図12に示されている。これは、スタートを生じるけれども、高い誇張された条件のもとにシステム応答試験するための機会である。エレベータに適用する場合に、力は通常2から5秒間で100Nまで上がる。図12のカーブは500〜2000の範囲で変数Kpによって動特性が可能であることを示す。
【0083】
閉ループプロットは、周波数の関数としてのベアリングの強さを示すものであり、開ループプロットは図13,14および図15,16において、構造的な共振に対する感度のアセスメントが可能であることが示されている。
【0084】
特に、図13と14は変換関数GHと、力出力から位置出力までの逆閉ループ(CL)のボードプロットを示す。逆閉ループ応答はN/mmにおけるベアリングのバネ率である。定数Kp=500と他のパラメータは前に用いたものと同じである。開ループ(OL)制御クロスオーバ(ゲイン=0dB)周波数は1.6Hzである。この周波数は可変数Ksによって制御される。位相マージンは70度以上である。閉ループ応答の試験によって、6.1Hzで48Dbのゲインである。閉ループ応答の試験によれば、0.01Hzで48Dbのゲインである。このシステムの静利得は54.6Db(20*log(500+39.4))である。ベアリングの強さはAMGにとっては充分であると考えられる。
【0085】
図13と14は、力入力から位置出力までの変換関数GHと反転閉ループ応答のボードプロットを示すとともに、変数Kpが500から2000N/mmに増加したとき何が起こるかを示す。0.01Hzでの静ゲインは図13,19に渡って60Dbになり、12Db上がる。開ループ(OL)曲線Lは、図13,14に示すように、1.6Hzでの交差を示す。しかしながら、構造的な共振でもなく増加するKpによって増加されるものでもない。
【0086】
図17と図18はコントローラに対する周波数応答を示す。図示のように、コントローラHは、そのゲインが周波数の増加につれて上り続けるので、実施できない。コントローラモードHは、加速度フィードバックがコントローラにおいて使用されるときに必要である。
【0087】
Hコントローラは少なくとも2重遅れフィルタと結合されている。図19,20は2重遅れフィルタを備えたH−フィルタによる周波数対ゲインと周波数対位相のボードプロットを示し、Hが誘導されるコントローラと2重フィルタは図21に示されている。ブレークポイント周波数は低くなるように動くことが出来る。2重の10Hz遅れフィルタが使用される時に、システム特性は下降しない。これは図13と14の場合と同様にプロット点を変えることによって変化する。頑丈さが妥協されるのではなく、周波数発振を防止する能力は増加する。
【0088】
図10のシステムについて調べると、それは固有の周波数がf0(ω0・2=Ks/m;ω0=2*π*f0)である第2段階のシステムである。システムの減衰率はζ=(Kd+Ka/ta)4*π*m)によって規定される。f0の固有周波数はKd=0とka/ta=10に対して0.1Hzである。システムの減衰は、理論上は、変数Kd又はKaのどちらかを使うことによって得られる。しかしながら、実際に可変数Kdを用いれば、2つの理由により好ましいことである。第1に、前述のように減衰信号が慣性空間による。慣性空間による減衰を使用すると、本質的に振動が減衰する。可変数Kdが大きければ、それだけ振動の減衰も大きくなる。減衰信号が相対位置から導かれると、位置センサを使用する場合のように、振動は、減衰比が約0.3になるまで減少する。減衰比が増加するとシステムは減少するが、レールのウェービネスをエレベータに結合する。レールのウェービネスから来る振動が増すとレールウェービネスをエレベータに組み込む。レールウェービネスから来る振動は、位置フィードバックを使用することによって生じる。減衰がζ=0.3以上に増すにつれて、増加する。加速度フィードバックを使用しているコントローラと使用していないコントローラ特性を比較すると、システムの特性が向上することを示す。実際には、PIDコントローラであるコントローラにおいて微分が必要でないので性能が向上する。さらに、加速度計フィードバックを使用しているエレベータシステムでは重要な利点が得られる。加速度計フィードバックは慣性空間に関する減衰を提供する。このことは、振動を抑制する上で非常に便利である。そのようなコントローラの設計にあたって、機械的なシステムの主軸間の効果の結合からの効果、例えば動作オン/オフ停止と変換器の飽和のようなシステムにおける非直線性による効果、および加熱によって引き起こされるパラメータの効果などを考慮しなければならない。位置フィードバックを有するエレベータの磁気ベアリングにおいて、加速度計フィードバックを使用すると、振動制御と減衰制御を行うことが出来る。加速度計フィードバックは積分器またはローパスフィルタを通り、慣性的に減衰が行われる。このタイプの減衰は粘着性(機械的に導出される)よりもより一層効果的である。好ましい実施例においては、微分された加速度計出力と、最大減衰を得るために、位置の微分の双方のフィードバックがある。これにより、質量増加率に加えて、慣性的に減衰が得られる。
