JP2002148089A - 中空管内流量測定方法 - Google Patents

中空管内流量測定方法

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JP2002148089A JP2000342510A JP2000342510A JP2002148089A JP 2002148089 A JP2002148089 A JP 2002148089A JP 2000342510 A JP2000342510 A JP 2000342510A JP 2000342510 A JP2000342510 A JP 2000342510A JP 2002148089 A JP2002148089 A JP 2002148089A
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Takao Tsuda
孝雄 津田
Masanori Munematsu
眞徳 宗末
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KEMUKO KK
Tsuda Takao
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KEMUKO KK
Tsuda Takao
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分離分析分野や化学合成分野に供する微小径
の中空管内の流量測定する方法として、機械的な誤差や
流路系の汚染が生ずることのない中空管内流量測定方法
を提供する。 【解決手段】 加熱手段によって中空管の任意個所を加
熱することによる管内流体の物性の変化を、その加熱個
所から一定の間隔をあけて設置した検出器を用いて検出
することによって、管内流量を測定するようにしてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体クロマトグラ
フィー、電気クロマトグラフィーなどの分離分析分野
や、化学合成分野などに供することのできる、微小径の
中空管内の流量測定に適した流量測定方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、微小径の中空管内の流量測定は、
第一の方法として、送液装置の吐出部の体積を計算した
り、第二の方法として、流路系にファンを取り付けその
ファンの回転数より算出したり、第三の方法として、フ
ィラメントを二本挿入し、一方を加熱して、もう一方へ
の熱の伝導速度から算出したり、もしくは第四の方法と
して、流路にバブルなど流体と異質な物質を断続的に流
し、その通過時間を光学センサーを使用して流量に換算
するなどしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
中空管内流量測定方法は、上記第一や第二の方法におい
ては、その測定値に機械的な誤差が生ずることがあると
いう課題を有し、上記第三の方法においては、フィラメ
ントが消耗して切れてしまうことがあるという課題を有
し、上記第四の方法においては、流路系に異物を挿入す
るため、その挿入が困難であったり、異物が挿入される
ことにより流路系が汚染されるという課題を有するの
で、何れにしても分離分析分野や化学合成分野などに供
するには好ましくなかった。
【0004】そこで、本発明は、分離分析分野や化学合
成分野に供する微小径の中空管内の流量測定する方法と
して、機械的な誤差や流路系の汚染が生ずることのない
中空管内流量測定方法を提供することを目的としてなさ
れたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明の中空
管内流量測定方法は、加熱手段によって中空管の任意個
所を加熱することによる管内流体の物性の変化を、その
加熱個所から一定の間隔をあけて設置した検出器を用い
て検出することによって、管内流量を測定するようにし
ている。
【0006】さらに、本発明の中空管内流量測定方法
は、加熱手段によって中空管の任意個所を加熱すること
による管内流体の物性の変化を、その加熱個所から一定
の間隔をあけて設置した検出器を用いて検出することに
よって、管内流量を測定し、さらにその流量をコンピュ
ータシステムにより演算処理することによって、流量信
号を得るようにしている。
【0007】そして、本発明の中空管内流量測定方法
は、前記加熱手段による加熱開始時間と、検出器による
信号を取り出す時間の時間差を計測するようにしてい
る。
【0008】本発明の測定方法に用いられる加熱手段
は、通電加熱、集光加熱によるものとしている。また、
