JP5024920B2 - 流量測定装置及び方法 - Google Patents

流量測定装置及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5024920B2
JP5024920B2 JP2005362207A JP2005362207A JP5024920B2 JP 5024920 B2 JP5024920 B2 JP 5024920B2 JP 2005362207 A JP2005362207 A JP 2005362207A JP 2005362207 A JP2005362207 A JP 2005362207A JP 5024920 B2 JP5024920 B2 JP 5024920B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
measurement
fluid
flow rate
marker
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005362207A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007163378A (ja
Inventor
幸生 山田
直人 角田
壮一 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE UNIVERSITY OF ELECTRO-COMUNICATINS
Tokyo Keiso Co Ltd
Original Assignee
THE UNIVERSITY OF ELECTRO-COMUNICATINS
Tokyo Keiso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE UNIVERSITY OF ELECTRO-COMUNICATINS, Tokyo Keiso Co Ltd filed Critical THE UNIVERSITY OF ELECTRO-COMUNICATINS
Priority to JP2005362207A priority Critical patent/JP5024920B2/ja
Publication of JP2007163378A publication Critical patent/JP2007163378A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5024920B2 publication Critical patent/JP5024920B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Description

本発明は流量測定装置及び方法に関し、特に水又は水を主成分とする液体の微量流量を測定する場合に適用して好適なものである。
水の吸光度スペクトルが温度依存性をもっていることを利用して、微量流量の水や水溶液を光を用いて非接触方式によって測定する流量測定方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−271523公報
この種の微量流量測定手法は、測定対象である水又は水を主成分とする液体(これを流体と言う)が流れる管路の上流位置において、当該流体を加熱することにより熱マーカを形成し、この熱マーカが所定距離だけ離れた下流の検出位置を通過する際に生ずる温度変化を検出し、当該熱マーカを形成した時点から熱マーカが検出位置に移動するまでの移動時間から流量を算出することを原理とする。
ところが、この方法によって10〔ml/min〕以下の微量流量の流体について、0.1〔ml/min〕程度の高精度で流量の測定ができるようにすることが望ましい。
因に、半導体製造プロセスにおける洗浄、エッチング、研磨の各工程や、製薬プロセスの工程などにおいては、使用される微量な水又は水溶液を高い精度でしかも安定に測定することが求められている。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、微量流量の水又は水を主成分とする液体の微量流量を高精度でかつ安定に測定できるようにした流量測定装置及び方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、流量測定管路2を流れる流体FLの流量を測定する流量測定装置及び方法であって、流量測定管路2の熱マーカ形成位置P1において熱マーカ形成部11によって、流量測定管路2の外部から加熱用レーザ光L0をパルス的に、又は連続的に、又は正弦波形状的に変化させて照射することにより、流量測定管路2内を流れる流体FLを加熱して熱マーカを形成し、流量測定管路2の熱マーカ形成位置P1より下流側の測定光検出位置P2において測定光処理部12によって、検出光光源50から射出された検出光源光L3に基づいて形成した所定波長のレーザ光でなる測定光L1を流体FLに透過させて流体FLの吸光度スペクトルK1に基づく吸光度を表す測定光検出信号S2を得、熱マーカ形成位置P1より上流側又は下流側の参照光検出位置P3において参照光処理部13によって、検出光光源50から射出された検出光源光L3に基づいて形成した所定波長と同じ波長を有するレーザ光でなる参照光L2を流体FLに透過させて流体FLの吸光度スペクトルK1に基づく吸光度を表す参照光検出信号S3を得、システム制御ユニット40によって、熱マーカ形成部11に対して熱マーカを形成させる駆動信号S1を与えることにより流体FLに熱マーカを形成すると共に、参照光検出信号S3に含まれる外乱成分によって測定光検出信号S2に含まれる外乱成分を相殺する補正をし、当該補正された測定光検出信号S2によって当該熱マーカ形成時点から、測定光処理部12において熱マーカが移動して来たことを検出した時点までの到達時間Δtを判別して当該到達時間Δt、又は温度分布の変化、又は位相の変化に対応する流量値を、予め実験によって求めた到達時間、又は温度分布の変化、又は位相の変化と流量値との関係を表す校正曲線V=f(Δt)から読み取るようにする。