【0089】
D.力調整器300
調整された制御手段16は、グロバルからローカル力とモーメント制御を調整する力調整器300を含んでいる。
【0090】
数学的には、ガイドヘッド10,20,30,40での所望の力とモーメントは次の式(5)によるFCPAから導出される。
【0091】
【数13】
{CCxy}=[T3]{FCPA}…(5)
ここで、CCxy=[CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3]’、
FCPA=[FCxp+FCxa,FCyp+FCMxp+FCMyp+FCMya,FCMzp+FCMza]、およびT3は次のように式(6)によって規定される変換マトリックスである。
【0092】
【数14】
【0093】
各位置フィードバック補償器104,106,108,110,112と各加速度計フィードバック補償器204−2112からの要求は、相応に(すなわち、変換X,変換Y,回転X,回転Yおよび回転Z)に加算され、かつ力制御変換手段314を用いる力調整器300に帰還される。T3は数学的に、力とモーメント補償信号をグローバル座標系LCS10,LCS20,LCS30において適用される力とモーメントを制御する調整された制御信号に変換するために、力調整器300の変換手段314によって使用される変換マトリックスを、表す。
【0094】
特に、力調整器300は、調整されたグローバル又はモーメント位置フィードバック補償信号FCxp,FCyp,FCMxp,FCMyp,FCMzpに応答し、さらに、ローカル力制御信号CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3を供給するために、調整されたグローバル力またはモーメント加速フィードバック補償信号FCxa,FCya,FCMxa,FCMya,FCMzaにも応答する。実際には、力調整器300は、対応するグローバル力またはモーメント位置フィードバック補償信号FCxp,FCyp,FCMxp,FCMyp,FCMzpとグローバル力または加速度フィードバック補償信号FCxa,FCya,FCMxa,FCMya,FCMzaを、それぞれアナログマグネットドライバ140,142,144,146,148に供給される対応するローカル力制御信号CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3に変換する。
【0095】
力調整器300は、それぞれ調整された力またはモーメント位置フィードバック補償信号FCxp,FCyp,FCMxp,FCMyp,FCMzpに応答しさらにそれぞれ調整されたグローバル力またはモーメント加速度フィードバック補償信号FCxa,FCya,FCMxa,FCMya,FCMzaに応答する加算回路302,304,306,308,310を含んでいる。加算回路302,304,306,308,310はそれぞれグローバル力またはモーメント位置と加速度フィードバック補償信号FCxpa,FCypa,FCMxpa,FCMypa,FCMzpaを加算する。
【0096】
力とモーメント制御変換手段314は、グローバル/ローカル力またはモーメント位置とフィードバック補償信号CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3を供給するために、加算されたグローバル力またはモーメント位置フィードバック補償信号FCxpa,FCypa,FCMxpa,FCMypa,FCMxpa,FCMypa,FCMzpaに応答する。力とモーメント制御変換手段314はアナログ又はデジタル回路のどちらでも実施できる。その機能は、図7に示すような制御器100をセンタリングするために使用される同じ信号処理器によって実行できるとともに、又はバス,100RAM100c,ROM100dおよび入/出力100eに接続された中央処理ユニット100aを有する図7に示されているものと同様な別の信号処理装置によって実行できる。
【0097】
4.ローカル力発生手段
図6に示すように、AMGシステムは6つの電磁マグネット対からの双方向力発生器を形成するために電磁石のコイルへの電流を変調するところの制御のローカルレベルでのアナログマグネットドライバ140,142,144,146および148を含んでいる。他のタイプのドライバは双方の電磁力と他のタイプのアクチュエータが使用できることを認識すべきである。