この加熱手段による加熱は、電圧グラジェントによるも
のとすることができる。
【0009】本発明の測定方法に用いられる中空管は、
キャピラリー電気泳動、キャピラリー液体クロマトグラ
フィーなどに供せられるキャピラリーカラムとしたり、
ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーなど
に供せられるプレカラム、ポストカラムとしたり、動
物、人への薬液の自動供給システムに供せられるカテー
テルまたはこれらカテーテルに接続される管としたり、
生命化学の研究等に用いられるマイクロピペットまたは
これらマイクロピペットに接続される管とすることがで
きる。
【0010】また、本発明の測定方法における管内流体
の物性の変化は、温度変化、または泡沫発生とすること
ができる。
【0011】さらに、本発明の測定方法に用いられる検
出器は、赤外発光LEDとフォトダイオードの組み合わ
せとすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の中空管内流量測定
方法の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の中空管内流量測定方法を
実施するための装置の一例の概略図を示しており、キャ
ピラリーカラムとした中空管1の上流側の任意の個所P
1 に巻き付けたニクロム線に通電するようにした加熱手
段2によって、中空管1の前記個所P1 を加熱できるよ
うにすると共に、この上流側の個所P1 から一定の間隔
をあけて中空管1の下流側の任意の個所P2 に検出器3
を設置したものとし、前記加熱による管内流体の物性の
変化を、この検出器3によって検出できるようにしてい
る。
【0014】図2は、本発明の中空管内流量測定方法を
実施するための装置の他の例を示しており、プレカラム
とした中空管1の上流側の任意の個所P1 にレーザー集
光を照射するようにした加熱手段2によって、中空管1
の前記個所P1 を加熱できるようにすると共に、この上
流側の個所P1 から一定の間隔をあけて中空管1の下流
側の任意の個所P2 に検出器3を設置したものとし、前
記加熱による管内流体の物性の変化を、この検出器3に
よって検出できるようにしている。
【0015】図3は、本発明の中空管内流量測定方法を
実施するための装置の他の例を示しており、マイクロピ
ペットとした中空管1の上流側の任意の個所P1 に巻き
付けたニクロム線に通電するようにした加熱手段2によ
って、中空管1の前記個所P1 を加熱できるようにする
と共に、この上流側の個所P1 から一定の間隔をあけて
中空管1の下流側の任意の個所P2 に検出器3を設置し
たものとし、前記加熱による管内流体の物性の変化を、
この検出器3によって検出できるものとし、さらに加熱
手段2と検出器3の間にコンピュータシステム4を組み
込み、このコンピュータシステム4により演算処理し、
流量信号を得ることができるものとしている。
【0016】なお、図1〜3に示した装置において、中
空管1の下流側の任意の個所P2 は、中空管1の出口で
あってもよい。
【0017】前記中空管1は、材質、長さ、内径を任意
に選択でき、如何なる流体にも対応できるようにしてい
るが、例えば、キャピラリー電気泳動、キャピラリー液
体クロマトグラフィーなどに供せられるキャピラリーカ
ラムとしたり、ガスクロマトグラフィー、液体クロマト
グラフィーなどに供せられるプレカラム、ポストカラム
としたり、動物、人への薬液の自動供給システムに供せ
られるカテーテル、生命化学の研究等に用いられるマイ
クロピペットなどとすることができる。
【0018】前記加熱手段2としては、中空管1の外部
から管内流体を加熱できるものであれば、特に限定され
ないが、例えば、通電加熱、集光加熱によるものとする
ことができる。通電加熱によるものは、ニクロム線など
の発熱体に通電するようにしたものとしたり、集光加熱
としては、レーザー光、白色光、赤外線などを集光する
ようにしたものとすることができる。なお、加熱手段2
をこのような通電加熱、集光加熱によるものとすれば、
これら加熱手段2は、中空管の任意個所を外部から容易
に加熱することができ、流路系に汚染が生じることがな
い。
【0019】さらに、加熱手段2による加熱は、一定圧
で電流を供給するのではなく、電圧をグラジェント化し
て電流を供給することができる。
【0020】前記検出器3としては、例えば、赤外発光
LEDとフォトダイオードの組み合わせとすることがで
きるが、これら光学系の検出器に限定されるものではな
く、電気系の検出器、その他適宜なものにすることがで
きる。なお、検出器3を赤外発光LEDとフォトダイオ
ードの組み合わせとすれば、これら検出器3は、小型化