本発明によれば、流量測定管路の熱マーカ形成位置において流体にパルス的に、又は連続的に、又は正弦波形状的に変化させた加熱用レーザ光を照射して熱マーカを形成し、当該熱マーカが測定光検出位置に移動して来たことを測定光処理部によって流体の吸光度スペクトルに基づいて検出して、参照光検出信号に含まれる外乱成分によって測定光検出信号に含まれる外乱成分を相殺すると共に、熱マーカを形成した時点から熱マーカを検出した時点までの到達時間Δt、又は温度分布の変化、又は位相の変化に基づいて、予め実験によって求めた校正曲線から流量値を読み取るようにしたことにより、流量測定管路を流れる流体の微量流量を、外乱を含まない高い精度で測定することができる。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)全体構成
図1において、1は全体として流量測定装置を示し、光透過性の例えばテフロン(登録商標)チューブでなる流量測定管路2内を測定対象である流体FLが流れる。
流体FLは水又は水を主成分とする液体でなり、かくして測定光L1及び参照光L2に対して吸光度スペクトルに水特有の温度依存性を有する。
すなわち、流体FLの主成分である水は、図2に示すように、近赤外光域(1300〜2000〔nm〕)までの透過光に対して特定の波長、1450〔nm〕及び1900〔nm〕付近においてピークをもつような吸光度スペクトルK1を示し、しかもこのピーク部分の吸光度スペクトルK1は、水の温度が変化すると水の分子結合状態が変化するために、温度が上昇すれば、短波長側にシフトするような顕著な変化を示す。
図2の場合、吸光度スペクトルK1は、水の温度が26〔°C〕〜37.6〔°C〕程度の範囲で変化すれば、これに応じてピーク部が変化しており、例えばその1450〔nm〕付近のピーク部を拡大して図3に示せば、温度の上昇に応じてピーク部にシフトが生じていることが分かる。
そこで、図2(図3)の複数の温度についての吸光度スペクトルK1に基づいて、そのうちの1つを基準温度(例えば26〔°C〕)として当該基準温度の吸光度スペクトルと他の温度の吸光度スペクトルとの差分を演算すれば、図4に示すように、基準温度26〔°C〕を中心として他の温度26〔°C〕〜37.6〔°C〕の吸光度差が測定し易い大きな変化を示す吸光度差スペクトルK2が得られる。
この吸光度差スペクトルK2において、透過光の1つの波長(例えば1490〔nm〕)を特定したときの各温度の吸光度差スペクトルの値は、各温度の、基準温度との間の吸光度の差分を表す値として明確に区別できる。
この関係を利用して、温度が未知の流体FLを透過した透過光について、特定の波長の光強度を時間の経過に従って順次検出して行くことにより当該検出結果の吸光度と基準温度時の吸光度との吸光度差を知れば、測定対象の流体FLの温度変化を測定できることになる。
かくするにつき、当該測定波長として、吸光度差スペクトルK2(図4)のうち、各温度相互間の吸光度差が顕著に大きくなる(従って明確に区別できる)波長、例えば1490〔nm〕を選定すれば、流体FLの温度を高い精度で測定できる。
流量測定装置1はこのような水の吸光度スペクトルの温度依存性を利用して、流量測定管路2を流れる流体FLに対して、熱マーカ形成位置P1において熱マーカ形成部11を用いて流体FL内に熱マーカを形成させると共に、当該熱マーカ形成位置P1より所定の距離Lだけ下流側の測定光検出位置P2において測定光処理部12を用いて当該測定光検出位置P2に熱マーカが移動して来た時点を検出する。
この測定光処理部12の測定光検出結果については、流量測定管路2の参照光検出位置P3に設けられた参照光処理部13を用いて主として光学系に生ずる外乱の補正処理をする。
熱マーカ形成部11、測定光処理部12及び参照光処理部13は、図5に示す光学ユニット21に組込まれ、これにより流量測定管路2に対する熱マーカ形成位置P1、測定光検出位置P2及び参照光検出位置P3に高い精度で位置決めされる。
(2)熱マーカ形成部
光学ユニット21は、断面U字形状を有する長方形の管路保持用治具22を有し、その長手方向に穿設された管路保持溝22A内に流量測定管路2を位置決め保持している。
管路保持用治具22上には、熱マーカ形成部11の加熱用レーザダイオード25を有する加熱装置部26が、取付部材27によって取り付けられ、これにより加熱用レーザダイオード25から下方に放射される加熱用レーザ光L0を流量測定管路2に照射する。
加熱装置部26は、図6に示すように、筐体部31と放熱部32とを有し、筐体部31内に加熱用レーザダイオード25を電子冷却装置33と組み合せて保持している。
この実施の形態の場合、加熱用レーザダイオード25において生ずる熱は電子冷却装置33によって冷却されると共に、当該冷却された熱が電子冷却装置33から放熱部32のヒートシンク34を介して外気に放熱される。
加熱用レーザダイオード25は、クラッド層25Aによって活性層25Bを挟み込んだ層状構造を有し、活性層25Bから加熱用レーザ光L0を発光する(この発光部の寸法は厚さ幅が1〔μm〕で、横幅が100〔μm〕で、波長1050〔nm〕のレーザ光を最大2〔W〕出力するものを用いる)。
加熱用レーザダイオード25の加熱動作は、パーソナルコンピュータ構成のシステム制御ユニット40から送出される駆動信号S1に応じてコントローラ41によって制御される。
かくして流量測定管路2の熱マーカ形成位置P1に投射される加熱用レーザ光L0によって、流量測定管路2に流れる流体FLに対して、図7に示すような流体加熱部45が形成される。
この実施の形態の場合、流体加熱部45は、管路保持溝22A内に位置決めされた流量測定管路2に対する加熱用レーザ光L0の照射位置に、所定幅のシート状の反射材46を巻き付けた構成を有し、当該反射材46に穿設した投射孔47を通って加熱用レーザ光L0を流量測定管路2の管軸線2Kを横切るような方向に投射する。
このようにすると、投射孔47を通って投射された加熱用レーザ光L0は、流量測定管路2の断面方向において図8に示すような反射を繰り返すのに対して、流量測定管路2の長手方向において図9に示すような反射を繰り返す。