【0098】
一般に、アナログマグネットドライバ140,142,144,146,148は、ローカル磁気力Fx1,Fx2,Fy1,Fy2,Fy3を少なくとも3つのガイドヘッド10,20,30に供給するためのローカル力制御信号CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3に応答する。アナログマグネットドライバ140,142,144,146および148は米国特許第5,294,757の第20図に示されている。
【0099】
特に、y2軸におけるこの制御された力を生み出すためにダイオードロジックを使用している電磁石22,24,26電流を変調するドライバ20は、ライン28を介しての力の要求とフラックスセンサ信号14と15の二乗の差との間のエラーを調節するためにアナログPID制御を用いる。ダイオードスイッチングロジックとPID制御の両方とも、前述の米国特許第5,294,757号において述べられているように、公知である。
【0100】
センタリング制御器100,振動制御器200および力調整器300の別の形体は別のエレベータAGシステムセンサ若しくはアクチュエータを用いることが出来る。提案されているものは、最小セットの検出と動作を持つ5つのエレベータ剛体運動を制御するエレベータAGシステムである。しかしながら、他の実施例として、余分の検出と動作を用いることも可能である。
【0101】
5.ダイナミックフレックス推測器(DYNAMIC FLEX ESTIMATOR)400
一般に、エレベータかごのフレームにおいて静的な捩れがあり、前/後のギャップf/bは平たんなものでなくかつAGMシステムにエラーを生じさせる。
【0102】
これを解決するために、図6に示すように本発明は、フレックスフィードバックコントローラ170と協動するダイナミックフレームフレックス判定器165を含んでいる。ダイナミックフレックス判定器165は局部的に測定されたギャップGmを公称の剛体位置y40と、y4軸での静的歪信号y4バイアス162に変換するとともに、加算器168で測定されたエラー信号y4mが加えられる所望のローカルギャップ信号y4dが供給され、動的な歪信号dy4を生じる。動的y4はフレームフレックスフィードバック制御器170に供給される。
【0103】
図6に示すように、残りのf/b制御軸y4はエレベータフレーム14における動的f/bの量を制御するのに用いられる。y4軸におけるf/bギャップの値は剛体運動と仮定したことに基づいて測定されたギャップのGmベクトルから発生する。公称の剛体位置y40は次の式(7)によって決まる。
【0104】
【数15】
Y40=[0 1 a 0 −e][T1]{Gm}…(7)
これらのマトリックスを掛算して、式(8)が得られる。
【0105】
【数16】
Y40=[T4]{Gm}…(8)
ここで、T2=[0 0 1 −1 1]である。
【0106】
y4軸での静歪の測定は、前/後のf/bギャップセンサからのロールギャップ測定信号y1,y2,y3,y4から推定される。y4軸、y4バイアスでの静歪の測定は、次の式(9)によって、前/後 f/bセンサからの初期値(y1i,y2i,y3i,y4i)から推定される。
【0107】
【数17】
y4bias=y2i+y4i−y1i−y3i…(9)
かくして、ガイドヘッド26での前/後 f/bにおける動的歪は次の式(10)によって決定される。
【0108】
【数18】
Dy4=y40=y4bis−y4…(10)
フィードバックコントローラ170(c4(s))、たとえば、ki=0であるフィードバック補償器140,142,144,146および148はエレベータの動的フレームフレックスの量を制御するのに実施できる。
【0109】
AMGセンタリング制御システム用の所望の目標値は、初期システムがセットアップしている間、設定される。Gdの成分は、全ての前/後 f/b軸について前後のギャップを等しくするとともに全てのs/s軸について左/右のギャップを等しくするために、設定される。
【0110】
6.他の実施例
発明の範囲は5つのローカル力制御信号CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3を発生するものに限定されるものではない。例えば、ローカル力制御信号には、ガイドヘッド40のために発生した第6番目の制御信号CCy4を含めることが出来る。これは、5つの剛体自由度を制御するために、6つの力発生電磁石の全ての対とギャップセンサを用いる。すなわち、ローカル座標系LCSiにおける剛体運動はグローバル座標系GCSにおける剛体運動から次の式によって決めることが出来る。