されており、中空管1への設置が容易なものとなる。
【0021】前記管内流体としては、各種の展開液、反
応試薬液、治療薬液、検査薬液などが挙げられるが、特
に限定されることはなく如何なる流体であってもよい。
また、この管内流体の物性変化としては、温度変化、泡
沫発生とすることができるが、電気抵抗変化など、光学
系の検出器で検出できないものであってもよい。
【0022】以上のように構成された装置において、中
空管1に液体を流しつつ、中空管1の下流側の個所P2
で検出器3により、液体の吸光度を連続的に測定し始め
る。次に、図1、図3に示した装置では、中空管1に巻
き付けたニクロム線に電流を単位時間供給する。また、
図2に示した装置では、中空管1にレーザー集光を単位
時間照射する。すると、中空管1の上流側の個所P1 が
局部的に加熱される。この局部的な加熱にともない、中
空管1を流れる液体が加熱され、加温状態になるにとも
ない液体の屈折率が変化する。
【0023】すると、この屈折率の変化した液体が前記
の個所P2 を通過するときにその吸光度の変化が、前記
検出器3により検出される。そこで、この検出器3によ
る検出時間と、加熱手段2による加熱開始時間との差に
より、この液体の管内流量を算出することができる。
【0024】なお、前記中空管1に巻き付けたニクロム
線に電流を単位時間供給する場合、一定圧で電流を供給
するのではなく、電圧をグラジェント化して電流を供給
すれば、この電圧グラジェントによる検出信号の検出パ
ターンから、絶対流量を算出することができる。
【0025】
【実施例】次に、本発明の中空管内流量測定方法の実施
例を説明する。
【0026】〔実施例1〕前記図1に示した装置におい
て、中空管1の内径を100μmとし、中空管1の上流
側の個所P1 と中空管1の下流側の個所P2 の間隔を3
0mmとし、中空管1に巻き付けたニクロム線に電圧
1.2Vで0.41Aの直流電流を3秒間供給したとき
の吸光度を連続的に測定した結果を、図4に示した。図
4より、流体から発生した泡沫による吸光度の変化が、
0.5分後に検出された結果、この中空管1を流れる液
体の流量は、470nl/分であると算出できた。
【0027】〔実施例2〕前記図1に示した装置におい
て、中空管1の内径を100μmとし、中空管1の上流
側の個所P1 と中空管1の下流側の個所P2 の間隔を3
0mmとし、中空管1に巻き付けたニクロム線に電圧
1.2Vで0.41Aの直流電流を8秒間供給したとき
の吸光度を連続的に測定した結果を、図5に示した。図
5より、流体から発生した泡沫による吸光度の変化が、
1分後に検出されたので、この中空管1を流れる液体の
流量は、235nl/分であると算出できた。
【0028】〔実施例3〕前記図1に示した装置におい
て、中空管1の内径を100μmとし、中空管1の上流
側の個所P1 と中空管1の下流側の個所P2 の間隔を3
0mmとし、中空管1に巻き付けたニクロム線に電圧
1.0Vで0.31Aの直流電流を15秒間供給したと
きの吸光度を測定した結果を、図6に示した。図6よ
り、流体の温度上昇による吸光度の変化が、1分後に検
出されたので、この中空管1を流れる液体の流量は、2
35nl/分であると算出できた。
【0029】〔実施例4〕前記図1に示した装置におい
て、中空管1の内径を100μmとし、中空管1の上流
側の個所P1 と中空管1の下流側の個所P2 の間隔を3
0mmとし、中空管1に巻き付けたニクロム線に電圧
1.1Vで0.36Aの直流電流を20秒間供給したと
きの吸光度を測定した結果を、図7に示した。図7よ
り、流体の温度上昇による吸光度の変化が、2.5分後
に検出されたので、この中空管1を流れる液体の流量
は、94nl/分であると算出できた。
【0030】〔実施例5〕前記図3に示した装置におい
て、中空管1の内径を100μmとし、中空管1の上流
側の個所P1 と中空管1の下流側の個所P2 の間隔を3
0mmとし、中空管1に巻き付けたニクロム線に電圧を
0V〜0.5Vまで20秒で上昇させ、次いで0.5V
〜0Vまで20秒で降下させるようにして供給したとき
の吸光度を測定した結果を、図8に示した。図8より、
流体の温度上昇による吸光度の変化による検出パターン
より、正確な加熱時点を確認でき、流量を算出できる。
さらに、この検出パターンは、コンピュータシステム4
により演算処理され、流量信号とすることができる。こ
れにより、流量をコントロールできるものとなる。
【0031】
【発明の効果】本発明は、以上に述べたように構成され
ているので、機械的な誤差や流路系の汚染が生ずること
のない中空管内の流量測定方法を提供することができ
た。
【0032】したがって、分離分析分野における流量の