因に、この実施の形態において用いられている加熱用レーザダイオード25は活性層25Bをクラッド層25Aによって挟み込んだ層状構造をもっているので、直径0.5〜1〔mm〕の投射孔47に投射された加熱レーザ光L0は、流量測定管路2の断面方向について、図8に示すように、加熱用レーザダイオード25の厚さ方向に約32〔°〕開いた範囲に発光光を射出する。
そこで、流量測定管路2内に投射された加熱用レーザ光L0は断面円形形状をもつ反射材46によって繰り返し反射されることにより、32〔°〕の広がりをもって管内に折り返される。
この結果、流量測定管路2の断面方向において、加熱用レーザ光L0が、流量測定管路2を流れる流体FLの断面内の各点に偏差がないようにほぼ均一に照射できることになる。
これに対して、投射孔47に投射された加熱用レーザ光L0は、図9に示すように、加熱用レーザダイオード25の活性層25Bの幅方向には、7〔°〕の広がりをもつ範囲で発光光を射出する。
この結果、投射孔47から投射された加熱用レーザ光L0は、流量測定管路2の長手方向(従って流量測定管路2の管軸線2Kに沿う方向)に7〔°〕の広がりをもって繰り返し反射しながら、流体FLに吸収されて行く。
実験によれば、8往復すると加熱用レーザダイオードから射出されたレーザ光の出力の90〔%〕が吸収され、このとき投射孔47、従って熱マーカ形成位置P1を間に挟んで前後3〔mm〕(従って最大6〔mm〕)の範囲Wで流体FLに対するレーザ光の吸収が行われていると考えられる。
かくして、流量測定管路2の長手方向について、投射孔47から投射された加熱用レーザ光L0の出力を効率良く加熱に用いることができる。
このようにして投射孔47から加熱用レーザ光L0が投射されると、流量測定管路2内の流体FLは、管軸線2Kに沿う方向において、投射孔47の位置(従って熱マーカ形成位置P1)を中心として、加熱用レーザ光L0が吸収される範囲Wの部分が加熱用レーザ光L0によって加熱される(この加熱された範囲Wの流体FLの部分を熱マーカと呼ぶ)。
この結果、図11において、加熱用レーザ光L0の投射が開始された時点t=0から加熱時間Δtpの間流体FLが加熱されることにより、流量測定管路2内を流れる流体FLに幅Wの熱マーカが形成される。
(3)測定光処理部
測定光処理部12は、図1に示すように、検出光光源用レーザダイオード50から射出される検出光源光L3が無偏光ビームスプリッタ51を透過した後反射鏡52において反射されて、測定光L1として測定光処理部12に入射される。
測定光処理部12は、測定光L1を入射側スリット55によって流量測定管路2の管軸線2K方向の光の幅を所定幅に整えた後、入射側シリンドリカルレンズ56を介して流量測定管路2の測定光検出位置P2に入射する。
ここで入射側シリンドリカルレンズ56は、図10(B)に示すように、入射スリット55を通って入射される並行光線でなる測定光L1を、流量測定管路2の管軸線2Kに向かって集光させるように屈折するのに対して、管軸線2Kに沿う方向については、図10(A)に示すように、集光動作をしないようになされ、これにより測定光L1を構成する並行光線を全て流量測定管路2の半径方向から入射させることにより、流量測定管路2の管面における屈折や反射の影響を最小限に抑えるようになされている。
かくして流量測定管路2の管軸線2Kに集光した測定光L1は、当該管軸線2Kを通過した後、入射側シリンドリカルレンズ56と流量測定管路2を挟んで対向するように設けられた射出側シリンドリカルレンズ57に射出され、当該射出側シリンドリカルレンズ57によって並行光に戻されて射出側の測定光L1Yとして射出される。
このようにして射出側シリンドリカルレンズ57から射出された測定光L1Yは、射出側スリット58を通ってフォトダイオードでなる光検出器59において測定光検出信号S2に変換され、この測定光検出信号S2がシステム制御ユニット40に供給される。
ここで測定光検出信号S2は、測定光検出位置P2を通る流体FLに含まれる水の吸光度スペクトルK1(図2及び図3)のうち、測定光L1の波長(λ=1490〔nm〕)の吸光度を表しており、従って図4について上述したように、基準温度(=26.0〔°C〕)と測定光検出位置P2を通過する流体FLの温度との吸光度差を表している。
システム制御ユニット40は、測定光検出信号S2を時間tの経過に従ってデータベースに格納保持し、この測定光検出信号S2のデータに基づいて図11に示すような吸光度差測定データK3を演算により求め、これをモニタ60に表示する。
この実施の形態の場合、光学ユニット21(図5)の管路保持用治具22のうち、測定光検出位置P2に対応する位置に、管路保持溝22Aを横断するように測定光光路溝63が設けられており、この測定光光路溝63内を測定光L1が流量測定管路2を透過するように、管路保持用治具22の前面側に入射側スリット55及び入射側シリンドリカルレンズ56を取り付けると共に、管路保持用治具22の裏面側に射出側シリンドリカルレンズ57、射出側スリット58及び光検出器59を取り付けるようになされている。
かくして、光学ユニット21によって、加熱用レーザダイオード25が設けられている熱マーカ形成位置P1の下流側に、距離Lだけ離れた測定光検出位置P2を透過するように加熱用レーザダイオード25及び測定光L1の位置関係を高い精度で位置決めできるようになされている。
この実施の形態の場合、光学ユニット21の取付部材27には、流測定管路2の管軸線2Kに沿う方向に一対の位置調整用ねじ65A及び65Bが設けられ、当該位置調整ねじ65A及び65Bによって加熱装置部26の筐体部31を挟み付けることにより、管軸線2K方向の筐体部31の位置、従って加熱用レーザダイオード25の熱マーカ形成位置P1を位置決めすると共に、位置調整ねじ65A及び65Bを調整操作することにより熱マーカ形成位置P1と測定光光路溝63の測定光検出位置P2との間の距離Lを調整できるようになされている。
(4)参照光処理部
参照光処理部13は、図1に示すように、測定光処理部12(図10)と同様に、検出光源用レーザダイオード50の検出光源光L3を無偏光ビームスプリッタ51において測定光L1から分光して参照光L2を得、この参照光L2を入射側スリット65を介して入射側シリンドリカルレンズ66に入射する。
入射側シリンドリカルレンズ66は、図12(B)に示すように、並行光でなる参照光L2を、流量測定管路2の断面について流量測定管路2の管軸線2Kに集光するように屈折させるのに対して、図12(A)に示すように、管軸線2Kの方向について並行光のまま流路測定管路2に入射する。