【0111】
【数19】
【0112】
この式は次の式(11)によるコンパクトなマトリックス記法によって記載できる。
【0113】
【数20】
Gm=AXm…(11)
グローバル座標系GCS自由度の推定値を決めることが出来る。ここで、グローバル座標系GCS自由度はグローバル座標系LCSギャップセンサのフルセットを用い、ギャップセンサはマトリックスAの左反転を用いることによって読み取る。すなわち、マトリックスBは次の式(12)によって規定される。
【0114】
【数21】
BA=I5…(12)
そのような左反転は、式(13)におけるグローバル座標系GCS自由度の推定におけるエラーを小さくするためになされる。
【0115】
【数22】
B=(AτA)-1Aτ…(13)
アカデミックプレス社、1976、PP.106−107のギルバート・ストラングの「リニア・アルゲブラとその応用」を参照のこと。
【0116】
この特殊な場合に対して、これは次の式に起因する。
【0117】
【数23】
【0118】
ここで、
【0119】
【数24】
【0120】
6つのガイドヘッドにおける所望の方法は次の式(14)によるFCに関係づけられることが出来る。
【0121】
【数25】
CCxy=[T3]{F0}…(14)
ここで、T3は次の式として規定される変換である。
【0122】
【数26】
【0123】
【数27】
【0124】
マトリックスT1はマトリックスT3の互換である。
【0125】
かくして、エレベータAGシステムを、余分な検出(例えば、yp4e位置とy4aセンサを含むことと、T1とT4マトリックスにそれぞれ他の列を加えること)および余分な動作(例えば、他の行をT3マトリックスに加えることによってCcy4を含めること)に展開できる。
【0126】
図6に示すように、力調整器314は他のローカル力制御信号CCy4を供給する。加算器312は、バイアスされたローカル力制御信号CCy4’を供給するために、これらの信号を、フィードバック補償器170からの補償信号C4(s)に加えて、アナログマグネットドライバ150を駆動する。動作フレックス制御を含まないシステムにおいては、他のローカル力制御信号CCy4をアナログマグネットドライバ150に直接結合することが出来る。
【0127】
上述したように、調整された制御システムは、例えば、振動制御の効果を増すために、米国特許第5,294,757において述べられているように、アクティブローラガイドを有するエレベータシステムのような、他のアクティブガイダンスシステムにおいても使用できる。
【0128】
上述の目的と前述の説明から明白にされたものが効率的に得られることを理解できるであろう。
【0129】
そして、発明の範囲から逸脱することなく上述の構造を変形することが出来るので、上述の説明又は添付図面を示されているものに含まれている全てのことは、例示として解釈されるものであって、意味を限定するものでもない。
【0130】
特許請求の範囲は、ここで述べられている発明の包括的かつ特殊な特徴の全てをカバーするものである。
【0131】
【発明の効果】
本発明は上述の如くであって、本発明の特徴とするところは、座標コントローラを有するAGシステムを提供することであり、座標コントローラは、全てのアクティブガイドからのセンサ情報を使用するとともに、同時に全てのアクティブガイドに座標系の力とモーメントを発生する座標化されたコントローラは、ガイダンスシステムを座標化し、これにより位置フィードバック制御(かごを移行途上で中心に保つ)と加速度フィードバック制御(振動レベルを低減させかつそれにより磁気ベアリングの強固さを保証する)のフィードバックバンド幅を小さくする。アクティブ磁気ガイダンス(AMG)に対して、座標コントローラは高磁気ベアリング(すなわち位置フィードバック制御バンド幅)による重要な改良である。
【0132】
さらに、AGシステムは、レール誘導かご振動を小さくするために、ガイドレールデータについての知識と結合してエレベータシステムにおける座標化された制御を利用することが出来、位置基準用のガイドワイヤの必要性を無くすものである。
【0133】
本発明の更なる利点は、かごの振動、エレベータシステムのノイズレベルおよびメンテナンスを低減させることである。特に本発明によれば、エレベータカブの振動レベルを低減させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレベータAGシステムのブロック図。
【図2】AGシステムにおけるエレベータかごの概略構成図。
【図3】図2に示されているエレベータかごの代表的なアクティブ磁気ガイドヘッドの頂面図。