変動による分析精度のバラツキを解消することができる
と共に、キャピラリー電気泳動などの分析手法に、オン
タイムで流量の情報を得られるものとなり、これにより
微量クロマトグラフィーの信頼性が向上するものとな
る。また、分離分析分野におけるプレカラム反応、ポス
トカラム反応の精密な流量測定と流量コントロールがで
きるものとなる。さらに、化学合成分野においては、薬
物の自動供給システムの作動管理等ができるものとなっ
たり、反応試薬の供給等を微妙にコントロールできるも
のとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中空管内流量測定方法を実施するため
の装置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の中空管内流量測定方法を実施するため
の装置の他の例を示す概略図である。
【図3】本発明の中空管内流量測定方法を実施するため
の装置のさらに他の例を示す概略図である。
【図4】本発明の中空管内流量測定方法の実施例1にお
ける吸光度の測定結果を示す図である。
【図5】本発明の中空管内流量測定方法の実施例2にお
ける吸光度の測定結果を示す図である。
【図6】本発明の中空管内流量測定方法の実施例3にお
ける吸光度の測定結果を示す図である。
【図7】本発明の中空管内流量測定方法の実施例4にお
ける吸光度の測定結果を示す図である。
【図8】本発明の中空管内流量測定方法の実施例5にお
ける吸光度の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1 中空管 2 加熱手段 3 検出器 4 コンピュータシステム

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱手段によって中空管の任意個所を加
    熱することによる管内流体の物性の変化を、その加熱個
    所から一定の間隔をあけて設置した検出器を用いて検出
    することによって、管内流量を測定することを特徴とす
    る中空管内流量測定方法。
  2. 【請求項2】 加熱手段によって中空管の任意個所を加
    熱することによる管内流体の物性の変化を、その加熱個
    所から一定の間隔をあけて設置した検出器を用いて検出
    することによって、管内流量を測定し、さらにその流量
    をコンピュータシステムにより演算処理することによっ
    て、流量信号を得ることを特徴とする中空管内流量測定
    方法。
  3. 【請求項3】 前記加熱手段による加熱開始時間と、検
    出器による信号を取り出す時間の時間差を計測すること
    を特徴とする請求項1または2記載の中空管内流量測定
    方法。
  4. 【請求項4】 加熱手段が、通電加熱、集光加熱による
    ものとしたことを特徴とする請求項1または2記載の中
    空管内流量測定方法。
  5. 【請求項5】 加熱手段による加熱を、電圧グラジェン
    トによるものとしたことを特徴とする請求項1または2
    記載の中空管内流量測定方法。
  6. 【請求項6】 中空管が、キャピラリー電気泳動、キャ
    ピラリー液体クロマトグラフィー、その他のクロマトグ
    ラフィーに供せられるキャピラリーカラムであることを
    特徴とする請求項1または2記載の中空管内流量測定方
    法。
  7. 【請求項7】 中空管が、ガスクロマトグラフィー、液
    体クロマトグラフィー、その他のクロマトグラフィーに
    供せられるプレカラム、ポストカラムであることを特徴
    とする請求項1または2記載の中空管内流量測定方法。
  8. 【請求項8】 中空管が、動物、人への薬液の自動供給
    システムに供せられるカテーテルまたはこれらカテーテ
    ルに接続される管であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の中空管内流量測定方法。
  9. 【請求項9】 中空管が、生命化学の研究等に用いられ
    るマイクロピペットまたはこれらマイクロピペットに接
    続される管であることを特徴とする請求項1または2記
    載の中空管内流量測定方法。
  10. 【請求項10】 管内流体の物性の変化が、温度変化、
    または泡沫発生であることを特徴とする請求項1または
    2記載の中空管内流量測定方法。
  11. 【請求項11】 検出器が、赤外発光LEDとフォトダ
    イオードの組み合わせであることを特徴とする請求項1
    または2記載の中空管内流量測定方法。
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