かくして流量測定管路2の参照光検出位置P3において管軸線2Kに沿って集光された参照光L2は、流量測定管路2を透過して射出側シリンドリカルレンズ67において並行光線でなる射出側の参照光L2Yとして射出され、これが射出側スリット68を介して光検出器69に入射する。
この実施の形態の場合、光学ユニット21(図5)の管路保持用治具22のうち、参照光検出位置P3に対応する位置に、管路保持溝22Aを横断するように参照光光路溝64が設けられており、この参照光光路溝64内を参照光L2が流量測定管路2を透過するように、管路保持用治具22の前面側に入射側スリット65及び入射側シリンドリカルレンズ66を取り付けると共に、管路保持用治具22の裏面側に射出側シリンドリカルレンズ67、射出側スリット68及び光検出器69を取り付けるようになされている。
かくして射出側の参照光L2Yは、光検出器69において参照光検出信号S3に変換され、この参照光検出信号S3がシステム制御ユニット40に与えられる。
参照光処理部13の構成において、参照光検出位置P3を通る参照光L2は、その波長が測定光L1と同じ波長(λ=1490〔nm〕)であると共に、測定光処理部12と同様の光学要素を用いて流量測定管路2を流れる流体FLの吸光度を検出することができ、これにより測定光L1の測定結果に生ずる外乱、例えば環境温度の変化や、検出光源用レーザダイオード50の検出光源光L3の変動などに基づく変動を受けたとき、同じ条件で同じ変動を受ける参照光検出信号S3を得ることができることにより、システム制御ユニット40は参照光検出信号S3に含まれる外乱成分を測定光検出信号S3から相殺することにより、測定光処理部12からより安定な測定結果を得ることができる。
(5)流量測定処理手順
以上の構成において、システム制御ユニット40は図13に示す流量測定処理手順RT0を実行することにより、流量測定管路2を流れる流体FLの流量を測定する。
システム制御ユニット40は、ステップSP1において、図11の時点t=0においてコントローラ41に駆動信号S1を与えることにより加熱用レーザダイオード25を発光動作させ、これにより加熱用レーザ光L0を熱マーカ形成位置P1に照射させることによって流量測定管路2を流れる流体FLを加熱開始した後、ステップSP2において時間tが加熱時間Δtになったか否かを判断する。
ここで否定結果が得られると、このことは加熱用レーザダイオード25による加熱を続けるべきことを意味し、このときシステム制御ユニット40はステップSP3に移って参照光処理部13からの参照光検出信号S3に基づいて参照光の光強度Irtを検出して記憶すると共に、測定光処理部12の測定光検出信号S2に基づいて測定光の光強度Istを検出して記憶する。
続いてシステム制御ユニット40はステップSP4に移って現在の時間tがt=0、すなわち光加熱開始時点であるか否かを判断し、肯定結果が得られたとき、ステップSP5に移ってk・(Ist/Irt)=1から係数kを決定する。
このステップSP5の処理は、測定光処理部12の光学系による検出結果と、参照光処理部13の光学系による検出結果との間の偏差を流量測定開始時の初期条件として求めるもので、これにより図11の縦軸の吸光度差ΔAを高い精度で求めることができるようにするものである。
ここで、吸光度差ΔAは、次式
Figure 0005024920
によって測定光処理部12における測定光L1Yにより求められる測定光吸光度Aと、参照光処理部13において参照光L2Yから求められる参照光吸光度Aとの差として定義される。
ここで測定光吸光度Aは次式
Figure 0005024920
のように、時点t=tにおける測定光L1Yの入射光強度Isoと、測定光L1Yの出射光強度Istとの比に基づいて測定光L1Yの光強度の変化量、すなわち測定光吸光度を示す。
また参照光吸光度Aは次式
Figure 0005024920
のように、時点t=tにおける参照光L2Yの入射光強度Iroと、参照光L2Yの出射光強度Irtとの比に基づいて参照光L2Yの光強度の変化量、すなわち参照光吸光度を示す。
(1)式に(2)式及び(3)式を代入すると、吸光度差ΔAは、次式
Figure 0005024920
のように、表すことができる。
(4)式において熱マーカが測定光検出位置P2に到達していない時間の間は、熱マーカによる測定光検出位置P2における温度に変化は生じないのであるから、吸光度差ΔAは次式
Figure 0005024920
の条件が成り立つはずであり、この条件が成り立たないときは、熱マーカが測定光検出位置P2に移動して来る前の状態、すなわち初期条件において測定光処理部12の光学系による検出結果と参照光処理部13の光学系による検出結果との間に偏差があることを意味する。
この偏差を知るため、(5)式において、t=0における入射光強度Iro及び出射光強度Isoを用いて
Figure 0005024920
のようにIro/Isoをkと置くと、t=0においては(5)式が成り立つので、次式
Figure 0005024920
のように時点t=0における測定光L1Yの光強度Istと、参照光L2Yの光強度Irtの検出結果を用いて係数kによって初期条件を決定することができる。
続いてシステム制御ユニット40はステップSP6に移って次式
Figure 0005024920
のように、ステップSP5で求めた係数kを用いて吸光度差ΔAを演算し、その後ステップSP7において吸光度差ΔAのピーク点の検出処理を行う。
(8)式において、−log10(Ist/Irt)は測定光L1Y及び参照光L2Yの時間的変化を表わしている項であるのに対して、−log10kの値は好適な測定条件が得られるように必要に応じて決めることができる。
このピーク点の検出処理は図11において、吸光度差測定データK3の値が極小値になったか否かの判断をするもので、ここで否定結果が得られれば、このことは熱マーカが未だ測定光検出位置P2に移動して来ていないことを意味する。
このときシステム制御ユニット40は上述のステップSP2に戻ってさらに次の測定光L1Yの検出サイクルに入る。