【図4】図3に示されているアクティブガイドヘッドの側面/側面軸の側面図。
【図5】図3に示されているアクティブガイドヘッドの前/後軸の側面図。
【図6】図1に示されている座標化されたコントローラ16を数学的に表したブロック図。
【図7】図6に示された位置フィードバックコントローラ100のハードウェアブロック図。
【図8】図6に示されたフィードバック補償器のソフトウェアブロック図。
【図9】図6に示された加速度と位置フィードバック補償器の1自由度分の磁気ベアリング制御を示すブロック図。
【図10】図6に示された加速度と位置フィードバック補償器の1自由度分の磁気ベアリング制御を示すブロック図。
【図11】図6に示された加速度と位置フィードバック補償器の1自由度分の磁気ベアリング制御を示すブロック図。
【図12】100ニュートンの力が加えられた場合の時間に対する位置を示すグラフ。
【図13】GH変換関数と力入力から力出力までの反転閉ループ応答を示すボードプロット図。
【図14】GH変換関数と力入力から力出力までの反転閉ループ応答を示すボードプロット図。
【図15】GH変換関数と力入力から力出力までの反転閉ループ応答を示す他のボードプロット図。
【図16】GH変換関数と力入力から力出力までの反転閉ループ応答を示す他のボードプロット図。
【図17】コントローラの周波図応答特性を示すグラフ。
【図18】コントローラの周波図応答特性を示すグラフ。
【図19】コントローラの応答特性を示すグラフ。
【図20】コントローラの応答特性を示すグラフ。
【図21】図20における応答特性を遂行するフィルタのブロック図。
【符号の説明】
2…エレベータシステム
10,20,30,40…ガイドヘッド
12…エレベータかご
13…フレーム
14…ローカルパラメータ検出手段
16…制御手段
18…ローカル力発生手段
20a…ガイドレール
22,24,26…電磁石
60,62,64…磁束センサ
66,68…エアギャップセンサ
70,72…加速度計
80…学習レールシステム
82…レールマップ
84…加算回路
95…減算器
100…位置フィードバックコントローラ
102…ローカル/グローバルフィードバックコントローラ
104,106,108,110,112…位置フィードバックコントローラ
140,142,144,146,148 150…アナログマグネットドライバー
164…加算器
168…減算器
170…フィードバック補償器
200…加速度計フィードバックコントローラ
202…ローカル/グローバル加速度計コントローラ
204,206,208,210,212…加速度計フィードバック補償器
300…力調整器
302,304,306,308,310…加算回路
312…加算器
314…力とモーメン制御変換手段
400…ダイナミックフレームコントローラ
Claims (23)
- ビルディングのエレベータシャフトのガイドレールに作用するためのフレームを有するエレベータかご(12)を含むエレベータシステムであって、
グローバル座標系(X,Y,Z)における5つの自由度の各々において検出されたローカル(局所)パラメータに応答するとともに、ローカルパラメータ信号(Gm,Am)を供給するためのローカルパラメータ検出手段(14)と、
ローカルパラメータ信号(Gm,Am)に応答するとともに、座標化された制御信号(CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3)を供給するための座標化された制御手段16、および
座標化された制御信号(CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3)に応答し、フレームとガイドレール間の所望のギャップを、ビルディングのエレベータシャフトに関してエレベータシャフトかご(12)の位置を座標化するために維持するための座標化されたローカル力を供給するローカル(局所)力発生手段(18)によって構成され、
前記ローカル力発生手段(18)において、グローバル座標系(X,Y,Z)におけるエレベータかご(12)の剛体運動は、少なくとも5つの自由度によって運動学的に規定され、該5つの自由度はX軸に沿う側面/側面変換、Y軸に沿う前/後変換、X軸に関するピッチ回転、Y軸に関するロール回転、およびZ軸に関するヨー回転を含んでいる、ことを特徴とする、
エレベータシステム。 - 前記座標化された制御手段(16)は、ローカルパラメータ信号(Gm,Am)におけるローカル位置エラー信号(Gm,Gme)に応答するとともに、座標化されたグローバル力またはモーメント位置フィードバック補償信号(FCxp,FCyp,FCMxp,FCMyp,FCMzp)を供給するための位置フィードバック座標化コントローラ(100)を、含んでいることを特徴とする、請求項1に記載のエレベータシステム。
- 前記位置フィードバック座標化コントローラ(100)はローカル/グローバル座標化位置コントローラ(102)を含み、このコントローラ(102)は、座標化されたグローバル位置エラー信号(Xpe,Ype,RXpe,RYpe,RZpe)を供給するためのローカル位置エラー信号(Gm,Gme)におけるローカル位置エラー信号(x1pe,x2pe,y1pe,y2pe,y3pe)に応答することを特徴とする、請求項2に記載のエレベータシステム。
- 前記コントローラ(100)は位置フィードバック補償器(104,106,108,110,112)を含み、該位置フィードバックコントローラは、座標化されたグローバル位置エラー信号(Xpe,Ype,RXpe,RYpe,RZpe)に応答するとともに、座標化されたグローバル力またはモーメント位置フィードバック補償信号(FCxp,FCyp,FCMxp,FCMyp,FCMzp)を供給することを特徴とする、請求項3に記載のエレベータシステム。
- 前記位置フィードバック補償器(104,106,108,110,112)の各々は比例/積分/微分コントローラであることを特徴とする、請求項4に記載のエレベータシステム。
- 前記座標化された制御手段16は、加速度計フィードバックコントローラ(200)を含み、該加速度計フィードバックコントローラ(200)は、(x1a,x2a,y1a,y2a,y3a)を含むローカル加速度信号Amに応答するとともに、座標化されたグローバル力またはモーメント加速度補償信号(FCxa,FCya,FCMya,FCMza)を供給することを特徴とする、請求項1に記載のエレベータシステム。
- 前記加速度計フィードバックコントローラ(200)はローカル/グローバル加速度計コントローラ(202)を含み、該ローカル/グローバル加速度計コントローラ(202)は、ローカル加速度信号(x1a,x2a,y1a,y2a,y3a)に応答するとともに、座標化されたグローバル加速度信号(Xa,Ya,RXa,RYa,RZa)を供給する、ことを特徴とする請求項6に記載のエレベータシステム。
- 前記ローカル/グローバル加速度計コントローラ(202)は加速度計フィードバック補償器(204,206,208,210,212)を含み、該加速度計フィードバック補償器(204,206,208,210,212)は、座標化されたグローバル加速度信号(Xa,Ya,RXa,RYa,RZa)に応答するとともに、座標化されたグローバル力またはモーメント加速度フィードバック補償信号(FCxa,FCya,FCMxa,FCMza)を供給する、ことを特徴とする請求項7に記載のエレベータシステム。
- 前記加速度計フィードバック補償器(104,106,108,110,112)の各々は比例/積分コントローラであることを特徴とする、請求項8に記載のエレベータシステム。
- 前記座標化された制御手段(16)は、グローバル/ローカル力およびモーメントコントローラ(300)を含み、このコントローラ(300)は、座標化されたグローバル力またはモーメント位置フィードバック補償信号(FCxp,FCyp,FCMxp,FCMyp,FCMzp)に応答し、さらにグローバル力またはモーメント加速度フィードバック補償信号(FCxa,FCya,FCMxa,FCMya,FCMza)に応答するとともに、座標化された制御信号(CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3)を供給する、ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
- 前記グローバル/ローカル力およびモーメントコントローラ(300)は加算回路(302,304,306,308,310)を含み、これらの加算回路は、グローバル力またはモーメント位置フィードバック補償信号(FCxp,FCyp,FCMxp,FCMyp,FCMzp)に応答し、さらにグローバル力またはモーメント加速度フィードバック補償信号(FCxa,FCya,FCMxa,FCMya,FCMza)に応答するとともに、加算されたグローバル力またはモーメント位置および加速度フィードバック補償信号(FCxpa,FCypa,FCMxpa,FCMypa,FCMzpa)を供給する、ことを特徴とする請求項10に記載のエレベータシステム。
- 前記グローバル/ローカル力およびモーメントコントローラ(300)は力およびモーメント変換手段(314)を含み、この力およびモーメント変換手段は、加算されたグローバル力またはモーメント位置およびフィードバック補償制御信号(FCxpa,FCypa,FCMxp,FCMypa,FCMzpa)に応答するとともに、座標化された制御信号(CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3)を供給する、ことを特徴とする請求項11に記載のエレベータシステム。