このステップSP2において否定結果が得られれば、このことは加熱用レーザダイオード25の加熱用レーザ光L0による加熱が未だ終了していないことを意味し、このときシステム制御ユニット40はステップSP3において再度測定光L1Yの光強度Istの検出及び記憶処理と、参照光L2Yの光強度Irtの検出及び記憶処理をしてステップSP4に移る。
このときシステム制御ユニット40はすでに加熱開始時点t=0を過ぎているので、ステップSP4において否定結果を得ることによりステップSP5の処理をジャンプしてステップSP6に移って当該サイクルにおける吸光度差ΔAの演算をして次のステップSP7に移る。
かくしてシステム制御ユニット40はステップSP7において肯定結果が得られるまでステップSP2−SP3−SP4−SP6−SP7−SP2の測定サイクルを繰り返す。
この測定サイクルを繰り返している間に、ステップSP2において肯定結果が得られると、このことは加熱用レーザ光L0による加熱処理が終了して熱マーカ形成位置P1において流量測定管路2内の流体FLに熱マーカが形成されたことを意味し、このときシステム制御ユニット40はステップSP8に移って駆動信号S1によってコントローラ41を制御することにより加熱用レーザ光L0の発生を終了させる。
このようにして流体FL内に形成された熱マーカは、以後流体FLが微流量で下流に流れるに従って当該微流量に相当する流速で熱マーカ形成位置P1から測定光検出位置P2の方向に移動して行くことになる。
やがてステップSP7において肯定結果が得られると、このことは吸光度差測定データK3が極小点に到達したこと、従って熱マーカが測定光検出位置P2に移動して来たことを意味し、このときシステム制御ユニット40はステップSP9において当該熱マーカが熱マーカ形成位置P1から測定光検出位置P2に移動して来るまでの移動時間Δtを決定し、続くステップSP10において当該決定したΔtを用いて校正曲線V=f(Δt)(図14)から流量V〔ml/min〕を算出した後、ステップSP11において当該流量測定処理手順RT0を終了する。
図11の吸光度差測定データK3において、熱マーカの移動時間Δtの移動開始時点は、加熱時間Δt内の中間(=Δt/2)の時点t=tに設定される。この移動開始時点t=tは、加熱用レーザ光L0がt=0から投射開始された後当該加熱用レーザ光L0が流体FLに吸光されて温度が上昇して行く状態において、流体FLの温度が測定可能な温度(すなわち測定光検出位置P2において温度のピークを検出可能な温度)にまで上昇する時点として加熱時間Δtの半分(=Δt/2)の時点t=tを想定して設定される。
この結果、測定光検出位置P2において流体FLを透過して得られる測定光L1Yの光強度は、移動開始時点t=tから熱マーカが測定光検出位置P2に近づいて来るに従って流体FLの温度が次第に上昇することにより低下して行き(水の吸光度が大きくなるので)、やがて熱マーカが測定光検出位置P2に到達したとき最も温度が高くなることによりピークになり、その後熱マーカが測定光検出位置P2を通過して遠ざかって行くに従って温度が低くなって行くことにより、ピークが上昇して行く。
ステップSP10における校正曲線V=f(Δt)は、図14に示すように、予め実験によって流量測定管路2を流れる流体FLの流量V〔ml/min〕と、熱マーカ形成位置P1において熱マーカを形成した時点t=tから吸光度差測定データK3が極小値になる時点t=tまでの時間Δtを測定しておくことにより、Δtに対する流量V〔ml/min〕を推定できるようにしておく。
システム制御ユニット40はあらかじめこの校正曲線V=f(Δt)のデータを格納している。
因みに、図14の校正曲線V=f(Δt)は、加熱量Q=0.29〔W〕、加熱検出間隔(熱マーカ形成位置P1から測定光検出位置P2までの移動距離)L=1.5〔mm〕、流量測定管路2の管内径D=2.0〔mm〕、流体FLが純水の場合のもので、横軸には熱マーカの移動時間Δtの逆数1/Δtをとり、縦軸には流量測定管路2の出口から流出した流体の質量変化を電子天秤により実測することにより実測流量Vをとって示す。
(6)実施の形態の効果
以上の構成によれば、10〔ml/min〕以下の微量流量の水又は水を主成分とする流体を、0.1〔ml/min〕程度の高い精度で、かつ非接触で流量測定し得るような微量の流量測定装置を実現できる。
(7)他の実施の形態
(a)図7ないし図9の実施の形態においては、加熱用レーザ光L0を投射する流体加熱部45の構成として、管路保持溝22Aに挿入する流量測定管路2の周囲にシート状反射材46を巻き付けることにより加熱用レーザ光L0を流量測定管路2内に繰り返し反射させ、これにより流量測定管路2に流れる流体に加熱用レーザ光L0を効率良く吸収させるようにしたが、流量測定管路2内に加熱用レーザ光L0を繰り返し反射させる構成として、図15に示すように、管路保持溝22Aとして流量測定管路2の下側外形形状に沿うような断面半円形状の内表面を形成すると共に、流量測定管路2の上側の隙間に、内側形状が断面四半円形状流量測定管路2の外表面と同様の断面四半円形状を有する隙間埋込み部材22B及び22Cを埋め込むと共に、流量測定管路2と対向する管路保持溝22Aの表面並びに隙間埋込み部材22B及び22Cの表面によって反射面を形成するようにしても、上述の場合と同様に加熱用レーザ光L0を流量測定回路2内の流体FLに繰り返し反射させるようにすることにより、効率良く加熱用レーザ光L0を吸収させることができる。
(b)上述の実施の形態の場合は、測定光L1及び参照光L2の波長として、水の吸光度スペクトルK1(図2)のうち、1450〔nm〕付近に生ずる1つのピークに着目して、吸光度差スペクトルK2(図4)が1450〔nm〕を越えて立ち下って行く特性部分を用いて波長λ=1490〔nm〕において生ずる温度依存性を利用して温度の変化を検出するようにしたが、これに代え、1450〔nm〕より波長が短かい範囲で吸光度スペクトルK2が立ち下って行く特性曲線部分の温度依存性を用いて温度の変化を検出するようにしても良い。
さらに、水の吸光度スペクトルK1の1900〔nm〕付近に生ずる他のピークに着目して、1900〔nm〕より波長が長い範囲又は短かい範囲の特性曲線部分の温度依存性を用いて温度の変化を検出するようにしても、上述の場合と同様の作用効果を得ることができる。