- 前記ドライバ手段(力発生手段)(18)はアナログ磁気ドライバ(140,142,144,146,148)を含み、これらのアナログ磁気ドライバは、座標化された制御信号(CCx1,CCx2,,CCy1,CCy2,CCy3)に応答するとともに、少なくとも3つのガイドヘッド10,20,30に関連する磁気力(CCx1,CCx2,CCy1,CCy2,CCy3)を供給する、ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
- 前記ギャップ測定手段(ローカルパラメータ検出手段)(14)は、エレベータのフレームとガイドレール間のエアギャップを測定するとともにローカルギャップ測定信号を供給するための少なくとも1つの無接触位置センサを含む、ことを特徴とする、請求項1に記載のエレベータシステム。
- さらにダイナミックフレックス推測器手段(400)によって構成され、該ダイナミックフレックス推定器手段は、ローカル位置エラー信号(Gm,Gme)に応答するとともに、他のグローバル力位置フィードバック補助制御信号FCy4pを供給して、エレベータかご(12)のフレームにおける動的撓みを補償する、ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
- 前記ダイナミックフレックス推測器手段(400)は、ダイナミックフレックス推測器手段(160)とローカル位置エラー信号Gmを含み、基準の剛体位置信号Y40を供給することを特徴とする請求項15に記載のエレベータシステム。
- 前記ダイナミックフレックス推測器手段(400)は加算回路(164)を含み、該加算回路は、基準剛体位置信号Y40に応答し、さらにダイナミック歪バイアス信号Y4biasに応答するとともに、推定された剛体位置信号Y4estを供給する、ことを特徴とする請求項16に記載のエレベータシステム。
- 前記ダイナミックフレックス推測器手段(400)は引算回路(168)を含み、この引算回路は、推定された剛体位置信号Y4estに応答し、さらに測定された剛体位置信号Y4mに応答するとともに、微分信号Dy4を供給する、ことを特徴とする請求項17に記載のエレベータシステム。
- 前記ダイナミックフレックス推測器手段(400)は位置フィードバック補償手段(170)を含み、この位置フィードバック補償手段は、微分信号Dy4に応答し、他のグローバル力位置フィードバック補償制御信号(FCy4pを供給する、ことを特徴とする請求項18に記載のエレベータシステム。
- 前記力発生手段(18)はアナログマグネットドライバ(150)を含み、このアナログマグネットドライバは、他のグローバル力位置フィードバック補償制御信号(FCy4p)に応答するとともに、第4のガイドヘッド(26)にダイナミックフレックスローカル力(Fy4)を供給する、ことを特徴とする請求項19に記載のエレベータシステム。
- 前記エレベータシステムはさらに学習レールシステム(80)によって構成され、この学習レールシステムは、エレベータかご(12)のスカラー垂直位置Vpに応答し、レールマップ信号Xrを供給するとともに、加算回路84を含み、この加算回路は、レールマップ信号Xrに応答するとともにさらに所望の基準ギャップG0に応答し、関連する所望のギャップ信号(Gd)を供給し、かつエレベータシステムは引算手段(95)を含み、この引算手段は、ローカル位置エラー信号Gmに応答し、さらに関連する所望のローカルギャップ信号Gdに応答するとともに、ローカル位置エラー信号(x1pe,x2pe,y1pe,y2pe,y3pe)を供給する、ことを特徴とする請求項2に記載のエレベータシステム。
- 前記力調整器(314)は他のローカル力制御信号CCy4を供給する、ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
- 前記エレベータシステムは、さらに他のローカル力制御信号CCy4をフィードバック補償器(170)からの他のグローバル力位置フィードバック補償制御信号FCy4pに加えるための加算器(312)によって構成され、この加算器はバイアスされたローカル力制御信号(CCy4’)を供給するとともにアナログマグネットドライバ(150)を制御する、ことを特徴とする請求項22に記載のエレベータシステム。
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