因に、波長1900〔nm〕のレーザ光の吸光度は波長1450〔nm〕の吸光度よりも大きいから、例えば流量測定管路2の管径が小さい場合(従って吸収量が小さい場合)、1450〔nm〕ではほとんど吸光度変化が検出できないときでも、1900〔nm〕であれば可能になる。
(c)上述の実施の形態においては、参照光処理部13を熱マーカ形成部11の上流側に設けた場合について述べたが、当該参照光処理部13は、測定光処理部12の下流側に設けても良い。
この場合熱マーカ形成部11によって形成された熱マーカは、流量測定管路2内を下流方向に移動して行く間に流量測定管路2から外側に放熱されて行くから、当該熱マーカの影響を受けない程度の下流位置に、参照光処理部13を設ければ良い。
(d)図9の実施の形態においては、加熱用レーザダイオード25として、射出されるレーザ光L0が幅方向に7〔°〕の広がりをもつものを適用したが、幅方向の広がりはこれに限らず種々のものを適用し得、狭いレーザダイオードを適用すれば流量検出精度をさらに向上させることができる。
(e)図11の実施の形態においては、移動時間Δtの移動開始時点t=tを、加熱時間Δtの半分(=Δt/2)の時点に選定したが、この時点t=tは、加熱時間Δt内のいずれかの時点、又は加熱時間Δtより以前又は以後の時点を選定しても良く、いずれの場合にも、吸光度測定データK3が極小値になるまでの移動時間Δtは、流量測定管路2内を流れる流体FLの流量に応じた値になる。
(f)上述の実施の形態においては、加熱用レーザダイオード25から、加熱時間Δt(図11)で1回だけ加熱用レーザL0を発光させて熱マーカを形成するようにしたが、間欠的に複数回加熱するようにしても良い。
この場合吸光度差測定データK3(図11)として、複数のピークをもつ測定結果を得、当該複数のピークの周期と、コントローラ41から加熱用レーザダイオード25に与える駆動パルスの周期の相関をとることにより、移動時間Δtのばらつきを抑制できる。
(g)加熱用レーザダイオード25(図1)の駆動方法として、上述のようにパルス的に駆動することに代え、所定値の駆動信号S1によって一定の発光強度で連続的に駆動することもできる。
この場合、流量測定管路2内の流体FLには、熱伝導による流量測定管路2から外部への放熱及び流体FLの移動に基づいて、熱マーカ形成位置P1の下流側及び上流側に加熱範囲が形成され、当該加熱範囲の温度分布が流体FLの流量の変化に応じて変化する状態が得られる。
そこで、温度分布の変化を測定して対応する流量値を求めることができる。
(h)加熱用レーザダイオード25(図1)の駆動方法として、前述のようにパルス的に駆動することに代え、正弦波形をもつ駆動信号S1によって正弦波形状に発光強度を変化させて駆動することもできる。
この場合、熱マーカ形成位置P1を通過する流体FLに対する加熱熱量は正弦波形状に変化し、これにより測定光検出位置P2に移動して来る流体FLが正弦波形状に対応した温度変化をする。
この測定光検出位置P2における流体FLの温度変化は、熱マーカ形成位置P1における流体FLに対する加熱熱量の正弦波形状の変化を基準にすると、流体FLの流量に応じた位相差をもつ。
従って測定光検出位置P2における流体FLの温度変化について、その位相を判定することにより、流体FLの流量を測定することができる。
本発明は、半導体回路製造分野や製薬分野などにおいて、水又は水を主成分とする流体の微量流量の測定に利用できる。
本発明の一実施の形態による流量測定装置の全体構成を示す略線的ブロック図である。 水の吸光度スペクトルを示す特性曲線図である。 図2の一部を拡大して示す特性曲線図である。 吸光度差スペクトルを示す特性曲線図である。 (A)及び(B)は光学ユニットを示す正面図及びX1−X1断面を示す断面図である。 図5の加熱装置部の詳細構成を示す斜視図である。 図5の流体加熱部を示す斜視図である。 図7の管路断面方向の反射の説明に供する略線的断面図である。 図7の管軸線方向の反射の説明に供する略線的斜視図である。 (A)及び(B)は測定光処理部12における測定光の投射方法の説明に供する略線的平面図及び略線的断面図である。 吸光度差測定データを示す特性曲線図である。 (A)及び(B)は参照光処理部13における参照光の投射方法の説明に供する略線的平面図及び略線的断面図である。 システム制御ユニットによる流量測定処理手順を示すフローチャートである。 移動時間Δtから流量を求めるための校正曲線V=f(Δt)を示す特性曲線図である。 流体加熱部の他の実施の形態を示す略線的斜視図である。
符号の説明
1……流量測定装置、2……流量測定管路、2K……管軸線、11……熱マーカ形成部、12……測定光処理部、13……参照光処理部、21……光学ユニット、22……管路保持用治具、22A……管路保持溝、25……加熱用レーザダイオード、26……加熱装置部、27……取付部材、31……筐体部、32……放熱部、33……電子冷却装置、34……ヒートシンク、40……システム制御ユニット、41……コントローラ、45……流体加熱部、46……反射材、47……投射孔、50……検出光源用レーザダイオード、51……無偏光ビームスプリッタ、52……反射鏡、55、65……入射側スリット、56、66……入射側シリンドリカルレンズ、57、67……射出側シリンドリカルレンズ、58、68……射出側スリット、59、69……光検出器、60……モニタ、63……測定光光路溝、64……参照光光路溝。

Claims (6)

  1. 流量測定管路を流れる流体の流量を測定する流量測定装置であって、
    上記流量測定管路の熱マーカ形成位置において上記流量測定管路の外部から加熱用レーザ光を照射することにより、上記流量測定管路内を流れる上記流体を加熱して熱マーカを形成する熱マーカ形成部と、
    上記流量測定管路の上記熱マーカ形成位置より下流側の測定光検出位置において、検出光光源から射出された検出光源光に基づいて形成した所定波長のレーザ光でなる測定光を上記流体に透過させて上記流体の吸光度スペクトルに基づく吸光度を表す測定光検出信号を得る測定光処理部と、
    上記熱マーカ形成位置より上流側又は下流側の参照光検出位置において、上記検出光光源から射出された上記検出光源光に基づいて形成した上記所定波長と同じ波長を有するレーザ光でなる参照光を上記流体に透過させて上記流体の吸光度スペクトルに基づく吸光度を表す参照光検出信号を得る参照光処理部と、
    上記熱マーカ形成部に対して上記熱マーカを形成させる駆動信号を与えることにより上記流体に熱マーカを形成すると共に、上記参照光検出信号に含まれる外乱成分によって上記測定光検出信号に含まれる外乱成分を相殺する補正をし、当該補正された上記測定光検出信号によって、上記熱マーカ形成時点から、上記測定光処理部において上記熱マーカが移動して来たことを検出した時点までの到達時間を判別し当該到達時間に対応する流量値を予め実験によって求めた到達時間と流量値との関係を表す校正曲線から読み取るシステム制御ユニットと
    を具えることを特徴とする流量測定装置。
  2. 流量測定管路を流れる流体の流量を測定する流量測定装置であって、
    上記流量測定管路の熱マーカ形成位置において上記流量測定管路の外部から加熱用レーザ光を連続的に照射することにより、上記流量測定管路内を流れる上記流体を加熱して熱マーカを形成する熱マーカ形成部と、
    上記流量測定管路の上記熱マーカ形成位置より下流側の測定光検出位置において、検出光光源から射出された検出光源光に基づいて形成した所定波長のレーザ光でなる測定光を上記流体に透過させて上記流体の吸光度スペクトルに基づく吸光度を表す測定光検出信号を得る測定光処理部と、
    上記熱マーカ形成位置より上流側又は下流側の参照光検出位置において、上記検出光光源から射出された上記検出光源光に基づいて形成した上記所定波長と同じ波長を有するレーザ光でなる参照光を上記流体に透過させて上記流体の吸光度スペクトルに基づく吸光度を表す参照光検出信号を得る参照光処理部と、
    上記熱マーカ形成部に対して上記熱マーカを形成させる駆動信号を与えることにより上記流体に熱マーカを形成すると共に、上記参照光検出信号に含まれる外乱成分によって上記測定光検出信号に含まれる外乱成分を相殺する補正をし、当該補正された上記測定光検出信号によって、上記測定光検出信号に生ずる温度分布の変化に対応する流量値を、予め実験によって求めた温度分布の変化と流量値との関係を表す校正曲線から求めるシステム制御ユニットと
    を具えることを特徴とする流量測定装置。
  3. 流量測定管路を流れる流体の流量を測定する流量測定装置であって、
    上記流量測定管路の熱マーカ形成位置において上記流量測定管路の外部から加熱用レーザ光を正弦波形状に変化させて照射することにより、上記流量測定管路内を流れる上記流体を加熱して熱マーカを形成する熱マーカ形成部と、
    上記流量測定管路の上記熱マーカ形成位置より下流側の測定光検出位置において、検出光光源から射出された検出光源光に基づいて形成した所定波長のレーザ光でなる測定光を上記流体に透過させて上記流体の吸光度スペクトルに基づく吸光度を表す測定光検出信号を得る測定光処理部と、
    上記熱マーカ形成位置より上流側又は下流側の参照光検出位置において、上記検出光光源から射出された上記検出光源光に基づいて形成した上記所定波長と同じ波長を有するレーザ光でなる参照光を上記流体に透過させて上記流体の吸光度スペクトルに基づく吸光度を表す参照光検出信号を得る参照光処理部と、
    上記熱マーカ形成部に対して上記熱マーカを形成させる駆動信号を与えることにより上記流体に熱マーカを形成すると共に、上記参照光検出信号に含まれる外乱成分によって上記測定光検出信号に含まれる外乱成分を相殺する補正をし、当該補正された上記測定光検出信号によって、上記測定光検出信号に生ずる位相の変化に対応する流量値を予め実験によって求めた位相の変化と流量値との関係を表す校正曲線から求めるシステム制御ユニットと
    を具えることを特徴とする流量測定装置。
  4. 上記測定光処理部及び上記参照光処理部は、上記測定光及び上記参照光をシリンドリカルレンズを透過させることにより、上記測定光及び上記参照光が上記流量測定管路の管軸線に向かって集光しながら透過するような構成を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の流量測定装置。
  5. 上記熱マーカ形成部は、上記流量測定管路の周囲に反射手段を有し、外部から照射された上記加熱用レーザ光を上記反射手段によって繰返し反射させることにより、上記流量測定管路を流れる上記流体内に繰返し透過させて吸収させる
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の流量測定装置。
  6. 流量測定管路を流れる流体の流量を測定する流量測定方法であって、
    上記流量測定管路の熱マーカ形成位置において熱マーカ形成部によって上記流量測定管路の外部から加熱用レーザ光を照射することにより、上記流量測定管路内を流れる上記流体を加熱して熱マーカを形成し、
    上記流量測定管路の上記熱マーカ形成位置より下流側の測定光検出位置において測定光処理部によって、検出光光源から射出された検出光源光に基づいて形成した所定波長のレーザ光でなる測定光を上記流体に透過させて上記流体の吸光度スペクトルに基づく吸光度を表す測定光検出信号を得、
    上記熱マーカ形成位置より上流側又は下流側の参照光検出位置において参照光処理部によって、上記検出光光源から射出された上記検出光源光に基づいて形成した上記所定波長と同じ波長を有するレーザ光でなる参照光を上記流体に透過させて上記流体の吸光度スペクトルに基づく吸光度を表す参照光検出信号を得、
    システム制御ユニットによって、上記熱マーカ形成部に対して上記熱マーカを形成させる駆動信号を与えることにより上記流体に熱マーカを形成すると共に、上記参照光検出信号に含まれる外乱成分によって上記測定光検出信号に含まれる外乱成分を相殺する補正をし、当該補正された上記測定光検出信号によって、上記熱マーカ形成時点から、上記測定光処理部において上記熱マーカが移動して来たことを検出した時点までの到達時間を判別し当該到達時間に対応する流量値を予め実験によって求めた到達時間と流量値との関係を表す校正曲線から読み取る
    ことを特徴とする流量測定方法。
JP2005362207A 2005-12-15 2005-12-15 流量測定装置及び方法 Active JP5024920B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005362207A JP5024920B2 (ja) 2005-12-15 2005-12-15 流量測定装置及び方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005362207A JP5024920B2 (ja) 2005-12-15 2005-12-15 流量測定装置及び方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007163378A JP2007163378A (ja) 2007-06-28
JP5024920B2 true JP5024920B2 (ja) 2012-09-12

Family

ID=38246435

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005362207A Active JP5024920B2 (ja) 2005-12-15 2005-12-15 流量測定装置及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5024920B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009128175A (ja) * 2007-11-22 2009-06-11 Yokogawa Electric Corp 近赤外分析計
JP5568433B2 (ja) * 2010-10-14 2014-08-06 東京エレクトロン株式会社 水処理装置及び水処理方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60168022A (ja) * 1984-02-10 1985-08-31 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 流体の流量測定装置
US4938079A (en) * 1989-03-06 1990-07-03 Ivac Corporation Thermal transit time flow measurement system
JPH1114450A (ja) * 1997-06-20 1999-01-22 Toshiba Corp レーザ出力測定器
JP2002148089A (ja) * 2000-11-09 2002-05-22 Takao Tsuda 中空管内流量測定方法
JP2004144502A (ja) * 2002-10-22 2004-05-20 Nippon Gijutsu Center:Kk 液面位置検出装置
JP2004170357A (ja) * 2002-11-22 2004-06-17 Toyota Motor Corp 排ガス流量計測装置及び排ガスの流量計測方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007163378A (ja) 2007-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5558629B2 (ja) レーザ加工装置
JP2012182434A (ja) レーザ装置、極端紫外光生成システム、レーザ装置の制御方法、および極端紫外光生成方法
KR20150108820A (ko) 극자외 광원을 위한 열 모니터
US10228368B2 (en) Enhanced surface plasmon resonance method
JP5024920B2 (ja) 流量測定装置及び方法
JP5845970B2 (ja) レーザ加工装置
JP5786191B2 (ja) 温度感応体、光学式温度センサ、温度計測装置及び熱流束計測装置
JP5336503B2 (ja) 流れている液体の流動量を決定する方法および装置
JP6620499B2 (ja) 光学非破壊検査装置及び光学非破壊検査方法
JP2007120971A (ja) 光式水素ガス及び炭化水素ガスセンサ
JP2009109392A (ja) 流量計測装置およびそれを用いる分析装置
JP5001226B2 (ja) 光熱変換測定装置及び方法
JP4299798B2 (ja) 光熱変換測定装置,試料セル
JP2006258537A (ja) 温度測定装置
JP3795976B2 (ja) 非接触温度測定装置
JP4565233B2 (ja) 流量測定方法およびそれに用いる測定装置
JP4135670B2 (ja) 光式ガスセンサ
JP2013195150A (ja) 光加熱による固体表面温度の計測装置及び計測方法
JP2004251766A (ja) 温度測定方法およびそれに用いる測定装置
KR102265564B1 (ko) 산란광 측정 방식의 가스 센싱 시스템
US11199491B2 (en) Photothermal absorbance measurement in a flow system
WO2021186877A1 (ja) 流速測定装置
WO2016194061A1 (ja) 光学特性検出光学系、測定プローブおよび光学特性検出装置
JP2005337939A (ja) 表面プラズモン共鳴装置
JP6574584B2 (ja) 光学式センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110809

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120605

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120615

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150629

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350